JP2003300163A - 新規樹脂結合材薄刃砥粒工具 - Google Patents

新規樹脂結合材薄刃砥粒工具

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JP2003300163A
JP2003300163A JP2002101698A JP2002101698A JP2003300163A JP 2003300163 A JP2003300163 A JP 2003300163A JP 2002101698 A JP2002101698 A JP 2002101698A JP 2002101698 A JP2002101698 A JP 2002101698A JP 2003300163 A JP2003300163 A JP 2003300163A
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resin
average particle
inorganic filler
abrasive grain
resin binder
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JP2002101698A
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Tsuyoshi Fujii
剛志 藤井
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Noritake Co Ltd
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Noritake Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】砥粒等が均一に分散し、樹脂結合材薄刃砥粒工
具(ブレード)の切断加工精度を損なうことなく、切れ
味が良く、摩耗量の少ない、研削時に高温発熱を伴うよ
うなより過酷な加工条件下でも長期間性能を確保するこ
とのできる、樹脂結合材薄刃砥粒工具及びその製造用の
流動性樹脂結合材組成物を提供する。 【解決手段】流動性樹脂結合材組成物に対し、充填材と
して、流動性樹脂結合材組成物に配合すべき超砥粒の平
均粒子径の0.1〜10%の平均粒子径である略球状の
小さい無機質充填材の少なくとも1種と、前記小さい無
機質充填材の平均粒子径の小さくとも3倍かつ前記超砥
粒の平均粒子径の大きくとも80%の平均粒子径である
略球状の大きい無機質充填材の少なくとも1種を含有さ
せる。このような特定の無機質充填材を含有する流動性
樹脂結合材組成物を使用して、上記目的とする樹脂結合
材薄刃砥粒工具を容易に製造することが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規樹脂結合材薄刃
砥粒工具及びその工具の製造のために使用される流動性
樹脂結合材組成物に関し、特に切れ味が良いだけでな
く、摩耗量も少ない(工具寿命が高い)、切断加工精度
に優れた、厚み寸法が比較的小さな薄刃砥石(樹脂結合
材薄刃砥粒工具)や、その(工具の)製造に使用される
流動性樹脂結合材組成物を提供することができる。
【0002】
【従来の技術】シリコンウェハ・水晶・石英などの硬質
脆性材料、金属材料などを切断加工するために、厚み寸
法が例えば1mm以下の比較的小さな薄刃砥石が用いら
れている。例えば、半導体ウェハにおいてマトリックス
状に配列された半導体素子を結晶方位に拘わらず垂直面
でペレットに分割するためのダイシング工程において用
いられる切断工具がそれである。
【0003】フェノール樹脂は、耐熱性・強度等に優
れ、砥石の結合材として従来から使用されてきた。しか
し、フェノール樹脂はベンゼン環を多く含み、分子量も
比較的大きいことから、通常常温では固体状或いは液体
であっても高粘度である。このため、砥石等の砥粒を用
いた工具を製造する際に使用される、フェノール樹脂に
砥粒を混合した混合材料は、粉体状態であり、常温プ
レスした後、熱処理するか、又は熱間プレスするか、
によって使用されて、砥石等の砥粒を用いた工具が製造
されている。
【0004】ところで、ダイヤモンド、cBN(立方晶
窒化ホウ素)等の超砥粒を用いた工具では、超砥粒以外
の充填材として、材質がアルミナ、SiC等の一般砥粒
を併用することがほとんどである。前記充填材は、工具
の性能向上、即ち、弾性率、強度、熱伝導率、剛性等の
機械的物性を向上させる目的で混入される。前記充填材
の粒子径(平均粒子径)は、切れ味を良くする、摩耗量
を少なくする等、工具の性能・強度を向上させるため細
かい方が望ましいが、微粒になるほど分散が難しく、樹
脂の成形性も悪く、充填材の充填量も少なくなることか
ら、超砥粒の粒子径に対し80%以下にすることが多
い。超砥粒の平均粒子径を例えば10μm程度とした場
合、この超砥粒以外の充填材として平均粒子径8μm程
度のものを用いることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような充填材を、
樹脂結合材を用いた工具(樹脂結合材薄刃砥粒工具)の
製造の際に使用される流動性樹脂結合材組成物に対して
多量に充填したときには、充填材が工具から抜け落ち難
く、熱伝導率や剛性の高い樹脂結合材を製造することが
できるので、その結果、摩耗量が少ない、切断加工精度
の高い、研削時に高温発熱を伴うようなより過酷な加工
条件下でも性能が確保できる工具を製造することができ
る。しかしながら、充填材が工具から抜け落ち難いため
に、切断に寄与している砥粒が突き出てこない(切れ味
が悪い)、充填材が一旦工具から抜け落ちるとその抜け
落ちた部分において砥粒の脱粒が起こり易い(摩耗し易
い)という問題がある。
【0006】このような情況下に、砥粒等が均一に分散
し、樹脂結合材薄刃砥粒工具(ブレード)の切断加工精
度を損なうことなく、切れ味が良く、摩耗量の少ない、
研削時に高温発熱を伴うようなより過酷な加工条件下で
も性能が確保できる(工具寿命が高い)樹脂結合材薄刃
砥粒工具及びこれを製造するための流動性樹脂結合材組
成物の開発が求められる。
【0007】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
り、本発明が解決しようとする課題は、使用する超砥
粒、特に、平均粒子径が比較的大きい(例えば10〜1
00μm程度)超砥粒が樹脂結合材に十分に良好に分散
された、切れ味が良く、摩耗量が少ない、研削時に高温
発熱を伴うような過酷な加工条件下でも長期間性能を確
保することができる樹脂結合材薄刃砥粒工具及びその製
造用の流動性樹脂結合材組成物を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、流動性樹脂結合材
組成物に対し、充填材として、流動性樹脂結合材組成物
に配合すべき(使用する)超砥粒の平均粒子径の0.1
〜10%の平均粒子径である略球状の小さい無機質充填
材の少なくとも1種類と、前記小さい無機質充填材の平
均粒子径の少なくとも3倍(3倍以上)かつ前記超砥粒
の平均粒子径の大きくとも80%(80%以下)の平均
粒子径である略球状の大きい無機質充填材の少なくとも
1種類を含有させる場合には、前記小さい無機質充填材
及び前記大きい無機質充填材が最密充填されるので、そ
れぞれの無機質充填材の充填量を増やすことができるこ
とを見出した。更に、このような2種類の充填材を含む
流動性樹脂結合材組成物を硬化工程に付して製造した樹
脂結合材薄刃砥粒工具は、砥粒等が均一に分散している
ことや、切れ味が良い、摩耗量が少ない等の優れた性能
を有すること、前記充填材が最密充填されているので、
剛性が高く、被切断物を容易に真っ直ぐ切断する(切断
加工精度を高くする)ことができること、熱伝導率が高
く、発生した熱を速やかに放出できるので、研削時に高
温発熱を伴うようなより過酷な加工条件下でも長期間性
能が確保できること等を見出し、これ等種々の知見に基
づいて本発明を完成するに到った。
【0009】即ち、本発明の第一の視点において、超砥
粒を樹脂結合材で保持した薄板状の砥粒保持部を有する
樹脂結合材薄刃砥粒工具であって、前記超砥粒の平均粒
子径が、10〜100μmであり、前記砥粒保持部の樹
脂結合材が、少なくとも2種類の充填材と、硬化性の異
なる、少なくとも2種類の樹脂と、これ等の樹脂の重合
開始剤とを含有する流動性樹脂結合材組成物を、硬化工
程に付して製造され、前記少なくとも2種類の充填材
が、前記超砥粒の平均粒子径の0.1〜10%(10%
以下)の平均粒子径である略球状の小さい無機質充填材
の少なくとも1種類と、前記小さい無機質充填材の平均
粒子径の少なくとも3倍(3倍以上)かつ前記超砥粒の
平均粒子径の大きくとも80%(80%以下)の平均粒
子径である略球状の大きい無機質充填材の少なくとも1
種類とを含む無機質充填材であることに特徴を有する樹
脂結合材薄刃砥粒工具(以下、「本発明の樹脂結合材薄
刃砥粒工具」とも称する。)が提供される。
【0010】前記硬化性の異なる、少なくとも2種類の
樹脂については特に制限は無く、例えば、少なくとも1
種類の熱硬化性樹脂と少なくとも1種類の光硬化性樹
脂、又は硬化性の異なる、少なくとも2種類の熱硬化性
樹脂(即ち、少なくとも1種類の低温度(T)で硬化
する熱硬化性樹脂と少なくとも1種類の高温度(T
で硬化する熱硬化性樹脂)を選択することができる。
【0011】本発明の樹脂結合材薄刃砥粒工具を一般に
ダイシングブレードと呼ばれる用途に用いる場合には、
前記砥粒保持部の樹脂結合材において、十分な導電性を
得るために、当該樹脂結合材薄刃砥粒工具製造用の流動
性樹脂結合材組成物に予め導電性フィラーを含有させ
る。
【0012】本発明の第二の視点において、超砥粒を樹
脂結合材で保持した薄板状の砥粒保持部を有する樹脂結
合材薄刃砥粒工具製造用の流動性樹脂結合材組成物であ
って、前記超砥粒の平均粒子径が、10〜100μmで
あり、少なくとも2種類の充填材と、硬化性の異なる、
少なくとも2種類の樹脂と、これ等の樹脂の重合開始剤
とを含有し、前記少なくとも2種類の充填材が、前記超
砥粒の平均粒子径の0.1〜10%の平均粒子径である
略球状の小さい無機質充填材の少なくとも1種類と、前
記小さい無機質充填材の平均粒子径の少なくとも3倍か
つ前記超砥粒の平均粒子径の大きくとも80%の平均粒
子径である略球状の大きい無機質充填材の少なくとも1
種類とを含む充填材であることに特徴を有する樹脂結合
材薄刃砥粒工具製造用の流動性樹脂結合材組成物(以
下、「本発明の流動性樹脂結合材組成物」とも称す
る。)が提供される。
【0013】前記硬化性の異なる、少なくとも2種類の
樹脂については特に制限は無く、例えば、少なくとも1
種類の熱硬化性樹脂と少なくとも1種類の光硬化性樹
脂、又は硬化性の異なる、少なくとも2種類の熱硬化性
樹脂(即ち、少なくとも1種類の低温度(T)で硬化
する熱硬化性樹脂と少なくとも1種類の高温度(T
で硬化する熱硬化性樹脂)を選択することができる。
【0014】本発明の流動性樹脂結合材組成物を使用し
て製造した樹脂結合材薄刃砥粒工具を一般にダイシング
ブレードと呼ばれる用途に用いる場合には、前記砥粒保
持部の樹脂結合材において、十分な導電性を得るため
に、当該流動性樹脂結合材組成物に予め導電性フィラー
を含有させる。
【0015】本発明の第三の視点において、超砥粒を樹
脂結合材で保持した薄板状の砥粒保持部を有する樹脂結
合材薄刃砥粒工具であって、前記超砥粒の平均粒子径
が、10〜100μmであり、前記砥粒保持部の樹脂結
合材が、少なくとも2種類の充填材と、硬化性の異な
る、少なくとも2種類のカチオン重合性樹脂と、これ等
の樹脂の重合開始剤として、カチオン重合触媒とを含有
する流動性樹脂結合材組成物を、低温度の硬化工程と高
温度の硬化工程に付して製造され、前記少なくとも2種
類の充填材が、前記超砥粒の平均粒子径の0.1〜10
%の平均粒子径である略球状の小さい無機質充填材の少
なくとも1種類と、前記小さい無機質充填材の平均粒子
径の少なくとも3倍かつ前記超砥粒の平均粒子径の大き
くとも80%の平均粒子径である略球状の大きい無機質
充填材の少なくとも1種類とを含む充填材であり、前記
少なくとも2種類のカチオン重合性樹脂が、少なくとも
1種類の環状脂肪族エポキシ樹脂と、グリシジルエーテ
ル樹脂並びに環状脂肪族エポキシ樹脂及びグリシジルエ
ーテル樹脂のそれぞれに似た構造を持つ樹脂のいずれか
1種類以上であることに特徴を有する樹脂結合材薄刃砥
粒工具(以下、「本発明の特定の樹脂を使用して製造さ
れた樹脂結合材薄刃砥粒工具」とも称する。)が提供さ
れる。
【0016】本発明の特定の樹脂を使用して製造された
樹脂結合材薄刃砥粒工具を一般にダイシングブレードと
呼ばれる用途に用いる場合には、前記砥粒保持部の樹脂
結合材において、十分な導電性を得るために、当該樹脂
結合材薄刃砥粒工具製造用の流動性樹脂結合材組成物に
予め導電性フィラーを含有させる。
【0017】本発明の第四の視点において、超砥粒を樹
脂結合材で保持した薄板状の砥粒保持部を有する樹脂結
合材薄刃砥粒工具製造用の流動性樹脂結合材組成物であ
って、前記超砥粒の平均粒子径が、10〜100μmで
あり、少なくとも2種類の充填材と、硬化性の異なる、
少なくとも2種類のカチオン重合性樹脂とを含有し、前
記少なくとも2種類の充填材が、前記超砥粒の平均粒子
径の大きくとも10%の平均粒子径である略球状の小さ
い無機質充填材の少なくとも1種類と、前記小さい無機
質充填材の平均粒子径の少なくとも3倍かつ前記超砥粒
の平均粒子径の大きくとも80%の平均粒子径である略
球状の大きい無機質充填材の少なくとも1種類とを含む
充填材であり、前記少なくとも2種類のカチオン重合性
樹脂が、少なくとも1種類の環状脂肪族エポキシ樹脂
と、グリシジルエーテル樹脂並びに環状脂肪族エポキシ
樹脂及びグリシジルエーテル樹脂のそれぞれに似た構造
を持つ樹脂のいずれか1種類以上であり、更に、これ等
の樹脂の重合開始剤として、カチオン重合触媒が添加さ
れることに特徴を有する樹脂結合材薄刃砥粒工具製造用
の流動性樹脂結合材組成物(以下、「本発明の特定の樹
脂を含有した流動性樹脂結合材組成物」とも称する。)
が提供される。
【0018】本発明の特定の樹脂を含有した流動性樹脂
結合材組成物を使用して製造した樹脂結合材薄刃砥粒工
具を一般にダイシングブレードと呼ばれる用途に用いる
場合には、前記砥粒保持部の樹脂結合材において、十分
な導電性を得るために、当該流動性樹脂結合材組成物に
予め導電性フィラーを含有させる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明には幾つかの形態、即ち、樹脂結合
材薄刃砥粒工具及びその工具の製造用の流動性樹脂結合
材組成物等が含まれる。なお、本発明の樹脂結合材薄刃
砥粒工具及びその工具を製造するための流動性樹脂結合
材組成物を中心に説明するが、本発明はこれ等に限定さ
れるものではない。
【0020】(本発明の樹脂結合材薄刃砥粒工具)本発
明の樹脂結合材薄刃砥粒工具について説明する。
【0021】本発明の樹脂結合材薄刃砥粒工具の砥粒保
持部は、超砥粒、充填材等を含む粒子が樹脂結合材中に
分散して保持されている薄板状のもの(一般的には、回
転軸に取り付けるための厚さ方向に貫通する貫通孔を中
央部に有する薄い円盤状のもの)にすることができる。
【0022】本発明の樹脂結合材薄刃砥粒工具の製造に
ついては、特に困難は無く、樹脂結合材薄刃砥粒工具の
製造のために硬化性の異なる、少なくとも2種類の樹
脂、例えば、硬化性の異なる、少なくとも2種類の熱硬
化性樹脂(少なくとも1種類の低温度(T)で硬化す
る熱硬化性樹脂と少なくとも1種類の高温度(T)で
硬化する熱硬化性樹脂)、特に、硬化性の異なる、少な
くとも2種類のカチオン重合性樹脂、又は少なくとも1
種類の熱硬化性樹脂と少なくとも1種類の光硬化性樹
脂、特に、少なくとも1種類のカチオン重合性樹脂と少
なくとも1種類の光ラジカル重合性樹脂を含有する流動
性樹脂結合材組成物を使用して容易に製造することがで
きる。このように重合し易さの異なる樹脂(流動性樹
脂)を用いることにより、本発明の樹脂結合材薄刃砥粒
工具の製造において、流動性樹脂結合材組成物中に、超
砥粒等の砥粒、無機質充填材、導電性フィラー(導電性
材料)等を均一に分散させることが可能となる。また、
流動性樹脂結合材組成物の硬化工程を二回以上に分ける
ことができるので、この工具の製造(成形)は容易であ
る。
【0023】本発明の樹脂結合材薄刃砥粒工具の製造に
ついては、具体的に下記の方法を一例として挙げること
ができる。硬化性の異なる、少なくとも2種類のカチオ
ン重合性樹脂、例えば、環状脂肪族エポキシ樹脂及びグ
リシジルエーテル樹脂、並びにカチオン重合触媒を含む
流動性樹脂結合材組成物に、超砥粒、無機質充填材等を
加えて攪拌すると、これ等の微粒が均一に分散し、ペー
スト状になる。更に、このペーストについて、低温度
(T)で反応が行われると、カチオン重合触媒存在下
において、カチオン重合性の良い環状脂肪族エポキシ樹
脂がまず反応して架橋する。グリシジルエーテル樹脂は
硬化性が悪いため、比較的低温・短時間では重合し難
い。このため、低温度(T)で硬化させると半硬化状
態となり硬化物はある程度の柔軟性を残すことになる。
よって、シート状に硬化された硬化物の形状を整えるこ
とが容易となる。その後、半硬化物を板等で挟み高温度
(T)で再処理を行うことで、樹脂結合材薄刃砥粒工
具として必要とされる耐熱性・強度等を確保することが
可能となる。
【0024】前記カチオン重合性の良い樹脂を硬化させ
る(流動性樹脂結合材組成物を半硬化状態にする)際の
条件は、使用する樹脂に応じて適当に選択されるが、一
例として、好ましくは80〜120℃程度、0.1〜2
4時間程度が選択される。一方、前記カチオン重合性の
悪い樹脂を硬化させる(半硬化物を高温度で再処理す
る)際の条件も、同様に使用する樹脂に応じて適当に選
択されるが、好ましくは150〜250℃程度、0.1
〜24時間程度が選択される。
【0025】また、本発明の樹脂結合材薄刃砥粒工具の
製造について、更に下記の方法を一例として挙げること
ができる。少なくとも1種類の熱硬化性樹脂と少なくと
も1種類の光硬化性樹脂、例えば、エポキシ樹脂及びア
クリル樹脂、並びにカチオン重合触媒及び光ラジカル重
合触媒を含む流動性樹脂結合材組成物に、超砥粒、無機
質充填材等を加えて攪拌すると、これ等の微粒が均一に
分散し、ペースト状になる。更に、このペーストについ
て、光(例えば、紫外線等)照射で反応が行われると、
光ラジカル重合触媒存在下において、アクリル樹脂がま
ず反応して架橋する。その結果、流動性樹脂結合材組成
物は半硬化状態となり硬化物はある程度の柔軟性を残す
ことになる。よって、シート状に硬化された硬化物の形
状を整えることが容易となる。その後、半硬化物を板等
で挟みカチオン重合触媒存在下において、温度(T)で
再処理を行うことで、エポキシ樹脂が反応して架橋し、
樹脂結合材薄刃砥粒工具として必要とされる耐熱性・強
度等を確保することが可能となる。
【0026】前記光硬化性樹脂を硬化させる方法につい
ては、使用する光ラジカル重合触媒に応じて適当な方法
により硬化させればよく、例えば、紫外線、可視光線等
が選択される。また、その際の条件(光の照射強度・照
射時間等)については、使用する流動性樹脂結合材組成
物中の砥粒、充填材、導電性フィラー等の種類及び量に
応じて適当に選択されるが、一例として、ビニルエステ
ル樹脂(リポキシLCシリーズ LC800:昭和高分
子(株))を硬化させる場合には2.4W/cmの紫
外線により、照射時間3分で行われる。一方、前記熱硬
化性樹脂を硬化させる際の条件も、同様に使用する樹脂
に応じて適当に選択されるが、一例として、好ましくは
100〜200℃程度、0.1〜24時間程度が選択さ
れる。
【0027】本発明において使用する超砥粒としては、
ダイヤモンド、cBN(立方晶窒化ホウ素)等の、硬度
がcBNと同等以上であるもののうち少なくとも1種類
が使用される。
【0028】前記砥粒保持部において、前記超砥粒を含
有させる際の体積率は、好ましくは3〜50体積%程
度、より好ましくは5〜45体積%程度、更に好ましく
は7〜40体積%程度である。3体積%よりも少なすぎ
ると加工(切断)ができない傾向があるので好ましくな
い。50体積%よりも多すぎると超砥粒の保持強度が確
保できない傾向があるので好ましくない。
【0029】前記超砥粒の粒子径については、特に制限
は無いが、好ましくは平均粒子径10〜100μm程
度、より好ましくは平均粒子径11〜90μm程度、更
に好ましくは平均粒子径12〜80μm程度である。な
お、前記超砥粒は粒子径が異なるものを必要に応じて混
合しても良い。例えば、平均粒子径10μmのダイヤモ
ンド砥粒と、平均粒子径30μmのダイヤモンド砥粒を
混合することも可能である。
【0030】本発明において、少なくとも2種類の充填
材、即ち、前記超砥粒の平均粒子径の0.1〜10%の
平均粒子径である略球状の小さい無機質充填材の少なく
とも1種類と、前記小さい無機質充填材の平均粒子径の
少なくとも3倍(3倍以上)かつ前記超砥粒の平均粒子
径の大きくとも80%(80%以下)の平均粒子径であ
る略球状の大きい無機質充填材の少なくとも1種類とを
含む充填材を使用する。
【0031】このような充填材(フィラー)を組み合わ
せることで、それぞれの充填材の充填量を増やすことが
できる。その結果、樹脂結合材の熱伝導率が高くなり、
発生した熱が速やかに放出されるので、樹脂結合材の耐
久性を高くすることができる。また、充填量が増えるこ
とにより、樹脂結合材の剛性が高くなるので、真っ直ぐ
切断することができ、切断加工精度を高くすることがで
きる。更に、このような充填材(フィラー)を組み合わ
せ、好ましくは特定量入れた場合には、これ等の充填材
が適度な量で抜け落ちて、適切な突出量で砥粒が表面上
に現われ、その適切な突出量が得られた状態が長く保た
れるので、切れ味の良い状態を維持し、かつ摩耗量を少
なくすることができる。
【0032】本発明において使用する略球状の小さい無
機質充填材の材質については、特に制限は無く、例え
ば、シリカ、アルミナ等の各種セラミックスが使用され
る。熱伝導率や、硬度が高い点で、アルミナが特に好ま
しい。また、金属粉末を使用することもでき、例えば、
ニッケル、コバルト、鉄、銀、銅、黄銅等の金属等が使
用される。耐熱性や、硬度が高い点で、ニッケルが特に
好ましい。なお、これ等の無機質充填材は複数混合して
用いることもできる。
【0033】前記小さい無機質充填材の粒子径について
は細かいほど樹脂結合材に分散させ難いことから、前記
記載のように、併用する超砥粒の平均粒子径の0.1〜
10%程度であることが好ましいが、より好ましくは
0.1〜1.5μm程度、更に好ましくは0.1〜1.
2μm程度、最も好ましくは0.1〜1μm程度であ
る。なお、前記超砥粒において、粒子径が異なるものを
混合して使用する場合には粒子径の大きい超砥粒に対し
て適当な前記小さい無機質充填材を選択する。例えば、
平均粒子径10μmのダイヤモンド砥粒と、平均粒子径
30μmのダイヤモンド砥粒を併用する場合には、平均
粒子径30μmのダイヤモンド砥粒に対して適当な前記
小さい無機質充填材を選択する。
【0034】本発明において使用する略球状の大きい無
機質充填材の材質については、前記略球状の小さい無機
質充填材と同様である。
【0035】前記大きい無機質充填材の粒子径について
は、前記記載のように、前記小さい無機質充填材の平均
粒子径の少なくとも3倍かつ併用する超砥粒の平均粒子
径の大きくとも80%(80%以下)であることが好ま
しいが、より好ましくは1.5〜30μm程度、更に好
ましくは1.7〜25μm程度、最も好ましくは2〜2
0μm程度である。80%よりも大きいと超砥粒の脱落
を促し、加工(切断)時の樹脂結合材薄刃砥粒工具の摩
耗量が大きくなる傾向にあるので好ましくない。なお、
前記超砥粒において、粒子径が異なるものを混合して使
用する場合には粒子径の大きい超砥粒に対して適当な前
記大きい無機質充填材を選択する。
【0036】前記砥粒保持部における、前記小さい無機
質充填材及び前記大きい無機質充填材の含有量について
は、前記流動性樹脂結合材組成物の全量に対して、それ
等の合計量が10〜60体積%程度であることが好まし
いが、より好ましくは12〜60体積%程度、更に好ま
しくは15〜60体積%程度である。
【0037】前記小さい無機質充填材及び前記大きい無
機質充填材を含有させる際の、前記小さい無機質充填材
に対する前記大きい無機質充填材の体積比については、
好ましくは5:95〜95:5、より好ましくは10:
90〜90:10、更に好ましくは15:85〜85:
15である。
【0038】本発明において、前記小さい無機質充填材
及び前記大きい無機質充填材と共に、強化繊維、ウィス
カー等のその他の充填材(フィラー)を併用することが
できる。
【0039】前記強化繊維としては、セラミックス、金
属、金属化合物等が挙げられ、これ等の少なくとも1種
類以上を使用することができる。特に、短径の大きさ
(太さ)が、好ましくは小さくとも0.005μm
(0.005μm以上)程度、且つ併用する超砥粒の平
均粒子径に対して、好ましくは大きくとも80%(80
%以下)、より好ましくは大きくとも70%、更に好ま
しくは大きくとも65%のものを使用することができ
る。また、前記強化繊維の長径(長さ)としては、好ま
しくは大きくとも50μm(50μm以下)、より好ま
しくは大きくとも40μm、更に好ましくは大きくとも
30μmである。なお、細かいものでは長径1μm程度
の強化繊維も存在するが、製造時において強化繊維を分
散させた樹脂が流動性を損なわない範囲で添加すること
が有効であり、これ等の強化繊維は使用する樹脂及び超
砥粒に応じて適当に選択される。
【0040】一方、強化繊維のようにアスペクト比の高
いものは樹脂の補強材として好ましいが、これを多く添
加した場合には製造時における硬化前の流動性樹脂結合
材組成物の粘度が高くなってしまう。従って、前記砥粒
保持部において、前記強化繊維を含有させる際の含有量
(体積%)は、好ましくは0.2〜8体積%程度、より
好ましくは0.2〜5体積%程度、更に好ましくは0.
2〜3体積%程度である。
【0041】その他の充填材として、更に、使用する超
砥粒よりも硬度が小さい、材質がSiC、Al
ZrO、Cr、CeO、Fe、B
C、Si、SiO等の一般砥粒を併用すること
ができるが、砥粒保持部への充填量を増やすことがで
き、且つ製造時における硬化前の流動性樹脂結合材組成
物と混合したときに粘度を大きくしないものを使用する
ことが好ましい。より好ましくは超砥粒の平均粒子径の
80%以下のものを使用する。また、これ等の一般砥粒
は2種類以上のものを組み合わせて使用することも可能
である。例えば、平均粒子径5μmのGC砥粒(SiC
系砥粒)と平均粒子径0.5μmのSiO粉末を組み
合わせて使用することができる。尚、前記砥粒保持部に
おいて、前記一般砥粒の含有量には特に制限は無く、本
発明の目的、効果を阻害し、又は悪い影響を与えない範
囲で、必要に応じて、適量を含有させることができる。
【0042】本発明の樹脂結合材薄刃砥粒工具は、一般
にダイシングブレードと呼ばれる用途に用いられ、この
用途に用いる場合、機械のゼロ点検知を通電確認によっ
て行うため、樹脂結合材薄刃砥粒工具に導電性が必要で
ある。このため、樹脂結合材薄刃砥粒工具に十分な導電
性が得られない場合には、当該樹脂結合材薄刃砥粒工具
の製造用の流動性樹脂結合材組成物に予め導電性フイラ
ー(導電性材料)を添加することとなる。導電性は樹脂
結合材薄刃砥粒工具にテスターを押し当てた時、二点間
(1cm程度)の電気抵抗が30kΩ以下になるように
調整される。
【0043】前記導電性フィラーとしては、カーボンブ
ラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、黒
鉛粉末等のカーボン、或いはニッケル、銀、コバルト、
銅等の金属粉末等、導電性を有する材料であれば特に問
題なく用いることができるが、好ましくは超砥粒の平均
粒子径の大きくとも80%(80%以下)のものが使用
される。
【0044】前記導電性フィラーの中では、少量の添加
で十分な導電性が得られる点からカーボンが好適であ
る。なお、当該カーボンの含有量については必要な導電
性を満たすことができる量であれば特に問題は無く、必
要に応じて適量が混入(含有)されるが、前記砥粒保持
部において、好ましくは1〜15体積%程度混入(含
有)される。
【0045】一方、前記説明の如く、金属粉末を使用す
ることもでき、これ等は導電性を確保するためだけでは
なく、樹脂結合材中に分散させることで結合材強度、硬
度、弾性率、或いは耐熱性を向上させるために混入(含
有)させることができる。当該金属粉末の含有量として
は必要な導電性、或いは機械的・熱的物性を確保するこ
とができる量であれば特に問題は無く、必要に応じて適
量が混入(含有)されるが、例えば、前記砥粒保持部に
おいて、3〜40体積%の範囲で混入(含有)される。
【0046】これ等の導電性フィラーは複数混合して用
いることもできるが、本発明の目的、効果を阻害し、又
は悪い影響を与えない範囲で、必要な導電性を満たすこ
とができる量で使用することは当然である。
【0047】前記砥粒保持部において、前記超砥粒、前
記少なくとも2種類の充填材(前記小さい無機質充填
材、前記大きい無機質充填材、及びその他の充填材)を
含有させる際の合計の体積率(含有量)は、好ましくは
20〜70体積%程度、より好ましくは25〜65体積
%程度、更に好ましくは30〜60体積%程度である。
【0048】本発明の樹脂結合材薄刃砥粒工具の製造に
おいて使用する流動性樹脂結合材組成物については、硬
化性の異なる、少なくとも2種類の樹脂を含有していれ
ばよく、例えば、硬化性の異なる、少なくとも2種類の
熱硬化性樹脂、即ち、少なくとも1種類の低温度
(T)で硬化する熱硬化性樹脂と少なくとも1種類の
高温度(T)で硬化する熱硬化性樹脂、好ましくは少
なくとも1種類の低温度(T )で硬化するカチオン重
合性樹脂と少なくとも1種類の高温度(T)で硬化す
るカチオン重合性樹脂を含有させることができる。前記
低温度(T)で硬化するカチオン重合性樹脂の一例と
して、ビスフェノールA型と比較して耐熱性が高く、加
工時の発熱に対して有利である、カチオン重合性の良い
環状脂肪族エポキシ樹脂を、前記高温度(T)で硬化
するカチオン重合性樹脂の一例として、カチオン重合性
の悪いグリシジルエーテル樹脂を挙げることができる。
【0049】また、本発明の樹脂結合材薄刃砥粒工具の
製造において使用する流動性樹脂結合材組成物について
は、例えば、少なくとも1種類の熱硬化性樹脂と少なく
とも1種類の光硬化性樹脂、好ましくは少なくとも1種
類のカチオン重合性樹脂と少なくとも1種類の光ラジカ
ル重合性樹脂を含有させることができる。例えば、少な
くとも1種類の前記記載のカチオン重合性樹脂(前記環
状脂肪族エポキシ樹脂、前記グリシジルエーテル樹脂
等)と、少なくとも1種類のアクリル樹脂とを含有させ
ることができる。
【0050】本発明において使用する環状脂肪族エポキ
シ樹脂は、脂環構造とそれに結合したエポキシ基を有す
る化合物であれば良いが、特に分子量が、好ましくは1
00〜2000程度、より好ましくは110〜1500
程度、更に好ましくは120〜1000程度のものが使
用される。
【0051】分子量が小さすぎると環状脂肪族エポキシ
樹脂の揮発性が高くなり、作業環境や塗布時の加工特性
を著しく悪化させるので好ましくない。分子量が大きす
ぎると組成物の粘度が高くなるため、所定形状に均一に
塗布することが困難となるので好ましくない。
【0052】前記環状脂肪族エポキシ樹脂の具体例とし
て、下記一般式(1)〜(10)で示される5員環や6
員環のものを挙げることができる。
【0053】
【化1】
【0054】
【化2】
【0055】
【化3】
【0056】
【化4】
【0057】
【化5】
【0058】
【化6】
【0059】
【化7】
【0060】
【化8】
【0061】
【化9】
【0062】
【化10】
【0063】一方、市販されているものとしては、 チバーガイギ:CY177、175、179、 UCC :ERL4234、4299、4221、 ダイセルUCB:セロキサイド2021P、2000、
3000 等がある。
【0064】本発明において使用するグリシジルエーテ
ル樹脂は、下記一般式(11)で示されるグリシジルエ
ーテル基を有する化合物である。従って、ヘキサヒドロ
フタル酸ジグリシジルエステル等のグリシジルエステル
樹脂も本発明において使用するグリシジルエーテル樹脂
として用いることができ、本発明において使用する(硬
化性が悪い)カチオン重合性樹脂に含まれる。
【0065】
【化11】
【0066】前記グリシジルエーテル樹脂において、特
に分子量が、好ましくは100〜2000程度、より好
ましくは110〜1500程度、更に好ましくは120
〜1000程度のものが使用される。
【0067】分子量が小さすぎるとグリシジルエーテル
樹脂の揮発性が高く、作業環境や塗布時の加工特性を著
しく悪化させるので好ましくない。分子量が大きすぎる
と組成物の粘度が高くなるため、所定形状に均一に塗布
することが困難となるので好ましくない。
【0068】前記グリシジルエーテル樹脂の具体例とし
ては、アリルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエ
ーテル、2−エチルへキシルグリシジルエーテル、2−
メチルオクチルグリシジルエーテル、グリシドール等の
単官能(一官能)化合物、ネオペンチルグリコールジグ
リシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテ
ル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4
−ブタンジオールジグリシジルエーテル、分子量200
0以下のポリプロピレングリコールジグリシジルエーテ
ル、分子量2000以下のポリエチレングリコールジグ
リシジルエーテル等の二官能化合物、グリセロールトリ
グリシジルエーテル、分子量2000以下のトリメチロ
ールプロパンポリグリシジルエーテル、分子量2000
以下のソルビトールポリグリシジルエーテル等の三官能
以上の多官能化合物が挙げられる。接着強度の点で二官
能以上の化合物が好ましい。なお、この場合、単官能と
はエポキシ基を一つ、二官能とはエポキシ基を二つ、三
官能とはエポキシ基を三つ、多官能とはエポキシ基を複
数有していることをいう。
【0069】前記グリシジルエーテル樹脂の前記環状脂
肪族エポキシ樹脂への添加は、樹脂結合材の脆さを改善
するのに有効である。特に、前記グリシジルエーテル樹
脂として、水酸基(OH)或いはエーテル基(−O−)
を有するグリシジルエーテル樹脂を使用すれば、親水性
の粒子を樹脂中に分散させることが容易となる。更に、
エポキシ基を多く有するものを選択すれば、耐熱性向上
に有効である。
【0070】前記水酸基を有するグリシジルエーテル樹
脂として、例えば、 ナガセケムテックス(株):デナコール(例えば、下記
一般式(12)で示されるEX−611、EX−61
2、EX−614、EX−614B、EX−622、下
記一般式(13)で示されるEX−512(n≒2)、
EX−521(n≒3)、下記一般式(14)で示され
るEX−421、下記一般式(15)で示されるEX−
313、EX−314、下記一般式(16)で示される
EX−321等)等が市販されている。
【0071】
【化12】
【0072】
【化13】
【0073】
【化14】
【0074】
【化15】
【0075】
【化16】
【0076】前記エーテル基を有するグリシジルエーテ
ル樹脂として、例えば、 ナガセケムテックス(株):デナコール(例えば、下記
一般式(17)で示されるEX−810(n=1)、E
X−811(n=2)、EX−850(n=2)、EX
−851(n=2)、EX−821(n≒4)、EX−
830(n≒9)、EX−832(n≒9)、下記一般
式(18)で示されるEX−911(n=1)、EX−
920(n≒3)、EX−941(n=2)等) 等が市販されている。
【0077】
【化17】
【0078】
【化18】
【0079】また、前記環状脂肪族エポキシ樹脂及び前
記グリシジルエーテル樹脂のそれぞれに似た構造を持つ
樹脂の中には高温度(T)で硬化するカチオン重合性
樹脂として使用することができるものがあり、このよう
な樹脂を使用することもできる。例えば、シクロヘキサ
ン等の環状骨格を有し、更に末端にエポキシ基を有する
樹脂を使用することができ、このような構造を持つ樹脂
であれば特に制限は無く、具体的には、下記一般式(1
9)で示されるデナコールEX−252(ナガセケムテ
ックス(株))、下記一般式(20)で示されるEHP
E−3150(ダイセル化学工業(株))等が有効に使
用される。耐熱性に優れ、親水性の高い点でEHPE−
3150を使用することが、特に好ましい。
【0080】
【化19】
【0081】
【化20】
【0082】このような樹脂は前記環状脂肪族エポキシ
樹脂、及び前記グリシジルエーテル樹脂と相溶性が良い
ため、前記環状脂肪族エポキシ樹脂や前記グリシジルエ
ーテル樹脂と併用して、より簡便に樹脂結合材薄刃砥粒
工具を製造することができる。
【0083】前記硬化性の異なる、少なくとも2種類の
熱硬化性樹脂、例えば、少なくとも1種類の低温度(T
)で硬化するカチオン重合性樹脂及び少なくとも1種
類の高温度(T)で硬化するカチオン重合性樹脂を含
有する流動性樹脂結合材組成物において、前記低温度
(T)で硬化するカチオン重合性樹脂に対する前記高
温度(T)で硬化するカチオン重合性樹脂の重量比に
ついては特に制限は無いが、一例として、好ましくは2
0:80〜90:10、より好ましくは25:75〜8
5:15、更に好ましくは30:70〜80:20であ
る。
【0084】一方、前記少なくとも2種類のカチオン重
合性樹脂において、これ等の樹脂(モノマー)の組み合
わせにより相溶性が悪い場合には、第3の成分として、
その他の樹脂を添加することは有効である。この場合、
当該第3の成分としては前記少なくとも2種類のカチオ
ン重合性樹脂のそれぞれに似た構造を持つ樹脂(モノマ
ー)を使用することができる。例えば、環状脂肪族エポ
キシ樹脂とグリシジルエーテル樹脂を使用する場合に
は、シクロヘキサン等の環状骨格を有し、末端にエポキ
シ基を有する樹脂を使用することができ、このような構
造を持つ樹脂であれば特に制限は無く、具体的には、上
記一般式(19)で示されるデナコールEX−252
(ナガセケムテックス(株))、上記一般式で示される
(20)EHPE−3150(ダイセル化学工業
(株))等が有効に使用される。耐熱性に優れ、親水性
の高い点でEHPE−3150を使用することが、特に
好ましい。
【0085】従って、本発明において使用する流動性樹
脂結合材組成物において、前記第3の成分は、本発明の
目的、効果を阻害し、又は悪い影響(例えば、樹脂の粘
度を上げる等)を与えない範囲で、必要に応じて、適量
を含有させることができるが、前記流動性樹脂結合材組
成物中の流動性樹脂成分の全量に対して、好ましくは2
〜50重量%程度、より好ましくは3〜40重量%程
度、更に好ましくは5〜30重量%程度で含有される。
【0086】カチオン重合性又は耐熱性を上げる、或い
は粘度を下げる目的で、第4の成分として、エチレング
リコール、トリメチロールプロパン、ポリカプロラクト
ンジオール、ポリカプロラクトントリオール、ポリカー
ボネートジオール等のポリオール化合物(OH基が複数
ついたモノマー)、メチルビニルエーテル、エチルビニ
ルエーテル等のビニルエーテル化合物、グリプタル樹脂
等のアルキッド樹脂、アクリル酸エステル、メタクリル
酸エステル、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル
酸エステル等のアクリル樹脂を含有させることができ
る。当該第3の成分の含有量については、特に制限は無
く、本発明の目的、効果を阻害し、又は悪い影響を与え
ない範囲で、必要に応じて、適量を含有させることがで
きる。
【0087】本発明において使用するアクリル樹脂につ
いては、特に制限は無く、例えば、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル等
を使用することができる。具体的には、例えば、アロニ
ックスMシリーズ(東亞合成(株))、ビニルエステル
樹脂(昭和高分子(株))等を挙げることができる。
【0088】前記少なくとも1種類のカチオン重合性樹
脂と前記少なくとも1種類の光ラジカル重合性樹脂とを
含有する流動性樹脂結合材組成物において、前記カチオ
ン重合性樹脂については、前記記載のとおりであり、前
記環状脂肪族エポキシ樹脂、前記グリシジルエーテル樹
脂、及びこれ等カチオン重合性樹脂のそれぞれに似た構
造を持つ樹脂を使用することができる。
【0089】前記少なくとも1種類の熱硬化性樹脂と前
記少なくとも1種類の光硬化性樹脂、例えば、前記少な
くとも1種類のカチオン重合性樹脂と前記少なくとも1
種類の光ラジカル重合性樹脂とを含有する流動性樹脂結
合材組成物において、前記カチオン重合性樹脂に対する
前記光ラジカル重合性樹脂の重量比については特に制限
は無いが、一例として、好ましくは50:50〜95:
5、より好ましくは60:40〜90:10、更に好ま
しくは70:30〜85:15である。
【0090】前記少なくとも2種類の樹脂の含有率につ
いては、特に制限は無いが、一例として、前記流動性樹
脂結合材組成物の全量に対して好ましくは30〜80体
積%程度、より好ましくは35〜75体積%、更に好ま
しくは40〜70体積%である。
【0091】本発明において、樹脂を硬化させるための
重合開始剤については、使用する樹脂に応じて適宜選択
される。例えば、前記カチオン重合性樹脂に対してはカ
チオン重合触媒が選択され、前記光ラジカル重合性樹脂
に対しては光ラジカル重合触媒が選択される。
【0092】本発明において使用するカチオン重合触媒
(熱カチオン重合開始剤)としては、例えば、トリフル
酸(Triflic acid)塩、三フッ化ホウ素エーテル錯化合
物、三フッ化ホウ素等のようなカチオン系又はプロトン
酸触媒を用いることができる。これ等の中で好ましい熱
カチオン重合開始剤は、トリフル酸塩であり、例えば、
3M社からFC−520として入手できるトリフル酸ジ
エチルアンモニウム、トリフル酸トリエチルアンモニウ
ム、トリフル酸ジイソプロピルアンモニウム、トリフル
酸エチルジイソプロピルアンモニウム等がある。
【0093】また、活性エネルギー線カチオン重合開始
材としても用いられる芳香族スルホニウム塩のうち、熱
によりカチオン種を発生するものがあり、これ等も前記
カチオン重合触媒(熱カチオン重合開始剤)として用い
ることができる。具体例として、 三新化学工業(株):SIシリ−ズ(SI−60L、8
0L、100L、110L、180L等)、 旭電化工業(株) :アデカオプトン(CP−66、7
7等) 等を挙げることができる。これ等のカチオン重合触媒の
中で、芳香族スルホニウム塩が取り扱い性及び潜在性並
びに硬化性のバランスに優れるという点で好ましい。
【0094】本発明において使用するカチオン重合触媒
の含有率については、カチオン重合性樹脂、例えば、硬
化性の異なる、少なくとも2種類のカチオン重合性樹脂
の含有率を考慮して適宜選択すれば良い。例えば、硬化
性の異なる、少なくとも2種類のカチオン重合性樹脂、
例えば、成分の環状脂肪族エポキシ樹脂と、成分の
グリシジルエーテル樹脂の混合物100重量部に対し
て、好ましくは0.01〜15重量%程度、より好まし
くは0.1〜10重量%程度を含有(添加)させる。
【0095】本発明において使用する光ラジカル重合触
媒(光ラジカル重合開始剤)としては、例えば、ベンジ
ルジメチルケタール、ビスアシルフォスフィンオキサイ
ド等を使用することができる。具体例として、チバーガ
イギ:イルガキュアシリ−ズ等を挙げることができる。
【0096】本発明において使用する光ラジカル重合触
媒の含有率については、光ラジカル重合樹脂の含有率を
考慮して適宜選択すれば良い。例えば、光ラジカル重合
性樹脂、例えば、アクリル樹脂100重量部に対して、
好ましくは0.01〜15重量%程度、より好ましくは
0.1〜10重量%程度を含有(添加)させる。
【0097】(本発明の流動性樹脂結合材組成物)本発
明の流動性樹脂結合材組成物は、前記本発明の樹脂結合
材薄刃砥粒工具製造用の流動性樹脂結合材組成物であ
り、前記本発明の樹脂結合材薄刃砥粒工具において説明
したとおりである。
【0098】本発明の流動性樹脂結合材組成物には、本
発明の目的、効果を阻害し、又は悪い影響を与えない範
囲で、必要に応じて、増感材、レベリング剤、可塑剤、
消泡剤等の流動性樹脂結合材組成物の作成のための補助
的物質等を混入(含有)させることができる。
【0099】(本発明の特定の樹脂を使用して製造され
た樹脂結合材薄刃砥粒工具)本発明の特定の樹脂を使用
して製造された樹脂結合材薄刃砥粒工具については、前
記本発明の樹脂結合材薄刃砥粒工具の内容を参考にして
容易に実施することができる。
【0100】(本発明の特定の樹脂を含有した流動性樹
脂結合材組成物)本発明の特定の樹脂を含有した流動性
樹脂結合材組成物については、前記本発明の流動性樹脂
結合材組成物の内容を参考にして容易に実施することが
できる。
【0101】
【実施例】以下、本発明の実施例として、本発明の流動
性樹脂結合材組成物を用いた場合の製造方法・製造内容
を示し、石英の溝入加工に適用した場合の実験結果につ
いて説明するが、これ等実施例により本発明は何等制限
されるものではない。
【0102】[製造方法]本発明の樹脂結合材薄刃砥粒
工具を下記の製造方法により製造した。
【0103】(1)下記原材料を下記表1に示す割合で
撹拌・混合し、流動性砥石材料(流動性樹脂結合材組成
物)を作成した。 (2)流動性砥石材料を10gはかりとり、剥離材で処
理したPETシート(厚み50μm)の間に挟んで、圧
延によって、360μm(砥石部で260μm)とし
た。圧延したものを乾燥機で、第一の(低)温度T
(110℃)で1時間、熱処理した。 (3)半硬化したものを取り出して、PETシートを剥
がし取った。 (4)得られた半硬化したシートを外径φ58、穴径φ
38のリング状にくりぬいた。 (5)得られたリングをテフロン(登録商標)樹脂シー
トに挟み、更にガラス製円盤等で挟み、第二の(高)温
度T(180℃)で3時間、熱処理した。 (6)得られた薄肉リングを研磨機でラップ(砥粒と油
とを含むスラリーを滴下しながら研磨)して厚みを20
0μmに仕上げた。 (7)得られた樹脂結合材薄刃砥粒工具(ブレード)を
外径φ56、穴径φ40に研削盤により仕上げた。
【0104】[原材料の説明] 結合材組成物 :流動性樹脂とこれ等に応
じた重合開始剤を混合したもの カーボン(導電性フィラー):ケッチェン・ブラック
(三菱化学(株):ECP−04) 略球状大フィラー(略球状の大きい無機質充填材):平
均粒子径6.0μmの球状アルミナ(電気化学工業
(株):DAW05) 略球状小フィラー(略球状の小さい無機質充填材):平
均粒子径0.6μmの球状アルミナ((株)アドマテッ
クス:アドマファインAO802) 超砥粒 :平均粒子径15μmのダ
イヤモンド砥粒(東名ダイヤモンド(株):IRM M
10/20)
【0105】[実施例の調合内容]実施例の調合内容
(組成)を下記表1に示す。なお、結合材組成物の配合
量については、流動性砥石材料(流動性樹脂結合材組成
物)の攪拌に支障をきたさない範囲の量とした。
【0106】
【表1】 組成(単位:体積%)
【0107】[樹脂内容]樹脂内容(結合材組成物の組
成)は下記表2のとおりである。なお、下記表2におい
ては、樹脂本体(流動性樹脂成分)の合計を100重量
%とし、カチオン重合触媒(下記表2においてサンエイ
ドSI-110L)は樹脂本体の合計を100重量%と
して外添加したものとして表している。
【0108】
【表2】 結合材組成物の組成(単位:重量%) *1:ダイセル化学工業(株)製 *2:ダイセル化学工業(株)製(セロキサイドEHP
E−3150(ダイセル化学工業(株)製)を脂環式エ
ポキシ樹脂セロキサイド2021Pで希釈したもの) *3:ナガセケムテックス(株)製 *4:三新化学工業(株)製
【0109】[製造結果]実施例及び比較例3について
は、条件の組成で製造した場合、樹脂結合材組成物の
半硬化時に硬脆くなり、切り抜くことが困難であり、製
造ができなかったので、条件の組成で製造した。一
方、比較例1及び2については、条件の組成で製造し
た場合、樹脂結合材組成物の半硬化時に軟らくなりす
ぎ、切り抜くことが困難であり、製造ができなかったの
で、条件の組成で製造した。
【0110】比較例4として、ダイヤ砥粒15μm集中
度50(12.5体積%)の市販品のブレードを用い
た。
【0111】[実験条件] 加工装置 :ディスコダイサーDAC552、 被加工物 :石英、 スピンドル回転速度:30000rpm、 送り速度 :1mm/s、 切り込み深さ :l.2mm、 クーラント :水(1.5リットル/min)、 切断距離 :100mmを2回カットする操作
を1セットとし、これを3セット行った、 ブレードサイズ :φ56×0.2×φ40
【0112】[試験結果]実施例及び比較例1〜4の各
ブレードについて、上記実験条件による試験結果を下記
表3に示す。なお、各摩耗量はブレードの半径に対する
摩耗量であり、製造直後のブレードに対する累積摩耗量
ではなく、各セット毎の摩耗量である。
【0113】更に、カット後の加工面を観察し、チッピ
ングを測定した。
【0114】
【表3】 試験結果(単位:μm)
【0115】以上、上記表3から、実施例のブレード
(本発明品)は比較例1、3及び4のブレードに比べて
摩耗量、及びチッピングが少なく、優れた性能を示して
いる。比較例1及び3のブレードを使用してカットした
ときには、初期の研削音が非常に高く、切れ味が悪いだ
けでなく、摩耗量も多かったことから、実施例のブレー
ド(本発明品)は比較例1及び3のブレードに比べて、
特に優れた性能を示している。一方、比較例2と比較し
た場合、摩耗量、及びチッピングは、ほぼ同等であり、
実施例のブレードは、集中度を1.5倍としたブレードと
同等の性能を有している。従って、本発明の樹脂結合材
薄刃砥粒工具(実施例)はブレードの切断加工精度を損
なうことなく、切れ味が良く、耐久寿命が高いというこ
とは明らかである。以上から、本発明の樹脂結合材薄刃
砥粒工具は優れた加工性能を示していることがわかる。
【0116】
【発明の効果】本発明によれば、砥粒等が均一に分散
し、樹脂結合材薄刃砥粒工具(ブレード)の切断加工精
度を損なうことなく、切れ味が良く、摩耗量の少ない、
研削時に高温発熱を伴うようなより過酷な加工条件下で
も長期間性能が確保できる(工具寿命が高い)樹脂結合
材薄刃砥粒工具を提供することができる。
【0117】以上から、本発明は、特に切断加工精度や
工具寿命が高く、切れ味が良い、厚み寸法が比較的小さ
な薄刃砥石の製造の分野において極めて有用であること
が理解される。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B24D 3/34 B24D 3/34 A

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超砥粒を樹脂結合材で保持した薄板状の砥
    粒保持部を有する樹脂結合材薄刃砥粒工具であって、前
    記超砥粒の平均粒子径が、10〜100μmであり、前
    記砥粒保持部の樹脂結合材が、少なくとも2種類の充填
    材と、硬化性の異なる、少なくとも2種類のカチオン重
    合性樹脂と、これ等の樹脂の重合開始剤として、カチオ
    ン重合触媒とを含有する流動性樹脂結合材組成物を、低
    温度の硬化工程と高温度の硬化工程に付して製造され、
    前記少なくとも2種類の充填材が、前記超砥粒の平均粒
    子径の0.1〜10%の平均粒子径である略球状の小さ
    い無機質充填材の少なくとも1種類と、前記小さい無機
    質充填材の平均粒子径の少なくとも3倍かつ前記超砥粒
    の平均粒子径の大きくとも80%の平均粒子径である略
    球状の大きい無機質充填材の少なくとも1種類とを含む
    充填材であり、前記少なくとも2種類のカチオン重合性
    樹脂が、少なくとも1種類の環状脂肪族エポキシ樹脂
    と、グリシジルエーテル樹脂並びに環状脂肪族エポキシ
    樹脂及びグリシジルエーテル樹脂のそれぞれに似た構造
    を持つ樹脂のいずれか1種類以上であることを特徴とす
    る樹脂結合材薄刃砥粒工具。
  2. 【請求項2】前記流動性樹脂結合材組成物が、導電性フ
    ィラーを含む請求項1に記載の樹脂結合材薄刃砥粒工
    具。
  3. 【請求項3】前記小さい無機質充填材及び前記大きい無
    機質充填材を含有させる際の、前記小さい無機質充填材
    に対する前記大きい無機質充填材の体積比が、5:95
    〜95:5である請求項1又は2に記載の樹脂結合材薄
    刃砥粒工具。
  4. 【請求項4】前記小さい無機質充填材及び前記大きい無
    機質充填材の合計量が、前記流動性樹脂結合材組成物の
    全量に対して、10〜60体積%である請求項1〜3の
    いずれか一に記載の樹脂結合材薄刃砥粒工具。
  5. 【請求項5】超砥粒を樹脂結合材で保持した薄板状の砥
    粒保持部を有する樹脂結合材薄刃砥粒工具製造用の流動
    性樹脂結合材組成物であって、前記超砥粒の平均粒子径
    が、10〜100μmであり、少なくとも2種類の充填
    材と、硬化性の異なる、少なくとも2種類のカチオン重
    合性樹脂とを含有し、前記少なくとも2種類の充填材
    が、前記超砥粒の平均粒子径の0.1〜10%の平均粒
    子径である略球状の小さい無機質充填材の少なくとも1
    種類と、前記小さい無機質充填材の平均粒子径の少なく
    とも3倍かつ前記超砥粒の平均粒子径の大きくとも80
    %の平均粒子径である略球状の大きい無機質充填材の少
    なくとも1種類とを含む充填材であり、前記少なくとも
    2種類のカチオン重合性樹脂が、少なくとも1種類の環
    状脂肪族エポキシ樹脂と、グリシジルエーテル樹脂並び
    に環状脂肪族エポキシ樹脂及びグリシジルエーテル樹脂
    のそれぞれに似た構造を持つ樹脂のいずれか1種類以上
    であり、更に、これ等の樹脂の重合開始剤として、カチ
    オン重合触媒が添加されることを特徴とする樹脂結合材
    薄刃砥粒工具製造用の流動性樹脂結合材組成物。
  6. 【請求項6】導電性フィラーを含む請求項5に記載の流
    動性樹脂結合材組成物。
  7. 【請求項7】前記小さい無機質充填材及び前記大きい無
    機質充填材を含有させる際の、前記小さい無機質充填材
    に対する前記大きい無機質充填材の体積比が、5:95
    〜95:5である請求項5又は6に記載の流動性樹脂結
    合材組成物。
  8. 【請求項8】前記小さい無機質充填材及び前記大きい無
    機質充填材の合計量が、前記流動性樹脂結合材組成物の
    全量に対して、10〜60体積%である請求項5〜7の
    いずれか一に記載の流動性樹脂結合材組成物。
  9. 【請求項9】超砥粒を樹脂結合材で保持した薄板状の砥
    粒保持部を有する樹脂結合材薄刃砥粒工具であって、前
    記超砥粒の平均粒子径が、10〜100μmであり、前
    記砥粒保持部の樹脂結合材が、少なくとも2種類の充填
    材と、硬化性の異なる、少なくとも2種類の樹脂と、こ
    れ等の樹脂の重合開始剤とを含有する流動性樹脂結合材
    組成物を、硬化工程に付して製造され、前記少なくとも
    2種類の充填材が、前記超砥粒の平均粒子径の0.1〜
    10%の平均粒子径である略球状の小さい無機質充填材
    の少なくとも1種類と、前記小さい無機質充填材の平均
    粒子径の少なくとも3倍かつ前記超砥粒の平均粒子径の
    大きくとも80%の平均粒子径である略球状の大きい無
    機質充填材の少なくとも1種類とを含む充填材であるこ
    とを特徴とする樹脂結合材薄刃砥粒工具。
  10. 【請求項10】前記硬化性の異なる、少なくとも2種類
    の樹脂が、硬化性の異なる、少なくとも2種類の熱硬化
    性樹脂である請求項9に記載の樹脂結合材薄刃砥粒工
    具。
  11. 【請求項11】前記硬化性の異なる、少なくとも2種類
    の樹脂が、少なくとも1種類の熱硬化性樹脂と少なくと
    も1種類の光硬化性樹脂である請求項9又は10に記載
    の樹脂結合材薄刃砥粒工具。
  12. 【請求項12】前記流動性樹脂結合材組成物が、導電性
    フィラーを含む請求項9〜11のいずれか一に記載の樹
    脂結合材薄刃砥粒工具。
  13. 【請求項13】超砥粒を樹脂結合材で保持した薄板状の
    砥粒保持部を有する樹脂結合材薄刃砥粒工具製造用の流
    動性樹脂結合材組成物であって、前記超砥粒の平均粒子
    径が、10〜100μmであり、少なくとも2種類の充
    填材と、硬化性の異なる、少なくとも2種類の樹脂と、
    これ等の樹脂の重合開始剤とを含有し、前記少なくとも
    2種類の充填材が、前記超砥粒の平均粒子径の0.1〜
    10%の平均粒子径である略球状の小さい無機質充填材
    の少なくとも1種類と、前記小さい無機質充填材の平均
    粒子径の少なくとも3倍かつ前記超砥粒の平均粒子径の
    大きくとも80%の平均粒子径である略球状の大きい無
    機質充填材の少なくとも1種類とを含む充填材であるこ
    とを特徴とする樹脂結合材薄刃砥粒工具製造用の流動性
    樹脂結合材組成物。
  14. 【請求項14】前記硬化性の異なる、少なくとも2種類
    の樹脂が、硬化性の異なる、少なくとも2種類の熱硬化
    性樹脂である請求項13に記載の流動性樹脂結合材組成
    物。
  15. 【請求項15】前記硬化性の異なる、少なくとも2種類
    の樹脂が、少なくとも1種類の熱硬化性樹脂と少なくと
    も1種類の光硬化性樹脂である請求項13又は14に記
    載の流動性樹脂結合材組成物。
  16. 【請求項16】導電性フィラーを含む請求項13〜15
    のいずれか一に記載の流動性樹脂結合材組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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