JP2003298338A - アンテナおよび通信装置 - Google Patents

アンテナおよび通信装置

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JP2003298338A
JP2003298338A JP2002099886A JP2002099886A JP2003298338A JP 2003298338 A JP2003298338 A JP 2003298338A JP 2002099886 A JP2002099886 A JP 2002099886A JP 2002099886 A JP2002099886 A JP 2002099886A JP 2003298338 A JP2003298338 A JP 2003298338A
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electrode
antenna according
carbon nanotubes
carbon nanotube
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JP2002099886A
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Kazunori Anazawa
一則 穴澤
Tsutomu Manabe
力 真鍋
Hirotsugu Kashimura
洋次 鹿志村
Hiroyuki Watanabe
浩之 渡邊
Masaaki Shimizu
正昭 清水
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    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y10/00Nanotechnology for information processing, storage or transmission, e.g. quantum computing or single electron logic
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q1/00Details of, or arrangements associated with, antennas
    • H01Q1/36Structural form of radiating elements, e.g. cone, spiral, umbrella; Particular materials used therewith
    • H01Q1/364Structural form of radiating elements, e.g. cone, spiral, umbrella; Particular materials used therewith using a particular conducting material, e.g. superconductor
    • H01Q1/368Structural form of radiating elements, e.g. cone, spiral, umbrella; Particular materials used therewith using a particular conducting material, e.g. superconductor using carbon or carbon composite
    • HELECTRICITY
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q9/00Electrically-short antennas having dimensions not more than twice the operating wavelength and consisting of conductive active radiating elements
    • H01Q9/04Resonant antennas
    • H01Q9/30Resonant antennas with feed to end of elongated active element, e.g. unipole

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波帯域における応答特性に優れる、微少
サイズのアンテナを提供すること、かかる優れた特性の
アンテナを備え、装置全体としての小型化をも実現し得
る通信装置を提供すること。 【解決手段】 カーボンナノチューブ10a,10b,
10cで構成された輻射器を備えてなることを特徴とす
るアンテナであり、具体的な構成としては、例えば、カ
ーボンナノチューブ10a,10b,10cの一部が接
続されてモノポールアンテナとして動作させる電極12
a,12b,12cを備えることを特徴とするアンテ
ナ、およびそれを備える通信装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁波の送受信が
可能な新規なアンテナ、並びに、それを備えた送信装
置、受信装置および送受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、通信分野では、次世代マルチメデ
ィア移動通信における2.5GHz、および無線LAN
における2〜30GHzなどが、ITS(Intell
igent Transport System)の分
野では、ETS(自動料金収受システム)における5.
8GHz、およびAHS(走行支援道路システム)にお
ける76GHzなどが、高周波帯域において利用されて
おり、今後、高周波帯域の利用範囲は、さらに急速に拡
大して行くことが予想される。また、携帯電話に代表さ
れる通信端末については、その小型化や内蔵モジュール
化が進み、広帯域に対応した高周波の受送信部には、高
効率の小型アンテナの必要性が高まっている。
【0003】携帯電話等の移動無線機用アンテナとして
広く使用されているのは、固定式ヘリカルアンテナと、
内蔵用の板状逆Fアンテナである。固定式ヘリカルアン
テナでは、固定式ヘリカルアンテナエレメントを配置す
ることで、小型軽量なアンテナ系を実現している。ま
た、板状逆Fアンテナでは、放射エレメントが無線機地
板に平行に近接して配置され、放射エレメントの一部を
接地点に接地し、他の一部に給電点から給電すること
で、低背なアンテナを実現し、携帯電話本体からアンテ
ナが飛び出ない携帯電話のデザインを可能としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、固定式ヘリカ
ルアンテナおよび板状逆Fアンテナのいずれの場合も、
アンテナ素子の通信帯域が特定されており、複数の帯域
に渡って効率を維持することはできない。また、モジュ
ール化した場合、回路チップのサイズよりアンテナ部の
サイズが大きくなり、その結果、モジュールの小型化に
限界が生じてくる。
【0005】したがって、本発明の目的は、高周波帯域
における応答特性に優れる、微少サイズのアンテナを提
供することにある。また、本発明の他の目的は、高周波
帯域における応答特性に優れる微少サイズのアンテナを
備え、装置全体としての小型化をも実現し得る、送信機
能、受信機能あるいは送受信機能を有する通信装置を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高周波帯
域における応答特性に優れるカーボンナノチューブをア
ンテナの主要な構成要素として用いることで、上記目的
を解決し得ることを見出し、本発明に想到した。すなわ
ち本発明は、カーボンナノチューブで構成された輻射器
を備えてなることを特徴とするアンテナ、具体的な構成
としては例えば、前記カーボンナノチューブの一部が接
続されてモノポールアンテナとして動作させる電極を備
えることを特徴とするアンテナである。
【0007】カーボンナノチューブに代表される炭素構
造体は、その電子構造から電磁波の吸収波長帯域が広
く、さらに、カーボンナノチューブではその電子構造が
1次元に近いため、キャリアの伝達速度が極めて高いと
考えられている。その証拠として、カーボンナノチュー
ブでは、電流電圧特性がオーム則に従うのではなく、バ
リスティック伝導と呼ばれる伝導機構を示すことがわか
っている。バリスティック伝導では、電子やホールとい
ったキャリアは、弾性散乱しか起こさないために、電気
抵抗が極めて低く、109A/m2以上の高い電流密度で
キャリア輸送が実現できる。この現象から、本発明者ら
は、カーボンナノチューブが、広い高周波帯域で応答す
ることを見出し、本発明に想到したのである。
【0008】カーボンナノチューブを主要な構成要素と
する本発明のアンテナは、このように、広い高周波帯域
で吸収を示すばかりでなく、カーボンナノチューブの電
気特性から、吸収した高周波を電流として高速で、か
つ、高効率で伝達することが可能であり、高周波帯域の
送信および/または受信に用いるアンテナとして、極め
て実用性が高いものとなる。なお、本発明において「高
周波」とは、一般的に高周波とされる概念の周波数が該
当するが、主として周波数100MHz〜1THzの範
囲のものを指す。
【0009】通常アンテナは、アンテナ線と接続される
輻射部(放射器あるいは給電部と呼ばれることもあり、
送受信ともにこれらのように称される。)の素子長を波
長の分数比(例えば、λ/4、3/8λ、λ/2、5/
8λ等)程度の長さとし、一方向から、あるいは一方向
に伝播する電磁波を効率的に送受信するために、指向性
を持たせた構成としている。
【0010】しかしながら、本発明のアンテナは、輻射
器がカーボンナノチューブで構成されているため、従来
のアンテナ材料と比較して、極めて高い電気伝導度を有
しており、高周波信号を顕著に吸収するため、電磁波の
変換効率が高い。一方、カーボンナノチューブ自体は、
電磁波の波長に比べて非常に小さなサイズであるため、
電磁波の伝播方向に対する指向性が弱く、従来の材料と
比較して全方位に対して高い感度を有する。したがっ
て、従来のアンテナ材料を用いたアンテナのように指向
性を高めなくても、比較的良好な感度(従来のサイズの
アンテナ素子との代替が可能な程度の電磁波変換出力)
を持たせることができたものと考えられる。
【0011】また、主要な構成要素であるカーボンナノ
チューブが極めて微細なものであることから、本発明の
アンテナは、従来から通信装置(送信装置、受信装置あ
るいは送受信装置)のアンテナとして用いられてきた各
種形式のアンテナに比して桁違いに小型のものとなり、
最終的に製造される通信装置の飛躍的な小型化を実現す
ることが可能となる。
【0012】さらに、本発明において、高周波を空中に
送信、および/または、空中から受信する出入り口とな
るカーボンナノチューブは、最長でも数百μm程度と極
めて短いことから、既述の如く本発明のアンテナは、指
向性が皆無に等しいものとなり、非指向性であることが
一般に望まれる通信装置のアンテナとして、極めて好適
である。
【0013】本発明のアンテナの構造としては、例え
ば、輻射器としての前記カーボンナノチューブの一方の
端部ないしその周辺が、電極に接続してなる構造が挙げ
られ、当該電極に接続されるカーボンナノチューブが、
複数本であっても構わない。また、前記カーボンナノチ
ューブの少なくとも一部における前記電極と接続されて
いない箇所が、他の部材(例えば、他の電極)に固定さ
れてなるものであっても構わない。このとき、前記カー
ボンナノチューブが複数の場合には、そのうちの少なく
とも一部が、前記電極と他の部材との間に橋渡しされた
状態であれば足り、全てが橋渡しされていなくても構わ
ない。
【0014】前記カーボンナノチューブとしては、多層
カーボンナノチューブであることが好ましい。アンテナ
の輻射部を多層カーボンナノチューブとすることで、ハ
ンドリングが容易になり、製造効率が向上するのに加
え、各層が並列的な電気伝送路として機能するため、電
磁波の変換効率が向上し、アンテナとしての受信感度が
向上する。
【0015】前記カーボンナノチューブとしては、その
直径が、0.3nm以上100nm以下であることが好
ましく、その長さが、0.1μm以上100μm以下で
あることが好ましい。また、前記電極としては、Au、
Pt、Ag、Cu、Ta、Nb、Tiからなる群より選
ばれるいずれか1の材料を含むことが望ましい。前記カ
ーボンナノチューブと、それが接続する電極との間の接
続抵抗値としては、10MΩ以下であることが好まし
い。
【0016】前記電極は、一般的には基板の表面に設け
られている。当該基板において、前記電極が設けられた
側の最表面には、誘電体層が形成されていることが好ま
しい。また、該誘電体層の厚さとしては、1nm以上1
0mm以下であることが好ましい。前記基板の前記電極
が設けられる側の表面の抵抗率としては、1×106Ω
・cm以上であることが好ましい。
【0017】前記カーボンナノチューブの少なくとも一
部は、保護層により覆われていることが好ましい。この
保護層は、誘電体であることが好ましい。本発明のアン
テナとしては、500MHz以上1THz以下の範囲に
ついて、好適に送信帯域および/または受信帯域とする
ことができる。本発明のアンテナは、送信用アンテナ、
受信用アンテナあるいは送受信兼用アンテナとして機能
する。
【0018】一方、本発明の通信装置は、本発明のアン
テナを備えたことを特徴とする送信機能を有する通信装
置(以下、「送信装置」という場合がある。)、受信機
能を有する通信装置(以下、「受信装置」という場合が
ある。)および送受信機能を有する通信装置(以下、
「送受信装置」という場合がある。)である。
【0019】本発明の送受信装置としては、次の2つが
例示される。 受信回路と、送信回路と、本発明のアンテナの電極
が接続される先を前記受信回路および前記送信回路の間
で切り替えるデュプレクサー(分波器)と、を備えてな
る送受信装置。 送信回路と、該送信回路に接続する本発明のアンテ
ナと、受信回路と、該受信回路に接続する本発明のアン
テナと、を備えてなることを特徴とする送受信装置。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の詳細を好ましい
実施の形態を挙げて詳細に説明する。 <本発明の概要>図1に、本発明のアンテナの3つの態
様を、カーボンナノチューブ1本のみ用いた例で、模式
斜視図にて示す。
【0021】図1(a)は、基板14aの表面に一対の
電極12a,12a’が設けられ、当該電極12a,1
2a’間を橋渡しする状態で、カーボンナノチューブ1
0aが、その端部ないしその周辺が両電極12a,12
a’に接続された状態で、配されてなるものである。
【0022】図1(b)は、基板14bの表面に電極1
2bが設けられ、カーボンナノチューブ10bが、一方
の端部ないしその周辺が電極12bに接続され、他方の
端部から長手方向の中央を超えて3分の2程度までが電
極12の縁端からはみ出すように、配されてなるもので
ある。
【0023】図1(c)は、基板14cの表面に電極1
2cが設けられ、当該電極12cの略中央から鉛直方向
に、カーボンナノチューブ10cが突出し、かつ一方の
端部が電極12cに接続された状態で、配されてなるも
のである。本発明においては、これらいずれの対応であ
ってもよい。
【0024】カーボンナノチューブ10a,10b,1
0cは、外気から遮断する目的、および/または、物理
的に保護する目的で形成される、保護層により覆われて
いることも好ましい態様である。以下、本発明の各構成
要素について詳述する。
【0025】(カーボンナノチューブ)一般にカーボン
ナノチューブとは、炭素の6角網目のグラフェンシート
が、チューブの軸に平行に管を形成したものを言う。カ
ーボンナノチューブは、さらに分類され、グラフェンシ
ートが1枚の構造のものは単層カーボンナノチューブ
(シングルウォールカーボンナノチューブ)と呼ばれ、
一方、多層のグラフェンシートから構成されているもの
は多層カーボンナノチューブ(マルチウォールカーボン
ナノチューブ)と呼ばれている。どのような構造のカー
ボンナノチューブが得られるかは、合成方法や条件によ
ってある程度決定される。
【0026】本発明において、主要な構成要素であるカ
ーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブで
も、二層以上の多層カーボンナノチューブでも構わない
が、多層カーボンナノチューブであることが好ましい。
アンテナの輻射部を多層カーボンナノチューブとするこ
とで、ハンドリングが容易になり、製造効率が向上する
のに加え、各層が並列的な電気伝送路として機能するた
め、電磁波の変換効率が向上し、アンテナとしての受信
感度が向上する。
【0027】また、単層カーボンナノチューブの変種で
あるカーボンナノホーン(一方の端部から他方の端部ま
で連続的に拡径しているホーン型のもの)、カーボンナ
ノコイル(全体としてスパイラル状をしているコイル型
のもの)、カーボンナノビーズ(中心にチューブを有
し、これがアモルファスカーボン等からなる球状のビー
ズを貫通した形状のもの)、カップスタック型ナノチュ
ーブ、カーボンナノホーンやアモルファスカーボンで外
周を覆われたカーボンナノチューブ等、厳密にチューブ
形状をしていないものも、本発明においてカーボンナノ
チューブとして用いることができる。
【0028】さらに、カーボンナノチューブ中に金属等
が内包されている金属内包ナノチューブ、フラーレンま
たは金属内包フラーレンがカーボンナノチューブ中に内
包されるピーポッドナノチューブ等、何らかの物質をカ
ーボンナノチューブ中に内包したカーボンナノチューブ
も、本発明においてカーボンナノチューブとして用いる
ことができる。
【0029】以上のように、本発明においては、一般的
なカーボンナノチューブのほか、その変種や、種々の修
飾が為されたカーボンナノチューブ等、いずれの形態の
カーボンナノチューブでも、その電気特性および高周波
特性から見て問題なく使用することができる。したがっ
て、本発明における「カーボンナノチューブ」には、こ
れらのものが全て、その概念に含まれる。
【0030】これらカーボンナノチューブの合成は、従
来から公知のアーク放電法、レーザーアブレーション
法、CVD法のいずれの方法によっても行うことがで
き、本発明においては制限されない。これらのうち、高
純度なカーボンナノチューブが合成できるとの観点から
は、磁場中でのアーク放電法が好ましい。
【0031】用いられるカーボンナノチューブの直径と
しては、0.3nm以上100nm以下であることが好
ましい。カーボンナノチューブの直径が、当該範囲を超
えると、合成が困難であり、コストの点で好ましくな
い。カーボンナノチューブの直径のより好ましい上限と
しては、30nm以下である。
【0032】一方、一般的にカーボンナノチューブの直
径の下限としては、その構造から見て、0.3nm程度
であるが、あまりに細すぎると合成時の収率が低くなる
点で好ましくない場合もあるため、1nm以上とするこ
とがより好ましく、10nm以上とすることがさらに好
ましい。
【0033】用いられるカーボンナノチューブの長さと
しては、0.1μm以上100μm以下であることが好
ましい。カーボンナノチューブの長さが、当該範囲を超
えると、合成が困難、もしくは、合成に特殊な方法が必
要となりコストの点で好ましくなく、当該範囲未満であ
ると、電極に接続することが困難になる点で好ましくな
い。カーボンナノチューブの長さの上限としては、10
μm以下であることがより好ましく、下限としては、1
μm以上であることがより好ましい。
【0034】電極に接続されるカーボンナノチューブの
本数は、図1ではいずれも1本のものを例示しており、
勿論1本でもアンテナの効果を発揮するが、複数本でも
構わない。アンテナとしての受信性能・送信性能を高め
るには、この本数は多い方が好ましい。アンテナの、さ
らには通信装置の小型化や製造コストとの兼ね合いで、
前記カーボンナノチューブの本数を適宜選択すればよ
い。
【0035】(電極)本発明の必須構成要素の1つであ
る電極は、既述の如く、図1(a)中の12a,12
a’のように一対のものであってもよいし、図1(b)
あるいは(c)中の12bあるいは12cのように、1
つのみであってもよい。
【0036】本発明において電極は、導電性を有するも
のであれば制限なく、従来公知の材料を問題なく使用す
ることができるが、Au、Pt、Ag、Cu、Ta、N
b、Tiからなる群より選ばれるいずれか1の材料を含
むことが好ましい。これら材料は、単独のものであって
もよいが、2以上の材料からなる合金や、これらの材料
の1以上と他の金属との合金であっても好ましいもので
ある。これら材料は、電導性が良好であり、加工性や安
定性も高く、従来から電子デバイスの電極として用いら
れている。
【0037】本発明において電極は、それ自身ある程度
硬さを有し、形状保持性を有する場合には、それのみで
構成されていてもよいが、一般的には、図1に示すよう
に適当な基板の表面に設けられる。
【0038】図1(a)に示されるように、基板14a
の表面に一対の電極12a,12a’が設けられる場
合、両者の間隙(電極間距離)としては、10nm以上
100μm以下とすることが好ましく、50nm以上1
0μm以下とすることがより好ましい。電極間距離が大
きすぎると、それを橋渡しし得る長さのカーボンナノチ
ューブの調達が困難である点で好ましくない。一方、電
極間距離が小さすぎると、実質的に両電極が導通状態に
なってしまう場合があり、また、電極作製が極めて困難
となり、コストの点で好ましくない。
【0039】本発明において電極の厚みとしては、特に
制限はないが、図1に示される各種態様のように、基板
表面に設けられる場合には、10nm〜100μmの範
囲が適当であり、50nm〜1μmの範囲がより好まし
い。
【0040】なお、本発明において、電極は、図1に示
されるように明確に電極として形成されていることは要
求されない。例えば、通信装置のプリント基板における
プリント配線を電極として、これにカーボンナノチュー
ブを接続しても構わないし、その他リード線やフレーム
等、あらゆるものにカーボンナノチューブを接続して、
これらを電極と見立てることができる。
【0041】(カーボンナノチューブと電極との関係)
本発明においては、カーボンナノチューブの一方の端部
ないしその周辺が、電極に接続している。また、図1
(a)に示すように、残りの一方の端部について、他の
電極に接続していても構わない。
【0042】ここで「カーボンナノチューブの一方の端
部ないしその周辺」とは、カーボンナノチューブの一方
の端部から、長手方向における中途までのいずれかの部
位、を意味し、それが「接続している」とは、かかるい
ずれかの部位において、一部でも接続していれば足りる
ことを意味し、かかる部位の全てが接続している必要は
ない。また、ここで言う「接続」とは、電気的な接続を
意味し、必ずしも物理的に接続されることを要求するも
のではない。以上のことは、他方の端部が他の電極に接
続されている構成(例えば、図1(a)の構成)の場合
も、同様である。
【0043】なお、「長手方向における中途」の位置の
範囲については、特に制限はなく、例えばカーボンナノ
チューブの長手方向におけるほとんどの部位が電極と接
続していても(すなわち、「中途」の位置が、接続する
側の端部よりも他方の端部からの方が近くても)、電極
の縁端から突出するカーボンナノチューブの部位が僅か
であっても、さらには、全く突出していなくても構わな
い。ただし、カーボンナノチューブの全体が電極に隠れ
てしまうと、電磁波が遮断されてしまう場合もあるた
め、カーボンナノチューブが電極から突出していること
が好ましい。
【0044】前記カーボンナノチューブと、それが接続
する電極との間の接続抵抗値としては、10MΩ以下で
あることが好ましく、1MΩ以下であることがより好ま
しい。当該接続抵抗値が大きすぎると、導電性が不十分
となり、アンテナとして機能しにくくなるため好ましく
ない。なお、当該接続抵抗値は、小さければ小さいほど
好ましいため、好適な下限値は存在しないが、カーボン
ナノチューブと電極の場合、一般的には10kΩ程度が
限界である。
【0045】前記カーボンナノチューブと、それが接続
する電極との成す角としては、10°以上であることが
好ましく、30°以上であることがより好ましく、45
°以上であることがさらに好ましく、垂直であることが
最も好ましい。この成す角を垂直に近づけることは、カ
ーボンナノチューブを2つの電極間に配する場合、当該
2つの電極間の最短距離でカーボンナノチューブを橋渡
しする状態となり、カーボンナノチューブの長さを短く
することができる点で好ましい。
【0046】ここで「成す角」とは、カーボンナノチュ
ーブと電極とが接続している箇所において、カーボンナ
ノチューブと電極との間に形成される角のことを言う。
直線状のカーボンナノチューブと平面状の電極とを想定
して、成す角について説明する。カーボンナノチューブ
の一方の端部が電極の平面に点で当接し、この電極の平
面から法線方向に、あるいは法線方向からある程度の角
度を持ってカーボンナノチューブが配置される場合に
は、前記電極の平面と前記カーボンナノチューブとの間
に形成される最小の角度のことを言う。図1(c)にお
いては、カーボンナノチューブ10cが電極12cの法
線方向に配されているため、成す角は90゜(垂直)で
ある。
【0047】また、カーボンナノチューブの端部から長
手方向の中途までが、電極の平面に直線状に当接し、電
極の縁端から突出している場合には、前記電極の縁端と
前記カーボンナノチューブとの間に形成される最小の角
度のことを言う。図1(b)においては、カーボンナノ
チューブ10bが電極12bの縁端から垂直方向に突出
しているため、成す角は90゜(垂直)である。図1
(a)における電極12aあるいは電極12a’とカー
ボンナノチューブ10aについても同様に90゜(垂
直)である。
【0048】カーボンナノチューブが湾曲している場合
や、カーボンナノビーズのように直線状でないものを用
いた場合等、明確な直線相互の関係として角度を求める
ことが困難な場合には、上記成す角は、カーボンナノチ
ューブおよび電極の当接部と非当接部との境界におい
て、必要に応じて接線を引いて求められる。
【0049】カーボンナノチューブと電極との接続は、
図1(b)のように両者が線で当接する場合には、特に
固定しなくてもある程度の接着が期待できるが、より強
固な接続を企図して、あるいは、図1(a)のように両
者の当接部が短い場合や、図(c)のように両者が点で
接触する場合には、両者を何らかの方法で固定すること
が望ましい。具体的な固定方法としては、特に制限はな
いが、例えば、固定対象部位に電子線を照射することに
より、アモルファスカーボンが照射部に堆積し、電極と
カーボンナノチューブとを固定化する方法が挙げられ
る。また、カーボンナノチューブの製造時、電極を触媒
として、これに直接カーボンナノチューブを成長させ
る、あるいは、電極に触媒金属を固定し、これにカーボ
ンナノチューブを成長させる、といった方法により、カ
ーボンナノチューブの製造と共にカーボンナノチューブ
と電極とを固定化する方法も挙げられる。
【0050】(基板)本発明において、必要に応じて電
極が形成される基板としては、特に制限はないが、少な
くとも前記電極が設けられる側の表面が、絶縁性である
ことが要求される。具体的な表面の抵抗率としては、1
×106Ω・cm以上であることが好ましく、5×106
Ω・cm以上であることがより好ましい。前記表面の抵
抗率が1×106Ω・cm未満では、実質的に導電性に
近くなり、例えば図1(a)の場合、電極12a−12
a’間の絶縁が確保できなかったり、図1(b)の場
合、カーボンナノチューブ10bと電極12bとの成す
角が、実質的に0゜となってしまい、好ましくない。一
方、前記表面の抵抗率の上限に制限はないが、一般的に
は1×1012Ω・cm程度である。
【0051】図1(a)の構成のアンテナを例に挙げ
て、好ましい基板の構成を説明する。図2は、図1
(a)のアンテナの断面図であり、図1(a)よりも実
物に近似させて描かれている。図2において、基板14
aは、支持板16の電極12a,12a’が設けられる
側の表面に誘電体層18が形成されて構成される。
【0052】支持板16は、本例ではSi基板を用いて
いるが、これに限定されるものではない。支持板の厚み
としては、形状保持性が十分となるように、用いる材料
により適宜調整すればよく、通常は、一般の電気配線基
板と同様の範囲から適宜選択される。
【0053】誘電体層18の材料は、本例ではSiO2
を用いているが、これに限定されるものではない。誘電
体層18の材料としては、誘電体の薄膜が形成される材
料であり、電極12a,12a’や支持板16との密着
性が確保しやすいものを用いればよく、例えば、酸化シ
リコン、窒化シリコン、ニオブ酸リチウム、チタン酸ス
トロンチウム、ダイヤモンド等が挙げられる。このよう
に基板14aの最表面に誘電体層18を形成すること
で、電気的絶縁性を基板に付与することができる。
【0054】前記誘電体層の厚さとしては、1nm以上
10mm以下であることが好ましく、10nm以上1m
m以下であることがより好ましい。前記誘電体層の厚さ
が1nm未満では、電気的絶縁性を破壊するおそれがあ
り、10mmを超えると、装置の小型化を実現するのが
困難となるため、それぞれ好ましくない。
【0055】通信装置において内部に配される各種配線
基板を、そのまま本発明のアンテナの電極を形成する基
板として兼用することもできる。この場合も、表面の抵
抗値は既述の範囲であることが好ましく、最表面層には
既述の誘電体層が形成されていることが好ましい。
【0056】(保護層)前記カーボンナノチューブの少
なくとも一部は、保護層により覆われていることが望ま
しい。図3は、図1(a)および図2に示される本発明
のアンテナに保護層を形成した状態を示す断面図であ
る。図3においては、電極12a,12a’およびカー
ボンナノチューブ10a全体を覆うように、保護層20
aが形成されている。
【0057】この保護層20aとしては、導電体であっ
ても構わないが、誘電体であることが好ましい。保護層
として好ましい誘電体としては、外気遮断機能あるいは
機械的保護機能の観点から、酸化シリコン、窒化シリコ
ン、酸化窒化シリコン、酸化チタン、酸化ニオブ、ニオ
ブ酸リチウム、チタン酸ストロンチウム、ダイヤモンド
等の無機物や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂、フッ素樹脂、アミド樹脂、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリウレタン、ポリスチレン等の各
種樹脂を挙げることができる。
【0058】保護層は、図3に示す保護層20aのよう
に、電極12a,12a’およびカーボンナノチューブ
10a全体を覆うように形成されることが好ましいが、
カーボンナノチューブの少なくとも一部が覆われていれ
ば構わない。一部さえ覆われていれば、当該覆われた部
分について、外気の遮断あるいは機械的な保護が期待で
きる。なお、外気の遮断について、完全密閉であること
は要求されないが、勿論完全密閉であることが好まし
い。
【0059】図4は、図1(c)に示される本発明のア
ンテナに保護層を形成した状態を示す断面図である。図
4においては、電極12cおよびカーボンナノチューブ
10c全体を覆うように、保護層20cが形成されてい
る。図1(c)のアンテナにおいては、カーボンナノチ
ューブ10cと電極12cとの間の固定を強固にするこ
とが比較的難しく、外力によりカーボンナノチューブ1
0cが脱落してしまいやすい場合もあるが、保護層20
cでカーボンナノチューブ10c全体を覆うことで、そ
の危険が大幅に軽減される。
【0060】本発明のアンテナのうち、基板を有しない
態様の場合に、保護層を設けるには、電極とカーボンナ
ノチューブとの接続部からカーボンナノチューブ全体を
覆うように保護層を形成することが好ましく、電極全体
をも覆うように保護層を形成することがより好ましい。
保護層の厚みとしては、その材料の選択により異なり一
概には言えないが、概して100nm〜0.1mmの範
囲とすることが好ましい。
【0061】<本発明のアンテナの作製>以上説明した
各種構成の本発明のアンテナの作製方法は、特に限定さ
れない。基板表面に電極およびカーボンナノチューブを
配する具体例を以下に列記するが、本発明はこれらに限
定されるものではない。
【0062】基板の表面に電極を形成する方法として
は、マスク蒸着法が簡便であるが、より精密に形成した
いとき、特に一対の電極を形成する場合、両電極の間隙
をより狭いギャップとしたいときには、電子線リソグラ
フィー法によることが望ましい。
【0063】形成した1つの電極あるいは一対の電極間
に、アンテナとして機能させるカーボンナノチューブを
配置させるには、走査電子顕微鏡(SEM)等の顕微鏡
で見ながら、マニピュレータを用いてカーボンナノチュ
ーブを直接並べる方法や、カーボンナノチューブをイソ
プロピルアルコールやジメチルホルムアミド等適当な分
散媒に分散させ、その分散液を1つの電極上または縁
端、あるいは一対の電極間に滴下し乾燥する方法等が挙
げられる。特に、一対の電極間にカーボンナノチューブ
を高配向させたい場合には、前記分散液を電極間に滴下
させた後、当該電極間に電場を与えて配列させる方法が
挙げられる。
【0064】<本発明のアンテナの用途>本発明のアン
テナは、回路上に電極とカーボンナノチューブとを配置
するだけで、極微少なアンテナを作製することが可能で
あり、アンテナ部品、さらには移動携帯端末等の通信装
置の飛躍的な小型化を図ることができる。
【0065】本発明のアンテナは、500MHz以上1
THz以下と極めて高い周波数までの広い帯域を、送信
帯域および/または受信帯域とすることができる。本発
明のアンテナは、特に800MHz以上100GHz以
下の範囲を送信帯域および/または受信帯域とすること
が好ましい。
【0066】本発明の通信装置は、以上のように優れた
特性を有する本発明のアンテナを備えたことを特徴とす
る送信装置、受信装置および送受信装置である。本発明
の送信装置では、本発明のアンテナ中の電極が送信回路
に接続され、該送信回路からの送信信号がカーボンナノ
チューブに伝達され、ここから大気中に電磁波(高周
波)として放出される。本発明のアンテナに電極が一対
(2つ)ある場合、送信回路には、一方の電極のみ接続
してもよいし、双方の電極共接続してもよい。後述の、
受信装置における受信回路、および、送受信装置におけ
るデュプレクサー、あるいは送信回路および受信回路に
おいても同様である。具体的な送信装置としては、発信
機、無線マイク、無線カメラ、等が挙げられる。
【0067】本発明の受信装置では、本発明のアンテナ
中の電極が受信回路に接続され、大気中からカーボンナ
ノチューブに吸収された高周波が、受信信号として電極
を解して受信回路に伝達される。具体的な受信装置とし
ては、テレビジョン、ラジオ、電波時計、カーナビゲー
ションシステムに代表されるGPS端末、無線スピーカ
ー等が挙げられる。
【0068】これらに対し、送受信装置は、受信回路と
送信回路とが含まれ、これとアンテナとが接続される構
成となっているが、アンテナが受信した受信信号を受信
装置に伝えると共に、送信回路からの送信信号をアンテ
ナに伝えるために、これらの接続を自動的に切り替える
デュプレクサー(Duplexer)が、一般的に備え
られている。本発明の送受信装置においても、このデュ
プレクサーが備えてなるものが1つの態様として挙げら
れる。すなわち、本発明の送受信装置の一態様として
は、受信回路と、送信回路と、前記アンテナの電極が接
続される先を前記受信回路および前記送信回路の間で切
り替えるデュプレクサーと、を備えてなるものが例示さ
れる。
【0069】図5に、本態様の送受信装置の回路図の一
例を示す。図5において、34は、カーボンナノチュー
ブ30および電極32からなる本発明のアンテナであ
り、電極32はデュプレクサー36と接続されている。
このデュプレクサー36は、電極32が接続される先を
受信回路40と送信回路50との間で切り替える機能を
有するものである。
【0070】アンテナ34が吸収した電磁波(高周波)
は、電気信号として、デュプレクサー36により受信回
路40に振り分けられる。受信回路40では、表面波フ
ィルター(SAW filter=Surface A
coustic Wavefilter)42により必
要な周波数のみが取り出され、アンプ44で増幅された
後、出力部46で、音声や画像といった所望のソースに
加工されて出力される。
【0071】一方、送信回路50から送信信号が送られ
てきた場合、デュプレクサー36では、アンテナ34と
の接続を受信回路40から送信回路50に切り替え、前
記送信信号がアンテナ34により電磁波(高周波)とし
て大気中に放出される。送信回路50では、入力部56
で入力された情報が、電気信号として表面波フィルター
52に送られ、ここで送信に必要な高周波のみが取り出
され、アンプ54で増幅された後、送信信号としてデュ
プレクサー36を介してアンテナ34に伝達される。
【0072】以上は、送受信装置としてデュプレクサー
を備える例であり、本発明のアンテナは利用可能な周波
数帯域が広いので、例えば、送信信号と受信信号とで大
幅に異なる周波数を採用したとしても、1つのアンテナ
のみで十分に賄うことができる。
【0073】ところで、本発明のアンテナは極めて小さ
いので、1つのアンテナで送受信を兼ねる構成とせず、
送信回路と受信回路とで別々のアンテナをそれぞれ備え
るものとしても構わない。すなわち、本発明の送受信装
置の他の態様としては、送信回路と、該送信回路に接続
する本発明のアンテナと、受信回路と、該受信回路に接
続する本発明のアンテナと、を備えてなるものが例示さ
れる。
【0074】図6に、本態様の送受信装置の回路図の一
例を示す。図6に示されるように、受信回路40には、
カーボンナノチューブ30aおよび電極32aからなる
本発明の受信専用のアンテナ34aが、送信回路50に
は、カーボンナノチューブ30bおよび電極32bから
なる本発明の送信専用のアンテナ34bが、それぞれ独
立に接続している。なお、受信回路40および送信回路
50の構成は、図5と同一であるため、説明を省略す
る。
【0075】本態様の送受信装置では、デュプレクサー
を使用しなくても済むため、回路構成が単純となり、製
造コストの低減を図ることができる。また、本発明のア
ンテナは極めて微小であるため、本態様のように送受信
独立して専用のアンテナとしても、全体的には依然とし
て小さく、送受信装置の小型化を阻害する要因にならな
い。さらに、アンテナの形状、カーボンナノチューブの
本数、カーボンナノチューブと電極との成す角等の条件
を、送受信それぞれの機能に適したものを採用すること
ができ、送受信装置全体としての性能向上を図ることも
できる。具体的な送受信装置としては、携帯電話機、P
HS、コードレス電話の親機および子機、トランシーバ
ー等が挙げられる。
【0076】
【実施例】次に、実施例を挙げて、本発明をより具体的
に説明する。ただし、本発明は以下の実施例により限定
されるものではない。 <実施例1> (アンテナの作製)まず、SiO2/Si基板(支持板
としてのSi基板の厚さ:500μm、誘電体層として
のSiO2層の厚さ:500nm)のSiO2層側の面
に、多層カーボンナノチューブを接続するための一対の
電極を、ギャップ(間隙)が2.5μmとなるように形
成した。形成方法は、マスク蒸着法を採用し、電極材料
はAu/Crを用いた。電極の厚さは50nmであっ
た。
【0077】得られた一対の電極のギャップに、磁場中
アーク放電法で作製した1本の多層カーボンナノチュー
ブ(直径約40nm、長さ4μm)を、橋渡しする状態
で配置し固定した。具体的には、走査電子顕微鏡(SE
M)にマイクロマニュピレーターを導入し、これを用い
て行った。詳しい手順を以下に示す。
【0078】まず、SEM中に、磁場中アーク放電法に
より合成した高純度の多層カーボンナノチューブを含む
カソード堆積物と、前述のAu/Cr電極が形成された
SiO2/Si基板を入れる。前記マイクロマニュピレ
ーターによりカソード堆積物から一本のカーボンナノチ
ューブをピックアップし、SiO2/Si基板のAu/
Cr電極が形成された側の表面に移動し、Au電極間に
その両端が電極と接するように配置する。その後、多層
カーボンナノチューブの両端を電子ビーム(強度4×1
-12A)で約1分程度照射し、多層カーボンナノチュ
ーブとAu電極とを固定した。
【0079】以上のようにして、本実施例のアンテナを
作製した。図7は、本実施例のアンテナのSEM写真像
(倍率20000倍)である。図7において、左上と右
下に薄く見える矩形の影が一対の電極であり、これを橋
渡しする状態でカーボンナノチューブが配置されている
ことがわかる。
【0080】(周波数特性)得られた実施例1のアンテ
ナの周波数特性を測定した。具体的には、ネットワーク
アナライザー(アジレントテクノロジー製8753E
S)と同軸エアラインから構成される測定系により、実
施例1のアンテナの伝達係数を測定した。測定系を校正
した後、同軸エアラインに実施例1のアンテナを挿入
し、2つのポートを使用して測定した。測定周波数は3
0kHz〜6GHzである。図8に、実施例1のアンテ
ナの、周波数に対する伝達係数特性を表すグラフを示
す。このグラフより、実施例1のアンテナは、約106
Hzから透過率が上昇し、6×109Hzでも伝達係数
の減衰はほとんどないことがわかる。
【0081】(起電力)得られた実施例1のアンテナに
対して、800MHzの電磁波を照射した場合に誘起さ
れる起電力を測定した。発振器の送信出力は800mW
とし、発振器の送信アンテナと実施例1のアンテナとの
距離は、20mmとした。オシロスコープで、誘起され
る電力をモニタリングしたところ、多層カーボンナノチ
ューブを用いた本実施例では、約150mVの起電力が
生じた。図9は、このときのオシロスコープの画面をそ
のまま画像処理した画像であり、図10はそれを模式的
に表したグラフである。以降の実施例および比較例にお
いては、必要に応じて模式的に表したグラフのみを添付
する。なお、他の多層カーボンナノチューブを用いて上
記同様にアンテナを作製し、同様にして実験を行ったと
ころ、その時の起電力は約200mVであった。
【0082】<実施例2>(アンテナの作製)実施例1
と同様にして、SiO2/Si基板のSiO2層側の面
に、10μmのギャップで一対のAu/Cr電極を作製
した。電極の厚さは50nmであった。アーク放電法に
より合成された単層カーボンナノチューブを精製し(平
均直径約1nm)、これを10g/lの割合でジメチル
ホルムアミド中に分散させ、これを前記得られた一対の
電極のギャップにマイクロピペットで1滴、滴下し自然
乾燥させた。
【0083】以上のようにして、本実施例のアンテナを
作製した。図11は、本実施例のアンテナにおけるカー
ボンナノチューブが位置する部位のみを抜き出し、拡大
させたSEM写真像(倍率3000倍)である。図11
において、線状に白く細かく見えるのが単層カーボンナ
ノチューブであり、多数の単層カーボンナノチューブが
複雑に、電極間のギャップに橋渡しされた状態で配置さ
れていることがわかる。
【0084】(起電力)得られた実施例2のアンテナに
ついて、実施例1と同様にして起電力を測定したとこ
ろ、単層カーボンナノチューブを用いた本実施例のアン
テナでは、約50mVの起電力が生じた。図12は、こ
のときのオシロスコープの画面の画像を模式的に示すグ
ラフである。
【0085】単層カーボンナノチューブは微細であるた
め、電極と個別に接続することが困難であり、電極との
接続抵抗が上昇してしまいやすく、また、一層のみであ
ることから、電導度も多層カーボンナノチューブに比べ
て感度が低下するものと推測される。
【0086】<比較例1>比較測定として、高配向性グ
ラファイトからなるアンテナを比較例1のアンテナとし
た。当該アンテナは、従来より一般的な通信装置のアン
テナとして用いられてきたものである。用いた高配向性
グラファイトは、グラファイトをC軸方向に配向させた
ものであり、その大きさは、長さ10mm、幅10m
m、厚さ2mmである。
【0087】比較例1のアンテナについて、実施例1と
同様にして起電力を測定したところ、高配向グラファイ
トを用いた比較例1のアンテナでは、約100mVの起
電力が発生した。図13は、このときのオシロスコープ
の画面を模式的に示すグラフである。
【0088】<比較例2>比較測定として、実施例1の
アンテナにおいて、カーボンナノチューブを配しない、
電極形成までの状態のものを、比較例2のアンテナとし
た。比較例2のアンテナについて、実施例1と同様にし
て起電力を測定してみたが、起電力は観測されなかっ
た。
【0089】<結果の考察>以上のことから、カーボン
ナノチューブを主要な構成要素とする本発明のアンテナ
は、極めて微細であるにもかかわらず、電磁波により、
十分な起電力が生じることが明らかとなり、アンテナと
して機能することが確かめられた。これに対して、一般
的なアンテナである比較例1では、勿論十分な起電力を
生ずるものの、アンテナ自体の大きさが極めて大きく、
これを備えた通信装置の小型化に対する阻害要因とな
る。また、カーボンナノチューブを配していない比較例
2では、起電力が生じず、電極単体では、アンテナとし
て機能しないことが確認された。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高周波帯域における応答特性に優れるナノオーダーのア
ンテナを提供することが可能となり、通信分野における
アンテナの更なる高性能化、小型化に対して、極めてそ
の効果が大きく、工業的有用性は極めて高い。また、上
記のような優れた特性を有するアンテナを備え、装置全
体としての小型化をも実現し得る通信装置を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のアンテナの3つの態様を、カーボン
ナノチューブ1本のみ用いた例で示す模式斜視図であ
る。
【図2】 図1(a)のアンテナの断面図であり、図1
(a)よりも実物に近似させて描かれている。
【図3】 図1(a)および図2のアンテナに保護層を
形成した状態を示す断面図である。
【図4】 図1(c)のアンテナに保護層を形成した状
態を示す断面図である。
【図5】 本発明の送受信機能を有する通信装置の一例
を示す回路図である。
【図6】 本発明の送受信機能を有する通信装置の他の
一例を示す回路図である。
【図7】 本発明のアンテナの1実施例のSEM写真像
(倍率20000倍)である。
【図8】 図7に示すアンテナについて、周波数に対す
る伝達係数特性を表すグラフであり、縦軸は伝達係数を
示し、横軸は周波数を示す。
【図9】 図7に示すアンテナについて、電磁波を照射
した際の起電力をモニタリングしたオシロスコープの画
面を画像処理した画像である。
【図10】 図9のオシロスコープの画面の画像を模式
的に示すグラフである。
【図11】 本発明のアンテナの1実施例について、カ
ーボンナノチューブが位置する部位のみを抜き出し、拡
大させたSEM写真像(倍率3000倍)である。
【図12】 図11に示すアンテナについて、電磁波を
照射した際の起電力をモニタリングしたオシロスコープ
の画面の画像を模式的に示すグラフである。
【図13】 高配向グラファイトを用いた比較例のアン
テナについて、電磁波を照射した際の起電力をモニタリ
ングしたオシロスコープの画面の画像を模式的に示すグ
ラフである。
【符号の説明】
10a、10b、10c、30、30b カーボンナノ
チューブ 12a、12a’、12b、12c、32、32a、3
2b 電極 14a、14b、14c 基板 16 支持板 18 誘電体層 20a、20c 保護層 34、34a、34b アンテナ 36 デュプレクサー 40 受信回路 42、52 表面波フィルター 44、54 アンプ 46 出力部 50 送信回路 56 入力部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鹿志村 洋次 神奈川県足柄上郡中井町境430グリーンテ クなかい 富士ゼロックス株式会社内 (72)発明者 渡邊 浩之 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 清水 正昭 神奈川県足柄上郡中井町境430グリーンテ クなかい 富士ゼロックス株式会社内 Fターム(参考) 5J046 AA07 AA14 AB06 PA07 QA02 5K011 AA06 DA21 JA01 KA00 KA13

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カーボンナノチューブで構成された輻射
    器を備えてなることを特徴とするアンテナ。
  2. 【請求項2】 前記カーボンナノチューブの一部が接続
    されてモノポールアンテナとして動作させる電極を備え
    ることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
  3. 【請求項3】 前記カーボンナノチューブの一方の端部
    ないしその周辺が、電極に接続してなることを特徴とす
    る請求項1または2に記載のアンテナ。
  4. 【請求項4】 前記電極に接続されるカーボンナノチュ
    ーブが、複数本であることを特徴とする請求項2または
    3に記載のアンテナ。
  5. 【請求項5】 前記カーボンナノチューブの少なくとも
    一部における前記電極と接続されていない箇所が、他の
    部材に固定されてなることを特徴とする請求項2〜4の
    いずれか1に記載のアンテナ。
  6. 【請求項6】 前記カーボンナノチューブが、多層カー
    ボンナノチューブであることを特徴とする請求項1〜5
    のいずれか1に記載のアンテナ。
  7. 【請求項7】 前記カーボンナノチューブの直径が、
    0.3nm以上100nm以下であることを特徴とする
    請求項1〜6のいずれか1に記載のアンテナ。
  8. 【請求項8】 前記カーボンナノチューブの長さが、
    0.1μm以上100μm以下であることを特徴とする
    請求項1〜7のいずれか1に記載のアンテナ。
  9. 【請求項9】 前記電極が、Au、Pt、Ag、Cu、
    Ta、Nb、Tiからなる群より選ばれるいずれか1の
    材料を含むことを特徴とする請求項2〜8のいずれか1
    に記載のアンテナ。
  10. 【請求項10】 前記カーボンナノチューブと、それが
    接続する電極との間の接続抵抗値が、10MΩ以下であ
    ることを特徴とする請求項2〜9のいずれか1に記載の
    アンテナ。
  11. 【請求項11】 前記電極が、基板の表面に設けられて
    いることを特徴とする請求項2〜10のいずれか1に記
    載のアンテナ。
  12. 【請求項12】 前記基板の前記電極が設けられる側の
    最表面に、誘電体層が形成されていることを特徴とする
    請求項11に記載のアンテナ。
  13. 【請求項13】 前記誘電体層の厚さが、1nm以上1
    0mm以下であることを特徴とする請求項12に記載の
    アンテナ。
  14. 【請求項14】 前記基板の前記電極が設けられる側の
    表面の抵抗率が、1×106Ω・cm以上であることを
    特徴とする請求項11〜13のいずれか1に記載のアン
    テナ。
  15. 【請求項15】 前記カーボンナノチューブの少なくと
    も一部が、保護層により覆われていることを特徴とする
    請求項1〜14のいずれか1に記載のアンテナ。
  16. 【請求項16】 前記保護層が、誘電体であることを特
    徴とする請求項15に記載のアンテナ。
  17. 【請求項17】 送信帯域および/または受信帯域が、
    500MHz以上1THz以下であることを特徴とする
    請求項1〜16のいずれか1に記載のアンテナ。
  18. 【請求項18】 送信用アンテナとして機能することを
    特徴とする請求項1〜17のいずれか1に記載のアンテ
    ナ。
  19. 【請求項19】 受信用アンテナとして機能することを
    特徴とする請求項1〜17のいずれか1に記載のアンテ
    ナ。
  20. 【請求項20】 送受信兼用アンテナとして機能するこ
    とを特徴とする請求項1〜17のいずれか1に記載のア
    ンテナ。
  21. 【請求項21】 請求項18に記載のアンテナを備えた
    ことを特徴とする送信機能を有する通信装置。
  22. 【請求項22】 請求項19に記載のアンテナを備えた
    ことを特徴とする受信機能を有する通信装置。
  23. 【請求項23】 請求項20に記載のアンテナを備えた
    ことを特徴とする送受信機能を有する通信装置。
  24. 【請求項24】 送信回路と、受信回路と、前記アンテ
    ナの電極が接続される先を前記受信回路および前記送信
    回路の間で切り替えるデュプレクサーと、を備えてなる
    ことを特徴とする請求項23に記載の通信装置。
  25. 【請求項25】 送信回路と、該送信回路に接続する請
    求項18に記載のアンテナと、受信回路と、該受信回路
    に接続する請求項19に記載のアンテナと、を備えてな
    ることを特徴とする送受信機能を有する通信装置。
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