JP2003295659A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着装置及び画像形成装置

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JP2003295659A
JP2003295659A JP2002105308A JP2002105308A JP2003295659A JP 2003295659 A JP2003295659 A JP 2003295659A JP 2002105308 A JP2002105308 A JP 2002105308A JP 2002105308 A JP2002105308 A JP 2002105308A JP 2003295659 A JP2003295659 A JP 2003295659A
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heater
fixing device
fixing
relay
power
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JP2002105308A
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English (en)
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Atsushi Nakato
淳 中藤
Shigeo Kurotaka
重夫 黒高
Hisashi Kikuchi
尚志 菊地
Takashi Fujita
貴史 藤田
Katsuhiro Echigo
勝博 越後
Jun Yura
純 由良
Satohiko Baba
聡彦 馬場
Hirokazu Ikegami
廣和 池上
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】この発明は、立ち上がり時間が著しく短縮され
た定着装置においては温度制御が不能になったときに想
定されるヒータ暴走時の安全性が問題となるという課題
を解決しようとするものである。 【解決手段】 この発明は、熱源に電力を供給する駆動
手段は、急速充放電可能な蓄電装置17と、商用電源1
6から給電され蓄電装置17を充電する充電器18とを
備え、熱源は、通常作動時に駆動される第1ヒータ3a
と、この第1ヒータ3aよりも出力が大きく立ち上がり
時や温度落ち込み時のみ駆動される第2ヒータ3bとを
少なくとも有しており、蓄電装置17の電位が低下した
ときに接点切り替わりをするリレー4を有し、このリレ
ー4の作動により第2ヒータ3bへの通電から第1ヒー
タ3aへの通電に切り替わる回路を有するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシート状の記録媒体
上に形成されているトナー画像を該記録媒体に定着させ
る定着装置、及び複写機、プリンタ、ファクシミリなど
の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真式の複写機、プリン
タ、ファクシミリ等の画像形成装置では、定着ローラに
加圧ローラを圧接した定着装置が用いられている。この
定着装置は、定着ローラを回転させるとともに定着ヒー
タで定着ローラを加熱しながら、この定着ローラと加圧
ローラとの間にトナーの形成された用紙を挿通し、トナ
ーを加熱溶融して用紙上に融着させるものである。従
来、一般的には定着ローラを加熱する定着ヒータとして
は、ハロゲンランプを用いたハロゲンヒータが使用され
てきた。
【0003】近年の環境規制、環境保護意識の高まりか
ら、各種の画像形成装置は不使用時には定着ヒータへの
通電を遮断し、必要な時のみ定着ヒータへ通電して消費
電力を低減することが行われている。このような省エネ
ルギー型の画像形成装置では、画像形成時に定着ローラ
の表面温度が即座に設定温度まで達する必要があるが、
通常は1本ないし複数本の定着ヒータに同時に商用電源
からの電力供給を行っているため、定着ヒータに投入す
る電力に一定の制限があった。
【0004】このことの対策として従来のハロゲンヒー
タで定着ローラを加熱する方式の定着装置では、肉厚を
1mm以下にする定着ローラ基体の薄肉化が行われてい
る。これにより定着ローラの熱容量を軽減し、定着ロー
ラを急速に設定温度まで立ち上げることができる。
【0005】しかしながら、上記のような定着ローラ基
体の薄肉化にはいくつかの問題がある。定着ローラ基体
は薄肉化によって機械的強度が著しく低下し、定着ロー
ラのつぶれ、たわみなどの変形に弱くなる。また、定着
ローラは、肉厚を小さくするほど技術的に加工の難易度
が上がって高度な加工精度が要求されることになり、コ
スト高につながることにもなる。このように、定着ロー
ラ基体の薄肉化だけで高速立ち上がりを実現することに
は限界がある。このような問題の解決策として、定着ロ
ーラ基体の低熱容量化による消費電力ロスの低下とは逆
に、定着ヒータへの投入電力を商用電源から得られる電
力に上乗せし、立ち上がりを高速化するという提案がな
されている。
【0006】例えば、特開平3−36579号公報に
は、ヒータ駆動手段を介して電力の供給を受けることに
よって発熱するヒータを有する定着装置用の加熱装置に
おいて、上記ヒータ駆動手段は、充電可能な蓄電池と、
商用電源に接続されて該蓄電池を充電する充電器とを備
え、上記ヒータは、商用電源から電力の供給を受ける主
ヒータと、上記蓄電池から電力の供給を受ける補助のヒ
ータを有しており、上記蓄電池は、上記充電器と充電回
路を形成するような接続形態、または、上記補助のヒー
タと放電回路を形成する接続形態のいずれかに切換可能
に配設されていることを特徴とする定着装置用の加熱装
置が記載されている。この定着装置用の加熱装置では、
蓄電池の放電回路が形成されるような接続形態によっ
て、立ち上がり時間の短縮が図られる。
【0007】実開昭63−150967号公報には、電
子写真プロセスによって転写紙上に転写された可視像を
加熱手段により定着させる定着装置において、交流電源
によって駆動される第1のヒータと、充電手段によって
充電されるバッテリーにより駆動される第2のヒータと
を設けたことを特徴とする定着装置が記載されている。
【0008】特開平3−5779号公報には、メインヒ
ータ及びサブヒータを内蔵した加圧ローラを有する熱定
着装置を備えた作像装置であって、前記メインヒータの
加熱を行うメイン電源と、メイン電源のオン・オフを切
換える第1の切換手段と、前記サブヒータの加熱を行う
蓄電池と、蓄電池の充電を行う充電手段と、蓄電池とサ
ブヒータとの接続及び蓄電池と充電手段との接続を切換
える第2の切換手段と、前記加圧ローラの温度を検知す
る温度検出手段と、この温度検出手段の検出結果に基づ
き、前記第1、第2の切換手段の制御を行う制御手段と
を具備し、前記メイン電源により加熱される前記加圧ロ
ーラの温度が定着性に関連付けた基準温度に迄低下する
と、前記蓄電池を介して前記サブヒータの加熱を行う一
方、基準温度より高くなると、サブヒータの加熱を停止
するようにしたことを特徴とする作像装置が記載されて
いる。
【0009】特開2000−98799号公報には、電
力の供給を受けることによって発熱するヒータと、この
ヒータに電力を供給するヒータ駆動手段とを有する定着
装置用加熱装置において、上記ヒータ駆動手段は、充電
可能な蓄電池と、商用電源から給電され前記蓄電池を充
電する充電器とを備え、前記ヒータは商用電源から電力
の供給を受ける主ヒータと、前記蓄電池から電力の供給
を受ける補助ヒータとを有し、前記蓄電池の充電を前記
主ヒータの消灯時に行うことを特徴とする定着装長特置
用加熱装置が記載されている。
【0010】特開2000−315567号公報には、
加熱部と主電源装置と補助電源装置とを有し、加熱部は
発熱体を有し主電源装置と補助電源装置から供給される
電力により発熱する加熱装置において、補助電源装置と
してコンデンサを用いることを特徴とする加熱装置が記
載されている。
【0011】特開2001−66926号公報には、ト
ナー像担値体上のトナー像を加熱して前記トナー像担値
体に定着させる定着手段と、この定着手段にエネルギー
を供給する主電源と、前記定着手段に補助的なエネルギ
ーの供給を行う補助電源とを有する画像形成装置におい
て、前記補助電源は画像形成装置本体に対して着脱可能
であることを特徴とする画像形成装置が記載されてい
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】一般的に立ち上がり時
間が著しく短縮された定着装置においては、故障によっ
て温度制御が不能になったときに想定されるヒータ暴走
時の安全性が問題となる。商用電源のような一定の連続
的なエネルギー供給を受ける従来の定着装置では、万
一、温度制御不能状態となった場合、そのまま急速な温
度上昇を続けてしまう(図9参照)。温度上昇があまり
に急であれば、安全装置であるサーモスタットの追従性
によっては温度上昇に対するサーモスタットの応答が間
に合わず、サーモスタットが作動する前に紙の発火等の
危険が生じるおそれがある。
【0013】特開平3−36579号公報記載の定着装
置用の加熱装置では、このような問題には触れておら
ず、蓄電池からのエネルギーが放出される総量を限定す
るなどしていないので、過剰なエネルギー供給が立ち上
がり後も続いてしまう可能性を残しており、上記のよう
な問題を回避することはできない。加えて、従来急速な
立ち上がりを狙った様々な方式の定着装置が提案されて
いるが、上記のような問題を回避するものはない。
【0014】本発明は、ヒータ暴走時の安全性を確保す
ることができ、かつ、立ち上がり時間の短縮や温度落ち
込みからの急速な昇温を図ることができる定着装置及び
画像形成装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、シート状の記録媒体に形成
されているトナー画像を定着部材及び加圧部材により定
着する定着装置において、電力の供給を受けることによ
って発熱して前記定着部材及び前記加圧部材の少なくと
も一方を加熱する熱源と、この熱源に電力を供給する駆
動手段とを有し、この駆動手段は、急速充放電可能な蓄
電装置と、商用電源から給電され前記蓄電装置を充電す
る充電器とを備え、前記熱源は、通常作動時に駆動され
る第1ヒータと、この第1ヒータよりも出力が大きく立
ち上がり時や温度落ち込み時のみ駆動される第2ヒータ
とを少なくとも有しており、前記蓄電装置の電位が低下
したときに接点切り替わりをするリレーを有し、このリ
レーの作動により前記第2ヒータへの通電から前記第1
ヒータへの通電に切り替わる回路を有するものである。
【0016】請求項2に係る発明は、請求項1記載の定
着装置において、電源投入から前記リレーが作動するま
での時間が当該装置の立ち上がり時間とほぼ同等である
ものである。
【0017】請求項3に係る発明は、請求項1または2
記載の定着装置において、前記熱源は、前記第1ヒータ
と、前記第2ヒータと、前記蓄電装置から電力供給を受
け立ち上がり時や温度低下時のみ駆動される第3ヒータ
とを少なくとも有しており、前記リレーの作動により前
記第2ヒータと前記第3ヒータへの通電から前記第1ヒ
ータへの通電に切り替わる回路を有するものである。
【0018】請求項4に係る発明は、請求項3記載の定
着装置において、前記蓄電装置として総エネルギー量が
1kJ以上のコンデンサを備えたものである。
【0019】請求項5に係る発明は、請求項4記載の定
着装置において、前記コンデンサとして電気二重層コン
デンサを備えたものである。
【0020】請求項6に係る発明は、請求項3〜5のい
ずれか1つに記載の定着装置において、前記蓄電装置は
前記リレーが作動するまでに総エネルギー量の90%の
放電が完了するエネルギー容量および放電特性を有する
ものである。
【0021】請求項7に係る発明は、請求項3〜6のい
ずれか1つに記載の定着装置において、前記熱源は少な
くとも前記第3ヒータが面状発熱抵抗体であるものであ
る。
【0022】請求項8に係る発明は、請求項3〜6のい
ずれか1つに記載の定着装置において、前記熱源は少な
くとも前記第3ヒータが定着部材自体であり、該定着部
材自体が面状発熱抵抗体であるものである。
【0023】請求項9に係る発明は、請求項3〜6のい
ずれか1つに記載の定着装置において、前記熱源は少な
くとも前記第3ヒータがガラス管内に電熱線を有する輻
射ヒータであるものである。
【0024】請求項10に係る発明は、シート状の記録
媒体にトナー画像を形成し、この記録媒体上のトナー画
像を定着装置により定着して画像形成を行う画像形成装
置において、前記定着装置として、請求項1〜9のいず
れか1つに記載の定着装置を用いたものである。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態の定着装置にお
いては、立ち上がり時間短縮を目的とした大電力の第2
ヒータ(又は第2ヒータ及び第3ヒータ)と、蓄電装置
の電位が低下したときに接点切り替わりをするリレーと
を有し、切り替えスイッチによるリレーの作動で立ち上
がり後に第2ヒータ(又は第2ヒータ及び第3ヒータ)
への通電から通常使用する第1ヒータへの通電に切り替
える構成であり、万が一、切り替えスイッチが故障した
としても、急速放電可能な蓄電装置(例えばコンデン
サ)とリレーを組み合わせた回路が安全回路として働く
ので、大電力の第2ヒータ(又は第2ヒータ及び第3ヒ
ータ)を確実に切断することができ、温度が定常状態に
達した後は過剰なエネルギーの供給がなくなり昇温は緩
やかになる。
【0026】従って、定着装置の温度制御がない場合の
温度上昇カーブは図9に示すように、温度が設定温度に
到達した後には緩やかになる。このため、故障などによ
り温度制御不能の状態に陥った場合においての安全性の
面で従来の温度が急速に立ち上がるどの方式の定着装置
よりも有利である。このように商用電源からの供給電力
限界以上の電力を立ち上がり時だけ一時的に投入するこ
とができるため、ヒータ暴走時安全性を確保しつつ、立
ち上がり時間の短縮を図ることができる。
【0027】以下、本発明の実施の形態について添付図
面を参照して説明する。図8は本発明の第1の実施形態
の全体を示す。図示しない駆動部により矢印方向に回転
される像担持体としてのドラム状感光体101の周りに
は、帯電手段102、クリーニング手段103、感光体
101上の静電潜像を顕像化する現像手段としての現像
スリーブ105を含む現像部107、及び転写手段10
6が配置されている。
【0028】感光体101は、帯電手段102により一
様に帯電された後に書き込み手段(露光手段)としての
レーザ光学系140からのレーザ光Lで露光されて静電
潜像が形成され、この静電潜像が現像部107により現
像されてトナー画像となる。この感光体101上のトナ
ー画像は後述のように用紙Pへ転写され、感光体101
はトナー画像転写後にクリーニング手段103によりク
リーニングされる。したがって、帯電手段102、レー
ザ光学系140、現像部107は感光体101上にトナ
ー画像を形成する画像形成手段を構成している。
【0029】装置下部には矢印a方向に着脱可能な給紙
カセット110を有する給紙装置が設けられている。給
紙カセット110内に収容されたシート状の記録媒体と
しての用紙Pは、中板111で支えられ、図示しないス
プリングの力によってアーム112を介して給紙ローラ
113に押し付けられている。給紙カセット110内の
最上位の用紙は、図示しない制御部から指令が発せられ
て給紙ローラ113が回転することによって給紙され、
分離パッド114で重送を防止されながら下流側のレジ
ストローラ対115まで搬送される。
【0030】装置右側には操作面が配置されており、操
作パネル130が外装部131の上部前面(図8の装置
上右側)で突き出ている。また、給紙トレイ132がピ
ン133により回動可能に取り付けられ、給紙トレイ1
32内の最上位の用紙からなるシート状の記録媒体は給
紙ローラにより給紙されて分離パッドで重送を防止され
ながら下流側のレジストローラ対115まで搬送され
る。給紙カセット110、132内の用紙はいずれか一
方が選択的に給紙される。
【0031】レジストローラ対115は、搬送されてき
た用紙Pを感光体101上の画像(トナー画像)と同期
するようにタイミングをとって転写手段106に向けて
送り出す。転写手段106はレジストローラ対115か
ら送られてきた用紙Pへ感光体101上のトナー画像を
転写し、このトナー画像の転写された用紙Pは定着装置
116に搬送される。定着装置116は、用紙P上のト
ナー画像を加熱及び加圧により用紙Pに定着させる。
【0032】定着装置116からの定着済みの用紙P
は、排紙ローラ対120によって画像面を下にして排紙
口121より排紙トレイ122上に排出されてスタック
される。排出される用紙のサイズに対応するため、排紙
ストッパ125は矢印b方向にスライド可能となってい
る。図中左側に配置されたケース134内には、電源回
路135やプリント板136(エンジンドライバーボー
ド)等の電装・制御装置が収納され、コントローラボー
ド137も収納されている。排紙トレイ122を構成し
ているカバー138は、回動支点139を中心に開放可
能となっている。
【0033】図10は上記定着装置116の概略を示
す。この定着装置116では、定着部材1にシリコンゴ
ム等の弾性部材からなる加圧部材2が図示しない加圧手
段により一定の加圧力で押し当てられている。定着部材
1と加圧部材2は、一般的にローラであることが多いの
で、図10にはローラで示したが、いずれか一方又は両
方がローラに限らずに無端ベルトなどを使用することも
ある。
【0034】この定着装置116は電力の供給を受ける
ことによって発熱する熱源としての第1ヒータ3a及び
第2ヒータ3bを有し、この第1ヒータ3a及び第2ヒ
ータ3bは例えば定着部材1の内側に配置されて定着部
材1を内側から加熱する。定着ローラ1及び加圧ローラ
2は図示しない駆動機構により回転駆動される。温度セ
ンサ5は、定着部材としての定着ローラ1(もしくは加
圧部材としての加圧ローラ2)の表面に当接され、定着
ローラ1の表面温度(定着温度)を検知する。トナー6
を担持したシート状記録媒体7(上記用紙P)は、定着
ローラ1と加圧ローラ2とのニップ部を通過する際に、
定着ローラ1と加圧ローラ2による加熱及び加圧でトナ
ー6が定着される。
【0035】定着部材1として無端ベルトを用いる場合
には、例えば、図11に示すように、定着部材としての
無端ベルト8は少なくとも2本の支持ローラ9、10に
張架され、加圧ローラ2が図示しない加圧手段により支
持ローラ9に無端ベルト8を介して一定の加圧力で押し
当てられる。支持ローラ10は、加熱ローラからなり、
内部に配置された第1ヒータ3a及び第2ヒータ3bで
加熱されることにより無端ベルト8を加熱する。
【0036】支持ローラ9は、駆動ローラ兼定着ローラ
とし、図示しない駆動機構により回転駆動されることで
無端ベルト8を回転させる。トナー6を担持した用紙7
は、無端ベルト8と加圧ローラ2とのニップ部を通過す
る際に、無端ベルト8と加圧ローラ2による加熱及び加
圧でトナー6が定着される。温度センサ5は無端ベルト
8の表面温度を支持ローラ10上で検知する。
【0037】図1は定着装置116の回路構成を示す。
定着装置116の熱源としては、通常作動時に駆動され
る第1ヒータ3aと、第1ヒータ3aよりも出力が大き
い第2ヒータ3bとを有している。第1ヒータ3aと第
2ヒータ3bはドライバ14、リレー4の常開接点4a
を介して商用電源16に接続されているが、第1ヒータ
3aと第2ヒータ3bのいずれか一方のみがリレー4の
常開接点4aにより商用電源16に切り替え接続され
る。
【0038】蓄電装置17は商用電源16に接続された
充電器18へスイッチ15により接続される。蓄電装置
17はスイッチ15を切り換えることによりスイッチ1
5のオフ時に充電器18側(充電回路)に接続されてス
イッチ15のオン時にリレー4側(放電回路)に接続さ
れる。蓄電装置17には、急速な充放電が可能な蓄電装
置、例えばコンデンサが用いられる。
【0039】温度センサ5からの検知信号は入力回路1
2を経て制御手段としてのCPU13に取り込まれ、C
PU13は温度センサ5からの検知信号に基づいて定着
ローラ1もしくは定着ベルト8の表面温度(定着温度)
が設定温度に保たれるようにドライバ14を制御して第
1ヒータ3a、第2ヒータ3bの通電制御を行うととも
に、スイッチ15を制御する。
【0040】電源が投入されて(商用電源16がメイン
スイッチにより投入されて)画像形成を行わない待機時
には、スイッチ15が蓄電装置17を充電器18側に切
り換え、充電器18が商用電源16からの交流電力を直
流電力に変換して蓄電装置17に印加することにより蓄
電装置17を充電する。電源が投入されて(商用電源1
6がメインスイッチにより投入されて)定着装置116
の温度が設定温度まで立ち上がる定着装置116の立ち
上がり時には、図4に示すようにスイッチ15が蓄電装
置17をリレー4のコイル4b側に切り換えて蓄電装置
17からリレー4のコイル4bへの放電が開始され、商
用電源16からリレー4の常開接点4a、ドライバ14
を介して第1ヒータ3aへのみ通電する回路が形成され
て第1ヒータ3aが作動する。その後、図3に示すよう
に、リレー4が作動してリレー4の常開接点4aが切り
替えられると、商用電源16からリレー4の常開接点4
a、ドライバ14を介して第2ヒータ3bへのみ通電す
る回路が形成される。このとき、大電力の第2ヒータ3
bが作動することによって、定着装置116の立ち上が
りをより急速にすることができる。定着装置116の立
ち上がり後、定着装置116が定着温度まで達したら、
スイッチ15がCPU13により再び充電器18側に切
り替えられてリレー4が復帰し、図1に示すように商用
電源16からドライバ14を介して第1ヒータ3aへの
み通電する回路が形成される。蓄電装置17は再び充電
器18による充電が開始され、通常作動へと移る。CP
U13は、温度センサ5からの検知信号に基づいて、連
続通紙などにより定着装置116の温度(定着ローラ1
もしくは定着ベルト8の表面温度)が急激に設定温度よ
り所定の温度以上低下して定着装置116への供給電力
が一時的に大量に必要になった場合には、定着装置11
6の立ち上がり時と同様にスイッチ15を放電回路(リ
レー4側)に切り替え、大電力の第2ヒータ3bを一時
的に使用する。
【0041】したがって、定着装置116の立ち上がり
時(あるいは温度低下時)には、第2ヒータ3bが商用
電源16からリレー4の常開接点4a、ドライバ14を
通して流れる交流電流により駆動され、定着ローラ1も
しくは定着ベルト8の表面温度が設定温度まで急速に上
昇する。CPU13は、定着装置116の立ち上がり後
(あるいは温度センサ5からの検知信号により定着装置
116の温度が設定温度まで復帰した後)には、スイッ
チ15を充電器18側に切り替え、ドライバ14を制御
して定着ローラ1もしくは定着ベルト8の表面温度が設
定温度に維持されるように第1ヒータ3aへの通電を制
御する。
【0042】図2は定着装置116の動作フローを示
す。ユーザによりステップ(以下Sという)1で電源が
投入されると、回路の初期状態が図1に示す状態である
ので、蓄電装置17の充電器18による充電が開始され
る(S2)。ユーザによるコピーボタン押下やプリント
命令などの画像形成命令が入力されるまで、蓄電装置1
7のキャパシティに空きがある場合には、その上限まで
蓄電装置17の充電が続行される(S3、S4)。
【0043】CPU13は、画像形成命令の入力を感知
すると、定着装置116の立ち上りまでの一連の動作に
移る(S5)。CPU13は、蓄電装置17の電位がリ
レー4の動作電圧よりも高い場合に、スイッチ15を放
電側に切り替える。このため、蓄電装置17の放電が開
始され、リレー4が作動して常開接点4aが切り替わる
と、図3に示す回路状態になる(S7、S8)。これに
よって、上述のように大電力の第2ヒータ3bが点灯
し、定着装置116の温度(定着ローラ1もしくは定着
ベルト8の表面温度)が急激に立ち上がる(S9)。蓄
電装置17はその間に放電し続けて電位が下がり続ける
が、蓄電装置17の電位がリレー4の動作電圧以上を保
っている間はリレー4が作動し続けて図3に示す回路状
態を維持し続ける(S10)。
【0044】CPU13は、温度センサ5の検知信号に
基づいて定着装置116の温度が定着装置116の設定
温度(以下定着温度という)に達した場合には、スイッ
チ15を図1に示すように再び充電器18側に戻し(S
11、S12)、蓄電装置17の充電を開始させる(S
13)。同時にリレー4には電圧がかからなくなるの
で、リレー4が復帰し、第2ヒータ3bが消灯し、第1
ヒータ3aが点灯する(S14、S15)。CPU13
は、その後はドライバ14を制御して定着ローラ1もし
くは定着ベルト8の表面温度が設定温度に維持されるよ
うに第1ヒータ3aへの通電を制御し、上述のように通
紙が行われて用紙7上のトナー6が定着される(S1
6、S17)。n枚(ユーザにより設定されて連続的に
画像形成を行う設定枚数)の通紙が終了し、引き続き定
着装置116を使用する場合にはS3に戻り、そうでな
い場合はユーザにより電源が切られることにより終了す
る(S19)。
【0045】CPU13は、n枚通紙中に用紙7へのエ
ネルギー供給による定着装置116のエネルギー損失に
より、定着装置116の温度落ち込みが大きくなって定
着装置116の温度落ち込みが設定温度より所定の温度
以上になったことを温度センサ5の検知信号に基づいて
検知した場合にはS18からS5に戻り、蓄電装置17
の充電が充分なされている場合には、S7以下の流れに
より、再び大電力の第2ヒータ3bによる定着装置11
6の急速立ち上がりにより、温度落ち込みをカバーす
る。
【0046】CPU13は、S5において、蓄電装置1
7の電位がリレー4の動作電圧よりも低い場合には、蓄
電装置17の充電を続行させ、図1に示すような回路状
態で通常用の第1ヒータ3aで定着装置116の立ち上
げを行う(S6、S22)。この場合は、やむを得ず第
2ヒータ3b使用時よりも定着装置116の立ち上がり
が遅くなってしまうが、蓄電装置17の電位が充分に高
くなった時点で、スイッチ15を放電側に切り替えて第
2ヒータ3bによる定着装置116の立ち上がりに切り
替えるという制御を加えても良い。
【0047】S10、S11において、蓄電装置17の
放電により蓄電装置17の電位が低下してリレー4の動
作電圧以下に達すると、リレー4が初期状態に復帰し、
図4に示すような第1ヒータ3aのみ通電する回路が形
成される(S20)。CPU13は、リレー4の復帰後
には再びスイッチ15を充電回路側へ切り替えて図1に
示す状態に戻し、蓄電装置17の充電が開始される(S
21)。
【0048】このように第1ヒータ3aと第2ヒータ3
bは原理的に同時に点灯することはない構成となってい
る。第2ヒータbの駆動は定着装置116の立ち上がり
時(あるいは温度低下時)のみ行われ、定着ローラ1も
しくは定着ベルト8の表面温度が設定温度まで達した後
の定常時には、第1ヒータ3bのみが駆動されて定着ロ
ーラ1もしくは定着ベルト8の表面温度が設定温度に維
持されるように第1ヒータ3がドライバ14によりオン
/オフされる。蓄電装置17が放電してリレー4が駆動
される時間(電源が投入されてからリレー4が復帰する
までり時間)は、あらかじめ一定時間内になるように設
定しておく。これは、上記一定時間は定着装置116の
温度が室温から定着温度までの立ち上がり時間とほぼ同
等であることが望ましいが、安全性を考慮した場合、電
源が投入されてからリレー4が作動してヒータが切り替
わる(リレー4が復帰する)までの時間は長すぎないの
がより効果があり、電源が投入されてからリレー4が作
動してヒータが切り替わる(リレー4が復帰する)まで
の時間が短すぎると定着装置116の立ち上がりのため
の大電力投入時間が不足して定着装置116の急速な昇
温の効果が上げられないためである。
【0049】ここで万が一、CPU13の故障によりス
イッチ15およびドライバ14が制御不能となった場合
を考える。図2に示すS13においてスイッチ15の制
御が不能だったとすると(図2の矢印C)、急速充放電
可能な蓄電装置17は短時間のうちに放電して電位が低
下するので、一定時間内に必ずリレー4が復帰し、大電
力である第2ヒータ3bへの通電が切れる。
【0050】従って、第1の実施形態では、定着装置1
16は、温度制御が無い場合の温度上昇カーブが図9に
示すように設定温度到達後には従来の定着装置に比べて
緩やかになる。このため、故障などにより温度制御不能
の状態に陥った場合における安全性の面で、従来の立ち
上がり時間が著しく短縮されたどの方式の定着装置より
も有利である。
【0051】省エネルギーの観点では、待機時にはヒー
タへの通電を停止し、使用時には室温から定着設定温度
まで即座に定着装置の温度を上昇させる必要がある。こ
の第1の実施形態における定着装置116では、立ち上
がり時(あるいは温度低下時)のような急激なエネルギ
ー投入が一時的に必要な時に大電力を投入することがで
き、しかもヒータ暴走時の安全性を確保しつつ、立ち上
がり時間の短縮及び省エネルギー化を図ることができ
る。
【0052】図12は本発明の第2の実施形態における
定着装置の概略を示す。この第2の実施形態は、第1の
実施形態において、以下に述べる定着装置を用いたもの
である。この第2の実施形態における定着装置の構成
は、第1の実施形態の定着装置116とほぼ同様である
が、熱源としては、通常作動時に駆動される第1ヒータ
3aと、上述のように駆動される第2ヒータ3bに加え
て、蓄電装置17からスイッチ15、ドライバ14を介
して電力供給を受けて立ち上がり時や温度低下時のみ駆
動される第3ヒータ3cを有している。第3ヒータ3c
は任意の位置に設置可能であるが、例えば図12に示す
ように加圧ローラ2の内部に設置され、加圧ローラ2を
内側より加熱する。図13に示すように、定着部材1と
して無端ベルト8を用いる場合もほぼ同様である。
【0053】図5〜図7は第2の実施形態における定着
装置の各状態を示す。この定着装置の熱源としては、通
常作動時に駆動される第1ヒータ3aと、第1ヒータ3
aよりも出力が大きい第2ヒータ3bと、さらに蓄電装
置17からスイッチ15、ドライバ14を介して電力供
給を受けて立ち上がり時や温度低下時のみ駆動される第
3ヒータ3cを有している。第3ヒータ3cは蓄電装置
17の放電時に作動するので、回路構成上第2ヒータ3
bと同時に点灯することになり、原理的に第1ヒータ3
aと同時に点灯することはない。
【0054】この第2の実施形態の動作フローは図2に
示す第1の実施形態の動作フローとほぼ同様であり、そ
の違いは第2ヒータ3bの点灯(S9)において第3ヒ
ータ3cが同時に蓄電装置17からスイッチ15、ドラ
イバ14を放電されることにより点灯することである。
第3ヒータ3cは第2ヒータ3bと同様にリレー4の復
帰時に消灯する。
【0055】したがって、蓄電装置17の電位の低下を
リレー4が作動するまでの時限装置的な使用だけに留ま
らず、その蓄電エネルギーを第3ヒータ3cにより熱に
変換して有効に利用することができる。すなわち、商用
電源16からの交流電力の供給を受ける第1ヒータ3a
および第2ヒータ3bと、蓄電装置17からの直流電力
の供給を受ける第3ヒータ3cとを併用することによっ
て、従来の商用電源からの供給電力限界以上の電力を立
ち上がり時や温度低下時にだけ一時的に投入することが
でき、定着装置の昇温時間を短縮することができる。
【0056】さらに、第3ヒータ3cへの電力供給は蓄
電装置17からであり、その蓄電されたエネルギーを使
うにしたがって蓄電装置17の電位が低下すればリレー
4によって第2ヒータ3bと第3ヒータ3cへの通電を一
定時間後に強制的に遮断できるので、ヒータ暴走時に必
要以上に温度上昇が加速されることはなく、安全性の面
でも有利となる。
【0057】次に、本発明の第3の実施形態について説
明する。この第3の実施形態は、上記第2の実施形態に
おいて、図18に示すように蓄電装置17として1kJ
以上の総エネルギー量を蓄えられる大きな容量を有する
コンデンサ17aが用いられる。従来の電解コンデンサ
を用いた定着装置の例としてはフラッシュ定着装置の電
源として電解コンデンサを利用したものが多数提案され
ている。しかしながら、本実施形態のように第3ヒータ
3cの電力源として1kJ以上の総エネルギー量を蓄え
られる大きな容量を有するコンデンサ17aを用いる場
合には、リレー4が作動する短時間だけ第3ヒータ3c
が大きな電力供給を受け、定着装置の昇温時間の短縮に
寄与することができる。
【0058】このように第3の実施形態では、蓄電装置
17として蓄電池に比べて充放電時間の早い大容量(総
エネルギー量が1kJ以上)のコンデンサ17aを用いる
ことによって、リレー4が作動する短時間だけ第3ヒー
タ3cが電力供給を受け、昇温時間の短縮に寄与する。
よって、定着装置の急速な温度上昇が起こるのはリレー
4が作動する間であり、温度制御が不能になったときの
暴走時安全性が改善される。
【0059】蓄電装置17として、蓄電池に比べて充放
電時間の速い大容量のコンデンサ17aを用いることに
よって、リレー4が作動する一定の短時間だけ第2ヒー
タ3bが電力供給を受け、定着装置の昇温時間の短縮に
寄与する。よって、定着装置の急速な温度上昇が起こる
のは一定の短時間だけであり、定着装置の温度制御が不
能になったヒータ暴走時の安全性が改善される。
【0060】次に、本発明の第4の実施形態について説
明する。この第4の実施形態は、上記第3の実施形態に
おいて、図19に示すように蓄電装置17として電気二
重層コンデンサ17bを用いたものである。この電気二
重層コンデンサ17bは、物理的なイオンの吸着で電気
を蓄えて供給する大容量の電気二重層コンデンサで、待
機時には充電器18によりスイッチ15を介して充電さ
れ、使用時にはスイッチ15が切り換えられて定着装置
116の立ち上がり時にスイッチ15を介してリレー4
及び第2ヒータ3b、第3ヒータ3cに放電する。
【0061】電気二重層コンデンサ17bは、エネルギ
ーを短時間で一気に大量に放出できるので、定着装置の
短時間での急速な立ち上がり時の供給電源として望まし
い。また、電気二重層コンデンサ17bは、原理的に充
放電サイクルが無制限であるので、メンテナンスが不要
である。そのため、電気二重層コンデンサ17bは、長
時間の使用を想定した場合、総コストで優位性がある。
【0062】次に、本発明の第5の実施形態について説
明する。この第5の実施形態は、上記第2の実施形態乃
至第4の実施形態において、蓄電装置17として、図2
0に示すように定着装置116の立ち上がり時に、充電
された総エネルギー量の90%の放電が電源が投入され
てからリレー4が作動するまでの時間以内に完了するエ
ネルギー容量及び放電特性を有する蓄電装置(例えばコ
ンデンサ)17cを用いたものである。
【0063】このように蓄電装置17cのエネルギー容
量及び放電特性を規定したことによって、定着装置11
6の立ち上がり時における蓄電装置17cから第2ヒー
タ3bへのエネルギー供給が概ね定着装置116の立ち
上がり時間以内に終了し、立ち上がり時に定着装置11
6の温度制御が不能となった場合の安全性に有利とな
り、第3ヒータ3cを追加した場合に蓄電装置17の充
電エネルギーの有効活用を図ることができる。
【0064】図14は本発明の第6の実施形態における
定着装置の概略を示す。この第6の実施形態は、上記第
2の実施形態〜第5の実施形態のいずれかにおいて、定
着部材1の内面(もしくは外面)に電気絶縁層19を形
成し、その上に発熱抵抗体20の通電パターンを形成
し、この電気絶縁層19及び発熱抵抗体20からなる面
状発熱抵抗体を第3ヒータ3cとしたものである。発熱
抵抗体20は、図示しない給電部材を備え、第3ヒータ
3cの駆動時には蓄電装置17からスイッチ15、ドラ
イバ14及び上記給電部材を介して電力供給を受ける。
【0065】ここで、発熱抵抗体20の供給電源に商用
電源を用いた場合には、発熱抵抗体20の抵抗をある程
度高くする必要があり、複雑な通電パターンを設計しな
ければならない。しかしながら、第3ヒータ3cは供給
電源として直流の低電圧を出力する蓄電装置17を用い
るので、発熱抵抗体20の抵抗を高くする必要がなく、
発熱抵抗体20の通電パターンの複雑化を避けることが
できる。
【0066】図15は本発明の第7の実施形態における
定着装置の概略を示す。この第7の実施形態は、上記第
2の実施形態〜第6の実施形態のいずれかにおいて、定
着ローラ1もしくは定着ベルト8の代りに定着ローラ2
1を用い、この定着ローラ21自体を面状発熱抵抗体と
することで、定着ローラ21自体を第3ヒータ3cとし
たものである。なお、第3ヒータ3cは、定着ローラ2
1又は定着ベルト8を加熱するものであっても、加圧ロ
ーラ2を加熱するものであってもよく、定着ベルト8又
は加圧ローラ2を面状発熱抵抗体としてもよい。この定
着ローラ21は、図示しない給電部材を備え、蓄電装置
17からスイッチ15、ドライバ14及び上記給電部材
を介して電力供給を受けて発熱する。
【0067】したがって、少なくとも第3ヒータ3cは
定着部材21自体であり、この定着部材21自体が面状
発熱抵抗体であるので、定着部材を基体として該基体に
絶縁層、発熱抵抗層を積層する場合に比べて、絶縁層が
不要になる分、層構成が単純になり、熱容量が低減する
という効果がある。
【0068】本発明の第8の実施形態は、上記第2の実
施形態〜第5の実施形態のいずれかにおいて、少なくと
も第3ヒータ3cとして図16に示すようにガラス管3
1内に電熱線32を有する輻射ヒータを用いたものであ
る。したがって、第8の実施形態では、熱源として従来
最も良く使われているガラス管内に電熱線を有する輻射
ヒータを第3ヒータ3cに用いることによって、コスト
を抑え、信頼性を高めることができるという効果を得る
ことができる。第3ヒータ3cはハロゲンヒータであれ
ば、最も信頼性が高い。
【0069】本発明の第9の実施形態では、上記第8の
実施形態において、少なくとも第3ヒータ3cは、図1
7に示すようにガラス管31内に電熱線32を有する輻
射ヒータであって、ガラス管31内のガス33がクリプ
トンまたはキセノンを主成分とするものである。
【0070】定着装置116の熱源に輻射ヒータを用い
る場合、定着装置116の立ち上がり時に輻射ヒータに
供給される電気エネルギーは、定着部材を加熱するだけ
でなく、輻射ヒータのフィラメントやガラス管を加熱す
るのに費やされる。ガラス管の加熱は完全にエネルギー
のロスであるが、このロスの割合は、定着装置116の
立ち上がりが急速になるほど大きなものとなり、無視で
きなくなる。
【0071】そこで、このロスを抑え、ヒータ自身の通
電初期の立ち上がり応答性が高いヒータを備えた定着装
置は、立ち上がりが早くなる。特に、上記第3ヒータ3
cは供給される総エネルギー量とエネルギー供給時間が
限られているので、上記ロスが小さいヒータでなけれ
ば、限られたエネルギーを無駄に消費してしまうだけ
で、上記実施形態の効果を十分に発揮することができな
い。輻射ヒータ3cのガラス管31内のガス33がクリ
プトンまたはキセノンを主成分とするものであれば、ガ
ラス管31内の封入ガス33の対流による熱ロスを低減
することができ、立ち上がりが短縮されたヒータとな
る。
【0072】本発明の第10の実施形態では、上記第8
の実施形態、第9の実施形態のいずれかにおいて、少な
くとも第3ヒータ3cは、図16又は図17に示すよう
にガラス管31内に電熱線32を有する輻射ヒータで、
フィラメントの定常時における色温度が2500K以上
であるものを用いる。
【0073】輻射ヒータは、フィラメントを細線化する
ことによって色温度を上げることができ、立ち上がり時
間を短縮したヒータとすることができる。一般的に輻射
ヒータはフィラメントの細線化により寿命が低下する
が、特に第3ヒータ3cは駆動が立ち上がり時のみに限
定されるために総駆動時間が短くなるので、寿命には余
裕が生じ、フィラメントの細線化による寿命低下の影響
は少なくて済む。
【0074】また、輻射ヒータの通電初期の立ち上がり
応答性が高くなければ、その分の熱ロスを発生させてし
まう。第3ヒータ3cは、フィラメントの定常時におけ
る色温度が従来よりも高い温度(2500K以上)、す
なわち細線化したフィラメントであれば、立ち上がりを
短縮したヒータとなる。
【0075】本発明の第11の実施形態では、上記第8
の実施形態〜第10の実施形態のいずれかにおいて、少
なくとも第3ヒータ3cは、図16又は図17に示すよ
うにガラス管31内に電熱線32を有する輻射ヒータ
で、ガラス管31内に封入されるガスの全圧が1気圧よ
り大きいものを用いる。
【0076】輻射ヒータは、ガラス管内に封入されるガ
スの全圧が1気圧より大きければ、封入ガスの対流によ
る熱ロスを低減することができ、立ち上がり時間を短縮
したヒータとなる。しかも、輻射ヒータは、フィラメン
トの蒸発を抑える効果により、長寿命化を図ることがで
きる。さらに、輻射ヒータは、フィラメントの細線化と
組み合わせれば、立ち上がり時間短縮の効果がより大き
くなるだけでなく、フィラメントの細線化による寿命の
低下を軽減することができる。
【0077】本発明の第12の実施形態では、上記第2
の実施形態〜第5の実施形態のいずれかにおいて、蓄電
装置17と充電器18は、画像形成装置本体(画像形成
装置における定着装置116以外の部分)側に組み込
み、定着装置116、蓄電装置17及び充電器18をそ
れぞれの寿命に応じて交換可能としたものである。これ
により、定着装置116をヒータの寿命などで交換する
ときには、蓄電装置17と充電器18を画像形成装置本
体に残したまま定着装置116を回収することができ
る。
【0078】蓄電装置17に例えば電気二重層コンデン
サを用いた場合、電気二重層コンデンサの充放電サイク
ルは原理的に無制限であるので、電気二重層コンデンサ
は、画像形成装置本体の寿命に至るまで交換の必要はな
く、基本的にメンテナンスフリーである。このように、
蓄電装置17を定着装置116ではなく画像形成装置本
体に組み込み、定着装置116及び蓄電装置17を各々
分離可能に設けることによって、定着装置116の小型
化だけでなく定着装置116及び蓄電装置17の交換の
容易化に有利となる。
【0079】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ヒータ暴
走時の安全性を確保することができ、かつ、立ち上がり
時間の短縮や温度落ち込みからの急速な昇温を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における定着装置の初
期状態を示す図である。
【図2】同第1の実施形態における定着装置の動作フロ
ーを示すフローチャートである。
【図3】同第1の実施形態における定着装置の他の状態
を示す図である。
【図4】同第1の実施形態における定着装置の別の状態
を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施形態における定着装置の初
期状態を示す図である。
【図6】同第2の実施形態における定着装置の他の状態
を示す図である。
【図7】同第2の実施形態における定着装置の別の状態
を示す図である。
【図8】上記第1の実施形態の概略を示す断面図であ
る。
【図9】上記第1の実施形態における定着装置及び従来
の定着装置の温度上昇カーブを示す特性図である。
【図10】上記第1の実施形態における定着装置を示す
概略図である。
【図11】上記第1の実施形態において定着部材として
無端ベルトを用いる場合を示す概略図である。
【図12】上記第2の実施形態における定着装置を示す
概略図である。
【図13】同第2の実施形態において定着部材として無
端ベルトを用いる場合を示す概略図である。
【図14】本発明の第6の実施形態における定着装置を
示す概略図である。
【図15】本発明の第7の実施形態における定着装置を
示す概略図である。
【図16】本発明の第8の実施形態における第3ヒータ
を示す正面図である。
【図17】本発明の第9の実施形態における第3ヒータ
を示す正面図である。
【図18】本発明の第3の実施形態における定着装置の
回路構成を示すブロック図である。
【図19】本発明の第4の実施形態における定着装置の
回路構成を示すブロック図である。
【図20】本発明の第5の実施形態における定着装置の
回路構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 定着ローラ 2 加圧ローラ 3a 第1ヒータ 3b 第2ヒータ 3c 第3ヒータ 4 リレー 5 温度センサ 8 無端ベルト 12 入力回路 13 CPU 14 ドライバ 15 スイッチ 16 商用電源 17 蓄電装置 18 充電装置 19 電気絶縁層 20 発熱抵抗体 21 定着部材兼第3ヒータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菊地 尚志 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株式 会社リコー内 (72)発明者 藤田 貴史 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株式 会社リコー内 (72)発明者 越後 勝博 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株式 会社リコー内 (72)発明者 由良 純 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株式 会社リコー内 (72)発明者 馬場 聡彦 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株式 会社リコー内 (72)発明者 池上 廣和 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H033 AA30 AA42 BA25 BA26 BA27 BA30 BB03 BB13 BB18 CA07 CA27 CA41 CA48 3K058 AA12 BA18 CA12 CA23 CB01 CB22 CE17 CE19 CE31 DA02 GA06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シート状の記録媒体に形成されているトナ
    ー画像を定着部材及び加圧部材により定着する定着装置
    において、電力の供給を受けることによって発熱して前
    記定着部材及び前記加圧部材の少なくとも一方を加熱す
    る熱源と、この熱源に電力を供給する駆動手段とを有
    し、この駆動手段は、急速充放電可能な蓄電装置と、商
    用電源から給電され前記蓄電装置を充電する充電器とを
    備え、前記熱源は、通常作動時に駆動される第1ヒータ
    と、この第1ヒータよりも出力が大きく立ち上がり時や
    温度落ち込み時のみ駆動される第2ヒータとを少なくと
    も有しており、前記蓄電装置の電位が低下したときに接
    点切り替わりをするリレーを有し、このリレーの作動に
    より前記第2ヒータへの通電から前記第1ヒータへの通
    電に切り替わる回路を有することを特徴とする定着装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の定着装置において、電源投
    入から前記リレーが作動するまでの時間が当該装置の立
    ち上がり時間とほぼ同等であることを特徴とする定着装
    置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の定着装置におい
    て、前記熱源は、前記第1ヒータと、前記第2ヒータ
    と、前記蓄電装置から電力供給を受け立ち上がり時や温
    度低下時のみ駆動される第3ヒータとを少なくとも有し
    ており、前記リレーの作動により前記第2ヒータと前記
    第3ヒータへの通電から前記第1ヒータへの通電に切り
    替わる回路を有することを特徴とする定着装置。
  4. 【請求項4】請求項3記載の定着装置において、前記蓄
    電装置として総エネルギー量が1kJ以上のコンデンサを
    備えたことを特徴とする定着装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載の定着装置において、前記コ
    ンデンサとして電気二重層コンデンサを備えたことを特
    徴とする定着装置。
  6. 【請求項6】請求項3〜5のいずれか1つに記載の定着
    装置において、前記蓄電装置は前記リレーが作動するま
    でに総エネルギー量の90%の放電が完了するエネルギ
    ー容量および放電特性を有することを特徴とする定着装
    置。
  7. 【請求項7】請求項3〜6のいずれか1つに記載の定着
    装置において、前記熱源は少なくとも前記第3ヒータが
    面状発熱抵抗体であることを特徴とする定着装置。
  8. 【請求項8】請求項3〜6のいずれか1つに記載の定着
    装置において、前記熱源は少なくとも前記第3ヒータが
    定着部材自体であり、該定着部材自体が面状発熱抵抗体
    であることを特徴とする定着装置。
  9. 【請求項9】請求項3〜6のいずれか1つに記載の定着
    装置において、前記熱源は少なくとも前記第3ヒータが
    ガラス管内に電熱線を有する輻射ヒータであることを特
    徴とする定着装置。
  10. 【請求項10】シート状の記録媒体にトナー画像を形成
    し、この記録媒体上のトナー画像を定着装置により定着
    して画像形成を行う画像形成装置において、前記定着装
    置として、請求項1〜9のいずれか1つに記載の定着装
    置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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