JP2003295654A - 加熱定着装置 - Google Patents
加熱定着装置Info
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- JP2003295654A JP2003295654A JP2002100837A JP2002100837A JP2003295654A JP 2003295654 A JP2003295654 A JP 2003295654A JP 2002100837 A JP2002100837 A JP 2002100837A JP 2002100837 A JP2002100837 A JP 2002100837A JP 2003295654 A JP2003295654 A JP 2003295654A
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- fixing
- heat
- fixing roller
- heating
- roller
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 加熱ヒータを複数枚にすることで、定着ロー
ラと加熱ヒータとの当接圧を大きくすることなく、加熱
ニップ幅を広くすることができ、またより多くのオフセ
ットトナーをヒータに溜め込むことができる。 【解決手段】 弾性層を有する定着ローラと、定着ロー
ラを外表面から加熱するヒータと、定着ローラと圧接し
て定着ニップを形成する加圧部材からなり、複数の加熱
ヒータを有することを特徴とする。
ラと加熱ヒータとの当接圧を大きくすることなく、加熱
ニップ幅を広くすることができ、またより多くのオフセ
ットトナーをヒータに溜め込むことができる。 【解決手段】 弾性層を有する定着ローラと、定着ロー
ラを外表面から加熱するヒータと、定着ローラと圧接し
て定着ニップを形成する加圧部材からなり、複数の加熱
ヒータを有することを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば電子写真方
式・静電記録方式等の作像プロセスを採用した画像形成
装置において、作像プロセス部で記録材(転写材・印字
用紙・感光紙・静電記録紙等)に転写方式あるいは直接
方式で形成担持された目的の画像情報の未定着トナー像
を固着像として熱定着処理する加熱定着装置に関するも
のである。
式・静電記録方式等の作像プロセスを採用した画像形成
装置において、作像プロセス部で記録材(転写材・印字
用紙・感光紙・静電記録紙等)に転写方式あるいは直接
方式で形成担持された目的の画像情報の未定着トナー像
を固着像として熱定着処理する加熱定着装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式、静電記録方式を採
用する画像形成装置の具備される定着装置においては、
未定着トナー像を担持した記録材を、互いに圧接して回
転する定着ローラと加圧ローラとで形成されるニップ部
を通過させることにより記録材上に永久画像として定着
させる、いわゆる熱ローラ方式の加熱定着器が広く用い
られている。図1にその熱ローラ方式の加熱定着装置の
概略構成を示す。定着ローラは、アルミニウムやステン
レス製の中空芯金4の中にハロゲンランプ等の加熱体5
を設け、外表面にはトナーのオフセットを防止するため
のフッ素樹脂等の離型性層を備えたものである。また、
加圧ローラは、芯金8の外部にシリコーンゴム等を形成
した弾性層7あるいはシリコーンゴムを発砲してなるス
ポンジ弾性層を形成し、さらにその外層には定着ローラ
と同様のフッ素樹脂等の離型性層6が形成されている。
また、高速機あるいはカラートナーを用いた画像形成装
置の場合、トナーの定着性を十分に満足させるために、
中空芯金の外表面にシリコーンゴム等の厚み2mm程度
の弾性層3を設けることにより、軟らかくなった定着ロ
ーラ表面でトナーを包み込むことで、記録材およびトナ
ーへの熱の伝播効率を向上させている。
用する画像形成装置の具備される定着装置においては、
未定着トナー像を担持した記録材を、互いに圧接して回
転する定着ローラと加圧ローラとで形成されるニップ部
を通過させることにより記録材上に永久画像として定着
させる、いわゆる熱ローラ方式の加熱定着器が広く用い
られている。図1にその熱ローラ方式の加熱定着装置の
概略構成を示す。定着ローラは、アルミニウムやステン
レス製の中空芯金4の中にハロゲンランプ等の加熱体5
を設け、外表面にはトナーのオフセットを防止するため
のフッ素樹脂等の離型性層を備えたものである。また、
加圧ローラは、芯金8の外部にシリコーンゴム等を形成
した弾性層7あるいはシリコーンゴムを発砲してなるス
ポンジ弾性層を形成し、さらにその外層には定着ローラ
と同様のフッ素樹脂等の離型性層6が形成されている。
また、高速機あるいはカラートナーを用いた画像形成装
置の場合、トナーの定着性を十分に満足させるために、
中空芯金の外表面にシリコーンゴム等の厚み2mm程度
の弾性層3を設けることにより、軟らかくなった定着ロ
ーラ表面でトナーを包み込むことで、記録材およびトナ
ーへの熱の伝播効率を向上させている。
【0003】しかしながら、近年の環境問題の一つとし
て消費電力の低減が強く望まれる一方で、市場のニーズ
から高画質および高速での画像出力が望まれている。そ
こで、このような消費電力の低減と高速・高画質の要求
に応えるために、上記の熱ローラ方式の加熱定着装置に
対して種々の改善が試みられている。
て消費電力の低減が強く望まれる一方で、市場のニーズ
から高画質および高速での画像出力が望まれている。そ
こで、このような消費電力の低減と高速・高画質の要求
に応えるために、上記の熱ローラ方式の加熱定着装置に
対して種々の改善が試みられている。
【0004】一つは、定着ローラの昇温時間を短縮し消
費電力を小さくする目的で、図2に示すように加熱体1
0を定着ローラ1や加圧ローラ2の外表面に配置させ、
外表面のみを加熱することで、低消費電力で熱効率のよ
い加熱定着装置の1例が特開平10−301417号公
報・特開平11−073050号公報等に提案されてい
る。このような定着ローラの外表面に配置させる加熱体
は、定着ローラに対して接触状態にあるものと、非接触
状態にあるものに大別されるが、接触式の方が熱の伝播
率が高い。
費電力を小さくする目的で、図2に示すように加熱体1
0を定着ローラ1や加圧ローラ2の外表面に配置させ、
外表面のみを加熱することで、低消費電力で熱効率のよ
い加熱定着装置の1例が特開平10−301417号公
報・特開平11−073050号公報等に提案されてい
る。このような定着ローラの外表面に配置させる加熱体
は、定着ローラに対して接触状態にあるものと、非接触
状態にあるものに大別されるが、接触式の方が熱の伝播
率が高い。
【0005】一方では、特にスタンバイ時に加熱定着装
置に電力を供給せず、消費電力を極力抑えた方法、詳し
くはヒータ部と加圧ローラの間に熱容量の小さい薄肉フ
ィルムを介して記録材上のトナー像を定着するフィルム
加熱方式による加熱定着方法の1例が特開昭63−31
3182号公報・特開平2−157878号公報・特開
平4−44075号公報・特開平4−204980公報
等に提案されている。図3にフィルム加熱方式の1例の
概略構成を示した。すなわち図3において、アルミナや
窒化アルミ等のセラミック板上に発熱抵抗層が形成され
た加熱ヒータ12がステイホルダー(支持体)14に固
定され、そのヒータに密着したポリイミド等の耐熱性の
薄肉フィルム15(以下、定着フィルムと記す)と、そ
のフィルムを挟んで圧接させた加圧ローラ2を有する。
定着フィルム15は加圧ローラ2の回転力により、定着
ニップ部においてヒータ面に密着・摺動しつつ矢印の方
向に搬送移動される。ヒータの温度は、ヒータ背面に設
置された温度検知手段13により検知し不図示の通電制
御部へフィードバックされ、ヒータ温度が一定温度(定
着温度)になるように加熱・温調される。このようなフ
ィルム加熱方式の定着装置を用いたプリンター、複写機
等の各種画像形成装置は、加熱効率の高さや立ち上りの
早さにより、待機中の予備加熱の不要化や、ウェイトタ
イムの短縮化など従来の熱ローラ等を用いて加熱定着さ
せる方式に比べて多くの利点を有している。
置に電力を供給せず、消費電力を極力抑えた方法、詳し
くはヒータ部と加圧ローラの間に熱容量の小さい薄肉フ
ィルムを介して記録材上のトナー像を定着するフィルム
加熱方式による加熱定着方法の1例が特開昭63−31
3182号公報・特開平2−157878号公報・特開
平4−44075号公報・特開平4−204980公報
等に提案されている。図3にフィルム加熱方式の1例の
概略構成を示した。すなわち図3において、アルミナや
窒化アルミ等のセラミック板上に発熱抵抗層が形成され
た加熱ヒータ12がステイホルダー(支持体)14に固
定され、そのヒータに密着したポリイミド等の耐熱性の
薄肉フィルム15(以下、定着フィルムと記す)と、そ
のフィルムを挟んで圧接させた加圧ローラ2を有する。
定着フィルム15は加圧ローラ2の回転力により、定着
ニップ部においてヒータ面に密着・摺動しつつ矢印の方
向に搬送移動される。ヒータの温度は、ヒータ背面に設
置された温度検知手段13により検知し不図示の通電制
御部へフィードバックされ、ヒータ温度が一定温度(定
着温度)になるように加熱・温調される。このようなフ
ィルム加熱方式の定着装置を用いたプリンター、複写機
等の各種画像形成装置は、加熱効率の高さや立ち上りの
早さにより、待機中の予備加熱の不要化や、ウェイトタ
イムの短縮化など従来の熱ローラ等を用いて加熱定着さ
せる方式に比べて多くの利点を有している。
【0006】しかしながら、上述した従来方式の加熱定
着装置でも、立ち上り時の昇温時間の短縮、消費電力の
低減、さらには高速、高画質といったすべてにおいて優
れた性能を両立させることは非常に困難である。例え
ば、フィルム加熱方式を考えた場合、立ち上り時間の短
縮と、消費電力の低減に関しては、非常に優れている
が、高速化させた場合に次のような問題がある。まず、
定着フィルムにポリイミド等の有機性耐熱樹脂を用いて
いるため熱伝導性が悪く、高速化した際に記録材に十分
な熱量を供給することが不可能である。つまり実用上問
題のない可能な限り多くの熱量を加熱ヒータにより発熱
させても、その熱が薄肉フィルムにより遮断されてしま
い、記録材およびトナー上に効率的に伝達できない。ま
た、高速化した場合に顕著に表れる問題として、画像の
劣化がある。記録材上に形成された未定着トナー画像が
高画質であっても、加熱定着装置が原因となって画像を
劣化させることが少なくない。特に上述のフィルム加熱
方式では、定着フィルムが加圧ローラの回転駆動により
従動回転するため、高速化に伴ってフィルムの速度が加
圧ローラの回転速度に対して遅れるという問題点があ
り、画質の劣化に繋がる。また表面の凹凸が粗い記録材
を加熱定着する場合、金属製のチューブ等は表面が硬い
ので、紙の凹部への接触が悪くなり、十分な熱が記録材
に伝達できずトナー画像表面がガサガサする。このよう
な問題は、熱ローラ方式の加熱定着装置においても発生
する問題であり、図1に示すような表面に弾性層を有さ
ず、金属芯金に離型層を設けたのみの定着ローラ(ハー
ドローラ)では、高速化するにつれて画像のがさつきが
顕著に表れる。
着装置でも、立ち上り時の昇温時間の短縮、消費電力の
低減、さらには高速、高画質といったすべてにおいて優
れた性能を両立させることは非常に困難である。例え
ば、フィルム加熱方式を考えた場合、立ち上り時間の短
縮と、消費電力の低減に関しては、非常に優れている
が、高速化させた場合に次のような問題がある。まず、
定着フィルムにポリイミド等の有機性耐熱樹脂を用いて
いるため熱伝導性が悪く、高速化した際に記録材に十分
な熱量を供給することが不可能である。つまり実用上問
題のない可能な限り多くの熱量を加熱ヒータにより発熱
させても、その熱が薄肉フィルムにより遮断されてしま
い、記録材およびトナー上に効率的に伝達できない。ま
た、高速化した場合に顕著に表れる問題として、画像の
劣化がある。記録材上に形成された未定着トナー画像が
高画質であっても、加熱定着装置が原因となって画像を
劣化させることが少なくない。特に上述のフィルム加熱
方式では、定着フィルムが加圧ローラの回転駆動により
従動回転するため、高速化に伴ってフィルムの速度が加
圧ローラの回転速度に対して遅れるという問題点があ
り、画質の劣化に繋がる。また表面の凹凸が粗い記録材
を加熱定着する場合、金属製のチューブ等は表面が硬い
ので、紙の凹部への接触が悪くなり、十分な熱が記録材
に伝達できずトナー画像表面がガサガサする。このよう
な問題は、熱ローラ方式の加熱定着装置においても発生
する問題であり、図1に示すような表面に弾性層を有さ
ず、金属芯金に離型層を設けたのみの定着ローラ(ハー
ドローラ)では、高速化するにつれて画像のがさつきが
顕著に表れる。
【0007】以上のような問題から考えると高速化に対
応させるためには定着ローラとして弾性層を有すること
が必須条件となる。この条件に基づいて高速化に対応で
きる加熱定着装置を選択すると、従来の弾性層を有する
熱ローラ方式の加熱定着器では、定着ローラの昇温時間
が圧倒的に長く、スタンバイ時も電力の供給を必要とす
るため消費電力が大きくなり、環境や市場のニーズに対
しては不利な構成である。
応させるためには定着ローラとして弾性層を有すること
が必須条件となる。この条件に基づいて高速化に対応で
きる加熱定着装置を選択すると、従来の弾性層を有する
熱ローラ方式の加熱定着器では、定着ローラの昇温時間
が圧倒的に長く、スタンバイ時も電力の供給を必要とす
るため消費電力が大きくなり、環境や市場のニーズに対
しては不利な構成である。
【0008】また、図2に示すような外部から定着ロー
ラ表面を加熱する方式では、従来の熱ローラ方式と比較
すれば、昇温時間の短縮および省電力が改善されている
が、フィルム加熱方式のそれらと比べると性能は劣る。
その原因として一つは、定着ローラ表面を加熱するため
の加熱部材(以下ヒートローラと呼ぶ)が中空芯金内に
ハロゲンヒータなどを有する構成の場合、芯金がハロゲ
ンヒータの輻射熱により昇温することからヒートローラ
自身を暖めるのに時間を要してしまう。加熱定着のプロ
セススピードが遅い場合であれば、記録材の通過により
奪われた定着ローラ表面の熱はヒートローラからの熱供
給で補填可能であるが、高速化が進むにつれてヒートロ
ーラからの熱供給のみでは間に合わなくなると考えられ
る。従って、ローラ形状のヒータで定着ローラを外部加
熱する方式では、高速化に限界があると考えられる。ま
た、加圧ローラも定着ローラを介して熱を蓄えるので、
立ち上りの昇温時間を遅らせる原因となっている。
ラ表面を加熱する方式では、従来の熱ローラ方式と比較
すれば、昇温時間の短縮および省電力が改善されている
が、フィルム加熱方式のそれらと比べると性能は劣る。
その原因として一つは、定着ローラ表面を加熱するため
の加熱部材(以下ヒートローラと呼ぶ)が中空芯金内に
ハロゲンヒータなどを有する構成の場合、芯金がハロゲ
ンヒータの輻射熱により昇温することからヒートローラ
自身を暖めるのに時間を要してしまう。加熱定着のプロ
セススピードが遅い場合であれば、記録材の通過により
奪われた定着ローラ表面の熱はヒートローラからの熱供
給で補填可能であるが、高速化が進むにつれてヒートロ
ーラからの熱供給のみでは間に合わなくなると考えられ
る。従って、ローラ形状のヒータで定着ローラを外部加
熱する方式では、高速化に限界があると考えられる。ま
た、加圧ローラも定着ローラを介して熱を蓄えるので、
立ち上りの昇温時間を遅らせる原因となっている。
【0009】以上により、消費電力の低減と、昇温時間
の短縮を保ちつつ、高速化、高画質化で画像出力が可能
な加熱定着装置は、従来から提案されているような構成
では不可能であった。そこで、これらを実現するために
本発明の出願人は、図4に示すような弾性層22を有す
る定着ローラ20と、その定着ローラ20に外部表面か
ら接触して加熱ニップ部を形成する加熱部材24と、定
着ローラに圧接して定着ニップ部を形成する加圧部材3
0とを有し、上記定着ニップ部に未定着トナー画像が形
成された記録材を狭持搬送させることで加熱定着を行う
ものを提案した。また、上記加熱部材24に具備される
加熱ヒータは低熱容量のプレート形状であり加熱ニップ
部に摺擦して発熱するタイプである。このような構成に
することで、従来のようなヒートローラによって定着ロ
ーラ表面を加熱する構成よりも、加熱ニップ部でのエネ
ルギー密度を高くすることができるので、定着ローラ表
面を効率良く加熱することが可能となる。また、定着ロ
ーラの弾性体と記録材やトナーとの密着性が、従来の高
速機に用いられているような弾性層をもつ熱ローラ方式
と同等であるため、画像形成装置の高速化に対しても高
画質を維持できる。つまり、立ち上り時間の短縮、およ
び消費電力の削減、高速化に対応した高画質の画像出力
など、すべての要求を両立することが可能となる。
の短縮を保ちつつ、高速化、高画質化で画像出力が可能
な加熱定着装置は、従来から提案されているような構成
では不可能であった。そこで、これらを実現するために
本発明の出願人は、図4に示すような弾性層22を有す
る定着ローラ20と、その定着ローラ20に外部表面か
ら接触して加熱ニップ部を形成する加熱部材24と、定
着ローラに圧接して定着ニップ部を形成する加圧部材3
0とを有し、上記定着ニップ部に未定着トナー画像が形
成された記録材を狭持搬送させることで加熱定着を行う
ものを提案した。また、上記加熱部材24に具備される
加熱ヒータは低熱容量のプレート形状であり加熱ニップ
部に摺擦して発熱するタイプである。このような構成に
することで、従来のようなヒートローラによって定着ロ
ーラ表面を加熱する構成よりも、加熱ニップ部でのエネ
ルギー密度を高くすることができるので、定着ローラ表
面を効率良く加熱することが可能となる。また、定着ロ
ーラの弾性体と記録材やトナーとの密着性が、従来の高
速機に用いられているような弾性層をもつ熱ローラ方式
と同等であるため、画像形成装置の高速化に対しても高
画質を維持できる。つまり、立ち上り時間の短縮、およ
び消費電力の削減、高速化に対応した高画質の画像出力
など、すべての要求を両立することが可能となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図4に
示した定着装置では以下のような問題点があった。
示した定着装置では以下のような問題点があった。
【0011】1.加熱部材24から効率的に定着ローラ
20へ熱を伝え、昇温時間を短くするためには、加熱ニ
ップNを広くしなければならない。そのために、加熱部
材24の当接圧を高めると定着ローラ20と加熱部材2
4の摩擦力が増大し、すぐに離型層23が剥離してしま
い耐久性に乏しくなってしまう。また、当接圧を高めず
に加熱ニップを広げるために、加熱ヒータを定着ローラ
の外形に沿うように湾曲形状に成型する方法があるが、
平面ヒータ製造コストに比べてコストが高くなってしま
う。
20へ熱を伝え、昇温時間を短くするためには、加熱ニ
ップNを広くしなければならない。そのために、加熱部
材24の当接圧を高めると定着ローラ20と加熱部材2
4の摩擦力が増大し、すぐに離型層23が剥離してしま
い耐久性に乏しくなってしまう。また、当接圧を高めず
に加熱ニップを広げるために、加熱ヒータを定着ローラ
の外形に沿うように湾曲形状に成型する方法があるが、
平面ヒータ製造コストに比べてコストが高くなってしま
う。
【0012】2.定着ローラを加熱する加熱ニップNと
記録材が通過する定着ニップMが離れているため、定着
ローラの外径大きくすると、熱が外気に逃げてしまうの
で効率が悪くなってしまう。従って、定着ニップMを広
げるためには加圧部材30の当接圧を上げるしかない
が、そうすると定着ローラの耐久性が悪くなってしま
う。
記録材が通過する定着ニップMが離れているため、定着
ローラの外径大きくすると、熱が外気に逃げてしまうの
で効率が悪くなってしまう。従って、定着ニップMを広
げるためには加圧部材30の当接圧を上げるしかない
が、そうすると定着ローラの耐久性が悪くなってしま
う。
【0013】3.定着ローラにオフセットトナーが付着
すると、そのトナーが加熱部材に溜まってしまう。この
トナーがある程度溜まると、再び定着ローラに付着し最
終的には、記録材にトナー汚れとなって表れてしまう。
すると、そのトナーが加熱部材に溜まってしまう。この
トナーがある程度溜まると、再び定着ローラに付着し最
終的には、記録材にトナー汚れとなって表れてしまう。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は以下のことを特徴とするものである。
めに、本発明は以下のことを特徴とするものである。
【0015】1.本発明による加熱定着装置は、弾性層
を有する定着ローラと、その定着ローラに圧接して定着
ニップ部を形成する加圧部材と、定着ローラに外部表面
から接触して加熱ニップ部を形成する加熱部材を有し、
上記定着ニップに未定着トナー画像が形成された記録材
を狭持搬送させることで加熱定着を行う。さらに図5に
示すように、上記加熱部材に具備される加熱ヒータは複
数枚のプレート形状であり加熱ニップ部に摺擦して発熱
することを特徴とする。
を有する定着ローラと、その定着ローラに圧接して定着
ニップ部を形成する加圧部材と、定着ローラに外部表面
から接触して加熱ニップ部を形成する加熱部材を有し、
上記定着ニップに未定着トナー画像が形成された記録材
を狭持搬送させることで加熱定着を行う。さらに図5に
示すように、上記加熱部材に具備される加熱ヒータは複
数枚のプレート形状であり加熱ニップ部に摺擦して発熱
することを特徴とする。
【0016】(作 用)以上のような構成にすること
で、従来のように加熱部材の当接圧をあげることなく、
加熱ニップを広くとることができ、定着ローラの駆動ト
ルク低減また、定着ローラの長寿命化になる。また、平
面状のヒータを用いても十分な加熱ニップ幅を確保でき
るので、ヒータ形状を湾曲状に成型する必要がなく低コ
ストで作製できる。
で、従来のように加熱部材の当接圧をあげることなく、
加熱ニップを広くとることができ、定着ローラの駆動ト
ルク低減また、定着ローラの長寿命化になる。また、平
面状のヒータを用いても十分な加熱ニップ幅を確保でき
るので、ヒータ形状を湾曲状に成型する必要がなく低コ
ストで作製できる。
【0017】次に複数枚のヒータを用いた場合、ヒータ
面に付着するオフセットトナーは、まず定着ローラの回
転方向に対して上流に位置したヒータ面に溜まる。そし
て、上流のヒータに溜まったトナーが飽和すると、下流
のヒータに溜まりだす。最終的に一番下流のヒータが飽
和すると定着ニップに搬送された記録材に転写され、ト
ナー汚れとして記録材上に現れる。よって、ヒータの枚
数が増えるとオフセットトナーを蓄える量が増えるの
で、定着器としての寿命を延命できる。
面に付着するオフセットトナーは、まず定着ローラの回
転方向に対して上流に位置したヒータ面に溜まる。そし
て、上流のヒータに溜まったトナーが飽和すると、下流
のヒータに溜まりだす。最終的に一番下流のヒータが飽
和すると定着ニップに搬送された記録材に転写され、ト
ナー汚れとして記録材上に現れる。よって、ヒータの枚
数が増えるとオフセットトナーを蓄える量が増えるの
で、定着器としての寿命を延命できる。
【0018】2.さらに上記1の構成に加えて、図4に
示すように加圧部材は低熱容量の薄肉フィルムであり、
フィルムの内部に熱伝導性の低い摺動板31を配置した
構成である。さらに、この摺動板31の形状は図6に示
すように定着ローラの外形に沿うように湾曲させるが、
下流側は平らにする。
示すように加圧部材は低熱容量の薄肉フィルムであり、
フィルムの内部に熱伝導性の低い摺動板31を配置した
構成である。さらに、この摺動板31の形状は図6に示
すように定着ローラの外形に沿うように湾曲させるが、
下流側は平らにする。
【0019】以上のような構成にすることで、シリコー
ンゴム等に弾性層を持つ加圧ローラよりも、加圧部材の
熱容量を小さくでき、且つ定着ローラの熱を断熱するこ
とができる。さらに摺動板の形状を湾曲させることで、
同じ定着ニップ幅を形成するための加圧力を小さくする
ことができるので、定着ローラの駆動トルクを小さくで
き、定着ローラ表面の磨耗や耐久性を向上することがで
きる。また、摺動板の下流を平らにすることで記録材と
定着ローラの分離性を向上し、記録材が定着ローラに巻
き付き難くなり、記録材のカールも抑制される。
ンゴム等に弾性層を持つ加圧ローラよりも、加圧部材の
熱容量を小さくでき、且つ定着ローラの熱を断熱するこ
とができる。さらに摺動板の形状を湾曲させることで、
同じ定着ニップ幅を形成するための加圧力を小さくする
ことができるので、定着ローラの駆動トルクを小さくで
き、定着ローラ表面の磨耗や耐久性を向上することがで
きる。また、摺動板の下流を平らにすることで記録材と
定着ローラの分離性を向上し、記録材が定着ローラに巻
き付き難くなり、記録材のカールも抑制される。
【0020】
【発明の実施の形態】(第1の実施例)以下に、本発明
に係る実施例を示すが、まず図4に本発明に係る加熱定
着装置の構成を示す。図4において、定着ローラ20は
以下の部材から構成される。アルミ或いは鉄製の芯金2
1の外側にシリコーンゴムで形成された弾性層(ソリッ
ドゴム層)、あるいはより断熱効果を持たせるためにシ
リコーンゴムを発泡して形成された弾性層(スポンジゴ
ム層)、あるいはシリコーンゴム層内に何らかの方法で
気泡を分散させ、断熱作用を高めた弾性層(気泡ゴム
層)22から成る。しかしながら、定着ローラ20の熱
容量が大きく、また熱伝導率が少しでも大きいと、外表
面から受ける熱を吸収しやすく、表面温度が上昇しにく
くなる。できるだけ低熱容量で熱伝導率が低く、断熱効
果の高い材質の方が、定着ローラ表面温度の立ち上がり
時間に有利である。
に係る実施例を示すが、まず図4に本発明に係る加熱定
着装置の構成を示す。図4において、定着ローラ20は
以下の部材から構成される。アルミ或いは鉄製の芯金2
1の外側にシリコーンゴムで形成された弾性層(ソリッ
ドゴム層)、あるいはより断熱効果を持たせるためにシ
リコーンゴムを発泡して形成された弾性層(スポンジゴ
ム層)、あるいはシリコーンゴム層内に何らかの方法で
気泡を分散させ、断熱作用を高めた弾性層(気泡ゴム
層)22から成る。しかしながら、定着ローラ20の熱
容量が大きく、また熱伝導率が少しでも大きいと、外表
面から受ける熱を吸収しやすく、表面温度が上昇しにく
くなる。できるだけ低熱容量で熱伝導率が低く、断熱効
果の高い材質の方が、定着ローラ表面温度の立ち上がり
時間に有利である。
【0021】ここで、上記シリコーンゴムのソリッドゴ
ムは熱伝導率が0.25〜0.29W/m・K、スポン
ジゴム・気泡ゴムは0.11〜0.16W/m・Kであ
り、スポンジゴム・気泡ゴムはソリッドゴムの約半分の
値を示す。また、熱容量に関係する比重はソリッドゴム
が約1.05〜1.30、スポンジゴム・気泡ゴムが約
0.75〜0.85である。従って、弾性層の好ましい
形態としては、熱伝導率が約0.15W/m・K以下
で、比重が0.85以下の断熱効果の高いスポンジゴム
層や気泡ゴム層の方が好ましい。また、定着ローラ20
の外形は小さい方が熱容量を抑えられるが、小さすぎる
と加熱ニップが稼ぎにくくなるので適度な径が必要であ
る。弾性層の肉厚に関しても、薄すぎれば金属製の芯金
に熱が逃げるので適度な厚みが必要である。以上を考慮
して本実施例では、適正な加熱ニップを形成でき、且つ
熱容量を抑えるために、肉厚が4mmの気泡ゴムを用い
て弾性層を形成し、外形がφ20mmの定着ローラを使
用した。上記に述べた弾性層の上にはパープルオロアル
コキシ樹脂(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン樹
脂(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフル
オロプロピレン樹脂(FEP)等のフッ素樹脂離型成層
23を形成する。離型層23はチューブを被覆させたも
のでも表面を塗料でコートしたものであってもよいが、
チューブの方が耐久性に優れる。
ムは熱伝導率が0.25〜0.29W/m・K、スポン
ジゴム・気泡ゴムは0.11〜0.16W/m・Kであ
り、スポンジゴム・気泡ゴムはソリッドゴムの約半分の
値を示す。また、熱容量に関係する比重はソリッドゴム
が約1.05〜1.30、スポンジゴム・気泡ゴムが約
0.75〜0.85である。従って、弾性層の好ましい
形態としては、熱伝導率が約0.15W/m・K以下
で、比重が0.85以下の断熱効果の高いスポンジゴム
層や気泡ゴム層の方が好ましい。また、定着ローラ20
の外形は小さい方が熱容量を抑えられるが、小さすぎる
と加熱ニップが稼ぎにくくなるので適度な径が必要であ
る。弾性層の肉厚に関しても、薄すぎれば金属製の芯金
に熱が逃げるので適度な厚みが必要である。以上を考慮
して本実施例では、適正な加熱ニップを形成でき、且つ
熱容量を抑えるために、肉厚が4mmの気泡ゴムを用い
て弾性層を形成し、外形がφ20mmの定着ローラを使
用した。上記に述べた弾性層の上にはパープルオロアル
コキシ樹脂(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン樹
脂(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフル
オロプロピレン樹脂(FEP)等のフッ素樹脂離型成層
23を形成する。離型層23はチューブを被覆させたも
のでも表面を塗料でコートしたものであってもよいが、
チューブの方が耐久性に優れる。
【0022】加熱部材24は、以下の部材から構成され
る。26は加熱用ヒータであり、定着ローラ20の表面
を加熱する。加熱用ヒータ26はアルミナや窒化アルミ
等の高絶縁性のセラミックス基板表面に長手方向に沿っ
て、例えばAg/Pd(銀パラジウム)、RuO2、T
a2N等の通電発熱抵抗層をスクリーン印刷等により、
厚み10μm程度、幅1〜5mm程度の線状もしくは細
帯状に塗工して形成した通電加熱用部材である。加熱用
ヒータ26の表面には、摺擦により定着ローラ20の離
型成層が磨耗しないように保護摺動層を設けるのが良
い。その例としては、パーフルオロアルコキシ樹脂(P
FA)、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTF
E)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン樹脂(FEP)、エチレンテトラフルオロエチレン
樹脂(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン樹
脂(CTEF)、ポリビニリデンフルオライド(PVD
F)等のフッ素樹脂層を単独ないし混合して被覆する
か、あるいはグラファイト、ダイアモンド・ライク・カ
ーボン(DLC)、二硫化モリブデン等からなる乾性被
膜潤滑剤、ガラスコート等の保護層が考えられる。25
は加熱用ヒータ26を保持する断熱ステイホルダーであ
る。
る。26は加熱用ヒータであり、定着ローラ20の表面
を加熱する。加熱用ヒータ26はアルミナや窒化アルミ
等の高絶縁性のセラミックス基板表面に長手方向に沿っ
て、例えばAg/Pd(銀パラジウム)、RuO2、T
a2N等の通電発熱抵抗層をスクリーン印刷等により、
厚み10μm程度、幅1〜5mm程度の線状もしくは細
帯状に塗工して形成した通電加熱用部材である。加熱用
ヒータ26の表面には、摺擦により定着ローラ20の離
型成層が磨耗しないように保護摺動層を設けるのが良
い。その例としては、パーフルオロアルコキシ樹脂(P
FA)、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTF
E)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン樹脂(FEP)、エチレンテトラフルオロエチレン
樹脂(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン樹
脂(CTEF)、ポリビニリデンフルオライド(PVD
F)等のフッ素樹脂層を単独ないし混合して被覆する
か、あるいはグラファイト、ダイアモンド・ライク・カ
ーボン(DLC)、二硫化モリブデン等からなる乾性被
膜潤滑剤、ガラスコート等の保護層が考えられる。25
は加熱用ヒータ26を保持する断熱ステイホルダーであ
る。
【0023】不図示の加圧手段によって定着ローラ20
に対して加圧され、その加圧力により加熱用ヒータ26
と定着ローラ20の間に加熱ニップNを形成している。
断熱ステイホルダー25は、加熱ニップNと反対方向へ
の放熱を防ぐ役割を持ち、液晶ポリマー、フェノール樹
脂、PPS、PEEK等により形成されている。また、
加熱ヒータ26の背面には通電発熱抵抗層の発熱に応じ
て昇温したセラミック基板の温度を検知するためのサー
ミスタ等の温度検知素子27が配置されている。この温
度検知素子27の信号に応じて、長手方向端部にある不
図示の電極部から通電発熱抵抗層に印加される電圧のデ
ューティー比や波数等を適切に制御することで、加熱ヒ
ータ26を発熱させ、定着ローラ20の表面を加熱・温
調する。温度検知素子27から不図示の温度制御部への
DC通電は不図示のDC通電部およびDC電極部を介し
て不図示のコネクターにより達成している。
に対して加圧され、その加圧力により加熱用ヒータ26
と定着ローラ20の間に加熱ニップNを形成している。
断熱ステイホルダー25は、加熱ニップNと反対方向へ
の放熱を防ぐ役割を持ち、液晶ポリマー、フェノール樹
脂、PPS、PEEK等により形成されている。また、
加熱ヒータ26の背面には通電発熱抵抗層の発熱に応じ
て昇温したセラミック基板の温度を検知するためのサー
ミスタ等の温度検知素子27が配置されている。この温
度検知素子27の信号に応じて、長手方向端部にある不
図示の電極部から通電発熱抵抗層に印加される電圧のデ
ューティー比や波数等を適切に制御することで、加熱ヒ
ータ26を発熱させ、定着ローラ20の表面を加熱・温
調する。温度検知素子27から不図示の温度制御部への
DC通電は不図示のDC通電部およびDC電極部を介し
て不図示のコネクターにより達成している。
【0024】加圧部材30は、次のような構成である。
33は摺動フィルムであり、耐熱性、熱可塑性を有する
ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PPS、P
FA、PTFE、FEP等を基層とした樹脂製のフィル
ムである。フィルム厚みは、強度等を考慮し、20μm
以上150μm未満が適当な範囲である。また、31は
摺動フィルムの内部に具備された摺動板であり、32は
摺動板31を保持している断熱ステイホルダーである。
断熱ステイホルダー32は不図示の加圧手段によって定
着ローラに対して加圧され、摺動板31と定着ローラ2
0との間に摺動フィルム33を介して定着に必要なニッ
プMを形成している。断熱ステイホルダー32は加熱部
材のステイホルダー25と同様に断熱性、耐熱性を有す
る樹脂として、液晶ポリマー、フェノール樹脂、PP
S、PEEK等により形成されている。また、摺動板3
1は、摺動フィルム33との摩擦が小さく且つ断熱性を
有する材料として、ステイホルダー32と同様の液晶ポ
リマー、フェノール樹脂、PPS、PEEK等により形
成し、その表面に摩擦抵抗を低減する摺動層をコーティ
ングするのが望ましい。
33は摺動フィルムであり、耐熱性、熱可塑性を有する
ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PPS、P
FA、PTFE、FEP等を基層とした樹脂製のフィル
ムである。フィルム厚みは、強度等を考慮し、20μm
以上150μm未満が適当な範囲である。また、31は
摺動フィルムの内部に具備された摺動板であり、32は
摺動板31を保持している断熱ステイホルダーである。
断熱ステイホルダー32は不図示の加圧手段によって定
着ローラに対して加圧され、摺動板31と定着ローラ2
0との間に摺動フィルム33を介して定着に必要なニッ
プMを形成している。断熱ステイホルダー32は加熱部
材のステイホルダー25と同様に断熱性、耐熱性を有す
る樹脂として、液晶ポリマー、フェノール樹脂、PP
S、PEEK等により形成されている。また、摺動板3
1は、摺動フィルム33との摩擦が小さく且つ断熱性を
有する材料として、ステイホルダー32と同様の液晶ポ
リマー、フェノール樹脂、PPS、PEEK等により形
成し、その表面に摩擦抵抗を低減する摺動層をコーティ
ングするのが望ましい。
【0025】その例としては、加熱ヒータ21の表面に
設ける摺動層と同様であるので説明は省く。ここでは、
摺動板31と断熱ステイホルダー32を別部材として扱
っているが、それらを一体成型により形成し摺動部分に
上記摺動層をコーティングしても良く、よりコストダウ
ンを測ることが可能である。また、摺動フィルム33と
摺動板31の間には、摩擦抵抗を小さく抑えるためにグ
リース等の潤滑剤を少量介在させてある。
設ける摺動層と同様であるので説明は省く。ここでは、
摺動板31と断熱ステイホルダー32を別部材として扱
っているが、それらを一体成型により形成し摺動部分に
上記摺動層をコーティングしても良く、よりコストダウ
ンを測ることが可能である。また、摺動フィルム33と
摺動板31の間には、摩擦抵抗を小さく抑えるためにグ
リース等の潤滑剤を少量介在させてある。
【0026】以上に説明した加熱定着装置を用い、加熱
部材としてそれぞれ平面形状ヒータ1枚、平面形状
ヒータ2枚、湾曲形状ヒータ1枚とした時、定着ロー
ラ表面温度を常温25℃から200℃まで10秒間で昇
温させるのに必要な加圧力とその時の定着ローラ駆動ト
ルクを測定した。なお、それぞれのヒータに投入する電
力が等しくなるように800Wとし、定着ローラの回転
速度は記録材の通過速度(プロセススピード)が150
mm/secのスピードになるように調整を行った。結
果を表1に示す。
部材としてそれぞれ平面形状ヒータ1枚、平面形状
ヒータ2枚、湾曲形状ヒータ1枚とした時、定着ロー
ラ表面温度を常温25℃から200℃まで10秒間で昇
温させるのに必要な加圧力とその時の定着ローラ駆動ト
ルクを測定した。なお、それぞれのヒータに投入する電
力が等しくなるように800Wとし、定着ローラの回転
速度は記録材の通過速度(プロセススピード)が150
mm/secのスピードになるように調整を行った。結
果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】表1より平面形状ヒータを2枚用いた方
が、加圧力が少なくて良く駆動トルクも低減できること
がわかる。
が、加圧力が少なくて良く駆動トルクも低減できること
がわかる。
【0029】次に、定着ローラの耐久性の試験を行っ
た。定着ローラの離型層には、厚さ50μmのPFA樹
脂チューブを被覆したものを用いた。表1にある、
、の条件で、レターサイズ75g/m2紙を記録材
として通紙し、定着ローラの離型層が剥離するまでの枚
数を測定した。その結果を表2に示す。
た。定着ローラの離型層には、厚さ50μmのPFA樹
脂チューブを被覆したものを用いた。表1にある、
、の条件で、レターサイズ75g/m2紙を記録材
として通紙し、定着ローラの離型層が剥離するまでの枚
数を測定した。その結果を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】定着ローラとヒータ面の摩擦力が小さくな
ったことで、の耐久性が向上した。また、ヒータ表
面を湾曲状に成型するよりも、平面形状ヒータを2枚使
用した方がコストを抑えることが可能である。
ったことで、の耐久性が向上した。また、ヒータ表
面を湾曲状に成型するよりも、平面形状ヒータを2枚使
用した方がコストを抑えることが可能である。
【0032】さらにヒータ表面に付着するオフセットト
ナーの溜まり方について調べた。加熱部材の構成として
は、それぞれ表1の平面形状ヒータ1枚と平面形状
ヒータ2枚を用い、プロセススピードを150mm/s
ecとし、記録材はレターサイズ75g/m2紙を通紙
する。また、画像パターンはハーフトーン画像である。
オフセットトナーは最初、定着ローラと加熱ヒータによ
って形成された加熱ニップ部の下流側に溜まり、ある程
度まで溜まるとトナーはヒータ面から剥離し、定着ロー
ラに付着する。そこから加圧部材の摺動フィルム表面に
移り、最終的には搬送された記録材裏面にトナー汚れと
なる。
ナーの溜まり方について調べた。加熱部材の構成として
は、それぞれ表1の平面形状ヒータ1枚と平面形状
ヒータ2枚を用い、プロセススピードを150mm/s
ecとし、記録材はレターサイズ75g/m2紙を通紙
する。また、画像パターンはハーフトーン画像である。
オフセットトナーは最初、定着ローラと加熱ヒータによ
って形成された加熱ニップ部の下流側に溜まり、ある程
度まで溜まるとトナーはヒータ面から剥離し、定着ロー
ラに付着する。そこから加圧部材の摺動フィルム表面に
移り、最終的には搬送された記録材裏面にトナー汚れと
なる。
【0033】そこで、オフセットトナーがヒータ面から
溢れ出るまでも通紙枚数を測定した。その結果を表3に
示す。
溢れ出るまでも通紙枚数を測定した。その結果を表3に
示す。
【0034】
【表3】
【0035】平面状ヒータを2枚用いた場合、最初は定
着ローラの回転方向に対して上流側に位置したヒータに
オフセットトナーが溜まり、飽和すると下流側のヒータ
に溜まりだすため、記録材にトナーが付着するまでの寿
命が長くなる効果がみられた。本実施例では、ヒータの
本数を2枚としたが、これに限らず3本としても良くヒ
ータの本数を増やすことで、より多くのオフセットトナ
ーを溜め込むことが可能である。
着ローラの回転方向に対して上流側に位置したヒータに
オフセットトナーが溜まり、飽和すると下流側のヒータ
に溜まりだすため、記録材にトナーが付着するまでの寿
命が長くなる効果がみられた。本実施例では、ヒータの
本数を2枚としたが、これに限らず3本としても良くヒ
ータの本数を増やすことで、より多くのオフセットトナ
ーを溜め込むことが可能である。
【0036】(第2の実施例)本実施例に関する加熱定
着装置の構成を図4に示す。図4において、加圧部材3
0の内部に配置された摺動板31の形状が、図6に示す
ように定着ローラ20の外形に沿うように湾曲した形状
に成型されており、下流側は平らになっていることこと
を特徴とする。
着装置の構成を図4に示す。図4において、加圧部材3
0の内部に配置された摺動板31の形状が、図6に示す
ように定着ローラ20の外形に沿うように湾曲した形状
に成型されており、下流側は平らになっていることこと
を特徴とする。
【0037】上記のように摺動板31の形状を湾曲形状
に成型することで、定着ローラ20との接触圧を小さく
することが可能となる。実施例1のように平面形状の摺
動板を用いると、定着ニップMを形成するためには、定
着ローラに対して所定の荷重で加圧する必要がある。そ
の結果、摺動板は定着ローラの回転駆動に摩擦抵抗とし
て働くので、駆動トルクが大きくなってしまう。本実施
例の構成でれば、定着ニップを形成するためにはきわめ
て小さい加圧力でよく、実施例1に対して十分に駆動ト
ルクを低減することが可能である。また、摺動板31の
下流側を平らにすることで記録材が定着ローラに巻き付
くことを防止し、また記録材の定着後カールを抑制する
ことができる。さらに、摺動板の材料は液晶ポリマー、
フェノール樹脂、PPS、PEEK等なので、低コスト
で湾曲状の加工をすることができる。
に成型することで、定着ローラ20との接触圧を小さく
することが可能となる。実施例1のように平面形状の摺
動板を用いると、定着ニップMを形成するためには、定
着ローラに対して所定の荷重で加圧する必要がある。そ
の結果、摺動板は定着ローラの回転駆動に摩擦抵抗とし
て働くので、駆動トルクが大きくなってしまう。本実施
例の構成でれば、定着ニップを形成するためにはきわめ
て小さい加圧力でよく、実施例1に対して十分に駆動ト
ルクを低減することが可能である。また、摺動板31の
下流側を平らにすることで記録材が定着ローラに巻き付
くことを防止し、また記録材の定着後カールを抑制する
ことができる。さらに、摺動板の材料は液晶ポリマー、
フェノール樹脂、PPS、PEEK等なので、低コスト
で湾曲状の加工をすることができる。
【0038】以下表4に本実施例と実施例1の構成
で、定着ニップ幅を6mmとした時の定着ローラ駆動ト
ルクの違いを示す。
で、定着ニップ幅を6mmとした時の定着ローラ駆動ト
ルクの違いを示す。
【0039】
【表4】
【0040】表4より本実施例の方が同じ定着ニップ幅
を得るための加圧力が小さくなり、駆動トルクも低減さ
れることがわかる。
を得るための加圧力が小さくなり、駆動トルクも低減さ
れることがわかる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、
1.本発明による加熱定着装置は、弾性層を有する定着
ローラと、その定着ローラに外表面から接触して加熱ニ
ップ部を形成する加熱部材と、定着ローラに圧接して定
着ニップ部を形成する加圧部材とを有し、上記定着ニッ
プ部に未定着トナー画像が形成された記録材を狭持搬送
させることで加熱定着を行う。さらに上記加熱部材に具
備される加熱ヒータは、複数枚で低熱容量のプレート形
状であり加熱ニップ部に摺擦して発熱することを特徴と
する。
ローラと、その定着ローラに外表面から接触して加熱ニ
ップ部を形成する加熱部材と、定着ローラに圧接して定
着ニップ部を形成する加圧部材とを有し、上記定着ニッ
プ部に未定着トナー画像が形成された記録材を狭持搬送
させることで加熱定着を行う。さらに上記加熱部材に具
備される加熱ヒータは、複数枚で低熱容量のプレート形
状であり加熱ニップ部に摺擦して発熱することを特徴と
する。
【0042】加熱ヒータを複数枚にすることで、加熱部
材の当接圧を小さくすることができ、定着ローラの駆動
トルク低減に繋がる。また、定着ローラとヒータ面の抵
抗摩擦が小さくなることから、定着ローラの離型層の耐
久性が向上する。さらに、定着ローラ表面に付着したオ
フセットトナーがヒータ表面に溜まり、飽和すると定着
ローラから記録材に転写されるが、複数枚のヒータを用
いた方が、多くのトナーを溜め込むことができる。
材の当接圧を小さくすることができ、定着ローラの駆動
トルク低減に繋がる。また、定着ローラとヒータ面の抵
抗摩擦が小さくなることから、定着ローラの離型層の耐
久性が向上する。さらに、定着ローラ表面に付着したオ
フセットトナーがヒータ表面に溜まり、飽和すると定着
ローラから記録材に転写されるが、複数枚のヒータを用
いた方が、多くのトナーを溜め込むことができる。
【0043】2.上記1の構成に加えて、加圧部材の内
部に具備される摺動板が、定着ローラの外形に沿うよう
に湾曲した形状であり、定着ニップ部の下流側が平面に
なった構成であることを特徴とする。
部に具備される摺動板が、定着ローラの外形に沿うよう
に湾曲した形状であり、定着ニップ部の下流側が平面に
なった構成であることを特徴とする。
【0044】以上のような構成にすることで、加圧部材
の摺動板が平面の場合と比較して、同じ定着ニップ幅を
形成するための加圧力を小さくすることができる。その
結果、定着ローラの駆動トルクを小さくすることができ
るので、定着ローラ表面の磨耗や耐久性を向上すること
ができる。また、定着ニップを広げるためには、摺動板
幅を広げるだけでよく、加圧力を強める必要はない。
の摺動板が平面の場合と比較して、同じ定着ニップ幅を
形成するための加圧力を小さくすることができる。その
結果、定着ローラの駆動トルクを小さくすることができ
るので、定着ローラ表面の磨耗や耐久性を向上すること
ができる。また、定着ニップを広げるためには、摺動板
幅を広げるだけでよく、加圧力を強める必要はない。
【図1】 従来の熱ローラ方式による加熱定着装置の構
成を示す模式図
成を示す模式図
【図2】 従来の熱ローラを外部より加熱する方式の定
着装置の構成を示す模式図
着装置の構成を示す模式図
【図3】 従来のフィルム加熱方式による加熱定着装置
の構成を示す模式図
の構成を示す模式図
【図4】 本発明に係る加熱定着装置の構成を示す模式
図
図
【図5】 本発明の実施例1に係る加熱部材の構成を示
す模式図
す模式図
【図6】 本発明の実施例2に係る加圧部材の摺動板を
示す模式図
示す模式図
1 定着ローラ
2 加圧ローラ
3 弾性層
4 中空芯金
5 加熱体
6 離型性層
7 弾性層
8 芯金
9 金属パイプ
10 加熱体
11 定着部材
12 加熱ヒータ
13 温度検知素子
14 断熱ステイホルダー
15 定着フィルム
20 定着ローラ
21 芯金
22 弾性層
23 離型性層
24 加熱部材
25 断熱ステイホルダー
26 加熱ヒータ
27 温度検知素子
30 加圧部材
31 摺動板
32 断熱ステイホルダー
33 摺動フィルム
P 記録材
N 加熱ニップ
M 定着ニップ
フロントページの続き
(72)発明者 鈴見 雅彦
東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ
ノン株式会社内
(72)発明者 長谷川 浩人
東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ
ノン株式会社内
Fターム(参考) 2H033 AA09 BA25 BA26 BA27 BB18
BB21 BB23
3K058 AA22 BA18 CA23 CE19 CE21
DA05 GA06
Claims (2)
- 【請求項1】 弾性層を有する定着ローラと、 上記定着ローラに外表面から接触して加熱ニップ部を形
成する加熱部材と、 上記定着ローラに圧接して定着ニップ部を形成する加圧
部材とを有し、 上記定着ニップ部に未定着トナー画像が形成された記録
材を狭持搬送させることで加熱定着を行う加熱定着装置
において、 上記加熱部材に具備される加熱ヒータが、複数枚で低熱
容量のプレート形状であり加熱ニップ部に摺擦して発熱
することを特徴とする加熱定着装置。 - 【請求項2】 加圧部材は、低熱容量の薄肉フィルムと
上記薄肉フィルムを外嵌するステイホルダーを有し上記
ステイホルダーの摺動板が定着ローラの外形に沿うよう
に湾曲した形状であり、定着ニップ部の下流側が平面に
なった構成であることを特徴とする、請求項1に記載の
加熱定着装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002100837A JP2003295654A (ja) | 2002-04-03 | 2002-04-03 | 加熱定着装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002100837A JP2003295654A (ja) | 2002-04-03 | 2002-04-03 | 加熱定着装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003295654A true JP2003295654A (ja) | 2003-10-15 |
Family
ID=29241519
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002100837A Pending JP2003295654A (ja) | 2002-04-03 | 2002-04-03 | 加熱定着装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003295654A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008158049A (ja) * | 2006-12-21 | 2008-07-10 | Canon Inc | 定着装置 |
US8364067B2 (en) | 2008-11-28 | 2013-01-29 | Canon Kabushiki Kaisha | Image heating apparatus |
-
2002
- 2002-04-03 JP JP2002100837A patent/JP2003295654A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008158049A (ja) * | 2006-12-21 | 2008-07-10 | Canon Inc | 定着装置 |
US8364067B2 (en) | 2008-11-28 | 2013-01-29 | Canon Kabushiki Kaisha | Image heating apparatus |
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