JP2003293963A - ポンプ構造 - Google Patents
ポンプ構造Info
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- JP2003293963A JP2003293963A JP2002103214A JP2002103214A JP2003293963A JP 2003293963 A JP2003293963 A JP 2003293963A JP 2002103214 A JP2002103214 A JP 2002103214A JP 2002103214 A JP2002103214 A JP 2002103214A JP 2003293963 A JP2003293963 A JP 2003293963A
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- cylinder
- plunger
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- axis
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- Details Of Reciprocating Pumps (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】熱膨張してもハウジングに対してシリンダを確
実に位置決めすることができるとともに、熱膨張による
シリンダの変形を抑制することができるポンプ構造を提
供する。 【解決手段】シリンダ31はハウジング12の収容部2
3との間にプランジャ33の軸直交方向において隙間を
持ち、シリンダ31は逆止弁13及びリフタガイド35
によるプランジャ33の軸方向の圧縮力により固定され
る。シリンダ31はプランジャ33の軸直交方向におい
てシリンダ31外周面と収容部23内周面とに接する弾
性体40によって位置決めされる。ハウジング12の熱
膨張に伴って弾性体40に押圧力が作用しても、この力
は弾性体40の弾性変形によって吸収され、ハウジング
12の熱膨張の影響によるシリンダ31のプランジャ3
3軸直交方向への歪み変形が抑制される。
実に位置決めすることができるとともに、熱膨張による
シリンダの変形を抑制することができるポンプ構造を提
供する。 【解決手段】シリンダ31はハウジング12の収容部2
3との間にプランジャ33の軸直交方向において隙間を
持ち、シリンダ31は逆止弁13及びリフタガイド35
によるプランジャ33の軸方向の圧縮力により固定され
る。シリンダ31はプランジャ33の軸直交方向におい
てシリンダ31外周面と収容部23内周面とに接する弾
性体40によって位置決めされる。ハウジング12の熱
膨張に伴って弾性体40に押圧力が作用しても、この力
は弾性体40の弾性変形によって吸収され、ハウジング
12の熱膨張の影響によるシリンダ31のプランジャ3
3軸直交方向への歪み変形が抑制される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば燃料ポンプ
に使用可能なポンプ構造に関する。
に使用可能なポンプ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用エンジン等の内燃機関には、燃
料噴射弁等に燃料を供給する高圧燃料ポンプが設けられ
る。このような高圧燃料ポンプは、ハウジングと、該ハ
ウジングの収容部内に配設されるシリンダと、シリンダ
内を摺動するプランジャとを備えている。ハウジングの
収容部は、プランジャの軸直交方向においてシリンダの
大きさと略等しい大きさに形成されている。ハウジング
の収容部内にシリンダを収容した後、締付部材としての
デリバリバルブをハウジングに螺合してシリンダに圧接
させることにより、シリンダはプランジャの軸方向の圧
縮力によりハウジングに対して固定され、高圧燃料ポン
プの組み立てが完了する。この高圧燃料ポンプにおい
て、シリンダのプランジャの軸方向における位置決めは
シリンダに作用するプランジャの軸方向の圧縮力により
行われ、シリンダのプランジャの軸直交方向における位
置決めは収容部の内周面によって行われる。
料噴射弁等に燃料を供給する高圧燃料ポンプが設けられ
る。このような高圧燃料ポンプは、ハウジングと、該ハ
ウジングの収容部内に配設されるシリンダと、シリンダ
内を摺動するプランジャとを備えている。ハウジングの
収容部は、プランジャの軸直交方向においてシリンダの
大きさと略等しい大きさに形成されている。ハウジング
の収容部内にシリンダを収容した後、締付部材としての
デリバリバルブをハウジングに螺合してシリンダに圧接
させることにより、シリンダはプランジャの軸方向の圧
縮力によりハウジングに対して固定され、高圧燃料ポン
プの組み立てが完了する。この高圧燃料ポンプにおい
て、シリンダのプランジャの軸方向における位置決めは
シリンダに作用するプランジャの軸方向の圧縮力により
行われ、シリンダのプランジャの軸直交方向における位
置決めは収容部の内周面によって行われる。
【0003】しかしながら、上記の高圧燃料ポンプにお
いては、シリンダのプランジャの軸方向における位置決
めはプランジャの軸方向の圧縮力により行われている。
このプランジャの軸方向の圧縮力によりシリンダがプラ
ンジャの軸直交方向に変形し、シリンダの摺動孔にも軸
直交方向内方への突出変形部分が生ずる。このシリンダ
の摺動孔の突出変形部分と往復動するプランジャとが接
触して焼き付きが発生するおそれがあった。
いては、シリンダのプランジャの軸方向における位置決
めはプランジャの軸方向の圧縮力により行われている。
このプランジャの軸方向の圧縮力によりシリンダがプラ
ンジャの軸直交方向に変形し、シリンダの摺動孔にも軸
直交方向内方への突出変形部分が生ずる。このシリンダ
の摺動孔の突出変形部分と往復動するプランジャとが接
触して焼き付きが発生するおそれがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような問題点を
解決するため、特開平10−318091号公報に記載
された高圧燃料ポンプにおいては、ハウジングとデリバ
リバルブとの螺着の際にプランジャの軸方向の圧縮力を
受けるシリンダの固定部にスリットを形成している。プ
ランジャの軸方向の圧縮力によりシリンダをハウジング
に対して固定すると、シリンダにはプランジャの軸直交
方向への変形が生ずるが、このプランジャ軸直交方向へ
の変形をスリットによって吸収するようにしている。
解決するため、特開平10−318091号公報に記載
された高圧燃料ポンプにおいては、ハウジングとデリバ
リバルブとの螺着の際にプランジャの軸方向の圧縮力を
受けるシリンダの固定部にスリットを形成している。プ
ランジャの軸方向の圧縮力によりシリンダをハウジング
に対して固定すると、シリンダにはプランジャの軸直交
方向への変形が生ずるが、このプランジャ軸直交方向へ
の変形をスリットによって吸収するようにしている。
【0005】しかしながら、この公報に記載の高圧燃料
ポンプにおいては、ハウジングの収容部はシリンダを収
容した状態でプランジャの軸直交方向において位置決め
することができるように形成されており、収容部とシリ
ンダとの間に隙間が形成される大きさにはなっていな
い。また、シリンダはプランジャを往復動させるために
耐摩耗性に優れた材料にて形成され、ハウジングはシリ
ンダの固定性能及び放熱性能に優れた材料にて形成され
ており、シリンダ及びハウジングの熱膨張率はさほど考
慮されていない。そのため、高圧燃料ポンプの冷熱が繰
り返されることによって、シリンダ及びハウジングの熱
膨張率の違いからシリンダを変形させるような力がハウ
ジングから作用することとなる。ところが、シリンダに
形成したスリットでは熱膨張による径方向の変形を吸収
することはできず、シリンダがプランジャの軸直交方向
内方に変形してプランジャに干渉したり、シリンダがプ
ランジャの軸直交方向外方に拡径変形してポンプ効率が
低下したりするという問題がある。
ポンプにおいては、ハウジングの収容部はシリンダを収
容した状態でプランジャの軸直交方向において位置決め
することができるように形成されており、収容部とシリ
ンダとの間に隙間が形成される大きさにはなっていな
い。また、シリンダはプランジャを往復動させるために
耐摩耗性に優れた材料にて形成され、ハウジングはシリ
ンダの固定性能及び放熱性能に優れた材料にて形成され
ており、シリンダ及びハウジングの熱膨張率はさほど考
慮されていない。そのため、高圧燃料ポンプの冷熱が繰
り返されることによって、シリンダ及びハウジングの熱
膨張率の違いからシリンダを変形させるような力がハウ
ジングから作用することとなる。ところが、シリンダに
形成したスリットでは熱膨張による径方向の変形を吸収
することはできず、シリンダがプランジャの軸直交方向
内方に変形してプランジャに干渉したり、シリンダがプ
ランジャの軸直交方向外方に拡径変形してポンプ効率が
低下したりするという問題がある。
【0006】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、熱膨張してもハウジングに
対してシリンダを確実に位置決めすることができるとと
もに、熱膨張によるシリンダの変形を抑制することがで
きるポンプ構造を提供することにある。
ものであって、その目的は、熱膨張してもハウジングに
対してシリンダを確実に位置決めすることができるとと
もに、熱膨張によるシリンダの変形を抑制することがで
きるポンプ構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果について記載する。請求
項1に記載の発明は、ハウジングと、該ハウジングの収
容部内に配設されるシリンダと、該シリンダ内を往復動
するプランジャと、前記ハウジングに装着されかつ前記
シリンダを前記ハウジングに固定する固定部材とを備え
るポンプ構造であって、前記シリンダと前記ハウジング
の収容部との間に前記プランジャの軸直交方向において
隙間を形成し、前記シリンダを前記収容部内に設けた支
持部及び前記固定部材による前記プランジャの軸方向の
圧縮力により固定するとともに、前記プランジャの軸直
交方向において前記シリンダに係合する位置決め手段に
より前記シリンダを前記プランジャの軸直交方向におい
て位置決めしたことを要旨とする。
るための手段及びその作用効果について記載する。請求
項1に記載の発明は、ハウジングと、該ハウジングの収
容部内に配設されるシリンダと、該シリンダ内を往復動
するプランジャと、前記ハウジングに装着されかつ前記
シリンダを前記ハウジングに固定する固定部材とを備え
るポンプ構造であって、前記シリンダと前記ハウジング
の収容部との間に前記プランジャの軸直交方向において
隙間を形成し、前記シリンダを前記収容部内に設けた支
持部及び前記固定部材による前記プランジャの軸方向の
圧縮力により固定するとともに、前記プランジャの軸直
交方向において前記シリンダに係合する位置決め手段に
より前記シリンダを前記プランジャの軸直交方向におい
て位置決めしたことを要旨とする。
【0008】請求項1に記載の発明によれば、シリンダ
とハウジングの収容部との間にプランジャの軸直交方向
において隙間が形成され、シリンダは収容部内の支持部
及び固定部材によるプランジャの軸方向の圧縮力により
固定される。また、シリンダは、位置決め手段によりプ
ランジャの軸直交方向において位置決めされる。シリン
ダとハウジングの収容部との間に隙間が形成されてお
り、位置決め手段を介してシリンダのプランジャ軸直交
方向における位置決めが行われるので、ハウジングの熱
膨張によるシリンダへの応力の伝達が遮断される。その
ため、ハウジングの熱膨張の影響によるシリンダのプラ
ンジャ軸直交方向への変形を抑制することができるとと
もに、シリンダの固定位置のずれを抑制することができ
る。
とハウジングの収容部との間にプランジャの軸直交方向
において隙間が形成され、シリンダは収容部内の支持部
及び固定部材によるプランジャの軸方向の圧縮力により
固定される。また、シリンダは、位置決め手段によりプ
ランジャの軸直交方向において位置決めされる。シリン
ダとハウジングの収容部との間に隙間が形成されてお
り、位置決め手段を介してシリンダのプランジャ軸直交
方向における位置決めが行われるので、ハウジングの熱
膨張によるシリンダへの応力の伝達が遮断される。その
ため、ハウジングの熱膨張の影響によるシリンダのプラ
ンジャ軸直交方向への変形を抑制することができるとと
もに、シリンダの固定位置のずれを抑制することができ
る。
【0009】請求項2に記載の発明のように、前記支持
部は、前記プランジャの軸の周りにおいて該軸方向に延
びるように設けられた支持リング部とすることができ
る。請求項3に記載の発明は、請求項1又は2におい
て、前記位置決め手段は、前記シリンダの外周面と前記
収容部の内周面とに当接する状態で配設された弾性体で
あることを要旨とする。
部は、前記プランジャの軸の周りにおいて該軸方向に延
びるように設けられた支持リング部とすることができ
る。請求項3に記載の発明は、請求項1又は2におい
て、前記位置決め手段は、前記シリンダの外周面と前記
収容部の内周面とに当接する状態で配設された弾性体で
あることを要旨とする。
【0010】請求項3に記載の発明によれば、シリンダ
はプランジャの軸直交方向においてシリンダの外周面と
収容部の内周面とに接する状態で配設された弾性体によ
って位置決めされる。ハウジングの熱膨張に伴って弾性
体に押圧力が作用するがこの力は弾性体によって吸収さ
れるとともに、シリンダが位置決めされるため、ハウジ
ングの熱膨張の影響によるシリンダのプランジャ軸直交
方向への変形を抑制することができるとともに、シリン
ダの固定位置のずれを抑制することができる。
はプランジャの軸直交方向においてシリンダの外周面と
収容部の内周面とに接する状態で配設された弾性体によ
って位置決めされる。ハウジングの熱膨張に伴って弾性
体に押圧力が作用するがこの力は弾性体によって吸収さ
れるとともに、シリンダが位置決めされるため、ハウジ
ングの熱膨張の影響によるシリンダのプランジャ軸直交
方向への変形を抑制することができるとともに、シリン
ダの固定位置のずれを抑制することができる。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項3におい
て、前記弾性体は、前記シリンダの外周面に形成された
少なくとも1つの係止段部又は前記収容部の内周面に形
成された少なくとも1つの係止段部に係止されているこ
とを要旨とする。
て、前記弾性体は、前記シリンダの外周面に形成された
少なくとも1つの係止段部又は前記収容部の内周面に形
成された少なくとも1つの係止段部に係止されているこ
とを要旨とする。
【0012】請求項4に記載の発明によれば、弾性体に
対してプランジャの軸方向への外力が作用したとしても
係止段部によってプランジャの軸方向への弾性体の位置
ずれを抑制することができる。
対してプランジャの軸方向への外力が作用したとしても
係止段部によってプランジャの軸方向への弾性体の位置
ずれを抑制することができる。
【0013】請求項5に記載の発明は、請求項3又は4
において、前記弾性体の剛性は、前記シリンダの剛性及
び前記ハウジングの剛性と比較して十分に小さいもので
あることを要旨とする。
において、前記弾性体の剛性は、前記シリンダの剛性及
び前記ハウジングの剛性と比較して十分に小さいもので
あることを要旨とする。
【0014】請求項5に記載の発明によれば、弾性体の
剛性は、シリンダの剛性及びハウジングの剛性と比較し
て十分に小さいものである。従って、弾性体はハウジン
グの熱膨張に伴ってシリンダに作用する力を確実に吸収
するとともにシリンダの位置決めの役割を果たし、ハウ
ジングの熱膨張の影響によるシリンダのプランジャ軸直
交方向への変形を確実に抑制できるとともに、シリンダ
の固定位置のずれを確実に抑制することができる。
剛性は、シリンダの剛性及びハウジングの剛性と比較し
て十分に小さいものである。従って、弾性体はハウジン
グの熱膨張に伴ってシリンダに作用する力を確実に吸収
するとともにシリンダの位置決めの役割を果たし、ハウ
ジングの熱膨張の影響によるシリンダのプランジャ軸直
交方向への変形を確実に抑制できるとともに、シリンダ
の固定位置のずれを確実に抑制することができる。
【0015】請求項6に記載の発明は、請求項2におい
て、前記位置決め手段は、前記支持リング部又は固定部
材と前記シリンダとの前記プランジャの軸方向における
凹凸の係合関係からなり、前記シリンダ及び凹凸係合す
る前記支持リング部又は固定部材の線膨張係数は略同一
であることを要旨とする。
て、前記位置決め手段は、前記支持リング部又は固定部
材と前記シリンダとの前記プランジャの軸方向における
凹凸の係合関係からなり、前記シリンダ及び凹凸係合す
る前記支持リング部又は固定部材の線膨張係数は略同一
であることを要旨とする。
【0016】請求項6に記載の発明によれば、ハウジン
グの熱膨張に伴って支持リング部又は固定部材を変形さ
せるような応力が発生するが、この力が支持リング部又
は固定部材と凹凸係合するシリンダに伝達されることが
防止される。また、支持リング部又は固定部材が熱膨張
したとしてもシリンダも同様に熱膨張するため、支持リ
ング部又は固定部材からシリンダを変形させるような応
力も発生しない。従って、ハウジングの熱膨張の影響に
よるシリンダのプランジャ軸直交方向への変形を抑制す
ることができるとともに、シリンダの固定位置のずれを
抑制することができる。
グの熱膨張に伴って支持リング部又は固定部材を変形さ
せるような応力が発生するが、この力が支持リング部又
は固定部材と凹凸係合するシリンダに伝達されることが
防止される。また、支持リング部又は固定部材が熱膨張
したとしてもシリンダも同様に熱膨張するため、支持リ
ング部又は固定部材からシリンダを変形させるような応
力も発生しない。従って、ハウジングの熱膨張の影響に
よるシリンダのプランジャ軸直交方向への変形を抑制す
ることができるとともに、シリンダの固定位置のずれを
抑制することができる。
【0017】請求項7に記載の発明は、請求項2におい
て、前記位置決め手段は、前記支持リング部又は固定部
材と前記シリンダとの接合部位において各接合端面に形
成された嵌合凹部と、両嵌合凹部内に嵌合される位置決
めピンとを備え、前記シリンダ、前記支持リング部又は
固定部材、及び位置決めピンの線膨張係数は略同一であ
ることを要旨とする。
て、前記位置決め手段は、前記支持リング部又は固定部
材と前記シリンダとの接合部位において各接合端面に形
成された嵌合凹部と、両嵌合凹部内に嵌合される位置決
めピンとを備え、前記シリンダ、前記支持リング部又は
固定部材、及び位置決めピンの線膨張係数は略同一であ
ることを要旨とする。
【0018】請求項7に記載の発明によれば、ハウジン
グの熱膨張に伴って支持リング部又は固定部材を変形さ
せるような応力が発生するが、支持リング部又は固定部
材とシリンダとの間には位置決めピンが介在されている
ため、この力がシリンダに伝達されることが防止され
る。また、支持リング部又は固定部材が熱膨張したとし
ても位置決めピン及びシリンダも同様に熱膨張するた
め、支持リング部又は固定部材からシリンダを変形させ
るような応力も発生しない。従って、ハウジングの熱膨
張の影響によるシリンダのプランジャ軸直交方向への変
形を抑制することができるとともに、シリンダの固定位
置のずれを抑制することができる。
グの熱膨張に伴って支持リング部又は固定部材を変形さ
せるような応力が発生するが、支持リング部又は固定部
材とシリンダとの間には位置決めピンが介在されている
ため、この力がシリンダに伝達されることが防止され
る。また、支持リング部又は固定部材が熱膨張したとし
ても位置決めピン及びシリンダも同様に熱膨張するた
め、支持リング部又は固定部材からシリンダを変形させ
るような応力も発生しない。従って、ハウジングの熱膨
張の影響によるシリンダのプランジャ軸直交方向への変
形を抑制することができるとともに、シリンダの固定位
置のずれを抑制することができる。
【0019】なお、本明細書において、熱膨張とは、物
体の大きさが増大することのみをいうのではなく、物体
の大きさが減少することも含むものとする。
体の大きさが増大することのみをいうのではなく、物体
の大きさが減少することも含むものとする。
【0020】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明を
車両に搭載される高圧燃料ポンプに具体化した第1実施
形態を図1に従って説明する。
車両に搭載される高圧燃料ポンプに具体化した第1実施
形態を図1に従って説明する。
【0021】図1に示すように、この実施形態の高圧燃
料ポンプ11は、ハウジング12に対して逆止弁13及
びポンプ部14を装備した構成となっている。ハウジン
グ12は、上部ポンプケーシング15と下部ポンプケー
シング16とを複数のボルト17(図1では1つのみ図
示)により締結して構成されている。
料ポンプ11は、ハウジング12に対して逆止弁13及
びポンプ部14を装備した構成となっている。ハウジン
グ12は、上部ポンプケーシング15と下部ポンプケー
シング16とを複数のボルト17(図1では1つのみ図
示)により締結して構成されている。
【0022】上部ポンプケーシング15の中央下面には
嵌合筒部18が形成され、嵌合筒部18は下部ポンプケ
ーシング16の上面に形成された凹部19内に嵌合され
ている。下部ポンプケーシング16の凹部19周縁部と
上部ポンプケーシング15との間にはシール部材20が
収容配置され、このシール部材20により上部ポンプケ
ーシング15の下面と下部ポンプケーシング16の上面
との間がシールされている。嵌合筒部18には複数の供
給通路18aが形成されている。
嵌合筒部18が形成され、嵌合筒部18は下部ポンプケ
ーシング16の上面に形成された凹部19内に嵌合され
ている。下部ポンプケーシング16の凹部19周縁部と
上部ポンプケーシング15との間にはシール部材20が
収容配置され、このシール部材20により上部ポンプケ
ーシング15の下面と下部ポンプケーシング16の上面
との間がシールされている。嵌合筒部18には複数の供
給通路18aが形成されている。
【0023】下部ポンプケーシング16の下面中央には
前記凹部19に連通する収容部23が形成されている。
収容部23内には逆止弁13が収容配置されている。逆
止弁13はシート体25と弁体28とを備えている。シ
ート体25は円筒状の支持リング部26と、内底面23
aに当接するフランジ部27とを備える。フランジ部2
7の外径は収容部23の内底面23aの内径と同一に設
定されており、シート体25は収容部23の軸直交方向
において位置決めされている。シート体25は、ハウジ
ング12の熱膨張による影響を受けて変形しないように
剛性の高い材質により形成されている。
前記凹部19に連通する収容部23が形成されている。
収容部23内には逆止弁13が収容配置されている。逆
止弁13はシート体25と弁体28とを備えている。シ
ート体25は円筒状の支持リング部26と、内底面23
aに当接するフランジ部27とを備える。フランジ部2
7の外径は収容部23の内底面23aの内径と同一に設
定されており、シート体25は収容部23の軸直交方向
において位置決めされている。シート体25は、ハウジ
ング12の熱膨張による影響を受けて変形しないように
剛性の高い材質により形成されている。
【0024】支持リング部26内には弁体28がシート
体25の軸方向に沿って移動可能に収容されている。支
持リング部26内には弁体28と接離可能に対向するよ
うに円板状のストッパ29が配設固定され、このストッ
パ29には複数の燃料流通用貫通孔29aが形成されて
いる。弁体28とストッパ29との対向端面間には、ス
プリング30が圧縮状態で配置されている。このスプリ
ング30の付勢力により、弁体28は常にシート体25
のシート部25aに当接するように付勢されている。
体25の軸方向に沿って移動可能に収容されている。支
持リング部26内には弁体28と接離可能に対向するよ
うに円板状のストッパ29が配設固定され、このストッ
パ29には複数の燃料流通用貫通孔29aが形成されて
いる。弁体28とストッパ29との対向端面間には、ス
プリング30が圧縮状態で配置されている。このスプリ
ング30の付勢力により、弁体28は常にシート体25
のシート部25aに当接するように付勢されている。
【0025】ポンプ部14は、シリンダ31、加圧室3
2、プランジャ33、リフタ34及び固定部材としての
リフタガイド35を備えている。シリンダ31は上部に
形成された円柱状の固定部36と、この固定部36に連
なるシリンダ摺動部37とを備えている。シリンダ31
には固定部36側に加圧室32が設けられ、シリンダ摺
動部37側において前記加圧室32に連通する摺動孔3
7aが形成されている。この摺動孔37a内にはプラン
ジャ33がその軸方向へ摺動可能に挿嵌支持されてい
る。
2、プランジャ33、リフタ34及び固定部材としての
リフタガイド35を備えている。シリンダ31は上部に
形成された円柱状の固定部36と、この固定部36に連
なるシリンダ摺動部37とを備えている。シリンダ31
には固定部36側に加圧室32が設けられ、シリンダ摺
動部37側において前記加圧室32に連通する摺動孔3
7aが形成されている。この摺動孔37a内にはプラン
ジャ33がその軸方向へ摺動可能に挿嵌支持されてい
る。
【0026】シリンダ31は、その固定部36を前記支
持リング部26に当接させた状態で収容部23の中心に
配置されている。そして、リフタガイド35が下部ポン
プケーシング16に螺合されてその内端の押圧部35a
がシリンダ31の固定部36に圧接されている。このよ
うにシリンダ31の固定部36が前記支持リング部26
及び押圧部35aに挟まれることにより、シリンダ31
はプランジャ33の軸方向の圧縮力によりハウジング1
2に対して固定されている。
持リング部26に当接させた状態で収容部23の中心に
配置されている。そして、リフタガイド35が下部ポン
プケーシング16に螺合されてその内端の押圧部35a
がシリンダ31の固定部36に圧接されている。このよ
うにシリンダ31の固定部36が前記支持リング部26
及び押圧部35aに挟まれることにより、シリンダ31
はプランジャ33の軸方向の圧縮力によりハウジング1
2に対して固定されている。
【0027】また、シリンダ31のプランジャ33の軸
直交方向における大きさは、収容部23のそれよりも小
さく形成され、シリンダ31の外周面と収容部23の内
周面との間にはプランジャ33の軸直交方向において隙
間Cが設けられている。
直交方向における大きさは、収容部23のそれよりも小
さく形成され、シリンダ31の外周面と収容部23の内
周面との間にはプランジャ33の軸直交方向において隙
間Cが設けられている。
【0028】シリンダ31の固定部36外周面には1つ
の係止段部としての環状をなす係止溝39が形成されて
いる。この係止溝39内には位置決め手段として機能す
る環状の弾性体40がシリンダ31の外周面と収容部2
3の内周面とに当接する状態で配設されている。この弾
性体40によってプランジャ33の軸直交方向における
シリンダ31の位置決めがなされ、シリンダ31は収容
部23の中心部に配置されるようになっている。この弾
性体40としてはその剛性がシリンダ31の剛性及びハ
ウジング12の剛性と比較して十分に小さいものであれ
ば採用することができ、本実施形態では弾性体40とし
て合成樹脂製のパッキンが用いられている。
の係止段部としての環状をなす係止溝39が形成されて
いる。この係止溝39内には位置決め手段として機能す
る環状の弾性体40がシリンダ31の外周面と収容部2
3の内周面とに当接する状態で配設されている。この弾
性体40によってプランジャ33の軸直交方向における
シリンダ31の位置決めがなされ、シリンダ31は収容
部23の中心部に配置されるようになっている。この弾
性体40としてはその剛性がシリンダ31の剛性及びハ
ウジング12の剛性と比較して十分に小さいものであれ
ば採用することができ、本実施形態では弾性体40とし
て合成樹脂製のパッキンが用いられている。
【0029】リフタ34は有底円筒状に形成され、その
底板部にプランジャ33の基端部が当接されている。リ
フタ34はリフタガイド35の内部にその軸方向へ摺動
可能に収納されている。
底板部にプランジャ33の基端部が当接されている。リ
フタ34はリフタガイド35の内部にその軸方向へ摺動
可能に収納されている。
【0030】前記プランジャ33の基端部にはリテーナ
42が係合されている。そして、リフタガイド35の天
井面とリテーナ42との間に圧縮状態で配置されたスプ
リング43により、プランジャ33の基端部がリフタ3
4の底板部に押し付けられるとともに、リフタ34は図
示しないエンジンの駆動カムに圧接されている。
42が係合されている。そして、リフタガイド35の天
井面とリテーナ42との間に圧縮状態で配置されたスプ
リング43により、プランジャ33の基端部がリフタ3
4の底板部に押し付けられるとともに、リフタ34は図
示しないエンジンの駆動カムに圧接されている。
【0031】前記嵌合筒部18の供給通路18aと連通
するように、下部ポンプケーシング16には低圧燃料通
路21が形成され、図示しないプレッシャレギュレータ
に接続されている。そして、プランジャ33が下降され
るとき、図示しないフィードポンプの作動により、燃料
タンクから汲み上げられた低圧燃料が、プレッシャレギ
ュレータ、低圧燃料通路21及び供給通路18aを介し
て加圧室32内に吸入されるようになっている。
するように、下部ポンプケーシング16には低圧燃料通
路21が形成され、図示しないプレッシャレギュレータ
に接続されている。そして、プランジャ33が下降され
るとき、図示しないフィードポンプの作動により、燃料
タンクから汲み上げられた低圧燃料が、プレッシャレギ
ュレータ、低圧燃料通路21及び供給通路18aを介し
て加圧室32内に吸入されるようになっている。
【0032】シリンダ31には前記加圧室32に連通す
るように燃料通路45Aが形成されている。下部ポンプ
ケーシング16には燃料通路45Aに対応するように高
圧燃料通路45Bが形成され、この高圧燃料通路45B
は図示しないチェック弁を介して燃料分配管に接続され
ている。そして、加圧室32内から燃料通路45A、高
圧燃料通路45Bを介して圧送される燃料の圧力が所定
値を超えたとき、このチェック弁が開弁される。これに
より、高圧燃料通路45Bから圧送される高圧燃料が燃
料分配管に供給され、図示しないエンジンのシリンダヘ
ッドに取り付けられた各燃料噴射弁に分配されるように
なっている。
るように燃料通路45Aが形成されている。下部ポンプ
ケーシング16には燃料通路45Aに対応するように高
圧燃料通路45Bが形成され、この高圧燃料通路45B
は図示しないチェック弁を介して燃料分配管に接続され
ている。そして、加圧室32内から燃料通路45A、高
圧燃料通路45Bを介して圧送される燃料の圧力が所定
値を超えたとき、このチェック弁が開弁される。これに
より、高圧燃料通路45Bから圧送される高圧燃料が燃
料分配管に供給され、図示しないエンジンのシリンダヘ
ッドに取り付けられた各燃料噴射弁に分配されるように
なっている。
【0033】上記のように構成された高圧燃料ポンプ1
1において、エンジンが駆動された場合には、駆動カム
の回転によりリフタ34がリフタガイド35内で軸方向
に往復移動される。そして、リフタ34が下死点に移動
され、そのリフタ34に連動するプランジャ33も下死
点に移動されて、加圧室32の容積は最大状態になる。
このとき、弁体28がシート部25aから離れて逆止弁
13は開弁され、低圧燃料通路21側から供給通路18
a及び弁体28とシート部25aとの間を介して、加圧
室32内に燃料が吸入される。
1において、エンジンが駆動された場合には、駆動カム
の回転によりリフタ34がリフタガイド35内で軸方向
に往復移動される。そして、リフタ34が下死点に移動
され、そのリフタ34に連動するプランジャ33も下死
点に移動されて、加圧室32の容積は最大状態になる。
このとき、弁体28がシート部25aから離れて逆止弁
13は開弁され、低圧燃料通路21側から供給通路18
a及び弁体28とシート部25aとの間を介して、加圧
室32内に燃料が吸入される。
【0034】この状態から、駆動カムの回転によりリフ
タ34が上昇されると、プランジャ33が上昇されて加
圧室32の容積が押し縮められる。このとき、弁体28
がシート部25aに着座して逆止弁13は閉弁され、加
圧室32内の燃料圧力は急速に上昇して高圧燃料とな
る。この加圧室32内の高圧燃料は、燃料通路45A及
び高圧燃料通路45Bから図示しないチェック弁側に圧
送され、そのチェック弁を押し開いて燃料分配管に供給
される。
タ34が上昇されると、プランジャ33が上昇されて加
圧室32の容積が押し縮められる。このとき、弁体28
がシート部25aに着座して逆止弁13は閉弁され、加
圧室32内の燃料圧力は急速に上昇して高圧燃料とな
る。この加圧室32内の高圧燃料は、燃料通路45A及
び高圧燃料通路45Bから図示しないチェック弁側に圧
送され、そのチェック弁を押し開いて燃料分配管に供給
される。
【0035】以後、上述した吸入行程と加圧行程とが繰
り返し行われることにより、燃料通路45A及び高圧燃
料通路45Bから燃料分配管内に高圧燃料が圧送され
る。さて、本実施形態によれば、以下のような効果を得
ることができる。
り返し行われることにより、燃料通路45A及び高圧燃
料通路45Bから燃料分配管内に高圧燃料が圧送され
る。さて、本実施形態によれば、以下のような効果を得
ることができる。
【0036】(1) この高圧燃料ポンプ11において
は、シリンダ31はハウジング12の収容部23との間
にプランジャ33の軸直交方向において隙間を持ち、シ
リンダ31はハウジング12に収容された逆止弁13の
支持リング部26及びリフタガイド35によるプランジ
ャ33の軸方向の圧縮力により固定される。また、シリ
ンダ31はプランジャ33の軸直交方向においてシリン
ダ31外周面と収容部23内周面とに接する状態で配設
された環状の弾性体40によって位置決めされる。ハウ
ジング12及びシリンダ31の材質は、これらにそれぞ
れ要求される強度を含む諸特性及びコストを考慮して決
定されるため、ハウジング12の熱膨張率及びシリンダ
31の熱膨張率が異なる場合が多い。ハウジング12及
びシリンダ31の熱膨張率が異なる場合、両者の熱膨張
に伴って弾性体40に押圧力が作用することがあるが、
この力は弾性体40が弾性変形することによって確実に
吸収される。しかも、プランジャ33軸直交方向におけ
るシリンダ31の位置決めは弾性体40によってなされ
る。そのため、ハウジング12の熱膨張の影響によるシ
リンダ31のプランジャ33軸直交方向への歪み変形を
抑制することができ、シリンダ31とプランジャ33と
が干渉したり、シリンダ31がプランジャ33軸直交方
向外方に拡径変形してポンプ効率が低下したりするのを
抑制することができる。
は、シリンダ31はハウジング12の収容部23との間
にプランジャ33の軸直交方向において隙間を持ち、シ
リンダ31はハウジング12に収容された逆止弁13の
支持リング部26及びリフタガイド35によるプランジ
ャ33の軸方向の圧縮力により固定される。また、シリ
ンダ31はプランジャ33の軸直交方向においてシリン
ダ31外周面と収容部23内周面とに接する状態で配設
された環状の弾性体40によって位置決めされる。ハウ
ジング12及びシリンダ31の材質は、これらにそれぞ
れ要求される強度を含む諸特性及びコストを考慮して決
定されるため、ハウジング12の熱膨張率及びシリンダ
31の熱膨張率が異なる場合が多い。ハウジング12及
びシリンダ31の熱膨張率が異なる場合、両者の熱膨張
に伴って弾性体40に押圧力が作用することがあるが、
この力は弾性体40が弾性変形することによって確実に
吸収される。しかも、プランジャ33軸直交方向におけ
るシリンダ31の位置決めは弾性体40によってなされ
る。そのため、ハウジング12の熱膨張の影響によるシ
リンダ31のプランジャ33軸直交方向への歪み変形を
抑制することができ、シリンダ31とプランジャ33と
が干渉したり、シリンダ31がプランジャ33軸直交方
向外方に拡径変形してポンプ効率が低下したりするのを
抑制することができる。
【0037】(2) シリンダ31のプランジャ33軸
直交方向の位置決めに弾性体40を採用している。その
ため、ハウジング12、逆止弁13のシート体25、及
びシリンダ31の材質決定時に、これらの線膨張率を考
慮する必要がなくなり、これらの材質の選択自由度を広
げることができる。
直交方向の位置決めに弾性体40を採用している。その
ため、ハウジング12、逆止弁13のシート体25、及
びシリンダ31の材質決定時に、これらの線膨張率を考
慮する必要がなくなり、これらの材質の選択自由度を広
げることができる。
【0038】(3) また、シリンダ31の摺動孔37
aとプランジャ33の外周面との間には摩耗を抑制する
ためのクリアランスを設定する必要があるが、シリンダ
31のプランジャ33側への歪み変形を抑制することが
できるため、上記クリアランスの縮小化が可能になる。
これにより、このクリアランスを介しての加圧室32か
らの燃料の漏れを低減することができ、高圧燃料ポンプ
11の吐出効率を向上することができる。
aとプランジャ33の外周面との間には摩耗を抑制する
ためのクリアランスを設定する必要があるが、シリンダ
31のプランジャ33側への歪み変形を抑制することが
できるため、上記クリアランスの縮小化が可能になる。
これにより、このクリアランスを介しての加圧室32か
らの燃料の漏れを低減することができ、高圧燃料ポンプ
11の吐出効率を向上することができる。
【0039】(4) また、弾性体40はシリンダ31
の固定部36外周面に形成した係止溝39内に収容され
ている。そのため、高圧燃料ポンプ11の作動時におい
て燃料圧力が弾性体40に対してプランジャ33の軸方
向に作用したとしても、係止溝39によって弾性体40
のプランジャ33軸方向への位置ずれを抑制することが
でき、シール性の低下を抑制することができる。
の固定部36外周面に形成した係止溝39内に収容され
ている。そのため、高圧燃料ポンプ11の作動時におい
て燃料圧力が弾性体40に対してプランジャ33の軸方
向に作用したとしても、係止溝39によって弾性体40
のプランジャ33軸方向への位置ずれを抑制することが
でき、シール性の低下を抑制することができる。
【0040】(第2実施形態)次に、本発明の第2実施
形態を図2に従って説明する。なお、この第2実施形態
において、図1に示す第1実施形態と同一または近似す
る構成については、重複説明を避けるため第1実施形態
と同じ参照番号を付して、それらの説明を一部省略す
る。
形態を図2に従って説明する。なお、この第2実施形態
において、図1に示す第1実施形態と同一または近似す
る構成については、重複説明を避けるため第1実施形態
と同じ参照番号を付して、それらの説明を一部省略す
る。
【0041】さて、この第2実施形態の高圧燃料ポンプ
50においては、シリンダ31の位置決め手段の構成
が、前記第1実施形態と相違している。すなわち、この
実施形態の高圧燃料ポンプ50は、ハウジング12の収
容部23内に逆止弁13が収容されている。逆止弁13
はシート体25と弁体28とを備えている。シート体2
5のフランジ部27の外径は収容部23の内底面23a
の内径と同一に設定されており、シート体25は収容部
23の軸直交方向において位置決めされている。シート
体25は、ハウジング12の熱膨張による影響を受けて
変形しないように剛性の高い材質により形成されてい
る。支持リング部26の端部内周にはその軸の周りに位
置決め手段を構成する係合凹部51が形成されている。
50においては、シリンダ31の位置決め手段の構成
が、前記第1実施形態と相違している。すなわち、この
実施形態の高圧燃料ポンプ50は、ハウジング12の収
容部23内に逆止弁13が収容されている。逆止弁13
はシート体25と弁体28とを備えている。シート体2
5のフランジ部27の外径は収容部23の内底面23a
の内径と同一に設定されており、シート体25は収容部
23の軸直交方向において位置決めされている。シート
体25は、ハウジング12の熱膨張による影響を受けて
変形しないように剛性の高い材質により形成されてい
る。支持リング部26の端部内周にはその軸の周りに位
置決め手段を構成する係合凹部51が形成されている。
【0042】シリンダ31は上部に形成された円柱状の
固定部36と、この固定部36に連なるシリンダ摺動部
37とを備えている。シリンダ31のプランジャ33の
軸直交方向における大きさは、収容部23のそれよりも
小さく形成され、シリンダ31の外周面と収容部23の
内周面との間にはプランジャ33の軸直交方向において
隙間Cが設けられている。
固定部36と、この固定部36に連なるシリンダ摺動部
37とを備えている。シリンダ31のプランジャ33の
軸直交方向における大きさは、収容部23のそれよりも
小さく形成され、シリンダ31の外周面と収容部23の
内周面との間にはプランジャ33の軸直交方向において
隙間Cが設けられている。
【0043】シリンダ31には固定部36の端部上面に
位置決め手段を構成する係合凸部52がプランジャ33
の軸方向に延びるように設けられている。本実施形態に
おいて、シリンダ31及び前記逆止弁13のシート体2
5は同一の材質により形成されており、両者の線膨張係
数は同一となっている。
位置決め手段を構成する係合凸部52がプランジャ33
の軸方向に延びるように設けられている。本実施形態に
おいて、シリンダ31及び前記逆止弁13のシート体2
5は同一の材質により形成されており、両者の線膨張係
数は同一となっている。
【0044】シリンダ31は、その固定部36の係合凸
部52を前記支持リング部26の係合凹部51に密着嵌
合させた状態で収容部23の中心部に配置されている。
そして、リフタガイド35が下部ポンプケーシング16
に螺合されてその内端の押圧部35aがシリンダ31の
固定部36に圧接されている。このようにシリンダ31
の固定部36が前記支持リング部26及び押圧部35a
に挟まれることにより、シリンダ31はプランジャ33
の軸方向の圧縮力によりハウジング12に対して固定さ
れている。また、係合凸部52と支持リング部26の係
合凹部51との凹凸係合によりプランジャ33の軸直交
方向におけるシリンダ31の位置決めがなされ、シリン
ダ31は収容部23の中心部に配置される。
部52を前記支持リング部26の係合凹部51に密着嵌
合させた状態で収容部23の中心部に配置されている。
そして、リフタガイド35が下部ポンプケーシング16
に螺合されてその内端の押圧部35aがシリンダ31の
固定部36に圧接されている。このようにシリンダ31
の固定部36が前記支持リング部26及び押圧部35a
に挟まれることにより、シリンダ31はプランジャ33
の軸方向の圧縮力によりハウジング12に対して固定さ
れている。また、係合凸部52と支持リング部26の係
合凹部51との凹凸係合によりプランジャ33の軸直交
方向におけるシリンダ31の位置決めがなされ、シリン
ダ31は収容部23の中心部に配置される。
【0045】さて、本実施形態によれば、第1実施形態
の(3)と同様の効果に加えて、以下のような効果を得
ることができる。 (5) この高圧燃料ポンプ50においては、シリンダ
31はハウジング12の収容部23との間にプランジャ
33の軸直交方向において隙間を持ち、シリンダ31は
その係合凸部52と逆止弁13の支持リング部26に形
成された係合凹部51との係合によりプランジャ33の
軸直交方向において位置決めされる。ハウジング12及
びシリンダ31の材質は、これらにそれぞれ要求される
強度を含む諸特性及びコストを考慮して決定されるた
め、ハウジング12の熱膨張率及びシリンダ31の熱膨
張率が異なる場合が多い。ハウジング12の熱膨張に伴
って支持リング部26を変形させるような応力が発生す
るが、この力が支持リング部26からシリンダ31に伝
達されることが防止される。しかも、支持リング部26
は剛性の高い材質により形成されているため、ハウジン
グ12の熱膨張の影響による支持リング部26の変形を
抑制することができる。そのため、ハウジング12の熱
膨張の影響によるシリンダ31のプランジャ33軸直交
方向への歪み変形を抑制することができるとともに、シ
リンダ31の固定位置のずれを抑制することができる。
の(3)と同様の効果に加えて、以下のような効果を得
ることができる。 (5) この高圧燃料ポンプ50においては、シリンダ
31はハウジング12の収容部23との間にプランジャ
33の軸直交方向において隙間を持ち、シリンダ31は
その係合凸部52と逆止弁13の支持リング部26に形
成された係合凹部51との係合によりプランジャ33の
軸直交方向において位置決めされる。ハウジング12及
びシリンダ31の材質は、これらにそれぞれ要求される
強度を含む諸特性及びコストを考慮して決定されるた
め、ハウジング12の熱膨張率及びシリンダ31の熱膨
張率が異なる場合が多い。ハウジング12の熱膨張に伴
って支持リング部26を変形させるような応力が発生す
るが、この力が支持リング部26からシリンダ31に伝
達されることが防止される。しかも、支持リング部26
は剛性の高い材質により形成されているため、ハウジン
グ12の熱膨張の影響による支持リング部26の変形を
抑制することができる。そのため、ハウジング12の熱
膨張の影響によるシリンダ31のプランジャ33軸直交
方向への歪み変形を抑制することができるとともに、シ
リンダ31の固定位置のずれを抑制することができる。
【0046】(6) また、シリンダ31及び逆止弁1
3の支持リング部26は線膨張係数が略同一の材質によ
り構成されているので、支持リング部26及びシリンダ
31は同様に熱膨張し、支持リング部26からシリンダ
31を変形させるような応力も発生しない。従って、支
持リング部26の熱膨張の影響によるシリンダ31のプ
ランジャ33軸直交方向への変形を抑制することができ
る。
3の支持リング部26は線膨張係数が略同一の材質によ
り構成されているので、支持リング部26及びシリンダ
31は同様に熱膨張し、支持リング部26からシリンダ
31を変形させるような応力も発生しない。従って、支
持リング部26の熱膨張の影響によるシリンダ31のプ
ランジャ33軸直交方向への変形を抑制することができ
る。
【0047】(7) シリンダ31のプランジャ33軸
直交方向の位置決めを、シリンダ31の係合凸部52と
逆止弁13の支持リング部26に形成された係合凹部5
1との係合により行うようにしている。そのため、ハウ
ジング12の材質決定時に、線膨張率を考慮する必要が
なくなり、その材質の選択自由度を広げることができ
る。
直交方向の位置決めを、シリンダ31の係合凸部52と
逆止弁13の支持リング部26に形成された係合凹部5
1との係合により行うようにしている。そのため、ハウ
ジング12の材質決定時に、線膨張率を考慮する必要が
なくなり、その材質の選択自由度を広げることができ
る。
【0048】(第3実施形態)次に、本発明の第3実施
形態を図3に従って説明する。なお、この第3実施形態
において、図2に示す第2実施形態と同一または近似す
る構成については、重複説明を避けるため第2実施形態
と同じ参照番号を付して、それらの説明を一部省略す
る。
形態を図3に従って説明する。なお、この第3実施形態
において、図2に示す第2実施形態と同一または近似す
る構成については、重複説明を避けるため第2実施形態
と同じ参照番号を付して、それらの説明を一部省略す
る。
【0049】さて、この第3実施形態の高圧燃料ポンプ
55においては、シリンダ31の位置決め手段の構成
が、前記第2実施形態と相違している。すなわち、この
実施形態の高圧燃料ポンプ55では、シリンダ31との
接合部位である逆止弁13の支持リング部26の端部に
はその軸の周りに位置決め手段を構成する第1嵌合凹部
56が形成されている。
55においては、シリンダ31の位置決め手段の構成
が、前記第2実施形態と相違している。すなわち、この
実施形態の高圧燃料ポンプ55では、シリンダ31との
接合部位である逆止弁13の支持リング部26の端部に
はその軸の周りに位置決め手段を構成する第1嵌合凹部
56が形成されている。
【0050】シリンダ31には逆止弁13との接合部位
である固定部36の端部上面にその軸の周りに位置決め
手段を構成する第2嵌合凹部57が形成されている。支
持リング部26及びシリンダ31を突き合わせた状態で
第1嵌合凹部56及び第2嵌合凹部57内には位置決め
手段としてのピンリング58が嵌合されている。本実施
形態において、シリンダ31、逆止弁13のシート体2
5及びピンリング58は同一の材質により形成されてお
り、これらの線膨張係数は同一となっている。
である固定部36の端部上面にその軸の周りに位置決め
手段を構成する第2嵌合凹部57が形成されている。支
持リング部26及びシリンダ31を突き合わせた状態で
第1嵌合凹部56及び第2嵌合凹部57内には位置決め
手段としてのピンリング58が嵌合されている。本実施
形態において、シリンダ31、逆止弁13のシート体2
5及びピンリング58は同一の材質により形成されてお
り、これらの線膨張係数は同一となっている。
【0051】シリンダ31は、その固定部36を前記支
持リング部26に密着させた状態で収容部23の中心部
に配置されている。そして、リフタガイド35が下部ポ
ンプケーシング16に螺合されてその内端の押圧部35
aがシリンダ31の固定部36に圧接されている。この
ようにシリンダ31の固定部36が前記支持リング部2
6及び押圧部35aに挟まれることにより、シリンダ3
1はプランジャ33の軸方向の圧縮力によりハウジング
12に対して固定されている。また、第1嵌合凹部56
及び第2嵌合凹部57へのピンリング58の嵌合により
プランジャ33の軸直交方向におけるシリンダ31の位
置決めがなされ、シリンダ31は収容部23の中心部に
配置される。
持リング部26に密着させた状態で収容部23の中心部
に配置されている。そして、リフタガイド35が下部ポ
ンプケーシング16に螺合されてその内端の押圧部35
aがシリンダ31の固定部36に圧接されている。この
ようにシリンダ31の固定部36が前記支持リング部2
6及び押圧部35aに挟まれることにより、シリンダ3
1はプランジャ33の軸方向の圧縮力によりハウジング
12に対して固定されている。また、第1嵌合凹部56
及び第2嵌合凹部57へのピンリング58の嵌合により
プランジャ33の軸直交方向におけるシリンダ31の位
置決めがなされ、シリンダ31は収容部23の中心部に
配置される。
【0052】さて、本実施形態によれば、第2実施形態
とほぼ同様の効果に加えて、以下のような効果を得るこ
とができる。 (8) シリンダ31のプランジャ33軸直交方向の位
置決めを行うために、ピンリング58を用意し、シリン
ダ31には第2嵌合凹部57を形成するだけで済むた
め、位置決め手段を容易に構成することができる。
とほぼ同様の効果に加えて、以下のような効果を得るこ
とができる。 (8) シリンダ31のプランジャ33軸直交方向の位
置決めを行うために、ピンリング58を用意し、シリン
ダ31には第2嵌合凹部57を形成するだけで済むた
め、位置決め手段を容易に構成することができる。
【0053】(第4実施形態)次に、本発明の第4実施
形態を図4に従って説明する。なお、この第4実施形態
において、図1に示す第1実施形態と同一または近似す
る構成については、重複説明を避けるため第1実施形態
と同じ参照番号を付して、それらの説明を一部省略す
る。
形態を図4に従って説明する。なお、この第4実施形態
において、図1に示す第1実施形態と同一または近似す
る構成については、重複説明を避けるため第1実施形態
と同じ参照番号を付して、それらの説明を一部省略す
る。
【0054】さて、この第4実施形態の高圧燃料ポンプ
60においては、シリンダ31の位置決め手段の構成
が、前記第1実施形態と相違している。すなわち、高圧
燃料ポンプ60では、下部ポンプケーシング16の内底
部には筒状をなす支持部61が、収容部23の軸の周り
において該軸方向に延びるように突設されている。従っ
て、この支持部61はその軸方向において下部ポンプケ
ーシング16と同様の剛性を備えるが、軸直交方向にお
ける剛性は小さいものとなる。
60においては、シリンダ31の位置決め手段の構成
が、前記第1実施形態と相違している。すなわち、高圧
燃料ポンプ60では、下部ポンプケーシング16の内底
部には筒状をなす支持部61が、収容部23の軸の周り
において該軸方向に延びるように突設されている。従っ
て、この支持部61はその軸方向において下部ポンプケ
ーシング16と同様の剛性を備えるが、軸直交方向にお
ける剛性は小さいものとなる。
【0055】逆止弁62は収容部23において支持部6
1内に収容されている。逆止弁62はシート体25と弁
体28とを備えている。シート体25の外径は61の内
径と同一に設定されており、シート体25は収容部23
の軸直交方向において位置決めされている。シート体2
5は、ハウジング12の熱膨張による影響を受けて変形
しないように剛性の高い材質により形成されている。
1内に収容されている。逆止弁62はシート体25と弁
体28とを備えている。シート体25の外径は61の内
径と同一に設定されており、シート体25は収容部23
の軸直交方向において位置決めされている。シート体2
5は、ハウジング12の熱膨張による影響を受けて変形
しないように剛性の高い材質により形成されている。
【0056】シリンダ31の固定部36の下面には位置
決め手段を構成する係合凸部64がプランジャ33の軸
方向に延びるように設けられている。シリンダ31は、
その固定部36を支持部61の端部に当接させた状態で
収容部23の中心部に配置されている。
決め手段を構成する係合凸部64がプランジャ33の軸
方向に延びるように設けられている。シリンダ31は、
その固定部36を支持部61の端部に当接させた状態で
収容部23の中心部に配置されている。
【0057】そして、リフタガイド35が下部ポンプケ
ーシング16に螺合されてその内端の押圧部35aがシ
リンダ31の固定部36に圧接されている。このように
シリンダ31の固定部36が前記支持リング部26及び
押圧部35aに挟まれることにより、シリンダ31はプ
ランジャ33の軸方向の圧縮力によりハウジング12に
対して固定されている。また、リフタガイド35の押圧
部35a内周にはその軸の周りに位置決め手段を構成す
る係合凹部63が形成されている。リフタガイド35の
押圧部35aをシリンダ31の固定部36に圧接した状
態では、リフタガイド35の係合凹部63が固定部36
の係合凸部64に密着嵌合されてプランジャ33の軸直
交方向におけるシリンダ31の位置決めがなされる。な
お、本実施形態において、シリンダ31及びリフタガイ
ド35は同一の材質により形成されており、両者の線膨
張係数は同一となっている。
ーシング16に螺合されてその内端の押圧部35aがシ
リンダ31の固定部36に圧接されている。このように
シリンダ31の固定部36が前記支持リング部26及び
押圧部35aに挟まれることにより、シリンダ31はプ
ランジャ33の軸方向の圧縮力によりハウジング12に
対して固定されている。また、リフタガイド35の押圧
部35a内周にはその軸の周りに位置決め手段を構成す
る係合凹部63が形成されている。リフタガイド35の
押圧部35aをシリンダ31の固定部36に圧接した状
態では、リフタガイド35の係合凹部63が固定部36
の係合凸部64に密着嵌合されてプランジャ33の軸直
交方向におけるシリンダ31の位置決めがなされる。な
お、本実施形態において、シリンダ31及びリフタガイ
ド35は同一の材質により形成されており、両者の線膨
張係数は同一となっている。
【0058】さて、本実施形態によれば、第1実施形態
の(3)と同様の効果に加えて、以下のような効果を得
ることができる。 (8) この高圧燃料ポンプ60においては、シリンダ
31はハウジング12の収容部23との間にプランジャ
33の軸直交方向において隙間を持ち、シリンダ31は
下部ポンプケーシング16に一体に形成された支持部6
1及びリフタガイド35によるプランジャ33の軸方向
の圧縮力により固定される。また、シリンダ31はその
係合凸部64とリフタガイド35の係合凹部63との係
合によりプランジャ33の軸直交方向において位置決め
される。ハウジング12及びシリンダ31の材質は、こ
れらにそれぞれ要求される強度を含む諸特性及びコスト
を考慮して決定されるため、ハウジング12の熱膨張率
及びシリンダ31の熱膨張率が異なる場合が多い。この
ような高圧燃料ポンプ60においてハウジング12が熱
膨張しても、剛性の低い支持部61が弾性変形すること
によってシリンダ31を変形させるような応力がシリン
ダ31に伝達されることが防止される。そのため、ハウ
ジング12の熱膨張の影響によるシリンダ31のプラン
ジャ33軸直交方向への歪み変形を抑制することができ
るとともに、シリンダ31の固定位置のずれを抑制する
ことができる。
の(3)と同様の効果に加えて、以下のような効果を得
ることができる。 (8) この高圧燃料ポンプ60においては、シリンダ
31はハウジング12の収容部23との間にプランジャ
33の軸直交方向において隙間を持ち、シリンダ31は
下部ポンプケーシング16に一体に形成された支持部6
1及びリフタガイド35によるプランジャ33の軸方向
の圧縮力により固定される。また、シリンダ31はその
係合凸部64とリフタガイド35の係合凹部63との係
合によりプランジャ33の軸直交方向において位置決め
される。ハウジング12及びシリンダ31の材質は、こ
れらにそれぞれ要求される強度を含む諸特性及びコスト
を考慮して決定されるため、ハウジング12の熱膨張率
及びシリンダ31の熱膨張率が異なる場合が多い。この
ような高圧燃料ポンプ60においてハウジング12が熱
膨張しても、剛性の低い支持部61が弾性変形すること
によってシリンダ31を変形させるような応力がシリン
ダ31に伝達されることが防止される。そのため、ハウ
ジング12の熱膨張の影響によるシリンダ31のプラン
ジャ33軸直交方向への歪み変形を抑制することができ
るとともに、シリンダ31の固定位置のずれを抑制する
ことができる。
【0059】(9) また、シリンダ31及びリフタガ
イド35は線膨張係数が略同一の材質により構成されて
いるので、リフタガイド35及びシリンダ31は同様に
熱膨張し、リフタガイド35からシリンダ31を変形さ
せるような応力も発生しない。従って、リフタガイド3
5の熱膨張の影響によるシリンダ31のプランジャ33
軸直交方向への変形を抑制することができる。
イド35は線膨張係数が略同一の材質により構成されて
いるので、リフタガイド35及びシリンダ31は同様に
熱膨張し、リフタガイド35からシリンダ31を変形さ
せるような応力も発生しない。従って、リフタガイド3
5の熱膨張の影響によるシリンダ31のプランジャ33
軸直交方向への変形を抑制することができる。
【0060】(第5実施形態)次に、本発明の第5実施
形態を図5に従って説明する。なお、この第5実施形態
において、図4に示す第4実施形態と同一または近似す
る構成については、重複説明を避けるため第4実施形態
と同じ参照番号を付して、それらの説明を一部省略す
る。
形態を図5に従って説明する。なお、この第5実施形態
において、図4に示す第4実施形態と同一または近似す
る構成については、重複説明を避けるため第4実施形態
と同じ参照番号を付して、それらの説明を一部省略す
る。
【0061】さて、この第5実施形態の高圧燃料ポンプ
70においては、シリンダ31の位置決め手段の構成
が、前記第4実施形態と相違している。すなわち、高圧
燃料ポンプ70では、シリンダ31の固定部36外周面
には1つの係止段部としての環状をなす係止溝39が形
成されている。この係止溝39内には位置決め手段とし
て機能する環状の弾性体40がシリンダ31の外周面と
収容部23の内周面とに当接する状態で配設されてい
る。この弾性体40によってプランジャ33の軸直交方
向におけるシリンダ31の位置決めがなされ、シリンダ
31は収容部23の中心部に配置されるようになってい
る。この弾性体40としてはその剛性がシリンダ31の
剛性及びハウジング12の剛性と比較して十分に小さい
ものであれば採用することができ、本実施形態では弾性
体40として合成樹脂製のパッキンが用いられている。
70においては、シリンダ31の位置決め手段の構成
が、前記第4実施形態と相違している。すなわち、高圧
燃料ポンプ70では、シリンダ31の固定部36外周面
には1つの係止段部としての環状をなす係止溝39が形
成されている。この係止溝39内には位置決め手段とし
て機能する環状の弾性体40がシリンダ31の外周面と
収容部23の内周面とに当接する状態で配設されてい
る。この弾性体40によってプランジャ33の軸直交方
向におけるシリンダ31の位置決めがなされ、シリンダ
31は収容部23の中心部に配置されるようになってい
る。この弾性体40としてはその剛性がシリンダ31の
剛性及びハウジング12の剛性と比較して十分に小さい
ものであれば採用することができ、本実施形態では弾性
体40として合成樹脂製のパッキンが用いられている。
【0062】また、シリンダ31の固定部36には第4
実施形態における係合凸部64が形成されず、リフタガ
イド35の押圧部35aには第4実施形態における係合
凹部63が形成されていない。
実施形態における係合凸部64が形成されず、リフタガ
イド35の押圧部35aには第4実施形態における係合
凹部63が形成されていない。
【0063】さて、本実施形態によれば、第4実施形態
と略同様の効果に加えて、以下のような効果を得ること
ができる。 (10) この高圧燃料ポンプ70においては、シリン
ダ31はハウジング12の収容部23との間にプランジ
ャ33の軸直交方向において隙間を持ち、シリンダ31
は下部ポンプケーシング16に一体に形成された支持部
61及びリフタガイド35によるプランジャ33の軸方
向の圧縮力により固定される。また、シリンダ31はプ
ランジャ33の軸直交方向においてシリンダ31外周面
と収容部23内周面とに接する状態で配設された環状の
弾性体40によって位置決めされる。このような高圧燃
料ポンプ60においてハウジング12が熱膨張しても、
剛性の低い支持部61が弾性変形することによってシリ
ンダ31を変形させるような応力がシリンダ31に伝達
されることが防止される。そのため、ハウジング12の
熱膨張の影響によるシリンダ31のプランジャ33軸直
交方向への歪み変形を抑制することができるとともに、
シリンダ31の固定位置のずれを抑制することができ
る。
と略同様の効果に加えて、以下のような効果を得ること
ができる。 (10) この高圧燃料ポンプ70においては、シリン
ダ31はハウジング12の収容部23との間にプランジ
ャ33の軸直交方向において隙間を持ち、シリンダ31
は下部ポンプケーシング16に一体に形成された支持部
61及びリフタガイド35によるプランジャ33の軸方
向の圧縮力により固定される。また、シリンダ31はプ
ランジャ33の軸直交方向においてシリンダ31外周面
と収容部23内周面とに接する状態で配設された環状の
弾性体40によって位置決めされる。このような高圧燃
料ポンプ60においてハウジング12が熱膨張しても、
剛性の低い支持部61が弾性変形することによってシリ
ンダ31を変形させるような応力がシリンダ31に伝達
されることが防止される。そのため、ハウジング12の
熱膨張の影響によるシリンダ31のプランジャ33軸直
交方向への歪み変形を抑制することができるとともに、
シリンダ31の固定位置のずれを抑制することができ
る。
【0064】なお、実施の形態は上記に限定されず、次
のように変更してもよい。 ・ 上記第1実施形態及び第5実施形態ではシリンダ3
1の外周面に1つの係合段部としての係止溝39を形成
して弾性体40を収容するように構成したが、プランジ
ャ33軸方向において複数の係止溝を形成して各係止溝
に弾性体を収容するようにしてもよい。
のように変更してもよい。 ・ 上記第1実施形態及び第5実施形態ではシリンダ3
1の外周面に1つの係合段部としての係止溝39を形成
して弾性体40を収容するように構成したが、プランジ
ャ33軸方向において複数の係止溝を形成して各係止溝
に弾性体を収容するようにしてもよい。
【0065】・ 上記第1実施形態及び第5実施形態に
おけるシリンダ31外周面の係止溝39に代えて、単な
る係止段部としてもよい。 ・ 上記第1実施形態及び第5実施形態において、シリ
ンダ31の外周面の係止溝39を省略し、ハウジング1
2の収容部23内周面に係止溝を形成して弾性体40を
収容するようにしてもよい。
おけるシリンダ31外周面の係止溝39に代えて、単な
る係止段部としてもよい。 ・ 上記第1実施形態及び第5実施形態において、シリ
ンダ31の外周面の係止溝39を省略し、ハウジング1
2の収容部23内周面に係止溝を形成して弾性体40を
収容するようにしてもよい。
【0066】・ 上記第2実施形態、第3実施形態及び
第4実施形態において、シリンダ31外周面とハウジン
グ12の収容部23内周面との間に弾性体よりなるシー
ル部材を設けてもよい。この場合にはシリンダ31の外
周面又は収容部23の内周面にシール部材を収容する係
止溝を形成してもよい。
第4実施形態において、シリンダ31外周面とハウジン
グ12の収容部23内周面との間に弾性体よりなるシー
ル部材を設けてもよい。この場合にはシリンダ31の外
周面又は収容部23の内周面にシール部材を収容する係
止溝を形成してもよい。
【0067】・ 上記各実施形態において、逆止弁13
に代えて電気的に駆動制御される電磁スピル弁を設けた
ポンプに実施してもよい。 ・ 上記第2実施形態では、逆止弁13に係合凹部51
を形成しシリンダ31に係合凸部52を形成して位置決
め手段を構成したが、逆止弁13に係合凸部を形成しシ
リンダ31に係合凹部を形成して位置決め手段を構成し
てもよい。同様に、第4実施形態では、リフタガイド3
5に係合凹部63を形成しシリンダ31に係合凸部64
を形成して位置決め手段を構成したが、逆止弁13に係
合凸部を形成しシリンダ31に係合凹部を形成して位置
決め手段を構成してもよい。
に代えて電気的に駆動制御される電磁スピル弁を設けた
ポンプに実施してもよい。 ・ 上記第2実施形態では、逆止弁13に係合凹部51
を形成しシリンダ31に係合凸部52を形成して位置決
め手段を構成したが、逆止弁13に係合凸部を形成しシ
リンダ31に係合凹部を形成して位置決め手段を構成し
てもよい。同様に、第4実施形態では、リフタガイド3
5に係合凹部63を形成しシリンダ31に係合凸部64
を形成して位置決め手段を構成したが、逆止弁13に係
合凸部を形成しシリンダ31に係合凹部を形成して位置
決め手段を構成してもよい。
【図1】第1実施形態の高圧燃料ポンプを示す断面図。
【図2】第2実施形態の高圧燃料ポンプを示す断面図。
【図3】第3実施形態の高圧燃料ポンプを示す断面図。
【図4】第4実施形態の高圧燃料ポンプを示す断面図。
【図5】第5実施形態の高圧燃料ポンプを示す断面図。
11,50,55,60,70…高圧燃料ポンプ、12
…ハウジング、23…収容部、26…支持部としての支
持リング部、31…シリンダ、33…プランジャ、35
…固定部材としてのリフタガイド、39…係止段部とし
ての係止溝、40…位置決め手段としての弾性体、5
1,63…係合凹部、52,64…係合凸部、56…第
1嵌合凹部、57…第2嵌合凹部、58…位置決め手段
(位置決めピン)としてのピンリング、61…支持部、
C…隙間。
…ハウジング、23…収容部、26…支持部としての支
持リング部、31…シリンダ、33…プランジャ、35
…固定部材としてのリフタガイド、39…係止段部とし
ての係止溝、40…位置決め手段としての弾性体、5
1,63…係合凹部、52,64…係合凸部、56…第
1嵌合凹部、57…第2嵌合凹部、58…位置決め手段
(位置決めピン)としてのピンリング、61…支持部、
C…隙間。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 曽田 信彦
愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動
車 株式会社内
(72)発明者 前田 智之
愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動
車 株式会社内
Fターム(参考) 3H071 AA07 BB01 CC05 DD06 DD14
DD52 EE09
Claims (7)
- 【請求項1】ハウジングと、該ハウジングの収容部内に
配設されるシリンダと、該シリンダ内を往復動するプラ
ンジャと、前記ハウジングに装着されかつ前記シリンダ
を前記ハウジングに固定する固定部材とを備えるポンプ
構造において、 前記シリンダと前記ハウジングの収容部との間に前記プ
ランジャの軸直交方向において隙間を形成し、前記シリ
ンダを前記収容部内に設けた支持部及び前記固定部材に
よる前記プランジャの軸方向の圧縮力により固定すると
ともに、前記プランジャの軸直交方向において前記シリ
ンダに係合する位置決め手段により前記シリンダを前記
プランジャの軸直交方向において位置決めしたポンプ構
造。 - 【請求項2】請求項1において、 前記支持部は、前記プランジャの軸の周りにおいて該軸
方向に延びるように設けられた支持リング部であるポン
プ構造。 - 【請求項3】請求項1又は2において、 前記位置決め手段は、前記シリンダの外周面と前記収容
部の内周面とに当接する状態で配設された弾性体である
ポンプ構造。 - 【請求項4】請求項3において、 前記弾性体は、前記シリンダの外周面に形成された少な
くとも1つの係止段部又は前記収容部の内周面に形成さ
れた少なくとも1つの係止段部に係止されているポンプ
構造。 - 【請求項5】請求項3又は4のいずれかにおいて、 前記弾性体の剛性は、前記シリンダの剛性及び前記ハウ
ジングの剛性と比較して十分に小さいものであるポンプ
構造。 - 【請求項6】請求項2において、 前記位置決め手段は、前記支持リング部又は固定部材と
前記シリンダとの前記プランジャの軸方向における凹凸
の係合関係からなり、前記シリンダ及び凹凸係合する前
記支持リング部又は固定部材の線膨張係数は略同一であ
るポンプ構造。 - 【請求項7】請求項2において、 前記位置決め手段は、前記支持リング部又は固定部材と
前記シリンダとの接合部位において各接合端面に形成さ
れた嵌合凹部と、両嵌合凹部内に嵌合される位置決めピ
ンとを備え、前記シリンダ、前記支持リング部又は固定
部材、及び位置決めピンの線膨張係数は略同一であるポ
ンプ構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002103214A JP2003293963A (ja) | 2002-04-05 | 2002-04-05 | ポンプ構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002103214A JP2003293963A (ja) | 2002-04-05 | 2002-04-05 | ポンプ構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003293963A true JP2003293963A (ja) | 2003-10-15 |
Family
ID=29242549
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002103214A Withdrawn JP2003293963A (ja) | 2002-04-05 | 2002-04-05 | ポンプ構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003293963A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006329174A (ja) * | 2004-05-31 | 2006-12-07 | Hitachi Ltd | スクロール式流体機械 |
-
2002
- 2002-04-05 JP JP2002103214A patent/JP2003293963A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006329174A (ja) * | 2004-05-31 | 2006-12-07 | Hitachi Ltd | スクロール式流体機械 |
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