JP2003293270A - 皮革様シート - Google Patents
皮革様シートInfo
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Abstract
フトな表面タッチを有し、高い剥離強力を有する皮革様
シートを提供する。 【解決手段】 本発明は、三次元絡合不織布の絡合空間
にポリウレタンを主体とする弾性樹脂が充填された繊維
質基体層、繊維質基体層の表面に密着したポリウレタン
からなる表面多孔層、および表面仕上げ層とからなり、
該表面多孔層の見掛け密度(A)と該表面多孔層と密着
した繊維質基体層中の上層部分の見掛け密度(B)の比
率がA/B<1であることを特徴とする皮革様シート。
Description
観と優れた柔軟性、特にソフトな表面タッチを有し、高
い剥離強力を兼ね備えた皮革様シートに関するもので、
一般的な皮革代替用途、特にボールの用途に好ましく使
用することができる皮革様シートに関する。
の代替品として靴、衣料、手袋、鞄、ボール、インテリ
アなどのあらゆる分野に多く利用されている。これら
は、より高い品質と感性が要求されており、とりわけ優
美な天然皮革調の外観、ソフトな表面タッチおよび柔軟
性と剥離強度が両立したものが強く望まれている。
離型紙を用いて天然皮革のシボを再現した樹脂フィルム
を作り基体に貼り付ける造面法が提案され、あるいは、
同一の弾性体が均一に充填された基体層の片面に密着し
た多孔樹脂層を形成し、エンボスロールで型押しするこ
とで天然皮革のシボを再現する方法がとられてきた。ま
た、基体の上に多孔層を形成するに際し、基体表面の界
面をまたがるように高剥離強度を得るための高密度樹脂
層を形成し、その上に必要な多孔皮膜層を形成する方法
が提案されている。さらには、特開平11−14077
9号公報では、表面多孔層と同一の弾性樹脂を表面多孔
層と連続して基体表層に充填する方法が提案されてい
る。
では、目的とする天然皮革調の優美な外観とソフトな表
面タッチ、柔軟性および高い剥離強力をすべて満たすこ
とは困難である。まず、離型紙を用いる造面法では、あ
まりに均一で人工的であり天然皮革調とは言えず、また
深いシボ模様を形成することは出来ない。また、同一の
弾性体が均一に充填された基体層の片面に密着した多孔
樹脂層を形成し、エンボスロールで型押しすることで天
然皮革のシボを再現する方法では、自然な天然皮革調の
外観を得られるが、ソフト性を重視すると、基体層にソ
フトな弾性体を比較的少量充填する必要があるが、これ
では必要な剥離強力を得ることは難しく、また必要な剥
離強力を得ようとすると、比較的硬質の弾性体を多量に
充填する必要があり、こうするとソフト性が失われてし
まい、これらをすべて満たすことは出来なかった。
報で提案されている表面多孔層と同一の弾性樹脂を表面
多孔層と連続して基体表層に充填する方法では、エンボ
ス型押しにより自然な天然皮革調の外観を得られるが、
エンボス型押し時に表面多孔層と同時に、同一の樹脂か
らなる基体層上層も圧縮変形して基体層のソフト性を損
う傾向がある。さらにはエンボス型押しによって表面多
孔層内部の空隙が潰れてしまい、結果として表面多孔層
内部の密度が高くなり天然皮革並みの充実感は有るもの
の、ソフトな表面タッチを満足するものではなかった。
これを避けるために、エンボスにより変形しにくい弾性
体に変えると、エンボス型押しが不十分であり、天然皮
革調の外観が得られにくい傾向がある。また、基体の上
に多孔層を形成するに際し、基体表面の界面をまたがる
ように高剥離強度を得るための高密度樹脂層を形成し、
さらにその上に多孔皮膜層を形成する方法では、上記提
案と同様に表面多孔層と基体層との界面をまたがるよう
に存在する高密度樹脂層を同一樹脂とした場合、エンボ
ス型押しにより天然皮革調の外観を得ることが出来る場
合では、必要な剥離強力も得られるがソフト性が損なわ
れ、ソフト性を優先するとエンボス型押し性が不十分と
なり天然皮革調の外観を得ることが出来ない。また、異
種の弾性体を組み合わせて使用した場合、つまり表面多
孔層にエンボス型押し性が良好な樹脂を用い、基体層と
の界面をまたがるように存在する高密度樹脂層にはエン
ボス型押しにより変形しにくい樹脂を用いた場合では、
同一の樹脂を両方に使用した場合に比べると、型押し性
とソフト性のバランスが良好にはなる傾向はあるが、表
面多孔層の一部に型押し性が不十分な樹脂があることに
は変わらず、ソフト性を重視すると、十分な型押し性は
得られない。さらに、複数の層が形成されることにより
ゴムライクな風合いになる傾向がある。これらのよう
に、従来技術の製造方法で得られた合成皮革や人工皮革
は、ほぼ全てにおいて表面層が無孔質あるいは見掛け密
度が高くなる傾向を示しており、A/B>1となるもの
であった。
を達成するため鋭意検討の結果、天然皮革調の優美な外
観と柔軟性、高い剥離強力を兼ね備えた、特にボール用
途等ソフトな表面タッチを必要とする分野に使用するこ
とができる皮革様シートが得られることを見出した。す
なわち本発明は、三次元絡合不織布の絡合空間にポリウ
レタンを主体とする弾性樹脂が充填された繊維質基体
層、繊維質基体層の表面に密着したポリウレタンからな
る表面多孔層、および表面仕上げ層とからなり、該表面
多孔層の見掛け密度(A)と該表面多孔層と密着した繊
維質基体層中の上層部分の見掛け密度(B)の比率がA
/B<1である皮革様シートに関する。そして、好まし
くは、繊維質基体層中の上層部分を構成するポリウレタ
ンが表面多孔層を構成するポリウレタンより熱変形しに
くいポリウレタン樹脂からなり、また、基体層中の上層
部分の見掛け密度(B)が0.5g/cm3以下である
ことが好ましく、さらには繊維質基体層を構成する繊維
が単繊維繊度0.2dtex以下の極細繊維からなる皮
革様シートである。そして、本発明の皮革様シートを用
いたボールに関するものである。
で使用する繊維質基体は、三次元絡合不織布を構成する
従来公知の繊維いずれもが使用可能である。極細繊維、
中空繊維、および多空中空繊維の群から選ばれた少なく
とも1種の繊維からなる三次元絡合不織布とその絡合空
間に存在する弾性樹脂の多孔構造体とからなる表面平滑
な繊維質基体層である。例えば皮革様シートの柔軟性を
発揮させるために極細繊維を用いた場合には、好ましく
は単繊維繊度0.2dtex以下、より好ましくは単繊
維繊度0.0001〜0.05dtexの極細繊維の束
が使用される。そして、単繊維繊度0.2dtex以下
の極細繊維の束は、従来公知の方法で作られる。例え
ば、少なくとも2種類のポリマーからなる極細繊維発生
型繊維から少なくとも1成分を溶解又は分解除去するこ
とにより、又は機械的又は化学的な処理により2成分の
界面で剥離することにより得ることができる。得られる
極細繊維の束を構成する極細繊維の単繊維繊度を0.2
dtex以下とするためには、貼合わせ型の極細繊維発
生型繊維を用いるよりは繊維断面が海島構造となってい
る極細繊維発生型繊維を用いることが工程上有利であ
る。
ては従来公知の天然または合成繊維を用いることが可能
である。例えば極細繊維発生型繊維を用いる場合におい
て、極細繊維発生型繊維中で極細繊維を構成するポリマ
ーとしては、6−ナイロン、66−ナイロンをはじめと
する溶融紡糸可能なポリアミド類、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、カチオン可染
型変性ポリエチレンテレフタレートをはじめとする溶融
紡糸可能なポリエステル類などから選ばれた少なくとも
1種類のポリマーが挙げられる。また溶解または分解除
去される成分としては、極細繊維成分と溶剤または分解
剤に対する溶解性または分解性を異にし、極細繊維成分
との相溶性の低いポリマーであり、かつ紡糸条件下で極
細繊維成分より溶融粘度が小さいかあるいは表面張力が
小さいポリマーであり、例えば、ポリエチレン、ポリス
チレン、ポリエチレンプロピレン共重合体、変性ポリエ
ステルなどのポリマーから選ばれた少なくとも1種類の
ポリマーである。
ウェッバーを通してウェッブを形成し、得られた繊維ウ
ェッブは、所望の重さ、厚さに積層し、次いで、ニード
ルパンチ、高速水流などの公知の方法で絡合処理を行っ
て三次元絡合不織布とする。ウエッブには必要に応じて
織編物等を積層することもできる。三次元絡合不織布
は、表面が極細繊維発生型繊維でなっていればよいが、
得られるシートの風合いの点から繊維シート全体が極細
繊維発生型繊維又は極細繊維からなっている場合が好ま
しい。三次元絡合不織布は、表面平滑な基体層とするた
め、弾性重合体の含浸前にプレス処理などにより表面平
滑化することが好ましい。三次元絡合不織布、あるいは
プレスして得られる不織布の厚みは、得られる皮革様シ
ートの用途等によって任意に選択でき、特に制限される
ものではないが、1枚ものの場合にその厚みは0.2〜
10mm程度であることが好ましく、0.4〜5mm程
度であることがより好ましい。密度は0.15〜0.5
0g/cm 3が好ましく、0.20〜0.40g/cm
3がより好ましい。0.15g/cm3未満であると含
浸する樹脂が多くなることによってゴムライクな風合い
となり、さらに剥離強力も低下する。0.50g/cm
3を越えると得られる皮革様シートの風合いが硬くなる
傾向がある。
樹脂溶液または分散液を充填し、ポリウレタン樹脂溶液
をコートしたのち、凝固し多孔質皮膜層を形成する。含
浸およびコートするポリウレタンの好ましい代表例とし
ては、ポリエステル系ジオール、ポリエーテル系ジオー
ル、ポリエステル・エーテル系ジオール、ポリカーボネ
ート系ジオール、ポリエーテル・ポリカーボネート系ジ
オール等の高分子ジオールの1種または2種以上と、有
機ポリイソシアネート、好ましくは脂肪族系、芳香族系
あるいは脂環族系の有機ジイソシアネートの1種または
2種以上と、低分子ジオール、低分子ジアミン、ヒドラ
ジンなどの活性水素原子を2個有する鎖伸長剤とから得
られるポリウレタンが挙げられる。
に対する、該ポリウレタンエラストマーを合成するのに
用いた有機ポリイソシアネート中のイソシアネート基を
構成する窒素原子の重量百分率(以下N%と称す)が
2.5〜5%であるようなポリウレタンエラストマーま
たはこのポリウレタンエラストマーを主体とするポリマ
ー混合物が好ましい。N%が2.5%未満の場合には、
得られる表面多孔層や繊維質基体層は耐摩耗性や耐引っ
掻き強さにおいて劣る傾向があり、またN%が5%を越
える場合には、折り曲げシワが粗くなり、風合いも硬
く、得られる皮革様シートが安っぽくなると同時に、耐
屈曲疲労性においても低下する傾向がある。
ボス型押しにより天然皮革調のシボが形成可能なポリウ
レタンを用いる。好ましい代表例としては、両末端にヒ
ドロキシル基を有する分子量500〜5000のポリマ
ーグリコールと4,4′−ジフェニルメタン−ジイソシ
アネートで代表される芳香族ジイソシアネートと炭素数
2〜6の低級アルキレングリコールを主体とするハード
セグメントから得られたポリウレタン、あるいは、両末
端にヒドロキシル基を有する分子量500〜5000の
ポリマーグリコールと脂肪族または脂環族ジイソシアネ
ートと有機ジアミンあるいは有機酸ジヒドラジドを主体
とするハードセグメントから得られたポリウレタンなど
が挙げられる。ただし、ソフト性、耐久性、加工性、多
孔質膜形成性等を考慮し、これらの共重合物、混合物も
用いられる。
00〜5000のポリマーグリコールとしては、ポリエ
チレンアジペートグリコール、ポリブチレンアジペート
グリコール、ポリヘキサメチレンアジペートグリコー
ル、ポリカプロラクトングリコールなどのポリエステル
系グリコールや、ポリヘキサメチレンカーボネートグリ
コールで代表されるポリカーボネート系グリコール、ポ
リエチレンエーテルグリコール、ポリプロピレンエーテ
ルグリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコー
ル、ポリヘキサメチレンエーテルグリコールなどのポリ
エーテル系グリコールおよびこれらの混合物が使用され
るが、特に、ポリエステル系グリコール、ポリカーボネ
ート系グリコールあるいはポリエステル系グリコールと
ポリカーボネート系グリコールとの混合グリコール、ポ
リエステル系グリコール、ポリカーボネート系グリコー
ルとポリエーテル系グリコールとの混合グリコールが好
ましい。
メチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート等が、また脂環族ジイソシアネートとしては、シ
クロヘキサンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘ
キシルメタン−ジイソシアネート等が挙げられる。有機
ジアミンとしては、p−フェニレンジアミン、メタフェ
ニレンジアミン、4,4′−ジアミンジフェニルメタ
ン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエタノ
ールアミン、4,4′−ジアミノジシクロヘキシルメタ
ン、イソホロンジアミンなどが挙げられ、有機酸ジヒド
ラジドとしてはアジピン酸ジヒドラジド、セバチン酸ジ
ヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸
ジヒドラジドなどが挙げられる。
の代表例としては、エチレングリコール、ブタンジオー
ル、ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロ
ピレングリコールなどがあり、中でもエチレングリコー
ルが良好な型押し性が得られる点で好ましい。得られる
ポリウレタンの好ましい100%モジュラスとしては、
20〜120kg/cm2であり、より好ましくは40
〜80kg/cm2である。20kg/cm2未満の場
合は、表面物性が劣る傾向があり、120kg/cm2
を越えると、風合いが硬くなる傾向がある。また、表面
多孔層の好ましい厚みとしては、0.02〜1.50m
mであり、より好ましくは0.05〜1.00mmであ
る。0.02mm未満の場合には、平滑な面が得られ
ず、さらにエンボス型押し性も不良となる傾向があり、
さらには繊維質基体層の影響が強くなりソフトな表面タ
ッチが得られ難くなる。1.50mmを越えると、エン
ボス型押し性およびソフトな表面タッチ感は良好である
が、ゴムライクな風合いとなり天然皮革調の風合いから
遠ざかる傾向がある。
に表面多孔層に接する基体層中の上層部分には表面多孔
層を形成するポリウレタンより対熱変形固定性が大きい
ポリウレタン樹脂、下層にはソフト性を重視し、上層と
のバランスを考慮した100%モジュラスが20〜10
0kg/cm2であり、より好ましくは40〜80kg
/cm2のポリウレタン樹脂を含浸する。
孔層が熱変形固定する際に、基体層は熱変形固定しにく
く、いわゆる潰れにくく柔軟性を保持する必要がある。
そのために、基体層中の上層部分は表面多孔層を構成す
るポリウレタンより対熱変形固定性が大きい(スポンジ
構造が潰れにくい)ポリウレタンを選択することが特に
好ましい。具体的には、表面多孔層に使用するポリウレ
タンの対熱変形固定性と基体層中の上層部分に使用する
ポリウレタンの対熱変形固定性の関係が後述する評価方
法による対熱変形固定性比において1.05〜2.0で
あることが好ましく、より好ましくは1.10〜1.5
0のものを使用することが好ましい。対熱変形固定性比
が1.05に満たない場合は、エンボス型押し時に表面
多孔層と同様に変形し、基体層の風合いが硬化する傾向
がある。また、対熱変形固定性比が2.0を越える場合
は、表面多孔層の見掛け密度(A)が表面多孔層と密着
した繊維質基体層中の上層部分の見掛け密度(B)より
も高くなり易くA/B>1となり易く表面のソフトなタ
ッチは得られにくい傾向がある。また、エンボス型押し
時に生じるはずの表面多孔層と基体層の一体感が損なわ
れ、風合いが劣る傾向となる。
ウレタンの種類は特に限定されず、ポリエステル系、ポ
リエーテル系、ポリカーボネート系あるいはこれらの共
重合系、あるいは混合物を用いることが出来る。ここで
は、ソフトセグメントにポリエーテル系あるいはポリエ
ーテル・ポリカーボネートを主体とするもの、ハードセ
グメントには、芳香族ジイソシアネートと芳香族ジアミ
ンを主体とするものを使用することが、対熱変形固定性
が大きいくなる点で好ましい。例えば、平均分子量50
0〜3000のポリエーテルジオール、好ましくはポリ
テトラメチレングリコールを50%以上、さらに好まし
くは、70%以上含むソフトセグメントと4,4′−ジ
フェニルメタン−ジイソシアネート、p−フェニレンジ
アミン、メタフェニレンジアミン、4,4′−ジアミン
ジフェニルメタンなどから選ばれた芳香族ジイソシアネ
ートからなるポリウレタンが用いられる。このポリウレ
タンには、必要に応じ、上記とは異なるポリウレタンを
混合させることも出来る。特に表面多孔層との良好な接
着性を満たすために表面多孔層と同一または近似したポ
リウレタンを混合させる方法も好ましく用いられる。ま
た、このポリウレタンは、上記のようなポリウレタンの
混合物でも良いが、ポリエーテル系ポリマージオール、
ポリカーボネート系ポリマージオール、ポリエステル系
ポリマージオール等が、同一の分子鎖に共存する共重合
型ポリウレタンでも良い。
性を発現できるようにソフトなポリウレタンを使用す
る。例えば、100%モジュラスが、20〜100kg
/cm 2、好ましくは、30〜60kg/cm2のポリ
ウレタンが用いられる。また、ソフト性と剥離強力を重
視し、全体のバランスを損なわない範囲の量を充填す
る。また、その充填量は、充填する上層部分の不織布の
繊維重量に対して、固型分で0.3〜2.0倍が好まし
く、0.3〜1.5倍がより好ましく設定される。不織
布の繊維重量に対して、0.3倍未満では、基体上層部
分の密度が表面多孔層部分の密度よりも低くなり繊維と
のバインダー効果が弱く、必要な剥離強力が得られにく
くなる。2.0倍を越える場合には基体上層の密度が高
くなる傾向を示すが、繊維を固定しすぎ基体層のソフト
性を損なうことによって天然皮革調の風合いは得られに
くい。
下層にもポリウレタンを充填する。このポリウレタンと
しては特に制限はないが、基体下層は、基体上層よりも
エンボス型押し時の熱による影響を受けにくい傾向があ
るため、基体層のソフト性を発現できるように、対熱変
形固定性が基体上層部分よりも小さいポリウレタンでも
よく、またソフトなポリウレタンを使用することが好ま
しい。例えば、100%モジュラスが、20〜90kg
/cm2、好ましくは、20〜60kg/cm2であ
る。そして、基体上層を構成するポリウレタンの100
%モジュラスよりも10kg/cm2以上低いポリウレ
タンが好ましく用いられる。また、ソフト性を重視し、
全体のバランスを損なわない範囲の量を充填する。例え
ば、充填する下層部分の不織布繊維重量に対して固型分
で、0.2〜2倍、好ましくは、0.3〜1.5倍にな
るよう充填する。0.2倍未満では、ソフト性は得られ
るがあまりに充填される樹脂が少ないために充実感が失
われ全体の風合いバランスが損なわれる。また、2.0
倍を越える場合には、樹脂の充填度が高くなりすぎ、全
体的にゴム弾性が強く硬くなり柔軟な天然皮革調の風合
いが得られにくい。
ンと基体層中の下層部分に含浸するポリウレタンは出来
るだけ層状に充填することがエンボス加工を行って天然
皮革調の優美な外観を均一に付与できることから好まし
い。また、表面多孔層に接する基体層中の上層部分に充
填されたポリウレタン層は、基体層の厚みにもよるが、
例えば0.1〜1.0mm、好ましくは0.2〜0.6
mm厚みで存在させることが好ましい。層厚みが0.1
mm未満の場合には、必要な剥離強力を得られず、また
エンボス型押し時の変形に抗しきれずソフト性が損なわ
れ易くなる。また、1.0mmを越えた場合には、必要
な剥離強力は得られるが、密度の高い部分が支配的にな
る傾向があるためゴム弾性が強くなり、天然皮革調の風
合いおよびソフトな表面タッチ感と離れる傾向がある。
さらに基体層中の上層部分と下層部分を構成するポリウ
レタン樹脂の好ましい重量比率は固型分で10:90〜
90:10より好ましくは20:80〜80:20であ
る。上層部分が10%に満たない場合には、必要な剥離
強力を得られず、またエンボス型押し時の変形に抗しき
れずソフト性が損なわれ易くなる。また90%を越えた
場合には、必要な剥離強力は得られるがゴム弾性が強く
なる傾向がある。
下のいくつかの方法が好ましい。まず、三次元絡合不織
布に上面より表面多孔層を形成するポリウレタンより対
熱変形固定性が大きいポリウレタン樹脂を所定量塗布
し、自然浸透させるか、ロールあるいはナイフでこすり
付けるように浸透させ、下面より基体下層用のポリウレ
タン溶液をロールあるいはナイフ等でこすりつけるよう
に浸透させ、過剰分はナイフ等でかきとる方法がある。
あるいは、不織布全体にいったん基体下層用のポリウレ
タン溶液を充填した後、ロールあるいはナイフで圧縮
し、その直後に表面多孔層を形成するポリウレタンより
対熱変形固定性が大きいポリウレタン樹脂をコートし、
不織布の回復力を利用して浸透させ、その後該三次元絡
合不織布よりはみ出した過剰分はナイフでかきとる方法
も使用できる。
層部分に充填するポリウレタンは、溶液型または水分散
型のポリウレタンが用いられる。そしてポリウレタンの
固型分濃度が10〜30重量%となるようにジメチルホ
ルムアミドで代表される公知の希釈溶剤または水分散液
で希釈して充填するのが好ましい。10重量%未満の場
合には、凝固時の空隙率が大きくなり、表面多孔層と密
着した基体層中の上層部分の見掛け密度(B)が低くな
ることによって表面多孔層の見掛け密度(A)に対しA
/B>1となり易くソフトな表面タッチが得られにくく
なる。さらには、ポリウレタンの充填量が低下すること
から剥離強力が低下傾向となり、基体層自体がエンボス
加工によって潰れ易くなる。30重量%を越える場合に
は、A/B<1となり易くソフトな表面タッチは得られ
やすい反面、基体上層に付与されるポリウレタンの量が
多くなりそれにともない風合いが硬くなる傾向がある。
にポリウレタン液をコートするには、該基体層にポリウ
レタン溶液を含浸後に続いてコートする方法、あるいは
含浸後に凝固浴中で基体層のポリウレタンを凝固させ、
乾燥後にポリウレタン液をコーティングする方法がある
が、基体層と表面多孔層の密着性を考えると、含浸後に
引き続いてコートし、その後に基体層と表面多孔層を同
時に凝固する方法が好ましい。密着とは基体表面層と表
面多孔層が実質的に該2層以外の物質を介さず連続的に
結合している状態を言う、そして部分的に接している状
態と異なる場合を言う。部分的に接している状態とは、
基体層表面にグラビアロール等でポリウレタン溶液等を
塗布し、表面多孔層を貼り合せることによって基体層表
面と表面多孔層とが点接着されている場合や、基体層表
面と表面多孔層とが架橋型ポリウレタン接着剤によりド
ライ接着されているような状態を言う。
られるポリウレタンは、溶液型または水分散型のポリウ
レタンが用いられる。そして固型分濃度が6〜25重量
%となるようにジメチルホルムアミドで代表される公知
の希釈溶剤または水分散液で希釈して充填するのが好ま
しい。6重量%未満の場合には、凝固後の表面多孔層形
成性や耐磨耗性が低下する傾向にあり、さらに空隙率が
大きくなることから天然皮革調の外観を付与するための
エンボス加工時に表面多孔層の厚みくたりが大きくなり
A/B>1となり易い傾向があることから天然皮革調の
外観は得られるが、ソフトな表面タッチが得られにくい
傾向にある。25重量%を越える場合には、表面多孔層
に付与されるポリウレタンの量が多くなりそれにともな
いA/B>1となり易く、よって反発感のある表面タッ
チとなる傾向がある。また、基体層中の上層部分に充填
するポリウレタン液の固形分濃度は表面多孔層を形成す
るために用いられるポリウレタン液の固型分濃度以上で
あることが基体上層の見掛け密度(B)が表面多孔層の
見掛け密度(A)よりも高くなる点から好ましい。
方法が用いられる。例えば、ポリウレタンの非溶剤を含
む液に浸漬して湿式凝固するか、ゲル化させた後加熱乾
燥する方法などが挙げられるが、繊維質基体層および表
面多孔層がソフトで均一な多孔構造を作ることが可能な
湿式凝固する方法が好ましく用いられる。また、ポリウ
レタン溶液には、必要に応じて着色剤、凝固調節剤、酸
化防止剤、分散剤等の添加剤を配合する。そして、発明
の効果を損なわない範囲内で少量別のポリウレタン等の
樹脂を添加させても良い。
細繊維からなる場合には、極細繊維発生型繊維を少なく
とも1成分の溶解剤若しくは分解剤で処理して、又は機
械的若しくは化学的処理により2成分の界面で剥離して
極細繊維束に変性する。極細繊維発生型繊維の変性処理
はポリウレタンを主体とする弾性樹脂の付与前であって
もよいが、極細繊維束に変性後に弾性樹脂を含浸、凝固
すると、弾性樹脂が極細繊維に接着し風合いが硬くなり
やすいため、弾性樹脂付与後に変性することが好まし
い。弾性樹脂付与前に変性処理を行った場合は、極細繊
維と弾性樹脂が接着しないようにポリビニルアルコール
などの溶解除去可能な仮充填剤を付与した後に弾性樹脂
を付与し、その後に該仮充填剤を除去することが好まし
い。
多孔層の見掛け密度(A)と該基体層中の上層部分の見
掛け密度(B)の比率がA/B<1であることがソフト
な表面タッチを有し、特にボールの用途に適する点で必
須である。より好ましくは、A/B<0.95、さらに
好ましくはA/B<0.90、特に好ましくはA/B<
0.85である。A/Bの値が1を越える場合には、従
来の公知技術によって得られる一般的な天然皮革並みの
密度勾配構造による充実感は得られるもののソフトなタ
ッチ特に表面のソフトなタッチが得られない。そして、
さらに基体上層の見掛け密度(B)は0.5g/cm3
以下であることが柔軟性および高い剥離強力を兼ね備え
た皮革様シートを得る点から好ましく、0.3〜0.5
g/cm 3であることが皮革様シートの充実感と柔軟性
を兼ね備えることからより好ましい。また、表面多孔層
の見掛け密度(A)は、0.20〜0.45g/cm3
であることがソフトな表面タッチを得る点から好まし
い。0.20g/cm3未満の場合には、ソフトな表面
タッチは得られるものの表面多孔層の空隙が大きくなる
傾向にあり、表面の耐摩耗性および剥離強力が低下する
傾向にある。0.45g/cm3を越えた場合には、空
隙が小さくなり、直下の基体上層部分との有意差が小さ
くなる傾向のためソフトな表面タッチが得られにくくな
る。なお、表面多孔層の見掛け密度(A)は、皮革様シ
ートの表面仕上げ層および繊維質基体層とを除くように
断面を3分割スライスし、分割された表面多孔層の重量
を見掛けの体積で除して測定した値であり、表面多孔層
と密着した繊維質基体層中の上層部分の見掛け密度
(B)の値を求める場合には、前記スライスにて表面多
孔層を除いた後、下層部分をスライス除去して(A)と
同様の方法で測定するが、測定を容易にするためには繊
維質基体層を作製するときに予め上層部分を構成するポ
リウレタンに測定重量に影響をおよぼさない程度に極少
量の着色剤を添加して下層部分のポリウレタンと区別で
きるように含浸・凝固しておいてから仕上げた後に着色
部分の繊維基体層すなわち上層部分を得るように断面を
スライス分割しその重量を見掛けの体積で除して測定し
た値をいう。
タンを主体とした弾性重合体からなり、表面多孔層を有
する繊維質基体層は、以下の方法で代表される公知の表
面仕上げ方法で仕上げることによって、天然皮革調の外
観を得ることが出来る。すなわち、顔料、染料等の着色
剤と樹脂とからなるインクをグラビアロール、リバース
ロール、スクリーン等の手法で基体表面に転写して着色
し、エンボスロールで型押しして天然皮革調のシボを再
現する。そして表面仕上げ層厚みは、特に制限はない
が、ソフトな表面タッチを得るためには表面多孔層の1
0分の1以下が好ましく、2〜10μmの範囲がより好
ましい。また、エンボス加工条件は、エンボスロールの
加熱温度100℃〜230℃の範囲が好ましい。加熱温
度が100℃未満の場合、多孔層を形成するポリウレタ
ン樹脂の軟化温度にもよるが、エンボス絞の掛かり斑が
発生する場合があり、230℃を越えた場合には、絞の
くずれが生じたり基体層中のポリウレタン樹脂の軟化に
も影響を与え風合いが硬くなる場合がある。エンボスロ
ールのプレス圧力は0.5kg/cm2〜15kg/c
m2の範囲が好ましい。0.5kg/cm 2未満の場
合、エンボス絞の掛かり斑が発生する場合があり、15
kg/cm2を越えた場合には、基体層下層にくたりを
生じ風合いが硬くなる場合がある。得られる皮革様シー
トの柔軟性と天然皮革調の外観を兼ね備える為、さらに
好ましくは、加熱温度120℃〜190℃、プレス圧力
1kg/cm2〜6kg/cm 2の範囲で、さらにエン
ボスロール表面温度を表面多孔層を構成するポリウレタ
ンの軟化点以上の高温に加熱し低プレスでエンボス加工
することが絞の掛かりと表面多孔層の見掛け密度を極力
高めないといった目的を両立させる点で好ましい。これ
らの仕上げ方法によって得られた皮革様シートは、天然
皮革調の高級な外観を有するものであった。
理あるいは液流型染色機等でリラックス処理を行うこと
で、自然な揉みシワが入り、ソフト性も増し自然な高級
感を増すことができる。また、グラビア着色時に染料で
染色可能な樹脂を塗布しておき、エンボス後に染色機で
染料による着色を行うと透明感のある着色がされ、自然
なシュリンク等も表現され、さらにソフト性も増すの
で、より高い高級感が得られる。
に示す。図1は断面を示すものであるが、皮革様シート
の表面から、表面仕上げ層(1)、表面多孔層(2)、
繊維質基体層(3)の順に積層され、繊維質基体層は上
層(4)と下層(5)が存在する。
ては、以下の方法により評価している。 <測定サンプル作成>海成分としてメルトインデックス
70のポリエチレン50重量部および島成分として6−
ナイロン50重量部を同一溶融系で溶融紡糸して、単繊
維繊度10dtex、島数約300の複合繊維を製造し
た。この複合繊維を3.0倍に延伸し、捲縮を付与した
後、繊維長51mmに切断し、カードで解繊した後クロ
スラッパーウェバーでウェブとした。次に、9バーブの
ニードル針でパンチ数500パンチ/cm2の条件でニ
ードルパンチを行い、120℃に加熱したロールでプレ
スし、厚み2.17mm、目付650g/m2、密度
0.30g/cm3の繊維絡合不織布を作成する。この
不織布に評価するポリウレタンの13%ジメチルホルム
アミド(以下DMFと略すこともある)溶液を含浸し、
DMF/水=30/70、温度40℃の凝固浴中で凝固
して、多孔構造体とする。続いて、水洗後、複合繊維中
のポリエチレンを90℃に加熱したトルエンにて抽出除
去して、0.01dtexの6−ナイロン極細繊維束状
繊維とポリウレタンとからなるサンプルを作成する。
150℃に加熱された平板金型にクリアランスなしで
2.0kg/cm2の圧力で挟み、10秒間圧着する。
その後、平板金型で圧縮された後の厚みを3点測定し、
これらの平均をTとする。Tを対熱変形固定性と定義
し、大きい程つぶれにくく、小さい程つぶれ易い。比較
するサンプル同士の圧縮された後の厚み(T1:表面多
孔層構成するウレタン樹脂使用時の圧縮された後の厚
み、T2:基体層中の上層部分を構成するウレタン樹脂
使用時の圧縮された後の厚み)の比を算出し、これを対
熱変形固定性比と呼ぶ。 対熱変形固定性比=T2/T1
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。な
お、実施例中の部及び%は断わりのない限り重量に関す
るものである。本発明でいう単繊維繊度は、繊維束の断
面の顕微鏡写真から、繊維束を構成する極細繊維の本数
を数え、繊維束のトータル繊度を該本数で除した値であ
る。
て6−ナイロン50重量部を同一溶融系で溶融紡糸し
て、繊度10dtexの複合繊維を製造した。この複合
繊維を3.0倍に延伸し、捲縮を付与した後、繊維長5
1mmに切断し、カードで解繊した後クロスラッパーウ
ェバーでウェブとした。次に、ニードルパンチにより、
目付650g/m2、見掛け密度0.32g/cm3の
繊維絡合不織布とした。
コール、ポリメチレンプロピレンアジペート、メチレン
ジアミンが5:2:3の重量比で構成され、n−ヘキサ
ンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタン−ジ
イソシアネート、エチレングリコールで共重合された1
00%モジュラス60kg/cm2のポリカーボネート
系ポリウレタン13%ジメチルホルムアミド溶液(T3
(基体層中の下層部分を構成するウレタン使用時の圧縮
された後の厚みであり、測定方法はT1、T2と同様の
方法。)=0.80mm)を含浸後にナイフを押し当て
て、不織布厚みの70%まで圧縮し、その直後にソフト
セグメントがポリテトラメチレングリコール、ポリカプ
ロラクトン、ポリエチレングリコールが67.5:2
2.5:10の重量比で構成され、4,4′−ジフェニ
ルメタン−ジイソシアネート(以下MDIと略す)、
4,4′−ジアミンジフェニルメタン(以下DAMと略
す)、エチレングリコール(以下EGと略す)で共重合
された100%モジュラス50kg/cm2のポリウレ
タンの20%ジメチルホルムアミド溶液(T2=1.0
5mm)をコートし浸透させた後、浸透しきれなかった
溶液をナイフでかきとった後の上面に、ポリヘキサカー
ボネートグリコール、ポリメチレンプロピレンアジペー
ト、メチレンジアミンが5:2:3の重量比で構成さ
れ、n−ヘキサンジイソシアネート、MDI、EGで共
重合された100%モジュラス60kg/cm2のポリ
カーボネート系ポリウレタン13%ジメチルホルムアミ
ド溶液(T1=0.80mm)をコートし、DMF/水
=30/70の比率の凝固浴中で凝固して、多孔構造体
とした。
ンを抽出除去して、0.01dtexの極細繊維からな
る6−ナイロン極細繊維束状繊維とポリウレタンとから
なり、厚さ0.18mmの表面多孔層を有する厚さ1.
3mmの繊維質基体を得た。なお、表面多孔層と基体層
中の上層部分のポリウレタンの対熱変形固定性比は、
1.3であった。この基体中の表面多孔層に接する基体
上層部のポリカーボネート・エーテル系ポリウレタンの
層は、厚みが0.3mm、繊維とポリウレタンの比率
は、重量比50/50であり、その下層部は、繊維とポ
リウレタンの比は、重量比60/40であった。
ン液をグラビアロールで塗布し、固形分で5g/m2の
着色層を形成した。その後、150℃に加熱したエンボ
スロールを10秒間プレス圧1.3kg/cm2で型押
しし、天然皮革調模様を付与した。得られた皮革様シー
トをスライス分割し測定した見掛け密度表面多孔層
(A)と基体上層(B)はそれぞれ(A)=0.35g
/cm3、(B)=0.42g/cm3、A/B=0.
83であった。さらに揉み機で揉むことで、天然皮革調
の自然な外感とソフトな外感を有し、さらに目標とする
剥離強力を上回る2.5kg/cm以上が得られた。上
記皮革様シートを用いてバスケットボールを作製したと
ころ天然皮革調の優美な外観、ソフトな表面タッチ、優
れたハンドリング性、柔軟性および高い剥離強力を兼ね
備えたものであった。
ングリコール、ポリカプロラクトンが70:30の重量
比であり、MDI、DAM、EGで共重合された100
%モジュラス50kg/cm2のポリウレタンの18%
ジメチルホルムアミド溶液(T2=1.05mm)をコ
ートし、ロールでこすり付けるように浸透させ、浸透し
きれなかった溶液をナイフでかきとった後、下層より1
00%モジュラス40kg/cm2ポリカーボネート系
ポリウレタンを主体とするポリウレタン13%ジメチル
ホルムアミド溶液をロールでパンより持ち上げ、こすり
付けるように含浸し、浸透しきれなかった溶液をナイフ
でかきとった後、不織布の上層面に、100%モジュラ
ス60kg/cm2のポリカーボネート系ポリウレタン
13%ジメチルホルムアミド溶液(T1=0.80m
m)をコートし、DMF/水=25/75の比率の凝固
浴中で凝固して、多孔構造体とした。
ンを抽出除去して、0.01dtexの極細繊維からな
る6−ナイロン極細繊維束状繊維とポリウレタンとから
なり、厚さ0.18mmの表面多孔層を有する厚さ1.
3mmの繊維質基体を得た。なお、表面多孔層と基体層
上層のポリウレタンの対熱変形固定性比は、1.3であ
った。この基体中の表面多孔層に接する基体上層部のエ
ーテル系ポリウレタンの層は、厚みが0.3mm、繊維
とポリウレタンの比率は、重量比55/45であり、そ
の下層部は、繊維とポリウレタンの比は、重量比60/
40であった。
ン液をグラビアロールで塗布し、固形分で5g/m2の
着色層を形成した。その後、150℃に加熱したエンボ
スロールを8秒間プレス圧1.3kg/cm2で型押し
し、天然皮革調模様を付与した。得られた皮革様シート
をスライス分割し測定した見掛け密度表面多孔層(A)
と基体上層(B)はそれぞれ(A)=0.31g/cm
3、(B)=0.40g/cm3、A/B=0.78で
あった。さらに揉み機で揉むことで、天然皮革調の自然
な外感とソフトな外感を有し、さらに目標とする剥離強
力を上回る2.3kg/cm以上が得られた。上記皮革
様シートを用いてバスケットボールを作製したところ天
然皮革調の優美な外観、ソフトな表面タッチ、優れたハ
ンドリング性、柔軟性および高い剥離強力を兼ね備えた
ものであった。
布に、100%モジュラス40kg/cm2ポリカーボ
ネート系ポリウレタンを主体とするポリウレタン13%
ジメチルホルムアミド溶液を含浸後にナイフを押し当て
て、不織布厚みの70%まで圧縮し、その直後に100
%モジュラス60kg/cm2ポリカーボネート系ポリ
ウレタンを主体とするポリウレタン13%ジメチルホル
ムアミド溶液(T2=0.80mm)をコートし、不織
布の回復力を利用して浸透させた後、浸透しきれなかっ
た溶液をナイフでかきとった後、さらに同一の100%
モジュラス60kg/cm2のポリカーボネート系ポリ
ウレタン20%ジメチルホルムアミド溶液(T1=0.
80mm)をコートし、DMF/水=25/75の比率
の凝固浴中で凝固して、多孔構造体とした。
ンを抽出除去して、0.01dtexの極細繊維からな
る6−ナイロン極細繊維束状繊維とポリウレタンとから
なり、厚さ0.2mmの表面多孔層を有する厚さ1.3
mmの繊維質基体を得た。なお、表面多孔層と基体層上
層のポリウレタンの対熱変形固定性比は、1.0であっ
た。この基体中の表面多孔層に接する基体上層部のポリ
カーボネート系ポリウレタンの層は、厚みが0.3m
m、繊維とポリウレタンの比率は、重量比60/40で
あり、その下層部は、繊維とポリウレタンの比は、重量
比60/40であった。
ン液をグラビアロールで塗布し、固形分で5g/m2の
着色層を形成した。その後、150℃に加熱したエンボ
スロールを10秒間プレス圧1.8kg/cm2で型押
しし、天然皮革調模様を付与した。得られた皮革様シー
トをスライス分割し測定した見掛け密度表面多孔層
(A)と基体上層(B)はそれぞれ(A)=0.42g
/cm3、(B)=0.38g/cm3、A/B=1.
11であった。さらに揉み機で揉むことで、天然皮革調
の自然な外感、柔軟性、および充実感を有し、さらに剥
離強力が2.0kg/cm程度であった。しかしながら
エンボス型押し時に多孔表皮層のみならず、基体層も圧
縮変形し、風合いの硬いものとなり、高級感の乏しいも
のとなった。上記皮革様シートを用いてバスケットボー
ルを作製したところ天然皮革調の優美な外観、高い剥離
強力を有するが柔軟性に劣り、さらにソフトな表面タッ
チが得られず使用時にプラスチックライクな触感を有す
るものでハンドリング性に劣ったものであった。
布に、ポリヘキサカーボネートグリコール、ポリメチレ
ンプロピレンアジペート、メチレンジアミンが5:2:
3の重量比で構成され、n−ヘキサンジイソシアネー
ト、MDI、EGで共重合された100%モジュラス6
0kg/cm2のポリカーボネート系ポリウレタン13
%ジメチルホルムアミド溶液(T3(基体層中の下層部
分を構成するウレタン使用時の圧縮された後の厚みであ
り、測定方法はT1、T2と同様の方法。)=0.80
mm)を含浸後にナイフを押し当てて、不織布厚みの7
0%まで圧縮し、その直後にソフトセグメントがポリテ
トラメチレングリコール、ポリカプロラクトン、ポリエ
チレングリコールが67.5:22.5:10の重量比
で構成され、4,4′−ジフェニルメタン−ジイソシア
ネート(以下MDIと略す)、4,4′−ジアミンジフ
ェニルメタン(以下DAMと略す)、エチレングリコー
ル(以下EGと略す)で共重合された100%モジュラ
ス50kg/cm2のポリウレタンの13%ジメチルホ
ルムアミド溶液(T2=1.05mm)をコートし浸透
させた後、浸透しきれなかった溶液をナイフでかきとっ
た後の上面に、ポリヘキサカーボネートグリコール、ポ
リメチレンプロピレンアジペート、メチレンジアミンが
5:2:3の重量比で構成され、n−ヘキサンジイソシ
アネート、MDI、EGで共重合された100%モジュ
ラス60kg/cm2のポリカーボネート系ポリウレタ
ン18%ジメチルホルムアミド溶液(T1=0.80m
m)をコートし、DMF/水=30/70の比率の凝固
浴中で凝固して、多孔構造体とした。
ンを抽出除去して、0.01dtexの極細繊維からな
る6−ナイロン極細繊維束状繊維とポリウレタンとから
なり、厚さ0.2mmの表面多孔層を有する厚さ1.3
mmの繊維質基体を得た。なお、表面多孔層と基体層中
の上層部分のポリウレタンの対熱変形固定性比は、1.
3であった。この基体中の表面多孔層に接する基体上層
部のポリカーボネート系エーテル系ポリウレタンの層
は、厚みが0.3mm、繊維とポリウレタンの比率は、
重量比60/40であり、その下層部は、繊維とポリウ
レタンの比は、重量比60/40であった。
ン液をグラビアロールで塗布し、固形分で5g/m2の
着色層を形成した。その後、150℃に加熱したエンボ
スロールを10秒間プレス圧1.3kg/cm2で型押
しし、天然皮革調模様を付与した。得られた皮革様シー
トをスライス分割し測定した見掛け密度表面多孔層
(A)と基体上層(B)はそれぞれ(A)=0.40g
/cm3、(B)=0.37g/cm3、A/B=1.
08であった。さらに揉み機で揉むことで、天然皮革調
の自然な外感、柔軟性、および充実感を有し、さらに剥
離強力が2.0kg/cmの皮革様シートが得られた。
しかしながら、ソフトな表面タッチに劣るものであっ
た。上記皮革様シートを用いてバスケットボールを作製
したところ天然皮革調の優美な外観、柔軟性および高い
剥離強力は得られたものの、ソフトな表面タッチ、優れ
たハンドリング性に乏しいものであった。
性、特にソフトな表面タッチを有し、高い剥離強力を兼
ね備えた皮革様シートに関するもので、一般的な皮革代
替用途、特にボールの用途に好ましく使用することがで
きる。
ある。
Claims (5)
- 【請求項1】三次元絡合不織布の絡合空間にポリウレタ
ンを主体とする弾性樹脂が充填された繊維質基体層、繊
維質基体層の表面に密着したポリウレタンからなる表面
多孔層、および表面仕上げ層とからなり、該表面多孔層
の見掛け密度(A)と該表面多孔層と密着した繊維質基
体層中の上層部分の見掛け密度(B)の比率がA/B<
1であることを特徴とする皮革様シート。 - 【請求項2】繊維質基体層中の上層部分を構成するポリ
ウレタンが表面多孔層を構成するポリウレタンより熱変
形しにくいポリウレタン樹脂である請求項1に記載の皮
革様シート。 - 【請求項3】繊維質基体層中の上層部分の見掛け密度
(B)が0.5g/cm3以下である請求項1または2
に記載の皮革様シート。 - 【請求項4】繊維質基体層を構成する繊維が単繊維繊度
0.2dtex以下の極細繊維からなる請求項1〜3い
ずれかに記載の皮革様シート。 - 【請求項5】請求項1〜4いずれかに記載の皮革様シー
トを用いたボール。
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---|---|---|---|
JP2002094811A JP3961327B2 (ja) | 2002-03-29 | 2002-03-29 | 皮革様シート |
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JP2002094811A JP3961327B2 (ja) | 2002-03-29 | 2002-03-29 | 皮革様シート |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003293270A true JP2003293270A (ja) | 2003-10-15 |
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---|---|---|---|
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JP (1) | JP3961327B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009030196A (ja) * | 2007-07-26 | 2009-02-12 | Kuraray Co Ltd | 皮革様シートおよびその製造方法 |
WO2023058596A1 (ja) | 2021-10-08 | 2023-04-13 | セーレン株式会社 | 合成皮革及び表皮材 |
-
2002
- 2002-03-29 JP JP2002094811A patent/JP3961327B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2023058596A1 (ja) | 2021-10-08 | 2023-04-13 | セーレン株式会社 | 合成皮革及び表皮材 |
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