JP2002339261A - 皮革様シートおよびその製造方法 - Google Patents

皮革様シートおよびその製造方法

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JP2002339261A
JP2002339261A JP2001140796A JP2001140796A JP2002339261A JP 2002339261 A JP2002339261 A JP 2002339261A JP 2001140796 A JP2001140796 A JP 2001140796A JP 2001140796 A JP2001140796 A JP 2001140796A JP 2002339261 A JP2002339261 A JP 2002339261A
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sheet
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Hideaki Adachi
秀昭 足立
Yoshihiro Tanba
善博 丹波
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な柔軟性および充実感と優れた高級な折
れシワを呈し、皮革様の表面感を有する皮革様シートを
環境への負荷を減らして製造すること。 【解決手段】 繊維絡合体及びその内部に含有された樹
脂の水性分散液により付与される弾性重合体からなる基
体層の少なくとも一面に、厚さ30〜500μmのポリ
ウレタン繊維からなる不織布を重ね合わせ、加熱加圧し
て該ポリウレタン繊維を融着させると共に基体層と積層
一体化して皮革様シートを製造する。また、この皮革様
シートへ着色剤含有樹脂の水性分散液をグラビアコーテ
ィングして皮革様シートを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、皮革様シートの製
造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、環境への
負荷の大きいポリウレタンの有機溶剤溶液を実質的に使
用することなく製造可能であり、かつ、その被覆層とそ
の下に存在している基体層との間で一体感のある風合い
を有し、天然皮革ライクな折れシワを呈し、高級な外観
を有する皮革様シートの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から人工皮革として、ポリウレタン
で代表される弾性樹脂が繊維絡合体に充填された基体層
の表面を仕上げ処理したものが用いられているが、充填
された樹脂が天然皮革様の風合いを有するものとするた
めに、一般に弾性樹脂の有機溶剤溶液、例えばポリウレ
タンのジメチルホルムアミド(以下DMFと記載)溶液
を繊維絡合体に含浸して湿式凝固する方法が用いられて
いる。また、人工皮革の表面として、ポリウレタンの有
機溶剤溶液を基体層上に塗布し、湿式凝固または乾式凝
固させる方法が一般に用いられているが、この場合にも
環境に対して悪影響を及ぼすこととなる。しかし、この
ような人工皮革を製造するには、環境に負荷の大きいD
MFなどの有機溶剤を使用しなければならない。
【0003】このようなポリウレタンなどの含浸樹脂お
よびその凝固工程において脱有機溶剤プロセスの開発が
望まれている。このため、ポリウレタンを有機溶剤溶液
ではなく、水性分散液の形で不織布へ付与することが行
われているが、湿式凝固とは異なり、繊維を強く拘束し
て、いわゆる糊付けして固体化するために、得られる皮
革様シートの風合いは硬く、かつ、その断面構造を観察
すると、樹脂成分も繊維成分もない空隙が多かったり、
乾燥時に樹脂が表面に移行する、マイグレーションと呼
ばれる現象が発生するために充実感がない風合いを呈し
たり、いわゆる安っぽい感じを与える大きいシワ(ボキ
折れ)が発生したり、引裂強力などの物性が低下したり
する。
【0004】このような欠点を改善するために、水性分
散液を使用した場合でも、繊維を拘束しにくくするため
に、特公昭55−51076号公報や特公昭59−18
23号公報に見られるような感熱ゲル化タイプのポリウ
レタン分散液を使用する方法や、特開2000−290
879号公報に見られるスチームを使用した水性分散液
のゲル化による方法、特開2000−160484号公
報に見られるマイクロウェーブ使用による分散液のゲル
化による方法など、数多くの改良が提案されており、樹
脂による繊維の拘束やマイグレーションを抑制すること
により、上記した欠点の改善が認めらてきている。しか
し、未だ湿式凝固を使用した場合に得られる皮革様シー
トに匹敵する充実感、柔軟性、折れ感などの風合いを呈
するには至っていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このよう
に、現在、天然皮革や高級な人工皮革並みの風合いを呈
する皮革様シートを製造するために用いられている有機
溶剤などの環境への負荷の大きい薬剤を使用することな
く、風合い、折れ感に優れた皮革様シートを製造するこ
とを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、有機溶剤
や高濃度のアルカリ液などの環境への負荷の大きい薬剤
を使用することなく、かつ、天然皮革や高級な人工皮革
並みの風合いを呈する皮革様シートの製造方法を鋭意検
討した結果、弾性樹脂が繊維絡合体に充填されている基
体層の少なくとも片面にポリウレタン被覆層が形成され
た皮革様シートを製造する方法において、下記〜を
満足していることを特徴とする皮革様シートの製造方
法。 充填される際の該弾性樹脂が水性分散液の樹脂である
こと、 該ポリウレタン被覆層が、ポリウレタン繊維不織布か
ら形成されたものであること、 該ポリウレタン被覆層が、その表面に直径300μ以
下の微細孔を100個/cm以上有していること、 を見出し、また、この皮革様シートへ着色剤含有樹脂の
水性分散液をグラビアコーティングすることで天然皮革
並の折れシワなどの表面感を呈する皮革様シートが得ら
れることを見出した。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に用いる繊維絡合体は、適
度の厚みと充実感を有し、かつ柔軟な風合いを有するも
のでよく、従来から皮革様シートの製造に使用されてい
る各種の繊維絡合体を使用することができる。このよう
な繊維絡合体としては、例えば、通常の合成繊維、収縮
性繊維、潜在自発伸長性収縮性繊維、多層貼り合わせ型
潜在分割性繊維、中空多層貼り合わせ型潜在分割性繊
維、花弁型断面型潜在分割性繊維、中空花弁型断面型潜
在分割性繊維、中空極細繊維またはその束状繊維、特殊
多孔質繊維、半合成繊維、天然繊維などを単独または併
用して形成された繊維絡合体を挙げることができる。但
し、本発明の主旨からは、例えば0.1デシテックス以
下の極細ないし中細繊維を形成する際に海島型複合繊維
の海成分を抽出するためにトルエンやパークレンといっ
た有機溶剤や高濃度のアルカリ液を使用することは好ま
しくない。従って、極細ないし中細繊維を形成する手段
としては直接紡糸か、潜在分割性繊維を熱水や1%以下
の低濃度のアルカリ液などで割繊したり、揉み処理や表
面バフィング処理などにより行うことが好ましい。
【0008】繊維絡合体の厚みは得られる皮革様シート
の用途などによって任意に選択でき、特に制限されるも
のではないが、その厚みは0.2〜3.0mm程度であ
ることが好ましく、0.4〜2.5mm程度であること
がより好ましい。繊維絡合体の見かけ密度は、柔軟な風
合いを有する皮革様シートを得るためには0.10〜
0.60g/cmであることが好ましく、0.15〜
0.50g/cmであることがより好ましい。見かけ
密度が0.60g/cmより大きくなると、得られる
皮革様シートの腰がなくなったり、ゴムの様な風合いと
なる傾向がある。一方、見かけ密度が0.10g/cm
より小さくなると、反発性および腰感が劣り、天然皮
革のような風合いが損なわれる傾向がある。
【0009】また、上記の合成繊維を構成するポリマー
としては、6−ナイロン、66−ナイロンをはじめとす
る溶融紡糸可能なポリアミド類、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、カチオン可染型変性ポリエチレンテレ
フタレートをはじめとするポリエステル類、ポリプロピ
レンやポリエチレンで代表されるポリオレフィン類、ア
クリル系樹脂類、ビニルアルコール−エチレン共重合体
類、ポリビニルアルコール系重合体類、ポリウレタン、
ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマーな
どのエラストマー系樹脂類、ポリスチレン重合体類など
から選ばれた少なくとも1種類のポリマーが挙げられ
る。
【0010】本発明方法に用いられる弾性樹脂の水性分
散体液を構成する弾性樹脂としては、従来から皮革様シ
ートを製造する際に使用されている公知の弾性樹脂であ
ればいずれでもよい。このような弾性樹脂としては、例
えば、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミ
ドエラストマーで代表されるポリアミド系エラストマー
樹脂、ポリエステルエラストマーで代表されるポリエス
テル系エラストマー樹脂、弾性を有するポリスチレン系
樹脂、弾性を有するポリオレフィン系樹脂などがある
が、この中でも得られる皮革様シートに優れた充実感な
どの風合いを与えることから、ポリウレタン系樹脂やア
クリル系樹脂が好適に使用される。
【0011】付与方法としては、弾性の水性分散液を用
いて弾性樹脂を付与する公知の方法であればいずれも使
用可能であり、一般的にはウレタン系ないしはアクリル
系の水性分散液を繊維絡合体へ含浸して熱風、スチー
ム、マイクロ波、熱水浴などのいずれかの方法により樹
脂の固化またはゲル化および乾燥を行うエマルジョン法
を好適例として挙げることができる。そして、ポリウレ
タン系分散液、アクリル系分散液は水のみで分散された
水性分散液を使用することが環境への負荷が少ない皮革
様シートの製造方法となるため好ましい。また、これら
の分散液が感熱ゲル化性を有している場合、分散液粒子
のマイグレーションを引き起こすことなく感熱ゲル化さ
せ均一に付与することができる。分散液は乳化する界面
活性剤としてHLBの低いノニオン性界面活性剤で乳化
することによって、曇点が低くなり感熱ゲル化温度が下
がってゲル化しやすくなる。また、いわゆるマイグレー
ション防止剤と称する物質を感熱ゲル化剤として分散液
中に添加することにより感熱ゲル化性が得られる。添加
する感熱ゲル化剤としては、例えば、塩化カルシウムな
どの無機塩類とポリエチレングリコール型ノニオン性界
面活性剤、ポリビニルメチルエーテル、ポリプロピレン
グリコール、シリコーンポリエーテル共重合体、ポリシ
ロキサン等を挙げることができ、これらのうち1種また
は2種以上を用いることができる。
【0012】本発明に使用する樹脂の水性分散液には、
必要に応じて、更に公知の添加物、例えば、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、浸透剤などの界面活性剤、増粘剤、
防黴材、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセル
ロースなどの水溶性高分子化合物、染料、顔料、充填
剤、凝固調節剤、撥水剤や柔軟剤などに使用されている
シリコーン系あるいはフッ素系化合物などを配合するこ
とができる。
【0013】上記の要領で調製した分散液を繊維絡合体
へ含浸させ、プレスロールなどで絞るか、またはドクタ
ーナイフ等によって適量の含浸量とした後、直接50〜
150℃の乾燥機中で乾燥するか、70〜100℃の温
水浴中で凝固させるか、スチームを浴びせかけて凝固す
るか、スチーム雰囲気下において必要に応じて凝固した
後に、乾燥機中で乾燥させることで基体層を得ることが
できる。
【0014】樹脂の水性分散液を含浸、乾燥して得られ
る皮革様シートに付与される弾性樹脂の重量と繊維絡合
体の重量比は1/20〜3/2であることが好ましく、
1/10〜1/1であることがより好ましい。弾性樹脂
の付着量が上記範囲未満では得られる皮革様シートの充
実感が不足し、皮革様の風合いが悪くなる傾向がある。
一方上記範囲を越えると、得られる皮革様シートは硬く
なり、皮革様の風合いが悪くなる傾向がある。
【0015】本発明において、被覆層を構成する樹脂は
ポリウレタンであり、さらにその被覆層は、ポリウレタ
ン不織布を加熱加圧することによりフィルム化したもの
であり、このようなポリウレタン不織布(本発明におい
てポリウレタン不織布には不織布をフィルム化されたも
のも含む)から構成されたものであることにより、前記
した本発明の優れた性能が得られる。
【0016】本発明の、被覆層を構成するポリウレタン
としては、低分子ジオール、例えば、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等から選ば
れた少なくとも1種類とジカルボン酸、例えばアジピン
酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、イソフタル酸、テレフタル酸等から選ばれた少なく
とも1種類との縮合重合によって得たポリエステルジオ
ール、ポリエチレンエーテルグリコール、ポリプロピレ
ンエーテルグリコール、ポリテトラメチレンエーテルグ
リコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール等の
ポリエーテルグリコール、ポリカプロラクトングリコー
ル、ポリバレロラクトングリコール等のポリラクトング
リコールから選ばれた少なくとも1種類のポリマージオ
ールであって、平均分子量が500〜3000のポリマ
ージオールをソフトセグメントとするポリウレタンであ
る。とりわけジオールとジカルボン酸との縮合重合によ
って得た平均分子量700〜3000のポリエステルジ
オールを用いることがポリウレタンの溶融成形性、溶剤
安定性、耐加水分解性、耐候性、耐熱性、柔軟性、耐屈
曲性などの点で好ましい。
【0017】またポリマージオールと反応させる有機ジ
イソシアネートとしては、例えば4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、
フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネ
ート等の芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4.4’
−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添トリ
レンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート
等の脂肪族又は脂環族ジイソシアネート等から選ばれた
少なくとも1種類、又は溶融紡糸性或いは溶融成形性を
阻害しない範囲内で有機トリイソシアネート等のイソシ
アネート基を3個以上有する有機ポリイソシアネートを
併用してもよい。
【0018】そして鎖伸長剤としては、活性水素原子2
個有する分子量300以下の化合物、例えば、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペン
タンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、キシ
レングリコール等のジオール類、エチレンジアミン、プ
ロピレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジ
アミン、ピペラジン、フェニレンジアミン、トリレンジ
アミン、4,4’−ジフェニルメタンジアミン等のジア
ミン類、アジピン酸ヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラ
ジド等のヒドラジン或いはヒドラジド類等から選ばれた
少なくとも1種類が挙げられる。特に好ましくは、1,
4−ブタンジオールまたは3−メチル−1,5−ペンタ
ンジオールを主体とした鎖伸長剤をもちいたポリウレタ
ンである。
【0019】なお、該ポリマージオールと鎖伸長剤との
モル比は不織布の物性によって自由に変えることができ
るが、好ましくは1:2〜1:7程度である。また、こ
のようなウレタンを構成する成分に加えて、必要に応じ
て、更に公知の添加物、例えば、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、浸透剤などの界面活性剤、増粘剤、防黴材、染
料、顔料、充填剤、撥水剤や柔軟剤などに使用されてい
るシリコーン系あるいはフッ素系化合物などを配合する
こともできる。また、本発明の基体層は、必要に応じて
サーキュラー染色機や揉み処理機でリラックス処理や柔
軟化処理を行うこともできる。
【0020】次にポリウレタン繊維を主体とした繊維の
集合体によって構成された被覆層の製造方法としては、
例えば、ポリウレタンを溶融状態からメルトブロ−ン方
式でつくられた不織布を用いる方法が挙げられる。この
方法において用いられる不織布の厚みは30〜500μ
m、特に100〜400μmが好ましく、繊維直径とし
ては2〜20μm、特に4〜10μmの範囲が好まし
い。厚みが30μmよりも薄くなると、表面状態、とり
わけ、大きな安っぽいシワをなくす効果が弱くなり好ま
しくない。また、500μmよりも厚くなると、表面の
ウレタン不織布の風合いのみが顕著となり、スポンジラ
イクな触感となったり、物性面では表面の剥離現象が貼
合せ面ではなく、ウレタン不織布層間の剥離発生とな
り、剥離強力が弱くなる傾向があるといった問題を生じ
るため好ましくない。また、該不織布の繊維直径が2μ
m未満ではメルトブローン不織布作製工程時に繊維切れ
等の問題が発生し、20μmを越えるとポリウレタン不
織布の積層加熱加圧一体化処理時に不織布を構成してい
る繊維が十分にフィルム化せず、平滑性の乏しい皮革様
シートになるため好ましくない。
【0021】そして、基体層に含浸された弾性樹脂がポ
リウレタンの場合、例えば、ポリエステル系のポリウレ
タンであれば、被覆層形成ポリウレタン不織布もポリエ
ステル系ポリウレタンといったように、基体層に用いら
れたものと同系統のポリウレタンからなる不織布を用い
るのが接着性を考慮すると好ましい。この加熱溶融接着
させる方法としては、エンボスによる加熱プレスによっ
て該ポリウレタン繊維の軟化点から20℃〜80℃高い
温度でかつ圧力0.5〜7.0kg/cmで積層一体
化することが好ましい。軟化点に対して20℃以上高い
温度より低い温度で接着すると接着性不良が起こり、ま
た、80℃以上高い温度では微細孔がつぶれすぎて、表
面が硬い風合いとなり、さらに外観を損なう。ポリウレ
タンの軟化点は微量融点測定装置(YANAGIMOT
O XTZ−OL−22)により求められる。
【0022】次に貼り合わせ圧力としては、0.5〜
7.0kg/cmの範囲が好ましい。0.5kg/c
より低い圧力で積層すると接着性不良となり、7.
0kg/cmより高い圧力では風合いが硬くなってし
まう。こうして得られた被覆層の厚さは10〜100μ
mであることが基体層とのバランスや皮革様シートの風
合い、充実感の点で好ましい。ここでいう被覆層の厚さ
とは電子顕微鏡写真により求められる厚さの平均であ
る。
【0023】ポリウレタン不織布は、加熱加圧によりフ
ィルム化するがフィルムには微細孔が存在している。微
細孔の平均直径が300μmを越えるといらつき感を起
こし外観が悪化するため、300μ以下である必要があ
り、好ましくは100μ以下である。なお、ここで言
う、微細孔直径とは、穴の表面の面積と同一の面積を有
する円の直径と定義し、微細孔の面積はフィルム表面の
任意1cmをサンプリングした後、電子顕微鏡にて5
00倍の倍率で写真撮影を行い、存在する微細孔の平均
値とする。また、本発明において、ごく少量で本発明の
効果を損なわないならば直径300μmを越える気孔が
存在していても良い。
【0024】微細孔の存在個数は、フィルム表面の任意
1cmをサンプリングした後、電子顕微鏡にて500
倍の倍率で写真撮影を行い、存在する微細孔の個数と定
義し、100個/cm、好ましくは300個/cm
以上であり、その数が100個/cmよりも少ないと
表面が硬くなり、表面のみならず被覆層内の微細孔の減
少に繋がることによって基体層の影響を受け易く、風合
いおよび充実感に劣り、つっぱった折れシワを形成する
など外観が不良となる。また、その数が5000個/c
を越えると若干いらつき感が発生するため好ましく
ない。より好ましくは300個/cm以上3000個
/cm以下である。以上、該ポリウレタン不織布から
なる被覆層表面に存在する平均直径300μm以下の微
細孔を100個/cm以上有することによって、被覆
層中の最表面層に近い部分と基体層に近い部分との間に
何らかの差または勾配が生じ、水性分散液からなる弾性
樹脂が充填された基体層の影響を緩和し、天然皮革ライ
クな折れシワを呈し、かつ、いらつき感の発生を抑える
ことができる。また、ポリウレタン不織布の目付けは、
得られる皮革様シートの表面が優れることから、5〜1
50g/mであることが好ましく、より好ましくは1
0〜100g/mである。目付けが5g/mよりも
小さいものを使用すると、基体層の折れシワなどが表面
にそのまま影響する傾向にあり、さらに風合い面からも
好ましくなく、150g/mよりも大きいものを使用
すると表面の剥離物性が大きく低下する傾向にあるなど
物性面から好ましくない。
【0025】上記のごとく、積層一体化のための貼合せ
は加熱により行うが、この貼合せ処理は直接でもよい
が、水性の接着剤からなる接着剤層を介していてもよ
い。この場合に使用される水性の接着剤としては、公知
の接着能力を有する樹脂であればいずれでもよく、例え
ば、ポリウレタン系水性樹脂分散体、アクリル系水性樹
脂分散体、ポリ酢酸ビニル系水性樹脂分散体、ポリビニ
ルアルコール系水性樹脂分散体、エチレン−酢酸ビニル
系水性樹脂分散体、エチレン−ビニルアルコール系水性
樹脂分散体などを挙げることができる。このような水性
分散体は少量であるならばアルコール、メチルエチルケ
トン、トルエンなどの有機溶剤を含んでいても良いが、
本発明の主旨からは、水のみで分散されているものが好
ましい。
【0026】水性接着剤による接着成分の付与方法とし
ては、樹脂固形分を5.0〜50.0%として、ドク
ターナイフなどで必要量をコートするか、グラビアロ
ールなどを使用して必要量を転写するか、必要量を含
浸して、乾燥し、意図的にマイグレーションさせて接着
面側に移動させるなどによる方法を挙げることができ
る。
【0027】付着量としては、固形分量が基体層重量の
0.01%〜20%程度でよく、多孔質ポリウレタン不
織布を貼り合せる前に水分をあらかじめ乾燥することに
より完全に除去しておいても、ある程度乾燥して生乾き
の状態にしておいても、乾燥せずにおいてもよい。いず
れの場合でもこの後、多孔質ポリウレタン不織布を貼り
あわせ加熱加圧して基体層と積層一体化する際かそれ以
後の乾燥処理により同時に乾燥することができる。ま
た、接着を速やかにかつ均一にかつ強くするために、貼
合せ後も40℃〜150℃の熱ロールに数秒から数分の
間接触させることは有効であり、好適に採用される。ま
た、接着剤層を構成する接着成分として使用する樹脂の
水性分散液には、必要に応じて、更に公知の添加物、例
えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、浸透剤などの界面活
性剤、増粘剤、防黴材、染料、顔料、充填剤、撥水剤や
柔軟剤などに使用されているシリコーン系あるいはフッ
素系化合物などを配合してもよい。
【0028】さらに、上記の製造方法により得られた皮
革様シートに対してポリウレタン被覆層上に着色剤含有
樹脂の水性分散液をグラビアロールで塗布、乾燥を繰り
返すことができる。この場合の着色剤含有樹脂の水性分
散液も少量であるならばアルコール、メチルエチルケト
ン、トルエンなどの有機溶剤を含んでいても良いが、本
発明の主旨からは、水のみで分散されているものが好ま
しい。グラビアロールによる着色剤含有樹脂の水性分散
液の樹脂は通常の水性グラビアに使用されている公知の
樹脂であればいずれでもよいが、例えば、ポリウレタン
系水性樹脂分散液、アクリル系水性樹脂分散液、ポリ酢
酸ビニル系水性樹脂分散液、ポリビニルアルコール系水
性樹脂分散液、エチレン−酢酸ビニル系水性樹脂分散
液、エチレン−ビニルアルコール系水性樹脂分散液など
を挙げることができ、とりわけポリウレタン系水性樹脂
分散液が得られる皮革様シートの表面タッチや折れシワ
が良好で、ポリウレタン繊維からなる不織布との接着性
も優れることから好適に使用できる。
【0029】着色剤についても、公知の水分散系の顔料
及び染料ならばいずれでもよい。着色剤の含有量として
は弾性樹脂に対して固形分重量比率で0.5〜40%が
発色性の点で好ましい、また、顔料及び染料の色は所望
の色が使用可能である。また、このグラビアコーティン
グ液には、必要に応じて、更に公知の添加物、例えば、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、増粘剤、防黴
材、シルクプロテインなどの表面の風合いや物性を改良
する添加成分、カルボキシメチルセルロースなどの水溶
性高分子化合物、染料、充填剤、撥水剤や柔軟剤などに
使用されているシリコーン系あるいはフッ素系化合物な
どを配合することができる。グラビアコーティングによ
る着色方法としては、例えば、樹脂固形分を5〜50重
量%として、25〜600メッシュのグラビアロールに
より塗布と乾燥を繰り返し、必要に応じて熱処理による
キュアリングを実施すればよい。回数は、必要とする皮
革様シートの風合いや隠蔽の必要性に応じて適宜設定す
ればよいし、必要ならばグラビアロールの粗さを変更し
ながら多段階に処理をしてもよい。着色剤含有水性分散
液の塗布量として、皮革様シートの風合いの点から、好
ましくは乾燥後の固形分重量で5〜200g/mであ
る。次いで、必要に応じて公知の方法によって所望の意
匠を付与するエンボス型押し、染色、柔軟処理、モミ処
理等の仕上げ処理を行ってもよい。
【0030】本発明方法により得られる皮革様シート
は、環境への負荷を減らし、また、従来懸念されていた
残存する有機溶剤による人体への悪影響を極力減らして
製造することができ、かつ良好な柔軟性および充実感と
優れた皮革様の表面感を有し、マットレス、鞄内張り材
料、衣料、靴、クッション材、自動車内装材、壁材、カ
ーペット、スポーツシューズ、紳士靴、一般靴、鞄など
に好適に使用することができる。
【0031】
【実施例】以下に実施例によって本発明方法を具体的に
説明するが、本発明はそれによって何ら限定されるもの
ではない。また、実施例中の部及び%は断りのない限
り、重量に関するものである。
【0032】[皮革様シートの製造] 実施例1 ポリエチレンテレフタレートとナイロン6の重量比2/
1で形成された繊度3.3デシテックスの11分割多層
貼合せ繊維を51mmにカットして得たステープル繊維
を用いカード処理してクロスラップ法で積層ウエブと
し、ニードルパンチ法で繊維絡合し、熱処理して厚み
1.30mm、目付300g/m、見掛け密度0.2
0g/cmの繊維絡合体を得た。該繊維絡合体に大日
本インキ化学工業製水性ポリウレタン分散液、ボンディ
ック1310NSAを乾燥後の樹脂重量で不織布重量の
80重量%となるように含浸して乾燥し、これをサーキ
ュラー染色機中で130℃で40分間リラックス処理を
して基体層を得た。こうして得られた基体層の見掛け密
度は0.37g/cmであった。この基体層は、海成
分抽出型極細繊維とポリウレタンDMF溶液含浸から湿
式凝固によって得られるポリウレタンスポンジから形成
される高級な人工皮革に使用される基体層に比べて、そ
の折れシワは大きく陥没するように折れ(ボキ折れ)、
しなやかさは大きく劣るものであった。
【0033】次に平均分子量1150のポリ3ーメチル
ー1,5ーペンチルアジペートグリコールと4,4’−
ジフェニルメタンジイソシアネートおよび1,4ーブタ
ンジオールを1:4:3のモル比(イソシアネート基に
もとづく理論窒素量4.63%)で仕込みスクリユー式
混練型重合機を用い溶融重合法でポリウレタンを重合し
た。このポリウレタンの軟化点は125℃であった。得
られたポリウレタンは溶融状態のままメルトブロー法
で、温度260℃に加熱したダイオリフイスの両側にあ
るスロットから温度260℃に加熱した高速空気流で繊
維状溶融ポリウレタンを微細繊維状に搬送し、2m/分
で移動する金網上に捕集距離40cmの位置で捕集し
た。捕集したウエブは微細繊維のランダムウエブであ
り、平均目付74g/m、平均厚み300μm、見掛
け密度0.25g/cm3のポリウレタン繊維からなる
不織布を得た。
【0034】基体層の片面にエチレン−酢酸ビニル共重
合樹脂の水性分散液(固形分25%)をグラビアで80
g/m塗布し、その塗布面と得られたポリウレタン繊
維からなる不織布とを貼り合わせた後、170℃に昇温
したエンボスロールでプレス圧4kg/cmの圧力に
て加熱加圧一体化し、さらに100℃の熱ロールへ30
秒間接触させた後に乾燥して皮革様シートを得た。表面
には平均直径70μmの微細孔が約800個/cm
在しており、また被覆層の厚みは50μmであった。こ
の皮革様シートは、充実感があり、細かいシワを発生す
る良好な表面の風合いと高級な外観を有していた。
【0035】さらにこの皮革様シートに150メッシュ
グラビアロールにて大日精化工業製ポリウレタン分散液
レザミンW−2030の100重量部へ大日精化工業製
チタン系白顔料の水性樹脂分散体セイカセブンDW01
−409ブルーグレー5重量部を加えた配合液を5段塗
布/熱風乾燥し、さらに130℃で2分間乾燥後、ロー
ル温度145℃で毛絞模様のエンボスロールにてプレス
圧2.5kg/cmでエンボス処理を行い、皮革様シ
ートを得た。こうして環境への付加の大きい有機溶剤を
使用することなく得られた皮革様シートは銀面層と基体
層との間で一体感のある風合いを有し、天然皮革ライク
な折れシワを呈し、高級な外観を有するものであった。
【0036】比較例1 実施例1の基体層にポリウレタンメルトブロー不織布を
介することなく、直接、150メッシュグラビアロール
にて大日精化工業製ポリウレタン分散液レザミンW−2
030の100重量部に対し大日精化工業製チタン系白
顔料の水性樹脂分散体セイカセブンDW01−409ブ
ルーグレー5重量部を加えたものを5段塗布/熱風乾燥
を行い、さらに130℃で2分間乾燥後30μmのポリ
ウレタン被覆層を形成し、145℃のエンボスロールに
てプレス圧2.5kg/cmでエンボス処理を行った
が、基体層に存在する大きいシワや大きく陥没するよう
に折れ(ボキ折れ)、さらに実施例1に比べて風合いの
劣る皮革様シートであった。
【0037】比較例2 実施例1において使用するポリウレタン繊維からなる不
織布の平均厚みを8μmとした(平均目付2g/m
見掛け密度0.25g/cm3)以外は実施例1と全く
同様にして皮革様シートを作成した。得られたシートの
被覆層表面には直径400μmを越える微細孔が無数に
存在し、直径300μm以下の微細孔は70個に満たな
いものであった。そして、その折れシワは基体層を強く
反映して、大きく陥没するように折れ(ボキ折れ)、風
合いは実施例1で得られた皮革様シートに比べ大きく劣
るものであった。さらに実施例1と同様にしてグラビア
コーティングにより銀面層を形成したが、シワの状態は
不良であった。
【0038】比較例3 実施例1において使用するポリウレタン繊維からなる不
織布の平均厚みを700μmとした(平均目付172g
/m、見掛け密度0.25g/cm3)以外は実施例
1と全く同様にして皮革様シートを作成した。得られた
シートの被覆層表面には直径300μmを越える微細孔
が無数に存在し、直径300μm以下の微細孔は80個
に満たないものであった。そして、表面のウレタン不織
布の風合いのみが顕著となり、スポンジライクな触感
で、被覆層と基体層との一体感に欠けるものとなった。
【0039】実施例2 [皮革様シートの製造]70℃の温水中での収縮率が2
5%のポリエチレンテレフタレートステープル繊維(繊
度2.2デシテックス、長さ51mm)からカードとク
ロスラッパーを用いて目付け240g/mのウェブを
作成し、ニードルパンチ法で繊維絡合し、その後70℃
の温水中に2分間浸蹟して元の面積の56%に収縮させ
た。これをシリンダーベルト加圧機を用い155℃で加
圧処理し、目付け360g/m、厚さ1.2mm、見
掛け密度0.30g/cmの不織布を得た。この不織
布にシリコーン水系分散液を含浸し乾燥した後、大日精
化工業製水性ポリウレタン分散液、レザミンW−180
0を乾燥後の樹脂重量で不織布重量の60重量%となる
ように含浸して乾燥し、揉み処理を行い基体層を得た。
こうして得られた基体層の見掛け密度は0.45g/c
であった。この基体層は、海成分抽出型極細繊維と
ポリウレタンDMF溶液含浸から湿式凝固によって得ら
れるポリウレタンスポンジから形成される高級な人工皮
革に使用される基体層に比べて、その折れシワは大きく
陥没するように折れ(ボキ折れ)、しなやかさ、充実感
は大きく劣るものであった。
【0040】次に実施例1と同組成のポリウレタンを用
いて、同様の方法で、平均目付25g/m、平均厚み
100μm、見掛け密度0.25g/cm3のポリウレ
タン繊維からなる不織布を得た。この不織布を150℃
に昇温した鏡面ロールでプレス圧4kg/cmの圧力
にて溶融接着を行い、さらに100℃の熱ロールへ30
秒間接触させた後に乾燥して皮革様シートを得た。表面
には平均直径200μmの微細孔が約150個/cm
存在しており、また被覆層の厚みは90μmであった。
この皮革様シートは細かい折れシワを呈し、高級な外観
を有していた。
【0041】さらにこの皮革様シートに100メッシュ
グラビアロールにて大日本インキ化学工業製ポリウレタ
ン分散液ボンディック1320の100重量部へ水分散
タイプ茶顔料5部を加えたものを3段塗布/熱風乾燥を
行い、さらに130℃2分間乾燥後、145℃の毛絞模
様のエンボスロールにてプレス圧2.5kg/cm
エンボス処理を行い、さらに145℃の鏡面ロールにて
プレス圧1.0kg/cmで処理をして皮革様シート
を得た。こうして環境への付加の大きい有機溶剤を使用
することなく得られた皮革様シートは銀面層と基体層と
の間で一体感のある風合いと充実感を有し、天然皮革ラ
イクな折れシワを呈し、高級な外観を有するものであっ
た。
【0042】比較例4 加熱加圧をせずに室温(22℃)、同圧力で境面ロール
のプレス処理を実施して貼合せ処理をする以外は実施例
2と全く同様にして、皮革様シートを作成した。得られ
た皮革様シートは、被覆層に300μm以下の微細孔が
ほとんど存在せず、表面がざらついているため風合いは
実施例2に比べ劣るものであった。また、端部から被覆
層が手での弱い力で引き剥がされることが分かった。さ
らに実施例2と同様にしてグラビアコーティングにより
銀面層を形成したが、実施例2に比べて大きな安っぽい
シワが発生し、充実感および風合いの劣るものであっ
た。
【0043】比較例5 実施例1と同じポリウレタンからなる不織布を180℃
に昇温したエンボスロールでプレス圧6kg/cm
圧力にて溶融接着を行うこと以外は実施例2と全く同様
にして皮革様シートを作成した。得られた皮革様シート
は、300μm以下の微細孔が約50個/cmの被覆
層を形成するものであり、表面の折れシワが大きく、か
つ実施例1および2にはほとんど発生しない表面から凸
になるシワが多数発生し、皮革様の風合いを呈するもの
とはならなかった。さらに実施例2と同様にしてグラビ
アコーティングにより銀面層を形成したが、この傾向は
改善されず表面が硬く折れシワの大きい皮革様シートと
なった。
【0044】比較例6 平均分子量1150のポリ3−メチル−1,5−ペンチ
ルアジペートグリコールと4,4’−ジフェニルメタン
ジイソシアネートおよび1,4−ブタンジオールを1:
4:3のモル比(イソシアネート基にもとづく理論窒素
量4.63%)で仕込みスクリユー式混練型重合機を用
い溶融重合法でポリウレタンを重合した。このポリウレ
タンの軟化点は125℃であった。得られたポリウレタ
ンは、溶融状態のままメルトブロー法で温度260℃に
加熱したダイオリフイスの両側にあるスロットから温度
260℃に加熱した高速空気流で繊維状溶融ポリウレタ
ンを微細繊維状に搬送し、6m/分で移動する金網上に
捕集距離40cmの位置で捕集した。捕集したウエブは
微細繊維のランダムウエブであり、平均目付25g/m
、平均厚み105μm、見掛け密度0.24g/cm
3のポリウレタン繊維からなる不織布を得た。
【0045】この不織布を3枚重ね合せた後、150℃
に昇温した鏡面ロールでプレス圧4kg/cmの圧力
にて溶融接着を行い、さらに100℃の熱ロールへ30
秒間接触させた後に乾燥した以外は実施例2と全く同様
にして皮革様シートを得た。得られた皮革様シートは、
表面に直径400μm以上の微細孔が全微細孔中の25
%を占めると同時に直径300μm以下の微細孔が約6
0個/cm程度しか存在しない、厚み90μmの被覆
層を形成し、部分的に大きいシワが発生するため、実施
例2に比べ表面シワ感が大きく損なわれるものとなっ
た。さらに実施例2と同様にしてグラビアコーティング
により銀面層を形成したが、この傾向は改善されず銀面
層と基体層との間で一体感に劣り、充実感不足で、折れ
シワ感の大きい皮革様シートとなった。
【0046】
【発明の効果】本発明方法により得られる皮革様シート
は、環境への負荷を減らして製造することができ、銀面
層と基体層との間で一体感の有る風合いを有し、かつ良
好な柔軟性、充実感、および折れシワに優れた皮革様シ
ートである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られるような本発明の皮革様シー
トの代表的な断面の模式図である。
【図2】実施例2で得られるような本発明の皮革様シー
トの代表的な表面の模式図である。
【符号の説明】
1 表面層 2 被覆層 3 接着剤層 4 基体層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】弾性樹脂が繊維絡合体に充填されている基
    体層の少なくとも片面にポリウレタン被覆層が形成され
    た皮革様シートを製造する方法において、下記〜を
    満足していることを特徴とする皮革様シートの製造方
    法。 充填される際の該弾性樹脂が水性分散液の樹脂である
    こと、 該ポリウレタン被覆層が、ポリウレタン繊維不織布か
    ら形成されたものであること、 該ポリウレタン被覆層が、その表面に直径300μ以
    下の微細孔を100個/cm以上有していること、
  2. 【請求項2】基体層を構成する弾性樹脂と繊維絡合体と
    の重量比率が1/20〜3/2である請求項1記載の皮
    革様シートの製造方法。
  3. 【請求項3】基体層上にポリウレタン被覆層を形成する
    に際し、該基体層と該ポリウレタン被覆層間に接着剤層
    を付与して貼り合せる請求項1に記載の皮革様シートの
    製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の方法によ
    って得られる皮革様シートのポリウレタン被覆層上に着
    色剤含有樹脂の水性分散液を塗布、乾燥して表面層を形
    成する皮革様シートの製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法
    により得られる皮革様シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20170071026A (ko) * 2015-12-15 2017-06-23 (주)엘지하우시스 자동차 내장재용 표피재의 제조방법 및 자동차 내장재용 표피재
EP3854935A1 (en) * 2020-01-22 2021-07-28 San Fang Chemical Industry Co., Ltd. Artificial leather and manufacturing method thereof

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