JP2003293137A - 化学気相成長用原料及び該原料を用いた薄膜の製造方法 - Google Patents

化学気相成長用原料及び該原料を用いた薄膜の製造方法

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JP2003293137A JP2002103715A JP2002103715A JP2003293137A JP 2003293137 A JP2003293137 A JP 2003293137A JP 2002103715 A JP2002103715 A JP 2002103715A JP 2002103715 A JP2002103715 A JP 2002103715A JP 2003293137 A JP2003293137 A JP 2003293137A
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Kazuhisa Onozawa
和久 小野沢
Atsuya Yoshinaka
篤也 芳仲
Naoki Yamada
直樹 山田
Atsushi Sakurai
淳 桜井
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Adeka Corp
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Asahi Denka Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タンタル化合物とチタニウム化合物との混合
物からなる化学気相成長用原料、及び該化学気相成長用
原料を用いた化学気相成長用法によるチタニウム原子を
添加した酸化タンタル薄膜の製造方法を提供すること。 【解決手段】 下記一般式(I)で表されるタンタル化
合物、下記一般式(II)で表されるチタニウム化合物及
び必要に応じて用いられる有機溶媒からなり、上記タン
タル化合物と上記チタニウム化合物との熱酸化分解温度
の差が絶対値で50℃未満である化学気相成長用原料。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の組成物から
なる化学気相成長(以下、CVDと記載することもあ
る)用原料及び該CVD用原料を用いた特定の薄膜の製
造方法に関し、詳しくは、特定の構造を有するタンタル
化合物及びチタニウム化合物を必須成分として含有する
CVD用原料及び該CVD用原料を用いたCVD法によ
るチタニウム原子が添加された酸化タンタル薄膜の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】酸化タ
ンタルは、比較的高い誘電率を有するので、コンデンサ
やメモリ等のキャパシタ、ゲート等の半導体、電子部品
に応用されている。この酸化タンタルにチタニウム原子
を添加すると誘電率が飛躍的に向上することが、NAT
URE・VOL377 SEPTEMBER 1995
に報告されており、チタニウム原子を添加した酸化タン
タルは、更なる高集積化に対応できる薄膜材料として期
待されている。
【0003】薄膜の製造方法としては、火焔堆積法、ス
パッタリング法、イオンプレーティング法、塗布熱分解
法やゾルゲル法等のMOD法が挙げられるが、組成制御
性、段差被覆性に優れること、量産化に適すること、ハ
イブリッド集積が可能である等多くの長所を有している
ので、化学気相成長法が最適な製造プロセスである。チ
タニウムを添加した酸化タンタルのCVD法について
は、米国特許6221712号明細書で報告されてい
る。
【0004】上記のCVD法は、タンタル化合物とチタ
ニウム化合物とを個別に供給する方法であり、原料供給
系が2系列になること、組成制御が困難であること等の
問題を有している。
【0005】金属供給源化合物を混合した組成物を原料
にしたCVD法による多成分系の薄膜の製造は、特開平
10−114781号公報、特開2001−20036
7号公報、特開2001−234343号公報等に報告
されているが、チタニウム原子を添加した酸化タンタル
薄膜の製造について、CVD用原料に適合するものはな
かった。
【0006】従って、本発明の目的は、タンタル化合物
とチタニウム化合物との混合物からなるCVD用原料、
及び該CVD用原料を用いたCVD法によるチタニウム
原子を添加した酸化タンタル薄膜の製造方法を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成すべく検討を重ねた結果、特定の構造を各々有す
るタンタル化合物及びチタニウム化合物からなり、且つ
両者の熱酸化分解挙動が類似するものの組み合わせであ
るCVD用原料が、組成制御性に優れることを知見し、
本発明に到達した。
【0008】即ち、本発明は、下記一般式(I)で表さ
れるタンタル化合物、下記一般式(II)で表されるチタ
ニウム化合物及び必要に応じて用いられる有機溶媒から
なり、上記タンタル化合物と上記チタニウム化合物との
熱酸化分解温度の差が絶対値で50℃未満である化学気
相成長用原料、及び該化学気相成長用原料を用いた化学
気相成長法によるチタニウム原子が添加された酸化タン
タル薄膜の製造方法に関する。
【0009】
【化2】
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
詳細に説明する。
【0011】本発明に係る上記一般式(I)で表される
タンタル化合物は、公知の化合物であり、これらは、特
開平07−58835号公報、特開平8−260151
号公報、特開平08−46259号公報、WO9608
587、特開平13−247966号公報等で報告され
ている。
【0012】また、本発明に係る上記一般式(II)で表
されるチタニウム化合物は、公知の化合物であり、これ
らは、特開平5−271253号公報、特開平9−40
683号公報、特開平10−72475号公報、特開平
10−114781号公報、特開平11−199591
号公報、特開平11−255784号公報等で報告され
ている。
【0013】上記一般式(I)及び(II)において、R
a、Ra'、Rb及びRb’で表される各々独立に鎖中
に酸素原子を含んでもよい炭素数1〜10のアルキル基
は、配位子であるβ−ジケトン化合物由来の基であり、
Rc及びRc’で表される各々独立に鎖中に酸素原子を
含んでもよい炭素数1〜10のアルキル基は、アルコー
ル化合物由来の基である。これらのアルキル基として
は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、アミル、イ
ソアミル、第三アミル、1,1−ジメチルプロピル、
1,1−ジメチルブチル、ヘキシル、2−ヘキシル、3
−ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、2−ヘプチ
ル、3−ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、1−
メチルシクロヘキシル、n−オクチル、イソオクチル、
第三オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニ
ル、デシル、メトキシメチル、1−メトキシエチル、1
−メトキシ−1−メチルエチル、2−メトキシエチル、
2−メトキシ−1−メチルエチル、2−メトキシ−1,
1−ジメチルエチル、2−プロポキシ−1,1−ジメチ
ルエチル、3−メトキシ−1,1−ジメチルプロピル、
(2−メトキシエトキシ)メチル、1−(2−メトキシ
エトキシ)エチル、1−(2−メトキシエトキシ)−1
−メチルエチル、2−(2−メトキシエトキシ)エチ
ル、2−(2−メトキシエトキシ)−1−メチルエチ
ル、2−(2−メトキシエトキシ)−1,1−ジメチル
エチル等が挙げられる。また、Rbで表される炭素数1
〜10のアルコキシ基は、配位子化合物であるβ−ケト
エステル化合物由来の基であり、メトキシ、エトキシ、
プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、第二ブトキ
シ、イソブトキシ、第三ブトキシ、アミロキシ、オクト
キシ等が挙げられる。
【0014】Rd及びRd’で表される炭素数2〜10
の分岐してもよいアルキレン基とは、グリコールにより
与えられる基であり、該グリコールとしては、例えば、
1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、
1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、
2,4−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3
−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロ
パンジオール、2,2−ジエチル−1,3−ブタンジオ
ール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオ
ール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−1,3
−プロパンジオール、1−メチル−2,4−ペンタンジ
オール等が挙げられる。これらの中でも、金属元素とと
もに五員環若しくは六員環を形成するジオール又はそれ
らのアルキル基置換体から与えられる基が金属化合物の
安定性が大きいので好ましく、金属元素とともに六員環
を形成するジオールがより好ましい。
【0015】上記の一般式(I)で表されるタンタル化
合物の具体例としては、以下に示す化合物No.1〜N
o.14が挙げられる。
【0016】
【化3】
【0017】上記の一般式(II)で表されるチタニウム
化合物の具体例としては、以下に示す化合物No.15
〜No.39が挙げられる。
【0018】
【化4】
【0019】
【化5】
【0020】本発明に係る上記のタンタル化合物及びチ
タニウム化合物において、その製造方法は、特に制限を
受けることはなく、一般に公知の方法を用いることがで
きる。例えば、塩化物と、配位子化合物である該当する
β−ジケトン化合物、アルコール又はジオール化合物と
をナトリウム、アンモニア等の塩基の存在下で反応させ
て製造してもよく、メトキシド、イソプロポキシド、第
三ブトキシド等の低級アルコキシドと、該当する配位子
化合物との交換反応により製造してもよい。
【0021】交換反応による製造方法としては、例え
ば、低級アルコキシドと該当する配位子化合物(β−ジ
ケトン化合物とアルコール化合物又はβ−ジケトン化合
物とジオール化合物)との交換反応を一括で行う方法、
低級アルコキシドとアルコール化合物又はジオール化合
物との交換を行い、更に得られた中間体アルコキシドと
β−ジケトン化合物との交換反応を行う方法、低級アル
コキシドとβ−ジケトン化合物との交換反応を行い、そ
の後で残ったアルコキシ基とアルコール化合物又はジオ
ール化合物との交換反応を行う方法等が挙げられる。
【0022】本発明の化学気相成長用原料とは、上記の
タンタル化合物及びチタニウム化合物の熱酸化分解温度
の差が絶対値で50℃未満の組み合わせによる混合物及
び必要に応じて用いられる有機溶媒からなる。
【0023】上記の熱酸化分解温度とは、タンタル化合
物又はチタニウム化合物と酸素等の酸化性のガスとが反
応し、金属酸化物が生成する温度である。化合物によっ
ては、多段階の反応を経て金属酸化物に至るものがある
が、気体状態の化合物が加熱された基体上又はその基体
付近で酸化分解されて固体膜として堆積するCVDの機
構上、気相から固相になる第一段目の熱酸化分解温度が
重要である。タンタル化合物とチタニウム化合物との熱
酸化分解温度の差の絶対値が50℃以上であると、得ら
れる薄膜組成において、熱酸化分解温度の低い方の金属
元素が極端に不足する。
【0024】上記の熱酸化分解温度は、例えば、酸素中
での示差熱分析、TG−MS、熱分解ガスクロマトグラ
フ、TG−IR、加熱FT−IR等により測定できる。
【0025】本発明に係る上記のタンタル化合物とチタ
ニウム化合物との具体的な組み合わせとしては、後述の
実施例に詳細に記載するが、例えば、タンタル化合物が
上記化合物No.2の場合は、チタニウム化合物は、上
記化合物No.16、31、34、37又は38であ
り、タンタル化合物が上記化合物No.6の場合は、チ
タニウム化合物は、上記化合物No.16、18、2
3、25、31又は35であり、タンタル化合物が上記
化合物No.13の場合は、チタニウム化合物は、上記
化合物No.16、18、23、25、31又は35で
ある。
【0026】上記の組み合わせとしては、タンタル化合
物が上記一般式(I)のRcが炭素数1〜4のアルキル
基であり、mが5であるもの、即ちペンタアルコキシタ
ンタルであるものが入手も容易で低コストであるので、
これを用いたものが好ましく、上記化合物No.2であ
るペンタエトキシタンタルを用いたものがより好まし
い。
【0027】本発明の化学気相成長用原料において、タ
ンタル化合物とチタニウム化合物との組成比は特に限定
されず、所望の薄膜組成を与える範囲で設定されるもの
である。例えば、高誘電体キャパシタ用のチタニウム原
子が添加された酸化タンタル薄膜において、比誘電率の
最も大きくなる薄膜組成であるモル比Ta:Ti=9
2:8を与えるためには、本発明の化学気相成長用原料
中のタンタル化合物とチタニウム化合物との組成比は、
モル比において99:1〜50:50、好ましくは9
9:1〜70:30、より好ましくは95:5〜70:
30(Ta:Ti)である。
【0028】また、本発明に係る必要に応じて用いられ
る有機溶媒は、タンタル化合物とチタニウム化合物との
混合物からなる本発明の化学気相成長用原料がCVDプ
ロセスにおいて必要な流動性を有していない場合に用い
られるものである。該有機溶媒としては、特に制限を受
けることはなく周知一般の有機溶媒を用いることがで
き、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノー
ル、n−ブタノール等のアルコール類;酢酸エチル、酢
酸ブチル、酢酸メトキシエチル等の酢酸エステル類、エ
チレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコ
ールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル
等のエーテルアルコール類;テトラヒドロフラン、エチ
レングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチル
エーテル、ジブチルエーテル等のエーテル類;メチルブ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケ
トン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチル
アミルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサ
ノン等のケトン類;ヘキサン、シクロヘキサン、メチル
シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ヘプタン、オ
クタン、トルエン、キシレン等の炭化水素類、1−シア
ノプロパン、1−シアノブタン、1−シアノヘキサン、
シアノシクロヘキサン、シアノベンゼン、1,3−ジシ
アノプロパン、1,4−ジシアノブタン、1,6−ジシ
アノヘキサン、1,4−ジシアノシクロヘキサン、1,
4−ジシアノベンゼン等のシアノ基を有する炭化水素
類、ピリジン、ルチジンが挙げられ、これらは、溶質の
溶解性、使用温度と沸点、引火点の関係等によって適宜
選択される。
【0029】有機溶媒を用いる場合のタンタル化合物及
びチタニウム化合物(金属源化合物)の濃度について
は、特に制限を受けずに安定した溶液を提供できる範囲
であれば、いかなる濃度を用いてもよく、原料の輸送
量、膜製造時の成膜速度等により適宜選択される。該濃
度が0.05mol/リットルより小さいと金属源供給
性が低下し、成膜速度が小さくなる場合があり、0.5
mol/リットルを超えると原料の流動性が悪くなる、
析出等のトラブルが発生しやすくなる場合があるので
0.05〜0.5mol/リットルの範囲が好ましい。
【0030】また、本発明のCVD用原料は、必要に応
じて金属源化合物の安定性を付与するため求核性試薬を
含有してもよい。該求核性試薬としては、グライム、ジ
グライム、トリグライム、テトラグライム等のエチレン
グリコールエーテル類、18−クラウン−6、ジシクロ
ヘキシル−18−クラウン−6、24−クラウン−8、
ジシクロヘキシル−24−クラウン−8、ジベンゾ−2
4−クラウン−8等のクラウンエーテル類、エチレンジ
アミン、N,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ジ
エチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラ
エチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、1,
1,4,7,7−ペンタメチルジエチレントリアミン、
1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレ
ンテトラミン等のポリアミン類、サイクラム、サイクレ
ン等の環状ポリアミン類、アセト酢酸メチル、アセト酢
酸エチル、アセト酢酸−2−メトキシエチル等のβ−ケ
トエステル類又はβ−ジケトン類が挙げられ、これら求
核性試薬(安定剤)の使用量は、金属源化合物1モルに
対して0.1〜10モルの範囲で使用され、好ましくは
1〜4モルの範囲で使用される。
【0031】本発明のチタニウム原子が添加された酸化
タンタル薄膜の製造方法とは、上記の本発明の化学気相
成長用原料を用いた化学気相成長(CVD)法によるも
のである。CVD法とは、気化させた原料と必要に応じ
て用いられる反応性ガスを基板上に導入し、次いで、原
料を基板上で分解及び/又は反応させてセラミックスを
基板上に成長、堆積させる方法を指す。本発明の薄膜の
製造方法は、原料の輸送供給方法、堆積方法、製造条
件、製造装置等については、特に制限を受けるものでは
ない。
【0032】上記の必要に応じて用いられる反応性ガス
としては、例えば、酸素、オゾン、二酸化窒素、一酸化
窒素、水蒸気等が挙げられる。
【0033】上記の輸送供給方法としては、CVD用原
料を原料容器中で加熱及び/又は減圧することにより気
化させ、必要に応じて用いられるアルゴン、窒素、ヘリ
ウム等のキャリアガスと共に堆積反応部へと導入する気
体輸送法、CVD用原料を液体又は溶液の状態で気化室
まで輸送し、気化室で加熱及び/又は減圧することによ
り気化させて、堆積反応部へと導入する液体輸送法が挙
げられる。本発明の薄膜の製造方法としては、タンタル
化合物とチタニウム化合物との反応による揮発特性の変
化の影響を受けない液体輸送法が好ましい。
【0034】また、上記の堆積方法としては、原料ガス
又は原料ガスと反応性ガスを熱のみにより反応させセラ
ミックスを堆積させる熱CVD,熱とプラズマを使用す
るプラズマCVD、熱と光を使用する光CVD、熱、光
及びプラズマを使用する光プラズマCVD、CVDの堆
積反応を素過程に分け、分子レベルで段階的に堆積を行
うAL(atomic layer)−CVDが挙げら
れる。
【0035】また、上記の製造条件としては、反応温度
(基板温度)、反応圧力、堆積速度等が挙げられる。反
応温度については、CVD用原料である金属源化合物が
充分に反応する温度である200℃以上が好ましく、3
50〜800℃がより好ましい。また、反応圧力は、熱
CVD、光CVDの場合、大気圧〜10Paが好まし
く、プラズマを使用する場合は、10〜2000Paが
好ましい。また、堆積速度は、原料の供給条件(気化温
度、気化圧力、溶液供給量)、反応温度、反応圧力によ
りコントロールすることが出来る。堆積速度は、大きい
と得られる薄膜の比誘電率やリーク電流等の電気的な特
性が悪化する場合があり、小さいと生産性に問題を生じ
る場合があるので、0.1〜500nm/分が好まし
く、1〜100nm/分がより好ましい。
【0036】また、本発明の薄膜の製造方法において
は、薄膜堆積の後に、より良好な電気特性を得るために
アニール処理を行ってもよく、段差埋め込みが必要な場
合には、リフロー工程を設けてもよい。この場合の温度
は、600〜1200℃であり、700〜1000℃が
好ましい。
【0037】
【実施例】以下、評価例、実施例及び比較例をもって本
発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明は以
下の実施例等によって何ら制限を受けるものではない。
【0038】[評価例]タンタル化合物とチタニウム化
合物について、酸素100ml/分気流下、30℃から
10℃/分の昇温速度での示差熱分析によってそれぞれ
の熱酸化分解温度を測定した。熱酸化分解温度は、DT
A曲線で最初に現れた揮発による変化以外の発熱又は吸
熱ピークのトップ温度から読み取った。結果を以下に示
す。 (結果1)タンタル化合物 化合物No.2;310℃、化合物No.6;230
℃、化合物No.13;231℃。 (結果2)チタニウム化合物 化合物No.16;272℃、化合物No.18;22
5℃、化合物No.23;228℃、化合物No.2
5;238℃、化合物No.31;266℃、化合物N
o.34;281℃、化合物No.35;251℃、化
合物No.37;299℃、化合物No.38;309
℃。
【0039】上記の結果より、熱酸化分解温度の差が絶
対値で50℃未満のものについて、表1に纏めた。な
お、熱酸化分解温度の差は、タンタル化合物の熱酸化分
解温度からチタニウム化合物の熱酸化分解温度を引いた
値で示した。つまり、この値がプラスであることは、タ
ンタル化合物の熱酸化分解温度が高いことを表し、マイ
ナスの場合は、チタニウム化合物の熱酸化分解温度が高
いことを表す。以下の表2及び表3でも同様である。
【0040】
【表1】
【0041】[実施例1]化合物No.2と化合物N
o.16とを表2に記載の配合で混合して得たCVD用
原料を用いて、図1に示すCVD装置により、以下の条
件でチタニウムが添加された酸化タンタル薄膜を製造し
た。得られた薄膜について、タンタル金属含有量とチタ
ニウム金属含有量の測定を蛍光X線により行い、薄膜組
成モル比を求めた。結果を表2に示す。 (成膜条件)気化室温度:170℃、原料流量:20m
g/分、酸素ガス流量:140sccm、反応圧力:6
70Pa、反応時間:5〜60分、基板温度:450℃
【0042】[比較例]化合物No.2と化合物No.
18とを表2に記載の配合で混合して得たCVD用原料
を用いて、図1に示すCVD装置により、実施例1と同
様の条件でチタニウムが添加された酸化タンタル薄膜を
製造した。得られた薄膜について、実施例1と同様にタ
ンタル金属含有量とチタニウム金属含有量の測定を行
い、薄膜組成モル比を求めた。結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】[実施例2]表3に記載の配合によるCV
D用原料を用いて、図1に示すCVD装置により、実施
例1と同様の条件でチタニウムが添加された酸化タンタ
ル薄膜を製造した。得られた薄膜について、実施例1と
同様にタンタル金属含有量とチタニウム金属含有量の測
定を行い、薄膜組成モル比を求めた。結果を表3に示
す。
【0045】
【表3】
【0046】
【発明の効果】タンタル化合物とチタニウム化合物との
混合物及び必要に応じて用いられる有機溶媒からなる本
発明のCVC用原料を用いることで、チタニウム原子を
添加した酸化タンタル薄膜のCVD法による簡便な製造
方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の薄膜の製造方法に用いられる
CVD装置の一例を示す概要図である。
フロントページの続き (72)発明者 山田 直樹 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 (72)発明者 桜井 淳 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 Fターム(参考) 4K030 AA11 BA17 BA18 BA42 FA01 JA06 JA10 5F058 BA20 BC03 BF02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表されるタンタル化
    合物、下記一般式(II)で表されるチタニウム化合物及
    び必要に応じて用いられる有機溶媒からなり、上記タン
    タル化合物と上記チタニウム化合物との熱酸化分解温度
    の差が絶対値で50℃未満である化学気相成長用原料。 【化1】
  2. 【請求項2】 上記タンタル化合物と上記チタニウム化
    合物との組成比がモル比において99:1〜50:50
    (Ta:Ti)である請求項1に記載の化学気相成長用
    原料。
  3. 【請求項3】 上記一般式(I)のRcが炭素数1〜4
    のアルキル基であり、mが5である請求項1又は2に記
    載の化学気相成長用原料。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の化学気
    相成長用原料を用いた化学気相成長法によるチタニウム
    原子が添加された酸化タンタル薄膜の製造方法。
JP2002103715A 2002-04-05 2002-04-05 化学気相成長用原料及び該原料を用いた薄膜の製造方法 Pending JP2003293137A (ja)

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