JP2003293059A - 二次電池ケース用アルミニウム合金クラッド板および二次電池ケース - Google Patents

二次電池ケース用アルミニウム合金クラッド板および二次電池ケース

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JP2003293059A JP2002098351A JP2002098351A JP2003293059A JP 2003293059 A JP2003293059 A JP 2003293059A JP 2002098351 A JP2002098351 A JP 2002098351A JP 2002098351 A JP2002098351 A JP 2002098351A JP 2003293059 A JP2003293059 A JP 2003293059A
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secondary battery
battery case
aluminum alloy
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Ki Sai
祺 崔
Koichi Ohori
紘一 大堀
寿伸 ▲よし▼貝
Hisanobu Yoshigai
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Mitsubishi Aluminum Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高強度かつレーザー溶接性に優れ、薄肉化に
適した二次電池ケース用アルミニウム合金クラッド板お
よび二次電池ケースを提供する。 【解決手段】 高強度アルミニウム合金からなる第一の
層1と、レーザー溶接性に優れるアルミニウム合金から
なる第二の層2とから構成される二次電池ケース用アル
ミニウム合金クラッド板10およびこれを用いて形成さ
れた二次電池ケースにより、上記課題を解決する。この
とき、第一の層1の板厚をaとし、第二の層2の板厚を
bとしたときに、0.2≦a/(a+b)≦0.8の関
係式を満たすことが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノート型パーソナ
ルコンピュータや携帯電話などの電源となる二次電池ケ
ース用アルミニウム合金クラッド板およびこれを用いた
二次電池ケースに関し、特に、リチウムイオン二次電池
ケース用アルミニウム合金クラッド板に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】二次電池は、ノート型パーソナルコンピ
ュータや携帯電話などの携帯機器の電源として使用され
るため、小型かつ軽量であることが要求されている。こ
うした要求に対するものの一つとして、二次電池ケース
の薄肉化が検討されている。
【0003】そのような二次電池は、アルミニウム合金
板で製造された二次電池ケースに電極体等の電池材料を
入れた後、その二次電池ケースと蓋とをレーザー溶接し
て密封することにより製造される。そのため、使用され
る二次電池ケースには、優れたレーザー溶接性を有する
ことが要求されている。
【0004】また、製造された二次電池を携帯電話など
に使用した場合においては、その二次電池の充電時に、
二次電池の内部の温度が上昇して内部圧力が増加するこ
とがある。こうした二次電池の内部圧力の増加は、低強
度のアルミニウム合金板で製造された従来の二次電池ケ
ースに、大きな膨れを生じさせるという問題を起こし
た。そのため、二次電池ケースを、高強度のアルミニウ
ム合金板で形成することが検討されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ここで、高強度のアル
ミニウム合金板、例えば、JIS2000系、5000
系、6000系、7000系のアルミニウム合金からな
る板材は、二次電池ケースの薄肉化に適しており、そう
した合金板から形成された二次電池ケースは、膨れが生
じにくいものである。しかしながら、このような高強度
のアルミニウム合金は、MgやCuなどの合金元素を多
く含有するので、その含有する元素の影響により二次電
池ケースと蓋とのレーザー溶接性が低下し、二次電池ケ
ース材料としては用いることができないという問題があ
る。
【0006】そのため、従来は、MgやCuなどの合金
元素の含有量が制限されたJIS1000系またはJI
S3003をベースとした十分な強度を持たないアルミ
ニウム合金板を用いて二次電池ケースを製造せざるを得
ないという問題を残していた。こうしたアルミニウム合
金板は、レーザー溶接性については良好であるものの、
十分な強度を持たないので二次電池ケースをより薄肉化
させるための障害となり、二次電池の小型軽量化の要請
を妨げるという問題があった。
【0007】本発明は、上記問題を解決すべくなされた
ものであり、その目的は、高強度かつレーザー溶接性に
優れ、薄肉化に適した二次電池ケース用アルミニウム合
金クラッド板およびこれを用いた二次電池ケースを提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の二次電池ケース用アルミニウム合金クラッド板は、
高強度アルミニウム合金からなる第一の層と、レーザー
溶接性に優れるアルミニウム合金からなる第二の層とか
ら構成されることに特徴を有する。この発明によれば、
高強度の第一の層とレーザー溶接性に優れる第二の層と
いう二つの異なる作用効果を併せ持つので、このクラッ
ド板を用いれば、強度に優れ、しかもレーザー溶接性に
優れた二次電池ケースを製造できる。その結果、二次電
池ケースの薄肉化に寄与でき、さらには、二次電池の小
型軽量化の要請に応えることができる。
【0009】なお、本発明の二次電池ケース用アルミニ
ウム合金クラッド板において、前記第一の層の板厚をa
とし、前記第二の層の板厚をbとしたときに、0.2≦
a/(a+b)≦0.8の関係式を満たすことが好まし
い。
【0010】上記課題を解決する本発明の二次電池ケー
スは、上記本発明の二次電池ケース用アルミニウム合金
クラッド板で形成されたことに特徴を有する。この発明
によれば、作用の異なる二つの層を有するクラッド板で
二次電池ケースを形成したので、得られた二次電池ケー
スは、所望の強度を有し、レーザー溶接性に優れたもの
となる。その結果、本発明の二次電池ケースは、より一
層の薄肉化を達成でき、二次電池の小型軽量化の要請に
も応えることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の二次電池ケース
用アルミニウム合金クラッド板および二次電池ケースに
ついて、図面を参照しつつ説明する。
【0012】本発明の二次電池ケース用アルミニウム合
金クラッド板(以下、単に「クラッド板」ともいう。図
1を参照。)10は、高強度アルミニウム合金からなる
第一の層1と、レーザー溶接性に優れるアルミニウム合
金からなる第二の層2とから構成され、本発明の二次電
池ケースは、このクラッド板10で形成される。
【0013】(第一の層)第一の層1は、高強度のアル
ミニウム合金からなるものであり、後述する第二の層2
と共にクラッド板10を構成する。この第一の層1は、
形成された二次電池ケースに高い強度を持たせるように
作用し、二次電池ケースの薄肉化を達成するのに大きく
寄与する。
【0014】第一の層1に適用されるアルミニウム合金
は、クラッド板10に加工され、さらにそのクラッド板
で形成された二次電池ケースの強度が250MPa以上
であればよく、特に限定されない。なお、このときの強
度は、アルミニウム合金がクラッド板10に加工され、
さらにそのクラッド板で二次電池ケースが形成された
後、その二次電池ケースから切り出された所定寸法の試
験片を引張試験して得られた値で評価したものである。
【0015】そうしたアルミニウム合金の具体例として
は、JIS2000系のAl−Cu(−Mg)ベース合
金、JIS3000系のAl−Mn(−Mg)ベース合
金、JIS5000系のAl−Mgベース合金、JIS
6000系のAl−Mg−Siベース合金、JIS70
00系のAl−Zn−Mgベース合金等の高強度アルミ
ニウム合金が挙げられる。
【0016】第一の層1の厚さaは、0.1〜0.7m
m程度であることが好ましい。この第一の層1の厚さa
は、最終的な二次電池ケースの強度が250MPa以上
になることを考慮し、その二次電池ケースのクラッド板
の厚さ(a+b)と、a/(a+b)の値(すなわち、
クラッド板の厚さに対する第一の層の厚さの割合)とを
調整して決定される。
【0017】第一の層1が0.1〜0.7mmの範囲の
厚さaを有する場合においては、第一の層の厚さaと、
第二の層の厚さbとの関係が、下記式1の関係であるこ
とが好ましい。
【0018】
【式2】 すなわち、第一の層1が、少なくとも0.1mm以上の
厚さaを有すると共に二次電池ケースを構成するクラッ
ド板の厚さ(a+b)の20〜80%であれば、形成さ
れた二次電池ケースの引張強度が250MPa以上の高
強度となり、上述したように二次電池ケースの薄肉化を
達成できる。
【0019】一方、第一の層1の厚さaが0.1mm未
満では、形成された二次電池ケースの強度を確保でき
ず、膨れを防止することができないため、上述した本発
明の効果が発揮されない。また、第一の層1の厚さaが
0.7mmを超えると、形成された二次電池ケースを構
成するクラッド板10が厚くなり、二次電池ケースの小
型軽量化の要請に逆行することになる。
【0020】以上説明したように、この第一の層1は、
二次電池ケースを構成するクラッド板10の一方の層を
なし、そして、二次電池ケース全体の強度を250MP
a以上に高めるように作用する。従って、この二次電池
ケースが携帯電話などの二次電池に使用された場合にお
いて、その二次電池の充電時にその内部の温度が上昇し
て内部圧力が増加した場合であっても、二次電池ケース
の膨れの発生を顕著に抑制できるという格別の効果を発
揮し、その結果、二次電池ケースの薄肉化への要請にも
十分に対応することができる。
【0021】(第二の層)第二の層2は、レーザー溶接
性に優れたアルミニウム合金からなるものであり、上述
した第一の層1と共にクラッド板10を構成する。この
第二の層2は、形成された二次電池ケースの溶接面にな
るように配置され、蓋等の溶接対象物を溶接する際のレ
ーザー溶接性を向上させるように作用する。なお、第二
の層2は、通常、二次電池ケースの内側になるように加
工される。ただし、第二の層2は、蓋等の溶接対象物に
合わせて二次電池ケースの外側になるように加工される
場合もある。
【0022】第二の層2に適用されるアルミニウム合金
は、クラッド板10に加工され、さらにそのクラッド板
10で形成された二次電池ケースと、蓋等の溶接対象物
との間のレーザー溶接性が良好な材料であればよく、特
に限定されない。なお、レーザー溶接性は、YAGレー
ザーにより、二次電池ケース体部に蓋等の溶接対象物を
溶接したときの溶接のし易さで評価し、具体的には、後
述するように、限界溶接速度によりその溶接し易さを評
価した。
【0023】そうしたアルミニウム合金の具体例として
は、JIS1000系の純アルミニウムベース合金、J
IS3000系の一部Al−Mnベース合金、またはA
l−Mn−Fe系合金等が挙げられる。
【0024】第二の層2の厚さbは、0.1mm以上で
あることが好ましく、それによって良好なレーザー溶接
性を担保することができる。また、第二の層2の厚さb
の上限を、0.6mm以下に規定することが好ましい。
厚さの上限値は、レーザー溶接性には関係せず、専ら二
次電池ケースの小型軽量化の要請に逆行することになら
ないように規定されたものである。
【0025】ここで、レーザー溶接性について、限界溶
接速度に基づいて説明する。例えば、二次電池ケースの
内側に配置された第二の層2と溶接対象物である蓋との
間を、12mm/秒を超える限界溶接速度でレーザー溶
接できる場合には「レーザー溶接性に優れる」と言うこ
とができる。この限界溶接速度とは、二次電池ケース体
部に溶接対象物である蓋を溶接する際に、割れ、溶け込
み不良、顕著なスパッタ(溶融金属の微粒子のこ
と。)、ポロシティの発生等の溶接欠陥がほとんど生じ
ない溶接速度の最高値のことである。
【0026】したがって、第二の層2に適用するアルミ
ニウム合金の選定においては、二次電池ケース体部と溶
接対象物である蓋等との限界溶接速度が12mm/秒よ
り大きくなるように、第二の層のアルミニウム合金を選
定することが必要となる。一方、限界溶接速度が12m
m/秒以下の場合は、溶接時間がかかりすぎるので、生
産性が大幅に落ち、二次電池ケースとしては生産ベース
にのらず、実質上使用することができない。なお、限界
溶接速度の上限は特に限定されないが、通常50mm/
秒程度である。こうした限界溶接速度は、具体的には、
厚さ0.2〜0.8mm程度の本発明のアルミニウム合
金クラッド板10を用いて形成した二次電池ケース体部
に、蓋等をYAGレーザーによって溶接する際に測定さ
れる。
【0027】(二次電池ケース用アルミニウム合金クラ
ッド板)二次電池ケース用アルミニウム合金クラッド板
10は、図1に示すように、高強度のアルミニウム合金
からなる第一の層1と、レーザー溶接性に優れたアルミ
ニウム合金からなる第二の層2とで構成される。
【0028】第一の層の厚さaと第二の層の厚さbとの
合計(a+b)、すなわちクラッド板10の厚さは、二
次電池ケースの薄肉化および小型軽量化を考慮すると共
に二次電池ケースの強度やレーザー溶接性をも考慮する
と、0.2〜1.3mm程度であり、0.3〜0.8m
m程度であることが好ましい。
【0029】クラッド板10を構成する各層の厚さの関
係については、0.2≦a/(a+b)≦0.8である
ことが好ましい。各層の厚さをこうした関係になるよう
に設定することにより、高強度かつレーザー溶接性に優
れた二次電池ケースに好適に用いられるアルミニウム合
金クラッド板10を提供することができる。a/(a+
b)の値が0.2未満では、高強度のアルミニウム合金
からなる第一の層1の厚さが不十分なために、形成され
た二次電池ケースの強度が低下し、二次電池の充電時に
そのケースに膨れが生じる場合がある。一方、a/(a
+b)の値が0.8を超えると、レーザー溶接性に優れ
たアルミニウム合金からなる第二の層2の厚さが不十分
になることがあり、形成された二次電池ケースのレーザ
ー溶接性が劣り、二次電池ケースと蓋等の溶接対象物と
のレーザー溶接時に割れなどの溶接欠陥が生じる場合が
ある。
【0030】次に、クラッド板10の製造方法について
説明する。クラッド板10は、第一の層1用のアルミニ
ウム合金板と、第二の層2用のアルミニウム合金板と
を、熱間圧延によりクラッドさせることにより製造され
る。
【0031】この熱間圧延工程に用いられる第一の層1
用のアルミニウム合金板および第二の層2用のアルミニ
ウム合金板は、通常のアルミニウム合金板と同様に、溶
解・鋳造、面削、均質化処理の各工程を経て製造され
る。各工程の製造条件は、それぞれアルミニウム合金の
組成に適した一般的な条件が採用される。二つのアルミ
ニウム合金板をクラッドさせる熱間圧延工程は、第一の
層1と第二の層2との良好な接合状態を得るために、用
いられるアルミニウム合金の組成を考慮し、局部溶融が
生じない程度に高温で、かつ90%以上の圧下率となる
条件で行われることが好ましい。こうした熱間圧延工程
の後、冷間圧延、中間焼鈍、最終冷間圧延等の工程を経
ることにより、所定の厚さの二次電池ケース用アルミニ
ウム合金クラッド板10が製造される。なお、第一の層
1にJIS2000系、6000系、7000系のよう
な時効硬化型合金が用いられた場合においては、最終冷
間圧延後に溶体化・焼入れ処理と時効処理とが施され
る。なお、冷間圧延、中間焼鈍、最終冷間圧延、溶体化
・焼入れ処理、時効処理等の各工程の製造条件(温度、
時間、圧下率等)は、本発明では特に限定されず、第一
の層1および第二の層2に適用されるアルミニウム合金
板の組成に応じて適切に選択される。
【0032】(二次電池ケース)二次電池ケースは、上
述したクラッド板10を加工して形成されるものであ
り、250MPa以上の引張強度を有するものである。
二次電池ケースの引張強度の上限は特に規定されない
が、通常400MPa以下である。こうした強度は、二
次電池ケースの平面の一部を切り取って試験片とし、引
張試験法で測定される。
【0033】また、二次電池ケースは、12mm/秒を
超える限界溶接速度を有するので、良好なレーザー溶接
性を示すことができる。なお、限界溶接速度の上限は特
に規定されないが、通常50mm/秒以下である。な
お、この限界溶接速度も上述の通りである。
【0034】二次電池ケースは、その内側に蓋が溶接さ
れるので、通常、第二の層2が内側になるようにクラッ
ド板10を配置し、プレス成形により形成される。な
お、二次電池ケースは、クラッド板10の各層を構成す
るアルミニウム合金の種類により、以下のように若干異
なる方法で製造される。
【0035】JIS1000系、3000系、5000
系などの非時効硬化型合金を第一の層1および第二の層
2に用いる場合においては、上述のように製造されたク
ラッド板10を、第二の層2が内側となるようにプレス
成形して二次電池ケース体部を成形する。次いで、その
二次電池ケース体部と蓋とをレーザー溶接により接合し
て、二次電池ケースを製造する。
【0036】一方、JIS2000系、6000系、7
000系などの時効硬化型合金を第一の層1に用い、J
IS1000系、3000系などの非時効硬化型合金を
第二の層2に用いる場合においては、上述のように製造
されたクラッド板10に溶体化処理・焼入れを行い、第
二の層2が内側となるようにプレス成形して二次電池ケ
ース体部を成形する。次いで、その二次電池ケース体部
に時効処理を施し、二次電池ケース体部と蓋とをレーザ
ー溶接により接合して、二次電池ケースを製造する。
【0037】なお、二次電池ケースにレーザー溶接され
る溶接対象物である蓋は、JIS3003合金等の、M
gを含有しない材料をプレス成形して作製される。蓋の
厚さは0.2〜0.8mm程度である。
【0038】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明を更
に詳細に説明する。
【0039】(実施例1)JIS3004アルミニウム
合金の鋳塊を、半連続鋳造により鋳造し、得られた鋳塊
を面削して表面の不均一層を除去し、その後、560℃
で8時間保持する均質化処理を行い、第一の層用のアル
ミニウム合金板を製造した。同様にして、JIS110
0アルミニウム合金からなる第二の層用のアルミニウム
合金板を製造した。なお、このときの各アルミニウム合
金板は、クラッドされた後の圧延加工で表1に示す各層
の厚さa、bおよび厚さ割合a/(a+b)となるよう
に、その厚さが調整されている。
【0040】次いで、これらのアルミニウム合金板を5
50℃・圧下率98%で熱間圧延してクラッド板とし
た。続いて、圧下率84%で冷間圧延し、350℃で4
時間保持する中間焼鈍をし、圧下率54%で最終冷間圧
延して、アルミニウム合金クラッド板を製造した。この
ときの各層の厚さa、bおよび厚さ割合a/(a+b)
を表1に示した。
【0041】得られたアルミニウム合金クラッド板を用
い、第二の層を内側にしてプレス成形し、二次電池ケー
ス体部を形成した。次いで、二次電池ケース体部と、J
IS3003アルミニウム合金で作製された厚さ0.5
mmの蓋とをレーザー溶接により接合し、高さ55mm
×幅30mm×厚さ3.5mmからなり、側壁板厚0.
3mm、底板厚0.5mmである実施例1の二次電池ケ
ースを製造した。
【0042】(実施例2〜4、11)表1に示すアルミ
ニウム合金の鋳塊を用い、実施例1と同様の工程を経
て、実施例2〜4、11の二次電池ケースを製造した。
【0043】(実施例5)表1に示すアルミニウム合金
の鋳塊を用い、実施例1と同様の工程を経てクラッド板
を製造した。このときの各層の厚さa、bおよび厚さ割
合a/(a+b)を表1に示した。
【0044】その後、得られたアルミニウム合金クラッ
ド板に、495℃で1分間、溶体化処理・焼入れを行
い、第二の層を内側にしてプレス成形し、二次電池ケー
ス体部を形成した。次いで、二次電池ケース体部に19
0℃で10時間、時効処理を施し、その二次電池ケース
体部と、JIS3003アルミニウム合金で作製された
厚さ0.5mmの蓋とをレーザー溶接により接合し、高
さ55mm×幅30mm×厚さ3.5mmからなり、側
壁板厚0.3mm、底板厚0.5mmである実施例5の
二次電池ケースを製造した。
【0045】(実施例6〜10、12)表1に示すアル
ミニウム合金の鋳塊を用い、実施例5と同様の工程を経
て、実施例6〜10、12の二次電池ケースを製造し
た。
【0046】(比較例1)表2に示すアルミニウム合金
の鋳塊を用い、半連続鋳造により鋳造し、得られた鋳塊
を面削して表面の不均一層を除去し、その後、590℃
で4時間保持する均質化処理を行い、アルミニウム合金
板を製造した。
【0047】次いで、これらのアルミニウム合金板を、
圧下率98%で熱間圧延し、圧下率84%で冷間圧延
し、350℃で4時間保持する中間焼鈍をし、圧下率5
4%で最終冷間圧延して、厚さ0.5mmで単層のアル
ミニウム合金板を製造した。
【0048】得られたアルミニウム合金板を用い、プレ
ス成形し、二次電池ケース体部を形成した。次いで、二
次電池ケース体部と、JIS3003アルミニウム合金
で作製された厚さ0.5mmの蓋とをレーザー溶接によ
り接合し、高さ55mm×幅30mm×厚さ3.5mm
からなり、側壁板厚0.3mm、底板厚0.5mmであ
る比較例1の単層の二次電池ケースを製造した。
【0049】(比較例2〜6)表2に示すアルミニウム
合金の鋳塊を用い、比較例1と同様の工程を経て、比較
例2〜6の二次電池ケースを製造した。
【0050】(比較例7〜10)表3に示すアルミニウ
ム合金の鋳塊を用い、実施例1と同様の工程を経て、比
較例7〜10の二次電池ケースを製造した。このときの
各層の厚さa、bおよび厚さ割合a/(a+b)を表3
に示した。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】 (二次電池ケースの強度、膨れおよびレーザー溶接性の
評価)二次電池ケースの強度は、引張強さにより評価し
た。引張強さは、製造された二次電池ケース体部から、
25mm×15mmの長方形の試験片を、長手方向がケ
ース高さ方向に平行になるように切り出し、JIS Z
2241の引張試験方法により測定した。
【0054】膨れについては、蓋を溶接した二次電池ケ
ースの厚さt0を測定し、その後ケースを70℃に加熱
し、その内圧を4kg/cm2まで加圧して8時間保持
した後のケースの厚さtを測定して、その加熱前後のケ
ース厚さの変化率を式((t−t0)/t)×100%
より求めた。この値が2%未満のものを○、2%以上の
ものを×とした。
【0055】二次電池ケースのレーザー溶接性は、二次
電池ケースの製造時に、蓋をケース体部に溶接する際の
限界溶接速度を測定することにより評価した。この溶接
する際には、YAG・パルスレーザー溶接機(KYL−
500A/BSP、(株)片岡製作所製)を用いた。表
中の「溶接不可」という評価は、溶接速度を0に限りな
く近くした場合でも、割れ、溶け込み不良、顕著なスパ
ック発生などの溶接欠陥が抑制できなかったものを示
す。
【0056】以上の評価結果を表1、表2、表3に併せ
て示した。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の二次電池
ケース用アルミニウム合金クラッド板によれば、高強度
の第一の層とレーザー溶接性に優れる第二の層という二
つの異なる作用効果を併せ持つので、このクラッド板を
用いれば、強度に優れ、しかもレーザー溶接性に優れた
二次電池ケースを製造できる。その結果、二次電池ケー
スの薄肉化に寄与でき、さらには、二次電池の小型軽量
化の要請に応えることができる。
【0058】また、本発明の二次電池ケースによれば、
作用の異なる二つの層を有するクラッド板で二次電池ケ
ースを形成したので、得られた二次電池ケースは、所望
の強度を有し、レーザー溶接性に優れたものとなる。そ
の結果、本発明の二次電池ケースは、より一層の薄肉化
を達成でき、二次電池の小型軽量化の要請にも応えるこ
とができる。こうした本発明の二次電池ケースは、二次
電池の生産性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の二次電池ケースの一例を示す部分断面
図である。
【符号の説明】
1 第一の層 2 第二の層 10 二次電池ケース用アルミニウム合金クラッド板 a 第一の層の厚さ b 第二の層の厚さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲よし▼貝 寿伸 静岡県裾野市平松85番地 三菱アルミニウ ム株式会社富士製作所内 Fターム(参考) 4E068 DA06 DA09 DB04 DB14 5H011 AA01 AA09 BB03 CC06 DD13 KK01 KK02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高強度アルミニウム合金からなる第一の
    層と、レーザー溶接性に優れるアルミニウム合金からな
    る第二の層とから構成されることを特徴とする二次電池
    ケース用アルミニウム合金クラッド板。
  2. 【請求項2】 前記第一の層の板厚をaとし、前記第二
    の層の板厚をbとしたときに、次式1の関係を満たすこ
    とを特徴とする請求項1に記載の二次電池ケース用アル
    ミニウム合金クラッド板。 【式1】
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の二次電
    池ケース用アルミニウム合金クラッド板で形成されたこ
    とを特徴とする二次電池ケース。
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