JP2003291837A - 電動パワーステアリング制御装置の演算監視方法及び電動パワーステアリング制御装置 - Google Patents

電動パワーステアリング制御装置の演算監視方法及び電動パワーステアリング制御装置

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JP2003291837A
JP2003291837A JP2002103251A JP2002103251A JP2003291837A JP 2003291837 A JP2003291837 A JP 2003291837A JP 2002103251 A JP2002103251 A JP 2002103251A JP 2002103251 A JP2002103251 A JP 2002103251A JP 2003291837 A JP2003291837 A JP 2003291837A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コストアップを招くことなく、演算監視を行う
ことができ、ROMチェック、RAMチェックの監視を
短時間で行うことができ、さらに信頼性の高い演算監視
系を備えることができる電動パワーステアリング制御装
置の演算監視方法及び電動パワーステアリング制御装置
を提供する。 【解決手段】 マイコン69はアシスト演算部72に入
力される操舵トルクTh等と、アシスト演算部72が行
った制御演算によるモータ電流指令値Qとを比較する監
視演算を行い、前記制御演算の良否判定を行う。マイコ
ン69を、ROM部の記憶領域のうち、演算監視プログ
ラムを格納した記憶領域のチェックを行う第1チェック
手段とする。マイコン69を、監視演算中の所定段階時
に、RAM領域に2重化データを格納し、格納したデー
タが一致しているか否かのチェックを行う第2チェック
手段とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動パワーステア
リング制御装置の演算監視方法及び電動パワーステアリ
ング制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、電動パワーステアリング制御
装置では、アシスト制御のための制御演算を行うととも
に、その演算結果が正しいか否かを判定する演算監視も
行っている。例えば、アシスト制御のための制御演算
を、電動パワーステアリング制御装置のメインマイクロ
コンピュータ(以下、メインマイコンという)にて行い、
一方、演算監視をメインマイコンと別個に設けられたサ
ブマイクロコンピュータ(以下、サブマイコンという)に
て行うようにしている。このサブマイコンの演算監視で
は、制御演算の入力(入力データ)に対する制御演算の出
力の方向と大きさをチェックすることが行われている。
【0003】又、前記メインマイコンは、電動パワース
テアリング制御装置の各種制御プログラムを格納してい
るROM全域のサムチェックを行うようにしている。こ
のROM全域のサムチェックにより、ROM故障による
誤演算を検出する。
【0004】さらに、前記メインマイコンが備えている
RAMは、制御演算や監視演算時の作業用メモリとな
る。そして、メインマイコンはこのRAMに対しては、
演算している全域に亘ってその時々の2重化したデータ
を書込み、2重化したデータの一致をチェックすること
によりRAM故障による誤演算を検出するようにしてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の電動
パワーステアリング制御装置での入力(入力データ)に
対するモータ通電電流の方向と大きさより制御手段の良
否を判定する方法はマイコンにとって大きな負荷となっ
ていた。このため、メインマイコン以外のサブマイコン
が必要となり、コストアップの原因となっていた。
【0006】又、従来の電動パワーステアリング制御装
置ではROM全領域でサムチェックを行っていることか
ら、全領域の故障判定に時間を要するため、ROM故障
があっても即座にROM故障時の対応ができない問題が
あった。
【0007】さらに、従来は、RAMの2重化したデー
タの一致チェックを演算している全域に亘って行うた
め、メインマイコンの負荷が増大するとともに、RAM
の使用領域も増大する。この負荷を軽減するためには、
演算の全領域のチェックを行わないようにするか、或い
は一部の演算のみ実施するように限定されたものとなる
が、この場合、RAM故障の全てを検出できるものでは
なくなるため、信頼性に欠ける。
【0008】本発明の目的は、コストアップを招くこと
なく、演算監視を行うことができる電動パワーステアリ
ング制御装置の演算監視方法及び電動パワーステアリン
グ制御装置を提供することにある。
【0009】又、ROMチェック、RAMチェックの監
視を短時間で行うことができる電動パワーステアリング
制御装置の演算監視方法及び電動パワーステアリング制
御装置を提供することにある。
【0010】さらに信頼性の高い演算監視系を備えるこ
とができる電動パワーステアリング制御装置の演算監視
方法及び電動パワーステアリング制御装置を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、入力
データに基づいて制御対象のための制御演算を行う制御
手段と、前記制御演算の監視を行う演算監視手段と、を
備えた電動パワーステアリング制御装置の演算監視方法
において、前記演算監視手段が、前記制御手段に入力さ
れる前記入力データと、同入力データに基づいて制御手
段が行った制御演算の結果データとを比較する演算監視
を行い、前記制御演算の良否判定を行う電動パワーステ
アリング制御装置の演算監視方法を要旨とするものであ
る。
【0012】請求項2の発明は、入力データに基づいて
制御対象のための制御演算を行う制御手段と、前記制御
演算の監視を行うための演算監視プログラムを格納した
第1記憶手段と、前記演算監視プログラムに基づいて前
記制御手段の制御演算の監視を行うとともに、同制御演
算の監視を行う際に、第2記憶手段を作業用メモリとし
て使用する演算監視手段と、を備えた電動パワーステア
リング制御装置の演算監視方法において、前記演算監視
手段が、前記制御手段に入力される前記入力データと、
同入力データに基づいて制御手段が行った制御演算の結
果データとを比較する監視演算を行い、前記制御演算の
良否判定を行う演算監視ステップと、前記第1記憶手段
の記憶領域のうち、前記演算監視プログラムを格納した
記憶領域のチェックを行う第1チェックステップと、前
記演算監視手段が行った前記監視演算中の所定段階時
に、第2記憶手段に2重化データを格納し、格納したデ
ータが一致しているか否かのチェックを行う第2チェッ
クステップを組合わせたことを特徴とする電動パワース
テアリング制御装置の演算監視方法を要旨とするもので
ある。
【0013】請求項3の発明は、請求項2において、前
記第2チェックステップでは、監視演算中に行われた演
算結果のデータを2重化して第2記憶手段に格納するも
のである。
【0014】請求項4の発明は、請求項2又は請求項3
において、第1記憶手段のチェックは、サムチェック又
はCRCチェック処理であることを特徴とする。請求項
5の発明は、入力データに基づいて制御対象のための制
御演算を行う制御手段と、前記制御演算の監視を行う演
算監視手段と、を備えた電動パワーステアリング制御装
置において、前記演算監視手段が、前記制御手段に入力
される前記入力データと、同入力データに基づいて制御
手段が行った制御演算の結果データとを比較する演算監
視を行い、前記制御演算の良否判定を行うことを特徴と
する電動パワーステアリング制御装置を要旨とするもの
である。
【0015】請求項6の発明は、入力データに基づいて
制御対象のための制御演算を行う制御手段と、前記制御
演算の監視を行うための演算監視プログラムを格納した
第1記憶手段と、前記演算監視プログラムに基づいて前
記制御手段の制御演算の監視を行うとともに、同制御演
算の監視を行う際に、第2記憶手段を作業用メモリとし
て使用する演算監視手段とを備えた電動パワーステアリ
ング制御装置において、前記演算監視手段は、前記制御
手段に入力される前記入力データと、同入力データに基
づいて制御手段が行った制御演算の結果データとを比較
する監視演算を行い、前記制御演算の良否判定を行うも
のであり、さらに、前記第1記憶手段の記憶領域のう
ち、前記演算監視プログラムを格納した記憶領域のチェ
ックを行う第1チェック手段と、前記演算監視手段が行
った前記監視演算中の所定段階時に、第2記憶手段に2
重化データを格納し、格納したデータが一致しているか
否かのチェックを行う第2チェック手段とを備えたこと
を特徴とする電動パワーステアリング制御装置を要旨と
するものである。
【0016】請求項7の発明は、請求項6において、前
記第2チェック手段は、監視演算中に行われた演算結果
のデータを2重化して第2記憶手段に格納するものであ
る。請求項8の発明は、請求項6又は請求項7におい
て、第1記憶手段のチェックは、サムチェック又はCR
Cチェック処理であることを特徴とする。
【0017】(作用)請求項1の発明によれば、演算監
視手段が、制御手段に入力される入力データと、同入力
データに基づいて制御手段が行った制御演算の結果デー
タとを比較する演算監視を行い、前記制御演算の良否判
定を行う。
【0018】この結果、モータの通電電流ではなく、結
果データを用いて監視演算を行うことで、マイコンの負
荷が小さくて済むため、制御演算と監視演算を1つのマ
イコンで行うことができる。この結果、新たに監視演算
用のサブマイコンを設けなくてもよいため、コストアッ
プを招くことなく演算監視を行うことができる。
【0019】請求項2の発明によれば、演算監視ステッ
プでは、演算監視手段が、前記制御手段に入力される前
記入力データと、同入力データに基づいて制御手段が行
った制御演算の結果データとを比較する監視演算を行
い、前記制御演算の良否判定を行う。第1チェックステ
ップでは、第1記憶手段の記憶領域のうち、前記演算監
視プログラムを格納した記憶領域のチェックを行う。
【0020】第2チェックステップでは、前記演算監視
手段が行った前記監視演算中の所定段階時に、第2記憶
手段に2重化データを格納し、格納したデータが一致し
ているか否かのチェックを行う。
【0021】請求項3の発明の第2チェックステップで
は、監視演算中に行われた演算結果のデータを2重化し
て第2記憶手段に格納する。請求項4の発明は、第1記
憶手段のチェックは、サムチェック又はCRCチェック
処理にて行う。
【0022】請求項5の発明は、演算監視手段が、制御
手段に入力される前記入力データと、同入力データに基
づいて制御手段が行った制御演算の結果データとを比較
する演算監視を行い、前記制御演算の良否判定を行う。
【0023】請求項6の発明は、演算監視手段は、前記
制御手段に入力される前記入力データと、同入力データ
に基づいて制御手段が行った制御演算の結果データとを
比較する監視演算を行い、前記制御演算の良否判定を行
う。
【0024】一方、第1チェック手段は、第1記憶手段
の記憶領域のうち、前記演算監視プログラムを格納した
記憶領域のチェックを行う。第2チェック手段は、演算
監視手段が行った前記監視演算中の所定段階時に、第2
記憶手段に2重化データを格納し、格納したデータが一
致しているか否かのチェックを行う。
【0025】請求項7の発明は、第2チェック手段は、
監視演算中に行われた演算結果のデータを2重化して第
2記憶手段に格納する。請求項8の発明では、第1記憶
手段のチェックは、サムチェック又はCRCチェック処
理にて行う。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、電動パワーステアリング装
置50の制御装置に具体化した実施形態を図1乃至図7
を参照して説明する。
【0027】図1は電動パワーステアリング装置50の
概略図である。ステアリングホイール51に連結したス
テアリングシャフト52には、トーションバー53が設
けられている。このトーションバー53には、トルクセ
ンサ54が装着されている。ステアリングシャフト52
が回転してトーションバー53に力が加わると、加わっ
た力に応じてトーションバー53が捩れるようになって
いる。トルクセンサ54は、その捩れ、即ちステアリン
グホイール51にかかる操舵トルクThを検出してい
る。トルクセンサ54は、操舵トルクThを示す信号を
CPU70(中央処理装置)に対して出力している。
【0028】また、ステアリングシャフト52には減速
機55が固着されている。この減速機55には制御対象
としてのモータMの回転軸に取着したギア57が噛合さ
れている。
【0029】更に、減速機55には、ピニオンシャフト
58が固着されている。ピニオンシャフト58の先端に
は、ピニオン59が固着されるとともに、このピニオン
59はラック60と噛合している。前記ラック60とピ
ニオン59とによりラック&ピニオン機構61が構成さ
れている。
【0030】前記ラック60の両端には、タイロッド6
2が固設されており、そのタイロッド62の先端部には
ナックル63が回動可能に連結されている。このナック
ル63には、前輪64が固着されている。また、ナック
ル63の一端は、クロスメンバ65に回動可能に連結さ
れている。モータMが回転すると、その回転数は減速機
55によって減少されてラック60に伝達される。これ
により、ラック60は、タイロッド62を介して、ナッ
クル63に設けられた前輪64の向きを変更して車両の
進行方向を変えることができるようになっている。
【0031】前輪64には、車速センサ66が設けられ
ている。車速センサ66は、その時の車速Vを示す前輪
64の回転数に相対する検出信号をCPU70に対して
出力している。
【0032】本実施形態において、電動パワーステアリ
ング装置50の制御装置は、1つのマイクロコンピュー
タにて構成されている。制御装置(以下、マイコン69
という)は、制御手段、演算監視手段、第1チェック手
段及び第2チェック手段に相当する。
【0033】マイコン69は、CPU70及びメモリ7
1を備えている。CPU70は、トルクセンサ54や車
速センサ66等から出力された操舵トルクThや車速V
等に関する信号に基づいて、モータ駆動回路75に出力
すべきモータ電流指令値Qを決定する。モータ駆動回路
75は、CPU70から出力されたモータ電流指令値Q
に対応する駆動電流を、遮断回路76を介してモータM
へ出力する。そして、モータMは、運転者によるステア
リングホイール51の操舵力を補助するためのトルク
(操舵補助トルク)を発生する。
【0034】また、モータ駆動回路75には、モータM
において実際に流れる駆動電流(実電流)を検出するセ
ンサとしてのモータ実電流センサ(図示しない)が設け
られており、そのモータ通電電流値Imを示す信号がC
PU70へ出力されるようになっている。そして、CP
U70は、モータ通電電流値ImすなわちモータMを流
れる実電流の検出結果に基づくフィードバック制御を行
う。
【0035】このフィードバック制御では、CPU70
は、例えば、操舵トルクThが一定である状態におい
て、何らかの理由によりモータ通電電流値Imが低下し
た場合、前記操舵補助トルクの落ち込みを防止すべく、
前記モータ駆動電圧を増加させる。
【0036】次に、マイコン69の機能及び動作につい
て、図2示す機能ブロック図を用いて説明する。以下に
示すマイコン69の機能は、メモリ71に格納されたプ
ログラムに基づいてCPU70で実行される機能を示し
ている。
【0037】つまり、実際のハード構成を意味するもの
ではない。また、以下の制御装置内部の機能の説明で
は、「車速V」、「操舵トルクTh」等の各種パラメー
タは、説明の便宜上、それらの対応する信号の意味とし
て使用するものとする。
【0038】メモリ71は、図4に示すように各種演算
時に使用されるRAM部80と、各種プログラムを格納
するROM部90とに区分される。ROM部90は第1
記憶手段に相当する。
【0039】又、ROM部90は、演算監視部73とな
る演算監視プログラムが記述されたROM領域91と、
演算監視プログラム以外の制御プログラムが記述された
ROM領域とからなる。
【0040】アシスト演算部72は、操舵トルクThや
車速V等を入力し、この信号に基づいて、モータ駆動回
路75に出力すべきモータ電流指令値Qを決定(制御演
算)する。又、アシスト演算部72は前記モータ実電流
センサ(図示しない)からのモータ通電電流値Imを入
力し、モータ通電電流値Imに基づくフィードバック制
御を行う。アシスト演算部72は、制御手段に相当す
る。
【0041】演算監視部73は、アシスト演算部72の
入力信号である操舵トルクThとモータ電流指令値Qを
入力し、操舵トルクThに対するモータ電流指令値Qの
符号と、大きさをチェックする。演算監視部73は、ア
シスト演算部72の演算監視手段に相当する。
【0042】ここで、図3は操舵トルクThに対するモ
ータ電流指令値Qの判定基準を示している。図3におい
て、V1〜V4は車速を表し、アシスト演算部72で決
定される操舵トルクThに対するモータ電流指令値Qの
値は車速により変化することを示している。又、図3
中、ハッチングで示した領域がモータ電流指令値Qの正
常領域である。演算監視部73はこの判定基準をもとに
モータ電流指令値Qが正常範囲内か否かを判定するため
の演算(演算1〜演算3)を行う。
【0043】もし、モータ電流指令値Qが正常範囲内に
入っていない場合、演算監視部73はアシスト演算部7
2が使用しているメモリ71の領域(ROM領域,RA
M領域)又は他の部分の故障により、アシスト演算部7
2が誤演算したとして判定する。この場合には、演算監
視部73は、遮断回路76に遮断信号を出力する。遮断
回路76はこの遮断信号の入力に基づいてモータMへの
通電を遮断する。
【0044】本実施形態では、演算監視部73は、操舵
トルクTh信号、車速Vに基づいてモータ電流指令値Q
を演算するアシスト演算部72に比較し、単に正常範囲
内か否かを判定するという簡易な演算でよい。このた
め、アシスト演算部72と同等の処理サイクルで判定で
きる。そして、アシスト演算部72が誤演算した場合に
は、システムが異常な場合となった際にも、遮断回路7
6に遮断信号を出力するため、即座にシステムを停止で
きる。なお、ここでのシステムは、マイコン69が制御
しているモータMの駆動制御系のシステムである。
【0045】一方、演算監視チェック部74は演算監視
部73を監視する。すなわち、演算監視チェック部74
は、メモリ71のうち、演算監視部73に相当する演算
監視プログラムや、各種データが記述されているメモリ
71中のROM領域91のROMサムチェックを行う。
本実施形態では、メモリ71のデータ構造は、図4に示
すような構成となっており、ROM領域91は先頭アド
レスAAAAh〜最終アドレスBBBBhの範囲であ
る。
【0046】又、演算監視チェック部74は、RAM部
80のうち、演算監視部73で使用されているRAM領
域81において、2重化されているデータの一致をチェ
ックする。演算監視チェック部74は、第1チェック手
段及び第2チェック手段に相当する。
【0047】(ROMサムチェック)ここで、ROM領
域91のROMサムチェックについて説明する。図6
は、演算監視チェック部74(CPU70)が実行する
ROMサムチェックフローチャートである。
【0048】S100では、データを取得する際、対象
とするアドレスを指定するためのROMデータ取得アド
レス(i)を初期化する。ここでは、演算監視部73の
先頭アドレスは、AAAAhであるため、i=AAAA
hとする。次にS110で、ROM積算データ(su
m)を初期化する。
【0049】S120では、ROMデータを積算する。
すなわち、sum=sum+dat(i)の演算を行
う。なお、dat(i)はアドレスiのROMデータで
ある。
【0050】S130では、S120で積算したROM
データのアドレスが最終アドレスBBBBhか否かを判
定し、最終アドレスBBBBhでない場合、S140で
アドレス更新し(i=i+1)、S120に戻る。
【0051】又、S130において、S120で積算し
たROMデータのアドレスが最終アドレスBBBBhで
ある場合には、S150に移行し、sum=SUMか否
かを判定する。この大文字のSUMは予め演算された正
しい積算値であり、ROM領域91とは異なるROM領
域に記憶されている。
【0052】S100〜S150は第1チェックステッ
プに相当する。S150で、sum=SUMである場合
には、S100に戻る。又、S150で、sum≠SU
Mの場合には、S160に移行し、ROM異常として、
遮断信号を演算監視チェック部74から遮断回路76に
出力する。遮断回路76はこの遮断信号の入力に基づい
てモータMへの通電を遮断する。
【0053】ここで行っているROMサムチェックは演
算監視部73のROM領域91(先頭アドレスAAAA
h〜最終アドレスBBBBh)に限定して行っているた
め、ROM部90全域のサムチェックに比較して、はる
かに短時間で実施できる。
【0054】この結果、演算監視部73のチェックと同
様にシステムが異常な場合となった際にも、遮断回路7
6に遮断信号を出力するため、即座にシステムを停止で
きる。
【0055】(RAMチェック)次にRAM領域81の
RAMチェックについて説明する。図7は、演算監視チ
ェック部74が実行するRAMチェックプログラム(以
下、RAMチェックPGという)のフローチャートであ
る。RAMチェックPGはROM部90のうち、ROM
領域91以外の領域に格納されている。
【0056】なお、RAM領域81では、演算監視部7
3で使用するRAMデータが全て2重化されて構成され
ている。すなわち、演算監視部73が行う演算過程で
は、RAM領域81内においてセットされるRAMデー
タは同時に2重化されて、それぞれ2つのRAM領域に
セットされる。RAM領域81は第2記憶手段に相当す
る。演算監視部73が行う演算は、前述したマップを参
照してモータ電流指令値Qが正常範囲内か否かを判定す
るための演算であって、演算1〜演算3からなる。
【0057】例えば、図5に示すように、操舵トルクT
hとモータ電流指令値Qに基づいて演算1が行われる
と、2重化したRAMデータ(2重化データ)a[0],
a[1]が生成される。又、演算2が行われると、2重
化したRAMデータ(2重化データ)b[0],b[1]
が生成される。さらに、演算3が行われると2重化した
RAMデータ(2重化データ)c[0],c[1]が生成
される。そして、これらのRAMデータがそれぞれRA
M領域81内において、所定のRAM領域(記憶領域)
にそれぞれ記憶される。
【0058】まず、このフローチャートが開始される
と、S200において、RAMデータa[0]=a
[1]が成立しているか、すなわち、両RAMデータa
[0],a[1]が一致しているか否かを判定する。
【0059】ここで、一致している場合には、S210
に移行し、RAMデータb[0]=b[1]が成立して
いるか、すなわち、両RAMデータb[0],b[1]
が一致しているか否かを判定する。
【0060】一致している場合には、S220に移行
し、RAMデータc[0]=c[1]が成立している
か、すなわち、両RAMデータc[0],c[1]が一
致しているか否かを判定する。
【0061】S220において、RAMデータc
[0],c[1]が一致している場合には、S200に
戻る。前記S200〜S220は第2チェックステップ
に相当する。
【0062】S200、S210、S220において、
RAMデータ同士が一致していない場合には、S230
においてRAM領域81が異常であるとして、演算監視
チェック部74は遮断信号を演算監視チェック部74か
ら遮断回路76に出力する。遮断回路76はこの遮断信
号の入力に基づいてモータMへの通電を遮断する。
【0063】ここにおいても、演算監視部73が使用し
ているRAM領域81に限定してチェックを行っている
ため、RAM部80の全領域をチェックする場合に比較
して遥かに短時間で実施できる。
【0064】従って、演算監視部73のチェックと同様
にシステムが異常な場合となった際にも、遮断回路76
に遮断信号を出力するため、即座にシステムを停止でき
る。次に、本実施形態の特徴を以下に記載する。
【0065】(1) 本実施形態での電動パワーステア
リング制御装置は、操舵トルクTh等(入力データ)に基
づいてモータM(制御対象)のための制御演算を行うア
シスト演算部72(制御手段)と、制御演算の監視を行
う演算監視部73(演算監視手段)と、を備える。そし
て、演算監視部73(演算監視手段)が、アシスト演算
部72(制御手段)に入力される操舵トルクTh等(入
力データ)と、同操舵トルクTh等に基づいてアシスト
演算部72が行った制御演算のモータ電流指令値Q(結
果データ)とを比較する演算監視を行い、制御演算の良
否判定を行うようにした。
【0066】この結果、モータ6の通電電流ではなく、
モータ電流指令値Q(結果データ)を用いて監視演算を行
うことで、マイコン69の負荷が小さくて済む。このた
め、制御演算と監視演算を1つのマイコンで行うことが
できる。
【0067】この結果、新たに監視演算用のサブマイコ
ンを設けなくてもよいため、コストアップを招くことな
く演算監視を行うことができる。 (2) 本実施形態での演算監視方法では、マイコン6
9(演算監視手段)が、操舵トルクTh等(入力データ)
と、アシスト演算部72(制御手段)が行った制御のため
の演算(制御演算)によるモータ電流指令値Q(結果デー
タ)とを比較する監視演算を行い、前記制御演算の良否
判定を行うステップを備える。
【0068】又、ROM部90(第1記憶手段)の記憶領
域のうち、ROM領域91(演算監視プログラムを格納
した記憶領域)のチェックのみを行うようにしたステッ
プ(第1チェックステップ:S100〜S150)を備え
る。
【0069】さらに、マイコン69(演算監視手段)が行
った監視演算中の演算1、演算2,演算3をそれぞれ行
った際(所定段階時)に、RAM領域81(第2記憶手段)
に2重化データをそれぞれ格納し、格納したデータが一
致しているか否かのチェックを行うステップ(第2チェ
ックステップ:S200〜S220)を備える。
【0070】この結果、ROM部90のうち、ROM領
域91のみをチェックするため、ROM部90の全領域
をチェックする場合に比較して、ROM部90の異常検
出を早期に行うことができる。
【0071】又、本実施形態では、2重化データの一致
チェックをデータ量の大きいアシスト演算部72(制御
手段)に対して行うのではなく、データ量の比較的小さ
い演算監視部73(演算監視手段)に対して行う。この
ため、マイコン69の負荷が増大することがない。さら
に、演算監視中の演算1、演算2、演算3をそれぞれ行
った際に2重化データの一致チェックを行う。このた
め、マイコン69の負荷が増大することがない。
【0072】又、マイコン69の負荷が増大せず、単一
のマイコン69にて行うことができるため、コストアッ
プすることがない。 (3) 本実施形態では、第2チェックステップ(S20
0〜S220)では、監視演算中に行われた演算結果の
データを2重化してRAM領域81(第2記憶手段)に格
納するようにした。
【0073】この結果、演算結果のデータをそのまま使
用するため、演算結果のデータを使用しない場合に比し
て、演算監視部73の監視演算結果のデータの信頼性を
直接判定できる。
【0074】(4) 本実施形態では、マイコン69(演
算監視手段)は、アシスト演算部72(制御手段)に入力
される操舵トルクTh等(入力データ)と、アシスト演算
部72が行った制御演算によるモータ電流指令値Q(結
果データ)とを比較する監視演算を行い、前記制御演算
の良否判定を行うようにした。
【0075】又、マイコン69を、ROM部90(第1
記憶手段)の記憶領域のうち、前記演算監視プログラム
を格納した記憶領域のチェックを行う第1チェック手段
とした。又、マイコン69を、監視演算中の所定段階時
に、RAM領域81(第2記憶手段)に2重化データを格
納し、格納したデータが一致しているか否かのチェック
を行う第2チェック手段とした。
【0076】この結果、上記(2)の効果を奏すること
ができる。 (5) 本実施形態では、RAM領域81(第2チェッ
ク手段)は、監視演算中に行われた演算結果のデータを
2重化してRAM領域81(第2記憶手段)に格納するよ
うにした。
【0077】この結果、上記(3)の効果を奏すること
ができる。 (6) 本実施形態では、アシスト演算部72の入力デ
ータである操舵トルクThと結果データであるモータ電
流指令値Qを入力し、アシスト演算部72をチェックす
る演算監視部73をアシスト演算部72に設けた。演算
監視部73の記述されているROM領域91のROMサ
ムチェックと演算監視部73で使用されているRAM領
域81の2重化したRAMデータの一致をチェックする
演算監視部73を同一マイコン69設けた。
【0078】そして、演算監視部73にて、アシスト演
算部72の異常、又は、演算監視チェック部74にて、
演算監視部73の異常が判定されたとき遮断回路76に
遮断信号を出力してモータMの通電を遮断するようにし
た。
【0079】この結果、アシスト演算部72が同一マイ
コン69内に設けられた演算監視部73で故障が検出で
きるとともに、演算監視部73は、演算監視チェック部
74にて異常が検出できる。又、演算監視部73の監視
も行っているため、信頼性の高い監視系を構築すること
ができる。
【0080】なお、本発明の実施形態は上記実施形態に
限定されるものではなく、以下のように変更してもよ
い。 (1) 前記実施形態では、ROM領域91のチェックを
サムチェックにて行ったが、これに限定するものではな
く、例えばCRC(Cyclic Redundancy Check)チェ
ックを行っても良い。
【0081】(2) 前記実施形態では、入力データとし
て、車速V、操舵トルクThとしたが、他の入力データ
であってもよい。 (3) 前記実施形態では、アシスト演算部72の制御演
算について説明したが、他の制御演算を行う場合であっ
てもよい。この場合、演算監視部73では、他の制御演
算のための入力データと、その制御演算の結果データと
の比較を行うことになる。
【0082】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1乃至請求
項4の発明によれば、コストアップを招くことなく、演
算監視を行うことができる。
【0083】又、請求項2乃至請求項4によれば、上記
効果に加えて、ROMチェック、RAMチェックの監視
を短時間で行うことができ、さらに信頼性の高い演算監
視系にすることができる。
【0084】さらに信頼性の高い演算監視系を備えるこ
とができる電動パワーステアリング制御装置とすること
ができる。請求項5乃至請求項8の発明によれば、コス
トアップを招くことなく、演算監視を行うことができ
る。
【0085】又、請求項6乃至請求項8の発明によれ
ば、ROMチェック、RAMチェックの監視を短時間で
行うことができる。又、さらに信頼性の高い演算監視系
を備えることができる電動パワーステアリング制御装置
とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態の電動パワーステアリング装置の概
略図。
【図2】 実施形態の電動パワーステアリング装置の制
御装置の機能ブロック図。
【図3】 同じく演算監視部の判定基準の説明図。
【図4】 同じくメモリのデータ構成を示すメモリマッ
プ。
【図5】 チェック時の流れを示す説明図。
【図6】 同じく演算監視部のROMサムチェックフロ
ーチャート。
【図7】 同じく演算監視部のRAMチェックフローチ
ャート。
【符号の説明】
69…マイコン(制御手段、演算監視手段、第1チェッ
ク手段及び第2チェック手段) 70…CPU 72…アシスト演算部(制御手段) 73…演算監視部(演算監視手段) 74…演算監視チェック部(第1チェック手段及び第2
チェック手段) 80…RAM部 81…RAM領域(第2記憶手段) 91…ROM領域 90…ROM部(第1記憶手段)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力データに基づいて制御対象のための
    制御演算を行う制御手段と、前記制御演算の監視を行う
    演算監視手段と、を備えた電動パワーステアリング制御
    装置の演算監視方法において、 前記演算監視手段が、前記制御手段に入力される前記入
    力データと、同入力データに基づいて制御手段が行った
    制御演算の結果データとを比較する演算監視を行い、前
    記制御演算の良否判定を行う電動パワーステアリング制
    御装置の演算監視方法。
  2. 【請求項2】 入力データに基づいて制御対象のための
    制御演算を行う制御手段と、前記制御演算の監視を行う
    ための演算監視プログラムを格納した第1記憶手段と、
    前記演算監視プログラムに基づいて前記制御手段の制御
    演算の監視を行うとともに、同制御演算の監視を行う際
    に、第2記憶手段を作業用メモリとして使用する演算監
    視手段と、を備えた電動パワーステアリング制御装置の
    演算監視方法において、 前記演算監視手段が、前記制御手段に入力される前記入
    力データと、同入力データに基づいて制御手段が行った
    制御演算の結果データとを比較する監視演算を行い、前
    記制御演算の良否判定を行う演算監視ステップと、 前記第1記憶手段の記憶領域のうち、前記演算監視プロ
    グラムを格納した記憶領域のチェックを行う第1チェッ
    クステップと、 前記演算監視手段が行った前記監視演算中の所定段階時
    に、第2記憶手段に2重化データを格納し、格納したデ
    ータが一致しているか否かのチェックを行う第2チェッ
    クステップを組合わせたことを特徴とする電動パワース
    テアリング制御装置の演算監視方法。
  3. 【請求項3】 前記第2チェックステップでは、監視演
    算中に行われた演算結果のデータを2重化して第2記憶
    手段に格納するものである請求項2に記載の電動パワー
    ステアリング制御装置の演算監視方法。
  4. 【請求項4】 第1記憶手段のチェックは、サムチェッ
    ク又はCRCチェック処理であることを特徴とする請求
    項2又は請求項3に記載の電動パワーステアリング制御
    装置の演算監視方法。
  5. 【請求項5】 入力データに基づいて制御対象のための
    制御演算を行う制御手段と、前記制御演算の監視を行う
    演算監視手段と、を備えた電動パワーステアリング制御
    装置において、 前記演算監視手段が、前記制御手段に入力される前記入
    力データと、同入力データに基づいて制御手段が行った
    制御演算の結果データとを比較する演算監視を行い、前
    記制御演算の良否判定を行うことを特徴とする電動パワ
    ーステアリング制御装置。
  6. 【請求項6】 入力データに基づいて制御対象のための
    制御演算を行う制御手段と、前記制御演算の監視を行う
    ための演算監視プログラムを格納した第1記憶手段と、
    前記演算監視プログラムに基づいて前記制御手段の制御
    演算の監視を行うとともに、同制御演算の監視を行う際
    に、第2記憶手段を作業用メモリとして使用する演算監
    視手段とを備えた電動パワーステアリング制御装置にお
    いて、 前記演算監視手段は、前記制御手段に入力される前記入
    力データと、同入力データに基づいて制御手段が行った
    制御演算の結果データとを比較する監視演算を行い、前
    記制御演算の良否判定を行うものであり、 さらに、前記第1記憶手段の記憶領域のうち、前記演算
    監視プログラムを格納した記憶領域のチェックを行う第
    1チェック手段と、 前記演算監視手段が行った前記監視演算中の所定段階時
    に、第2記憶手段に2重化データを格納し、格納したデ
    ータが一致しているか否かのチェックを行う第2チェッ
    ク手段とを備えたことを特徴とする電動パワーステアリ
    ング制御装置。
  7. 【請求項7】 前記第2チェック手段は、監視演算中に
    行われた演算結果のデータを2重化して第2記憶手段に
    格納するものである請求項6に記載の電動パワーステア
    リング制御装置。
  8. 【請求項8】 第1記憶手段のチェックは、サムチェッ
    ク又はCRCチェック処理であることを特徴とする請求
    項6又は請求項7に記載の電動パワーステアリング制御
    装置。
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KR100726404B1 (ko) 2005-08-08 2007-06-08 현대모비스 주식회사 전동식 동력 조향장치의 제어프로그램을 튜닝하기 위한 프로그램을 기록하여 컴퓨터로 읽을 수 있는 기록매체 및 튜닝 방법
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