JP3908072B2 - 電動パワーステアリング制御装置の演算監視方法及び電動パワーステアリング制御装置 - Google Patents

電動パワーステアリング制御装置の演算監視方法及び電動パワーステアリング制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動パワーステアリング制御装置の演算監視方法及び電動パワーステアリング制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電動パワーステアリング制御装置では、アシスト制御のための制御演算を行うとともに、その演算結果が正しいか否かを判定する演算監視も行っている。例えば、アシスト制御のための制御演算を、電動パワーステアリング制御装置のメインマイクロコンピュータ(以下、メインマイコンという)にて行い、一方、演算監視をメインマイコンと別個に設けられたサブマイクロコンピュータ(以下、サブマイコンという)にて行うようにしている。このサブマイコンの演算監視では、制御演算の入力(入力データ)に対する制御演算の出力の方向と大きさをチェックすることが行われている。
【0003】
又、前記メインマイコンは、電動パワーステアリング制御装置の各種制御プログラムを格納しているROM全域のサムチェックを行うようにしている。このROM全域のサムチェックにより、ROM故障による誤演算を検出する。
【0004】
さらに、前記メインマイコンが備えているRAMは、制御演算や監視演算時の作業用メモリとなる。そして、メインマイコンはこのRAMに対しては、演算している全域に亘ってその時々の2重化したデータを書込み、2重化したデータの一致をチェックすることによりRAM故障による誤演算を検出するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の電動パワーステアリング制御装置での入力(入力データ)に対するモータ通電電流の方向と大きさより制御手段の良否を判定する方法はマイコンにとって大きな負荷となっていた。このため、メインマイコン以外のサブマイコンが必要となり、コストアップの原因となっていた。
【0006】
又、従来の電動パワーステアリング制御装置ではROM全領域でサムチェックを行っていることから、全領域の故障判定に時間を要するため、ROM故障があっても即座にROM故障時の対応ができない問題があった。
【0007】
さらに、従来は、RAMの2重化したデータの一致チェックを演算している全域に亘って行うため、メインマイコンの負荷が増大するとともに、RAMの使用領域も増大する。この負荷を軽減するためには、演算の全領域のチェックを行わないようにするか、或いは一部の演算のみ実施するように限定されたものとなるが、この場合、RAM故障の全てを検出できるものではなくなるため、信頼性に欠ける。
【0008】
本発明の目的は、コストアップを招くことなく、演算監視を行うことができる電動パワーステアリング制御装置の演算監視方法及び電動パワーステアリング制御装置を提供することにある。
【0009】
又、ROMチェック、RAMチェックの監視を短時間で行うことができる電動パワーステアリング制御装置の演算監視方法及び電動パワーステアリング制御装置を提供することにある。
【0010】
さらに信頼性の高い演算監視系を備えることができる電動パワーステアリング制御装置の演算監視方法及び電動パワーステアリング制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項の発明は、入力データに基づいて制御対象のための制御演算を行う制御手段と、前記制御演算の監視を行うための演算監視プログラムを格納した第1記憶手段と、前記演算監視プログラムに基づいて前記制御手段の制御演算の監視を行うとともに、同制御演算の監視を行う際に、第2記憶手段を作業用メモリとして使用する演算監視手段と、を備えた電動パワーステアリング制御装置の演算監視方法において、前記演算監視手段が、前記制御手段に入力される前記入力データと、同入力データに基づいて制御手段が行った制御演算の結果データとを比較する監視演算を行い、前記制御演算の良否判定を行う演算監視ステップと、前記第1記憶手段の記憶領域のうち、前記演算監視プログラムを格納した記憶領域のチェックを行う第1チェックステップと、前記演算監視手段が行った前記監視演算中の所定段階時に、第2記憶手段に2重化データを格納し、格納したデータが一致しているか否かのチェックを行う第2チェックステップを組合わせたことを特徴とする電動パワーステアリング制御装置の演算監視方法を要旨とするものである。
【0013】
請求項の発明は、請求項において、前記第2チェックステップでは、監視演算中に行われた演算結果のデータを2重化して第2記憶手段に格納するものである。
【0014】
請求項の発明は、請求項又は請求項において、第1記憶手段のチェックは、サムチェック又はCRCチェック処理であることを特徴とする。
【0015】
請求項の発明は、入力データに基づいて制御対象のための制御演算を行う制御手段と、前記制御演算の監視を行うための演算監視プログラムを格納した第1記憶手段と、前記演算監視プログラムに基づいて前記制御手段の制御演算の監視を行うとともに、同制御演算の監視を行う際に、第2記憶手段を作業用メモリとして使用する演算監視手段とを備えた電動パワーステアリング制御装置において、前記演算監視手段は、前記制御手段に入力される前記入力データと、同入力データに基づいて制御手段が行った制御演算の結果データとを比較する監視演算を行い、前記制御演算の良否判定を行うものであり、さらに、前記第1記憶手段の記憶領域のうち、前記演算監視プログラムを格納した記憶領域のチェックを行う第1チェック手段と、前記演算監視手段が行った前記監視演算中の所定段階時に、第2記憶手段に2重化データを格納し、格納したデータが一致しているか否かのチェックを行う第2チェック手段とを備えたことを特徴とする電動パワーステアリング制御装置を要旨とするものである。
【0016】
請求項の発明は、請求項において、前記第2チェック手段は、監視演算中に行われた演算結果のデータを2重化して第2記憶手段に格納するものである。
請求項8の発明は、請求項6又は請求項7において、第1記憶手段のチェックは、サムチェック又はCRCチェック処理であることを特徴とする。
【0017】
(作用)
【0019】
請求項の発明によれば、演算監視ステップでは、演算監視手段が、前記制御手段に入力される前記入力データと、同入力データに基づいて制御手段が行った制御演算の結果データとを比較する監視演算を行い、前記制御演算の良否判定を行う。第1チェックステップでは、第1記憶手段の記憶領域のうち、前記演算監視プログラムを格納した記憶領域のチェックを行う。
【0020】
第2チェックステップでは、前記演算監視手段が行った前記監視演算中の所定段階時に、第2記憶手段に2重化データを格納し、格納したデータが一致しているか否かのチェックを行う。
【0021】
請求項の発明の第2チェックステップでは、監視演算中に行われた演算結果のデータを2重化して第2記憶手段に格納する。
請求項の発明は、第1記憶手段のチェックは、サムチェック又はCRCチェック処理にて行う。
【0023】
請求項の発明は、演算監視手段は、前記制御手段に入力される前記入力データと、同入力データに基づいて制御手段が行った制御演算の結果データとを比較する監視演算を行い、前記制御演算の良否判定を行う。
【0024】
一方、第1チェック手段は、第1記憶手段の記憶領域のうち、前記演算監視プログラムを格納した記憶領域のチェックを行う。
第2チェック手段は、演算監視手段が行った前記監視演算中の所定段階時に、第2記憶手段に2重化データを格納し、格納したデータが一致しているか否かのチェックを行う。
【0025】
請求項の発明は、第2チェック手段は、監視演算中に行われた演算結果のデータを2重化して第2記憶手段に格納する。
請求項の発明では、第1記憶手段のチェックは、サムチェック又はCRCチェック処理にて行う。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、電動パワーステアリング装置50の制御装置に具体化した実施形態を図1乃至図7を参照して説明する。
【0027】
図1は電動パワーステアリング装置50の概略図である。
ステアリングホイール51に連結したステアリングシャフト52には、トーションバー53が設けられている。このトーションバー53には、トルクセンサ54が装着されている。ステアリングシャフト52が回転してトーションバー53に力が加わると、加わった力に応じてトーションバー53が捩れるようになっている。トルクセンサ54は、その捩れ、即ちステアリングホイール51にかかる操舵トルクThを検出している。トルクセンサ54は、操舵トルクThを示す信号をCPU70(中央処理装置)に対して出力している。
【0028】
また、ステアリングシャフト52には減速機55が固着されている。この減速機55には制御対象としてのモータMの回転軸に取着したギア57が噛合されている。
【0029】
更に、減速機55には、ピニオンシャフト58が固着されている。ピニオンシャフト58の先端には、ピニオン59が固着されるとともに、このピニオン59はラック60と噛合している。前記ラック60とピニオン59とによりラック&ピニオン機構61が構成されている。
【0030】
前記ラック60の両端には、タイロッド62が固設されており、そのタイロッド62の先端部にはナックル63が回動可能に連結されている。このナックル63には、前輪64が固着されている。また、ナックル63の一端は、クロスメンバ65に回動可能に連結されている。モータMが回転すると、その回転数は減速機55によって減少されてラック60に伝達される。これにより、ラック60は、タイロッド62を介して、ナックル63に設けられた前輪64の向きを変更して車両の進行方向を変えることができるようになっている。
【0031】
前輪64には、車速センサ66が設けられている。車速センサ66は、その時の車速Vを示す前輪64の回転数に相対する検出信号をCPU70に対して出力している。
【0032】
本実施形態において、電動パワーステアリング装置50の制御装置は、1つのマイクロコンピュータにて構成されている。制御装置(以下、マイコン69という)は、制御手段、演算監視手段、第1チェック手段及び第2チェック手段に相当する。
【0033】
マイコン69は、CPU70及びメモリ71を備えている。CPU70は、トルクセンサ54や車速センサ66等から出力された操舵トルクThや車速V等に関する信号に基づいて、モータ駆動回路75に出力すべきモータ電流指令値Qを決定する。モータ駆動回路75は、CPU70から出力されたモータ電流指令値Qに対応する駆動電流を、遮断回路76を介してモータMへ出力する。そして、モータMは、運転者によるステアリングホイール51の操舵力を補助するためのトルク(操舵補助トルク)を発生する。
【0034】
また、モータ駆動回路75には、モータMにおいて実際に流れる駆動電流(実電流)を検出するセンサとしてのモータ実電流センサ(図示しない)が設けられており、そのモータ通電電流値Imを示す信号がCPU70へ出力されるようになっている。そして、CPU70は、モータ通電電流値ImすなわちモータMを流れる実電流の検出結果に基づくフィードバック制御を行う。
【0035】
このフィードバック制御では、CPU70は、例えば、操舵トルクThが一定である状態において、何らかの理由によりモータ通電電流値Imが低下した場合、前記操舵補助トルクの落ち込みを防止すべく、前記モータ駆動電圧を増加させる。
【0036】
次に、マイコン69の機能及び動作について、図2示す機能ブロック図を用いて説明する。
以下に示すマイコン69の機能は、メモリ71に格納されたプログラムに基づいてCPU70で実行される機能を示している。
【0037】
つまり、実際のハード構成を意味するものではない。また、以下の制御装置内部の機能の説明では、「車速V」、「操舵トルクTh」等の各種パラメータは、説明の便宜上、それらの対応する信号の意味として使用するものとする。
【0038】
メモリ71は、図4に示すように各種演算時に使用されるRAM部80と、各種プログラムを格納するROM部90とに区分される。ROM部90は第1記憶手段に相当する。
【0039】
又、ROM部90は、演算監視部73となる演算監視プログラムが記述されたROM領域91と、演算監視プログラム以外の制御プログラムが記述されたROM領域とからなる。
【0040】
アシスト演算部72は、操舵トルクThや車速V等を入力し、この信号に基づいて、モータ駆動回路75に出力すべきモータ電流指令値Qを決定(制御演算)する。又、アシスト演算部72は前記モータ実電流センサ(図示しない)からのモータ通電電流値Imを入力し、モータ通電電流値Imに基づくフィードバック制御を行う。アシスト演算部72は、制御手段に相当する。
【0041】
演算監視部73は、アシスト演算部72の入力信号である操舵トルクThとモータ電流指令値Qを入力し、操舵トルクThに対するモータ電流指令値Qの符号と、大きさをチェックする。演算監視部73は、アシスト演算部72の演算監視手段に相当する。
【0042】
ここで、図3は操舵トルクThに対するモータ電流指令値Qの判定基準を示している。図3において、V1〜V4は車速を表し、アシスト演算部72で決定される操舵トルクThに対するモータ電流指令値Qの値は車速により変化することを示している。又、図3中、ハッチングで示した領域がモータ電流指令値Qの正常領域である。演算監視部73はこの判定基準をもとにモータ電流指令値Qが正常範囲内か否かを判定するための演算(演算1〜演算3)を行う。
【0043】
もし、モータ電流指令値Qが正常範囲内に入っていない場合、演算監視部73はアシスト演算部72が使用しているメモリ71の領域(ROM領域,RAM領域)又は他の部分の故障により、アシスト演算部72が誤演算したとして判定する。この場合には、演算監視部73は、遮断回路76に遮断信号を出力する。遮断回路76はこの遮断信号の入力に基づいてモータMへの通電を遮断する。
【0044】
本実施形態では、演算監視部73は、操舵トルクTh信号、車速Vに基づいてモータ電流指令値Qを演算するアシスト演算部72に比較し、単に正常範囲内か否かを判定するという簡易な演算でよい。このため、アシスト演算部72と同等の処理サイクルで判定できる。そして、アシスト演算部72が誤演算した場合には、システムが異常な場合となった際にも、遮断回路76に遮断信号を出力するため、即座にシステムを停止できる。なお、ここでのシステムは、マイコン69が制御しているモータMの駆動制御系のシステムである。
【0045】
一方、演算監視チェック部74は演算監視部73を監視する。
すなわち、演算監視チェック部74は、メモリ71のうち、演算監視部73に相当する演算監視プログラムや、各種データが記述されているメモリ71中のROM領域91のROMサムチェックを行う。本実施形態では、メモリ71のデータ構造は、図4に示すような構成となっており、ROM領域91は先頭アドレスAAAAh〜最終アドレスBBBBhの範囲である。
【0046】
又、演算監視チェック部74は、RAM部80のうち、演算監視部73で使用されているRAM領域81において、2重化されているデータの一致をチェックする。演算監視チェック部74は、第1チェック手段及び第2チェック手段に相当する。
【0047】
(ROMサムチェック)
ここで、ROM領域91のROMサムチェックについて説明する。
図6は、演算監視チェック部74(CPU70)が実行するROMサムチェックフローチャートである。
【0048】
S100では、データを取得する際、対象とするアドレスを指定するためのROMデータ取得アドレス(i)を初期化する。ここでは、演算監視部73の先頭アドレスは、AAAAhであるため、i=AAAAhとする。次にS110で、ROM積算データ(sum)を初期化する。
【0049】
S120では、ROMデータを積算する。
すなわち、sum=sum+dat(i)の演算を行う。
なお、dat(i)はアドレスiのROMデータである。
【0050】
S130では、S120で積算したROMデータのアドレスが最終アドレスBBBBhか否かを判定し、最終アドレスBBBBhでない場合、S140でアドレス更新し(i=i+1)、S120に戻る。
【0051】
又、S130において、S120で積算したROMデータのアドレスが最終アドレスBBBBhである場合には、S150に移行し、sum=SUMか否かを判定する。この大文字のSUMは予め演算された正しい積算値であり、ROM領域91とは異なるROM領域に記憶されている。
【0052】
S100〜S150は第1チェックステップに相当する。
S150で、sum=SUMである場合には、S100に戻る。又、S150で、sum≠SUMの場合には、S160に移行し、ROM異常として、遮断信号を演算監視チェック部74から遮断回路76に出力する。遮断回路76はこの遮断信号の入力に基づいてモータMへの通電を遮断する。
【0053】
ここで行っているROMサムチェックは演算監視部73のROM領域91(先頭アドレスAAAAh〜最終アドレスBBBBh)に限定して行っているため、ROM部90全域のサムチェックに比較して、はるかに短時間で実施できる。
【0054】
この結果、演算監視部73のチェックと同様にシステムが異常な場合となった際にも、遮断回路76に遮断信号を出力するため、即座にシステムを停止できる。
【0055】
(RAMチェック)
次にRAM領域81のRAMチェックについて説明する。
図7は、演算監視チェック部74が実行するRAMチェックプログラム(以下、RAMチェックPGという)のフローチャートである。RAMチェックPGはROM部90のうち、ROM領域91以外の領域に格納されている。
【0056】
なお、RAM領域81では、演算監視部73で使用するRAMデータが全て2重化されて構成されている。すなわち、演算監視部73が行う演算過程では、RAM領域81内においてセットされるRAMデータは同時に2重化されて、それぞれ2つのRAM領域にセットされる。RAM領域81は第2記憶手段に相当する。演算監視部73が行う演算は、前述したマップを参照してモータ電流指令値Qが正常範囲内か否かを判定するための演算であって、演算1〜演算3からなる。
【0057】
例えば、図5に示すように、操舵トルクThとモータ電流指令値Qに基づいて演算1が行われると、2重化したRAMデータ(2重化データ)a[0],a[1]が生成される。又、演算2が行われると、2重化したRAMデータ(2重化データ)b[0],b[1]が生成される。さらに、演算3が行われると2重化したRAMデータ(2重化データ)c[0],c[1]が生成される。そして、これらのRAMデータがそれぞれRAM領域81内において、所定のRAM領域(記憶領域)にそれぞれ記憶される。
【0058】
まず、このフローチャートが開始されると、S200において、RAMデータa[0]=a[1]が成立しているか、すなわち、両RAMデータa[0],a[1]が一致しているか否かを判定する。
【0059】
ここで、一致している場合には、S210に移行し、RAMデータb[0]=b[1]が成立しているか、すなわち、両RAMデータb[0],b[1]が一致しているか否かを判定する。
【0060】
一致している場合には、S220に移行し、RAMデータc[0]=c[1]が成立しているか、すなわち、両RAMデータc[0],c[1]が一致しているか否かを判定する。
【0061】
S220において、RAMデータc[0],c[1]が一致している場合には、S200に戻る。
前記S200〜S220は第2チェックステップに相当する。
【0062】
S200、S210、S220において、RAMデータ同士が一致していない場合には、S230においてRAM領域81が異常であるとして、演算監視チェック部74は遮断信号を演算監視チェック部74から遮断回路76に出力する。遮断回路76はこの遮断信号の入力に基づいてモータMへの通電を遮断する。
【0063】
ここにおいても、演算監視部73が使用しているRAM領域81に限定してチェックを行っているため、RAM部80の全領域をチェックする場合に比較して遥かに短時間で実施できる。
【0064】
従って、演算監視部73のチェックと同様にシステムが異常な場合となった際にも、遮断回路76に遮断信号を出力するため、即座にシステムを停止できる。
次に、本実施形態の特徴を以下に記載する。
【0065】
(1) 本実施形態での電動パワーステアリング制御装置は、操舵トルクTh等(入力データ)に基づいてモータM(制御対象)のための制御演算を行うアシスト演算部72(制御手段)と、制御演算の監視を行う演算監視部73(演算監視手段)と、を備える。そして、演算監視部73(演算監視手段)が、アシスト演算部72(制御手段)に入力される操舵トルクTh等(入力データ)と、同操舵トルクTh等に基づいてアシスト演算部72が行った制御演算のモータ電流指令値Q(結果データ)とを比較する演算監視を行い、制御演算の良否判定を行うようにした。
【0066】
この結果、モータ6の通電電流ではなく、モータ電流指令値Q(結果データ)を用いて監視演算を行うことで、マイコン69の負荷が小さくて済む。このため、制御演算と監視演算を1つのマイコンで行うことができる。
【0067】
この結果、新たに監視演算用のサブマイコンを設けなくてもよいため、コストアップを招くことなく演算監視を行うことができる。
(2) 本実施形態での演算監視方法では、マイコン69(演算監視手段)が、操舵トルクTh等(入力データ)と、アシスト演算部72(制御手段)が行った制御のための演算(制御演算)によるモータ電流指令値Q(結果データ)とを比較する監視演算を行い、前記制御演算の良否判定を行うステップを備える。
【0068】
又、ROM部90(第1記憶手段)の記憶領域のうち、ROM領域91(演算監視プログラムを格納した記憶領域)のチェックのみを行うようにしたステップ(第1チェックステップ:S100〜S150)を備える。
【0069】
さらに、マイコン69(演算監視手段)が行った監視演算中の演算1、演算2,演算3をそれぞれ行った際(所定段階時)に、RAM領域81(第2記憶手段)に2重化データをそれぞれ格納し、格納したデータが一致しているか否かのチェックを行うステップ(第2チェックステップ:S200〜S220)を備える。
【0070】
この結果、ROM部90のうち、ROM領域91のみをチェックするため、ROM部90の全領域をチェックする場合に比較して、ROM部90の異常検出を早期に行うことができる。
【0071】
又、本実施形態では、2重化データの一致チェックをデータ量の大きいアシスト演算部72(制御手段)に対して行うのではなく、データ量の比較的小さい演算監視部73(演算監視手段)に対して行う。このため、マイコン69の負荷が増大することがない。さらに、演算監視中の演算1、演算2、演算3をそれぞれ行った際に2重化データの一致チェックを行う。このため、マイコン69の負荷が増大することがない。
【0072】
又、マイコン69の負荷が増大せず、単一のマイコン69にて行うことができるため、コストアップすることがない。
(3) 本実施形態では、第2チェックステップ(S200〜S220)では、監視演算中に行われた演算結果のデータを2重化してRAM領域81(第2記憶手段)に格納するようにした。
【0073】
この結果、演算結果のデータをそのまま使用するため、演算結果のデータを使用しない場合に比して、演算監視部73の監視演算結果のデータの信頼性を直接判定できる。
【0074】
(4) 本実施形態では、マイコン69(演算監視手段)は、アシスト演算部72(制御手段)に入力される操舵トルクTh等(入力データ)と、アシスト演算部72が行った制御演算によるモータ電流指令値Q(結果データ)とを比較する監視演算を行い、前記制御演算の良否判定を行うようにした。
【0075】
又、マイコン69を、ROM部90(第1記憶手段)の記憶領域のうち、前記演算監視プログラムを格納した記憶領域のチェックを行う第1チェック手段とした。又、マイコン69を、監視演算中の所定段階時に、RAM領域81(第2記憶手段)に2重化データを格納し、格納したデータが一致しているか否かのチェックを行う第2チェック手段とした。
【0076】
この結果、上記(2)の効果を奏することができる。
(5) 本実施形態では、RAM領域81(第2チェック手段)は、監視演算中に行われた演算結果のデータを2重化してRAM領域81(第2記憶手段)に格納するようにした。
【0077】
この結果、上記(3)の効果を奏することができる。
(6) 本実施形態では、アシスト演算部72の入力データである操舵トルクThと結果データであるモータ電流指令値Qを入力し、アシスト演算部72をチェックする演算監視部73をアシスト演算部72に設けた。演算監視部73の記述されているROM領域91のROMサムチェックと演算監視部73で使用されているRAM領域81の2重化したRAMデータの一致をチェックする演算監視部73を同一マイコン69設けた。
【0078】
そして、演算監視部73にて、アシスト演算部72の異常、又は、演算監視チェック部74にて、演算監視部73の異常が判定されたとき遮断回路76に遮断信号を出力してモータMの通電を遮断するようにした。
【0079】
この結果、アシスト演算部72が同一マイコン69内に設けられた演算監視部73で故障が検出できるとともに、演算監視部73は、演算監視チェック部74にて異常が検出できる。又、演算監視部73の監視も行っているため、信頼性の高い監視系を構築することができる。
【0080】
なお、本発明の実施形態は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように変更してもよい。
(1) 前記実施形態では、ROM領域91のチェックをサムチェックにて行ったが、これに限定するものではなく、例えばCRC(Cyclic Redundancy Check)チェックを行っても良い。
【0081】
(2) 前記実施形態では、入力データとして、車速V、操舵トルクThとしたが、他の入力データであってもよい。
(3) 前記実施形態では、アシスト演算部72の制御演算について説明したが、他の制御演算を行う場合であってもよい。この場合、演算監視部73では、他の制御演算のための入力データと、その制御演算の結果データとの比較を行うことになる。
【0082】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1乃至請求項の発明によれば、コストアップを招くことなく、演算監視を行うことができる。
【0083】
又、請求項乃至請求項によれば、上記効果に加えて、ROMチェック、RAMチェックの監視を短時間で行うことができ、さらに信頼性の高い演算監視系にすることができる。
【0084】
さらに信頼性の高い演算監視系を備えることができる電動パワーステアリング制御装置とすることができる。
請求項乃至請求項の発明によれば、コストアップを招くことなく、演算監視を行うことができる。
【0085】
又、請求項乃至請求項の発明によれば、ROMチェック、RAMチェックの監視を短時間で行うことができる。又、さらに信頼性の高い演算監視系を備えることができる電動パワーステアリング制御装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態の電動パワーステアリング装置の概略図。
【図2】 実施形態の電動パワーステアリング装置の制御装置の機能ブロック図。
【図3】 同じく演算監視部の判定基準の説明図。
【図4】 同じくメモリのデータ構成を示すメモリマップ。
【図5】 チェック時の流れを示す説明図。
【図6】 同じく演算監視部のROMサムチェックフローチャート。
【図7】 同じく演算監視部のRAMチェックフローチャート。
【符号の説明】
69…マイコン(制御手段、演算監視手段、第1チェック手段及び第2チェック手段)
70…CPU
72…アシスト演算部(制御手段)
73…演算監視部(演算監視手段)
74…演算監視チェック部(第1チェック手段及び第2チェック手段)
80…RAM部
81…RAM領域(第2記憶手段)
91…ROM領域
90…ROM部(第1記憶手段)

Claims (6)

  1. 入力データに基づいて制御対象のための制御演算を行う制御手段と、前記制御演算の監視を行うための演算監視プログラムを格納した第1記憶手段と、前記演算監視プログラムに基づいて前記制御手段の制御演算の監視を行うとともに、同制御演算の監視を行う際に、第2記憶手段を作業用メモリとして使用する演算監視手段と、を備えた電動パワーステアリング制御装置の演算監視方法において、
    前記演算監視手段が、前記制御手段に入力される前記入力データと、同入力データに基づいて制御手段が行った制御演算の結果データとを比較する監視演算を行い、前記制御演算の良否判定を行う演算監視ステップと、
    前記第1記憶手段の記憶領域のうち、前記演算監視プログラムを格納した記憶領域のチェックを行う第1チェックステップと、
    前記演算監視手段が行った前記監視演算中の所定段階時に、第2記憶手段に2重化データを格納し、格納したデータが一致しているか否かのチェックを行う第2チェックステップを組合わせたことを特徴とする電動パワーステアリング制御装置の演算監視方法。
  2. 前記第2チェックステップでは、監視演算中に行われた演算結果のデータを2重化して第2記憶手段に格納するものである請求項1に記載の電動パワーステアリング制御装置の演算監視方法。
  3. 第1記憶手段のチェックは、サムチェック又はCRCチェック処理であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電動パワーステアリング制御装置の演算監視方法。
  4. 入力データに基づいて制御対象のための制御演算を行う制御手段と、前記制御演算の監視を行うための演算監視プログラムを格納した第1記憶手段と、前記演算監視プログラムに基づいて前記制御手段の制御演算の監視を行うとともに、同制御演算の監視を行う際に、第2記憶手段を作業用メモリとして使用する演算監視手段とを備えた電動パワーステアリング制御装置において、 前記演算監視手段は、前記制御手段に入力される前記入力データと、同入力データに基づいて制御手段が行った制御演算の結果データとを比較する監視演算を行い、前記制御演算の良否判定を行うものであり、
    さらに、前記第1記憶手段の記憶領域のうち、前記演算監視プログラムを格納した記憶領域のチェックを行う第1チェック手段と、
    前記演算監視手段が行った前記監視演算中の所定段階時に、第2記憶手段に2重化データを格納し、格納したデータが一致しているか否かのチェックを行う第2チェック手段とを備えたことを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。
  5. 前記第2チェック手段は、監視演算中に行われた演算結果のデータを2重化して第2記憶手段に格納するものである請求項4に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  6. 第1記憶手段のチェックは、サムチェック又はCRCチェック処理であることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の電動パワーステアリング制御装置。
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