JP2003291578A - 塗布具用チップ - Google Patents

塗布具用チップ

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JP2003291578A JP2002097539A JP2002097539A JP2003291578A JP 2003291578 A JP2003291578 A JP 2003291578A JP 2002097539 A JP2002097539 A JP 2002097539A JP 2002097539 A JP2002097539 A JP 2002097539A JP 2003291578 A JP2003291578 A JP 2003291578A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボールを後端側から付勢して、スムーズな筆
記性能とドライアップ等を防止するボールペン等の塗布
具用のチップにおいて、製造が容易であり、ボール付勢
する部材を容易に挿入することができる塗布具用チップ
を提供する。 【解決手段】 ボールハウス、中心孔及びバック孔が設
けられた塗布具用チップ本体に、コイルばね部と、コイ
ルばね部の先端側に設けられた棒状部を有したボール付
勢部材を挿入し、コイルばね部の先端側はバック孔と略
密着しており、棒状部の先端部分でボールを先端側に付
勢する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボールを有する塗
布具の先端に設けられるボールペンや修正具等の塗布具
のチップに関するものである。さらに詳しくは、ボール
を後端側から付勢して、塗布の際にはスムーズな塗布性
能を確保し、塗布しないときには塗布液漏れや塗布液の
ドライアップを防止する塗布具のチップに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】ボールペンなどの塗布部にボールを有す
る塗布具には、塗布部であるボールの周辺に、塗布に必
要なインキを流出させるための隙間を有している。この
隙間は塗布の際に必要なものであるが、この隙間のため
問題となる場合がある。例えば、ボールペンにおいて
は、隙間を通じて内部のインキ(塗布液)が蒸発してイ
ンキの流動性が悪くなり、筆記時にかすれが発生する。
また、隙間からインキが流出することにより、筆記時や
携帯時などに服などを汚れてしまう。さらに、隙間から
空気が入り込むことにより、筆記の際にカスレが発生し
たり、インキがインキタンク後方へ落ちてしまうインキ
ドロップなどが起こってしまう。
【0003】上記の対策のため、チップの内部にスプリ
ングを設けたもの(実開昭55ー172104号、実開
昭57ー193578号など)が知られているが、製造
方法が困難であったり、製品の品質管理などが困難であ
った。
【0004】そして、さらに、これらの加工性、製品の
品質管理を向上させるため、種々の改良がなされてい
る。例えば、特開平8−20184号に示されるボール
ペンの発明は、スプリングの筆記部側先端に、ボールに
当接する棒状部が設けられ、該棒状部後端より後端に向
かってコイル状のバネ部が設けられると共に、上記ボー
ルを抱持したチップ本体の中心孔先端の外郭に中心孔の
後端に至らない深さの所要数の溝を有した受け座を設
け、中心孔の後端から拡大した内孔の接合段部及びチッ
プ本体の後端に向かってステップ上に拡大する内孔接合
段部の必要箇所が略中心角90°以下のテーパーで接続
されて構成されたことを特徴としている。
【0005】特開平8−20184号に開示の従来技術
よれば、ホルダーの内孔接合段部の必要箇所が略中心角
90°以下のテーパーで接続され、ボールハウスの後端
側に有する溝が後端側に至らない深さであり、付勢部材
をチップ本体に挿入する際には、棒状部の先端を中心へ
と誘導して挿入することができる。
【0006】さらに、具体的に説明すると、従来技術1
のチップ100の先端部分は、図6(a)に示されるよ
うな構造であり、チップ100には、ボールハウス10
6、中心孔105、バック孔103を有し、ボールハウ
ス106からバック孔103まで連通している。そし
て、ボールハウス106にはボール110が保持されて
おり、ボールハウス106から後端側に溝107が設け
られている。中心孔105とバック孔103との境界に
有する段部108はテーパー状であり、前記溝107
は、段部108まで到達しない深さである。さらに、図
6(b)に示されるように棒状部112により、ボール
110は先端側に付勢されている。
【0007】また、特開平9−52488号に示される
筆記具の発明は、コイルスプリングが、前記流動体誘導
孔に挿通する密着巻きされた小径部分と、チップ本体の
内孔内に位置してスプリング力を発生する少なくとも1
箇所の中径作用部分と、前記チップ本体の内孔に配置さ
れ、かつ、前記ボールが前後方向に移動し前記中径作用
部分が作用する過程で前記ホルダーの内孔の内面に沿っ
て案内される密着巻きされた少なくとも1箇所の大径部
分とが連なったものであることを特徴としている。
【0008】特開平9−52488号に示された従来技
術によれば、ボールが前後方向に移動して中径作用部分
が作用する過程で前記チップ本体の内孔の内面に沿って
密着巻きされた大径部分が案内されるので、コイルスプ
リングで真っすぐに付勢して、ボールによる吐出口の閉
止・開放を確実に行うことができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
技術によっても、製品の製造や品質管理などが困難な場
合があり、また、ボール、チップの形状、インキの種類
などによっては適用できないものがあった。
【0010】すなわち、特開平8−20184号に開示
の従来技術では、付勢部材を挿入する際に、付勢部材が
撓むので、付勢部材の先端が直進せず、蛇行しながら進
む。したがって、図6(c)のように、溝107の深さ
を段部108に到達する形状にすると、棒状部112が
引っ掛かってしまうおそれがあり、図6(c)のように
溝107を貫通させる構造にすることが困難であった。
したがって、塗布時のインキ流量の多いものやインキの
粘度が高いものに適用するとインキが途切れやすかっ
た。また、中心孔105が小さく、棒状部112との隙
間が狭いボールペンの場合には、インキの流出が困難と
なり、インキが途切れやすかった。特に、ボール外径が
0.4mm以下のボール等の小さいボールを用いたもの
では、必然的に中心孔105を小さくする必要があり、
問題となっていた。また、ホルダーの内孔接合段部の必
要箇所が略中心角90°以下のテーパー状であり、特
に、段部108のテーパー加工は、後端部の開口から距
離があり加工しにくかった。
【0011】さらに、特開平9−52488号に示され
る従来技術では、ボールに接触する部分が、コイルスプ
リングの小径密着スプリングであり、小径密着部が中心
孔を通る構造である。したがって、中心孔が小さいチッ
プでは、コイルスプリングの外径をスプリング巻きの限
度まで小さくしても、中心孔に通すことができないもの
があった。また、仮にコイルスプリングの小径密着部を
中心孔に通すことができても、中心孔の内径に対して小
径密着部の外径が大きいため、精度良く製作しなけれ
ば、挿入の際に中心孔に通すことができず引っ掛かって
しまうおそれがあった。さらに、ボールを付勢するため
の部分が中径作用部分のみであるので、ボールの可動距
離であるストローク長が長いと適用できなかった。
【0012】そこで、本発明は、ボールを後端側から付
勢して、筆記の際にはスムーズな筆記性能を確保し、筆
記しないときにはインキ漏れやインキのドライアップを
防止する塗布具用チップであって、チップ及びボール付
勢部材の製造が容易であり、さらに、ボール付勢部材を
挿入する際に引っ掛かかりにくく、容易に中心孔に通す
ことができる塗布具用チップを提供することを課題とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】そして、上記した目的を
達成するための請求項1に記載の発明は、塗布具用チッ
プ本体、ボール及びボール付勢部材を有し、塗布具用チ
ップ本体は、ボールハウス、中心孔及びバック孔が設け
られ、ボールハウスの後端側に中心孔が位置し、さらに
中心孔の後端側にバック孔が位置して、ボールハウスか
らバック孔まで連通し、ボールはボールハウスに回転可
能な状態で保持されている塗布具用チップにおいて、ボ
ール付勢部材は塗布具用チップ本体内部に挿入されるも
のであり、付勢力発生部、誘導部及びボール押圧部が設
けられ、付勢力発生部によりボール押圧部が先端側に付
勢されてボールに接触して、ボールは先端側に付勢さ
れ、誘導部はバック孔と接触して、ボール付勢部材を塗
布具用チップ本体に挿入する際には、ボール押圧部は軸
方向と略平行に誘導されて中心孔を通過することを特徴
とする塗布具用チップである。
【0014】請求項1の発明によれば、ボール付勢部材
は塗布具用チップ本体内部に挿入されて、ボールは先端
側に付勢されているので、筆記の際には筆記圧によりボ
ールが後端側に移動してボールとチップ本体に隙間がで
き、スムーズな筆記性能を確保し、また、筆記しないと
きには付勢力によりボールとチップ本体の隙間が閉じて
インキ漏れやインキのドライアップを防止することがで
きる。さらに、ボール付勢部材を塗布具用チップ本体に
挿入する際には、ボール押圧部は軸方向と略平行に直線
的に誘導されて中心孔を通過するので、容易に中心孔に
通すことができる。
【0015】請求項2の発明は、塗布具用チップ本体、
ボール及びボール付勢部材を有し、塗布具用チップ本体
は、ボールハウス、中心孔及びバック孔が設けられ、ボ
ールハウスの後端側に中心孔が位置し、さらに中心孔の
後端側にバック孔が位置して、ボールハウスからバック
孔まで連通し、ボールはボールハウスに回転可能な状態
で保持されている塗布具用チップにおいて、ボール付勢
部材は塗布具用チップ本体内部に挿入されるものであ
り、コイルばね部と、コイルばね部の先端側に設けられ
た棒状部を有し、コイルばね部によって先端側に付勢さ
れている棒状部の先端部分がボールに接触し、さらに、
コイルばね部の先端側はバック孔と略密着していること
を特徴とする塗布具用チップである。
【0016】請求項2に記載の発明によれば、筆記の際
にはスムーズな筆記性能を確保し、筆記しないときには
インキ漏れやインキのドライアップを防止することがで
きる。また、ボール付勢部材を塗布具用チップ本体に挿
入する際には、コイルばね部の先端は軸方向と略平行に
誘導されて中心孔を通過するので、容易に中心孔に通す
ことができ、さらにチップ及びボール付勢部材の製造が
容易である。
【0017】請求項3に記載の発明は、コイルばね部の
先端側のバック孔と略密着している部分の長さは、コイ
ルばね部のばね外径の1〜2倍であることを特徴とする
請求項2に記載の塗布具用チップである。
【0018】請求項3に記載の発明によれば、コイルば
ね部の先端側のバック孔と略密着している部分の長さ
は、コイルばね部のばね外径の1〜2倍であるので、挿
入の際のコイルばね部の先端の誘導は、軸方向と略平行
となり、さらに挿入の際の抵抗が少ない。
【0019】請求項4の発明は、バック孔の、コイルば
ね部の先端側と略密着している部分であるコイルばね誘
導部の長さは、ボール付勢部材の棒状部よりも長いこと
を特徴とする請求項2又は3に記載の塗布具用チップで
ある。
【0020】請求項4に記載の発明によれば、バック孔
の、コイルばね部の先端側と略密着している部分である
コイルばね誘導部の長さは、ボール付勢部材の棒状部よ
りも長いので、より確実にボール付勢部材を引っ掛かる
ことなく挿入することができる。すなわち、請求項4に
記載の発明のボール付勢部材を挿入する場合に、コイル
ばねの先端側が、バック孔のコイルばね誘導部に至る直
前までは、コイルばね誘導部が棒状部の長さよりも長い
ため、棒状部の先端がコイルばね誘導部の内部に位置す
る。そして、コイルばねの先端側が、バック孔のコイル
ばね誘導部に至ると、棒状部は誘導されるので、軸方向
と略平行にして中心孔に誘導される。
【0021】
【発明の実施の形態】以下さらに本発明の具体的実施例
について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に
おけるボールペンチップを用いた芯の断面図である。図
2は、本発明の第1の実施形態におけるボールペンチッ
プの断面図である。図3(a)は、本発明の第1の実施
形態におけるボールペンチップのボールペンチップ本体
とボールを示した断面図であり、(b)は(a)の先端
部分の拡大した断面図である。図4は、本発明の第1の
実施形態におけるボールペンチップのボール付勢部材の
側面図である。図5は、本発明の第2の実施形態におけ
るボールペンチップのボール付勢部材の側面図である。
【0022】本発明の第1の実施形態であるボールペン
チップ(塗布具用チップ)1は、図1のように、芯7の
先端に取り付けられるものであり、図2に示されるよう
なものである。すなわち、図1に示されるように、ボー
ルペンチップ1は、インキ5を内部に有するインキ筒6
と接合されて芯7となるものである。そして、芯7は、
ボールペンの軸筒(図示せず)の内部に装着されて使用
されてボールペンとして使用される。さらに、ボールペ
ンチップ1の先端に有するボール10を押圧しながら移
動させることによって、インキ5がボールペンチップ1
の内部を通って、ボール10に適当量付着しながら流出
して筆記される。また、インキ5の逆流を防ぐために逆
流防止剤8がインキ5の後端側に有している。
【0023】次に、図2〜4を用いてボールペンチップ
1について説明する。ボールペンチップ1は、ボールペ
ンチップ本体(塗布具用チップ本体)11、ボール10
及びボール付勢部材12からなるものである。
【0024】ボール10は球状であり、組み立てられる
と、後述するボールペンチップ本体11のボールハウス
15に位置する。本発明の実施形態では、ボール10の
外径は0.5mmである。
【0025】ボールペンチップ本体11は、図3(a)
に示されるように、外観的には先端側が略円錐形状であ
り、後端側が略円柱形状であり、全体では、これらを軸
方向に結合させた、ロケットような形状であり、先端側
には円錐部25を有し、後端側には円筒部26を有して
いる。そして、円筒部26の後端側は、やや外径が縮径
しているインキ筒結合段部26aを有している。また、
内側にはボールハウス15、中心孔16及びバック孔1
7が設けられている。さらに、バック孔17の後端側
は、後端側開口28を有している。
【0026】ボールハウス15は、図3(a)に示され
るように、ボールペンチップ本体11の先端側に位置し
ており、先端側が開口した穴である。そしてボールハウ
ス15の内径は、ボール10の外径よりもやや大きい。
中心孔16はボールハウス15の内径よりも小さな内径
の丸孔であり、ボールハウス15の後端側で連通してい
る。そして、中心孔16の内径は、ボール10の外径の
半分であり、約0.25mmである。
【0027】バック孔17は中心孔16の後端側で連通
する段状の丸孔である。そして、先端側ほど内径が小さ
くなるものであり、内径が変わる部分はテーパー部20
を有してなだらかにつながっている。バック孔17の内
径は、中心孔16の内径よりも大きい。そして、中心孔
16との接続部は、図3(b)のようにテーパー部17
aを有している。そして、ボールハウス15の後端側の
中心孔16との接続部付近には、溝19を有している。
【0028】ボールペンチップ本体11の円錐部25と
円筒部26の結合部付近に位置する部分のバック孔17
は、一定の内径の部分であるコイルばね誘導部27であ
る。そして、コイルばね誘導部27は、後述するボール
付勢部材12のコイルばね部22の外径とほぼ同じであ
る。また、コイルばね誘導部27の内径は1.2mmで
あり、長さは2.2mmである。そして、コイルばね誘
導部27の長さは2.2mmであり、コイルばね部23
のばね外径(1.2mm)の約1.8倍であり、1〜2
倍であることが好ましい。
【0029】上記のように構成されているので、ボール
ハウス15の後端側に中心孔16が位置し、さらに中心
孔16の後端側にバック孔17が位置しており、ボール
ハウス15、中心孔16及びバック孔17は連通してい
る。また、これらの孔は、ボールペンチップ本体11の
中心軸と同じ軸を中心とする位置に有している。
【0030】次に、ボール付勢部材12について説明す
る。ボール付勢部材12は、図4に示されるものであ
り、コイルばね部22と棒状部23を有している。コイ
ルばね部22は、密着巻きでないが、比較的ピッチ角の
小さい円筒コイルばねである。したがって、圧縮力を受
けると付勢力を発生させる。さらに詳しく説明すると、
コイルばね部22は、ばねピッチが線径の1.1倍〜5
倍であり、好ましくは1.5〜3倍であり、また、ばね
外径が、線径の7〜20倍程度である。さらに具体的に
は、線径が0.1mmであり、ピッチが0.2mmであ
り、ばね外径が1.2mmである。ボール付勢部材12
は上記のように構成されているので、ばね部が絡むこと
がないので容易に取り扱いができ、使用の際には適度な
付勢力を発生させることができる。
【0031】棒状部23は、図4に示されるものであ
り、コイルばね部22と連続し、直線状となっている部
分である。そして、棒状部23は、コイルばね部22と
突出して接続しており、軸心上に位置している。棒状部
23の長さは、2mmであり、外径はコイルばね部と同
一である。また、棒状部23の外径は0.1mmであ
り、中心孔16の内径の0.25mmに対して40%で
あり、50%以下であるので、棒状部23を中心孔16
に挿入しやすい。また、棒状部23の外径の中心孔16
の内径に対する比は50%以上であっても良く、この場
合には、中心孔16でのインク5が流れにくくなるが、
図6(c)のように、溝19を貫通させることができる
ので、インク切れ等の問題が発生することがない。ま
た、棒状部23の先端部分は棒状部先端部分23aであ
り、後述するように、ボール10と接触して押圧し、ボ
ール10を先端側に付勢する部分となる。
【0032】次に、ボールペンチップ1の組み立て方法
について説明する。まず、ボールペンチップ本体11の
ボールハウス15に先端側からボール10を挿入する。
そして、ボールペンチップ本体11の先端を内側に向か
って変形するようにかしめる。変形後のボウルハウス1
5の先端側の開口は、ボール10の外径よりも小さい状
態となり、ボール10は回転可能な状態でボールハウス
15に保持される。なお、ボール10は、ボールハウス
15内で軸方向に移動可能となっている。
【0033】次に、ボール付勢部材12をボールペンチ
ップ本体11の後端側の後端側開口28から、棒状部2
3側を先頭として挿入する。そして、先端側に向けてさ
らに挿入していく。コイルばね部22がバック孔17の
コイルばね誘導部27に至るまでは、バック孔17の内
径は、コイルばね部22の外径よりやや大きいので、ボ
ール付勢部材12はやや撓みながら進んでいく。なお、
このとき、撓み方によっては、棒状部先端部分23aが
バック孔17に接触することがあるが、この場合にはコ
イルばね誘導部27内であり、引っ掛かることはない。
すなわち、ボール付勢部材12の棒状部23は長さ2m
mであり、コイルばね誘導部27の長さ(2.2mm)
よりも短いので、棒状部先端部分23aがコイルばね誘
導部27よりも後端側に位置し、コイルばね誘導部27
よりも先端側に位置することはない。
【0034】さらに、ボール付勢部材12を挿入する
と、コイルばね部22の先端が、バック孔17のコイル
ばね誘導部27に至る。このとき、コイルばね誘導部2
7の内径が、コイルばね部22の外径と略同じであるの
で、コイルばね部22は直線状となり、コイルばね部2
2の軸心とコイルばね誘導部27の軸心が一致して進
む。そして、ボール付勢部材12の棒状部先端部分23
aは、バック孔17の軸心上を先端側に進む。したがっ
て、棒状部先端部分23aはバック孔17に接触するこ
とはなく、中心孔16に向かう。
【0035】そして、棒状部先端部分23aがボール1
0に接触するまで塗布具用チップ本体にボール付勢部材
12を挿入する。この状態が図1の状態である。さら
に、ボール10が先端側に付勢した状態で、ばねコイル
ばね部22の後端側を固定する。この固定は、図示して
いないが、ボールペンチップ本体1の後側に嵌合する先
栓などの部材で後端側から押さえても良く、また、塗布
具用チップ本体11の後端側開口28をかしめることに
より行うこともできる。また、このときのばねの付勢力
は、98〜245mN{10〜25gf}である。そし
て、棒状部23の先端部である棒状部先端部分23aが
ボール10の後端側に接触して押圧してボール押圧部と
なり、ボール10は先端側に付勢される。
【0036】また、図1の状態におけるボール付勢部材
12とボールペンチップ本体11のクリアランスについ
ては、バック孔17のコイルばね誘導部27のクリアラ
ンスが0.05mm以下であり、中心孔16におけるク
リアランス(約0.35mm)よりも大きい。また、中
心孔16におけるクリアランスからコイルばね誘導部2
7のクリアランスを引いた値は0.35mmであり、棒
状部23の外径(0.1mm)の3.5倍であり、この
値は2倍以上が好ましく、3倍以上がさらに好ましい。
したがって、ボール付勢部材12を挿入する際にさらに
引っ掛かりにくい。
【0037】そして、第1の実施形態のボールペンチッ
プ1を使用して筆記すると、ボール10は筆記圧により
後端側に移動して隙間ができてスムーズに筆記すること
ができ、筆記しないときは、ボール10が先端側に付勢
されているので、隙間が閉じるのでインキ漏れなどがな
い。
【0038】次に、第2の実施形態における塗布具用チ
ップについて説明する。第2の実施形態における塗布具
用チップは、第1の実施形態のボール付勢部材12のみ
が異なるものであり、第2の実施形態における塗布具用
チップのボール付勢部材35は、図5に示されるもので
ある。
【0039】さらに、図5を用いて詳しく説明すると、
ボール付勢部材35は、コイルばね部材36及び先端部
材37の2つの部材から構成されている。コイルばね部
材36は、第1の実施形態のボール付勢部材12のコイ
ルばね部22と同じコイルばねであり、ボール付勢部材
12の棒状部23が無いものと略同じである。先端部材
37は、円盤部38と棒状部39を有する部材である。
そして、先端部材37の形状は、略押しピンのような形
状であり、円盤部38の中心に軸心に平行に棒状部39
が接続している形状であるが、円盤部38には多数の小
孔40が設けられている。なお当該小孔40は、インキ
の流通を確保するために設けられたものであり、小孔4
0に代わってスリットや切り欠きを設けてもよい。ま
た、円盤部38の外径は、1.2mmである。棒状部3
9は、第1の実施形態のボール付勢部材12の棒状部2
3と外径や長さは、ほぼ同じであり、棒状部23と同じ
形状であり、先端部に棒状部先端部分39aを有してい
る。
【0040】ボールペンチップの組み立て方法について
は、第1の実施例と同様であり、ボール付勢部材35の
挿入は以下のようにして行われる。まず、ボール付勢部
材35の先端部材37を棒状部39側を先端側にして、
ボールペンチップ本体11の後端側の後端側開口28か
ら挿入する。次に、コイルばね部材36を先端側に向け
て挿入していく。そして、棒状部先端部分39aがボー
ル10に接触するまでボール付勢部材12を挿入し、第
1の実施形態と同様に、コイルばね部材36を固定す
る。
【0041】ボール付勢部材35をボールペンチップ本
体11に挿入する際には、第1の実施形態と同様に、引
っ掛かることが無く挿入できる。
【0042】本発明の実施例では、図3(b)のように
溝19は後端側に貫通していないが、後端側に貫通して
テーパー部17a間で至る溝でも良く、このような構造
でもボール付勢部材の挿入時に引っ掛かることはない。
また、ボール10が小径であるなどの理由により、中心
孔16が小さい塗布具用チップの場合でも棒状部の外径
を細くすることで適用可能である。さらに、本発明にお
けるボール付勢部材の、付勢力発生部とボール押圧部は
別の部分であるが、棒状部を弾性体として、同じ部材と
することもできる。
【0043】本発明の塗布具用チップを用いることによ
り、ボール側からガスが入って、塗布具内部のインキ等
が逆流することがないので、従来の塗布具に設けられて
いた逆流防止機構を廃止することができる。また、筆記
しないときのインキの流出も減少する。そのため従来技
術においては、キャップ内にシリコーン性の保護部材を
配して当該保護部材をチップの先端に当接させてインキ
漏れを防止していたが、本実施形態の構成によると、当
該保護部材を略することができる。また、ボールを付勢
するための部分が長いので、ボールの可動距離であるス
トローク長が長いものでも適用することができる。
【0044】
【発明の効果】本発明は、上述の通り構成されているの
で、筆記の際にはスムーズな筆記性能を確保し、筆記し
ないときにはインキ漏れやインキのドライアップを防止
することができ、チップ及びボール付勢部材(スプリン
グ)の製造が容易であり、さらに、ボール付勢部材を挿
入する際に引っ掛かかりにくく、容易に中心孔に挿入す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるボールペンチ
ップを用いた芯の断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態におけるボールペンチ
ップの断面図である。
【図3】(a)は、本発明の第1の実施形態におけるボ
ールペンチップのボールペンチップ本体とボールを示し
た断面図であり、(b)は(a)の先端部分の拡大した
断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態におけるボールペンチ
ップのボール付勢部材の側面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態におけるボールペンチ
ップのボール付勢部材の側面図である。
【図6】(a)は従来技術1のチップの先端部分を示し
た斜視図であり、(b)は棒状部との位置関係を示した
斜視図であり、(c)は、溝を段部まで貫通させたとき
の変形例である。
【符号の説明】
1 塗布具用チップ 10 ボール 11 塗布具用チップ本体 12 ボール付勢部材 15 ボールハウス 16 中心孔 17 バック孔 22 コイルばね部 23,39 棒状部 23a,39a 棒状部先端部分 27 コイルばね誘導部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗布具用チップ本体、ボール及びボール
    付勢部材を有し、塗布具用チップ本体は、ボールハウ
    ス、中心孔及びバック孔が設けられ、ボールハウスの後
    端側に中心孔が位置し、さらに中心孔の後端側にバック
    孔が位置して、ボールハウスからバック孔まで連通し、
    ボールはボールハウスに回転可能な状態で保持されてい
    る塗布具用チップにおいて、 ボール付勢部材は塗布具用チップ本体内部に挿入される
    ものであり、付勢力発生部、誘導部及びボール押圧部が
    設けられ、付勢力発生部によりボール押圧部が先端側に
    付勢されてボールに接触して、ボールは先端側に付勢さ
    れ、 誘導部はバック孔と接触して、ボール付勢部材を塗布具
    用チップ本体に挿入する際には、ボール押圧部は軸方向
    と略平行に誘導されて中心孔を通過することを特徴とす
    る塗布具用チップ。
  2. 【請求項2】 塗布具用チップ本体、ボール及びボール
    付勢部材を有し、塗布具用チップ本体は、ボールハウ
    ス、中心孔及びバック孔が設けられ、ボールハウスの後
    端側に中心孔が位置し、さらに中心孔の後端側にバック
    孔が位置して、ボールハウスからバック孔まで連通し、
    ボールはボールハウスに回転可能な状態で保持されてい
    る塗布具用チップにおいて、 ボール付勢部材は塗布具用チップ本体内部に挿入される
    ものであり、コイルばね部と、コイルばね部の先端側に
    設けられた棒状部を有し、コイルばね部によって先端側
    に付勢されている棒状部の先端部分がボールに接触し、
    さらに、コイルばね部の先端側はバック孔と略密着して
    いることを特徴とする塗布具用チップ。
  3. 【請求項3】 コイルばね部の先端側のバック孔と略密
    着している部分の長さは、コイルばね部のばね外径の1
    〜2倍であることを特徴とする請求項2に記載の塗布具
    用チップ。
  4. 【請求項4】 バック孔の、コイルばね部の先端側と略
    密着している部分であるコイルばね誘導部の長さは、ボ
    ール付勢部材の棒状部よりも長いことを特徴とする請求
    項2又は3に記載の塗布具用チップ。
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