JP2003291284A - 多層構造体 - Google Patents
多層構造体Info
- Publication number
- JP2003291284A JP2003291284A JP2002100399A JP2002100399A JP2003291284A JP 2003291284 A JP2003291284 A JP 2003291284A JP 2002100399 A JP2002100399 A JP 2002100399A JP 2002100399 A JP2002100399 A JP 2002100399A JP 2003291284 A JP2003291284 A JP 2003291284A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- layer
- container
- mol
- acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
ともに、凹凸の少ない形状に限定ないデザインの自由度
を大きくする事ができる、耐層間剥離性に優れた多層容
器を提供する。 【解決手段】 最外層、最内層を構成する樹脂Aがポリ
エチレンテレフタレートからなり、最外層と最内層との
間に位置する中間層を構成する樹脂Bがからなる多層容
器の製造方法であって、樹脂Aが0.55〜1.50の
固有粘度を有し、280℃、剪断速度1000(S-1)
の条件下で樹脂Aと樹脂Bの溶融粘度比(樹脂A(Pa
・S)/樹脂B(Pa・S))が0.5〜3.0の範囲
内であることを特徴とする層間剥離の改良された多層容
器。
Description
防止に係る発明であり、詳しくは多層容器の輸送時、ま
たは落下時の衝撃を受けた際の最内外層と中間層との間
の層間密着性を改良して多層容器の層間剥離を防止する
とともに、層間剥離を回避するために凹凸の少ない形状
に限定されない多層容器のデザインの自由度を大きくす
ることができる、多層容器に関するものである。
ET)等のポリエステルを主体とするプラスチック容器
(ボトル)がお茶、果汁飲料、炭酸飲料等に広く使用さ
れている。また、小型プラスチックボトルの占める割合
が年々大きくなっている。ボトルは小型化するに従い単
位体積当たりの表面積の割合が大きくなるため、ボトル
を小型化した場合、内容物の賞味期限は短くなる傾向に
ある。また、近年、酸素や光の影響を受けやすいビール
のプラスチックボトルでの販売やプラスチックボトル入
りお茶のホット販売が行なわれ、プラスチック容器の利
用範囲が広がる中、プラスチック容器に対するガスバリ
ア性の更なる向上が要求されている。
付与する方法として熱可塑性ポリエステル樹脂とガスバ
リア性樹脂を用いた多層ボトル、ブレンドボトルや、熱
可塑性ポリエステル樹脂単層ボトルにカーボンコート、
蒸着、バリア樹脂の塗布を施したバリアコーティングボ
トル等が開発されている。
成するPET等の熱可塑性ポリエステル樹脂とポリメタ
キシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)等の熱可
塑性ガスバリア性樹脂とを射出して金型キャビティーを
満たすことにより得られる3層または5層構造を有する
パリソンを2軸延伸ブロー成形したボトルが実用化され
ている。
器内の酸素を捕捉する酸素捕捉機能を有する樹脂が開発
され、多層ボトルに応用されている。酸素捕捉性ボトル
としては、酸素吸収速度、透明性、強度、成形性等の面
で、遷移金属系触媒を混合したポリアミドMXD6をガ
スバリア層として使用した多層ボトルが好適である。
性からビール、お茶、炭酸飲料等の容器に利用されてい
る。多層ボトルがこれら用途に使用されることにより、
内容物の品質維持、シェルフライフの改善がなされる一
方、異なる樹脂間、例えば、最内外層と中間層の間で層
間剥離が起こり、商品価値を損ねてしまうおそれがあ
る。
特開2000-254963号公報では、最内外層を構
成する樹脂を最後に金型キャビティー内に射出する際
に、ガスバリア層側に一定量逆流させることが可能な逆
流調節装置を使用し層間に粗混合樹脂が入り込むことに
よって耐層間剥離性を改善することが開示記載されてい
るが、特殊な装置を使用するという問題点がある。現
在、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエ
ステルを主体とするプラスチック容器(ボトル)がお
茶、果汁飲料、炭酸飲料等に広く使用されている。ま
た、小型プラスチックボトルの占める割合が年々大きく
なっている。ボトルは小型化するに従い単位体積当たり
の表面積の割合が大きくなるため、ボトルを小型化した
場合、内容物の賞味期限は短くなる傾向にある。また、
近年、酸素や光の影響を受けやすいビールのプラスチッ
クボトルでの販売やプラスチックボトル入りお茶のホッ
ト販売が行なわれ、プラスチック容器の利用範囲が広が
る中、プラスチック容器に対するガスバリア性の更なる
向上が要求されている。
課題を解決し、多層容器において、従来、落下や衝撃に
よる剥離を起こしにくくするとともに、凹凸の少ない形
状に限定ないデザインの自由度を大きくする事ができ
る、耐層間剥離性に優れた多層容器に関するものであ
る。
の耐層間剥離性について鋭意研究を重ねた結果、一定の
固有粘度を有する樹脂Aを使用し、かつ樹脂Aと樹脂B
の溶融粘度比を一定とすることにより、これらの樹脂の
射出成形中の樹脂Aと樹脂Bの界面のずれを少なくする
ことで、層間剥離の要因と思われる両樹脂間のひずみを
減少させることにより、層間剥離を抑制できる多層容器
が得られることを見いだし本発明に到った。
樹脂Aが80モル%以上のテレフタル酸を含む酸成分と
80モル%以上のエチレングリコールを含むグリコール
成分を重合して得た熱可塑性ポリエステル樹脂を主成分
とするものからなり、最外層と最内層との間に位置する
中間層を構成する樹脂Bがメタキシリレンジアミンを7
0モル%以上含むジアミン成分とアジピン酸を70モル
%以上含むジカルボン酸成分とを重合して得たポリアミ
ドからなる多層構造体の製造方法であって、樹脂Aが
0.55〜1.50の固有粘度を有し、280℃、剪断
速度1000(S-1)の条件下で樹脂Aと樹脂Bの溶融
粘度比(樹脂A(Pa・S)/樹脂B(Pa・S))が
0.5〜3.0の範囲内であることを特徴とする層間剥
離の改良された多層容器に関する発明である。
ーを有する射出成形機を使用して、熱可塑性ポリエステ
ル樹脂(樹脂A)とガスバリア性樹脂であるポリアミド
(樹脂B)とをそれぞれの射出シリンダーから金型ホッ
トランナーを通して、金型キャビティー内に射出して得
られた多層パリソンを更に二軸延伸ブロー成形すること
により得られる。
造する方法において、先ず、熱可塑性ポリエステル樹脂
(樹脂A)を射出し、次いでガスバリア性樹脂(樹脂
B)と可塑性ポリエステル樹脂(樹脂A)と同時に射出
し、次に熱可塑性ポリエステル樹脂(樹脂A)を必要量
射出して金型キャビティーを満たすことにより3層構造
を有するパリソンが製造できる。
(樹脂A)を射出し、次いでガスバリア性樹脂(樹脂
B)を単独で射出し、最後に熱可塑性ポリエステル樹脂
(樹脂A)を射出して金型キャビティーを満たすことに
より、5層構造を有するパリソンが製造できる。なお、
多層パリソンを製造する方法は、上記方法だけに限定さ
れるものではない。
二軸延伸ブロー成形して得られる多層中空容器におい
て、ガスバリア性能は中間層が少なくともボトル胴部に
存在してりれば発揮できるが、ガスバリア層がボトルの
口栓部先端付近まで延びている方がガスバリア性能は更
に良好である。
(樹脂A)は、ジカルボン酸の80モル%以上、好まし
くは90モル%以上がテレフタル酸である酸成分と、ジ
オールの80モル%以上、好ましくは90モル%以上が
エチレングリコールであるジオール成分を使用して重合
反応させて得られたポリエステルを意味する。テレフタ
ル酸以外の他の酸成分としては、イソフタル酸、ジフェ
ニルエーテル−4、4−ジカルボン酸、ナフタレン−
1、4又は2,6−ジカルボン酸、アジピン酸、セバシ
ン酸、デカン−1、10−カルボン酸、ヘキサヒドロテ
レフタル酸を使用するこたができる。またエチレングリ
コール以外の他のジオール成分としてはプロピレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノ
ール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフル)プロ
パン等を使用することが出来る。更に、熱可塑性ポリエ
ステル樹脂(樹脂A)の原料モノマーとして、オキシ酸
であるP−オキシ安息香酸等を使用することもできる。
有粘度は、0.55〜1.50、好ましくは0.65〜
1.4である。固有粘度が上記0.55以上で多層パリ
ソンを透明な非晶状態で得ることが可能であり、また得
られる多層容器の機械的強度も満足するものとなる。ま
た固有粘度が前記1.5以下の場合、粘度上昇による成
形のトラブルを回避することができる。
なわない範囲で他の熱可塑性樹脂を配合して使用するこ
とができる。他の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン
−2,6−ナフタレンジカルボキシレート等の熱可塑性
ポリエステル樹脂(樹脂C)、ポリオレフィン系樹脂、
ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビ
ニル、ポリスチレン等が例示できる。これらの中でも熱
可塑性ポリエステル樹脂(樹脂C)が好ましい。
脂(樹脂A)の中でも、ポリエチレンテレフタレートが
好適に使用される。特に樹脂Aとしてポリエチレンテレ
フタレートを使用し、かつ樹脂BとしてポリアミドMX
D6を使用すると、これらの樹脂の持つ透明性、機械的
強度、射出成形性、延伸ブロー成形性の全てにおいて優
れた特性を発揮することが可能となる。
脂(樹脂B)としては、ジアミン成分とジカルボン酸成
分とを溶融重合し、又は溶融重合後更に固相重合して得
られる。上記ジアミン成分にはメタキシリレンジアミン
が70モル%以上含まれることが必要である。ジアミン
成分中のメタキシリレンジアミンが70%以上あると、
優れたガスバリア性が維持できる。メタキシリレンジア
ミン以外に使用できるジアミン成分として、パラキシリ
レンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘ
キサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、
テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノ
ナメチレンジアミン、2−メチル−1,5ペンタンジア
ミン等が例示できるが、これらに限定されるものではな
い。
が70モル%以上含まれることが必要である。ジカルボ
ン酸成分中のアジピン酸が70モル%以上あると、ガス
バリア性の低下や結晶性の低下を防止することができ
る。アジピン酸以外に使用できるジカルボン酸成分とし
て、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10
−デカンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸等が例示できるが、こ
れらに限定されるものではない。また、本ポリアミドの
重縮合時に分子量調節剤として少量のモノアミン、モノ
カルボン酸を加えても良い。
合法により製造される。溶融重縮合法としては、例えば
メタキシリレンジアミンとアジピン酸からなるナイロン
塩を水の存在下に、加圧下で昇温し、加えた水および縮
合水を除きながら溶融状態で重合させる方法がある。ま
た、メタキシリレンジアミンを溶融状態のアジピン酸に
直接加えて、重縮合する方法によっても製造される。こ
の場合、反応系を均一な液状状態に保つために、メタキ
シリレンジアミンをアジピン酸に連続的に加え、その
間、反応温度が生成するオリゴアミドおよびポリアミド
の融点よりも下回らないように反応系を昇温しつつ、重
縮合が進められる。
ポリアミドの相対粘度(ポリアミド樹脂1gを96%硫
酸水溶液100mlに溶解し、25℃で測定した値、以
下同じ)は通常、2.28程度である。溶融重合後の相
対粘度が2.28以下であると、ゲル状物の生成が少な
く、色調が良好な高品質のポリアミドが得られる。溶融
重合により得られた比較的低分子量のポリアミドは次い
で固相重合される。固相重合は、溶融重合により得られ
た比較的低分子量のポリアミドをペレットあるいは粉末
にし、これを減圧下あるいは不活性ガス雰囲気下に、1
50℃以上、ポリアミドの融点以下の温度に加熱するこ
とにより実施される。固相重合ポリアミドの相対粘度は
2.3〜4.2が望ましい。この範囲であると、中空容
器、フィルム、シートへの成形が良好で、且つ得られる
中空容器、フィルム、シートの性能、特に機械的性能が
良好である。溶融重合後の比較的低分子量のポリアミド
においても本発明の効果は一部得られるが、機械的強
度、特に耐衝撃性が十分ではなく、中空容器、フィル
ム、シート用材料として実用的ではない。
ステル樹脂(樹脂A)又はポリアミド(樹脂B)に、着
色剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤、滑剤、
核剤、抗菌剤等を配合して使用することが出来る。
00(S-1)の条件下で樹脂Aと樹脂Bの溶融粘度比
(樹脂A(Pa・S)/樹脂B(Pa・S))が0.5
〜3.0の範囲内である。樹脂Aと樹脂Bの溶融粘度比
(樹脂A(Pa・S)/樹脂B(Pa・S))を上記
0.5〜3.0の範囲内とすることにより、金型キャビ
ティ内でパリソンを射出する際に樹脂Aと樹脂Bの界面
のずれを少なくすることができ、層間剥離の要因と思わ
れる両樹脂間のひずみを小さく抑えることができ、層間
剥離を抑制することが可能となる。
して使用したアンチモン化合物又はゲルマニウム化合物
の濃度は、樹脂A中でアンチモン原子又はゲルマニウム
原子としてそれぞれ300ppm以下、100ppm以
下とするのが望ましい。触媒と使用する上記アンチモン
化合物又はゲルマニウム化合物の樹脂A中に残存する濃
度がでそれぞれ300ppm以下、又は100ppm以
下とすることにより、最内外層と中間層の界面に層間剥
離に影響を及ぼすような固形物の析出を防止することが
可能となる。上記触媒として使用するアンチモン化合物
としては、酸化アンチモン、酢酸アンチモン、塩化アン
チモン、臭化アンチモン、アンチモングリコレート、金
属アンチモン等が例示できる。上記触媒として使用する
ゲルマニウム化合物としては、酸化ゲルマニウム、ゲル
マニウムグリコレート、ゲルマニウムブトキサイド、塩
化ゲルマニウム、酢酸ゲルマニウム、水酸化ゲルマニウ
ム及びそのナトリウム塩・カリウム塩等が例示できる。
止剤であるリン酸塩、亜リン酸塩又は次亜リン酸塩の濃
度がリン原子として0.1〜50ppmであることが好
ましい。前記リン原子濃度を50ppm以下とすること
により、多層容器の最内外層と中間層の界面に層間剥離
を生じさせる、リン化合物に由来する固体の析出を抑制
することができ、また、前記リン原子濃度を0.1pp
m以上とすることにより着色防止剤としての効果を発揮
することが可能となる。この場合、リン酸塩としては、
リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素二
ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリ
ウム等が挙げられる。亜リン酸塩としては、亜リン酸ナ
トリウム、亜リン酸カリウム等が挙げられる。又は次亜
リン酸塩としては次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カ
リウム、リン酸鉄などが挙げられる。更にはこれらのリ
ン酸塩、亜リン酸塩、又は次亜リン酸塩としてカルシュ
ウム塩またはマグネシュウム塩を挙げることができる。
リ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩、又は有機カルボ
ン酸のアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩を樹
脂B中の濃度で、着色防止剤として樹脂Bに添加するリ
ン酸塩、亜リン酸塩又は次亜リン酸塩のリン原子1モル
に対して0.5〜1.5モルとすることが望ましい。ゲ
ル化防止剤が前記リン原子に対し、前記0.5モル以上
の場合、樹脂Bにゲル状物が生じるのを抑制でき、最内
外層と中間層の界面にゲル状物生ずるのを防止でき層間
剥離に好ましい影響を与える。またゲル化防止剤が前記
1.5モルを越える場合、樹脂B製造の際の反応速度が
遅くなり、工業上支障をきたす。ゲル化防止剤として使
用する無機アルカリ金属塩としては、アルカリ金属又は
アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩及び炭酸水素塩が
好ましく、具体例として、例えば、水酸化リチウム、水
酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸
水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等
を挙げることができる。有機カルボン酸のアルカリ金属
塩としては、ナトリウム,カリウム,リチウム,セシウ
ムなど、また有機カルボン酸のアルカリ土類金属塩とし
ては、マグネシウム,カルシウム,ストロンチウム,バ
リウムなどがそれぞれ挙げられ、有機カルボン酸とし
て、脂肪族鎖が炭素数1〜16のアルキル基もしくはア
ルケニル基からなる脂肪族カルボン酸、又は芳香族カル
ボン酸等が例示できる。脂肪族カルボン酸としては、例
えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸等があり、芳香族カル
ボン酸として、安息香酸、ナフタレンカルボン酸、フタ
ール酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられ
る。これらの中でも好ましいのは、アルカリ金属の水酸
化物または炭素数1〜4の脂肪族カルボン酸のアルカリ
金属塩である。尚、樹脂A中の前記アンチモン原子、ゲ
ルマニウム原子、及び樹脂B中のリン原子の濃度の測定
は、湿式灰化で前処理を行い、原子吸光法による定量分
析により測定することができる。
衝撃による剥離を起こしにくくするとともに、凹凸の少
ない形状に限定されないデザインの自由度を大きくする
事ができるものである。
に詳細に説明するが本発明はこれら実施例に限定される
ものではない。また本実施例等で測定した主な特性の測
定法を示す。 (1)ポリエチレンテレフタレートの固有粘度[η]:
フェノール/テトラクロロエタン=6/4(重量比)
の混合溶媒を使用。測定温度30℃。 (2)ポリアミドMXD6の相対粘度[ηrel.]: 樹
脂1g/96%硫酸水溶液100ml、測定温度25
℃。 (3)金属原子の定量 : 湿式灰化で前処理を行い、
原子吸光法で定量 (4)溶融粘度 : 東洋精機(株)製 キャピログラフ
1Cにて測定。 (5)落下試験 : 500mlの水を入れキャップを
した後、5℃で24時間静置した多層容器を落下させ、
層間剥離の有無を目視で確認。多層容器は、底部が床に
接触するように落下させた(垂直落下)。落下高さ80c
m。100本落下させたときの層間剥離したボトルの本
数で評価。
した。樹脂Aとして、固有粘度が0.75のPETを、
樹脂Bとして、相対粘度が2.70のポリアミドMXD
6を使用した。PETは、重合触媒として使用された酸
化ゲルマニウムのゲルマニウム原子濃度は37ppmで
あり、280℃で測定した剪断速度1000(s−1)
での溶融粘度は230Pa・sであった。ポリアミドM
XD6重合の際、着色防止剤として次亜リン酸ナトリウ
ムを、ゲル化防止剤として水酸化ナトリウムを使用し
た。ポリアミドMXD6中のリン原子の濃度は5ppm
であり、水酸化ナトリウム濃度はリン原子1モルに対し
0.7モルとなるように添加した。尚、ポリアミドMX
D6は、280℃で測定した剪断速度1000(s−
1)での溶融粘度が200Pa・sであった。多層パリ
ソンの製造には、名機製作所(株)製、射出成形機(型
式:M200、4個取り)を使用した。最内外層を構成
する樹脂Aを射出シリンダーaに、中間層を構成する樹
脂Bを射出シリンダーbに充填した。上記樹脂を使用
し、以下の条件で先ず樹脂Aを射出し、所定量の樹脂A
を射出した後、樹脂Aと同時に樹脂Bを射出し、ついで
樹脂Aを射出して3層パリソンを成形した。 射出シリンダーa内の樹脂温度:280℃ 射出シリンダーb内の樹脂温度:270℃ 金型内樹脂流路温度 :280℃ 金型冷却水温度 : 15℃ 射出成形して得られた多層パリソンは全長110mm、
外形26.5mmφ、肉厚4.5mmである。尚、得ら
れた3層パリソンは、ポリアミドMXD6を7重量%含
有していた。上記多層パリソンをブロー成形機(クルッ
プ コーポプラスト社(KRUPPCORPOPLAS
T社)製、型式:LB−01)を用いて、下記の条件で
二軸延伸ブロー成形して、多層中空容器を得た。多層中
空容器は全長223mm、外形65mmφ、内容積50
0ml(表面積:0.04m2 )、底部形状はペタロ
イドタイプである。 パリソン加熱温度 :100℃ ブロー圧力 :3.0MPa 得られた3層容器に水を充填して落下試験により、層間
剥離性を評価した。結果を表1に示す。
使用された三酸化アンチモンのアンチモン原子濃度は3
7ppmであり、280℃で測定した剪断速度1000
(s−1)での溶融粘度は220Pa・sであること以
外は実施例1と同様に3層容器を作製した。得られた3
層容器を実施例1に記載したと同様の落下試験により、
層間剥離性を評価した。結果を表1に示す。
30ppmであること以外は実施例1と同様に3層容器
を作製した。得られた3層容器を実施例1に記載したと
同様の落下試験により、層間剥離性を評価した。結果を
表1に示す。
速度1000(s−1)での溶融粘度は353Pa・s
であり、樹脂Bとして使用するポリアミドMXD6の2
80℃で測定した剪断速度1000(s−1)での溶融
粘度は110Pa・sであること以外は実施例1と同様
に3層容器を作製した。得られた3層容器を前記と同様
の落下試験により、層間剥離性を評価した。結果を表2
に示す。
水酸化ナトリウム濃度はリン原子1モルに対し0.7モ
ルとなるように添加したポリアミドMXD6を使用した
以外は実施例1と同様に3層容器を作製した。得られた
3層容器を前記と同様の落下試験により、層間剥離性を
評価した。結果を表1に示す。
し、かつガスバリア性に優れた多層容器を得ることがで
き、本発明の工業的意義は大きい。
Claims (8)
- 【請求項1】 最外層、最内層を構成する樹脂Aが80
モル%以上のテレフタル酸を含む酸成分と80モル%以
上のエチレングリコールを含むグリコール成分を重合し
て得た熱可塑性ポリエステル樹脂を主成分とするものか
らなり、最外層と最内層との間に位置する中間層を構成
する樹脂Bがメタキシリレンジアミンを70モル%以上
含むジアミン成分とアジピン酸を70モル%以上含むジ
カルボン酸成分とを重合して得たポリアミドからなる多
層容器の製造方法であって、樹脂Aが0.55〜1.5
0の固有粘度を有し、280℃、剪断速度1000(S
-1)の条件下で樹脂Aと樹脂Bの溶融粘度比(樹脂A
(Pa・S)/樹脂B(Pa・S))が0.5〜3.0
の範囲内にあることを特徴とする層間剥離の改良された
多層容器。 - 【請求項2】 樹脂Bが着色防止剤としてリン酸塩、亜
リン酸塩又は次亜リン酸塩を樹脂B中のリン原子濃度と
して0.1〜50ppm含むものであることを特徴とす
る請求項1記載の多層容器。 - 【請求項3】 樹脂Bが着色防止剤としてリン酸塩、亜
リン酸塩又は次亜リン酸塩を樹脂B中のリン原子濃度と
して0.1〜50ppm含み、更にゲル化防止剤として
無機アルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩、又は
有機カルボン酸のアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類
金属塩を樹脂B中の濃度で、当該リン原子1モルに対
し、0.5〜1.5モル含むものであることを特徴とす
る請求項1記載の多層容器。 - 【請求項4】 樹脂Aの重合時に触媒として使用したア
ンチモン化合物又はゲルマニウム化合物の濃度が樹脂A
中でアンチモン原子又はゲルマニウム原子としてそれぞ
れ300ppm以下、100ppm以下であることを特
徴とする請求項1記載の多層容器。 - 【請求項5】 最外層、最内層を構成する樹脂Aがポリ
エチレンテレフタレート樹脂からなり、最外層と最内層
との間に位置する中間層を構成する樹脂Bがガスバリア
性樹脂であるポリメタキシリレンアジパミド樹脂からな
る3層容器であり、かつ中間層を構成する樹脂Bを容器
底部に位置する樹脂注入口側から当該注入口側と相対す
る口栓部近傍まで配置させたことを特徴とする請求項1
ないし4のいずれかに記載の多層容器。 - 【請求項6】 2つの射出シリンダーを有する射出成形
機を使用して、それぞれのシリンダーに樹脂Aと樹脂B
とを充填し、樹脂A、樹脂Aと樹脂B、樹脂Aの順に樹
脂を金型キャビティー内に射出して3層パリソンを成形
した後にブロー成形して得られる請求項1ないし5のい
ずれかに記載の多層容器。 - 【請求項7】 最外層、最内層及び中央層を構成する樹
脂Aがポリエチレンテレフタレート樹脂からなり、最外
層と中央層及び最内層と中央層との間に位置する中間層
を構成する樹脂Bがガスバリア性樹脂であるポリメタキ
シリレンアジパミド樹脂からなる5層容器であり、かつ
中間層を構成する樹脂Bを容器底部に位置する樹脂注入
口側から当該注入口側と相対する口栓部近傍まで配置さ
せたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記
載の多層容器。 - 【請求項8】 2つの射出シリンダーを有する射出成形
機を使用して、それぞれのシリンダーに樹脂Aと樹脂B
とを充填し、樹脂A、樹脂B、樹脂Aの順に樹脂を金型
キャビティー内に射出して5層パリソンを成形した後に
ブロー成形して得られる請求項1ないし4、又は請求項
9のいずれかに記載の多層容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002100399A JP3991203B2 (ja) | 2002-04-02 | 2002-04-02 | 多層構造体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002100399A JP3991203B2 (ja) | 2002-04-02 | 2002-04-02 | 多層構造体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003291284A true JP2003291284A (ja) | 2003-10-14 |
JP3991203B2 JP3991203B2 (ja) | 2007-10-17 |
Family
ID=29241360
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002100399A Expired - Lifetime JP3991203B2 (ja) | 2002-04-02 | 2002-04-02 | 多層構造体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3991203B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008023779A (ja) * | 2006-07-19 | 2008-02-07 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | 多層構造物 |
-
2002
- 2002-04-02 JP JP2002100399A patent/JP3991203B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008023779A (ja) * | 2006-07-19 | 2008-02-07 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | 多層構造物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3991203B2 (ja) | 2007-10-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
AU618770B2 (en) | Transparent gas-barrier multilayer structure | |
CA2466451C (en) | Multilayer container | |
EP1974901B1 (en) | Multi-layer bottle | |
US8124204B2 (en) | Multi-layered bottle | |
JPWO2007072917A1 (ja) | 多層ボトル | |
CN104159970A (zh) | 聚酯系树脂组合物以及其制造方法、以及使用该树脂组合物的成型体 | |
JP4821353B2 (ja) | 多層ボトル | |
JP5315599B2 (ja) | 樹脂組成物および多層構造物 | |
JP5673010B2 (ja) | 多層ボトル | |
JP4214359B2 (ja) | 多層容器 | |
JP4404188B2 (ja) | 層間剥離の改良された多層容器 | |
JP2007223309A (ja) | 多層ボトルの製造方法 | |
JP4561965B2 (ja) | 多層容器 | |
JP2004160935A (ja) | 多層容器 | |
JP4214358B2 (ja) | 多層容器 | |
JP2003291284A (ja) | 多層構造体 | |
JP4830677B2 (ja) | 多層ボトル | |
JP2001199024A (ja) | 多層容器 | |
JP2004351716A (ja) | 多層容器 | |
JP2004323053A (ja) | 層間剥離の改良された多層容器 | |
JP4826369B2 (ja) | 多層ボトル |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050324 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070411 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070608 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070627 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070710 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 3991203 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100803 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100803 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110803 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110803 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120803 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130803 Year of fee payment: 6 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |