JP2003288813A - 感光性誘電体形成用組成物、誘電体および電子部品 - Google Patents
感光性誘電体形成用組成物、誘電体および電子部品Info
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Abstract
電体層を寸法精度良く形成できる感光性誘電体形成用組
成物、ならびにこの組成物から形成された誘電体および
電子部品の提供。 【解決手段】(A−I)平均粒子径が0.05μm未満
の無機超微粒子および(A−II)平均粒子径が0.05
μm以上の無機微粒子からなる無機粒子と、(B)アル
カリ可溶性樹脂と、(C)エチレン性不飽和基含有化合
物と、(D)光重合開始剤とを含有することを特徴とす
る感光性誘電体形成用組成物。
Description
ーンを形成するために好適に使用することができる感光
性誘電体形成用組成物、ならびにこの感光性誘電体形成
用組成物から形成される誘電体およびこの誘電体を含む
電子部品に関する。
高誘電率層を設け、この層をコンデンサ等に利用する技
術が知られている。この高誘電率層は、たとえば、熱硬
化性樹脂からなる有機溶剤に高誘電率の無機粉末を添加
したものを、熱硬化性樹脂の脆さを補うためにガラス繊
維等の繊維強化材に含浸させ、その後溶剤を焼成などに
より飛散させて硬化させる等の方法により調製されてい
る。しかしながら、従来の方法では、通常、たとえば2
0以上などの高い誘電率であってかつ薄膜でも低いリー
ク電流を有する層を得ることは困難であった。
誘電体層を得る試みもなされ、たとえば、ポリスチレン
に無機粉末としてFe3O4、あるいはZnO+カーボン
などを添加すると、高い誘電率の誘電体層を得ることが
できることが知られている。しかしこのような系では、
誘電率を高くすることができても、得られる誘電体層の
誘電正接が大きくなるため、交流電場における誘電体層
での発熱が大きくなり、誘電体のフィルムを設けた多層
プリント配線基板等の劣化、熱応力による接合部の破断
等の不良原因となり、半導体基板の信頼性、耐久性が低
下し易いという問題点があった。
高誘電率の無機粉末を高温で加熱焼成して誘電体層を形
成する方法が知られている。しかしながらこの方法は、
たとえば1000℃程度の高温で焼成する必要があるた
め、配線基板上に電子部品が装着されている状態で誘電
体層を設ける場合には適用できず、種々の半導体基板の
製造プロセスに汎用的に適用できないという問題点があ
った。
ーン印刷法等が知られているが、基板の大型化および高
精細化に伴い、パターンの位置精度の要求が非常に厳し
くなり、通常の印刷では対応できないという問題があっ
た。このため、低温焼成により、高い誘電率で、熱損失
の小さい誘電体層を提供するとともに、寸法精度の高い
パターンを形成しうる感光性誘電体形成用組成物の出現
が望まれていた。
べく鋭意研究し、特定の粒子径分布を持つ無機粒子を含
有した感光性誘電体形成用組成物を用いることにより、
500℃以下という低温での焼成が可能で、しかも高誘
電率かつ低誘電正接で、薄膜でも低いリーク電流でかつ
寸法精度の高いパターンの誘電体を形成することができ
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
問題を解決しようとするものであって、熱損失が小さ
く、低温焼成によって製造可能な高誘電率の誘電体層を
寸法精度良く形成できるような感光性誘電体形成用組成
物、ならびにこの組成物から形成された誘電体および電
子部品を提供することを目的としている。
物は、(A−I)平均粒子径が0.05μm未満の無機
超微粒子および(A−II)平均粒子径が0.05μm以
上の無機微粒子からなる無機粒子と、(B)アルカリ可
溶性樹脂と、(C)エチレン性不飽和基含有化合物と、
(D)光重合開始剤とを含有することを特徴としてい
る。
よれば、500℃以下の加熱で、誘電率が20以上、誘
電正接が0.1以下の誘電体を形成することが可能であ
る。前記無機超微粒子(A−I)および無機微粒子(A
−II)は、チタン系金属酸化物であることが好ましい。
前記アルカリ可溶性樹脂(B)は、(メタ)アクリル系
樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、ノボラック樹脂または
ポリエステル樹脂のいずれかであることが好ましい。
としては、通常、(メタ)アクリレート化合物を用いる
ことができ、また、このエチレン性不飽和基含有化合物
(C)は、アルカリ可溶性樹脂(B)100質量部に対
して20〜500質量部の範囲で含まれていることが好
ましい。本発明の誘電体は、感光性誘電体形成用組成物
を500℃以下で加熱して硬化させることにより形成す
ることができ、誘電率が20以上、誘電正接が0.1以
下であることが好ましい。
体形成用組成物を用いて形成することを特徴としてい
る。
用組成物の詳細について説明する。 [感光性誘電体形成用組成物]本発明の感光性誘電体形
成用組成物は、(A−I)平均粒子径が0.05μm未
満の無機超微粒子および(A−II)平均粒子径が0.0
5μm以上の無機微粒子からなる無機粒子と、(B)ア
ルカリ可溶性樹脂と、(C)エチレン性不飽和基含有化
合物と、(D)光重合開始剤と、必要に応じて(E)溶
剤、(F)各種添加剤を、ロール混練機、ミキサー、ホ
モミキサー、ボールミル、ビーズミルなどの混練機を用
いて混練することにより調製することができる。
形成用組成物は、塗布に適した流動性を有するペースト
状の組成物であり、その粘度は、通常10〜100,0
00mPa・sとされ、好ましくは50〜10,000
mPa・sとされる。以下、感光性誘電体形成用組成物
を構成する各成分について説明する。 (A)無機粒子 本発明において使用する無機粒子は、無機超微粒子(A
−I)および無機微粒子(A―II)とからなり、これら
の無機粒子は、誘電率が30以上であり、好ましくは5
0以上、さらに好ましくは70以上である。誘電率は高
い分には問題なく、上限値は特に限定されないが、たと
えば、30000程度であってもよい。
からなるものが好ましく用いられ、特にチタン系金属酸
化物が好ましい。ここで、「チタン系金属酸化物」とは
チタン元素と酸素元素とを必須元素として含む化合物を
いう。このようなチタン系金属酸化物としては、結晶構
造を構成する金属元素としてチタンを単一で含むチタン
系単一金属酸化物と、金属元素としてチタンおよび他の
金属元素を含むチタン系複酸化物とを好ましく用いるこ
とができる。
とえば、二酸化チタン系金属酸化物が挙げられる。この
ような二酸化チタン系金属酸化物としては、アナターゼ
構造またはルチル構造の二酸化チタン系金属酸化物が挙
げられる。前記チタン系複酸化物としては、たとえば、
チタン酸バリウム系、チタン酸鉛系、チタン酸ストロン
チウム系、チタン酸ビスマス系、チタン酸マグネシウム
系、チタン酸ネオジウム系、チタン酸カルシウム系等の
金属酸化物が挙げられる。
とは、二酸化チタンのみを含む系、または二酸化チタン
に他の少量の添加物を含む系を意味し、主成分である二
酸化チタンの結晶構造が保持されているものであり、他
の系の金属酸化物についても同様である。また、前記
「チタン系複酸化物」とは、チタン系単一金属酸化物
と、少なくとも1種の他の金属元素からなる金属酸化物
とが複合して生ずる酸化物であり、構造の単位としてオ
キソ酸のイオンが存在しないものをいう。
構成するチタン系金属酸化物としては、チタン系単一金
属酸化物のうちでは、ルチル構造の二酸化チタン系金属
酸化物が好ましく、チタン系複酸化物のうちでは、チタ
ン酸バリウム系金属酸化物を好ましく用いることができ
る。これらのうちでは、チタン酸バリウム系金属酸化物
を特に好ましく用いることができる。
め、前記無機粒子の表面をシリカ、アルミナ等で変性し
た粒子も好適に用いることができる。本発明において
0.05μm未満の無機超微粒子(A−I)および0.
05μm以上の無機微粒子(A−II)は、(A−I)お
よび(A−II)の合計量を100質量部とした場合に、
(A−I)の量は1〜30質量部、好ましくは5〜20
質量部であり、(A−II)の量は99〜70質量部、好
ましくは95〜80質量部である。このような無機粒子
を用いると、無機粒子のパッキングが良くなり高い誘電
率を有する誘電体を得ることができる。
わせた無機粒子全体の平均粒子径は、好ましくは0.0
05〜2.0μm、さらに好ましくは0.02〜1.0
μm、より好ましくは0.02〜0.8μm、特に好ま
しくは0.02〜0.3μmであることが望ましい。ま
た、このとき重量平均平均粒子径(Dw)と数平均平均粒
子径(Dn)の比からなるDw/Dnは、好ましくは1.
05以上、さらに好ましくは1.1以上、より好ましく
は1.2以上、特に好ましくは1.25以上であること
が望ましい。Dw/Dnが1.05以下では、膜厚を薄くした場
合に誘電体粒子のパッキングが悪くリーク電流が大きく
なり好ましくない。
るものではないが、球状、粒状、板状、麟片状、ウィス
カー状、棒状、フィラメント状などの形状が挙げられ
る。これらの形状のうち、球状、粒状、片状、鱗片状で
あることが好ましい。これらの形状の無機粒子は、一種
単独で、または二種以上を組み合わせて用いることがで
きる。
−I)は、たとえば気相法やゾルゲル法、RFプラズマ
法などにより合成することができる。気相法で合成した
無機超微粒子を溶剤に分散するには、分散剤を併用して
公知の分散方法、ビーズミル、混練法、高圧ホモジナイ
ザーなどにより一次粒子にまで分散させることができ
る。
子(A)の量((A−I)と(A−II)との合計量)
は、(A)+(B)+(C)+(D)を100質量%と
したとき20〜95質量%、好ましくは45〜90質量
%、さらに好ましくは55〜85質量%であることが望
ましい。 (B)アルカリ可溶性樹脂 感光性誘電体形成用組成物に使用されるアルカリ可溶性
樹脂としては、種々の樹脂を用いることができる。ここ
に、「アルカリ可溶性」とは、アルカリ性の現像液によ
って溶解する性質をいい、具体的には、目的とする現像
処理が遂行される程度に溶解性を有していればよい。
は、たとえば(メタ)アクリル系樹脂、ヒドロキシスチ
レン樹脂、ノボラック樹脂、ポリエステル樹脂などを挙
げることができる。このようなアルカリ可溶性樹脂のう
ち、(メタ)アクリル系樹脂が好ましく、特に好ましい
ものとしては、たとえばカルボキシル基含有モノマー類
(イ)(以下「モノマー(イ)」ともいう)とその他の
共重合可能なモノマー類(ハ)(以下「モノマー
(ハ)」ともいう)との共重合体、またはモノマー
(イ)とOH基含有モノマー類(ロ)(以下「モノマー
(ロ)」ともいう)とモノマー(ハ)との共重合体など
を挙げることができる。
モノマー類)としては、たとえば、アクリル酸、メタク
リル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン
酸、シトラコン酸、メサコン酸、ケイ皮酸、コハク酸モ
ノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)、ω−カル
ボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート
などが挙げられる。
類)としては、たとえば、(メタ)アクリル酸2−ヒド
ロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロ
ピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピルなど
の水酸基含有モノマー類;o−ヒドロキシスチレン、m
−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレンなどの
フェノール性水酸基含有モノマー類;などが挙げられ
る。
記モノマー(ハ)としては、たとえば、(メタ)アクリ
ル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アク
リル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ラウリル、
(メタ)アクリル酸ベンジル、グリシジル(メタ)アク
リレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートな
どのモノマー、モノマー(ロ)を含む場合は、モノマー
(イ)および(ロ)以外の(メタ)アクリル酸エステル
類;スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル
系モノマー類;ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエ
ン類;ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、
ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル
酸ベンジル等のポリマー鎖の一方の末端に(メタ)アク
リロイル基などの重合性不飽和基を有するマクロモノマ
ー類;などが挙げられる。
共重合体や、モノマー(イ)とモノマー(ロ)とモノマ
ー(ハ)との共重合体は、モノマー(イ)および/また
はモノマー(ロ)のカルボキシル基またはフェノール性
水酸基含有モノマーに由来する共重合成分の存在によ
り、アルカリ可溶性を有するものとなる。なかでもモノ
マー(イ)とモノマー(ロ)とモノマー(ハ)との共重
合体は、誘電体用複合粒子(A)の分散安定性や後述す
るアルカリ現像液への溶解性の観点から特に好ましい。
この共重合体におけるモノマー(イ)に由来する共重合
成分単位の含有率は、好ましくは1〜50質量%、特に
好ましくは5〜30質量%であり、モノマー(ロ)に由
来する共重合成分単位の含有率は、好ましくは1〜50
質量%、特に好ましくは5〜30質量%であり、モノマ
ー(ハ)に由来する共重合成分単位の含有率は、好まし
くは1〜98質量%、特に好ましくは40〜90質量%
である。
クリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2
−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロ
キシプロピルなどの水酸基含有モノマー類が好ましい。
感光性誘電体形成用組成物を構成するアルカリ可溶性樹
脂(B)の分子量は、GPCによるポリスチレン換算の
重量平均分子量(以下、単に「重量平均分子量(M
w)」ともいう)で、好ましくは5,000〜5,00
0,000、さらに好ましくは10,000〜300,
000であることが望ましい。
リ可溶性樹脂(B)の含有量は、誘電体用複合粒子
(A)100質量部に対して、通常1〜500質量部、
好ましくは10〜500質量部、好ましくは10〜20
0質量部であることが望ましい。また感光性誘電体形成
用組成物におけるアルカリ現像可能な樹脂(B)の量
は、(A)+(B)+(C)+(D)を100質量%と
したとき1〜60質量%、好ましくは2〜30質量%、
さらに好ましくは5〜30質量%であることが望まし
い。
とえばポリイミド樹脂、ビスマレンイミド樹脂、エポキ
シ樹脂などのアルカリ可溶性樹脂以外の樹脂を含有して
もよい。 (C)エチレン性不飽和基含有化合物 感光性誘電体形成用組成物を構成するエチレン性不飽和
基含有化合物(C)は、エチレン性不飽和基を含有し、
後述する光重合開始剤(D)により、ラジカル重合反応
し得る化合物である限り特に限定はされないが、通常、
(メタ)アクリレート化合物が用いられる。
具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリ
コールなどのアルキレングリコールのジ(メタ)アクリ
レート類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコールなどのポリアルキレングリコールのジ(メタ)
アクリレート類;両末端ヒドロキシポリブタジエン、両
末端ヒドロキシポリイソプレン、両末端ヒドロキシポリ
カプロラクトンなどの両末端ヒドロキシル化重合体のジ
(メタ)アクリレート類;グリセリン、1,2,4−ブ
タントリオール、トリメチロールアルカン、テトラメチ
ロールアルカン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリ
スリトールなどの3価以上の多価アルコールのポリ(メ
タ)アクリレート類;3価以上の多価アルコールのポリ
アルキレングリコール付加物のポリ(メタ)アクリレー
ト類;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ベン
ゼンジオール類などの環式ポリオールのポリ(メタ)ア
クリレート類;ポリエステル(メタ)アクリレート、エ
ポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリ
レート、アルキド樹脂(メタ)アクリレート、シリコー
ン樹脂(メタ)アクリレート、スピラン樹脂(メタ)ア
クリレート等のオリゴ(メタ)アクリレート類などを挙
げることができる。なお、(メタ)アクリレート化合物
としては、上記した化合物以外に、前述したアルカリ可
溶性樹脂(B)を構成するモノマー(イ)、(ロ)およ
び(ハ)に示された化合物を使用してもよい。
むエチレン性不飽和基含有化合物(C)は、単独でまた
は2種以上を組み合わせて使用することができ、通常、
前述のアルカリ可溶性樹脂(B)100質量部に対して
20〜500質量部、好ましくは、20〜480質量
部、より好ましくは40〜250質量部の量で用いられ
る。
チレン性不飽和基含有化合物(C)の含有量は、(A)
+(B)+(C)+(D)を100質量%としたとき、
0.1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%、さら
に好ましくは5〜15質量%であることが望ましい。 (D)光重合開始剤 感光性誘電体形成用組成物を構成する光重合開始剤
(D)としては、後述する露光工程においてラジカルを
発生し、前述したエチレン性不飽和基含有化合物(C)
の重合反応を開始せしめる化合物である限り特に限定は
されない。
は、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾフェノン、ミヒラー
ケトン、4,4'−ビスジエチルアミノベンゾフェノ
ン、カンファーキノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−
1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシク
ロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−
フェニルアセトフェノン、2−メチル−〔4'−(メチ
ルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノ
ン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モ
ルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2,4−ジ
エチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントンな
どのカルボニル化合物;ビス(2,6−ジメトキシベン
ゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィン
オキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイ
ル)−フェニルホスフィンオキサイドなどのホスフィン
オキサイド化合物;アゾイソブチロニトリル、4−アジ
ドベンズアルデヒドなどのアゾ化合物あるいはアジド化
合物;メルカプタンジスルフィドなどの有機硫黄化合
物;ベンゾイルパーオキシド、ジ−tert−ブチルパ
ーオキシド、tert−ブチルハイドロパーオキシド、
クメンハイドロパーオキシド、パラメタンハイドロパー
オキシドなどの有機パーオキシド;2,4−ビス(トリ
クロロメチル)−6−(2'−クロロフェニル)−1,
3,5−トリアジン、2−〔2−(2−フラニル)エチ
レニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,
3,5−トリアジンなどのトリハロメタン類;2,2'
−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4',5'−テ
トラフェニル1,2'−ビイミダゾールなどのイミダゾ
ール二量体などを挙げることができ、これらは単独でま
たは2種以上を組み合わせて使用することができる。ま
た、このような光重合開始剤(D)とともに、増感剤、
増感助剤、水素供与体、連鎖移動剤等を併用してもよ
い。
カリ可溶性樹脂(B)とエチレン性不飽和基含有化合物
(C)の合計量100質量部に対して、通常、0.1〜
200質量部とされ、好ましくは1〜50質量部である
ことが望ましい。また感光性誘電体形成用組成物におけ
る光重合開始剤(D)の量は、(A)+(B)+(C)
+(D)を100質量%としたとき、0.1〜20質量
%、好ましくは0.2〜5質量%、さらに好ましくは
0.3〜3質量%であることが望ましい。 (E)溶剤 感光性誘電体形成用組成物には、必要に応じて溶剤
(E)が含有される。上記溶剤(E)としては、無機粒
子(A)との親和性、ならびにアルカリ可溶性樹脂
(B)、エチレン性不飽和基含有化合物(C)、光重合
開始剤(D)および必要に応じて含有される後述の各種
添加剤(F)との溶解性が良好で、感光性誘電体形成用
組成物に適度な粘性を付与することができ、乾燥させる
ことによって容易に蒸発除去できるものであることが好
ましい。
トン、メチルブチルケトン、ジプロピルケトン、シクロ
ヘキサノンなどのケトン類;n−ペンタノール、4−メ
チル−2−ペンタノール、シクロヘキサノール、ジアセ
トンアルコールなどのアルコール類;エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチル
エーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレング
リコールモノエチルエーテルなどのエーテル系アルコー
ル類;酢酸−n−ブチル、酢酸アミルなどの飽和脂肪族
モノカルボン酸アルキルエステル類;乳酸エチル、乳酸
−n−ブチルなどの乳酸エステル類;メチルセロソルブ
アセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレン
グリコールモノメチルエーテルアセテート、エチル−3
−エトキシプロピオネートなどのエーテル系エステル類
などを例示することができ、これらは、単独でまたは2
種以上を組み合わせて使用することができる。
(E)の含有量は、良好な流動性が得られる範囲内にお
いて適宜選択することができるが、通常、無機粒子
(A)100質量部に対して、1〜10,000質量部
であり、好ましくは10〜1,000質量部であること
が望ましい。 (F)各種添加剤 感光性誘電体形成用組成物は、上記(A)〜(E)成分
のほかに、可塑剤、接着助剤、分散剤、充填剤、保存安
定剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レベリング
剤、現像促進剤などの各種添加剤を任意成分として含有
していてもよい。 接着助剤 接着助剤としては、シラン系カップリング剤、アルミニ
ウム系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、
およびジルコネート系カップリング剤から選択された少
なくとも1つのカップリング剤を使用することができ
る。これらのカップリング剤のうち、比較的少量で優れ
た密着性が得られる下記式(1)で表される化合物など
のシランカップリング剤〔飽和アルキル基含有(アルキ
ル)アルコキシシラン〕が好適に用いられる。
の整数、nは1〜3の整数、aは1〜3の整数であ
る。)上記式(1)において、飽和アルキル基の炭素数
を示すpは3〜20の整数とされ、好ましくは4〜16
の整数とされる。上記式(1)で表されるシランカップ
リング剤の具体例としては、n−プロピルジメチルメト
キシシラン、n−ブチルジメチルメトキシシラン、n−
デシルジメチルメトキシシラン、n−ヘキサデシルジメ
チルメトキシシラン、n−イコサンジメチルメトキシシ
ランなどの飽和アルキルジメチルメトキシシラン類(a
=1,m=1,n=1);n−プロピルジエチルメトキ
シシラン、n−ブチルジエチルメトキシシラン、n−デ
シルジエチルメトキシシラン、n−ヘキサデシルジエチ
ルメトキシシラン、n−イコサンジエチルメトキシシラ
ンなどの飽和アルキルジエチルメトキシシラン類(a=
1,m=1,n=2);n−ブチルジプロピルメトキシ
シラン、n−デシルジプロピルメトキシシラン、n−ヘ
キサデシルジプロピルメトキシシラン、n−イコサンジ
プロピルメトキシシランなどの飽和アルキルジプロピル
メトキシシラン類(a=1,m=1,n=3);n−プ
ロピルジメチルエトキシシラン、n−ブチルジメチルエ
トキシシラン、n−デシルジメチルエトキシシラン、n
−ヘキサデシルジメチルエトキシシラン、n−イコサン
ジメチルエトキシシランなどの飽和アルキルジメチルエ
トキシシラン類(a=1,m=2,n=1);n−プロ
ピルジエチルエトキシシラン、n−ブチルジエチルエト
キシシラン、n−デシルジエチルエトキシシラン、n−
ヘキサデシルジエチルエトキシシラン、n−イコサンジ
エチルエトキシシランなどの飽和アルキルジエチルエト
キシシラン類(a=1,m=2,n=2);n−ブチル
ジプロピルエトキシシラン、n−デシルジプロピルエト
キシシラン、n−ヘキサデシルジプロピルエトキシシラ
ン、n−イコサンジプロピルエトキシシランなどの飽和
アルキルジプロピルエトキシシラン類(a=1,m=
2,n=3);n−プロピルジメチルプロポキシシラ
ン、n−ブチルジメチルプロポキシシラン、n−デシル
ジメチルプロポキシシラン、n−ヘキサデシルジメチル
プロポキシシラン、n−イコサンジメチルプロポキシシ
ランなどの飽和アルキルジメチルプロポキシシラン類
(a=1,m=3,n=1);n−プロピルジエチルプ
ロポキシシラン、n−ブチルジエチルプロポキシシラ
ン、n−デシルジエチルプロポキシシラン、n−ヘキサ
デシルジエチルプロポキシシラン、n−イコサンジエチ
ルプロポキシシランなどの飽和アルキルジエチルプロポ
キシシラン類(a=1,m=3,n=2);n−ブチル
ジプロピルプロポキシシラン、n−デシルジプロピルプ
ロポキシシラン、n−ヘキサデシルジプロピルプロポキ
シシラン、n−イコサンジプロピルプロポキシシランな
どの飽和アルキルジプロピルプロポキシシラン類(a=
1,m=3,n=3);n−プロピルメチルジメトキシ
シラン、n−ブチルメチルジメトキシシラン、n−デシ
ルメチルジメトキシシラン、n−ヘキサデシルメチルジ
メトキシシラン、n−イコサンメチルジメトキシシラン
などの飽和アルキルメチルジメトキシシラン類(a=
2,m=1,n=1);n−プロピルエチルジメトキシ
シラン、n−ブチルエチルジメトキシシラン、n−デシ
ルエチルジメトキシシラン、n−ヘキサデシルエチルジ
メトキシシラン、n−イコサンエチルジメトキシシラン
などの飽和アルキルエチルジメトキシシラン類(a=
2,m=1,n=2);n−ブチルプロピルジメトキシ
シラン、n−デシルプロピルジメトキシシラン、n−ヘ
キサデシルプロピルジメトキシシラン、n−イコサンプ
ロピルジメトキシシランなどの飽和アルキルプロピルジ
メトキシシラン類(a=2,m=1,n=3)n−プロ
ピルメチルジエトキシシラン、n−ブチルメチルジエト
キシシラン、n−デシルメチルジエトキシシラン、n−
ヘキサデシルメチルジエトキシシラン、n−イコサンメ
チルジエトキシシランなどの飽和アルキルメチルジエト
キシシラン類(a=2,m=2,n=1);n−プロピ
ルエチルジエトキシシラン、n−ブチルエチルジエトキ
シシラン、n−デシルエチルジエトキシシラン、n−ヘ
キサデシルエチルジエトキシシラン、n−イコサンエチ
ルジエトキシシランなどの飽和アルキルエチルジエトキ
シシラン類(a=2,m=2,n=2);n−ブチルプ
ロピルジエトキシシラン、n−デシルプロピルジエトキ
シシラン、n−ヘキサデシルプロピルジエトキシシラ
ン、n−イコサンプロピルジエトキシシランなどの飽和
アルキルプロピルジエトキシシラン類(a=2,m=
2,n=3);n−プロピルメチルジプロポキシシラ
ン、n−ブチルメチルジプロポキシシラン、n−デシル
メチルジプロポキシシラン、n−ヘキサデシルメチルジ
プロポキシシラン、n−イコサンメチルジプロポキシシ
ランなどの飽和アルキルメチルジプロポキシシラン類
(a=2,m=3,n=1);n−プロピルエチルジプ
ロポキシシラン、n−ブチルエチルジプロポキシシラ
ン、n−デシルエチルジプロポキシシラン、n−ヘキサ
デシルエチルジプロポキシシラン、n−イコサンエチル
ジプロポキシシランなどの飽和アルキルエチルジプロポ
キシシラン類 (a=2,m=3,n=2);n−ブチ
ルプロピルジプロポキシシラン、n−デシルプロピルジ
プロポキシシラン、n−ヘキサデシルプロピルジプロポ
キシシラン、n−イコサンプロピルジプロポキシシラン
などの飽和アルキルプロピルジプロポキシシラン類(a
=2,m=3,n=3);n−プロピルトリメトキシシ
ラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−デシルトリ
メトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラ
ン、n−イコサントリメトキシシランなどの飽和アルキ
ルトリメトキシシラン類(a=3,m=1);n−プロ
ピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラ
ン、n−デシルトリエトキシシラン、n−ヘキサデシル
トリエトキシシラン、n−イコサントリエトキシシラン
などの飽和アルキルトリエトキシシラン類(a=3,m
=2);n−プロピルトリプロポキシシラン、n−ブチ
ルトリプロポキシシラン、n−デシルトリプロポキシシ
ラン、n−ヘキサデシルトリプロポキシシラン、n−イ
コサントリプロポキシシランなどの飽和アルキルトリプ
ロポキシシラン類(a=3,m=3)などを挙げること
ができ、これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせ
て使用することができる。
ラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシ
ルトリメトキシシラン、n−デシルジメチルメトキシシ
ラン、n−ヘキサデシルジメチルメトキシシラン、n−
ブチルトリエトキシシラン、n−デシルトリエトキシシ
ラン、n−ヘキサデシルトリエトキシシラン、n−デシ
ルエチルジエトキシシラン、n−ヘキサデシルエチルジ
エトキシシラン、n−ブチルトリプロポキシシラン、n
−デシルトリプロポキシシラン、n−ヘキサデシルトリ
プロポキシシランなどが特に好ましい。
剤の含有量は、無機粒子(A)100質量部に対して、
0.001〜10質量部、さらに好ましくは0.001
〜5質量部であることが望ましい。 分散剤 無機粒子(A)の分散剤としては、脂肪酸が好ましく用
いられ、特に、炭素数8〜30、好ましくは8〜20の
脂肪酸が好ましい。上記脂肪酸の好ましい具体例として
は、オクタン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、ペンタデカン酸、ステアリン酸、
アラキン酸等の飽和脂肪酸;エライジン酸、オレイン
酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸などの不飽
和脂肪酸を挙げることができ、これらは、単独でまたは
2種以上を組み合わせて使用することができる。
の含有量は、無機粒子(A)100質量部に対して、
0.001〜10質量部、好ましくは0.01〜5質量
部であることが望ましい。 充填剤 本発明の感光性誘電体形成用組成物は、前記(A)〜
(E)成分の他に、さらに、充填剤を含有することがで
きる。このような充填剤として、誘電率を向上させる添
加剤としては、カーボン微粉(例:アセチレンブラッ
ク、ケッチェンブラックなど)、黒鉛微粉、高次フラー
レンなどの導電性微粒子、炭化ケイ素微粉などの半導体
性の微粒子などが挙げられる。これらの誘電率向上用の
充填剤を添加する場合には、無機粒子(A)に対し、好
ましくは0〜10質量%、さらに好ましくは0.5〜1
0質量%、特に好ましくは1〜5質量%の量で使用する
ことが望ましい。
成物を用いることにより、500℃以下の加熱で、誘電
率が20以上、誘電正接が0.1以下の誘電体を形成す
ることができる。以下、本発明の誘電体の形成方法およ
び誘電体の物性について詳述する。<誘電体層パターンの形成方法> 本発明の感光性誘電体
形成用組成物を用いた誘電体層パターンの形成方法は、
〔1〕感光性誘電体形成用組成物の塗布工程、〔2〕誘
電体層の露光工程、〔3〕誘電体層の現像工程、〔4〕
誘電体層パターンの硬化工程の各工程を有する。 〔1〕感光性誘電体形成用組成物の塗布工程 塗布工程では、たとえば塗布機などを用いて、基板上に
本発明の感光性誘電体形成用組成物を塗布し、誘電体層
を形成する。ここで、好ましい塗布機としてはスピナ
ー、スクリーン印刷機、グラビアコート機、ロールコー
ト機、バーコーター等が挙げられる。上記基板材料とし
ては、特に限定されないが、たとえばプリント基板、シ
リコーンウエハー(W−CSPなど)、ガラス、アルミ
ナなどからなる板状部材が挙げられる。
電体形成用組成物を、スクリーン印刷機などによりプリ
ント配線基板等上に印刷し、オーブン等を用いて当該感
光性誘電体形成用組成物を乾燥させ、誘電体層を形成す
る。 〔2〕誘電体層の露光工程 露光工程においては、上記のように形成した誘電体層の
表面に、露光用マスクを介して、放射線を選択的に照射
(露光)して、誘電体層にパターンの潜像を形成する。
れる放射線としては、たとえば可視光線、紫外線、遠紫
外線、電子線あるいはX線等が挙げられ、好ましくは可
視光線、紫外線および遠紫外線が、さらに好ましくは紫
外線が用いられる。露光用マスクの露光パターンは目的
によっても異なるが、例えば、10〜1000μm角の
ドットパターンが用いられる。
リソグラフィー法で使用されている紫外線照射装置、半
導体および液晶表示装置を製造する際に使用されている
露光装置などが挙げられるが、特にこれらに限定される
ものではない。 〔3〕誘電体層の現像工程 現像工程においては、露光された誘電体層を現像処理す
ることにより、誘電体層のパターン(潜像)を顕在化さ
せる。
しては、アルカリ現像液を使用することができる。これ
により、誘電体層に含有されるアルカリ可溶性樹脂を容
易に溶解除去することができる。なお、誘電体層に含有
される誘電体用複合粒子は、アルカリ可溶性樹脂により
均一に分散されているため、バインダーであるアルカリ
可溶性樹脂を溶解させ、洗浄することにより、誘電体用
複合粒子も同時に除去される。
えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素二アンモニウ
ム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、
リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、リ
ン酸二水素ナトリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリ
ウム、ケイ酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウ
ム、ホウ酸カリウム、アンモニアなどの無機アルカリ性
化合物;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、トリ
メチルヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシド、モ
ノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、
モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミ
ン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、
エタノールアミンなどの有機アルカリ性化合物などを挙
げることができる。
現像液は、前記アルカリ性化合物の1種または2種以上
を水などの溶媒に溶解させることにより調製することが
できる。ここに、アルカリ性現像液におけるアルカリ性
化合物の濃度は、通常0.001〜10質量%であり、
好ましくは0.01〜5質量%である。アルカリ現像液
には、ノニオン系界面活性剤または有機溶剤などの添加
剤が含有されていてもよい。
された後は、通常、水洗処理が施される。また、必要に
応じて現像処理後に感光性転写層パターン側面および基
板露出部に残存する不要分を擦り取る工程を含んでもよ
い。現像処理条件としては、現像液の種類・組成・濃
度、現像時間、現像温度、現像方法(例えば浸漬法、揺
動法、シャワー法、スプレー法、パドル法)、現像装置
などを目的に応じて適宜選択することができる。
誘電体層除去部とから構成される誘電体層パターン(露
光用マスクに対応するパターン)が形成される。 〔4〕誘電体層パターンの硬化工程 硬化工程においては、誘電体層パターンを熱硬化処理し
て、パターンを形成する。このような加熱温度は、50
0℃以下で行うことが可能であり、好ましくは100〜
500℃、さらに好ましくは150〜300℃で行うこ
とが望ましい。加熱時間は、好ましくは1分〜24時
間、さらに好ましくは10分〜12時間の範囲で行うこ
とが望ましい。
させる場合の加熱方法としては、たとえば、オーブン、
赤外線ランプ、ホットプレート等により加熱する方法が
挙げられる。<誘電体の物性> このような本発明の感光性誘電体形成
用組成物から得られる誘電体は、その誘電率が20以
上、好ましくは23以上、さらに好ましくは25以上、
特に好ましくは28以上であることが望ましい。誘電率
の上限は特に限定されないが、たとえば200程度であ
ってもよい。また、本発明の感光性誘電体形成用組成物
から得られる誘電体は、誘電正接が0.1以下、好まし
くは0.08以下、さらに好ましくは0.06以下であ
ることが望ましい。誘電正接の下限は特に限定されない
が、たとえば0.001程度であってもよい。
接は、JIS K6481(周波数1MHz)に記載の
方法により測定した値である。また、このような誘電体
のリーク電流は、好ましくは10-9A/cm2以下、よ
り好ましくは10-10A/cm2以下、更に好ましくは1
0-11A/cm2以下であることが望ましい。
0μm以下、より好ましくは10μm以下であることが
望ましい。厚さの下限は特に限定されないが、通常は1
μm以上である。 [電子部品]本発明の誘電体は、500℃以下という低
い温度で加熱焼成して得ることができ、誘電率が20以
上かつ誘電正接が0.1以下であり、薄膜で静電容量の
大きなコンデンサ等を形成することができる。また、こ
の誘電体を備えたプリント回路基板、半導体パッケー
ジ、コンデンサ、高周波用アンテナ等の電子部品は、小
型でかつ高密度のものとすることができる。
を用いると、前記のように500℃以下という低い加熱
温度で、しかも0.1以下という低い誘電正接かつ20
以上という高い誘電率の誘電体を形成することができ
る。本発明の誘電体は、薄膜で高誘電率であるので、プ
リント回路基板、半導体パッケージ、コンデンサ、高周
波用アンテナ等の電子部品等において好適に利用され
る。
ことから、小型化、薄膜化することができる。
本発明はこれらによって限定されるものではない。な
お、以下において「部」は「質量部」を示す。また、重
量平均分子量(Mw)は、東ソー株式会社製ゲルパーミ
ィエーションクロマトグラフィー(GPC)(商品名H
LC−802A)により測定したポリスチレン換算の平
均分子量である。
品名「RTIPBC」、シーアイ化成、平均粒子径0.
02μm、誘電率100)を15部、(A−II)無機微
粒子としてチタン酸バリウム粒子(商品名「BT−0
1」、堺化学工業社製、平均粒子径0.1μm、誘電率
500)85部、(B)アルカリ可溶性樹脂として、メ
タクリル酸n−ブチル/メタクリル酸3−ヒドロキシプ
ロピル/メタクリル酸=60/20/20(質量%)共
重合体(Mw=50,000)20部、(C)エチレン
性不飽和基含有化合物として、トリメチロールプロパン
トリアクリレート10部、(D)光重合開始剤として、
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフ
ォリノフェニル)−ブタン−1−オン1部、(E)溶剤
として、プロピレングリコールモノメチルエーテル10
0部および(F)分散剤としてオレイン酸1部、充填剤
としてアセチレンブラック0.5部をビーズミルで混練
りした後、ステンレスメッシュ(500メッシュ)でフ
ィルタリングすることにより、感光性誘電体形成用組成
物を調製した。 (2)感光性誘電体形成用組成物の塗布工程 感光性誘電体形成用組成物をプリント配線基板上にスピ
ナーを用いて塗布し、塗膜を100℃で5分間乾燥して
溶剤を完全に除去し、厚さ7μmの感光性誘電体層を形
成した。 (3)誘電体層の露光工程・現像工程 感光性誘電体層に対して、露光用マスク(500μm角
のドットパターン)を介して、超高圧水銀灯により、i
線(波長365nmの紫外線)を照射した。ここに、照
射量は400mJ/cm2とした。
誘電体層に対して、0.5質量%の炭酸ナトリウム水溶
液(30℃)を現像液とするシャワー法による現像処理
を1分かけて行った。次いで超純水による水洗処理を行
い、これにより、紫外線が照射されていない未硬化の感
光性誘電体層を除去し、パターンを形成した。 (4)誘電体層パターンの硬化工程 感光性誘電体層パターンが形成されたプリント配線基板
をオーブン内で200℃の温度雰囲気下で30分間にわ
たり硬化処理を行った。これにより、プリント配線基板
の表面に誘電体パターンが得られた。
性および誘電体特性については、後述の方法により評価
した。結果を表1に示す。
リル酸n−ブチル/メタクリル酸3−ヒドロキシプロピ
ル/メタクリル酸=60/20/20(質量%)共重合
体(Mw=100,000)20部を用いたこと以外は
実施例1と同様にして、感光性誘電体形成用組成物を調
製した。当該感光性誘電体形成用組成物を用いたこと以
外は実施例1と同様にして、厚さ7μmの感光性誘電体
層を形成後、露光・現像・硬化工程を行い、誘電体パタ
ーンを作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
リウム・ナノ粒子(日清エンジニアリング、平均粒子径
0.03μm、誘電率400)を10部、(A−II)無
機微粒子としてチタン酸バリウム粒子(商品名「BT−
01」、堺化学工業社製、平均粒子径0.1μm、誘電
率500)90部を用いたこと以外は実施例1と同様に
して、感光性誘電体形成用組成物を調製した。当該感光
性誘電体形成用組成物を用いたこと以外は実施例1と同
様にして、厚さ5μmの感光性誘電体層を形成後、露光
・現像・硬化工程を行い、誘電体パターンを作製し、評
価を行った。結果を表1に示す。
リウム・ナノ粒子(日清エンジニアリング、平均粒子径
0.03μm、誘電率400)を10部、(A−II)無
機微粒子としてチタン酸バリウム粒子(東邦チタニウム
製、平均粒子径0.1μm、誘電率400)90部を用
いたこと以外は実施例1と同様にして、感光性誘電体形
成用組成物を調製した。当該感光性誘電体形成用組成物
を用いたこと以外は実施例1と同様にして、厚さ3μm
の感光性誘電体層を形成後、露光・現像・硬化工程を行
い、誘電体パターンを作製し、評価を行った。結果を表
1に示す。
て、トリメチロールプロパントリアクリレート1部を用
いたこと以外は実施例1と同様にして、感光性誘電体形
成用組成物を調製した。当該感光性誘電体形成用組成物
を用いたこと以外は実施例1と同様にして、厚さ7μm
の感光性誘電体層を形成後、露光・現像・硬化工程を行
い、誘電体パターンを作製し、評価を行った。結果を表
1に示す。
て、トリメチロールプロパントリアクリレート50部を
用いたこと以外は実施例1と同様にして、感光性誘電体
形成用組成物を調製した。当該感光性誘電体形成用組成
物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、厚さ5μ
mの感光性誘電体層を形成後、露光・現像・硬化工程を
行い、誘電体パターンを作製し、評価を行った。結果を
表1に示す。 〔パターニング特性〕実施例1〜4、参考例1〜2によ
り得られた誘電体パターンについて、走査型電子顕微鏡
(SEM)を用いて、当該誘電体パターンの幅および高
さの測定を行い、幅の精度について、500μm±10
μmの範囲にあるものを○、それ以外のものを×として
評価した。また、パターンの欠落についての観察を行
い、欠落のないものについて○、欠落のあるものについ
て×として評価した。 〔誘電率、誘電正接およびリーク電流〕得られたプリン
ト基板(銅箔)上の誘電体上面にアルミ蒸着法によりガ
イドリング付きの電極(面積;1cm2、厚み0.1μ
m)を形成した。銅箔側と電極の間でLCRメーター
(HP4248A、ヒューレットパッカード製)により
1MHzでの誘電率、誘電正接を10点測定してその平
均値を求めた。また、銅箔と電極の間でのリーク電流を
絶縁抵抗計(アドバンテスト製)で10点測定してその
平均値を求めた。
ムについて、121℃、湿度100%、2気圧の条件下
で、72時間耐湿熱性試験を行って、試験の前後で赤外
線分光測定を実施し、その変化の程度により、耐湿熱性
を下記基準で評価した。 ○・・・変化がなく耐性が認められる ×・・・変化が大きく耐性が認められない
Claims (10)
- 【請求項1】(A−I)平均粒子径が0.05μm未満
の無機超微粒子および(A−II)平均粒子径が0.05
μm以上の無機微粒子からなる無機粒子と、(B)アル
カリ可溶性樹脂と、(C)エチレン性不飽和基含有化合
物と、(D)光重合開始剤とを含有することを特徴とす
る感光性誘電体形成用組成物。 - 【請求項2】 (A−I)および(A−II)の合計量を
100質量部としたとき、(A−I)の量が1〜30質
量部であり、(A−II)が99〜70質量部である請求
項1記載の感光性誘電体形成用組成物。 - 【請求項3】 (A−I)と(A−II)との合計量が 20〜95質量% (B)の量が 1〜60質量% (C)の量が 0.1〜30質量% (D)の量が 0.1〜20質量% である請求項1記載の感光性誘電体形成用組成物。
- 【請求項4】 500℃以下の加熱で、誘電率が20以
上、誘電正接が0.1以下の誘電体を形成することが可
能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
載の感光性誘電体形成用組成物。 - 【請求項5】 前記無機超微粒子(A−I)および無機
微粒子(A−II)が、チタン系金属酸化物であることを
特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の感光性誘電
体形成用組成物。 - 【請求項6】 前記アルカリ可溶性樹脂(B)が、(メ
タ)アクリル系樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、ノボラ
ック樹脂またはポリエステル樹脂のいずれかであること
を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の感光性誘
電体形成用組成物。 - 【請求項7】 前記エチレン性不飽和基含有化合物
(C)が、(メタ)アクリレート化合物であることを特
徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の感光性誘電体
形成用組成物。 - 【請求項8】 前記エチレン性不飽和基含有化合物
(C)が、アルカリ可溶性樹脂(B)100質量部に対
して20〜500質量部の範囲で含まれていることを特
徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の感光性誘電体
形成用組成物。 - 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の感光性
誘電体形成用組成物を500℃以下で加熱して硬化させ
ることにより形成される、誘電率が20以上、誘電正接
が0.1以下であることを特徴とする誘電体。 - 【請求項10】 請求項1〜8のいずれかに記載の感光
性誘電体形成用組成物を用いて形成される誘電体を含む
ことを特徴とする電子部品。
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