JP2003287479A - バルブ機構 - Google Patents

バルブ機構

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JP2003287479A
JP2003287479A JP2002092422A JP2002092422A JP2003287479A JP 2003287479 A JP2003287479 A JP 2003287479A JP 2002092422 A JP2002092422 A JP 2002092422A JP 2002092422 A JP2002092422 A JP 2002092422A JP 2003287479 A JP2003287479 A JP 2003287479A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機構が平易で小型且つ低コストであると共
に、POC分析等をはじめとする種々の分析を行う分析
装置に好適なバルブ機構を提供すること。 【解決手段】 キャピラリ12に吸水ポリマーLを収納
した保存槽13を連結すると共に、その保存槽13の開
口部をダイアフラム膜14で覆い、そのダイアフラム膜
14を押圧することで吸水ポリマーLを押し出して、前
記キャピラリ12を塞ぐことができるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微量試料の分析や
検出を簡便に行うことができる分析装置に好適なバルブ
機構に関する。
【0002】
【従来の技術】医療診断に必要な測定を患者近傍で行う
ベッドサイド診断用の分析(POC(point of
care)分析)や、河川や廃棄物中の有害物質の分析
を河川や廃棄物処理場等の現場で行うこと(POU(p
oint of use)分析)や、食品の調理,収穫,
輸入の各現場における汚染検査等の、分析・計測が必要
とされる現場もしくは現場の近傍で分析・計測を行うこ
と(以下、「POC分析等」と総称する)の重要性が注
目されており、近年、このようなPOC分析等に適用さ
れる検出法や装置の開発が重要視されつつある。そし
て、このようなPOC分析等は、簡便に短時間で、且つ
低コストで行われることが要求される。
【0003】従来、微量分析には、試料をキャピラリガ
スクロマトグラフィー(CGC),キャピラリ液体クロ
マトグラフィー(CLC)等で分離した後、質量分析計
で定量するGC−MS装置やLC−MS装置が広く使用
されてきた。しかしながら、これらの分析装置は質量分
析計が大型であることと操作が煩雑であることから、患
者のベッドサイドや汚染河川,廃棄物処理場近辺等の現
場での測定に使用するのには適していない。さらに、血
液等を試料とする医療診断用途の分析装置は、試料が触
れる部分を使い捨てにすることが望ましい。
【0004】そこで、これらの問題点を解決するため
に、従来利用されてきた分析装置を小型化し、極微量の
液体試薬を反応させるμTAS(micro tota
l analysis system)の技術をPOC分
析等へ応用する検討が進んできた。μTASでは、血液
に限らず検体量を微量にするために、10cmから数c
m角程度以下のガラスやシリコン製のチップの表面に溝
を形成して、その溝中に試薬溶液や検体を流して分離,
反応を行って、微量試料の分析を行っている(特開平2
−245655号公報、特開平3−226666号公
報、特開平8−233778号公報、 Analyti
cal Chem. 69, 2626−2630 (19
97) Aclara Biosciencesなど)。
この技術においては、検体量,検出に必要な試薬量,検
出に用いた消耗品等の廃棄物,廃液の量がいずれも少な
くなる上、検出に必要な時間もおおむね短時間で済むと
いう利点がある。
【0005】本願出願人も、特願平10−181586
号明細書(「混合分析装置及び混合分析方法」)、特開
2000−2675号公報(「キャピラリ光熱変換分析
装置」)、特開2000−2677号公報、国際公開W
O99/64846号公報(「分析装置」)、特願平1
1−227624号明細書、国際公開WO01/131
27号公報(「分析用カートリッジ及び送液制御装
置」)等のμTAS関係の発明を出願している。
【0006】これらの公報又は出願明細書には、チップ
として樹脂製のマイクロチップを用いることや、微量成
分の検出法として熱レンズ検出法を用いることなども記
載されている。熱レンズ検出法は、励起光で液体中の試
料を励起して、いわゆる熱レンズを形成させ、検出光で
その熱レンズの変化を測定する光熱変換検出法であり、
その原理等は以前から知られている(特開昭60−17
4933号公報、A.C.Boccara et.a
l.,Appl.Phys.Lett.36,130,
1980、J. Liquid Chromatogra
phy 12, 2575−2585(1989) 、特
開平10−142177号公報、特開平4−36946
7号公報、ぶんせきNo.4,280−284,199
7、M.Harada,et.al.,Anal.Ch
em.Vol.65,2938−2940,1993、
川西,他 日本分析化学会第44年会講演要旨集,p1
19,1995など)。
【0007】キャピラリ中の成分を測定する方法として
は、熱レンズ検出法の他に蛍光法や吸光度法等も用いる
ことができるが、蛍光標識物質の導入などの操作をする
ことなく高い感度が実現できるので、熱レンズ検出法が
適している。一方、チップ内の液体を移動させる技術、
すなわち送液方法としては、チップ外の送液ポンプ又は
吸引ポンプを用いて、チップのキャピラリ内の送液を行
う方法が一般的である(例えば、S.Shoji,e
t.al.,Sensors&ActuatorsB
8,205−208,1994、ぶんせきNo.4,2
80−284,1997、M.Harada,et.a
l.、Anal.Chem.Vol.65,2938−
2940,1993、川西,他 日本分析化学会第44
年会講演要旨集,p119,1995等)。
【0008】しかしながら、この外部ポンプを用いる方
法では、制御の即応性,連続的な変化,耐久性,医療現
場においては重要な静粛性等の点で問題がある。また、
送液ポンプ,吸引ポンプを用いるため装置全体が大型に
なることや、チップと外部ポンプとの接続部分で漏れが
生じるおそれもある。さらに、外部ポンプを用いた装置
等のように外部との液の通過が必要な装置では、チップ
外部に廃液溜,試薬溶液溜,緩衝液溜等を設ける必要が
あり、液の補給,廃棄,清掃など、その液溜のメインテ
ナンスが必要になる。このことは、POC分析等におい
て簡便性を著しく損なうことになる。
【0009】そのため、最近ではチップ内に組み込み可
能なマイクロポンプの開発が行われている。このマイク
ロポンプとしては、例えばチップ内部に液を押し動かす
ためのダイアフラム膜が組み込まれているものがある。
ダイアフラム膜の動力源としては圧電素子をあげること
ができる。圧電素子は、比較的少量のエネルギーで大き
な力を発生させることが可能である。
【0010】しかしながら、圧電素子が単一の結晶で構
成されていると、極小さい距離しか液を押し動かすこと
ができない。ストロークを大きくするには通常は複数の
結晶で圧電素子を構成するが、そうすると多くの部品が
必要になり、結局コストがかさんでしまう。また、圧電
素子は小さい電流で駆動するが高い電圧を必要とするた
め、必ずしも今日の半導体回路に適応しているとは言え
ない。さらに、伸張係数の異なる材料を積層して圧電素
子を構成する必要があり、しかも積層に際しては正確な
クリアランスが要求されるため、微小サイズ化すること
が難しい。さらに、振動による往復運動を生ずるため、
送液に適した一方向の力に変換するためには、逆止弁機
能を有する複数のバルブを必要としたり、複数のポンプ
に位相差を付ける電気的制御を必要としたりするので、
システム全体が非常に複雑になるという問題があった。
ディフューザーなど整流効果のあるモジュールを流路内
に設置することにより送液を行うことも可能であるが、
その構造上の特性により、高流速でないと整流効果は期
待できない。低流速の場合には流路幅を細くすることに
より高速化することも可能ではあるが、この方法では流
路での圧力損失が大きくなる,チップの製作精度や流量
制御精度を高める必要がある,高コストにつながる等の
理由により、実用的なシステムを組むことが困難になっ
てくる。
【0011】また一方、チップ内の液体移動を止める技
術、すなわち流路閉止方法としては、ピエゾ素子等を用
いた能動バルブ(例えばA.Van den Berg
等、Proc.of μTAS’96,p9(199
6)等)やシリコンゴム等を用いた受動バルブ(例えば
R. Zengerle他、Proc. of Actu
ator’94, p25(1994)等)といった種
々の構造が考案されている。これらのバルブとダイアフ
ラム膜の駆動部分とを組み合わせて形成されるマイクロ
ポンプは実用に供されつつあるが、製作に必要な手間や
コストを考えると、血液測定などの用途で一般的である
使い捨てには適していない。
【0012】また、遠心力で送液を行う場合には、流路
幅が途中で細くなり表面張力で閉状態となるバルブや、
ワックスで流路を塞ぐバルブを設けて送液を制御する方
法も知られている(国際公開WO 98/53311や
国際公開WO 97/21090等。GAMERA Bi
oscience社)。表面張力を利用したバルブにあ
っては、試薬溶液に界面活性剤が入っているときには、
容易にバルブが開状態となってしまい調節が難しいとい
う問題があり、ワックスを用いたバルブにあっては、流
路幅が太くなる,ワックスを溶かす加熱機構が必要にな
る,液体中の成分がワックスに吸着する等の問題があ
る。また、これらのバルブを開状態から閉状態にするに
は、大きな困難が伴う。
【0013】また一方、チップ内の液体のハンドリング
を行う技術、すなわち液体ハンドリング方法としては、
例えばマイクロマシンに代表されるシリコンの微細加工
技術を応用して、シリコン基板の削り込みや、厚塗りタ
イプの感光性樹脂に流路を形成するなどして、ゲートバ
ルブ構造を同一平面上に形成するものや(例えばV.S
eidemann他、Proc. of Transdu
cers’01,pp1616−pp1619(200
1))、シリコン基板を複数枚積層した立体構造として
バルブ構造を組み込んだものがある。これらはLSIに
代表される半導体加工技術に基づいて製作されており、
コストが高いので使い捨て用途には不向きであり、また
シリコンを使用するため光学的検出には適さない。
【0014】また、磁気粘性流体で流路を閉塞して閉止
バルブとする方法も知られている(H. Hartsh
orne他、Proc. of μTAS’98, pp
379−pp381(1998))。この方法ではチッ
プ保管時における外部磁力の存在が問題となる。さら
に、液体の水素イオン指数等に応じて体積が変化するポ
リマーを開閉バルブとして使用する方法も知られている
(R. H. Liu他、Proc. ofμTAS’2
000, pp45−pp48(2000))。しかし
ながら、この方法では種々の物質を取り扱わなければな
らないチップには制約が多すぎる。
【0015】また、液体に触れるだけで体積が大きくな
る吸水ポリマーを閉止バルブとして使用する方法も知ら
れている(例えば、特願平4−335)。しかしなが
ら、この方法では、吸水ポリマーが液体に触れたときか
ら閉止効果を発揮してしまうため、液体の流れを制御す
る手段や吸水ポリマーを膨潤させないようにする手段等
を設ける必要がある。
【0016】さらにまた、吸水ポリマーを閉止バルブと
して使用する場合には、乾燥した吸水ポリマーをチップ
内に保管することになるが、乾燥した吸水ポリマー間で
静電気が発生したり、またチップが樹脂製であるときに
は当該チップと乾燥した吸水ポリマーとの間で静電気に
よる反発が発生し、所定量の吸水ポリマーを保管場所に
収納することは困難である。
【0017】また、吸水ポリマーを膨潤させるときに
は、吸水ポリマーの保管場所と液体が導入される流路と
の位置関係によっては、液体が吸水ポリマー全体を湿潤
する前に当該液体の導入口をふさいでしまい、膨潤に必
要な液体の供給が絶たれてしまう可能性がある。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】このように、POC分
析等を行う機器へ提供するバルブ機構として多くの提案
があるが、多項目,小型,簡便,短時間,低コストとい
う我々の目指す機器の要求全てに適合するものは未だ提
案されていない。具体的には、装置が小型で平易に製造
できるもの、操作が煩雑でなく簡単に測定ができるもの
等の多くの必要条件を満たすことのできるバルブ機構が
求められている。
【0019】そこで、本発明は、上記のような従来技術
が有する問題点に鑑みて、その機構が平易で小型且つ低
コストであると共に、POC分析等をはじめとする種々
の分析を行う分析装置に好適なバルブ機構を提供するこ
とを課題とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発
明の請求項1に係るバルブ機構は、入れ物に応じて形状
を変えることができる物質を流路内の所定部位に押し出
して、当該流路を塞ぐことを特徴とする。このような構
成であれば、前記物質を流路内に押し出すことによっ
て、当該流路を任意のタイミングで塞ぐことができ、当
該流路内の液体の通過を妨げる閉止バルブとしての機能
を、平易で小型且つ低コストに形成することができる。
【0021】また、本発明の請求項2に係る発明は、請
求項1に記載のバルブ機構において、前記物質を壁体に
囲まれて形成された保存槽に収納すると共に、当該保存
槽を前記流路から分岐した分岐流路に連結したことを特
徴とする。さらに、本発明の請求項3に係る発明は、請
求項1又は請求項2に記載のバルブ機構において、前記
物質を壁体に囲まれて形成された保存槽に収納すると共
に、当該壁体の少なくとも一部を前記保存槽の内部に向
かって突出するように変形可能な隔壁で構成し、その隔
壁で前記保存槽の容積を変化させることによって、当該
保存槽内の物質を前記流路内に押し出すことを特徴とす
る。
【0022】このような構成であれば、外側から隔壁に
押圧力が加えることによって、その隔壁が変形して保存
槽の内部に押し込まれ、この隔壁の変形によって保存槽
の容積が減少することで、その保存槽内の物質を前記容
積変化分だけ流路に押し出すことができ、簡便に低コス
トで作製することができる。さらに、本発明の請求項4
に係る発明は、請求項2又は請求項3に記載のバルブ機
構において、前記物質は、所定の液体を吸収することで
体積が増加する吸水ポリマーであることを特徴とする。
【0023】このような構成であれば、乾燥した吸水ポ
リマーを保存槽内に予め収容しておき、使用時に膨潤さ
せて使用することができるので、POC等に求められる
簡便性から見て好ましい。またさらに、本発明の請求項
5に係る発明は、請求項4に記載のバルブ機構におい
て、前記隔壁を、気体は透過し液体は透過しない素材で
構成したことを特徴とする。
【0024】このような構成であれば、乾燥した吸水ポ
リマーを膨潤させる液体を前記保存槽に充填するときに
は、前記保存槽13内の空気は液体が充填されるにした
がって隔壁を透過して抜けていくが、液体や吸水ポリマ
ーは透過して抜けていくことはなく、前記保存槽内を吸
水ポリマーで完全に満たされた状態にすることができ
る。
【0025】さらに、本発明の請求項6に係る発明は、
請求項4又は請求項5に記載のバルブ機構において、乾
燥した前記吸水ポリマーを、所定の補助部材に保持させ
て前記保存槽内に収納したことを特徴とする。このよう
な構成であれば、乾燥した吸水ポリマーを保存槽内に収
容するときに、乾燥した吸水ポリマーと保存槽との間の
静電気による反発力や、乾燥した吸水ポリマー間で生じ
る静電気による反発力による不具合を防止することがで
きる。
【0026】さらに、本発明の請求項7に係る発明は、
請求項6に記載のバルブ機構において、前記補助部材
は、表面に粘着性を有するシート状部材であることを特
徴とする。また、本発明の請求項8に係る発明は、請求
項1乃至請求項7のいずれかに記載のバルブ機構におい
て、前記流路は一対の平板状部材が貼り合わされて構成
されており、この一対の平板状部材のうち少なくとも一
方は板面に溝を備え、前記溝を備えた板面を内側にして
貼り合わせることにより前記流路が形成されていること
を特徴とする。
【0027】以下に、本発明のバルブ機構について、図
面を参照しながら詳細に説明する。 〔チップについて〕本発明のバルブ機構を構成するチッ
プ1は、前述のようにキャピラリ12と当該キャピラリ
12を閉塞可能な物質が収納される保存槽13とを備え
ている。そして、これらは板面に溝を備える一対の平板
状部材を貼り合わせることにより形成することが好まし
い。すなわち、図1に示すように、板面に溝10aを備
える平板状部材10の前記溝10aを備えた板面10b
に、例えば樹脂製のカバーシート11を接着剤,粘着テ
ープ等を介して貼り合わせると、搬送用流路や混合用流
路となるキャピラリ12を有するチップ1が形成され
る。また、チップ1は加工生産性の点から、貫通溝をも
つ平板を、他の平板2枚で挟んで溝を形成させて3枚構
成とすることも可能である。
【0028】この溝は、金型による成形やエンボス等の
技術によって形成することができる。溝の形状,寸法に
ついては特に限定されるものではないが、現状の成形技
術の観点からは、流路の幅と深さとの比が0.3〜10
程度で、且つ、幅,深さはそれぞれ0.5μm以上が好
ましく、必要とする試料,試薬の量の観点からは、幅,
深さはそれぞれ500μm以下であることが好ましい。
なお、溝の断面形状は、どのようなものであってもよ
く、例えば四角形や三角形等の多角形、半円形、半楕円
形等であってもよい。また、1つの平板状部材10上に
何種類かの異なった形状の溝を形成してもよく、溝10
aの上面(開放面)の幅は、溝10aの下面(底)の幅
と同じであってもよいし広くてもよい。
【0029】なお、後述する光熱変換法に基づく検出手
段をより簡便に精度よく行うためには、溝の断面形状が
四角形であることが望ましい。この溝10aは、小さす
ぎると液体中の微粒子により流れが乱れる原因となり、
大きすぎると平板状部材10の面積が大きくなるという
問題や、拡散時間の増大という問題を生じる。平板状部
材10の材質として樹脂を採用する場合は、成形加工性
が良好であることと、光学測定を実施する場合には透明
であることが要求されるので、透明な熱可塑性樹脂を使
用することが好ましい。平板状部材10の材質としてガ
ラスを採用することも可能であるが、コストを考慮する
と樹脂の方が好ましい。
【0030】具体的には、ポリスチレン、スチレン−ア
クリロニトリル共重合体等のスチレン系樹脂、ポリメチ
ルメタクリレート、メチルメタクリレート−スチレン共
重合体等のメタクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリス
ルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、
ポリアリレート、ポリメチルペンテン、1,3−シクロ
ヘキサジエン系重合体などがあげられる。また、これら
の共重合体やブレンド品を用いることも可能である。ま
た、樹脂の材質については本出願人によるPCT/JP
99/03158号明細書(「分析装置」)に詳述され
ている。
【0031】樹脂製の平板に微細な溝を形成する方法と
しては、切削加工やレーザー等によるエッチング加工、
型内でのモノマーやマクロモノマーのUV硬化や熱硬
化、熱可塑性樹脂の溶融加工や塑性加工等の方法を挙げ
ることができる。また、それらのうち熱可塑性樹脂の溶
融加工や塑性加工によれば、溝を有する平板を大量に且
つ安価に成形加工できるので好ましい。また同様に、金
型を用いた熱可塑性樹脂の射出成形法や圧縮成形法、エ
ンボス成形法等を用いるようにしてもよい。
【0032】また、カバーシート11の材料は、前記溝
を有する平板に用いられる材料の中から選ぶことがで
き、同じ材料であってもよいし、異なる材料であっても
よい。厚みは、特に限定されるものではないが、検出の
障害にならないように、0.05〜数mm程度が好まし
い。また、平板状部材10にカバーシート11を貼り合
わせる方法としては、超音波融着、熱融着、アクリル系
光硬化性接着剤、ホットメルト接着剤やUV接着剤等の
接着剤による接着、粘着剤による粘着、直接又は薄い弾
性シート、両面テープ等を介しての圧接等が挙げられ
る。
【0033】〔隔壁及びバルブ機構について〕図2の
(a)に示すように、保存槽13は平板状部材10に設
けられた貫通孔により形成され、その内部には吸水ポリ
マーLが収納されている。また、保存槽13には、開口
部を覆うように弾性を有するダイアフラム膜14が取り
付けられている。ダイアフラム膜14は柔軟性を有して
いて変形可能であるので、図2の(b)に示すようにチ
ップ1の外側から押圧力を作用させると、ダイアフラム
膜14が変形して保存槽13の内部に押し込まれる。
【0034】そうすると、このダイアフラム膜14の変
形によって保存槽13の容積が減少するので、図2の
(b)に矢印で示すように、保存槽13内の吸水ポリマ
ーLが前記容積変化分だけ押し出される。これにより保
存槽13内の吸水ポリマーLをキャピラリ12に移動さ
せることができ、キャピラリ12を塞ぐことができる。
ダイアフラム膜14は、柔軟性を有していて、小型の機
構で変形可能なシート状のものであれば特に限定される
ものではないが、空気は透過し液体は透過しない(撥水
性によりはじかれてしまう)性質の膜で形成することが
好ましい。ダイアフラム膜14は通気性を有し且つ耐水
性を有する機能膜になるので、保存槽13内に乾燥した
吸水ポリマーを収納しておき液体を導入すると、保存槽
13内の空気は液体が充填されるにしたがって押し出さ
れ、ダイアフラム膜14を透過して抜けていくが、ダイ
アフラム膜14の撥水性によって液体や吸水ポリマーL
が透過して抜けていくことはないので、保存槽13内を
吸水ポリマーLで完全に満たされた状態にすることがで
きる。
【0035】ダイアフラム膜14の素材としては様々な
多孔膜が使用可能である。吸水ポリマーLを膨潤させる
液体は水溶液であるので、疎水性の有機ポリマーや無機
素材からなる平板などに数μmから1mm程度の小さな
穴をあけた構造のものでもよい。この場合は、水の表面
張力のために小さな穴に液は入っていかないが、気体は
通ることになる。
【0036】特に、PTFE(四フッ化エチレン)多孔
膜であれば、ごく一般的に市販されているものでも10
数気圧程度の耐水圧を持つものは容易に入手でき、十分
な性能を備えているものを容易に構成することが可能で
ある。疎水性の有機ポリマーは、臨界表面張力が20℃
で約0.04N/m以下であることが好ましく、例とし
ては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、シリ
コン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、
ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポ
リエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリメチルペン
テン、1,3−シクロヘキサジエン系重合体等があげら
れる。
【0037】また、耐水圧が大きいほど高い圧力で送液
できるので、耐水圧は大きいほど好ましいが、本発明の
チップに使用できる膜の耐水圧は、発明の実施の形態の
項で後述するような流路構成では0.1kg/cm2以
上、好ましくは1.0kg/cm2以上、さらに好まし
くは3.0kg/cm2以上が好ましい。膜の平均孔径
は0.1μmから約5μmのものが使用できるが、孔径
が小さいほど耐水圧が高く透過空気量が僅かであること
を考慮すると、0.1μm程度が最も好ましい。膜厚は
100〜300μmのものが好ましい。
【0038】また、吸水ポリマーLの材質としてはキャ
ピラリ12内の液体に溶解しないこと、また吸収した液
体が漏れ出さないことが必要である。吸水ポリマーLの
溶解や漏れ出しがあると、キャピラリ12内の液体の組
成に変化を与え、測定値の正確さに影響を与えることと
なる。従来吸水ポリマーは使い捨ておむつや女性の生理
用品などに使用されてきており、代表的なものとして
は、ポリアクリル酸ソーダ等を挙げることができる。ア
クリル酸系以外にもポリビニルアルコール系、デンプン
−アクリル酸グラフト共重合体系、デンプン−アクリロ
ニトリルグラフト共重合体けん化物、アクリルアミド
系、カルボキシメチルセルロース系、イソブチレン−マ
レイン酸共重合体系、酢酸ビニル−アクリル酸エステル
共重合体けん化物、ビニルアルコール−アクリル酸系な
ど各種の吸水性をもつ物質を利用できるが、これらはキ
ャピラリ12内の液体による溶解等を考慮する必要があ
り、またキャピラリ12の大きさに応じて適切な移動性
等を持つように弾力性を調整する必要もある。
【0039】また、乾燥した吸水ポリマーを保存槽Vに
収容する方法としては、所定の大きさに切り抜いた両面
テープに当該吸水ポリマーを塗布して保存槽V内に収容
する方法が好ましい。乾燥した吸水ポリマーLとチップ
1との間の静電気による反発力や、乾燥した吸水ポリマ
ーL間で生じる静電気による反発力による不具合を防止
することができる。
【0040】なお、キャピラリ12内に押し出す物質と
しては、吸水ポリマーLに限定されるものではなく、バ
ルブとして機能しないときには保存槽13内に留まり、
かつ必要に応じてキャピラリ12内に移動でき、さらに
キャピラリ12内においては液体の流れに抗することが
できる位置保持性を持ち、キャピラリ12内の液体に溶
解しない等の条件を満たすものであればよい。
【0041】そのような物質としては、例えばイオン濃
度変化、溶媒組成変化、熱・温度変化、光刺激、電気刺
激など特定の刺激に対して反応し、膨潤/収縮するポリ
マーが多数知られている。また、ポリアクリル酸又はポ
リメタクリル酸をポリビニルアルコールで架橋した電解
質ゲルフィルムはHCl中で収縮、NaOH中で膨潤す
ることが知られている。また熱・温度変化による膨潤/
収縮は、ポリビニルメチルエーテルゲル、N−イソプロ
ピルアクリルアミド−の誘導体ゲル、アクリルアミド/
トリメチル(N−アクリロイル−3−アミノプロピル)
アンモニウムアイオダイドゲルなどで見られる。これら
についても弾力性や耐溶剤性等に考慮すれば閉止バルブ
として利用可能である。
【0042】〔バルブ機構について〕このような原理を
利用すれば、図3の模式図に示すようなバルブ機構を有
するチップ1を形成することができる。このチップ1は
キャピラリ12の一端に連結された液体槽Sと、前記キ
ャピラリ12の他端に連結された廃液槽Wと、キャピラ
リ12から分岐した分岐キャピラリ15に連結された保
存槽Vとを有していて、それらの開口部は前述のダイア
フラム膜14で覆われている。また、液体槽Sにはキャ
ピラリ12に送液する液体が収容され、保存槽Vには吸
水ポリマーLが収容されており、液体槽Sと保存槽Vと
には、ダイアフラム膜14を押圧し変形させて槽内の容
積を変化させる機構(図示せず)、すなわち、液体槽S
内の液体を送液する機構や、保存槽V内の吸水ポリマー
Lを押し出す機構も備えられている。
【0043】ダイアフラム膜14は柔軟性を有していて
変形可能であるので、図4の(a)に示すように液体槽
Sのダイアフラム膜14に押圧力を作用させると、ダイ
アフラム膜14が変形して液体槽Sの内部に押し込まれ
る。そうすると、このダイアフラム膜14の変形によっ
て液体槽Sに収容されている液体が押し出され、保存槽
Vと廃液槽Wとに流れ込み、保存槽Vに流れ込んだ液体
で吸水ポリマーLが膨潤する。そして、膨潤した吸水ポ
リマーLで保存槽Vが満たされた状態になると、液体は
廃液槽Wだけに流れ込むようになる。
【0044】その後、図4(b)に示すように保存槽V
のダイアフラム膜14に押圧力を作用させると、ダイア
フラム膜14が変形して保存槽Vの内部に押し込まれ
る。そうすると、このダイアフラム膜14の変形によっ
て保存槽Vに収容されている吸水ポリマーLが押し出さ
れて、図4(c)に示すように、キャピラリ12に押し
込まれ、キャピラリ12に押し込んだ吸水ポリマーLで
当該キャピラリ12が塞がれた状態となり、廃液槽Wに
流れ込む液体の流れを阻害する閉止バルブとして機能す
ることとなる。
【0045】このような閉止バルブとしての機能は、例
えば図5に示すような試料の希釈と試薬反応とを連続し
て行う検出装置に適用することができる。例えば図5に
おいては、まず試料sと緩衝液bとを混合して希釈試料
sbを生成する希釈用流路と、希釈試料sbに試薬x、
yを混合する反応用流路と、希釈試料sbと試薬x、y
の反応結果を検出する検出用流路とからなるものに、前
記希釈用流路と反応用流路とを繋ぐ流路SBに連結する
保存槽Vを設け、その保存槽Vに吸水ポリマーLを収納
している。そのため、保存槽Vに収容されている吸水ポ
リマーLを流路SBに押し出して当該流路SBを塞ぐこ
とで、試薬x、y混合時に反応用流路から希釈用流路へ
の液体の逆流を防止することができる。
【0046】これによって、例えば一般的な生化学測定
のプロセスで必要となる希釈用流路と反応用流路との相
互作用の防止が、簡便なダイアフラム機構とキャピラリ
とを形成することで可能となり、高精度なプロセスを実
現することができるため、POC用途などの小型、廉価
な測定機構に適した構造の基本的要素を実現することが
できる。
【0047】ちなみに、図6に示すように、吸水ポリマ
ーLによって流路SBを閉塞する機構がないときには、
それぞれの圧力の関係によっては、試料sbと試薬x、
yとの混合液が流路SBを逆流する可能性がある。この
ような状態が発生すると、試料sbと試薬x、yとの混
合が適切に行われないので、検出結果の精度が低下する
ことになる。
【0048】なお、液体槽Sの開口部を覆うダイアフラ
ム膜14は、医療診断における分析では、チップ1内の
液が基本的には水を主成分とすること、製造上の利点が
多いこと、および漏れの恐れがきわめて小さいことから
も、疎水性の膜を用いることが好ましい。特に、GOT
/GPTやコレステロール量などの生化学分析において
は、一般には血漿蛋白の吸着防止などのために、試薬に
界面活性剤を添加することが多いので、その場合はより
疎水性の強い膜が必要となる。
【0049】またセルロースアセテート膜のようなもの
でも使用できる場合もあるが、界面活性剤が添加された
試薬液の場合は、PTFE,シリコン,ポリエチレン等
の疎水性の強い膜の方が液体の透過を防ぐ耐水圧が大き
いので好ましい。試薬の乾燥固着の工程を考慮すると、
界面活性剤入りの試薬に対して、形状がより安定なPT
FE膜など、疎水性の高いダイアフラム膜14がさらに
好ましい。またキャピラリ12を流れる液体が疎水性の
有機溶媒である場合には、親水性の高い素材からなる平
板などに小さな穴をあけたものを用いるようにしてもよ
い。
【0050】
【発明の実施の形態】本発明に係るバルブ機構の実施の
形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本
実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明
は本実施形態に限定されるものではない。図7に、吸水
ポリマーによる閉止バルブを備えた、生化学測定用の混
合装置の構成を説明する模式図を示す。この混合装置
は、複数の槽(A槽,B1槽,B2槽,C1槽,C2
槽)と、それらの槽を連通する複数の流路a,b1,c
1,c2とを有するチップ20を備えている。また、B
1槽,B2槽,C1槽には疎水性のダイアフラム膜21
が取り付けられ、A槽,C2槽にはシリンジ接続用のコ
ネクター22が取り付けられている。
【0051】ここで、A槽は検体を導入するための液体
槽であり、流路aの一端に連結されている。また流路a
の他端は流路b1,b2に分岐されており、それらの流
路b1,b2の端部にはそれぞれB1槽,B2槽が廃液
槽として連結されている。また、流路b2には流路c
1,c2が連結されており、それらのうち流路c1には
乾燥した吸水ポリマーを収容したC1槽が連結され、ま
た流路c2には試薬溶液を導入するためのC2槽が連結
されている。
【0052】また該チップ20は、貫通孔と溝とを備え
る平板状部材23にカバーシート24を貼り合わせるこ
とにより構成されている。平板状部材23の溝を備えた
板面にカバーシート24を貼り合わせることによって液
体の流路が形成され、貫通孔によって液体槽が形成され
る。なお、平板状部材23及びカバーシート24は、透
明な熱可塑性樹脂で構成されている。
【0053】このチップ20の制作方法については、本
出願人がPCT/JP99/03158号明細書に詳述
している。つまり、平板状部材23はメタクリル樹脂
(旭化成工業製デルペット 80NH)を射出成形する
ことで成形される。射出成形の方法としては、金型キャ
ビティへの樹脂の充填工程中に炭酸ガスを存在させ、金
型に接する樹脂表面の固化温度を低下させつつ射出成形
する射出成形法(特公平10−128783号公報、特
公平10−50719号公報)を用いる。その際、ガス
としては純度99%以上の二酸化炭素を使用し、成形機
としては住友重機械工業製SG50を使用する。
【0054】ここで、金型は表面に微細な形状を加工し
たスタンパーで形成する。スタンパーは、次のようにし
て作成することができる。即ち、射出成形によって溝を
形成できるパターンのマスクを、シリコンウェハー上に
50μmの厚みでコートしたドライフィルムレジスト
(DFR)に乗せて露光し、シリコンウェハー上にDF
Rのパターンを形成し、このシリコン/DFRに対して
ニッケル電鋳を行い、さらに電鋳品の厚みや幅、長さ
を、金型にはまるように微調整(ヤスリで研磨)してス
タンパーを得る。その際、金型表面状態の転写性は、光
学顕微鏡による観察、レーザー顕微鏡による形状測定で
評価する。また、成形品も、光学顕微鏡による観察、切
断断面の溝形状の光学顕微鏡や電子顕微鏡での観察、レ
ーザー顕微鏡による形状測定等で観察する。
【0055】そして、金型キャビティの表面温度を80
℃とし、二酸化炭素を1MPaの圧力で満たしてから、
樹脂温度240℃のメタクリル樹脂を射出し、シリンダ
内樹脂圧力80MPaで10秒間保圧し、さらに20秒
間冷却して表面に溝を有する平板を成型する。なお、金
型に満たした二酸化炭素は、樹脂充填完了と同時に大気
中に開放する。この成形品に対してドリルで必要サイズ
の貫通孔を設け、十分にバリ取りを施した後、溝が形成
されている側に300μm厚みのメタクリル樹脂シート
をカバーシート24として、メタアクリレートモノマー
で溶解したアクリル系光硬化性接着剤で貼合わせて、複
数の液体槽と流路とを有するチップ20を構成する。
【0056】また、ダイアフラム膜21が取り付けられ
ているC1槽の近傍には、当該ダイアフラム膜21を変
形させるダイアフラム膜変形機構が設けられており、そ
のダイアフラム膜変形機構は、動力源としての回転モー
タと、ダイアフラム膜21を押圧するためのプランジャ
ー25と、ボールネジによりモータの回転動作をプラン
ジャー25の押圧動作に変えるシリンダ機構とから構成
されている。そして、これをC1槽のダイアフラム膜2
1へ押しつけることで吸水ポリマーを押し出すようにな
っている。 (実施例1)次に、この混合装置で吸水ポリマーによる
閉止バルブの閉止効果を確認した結果を具体的に説明す
る。
【0057】まず構成を説明すると、シリンジポンプで
A槽に導入する検体に代えて、直径0.5μmのポリス
チレンビーズ(大塚電子製)を混入した濃度0.1%の
PBSを使用し、C2槽に導入する試薬に代えて濃度4
mMの青いキシレンシアノールを使用した。また、C1
槽に収容する吸水ポリマーとしては住友精化製のポリア
クリル酸ソーダ(10SH−P、平均粒度は200μm
〜300μm)を使用した。これを直径1.5mmに切
り抜いた両面テープ26(日東電工製)に塗布すること
で、両面テープ26の面積の応じた一定量の吸水ポリマ
ーを導入するようにした。このように、乾燥した吸水ポ
リマーを両面テープ26に塗布してからC1槽に収容す
ることで、乾燥した吸水ポリマーとC1槽との間の静電
気による反発力や、乾燥した吸水ポリマー間で生じる静
電気による不具合を防止できる。
【0058】また、ダイアフラム膜21としては、孔径
がφ0.1μmである多孔質のPTFE膜(ADVAN
TEC社製)を使用し、図8に示すように両面テープ2
7でチップ20に貼り付けて固定した。また、ここでは
PTFE膜を補強するために、PTFE膜の表面にも両
面テープ28を貼り付けた。なお、強度に問題なければ
この両面テープ28は不要である。
【0059】チップ20の形状としては、流路aの幅を
200μmとし、流路b1、b2、c1、c2の幅を1
00μmとした。また、深さは各流路a,b1,b2,
c1,c2とも50μmとした。またC1槽の直径を2
000μmとし、他の槽の直径を1000μmとした。
また、ダイアフラム膜変形機構の回転モータとしては、
ステップモータ(VEXTA Model C7214−
9015,OrientalMotor Co,. Lt
d.)を用いた。ステップモータは、駆動用のドライバ
ー(Stepping Motor Controlle
r,Model D70,Suruga Seiki)に
より、1パルス信号に対して0.01μm押し込むこと
ができるようにした。なお、モータ性能としては1〜1
0N程度の推力を発生できれば十分であり、またボール
ネジを備えているため、高い精度は必要としない。
【0060】また、C1槽にPBSを満たす前に本機構
をセッティングしておき、セッティング動作によって内
部の吸水ポリマーが不用意に移動する事を回避した。な
お、プランジャー直径をC1槽の開口部より小さく設計
しておけば、仮に外部プランジャーがC1槽の中心位置
からずれてセッティングされた場合にも、変形による送
液量が変動することはなく正確な送液ができる。
【0061】次に手順を説明すると、まずシリンジポン
プでA槽にPBSを2000μl/hrの速度で導入し
た。すると、PBSはC1槽のダイアフラム膜21から
空気を排出しながら、流路a,b2,c1を通ってC1
槽を満たし、吸水ポリマーを膨潤してC1槽が満たされ
る。このように、C1槽は気体を透過し液体を透過しな
いダイアフラム膜21を有するため、C1槽内の空気は
PBSが充填されるにしたがってダイアフラム膜21を
透過して抜けていくが、PBSや吸水ポリマーは透過し
て抜けていくことはなく、C1槽内を吸水ポリマーで完
全に満たされた状態にすることができる。
【0062】また同時に、PBSはB1槽,B2槽,C
2槽に流入し、C2槽が満たされたことが確認されてか
ら、空気が混入しないよう十分注意を払いつつ、C2槽
のコネクター22にキシレンシアノールを供給するシリ
ンジポンプを接続した。次に、顕微鏡で吸水ポリマーの
移動状態を確認しつつ、ダイアフラム膜変形機構を作動
させて、C1槽のダイアフラム膜21を5μm/sec
で押し下げさせ、C1槽の吸水ポリマーを押し出させ
て、当該吸水ポリマーで流路b2と流路c1との合流点
を塞ぎ、当該ダイアフラム膜21を500μm押し下げ
た状態で停止させた。このように、外側からダイアフラ
ム膜21に押圧力を加えることによって、そのダイアフ
ラム膜21が変形してC1槽の内部に押し込まれ、この
変形によってC1槽の容積が減少することで、そのC1
槽内の吸水ポリマーを前記容積変化分だけ押し出すこと
ができる。
【0063】そして、この状態でC2槽にキシレンシア
ノールを導入したところ、流路b2上にある流路c1の
分岐点と流路c2の分岐点とに挟まれたPBS内のポリ
スチレンビーズの動きは観測されず、またC2槽から導
入されたキシレンシアノールの漏れ込みも観測されなか
った。キシレンシアノールは流路b2をB2槽の方向に
のみ流れ、A槽やB1槽の方向への流れが発生しておら
ず、この結果から、吸水ポリマーによる閉止バルブに十
分な閉止効果があることが明白となった。
【0064】また、吸水ポリマーを流路b2内に押し出
すことによって、当該流路b2を任意のタイミングで塞
ぐことができるので、当該流路b2内の液体の通過を妨
げる閉止バルブとしての機能を、平易で小型且つ低コス
トに形成することができる。 (実施例2)次に、検出手段として熱レンズ法を用いて
実際に検体の分析を行った結果を説明する。まず図9
に、生化学測定用の分析装置の構成を説明する模式図を
示す。この分析装置は、複数の槽(A槽,B1槽,B2
槽,V1槽,V2槽,W槽)と、それらの槽を連通する
複数の流路a,b1,V1,v2、cとを有するチップ
30を備えている。また、V1槽,V2槽には疎水性の
ダイアフラム膜31が取り付けられており、A槽,B1
槽、B2槽、W槽にはシリンジ接続用のコネクター32
が取り付けられている。
【0065】ここで、A槽はキシレンシアノールを供給
するための液体槽であり、搬送用流路aの一端に連結さ
れている。またB1槽,B2槽はPBSを供給するため
の液体槽であり、それぞれ搬送用流路b1,b2の一端
に連結されている。そして搬送用流路a,b1,b2の
他端は混合用流路cに連結されていて、当該混合用流路
cの端部には廃液槽であるW槽が連結されている。ま
た、搬送用流路a、b1、b2を幅100μm、混合用
流路cを幅150μmとし、図9に示すように、混合用
流路cは合流直後の流れの乱れを抑えるため徐々に流路
幅を狭めて、最終的に一定幅となるようにした。また、
A槽,B1槽,B2槽の直径を1000μmとし、V1
槽,V2槽の直径は2000μmとした。
【0066】また、A槽にキシレンシアノールを供給す
るシリンジと、B1槽,B2層にPBSを供給するシリ
ンジとの断面積比を1:2とし、同じポンプで押し出し
て、それぞれの流量を1:2の比率を保つようにした。
なお、液の動きを観察するために、PBSには0.1%
濃度でφ0.5μmのポリスチレンビーズ(大塚電子
製)を混入し、キシレンシアノールとして5μM濃度の
ものを使用した。
【0067】さらに、該チップ30は、前述の混合装置
と同様に、貫通孔と溝とを備える平板状部材にカバーシ
ートを貼り合わせることにより構成されており、またダ
イアフラム膜31が取り付けられているV1槽,V2槽
の近傍には、当該ダイアフラム膜31を変形させるダイ
アフラム膜変形機構が設けられている。また、図10に
示すように、検出装置としてはステージ上での試料の取
扱いの容易さを勘案し倒立型顕微鏡33(IX70、O
lympus製)を使用した。これは別に落射型の顕微
鏡であっても構わない。この顕微鏡33は、顕微鏡外の
光学系からのレーザー光を導入できるよう改造を加えて
ある。レーザーは、励起用としてはHe−Neレーザー
(633nm、10mW、エドモントサイエンティフィ
ック製)を使用し、検出用のプローブ光としては半導体
レーザー(785nm、50mW(PS026−0
0)、フォトテクニカ製)をペルチェ付LDマウント
(TC−05、日本科学エンジニアリング製)に組み込
み使用した。ミラー、ビームエクスパンダー等の光学系
はメレスグリオ社製品で統一した。
【0068】これらのレーザーは使用する試薬、生成す
る反応物の吸収スペクトルに応じて適当な周波数のもの
を利用すればよい。またレーザーはガス、固体、半導体
などの種類を選ばない。励起用のレーザー光はライトチ
ョッパー34により変調された後、ダイクロイックミラ
ー35により検出用レーザーと同軸にされ、顕微鏡に導
かれて試料に照射される。測定試料を照射したレーザー
光のうち、励起光のみを選択的にフィルターにより除去
しフォトセンサーに導く。レーザー光受光部分には、取
扱いの簡便性を考えファイバー付きのフォトセンサーア
ンプ(C6386、浜松ホトニクス社製)を使用した。
このフォトセンサーアンプの受光部はピンホールを持つ
カバーで覆われている。フォトセンサー36及びセンサ
ーアンプからの出力は低雑音プリアンプ(LI−75
A、エヌエフ回路ブロック社製)で増幅した後、ロック
インアンプに導かれ信号処理が行われる。
【0069】本検出装置を用いた検出の手順を説明する
と、まずチップ30を倒立顕微鏡のステージ上に置く。
対物レンズの焦点合わせは励起用レーザーを使用して、
モニター画面を参照しつつ溝パターンの上面及び下面で
焦点合わせを実施し、それらの中間点をもって溝の中心
位置とする。焦点合わせを実施してから、PBSとキシ
レンシアノールとを混合し、混合液を検出部分に導く。
【0070】励起用レーザーはライトチョッパー34に
より1095Hzに変調され、混合用流路cにある混合
液を励起し発熱過程を生じさせる。このライトチョッパ
ー34による変調の周波数はSN比等の影響により変更
することも有りうる。この発熱過程により発生した熱レ
ンズにより検出用レーザーの焦点位置がずれ、それによ
りピンホールを通してフォトセンサー36の受光量が発
熱量に応じ変化する。測定時、試料の流れは停止させて
も流した状態でも構わないが、本実施例では流している
状態で測定を行う。
【0071】フォトセンサーで検出された信号はロック
インアンプで処理されるが、ここでは時定数として1秒
を用い、ライトチョッパー34と同じ周波数1095H
zの信号だけを選択して用いる。ロックインアンプの出
力電圧は励起光により励起される混合液の濃度に比例す
るため混合液の定量化が可能である。次に、この分析装
置で吸水ポリマーによる閉止バルブの閉止効果を確認し
た手順を具体的に説明すると、まずシリンジポンプでW
槽にPBSを2000μl/hrの速度で導入した。す
ると、PBSはV1槽,V2槽のダイアフラム膜から空
気を排出しながら、流路v1,v2を通ってv1槽,V
2槽を満たし、吸水ポリマーを膨潤してV1槽,V2槽
が満たされる。また同時に、PBSはA槽,B1槽,B
2槽に流入する。
【0072】そして、各槽が満たされたことが確認され
てから、空気が混入しないよう十分注意を払いつつ、A
槽のコネクターにはキシレンシアノールを供給するシリ
ンジポンプを接続し、B1槽、B2槽のコネクターには
PBSを供給するシリンジポンプを接続して、キシレン
シアノールの流量が0.15μl/minとなるよう
に、またPBSの流量が0.30μl/minとなるよ
うにシリンジポンプを作動させた。このときロックイン
アンプの出力値は1.7mVで安定していた。
【0073】次に、顕微鏡でポリマーの移動状態を確認
しつつ、ダイアフラム膜変形機構を作動させて、V1槽
のダイアフラム膜31を5μm/secで押し下げさ
せ、V1槽の吸水ポリマーを押し出させて当該吸水ポリ
マーで流路b1を塞ぎ、当該ダイアフラム膜31を48
0μm押し下げた状態で停止させた。この状態でB1槽
に接続されたシリンジをポンプよりはずし、さらにシリ
ンジポンプで液を送り続けた。すると、混合用流路c内
にある混合液が搬送用流路b1に逆流することが防止さ
れ、ロックインアンプの出力値は2.8mVで安定して
いた。
【0074】ちなみに、吸水ポリマーで流路b1を塞ぐ
ことなく、B1槽に接続されているシリンジをポンプか
ら外すと、混合用流路c内にある混合液が搬送用流路b
1に逆流していく様子が観測された。これはシリンジに
接続されたチューブの拡張等によるものと考えられる。
また、この逆流した混合液は、その後再び混合用流路c
に戻るため、ロックインアンプの出力値は不安定な値を
示し、2.2mV〜3.2mV程度の大きな振れが観測
された。
【0075】次いで同様に、顕微鏡でポリマーの移動の
状態を確認しつつ、ダイアフラム膜変形機構を作動させ
て、V2槽のダイアフラム膜を5μm/secで押し下
げさせ、V2槽の吸水ポリマーを押し出させて当該吸水
ポリマーで流路b2を塞ぎ、当該ダイアフラム膜を51
0μm押し下げた状態で停止させた。この状態でB2槽
に接続されたシリンジをポンプよりはずし、さらにシリ
ンジポンプで液を送り続けた。すると、混合用流路c内
にあるキシレンシアノールが搬送用流路b2に逆流する
ことが防止され、ロックインアンプの出力値は8.5m
Vで安定した。
【0076】ちなみに、吸水ポリマーで搬送用流路b2
を塞ぐことなく、B2槽に接続されているシリンジをポ
ンプから外すと、混合用流路c内にあるキシレンシアノ
ールが搬送用流路b2に逆流していく様子が観測され
た。これらの結果より、吸水ポリマーが閉止バルブとし
て機能し、微細流路内での液体の不安定な動作を防止し
て、安定した精度良い制御が可能となることが明らかに
なった。
【0077】
【発明の効果】以上のように、本発明のバルブ機構は、
POC分析等をはじめとする種々の分析を行う分析装置
に好適で、小型且つ低コストである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバルブ機構を有するチップの構成を説
明する断面図である。
【図2】本発明において採用されるダイアフラム機構を
説明する断面図である。
【図3】本発明のバルブ機構を有するチップの流路構成
を説明する模式図である。
【図4】本発明のバルブ機構の動作を説明する模式図で
ある。
【図5】本発明のバルブ機構を有するチップの流路構成
を説明する模式図である。
【図6】バルブ機構を有しないチップの流路構成を説明
する模式図である。
【図7】実施例のバルブ機構を有するチップの流路構成
を説明する模式図である。
【図8】実施例のダイアフラム機構を説明する断面図で
ある。
【図9】実施例のバルブ機構を有するチップの流路構成
を説明する模式図である。
【図10】実施例の分析装置の全体構成を説明する概念
図である。
【符号の説明】
1,20,30は チップ 2は平板 10aは溝 10bは板面 10は平板状部材 11はカバーシート 12,24はキャピラリ 13は保存槽 14,21,31はダイアフラム膜 15は分岐キャピラリ 22,32はコネクター 25はプランジャー 26,27,28は両面テープ
フロントページの続き Fターム(参考) 2G052 AA06 AA30 AB22 AC03 AD26 AD46 CA35 DA09 JA01 JA16 2G058 AA01 DA07 EC01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入れ物に応じて形状を変えることができ
    る物質を流路内の所定部位に押し出して、当該流路を塞
    ぐことを特徴とするバルブ機構。
  2. 【請求項2】 前記物質を壁体に囲まれて形成された保
    存槽に収納すると共に、当該保存槽を前記流路から分岐
    した分岐流路に連結したことを特徴とする請求項1に記
    載のバルブ機構。
  3. 【請求項3】 前記物質を壁体に囲まれて形成された保
    存槽に収納すると共に、当該壁体の少なくとも一部を前
    記保存槽の内部に向かって突出するように変形可能な隔
    壁で構成し、その隔壁で前記保存槽の容積を変化させる
    ことによって、当該保存槽内の物質を前記流路内に押し
    出すことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のバ
    ルブ機構。
  4. 【請求項4】 前記物質は、所定の液体を吸収すること
    で体積が増加する吸水ポリマーであることを特徴とする
    請求項2又は請求項3に記載のバルブ機構。
  5. 【請求項5】 前記隔壁を、気体は透過し液体は透過し
    ない素材で構成したことを特徴とする請求項4に記載の
    バルブ機構。
  6. 【請求項6】 乾燥した前記吸水ポリマーを、所定の補
    助部材に保持させて前記保存槽内に収納したことを特徴
    とする請求項4又は請求項5に記載のバルブ機構。
  7. 【請求項7】 前記補助部材は、表面に粘着性を有する
    シート状部材であることを特徴とする請求項6に記載の
    バルブ機構。
  8. 【請求項8】 前記流路は一対の平板状部材が貼り合わ
    されて構成されており、この一対の平板状部材のうち少
    なくとも一方は板面に溝を備え、前記溝を備えた板面を
    内側にして貼り合わせることにより前記流路が形成され
    ていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれ
    かに記載のバルブ機構。
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