JP2003286971A - ベーンポンプ - Google Patents

ベーンポンプ

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JP2003286971A
JP2003286971A JP2002087546A JP2002087546A JP2003286971A JP 2003286971 A JP2003286971 A JP 2003286971A JP 2002087546 A JP2002087546 A JP 2002087546A JP 2002087546 A JP2002087546 A JP 2002087546A JP 2003286971 A JP2003286971 A JP 2003286971A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベーンが内側に押し戻されるジャンピングを
防止することにより、異音や摩耗粉の発生を防止するだ
けでなく、吐出効率の低下等からくる不具合を防止す
る。 【解決手段】 ベーンリング11は、ベーン7の内端面
7aを支持する支持部19と、台座部20とを備えてい
る。支持部19は、その外周をカムリング3のカムリン
グ孔4と略相似形になるようにしている。組み込み凹部
13の底面にはピン21,21を設け、ベーンリング1
1にはこのピン21,21に対応するピン穴22,22
を形成している。このピン21とピン穴22とによっ
て、この発明でいう相対回転防止機構を形成している。
ベーンリング11の支持部19は、一点鎖線Tで示した
容積縮小領域に対応する部分の径方向を厚くして、この
支持部19の一方の面19aで、この容積縮小領域に位
置するロータ5の背圧導入溝8aを塞ぐようにしてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ベーンリングで
ベーンの内端面を支持するベーンポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のベーンポンプとして、特開200
0−97166号公報に記載された発明が知られてい
る。この従来のベーンポンプは、例えばこのベーンポン
プの始動時などでも、低回転で十分な吐出圧を得ること
ができるように、ベーンリングでベーン内端面を支持
し、ベーン外端面をカムリングの内周に積極的に接触さ
せるようにしている。図12はこの従来例と同様のベー
ンポンプの断面図である。
【0003】図示したように、ケーシング1に収納穴2
を形成し、この収納穴2に、カムリング3を挿入してい
る。上記カムリング3の内周には、略楕円形のカムリン
グ孔4を形成している。そして、このカムリング孔4に
ロータ5を回転自在に組み込んでいる。このロータ5に
は、放射状にベーン溝6を形成し、このベーン溝6に対
して突出自在とした複数枚のベーン7を組み込んでい
る。また、上記ベーン溝6の内径側端部には、ロータ5
に吐出側の高圧を導く背圧導入溝8を設けている。
【0004】また、上記カムリング3の内側には、ベー
ンリング9を設けている。このベーンリング9は、上記
カムリング3のカムリング孔4と略相似形の楕円形にし
ている。上記ベーンリング9は、図示しないサイドプレ
ートとこのサイドプレートに隣接したロータ5との間に
設け、このサイドプレートとロータ5とによってベーン
リング9を覆うようにしている。すなわち、サイドプレ
ートにベーンリング9をはめるための溝を設け、ベーン
リング9の一方の面をはめる。また、ロータ5にも、ベ
ーンリング溝5aを設け、ベーンリング9の他方の面を
はめるようにしている。
【0005】上記サイドプレートおよびベーンリング9
は、回転することなく固定される。したがって、サイド
プレート9にはベーンリング9とほぼ同じ断面を有した
楕円形の溝を設け、この溝にベーンリング9をはめるよ
うにしている。一方、上記ロータ5は、回転可能に設け
ているので、上記ベーンリング9に対して相対回転す
る。このようにロータ5を回転可能にするためには、こ
のロータ5が回転したとき、ベーンリング溝5aと、こ
のベーンリング溝5aにはめたベーンリング9とがぶつ
からないようにしなければならない。ベーンリング溝5
aとベーンリング9とがぶつからないようにするために
は、ベーンリング溝5を円形とし、かつ、この円形の直
径をベーンリング9の長径としている。
【0006】上記のようなベーンリング9の外周は、上
記ベーン7の内端面7aに接触し、このベーン7の内端
面7aを支持するようにしている。また、ベーンリング
9をカムリング孔4と略相似形にすることによって、ベ
ーンリング9とカムリング孔4とのベーン7突出方向で
の距離を等しくすることができる。このベーンリング9
とカムリング孔4との距離は、具体的にはベーン7突出
方向でのベーン7の長さに若干の寸法をプラスした長さ
としている。
【0007】上記したように、ベーンリング9およびカ
ムリング孔4間の距離をベーン7の長さに若干の寸法を
プラスした理由は以下の通りである。すなわち、以下に
説明するようにベーン7をカムリング孔4に沿って摺動
させるために、ベーンリング9およびカムリング孔4間
の距離と、ベーン7との間にすき間が必要となるからで
ある。もし、上記ベーンリング9およびカムリング孔4
の距離をベーン7の長さにぴったりと一致させれば、ベ
ーン7とカムリング孔4との摺動性が悪くなる。したが
って、上記ベーンリング9およびカムリング孔4間の距
離をベーン7の長さよりもわずかに大きくしてクリアラ
ンスを保つようにしている。
【0008】さらに、ベーンリング9とカムリング孔4
との距離は、すべての場所で一致するわけではない。そ
れは、場所によってはベーンリング9とカムリング孔4
との間でベーン7が垂直に支持されずに、斜めに支持さ
れるからである。このようにベーン7が斜めに支持され
たところでは、垂直に支持されたところに比べてその距
離が短くなる。したがって、ベーンリング9の形状が、
カムリング孔4の形状に対して完全な相似形ではなく、
略相似形となる。
【0009】上記のような構成において、ロータ5の中
心に組み込んだシャフト10を回転させると、この回転
にともなって上記ロータ5が回転する。ロータ5が回転
すると、吐出圧がロータ5に設けたベーンリング溝5a
を介して背圧導入溝8に導かれる。この背圧導入溝8に
導かれた吐出圧と、遠心力とによって、上記ベーン7の
外端面7bが、カムリング3のカムリング孔4に押し付
けられる。このようにベーン7の外端面7bがカムリン
グ孔4押し付けられた状態で、ロータ5が回転すること
によって、各ベーン7間に形成された室の容積が順次変
化することになる。
【0010】そして、上記ロータ5を矢印k方向に回転
させた場合、ベーン7間の室の容積が大きくなる工程、
すなわち、一点鎖線Sで示す容積拡大領域では、作動油
を吸い込むことになる。一方、ベーン7間の室の容積が
小さくなる工程、すなわち、一点鎖線Tで示す容積縮小
領域では、上記吸い込んだ作動油を吐出することにな
る。上記ベーンポンプでは、上記のようにして作動油を
吐出することができる。
【0011】また、上記ベーンリング9を設けることに
よって、例えばベーンポンプの作動開始時など、ロータ
5の回転数が低いときや、背圧導入溝8の圧力が低下し
たときでも、ベーン7が確実にカムリング3のカムリン
グ孔4に接触させることができる。なぜなら、上記ベー
ン7の外端面7bとカムリング孔4との間にはわずかな
すき間しかないので、上記遠心力が小さかったり、ある
いは、背圧導入溝8の圧力が低かったりした場合でも、
外端面7bを確実にカムリング孔4に確実に押し付ける
ことができるからである。
【0012】これに対して、上記ベーンリング9を設け
ていない場合には、上記ベーンポンプの作動開始時に
は、十分な遠心力が得られないだけでなく、背圧導入溝
の圧力も十分に得られない。したがって、ベーン7がカ
ムリング孔4にしっかりと接触しなくなり、ベーン7間
の室を確実に形成することができなくなる。そして、吐
出の応答性が悪くなってしまう。したがって、上記ベー
ンリング9を設けることによって、上記作動開始時の応
答性を良好に維持することができるようにしている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例において、
一点鎖線Tで示す容積減少領域では、その圧力が吐出圧
であることから高圧になる。そして、この高圧がベーン
7の外端面7bに作用する。このように、高圧がベーン
7の外端面7bに作用すると、この高圧が内周面7aに
作用する背圧導入溝8の圧力に抗して、ベーン7を内側
に押し戻そうとする。上記ベーン7を内側に押し戻そう
とする力が発生すると、背圧導入溝8の圧力が主にこの
背圧導入溝8に圧力を導いているベーンリング溝5aを
経て圧力孔18側に逃げる。背圧導入溝8の圧力が圧力
孔18に逃げると、ベーン7が内側に押し戻されてしま
う。
【0014】これは以下の理由による。すなわち、上記
ベーンリング溝5aは先に説明したように、その直径を
ベーンリング9の長径とした円形としなければならない
ので、どうしてもその大きさを比較的大きくしなければ
ならない。このようにベーンリング溝5aを大きくする
と、これに接続した背圧導入溝8からの圧力が戻りやす
くなる。したがって、上記ベーンリング溝5aを設ける
ことによって、ベーン7が内側に押し戻されてしまう。
なお、ベーンリングを装着していないベーンポンプで
は、大きなベーンリング溝5aを設ける必要がないの
で、上記背圧導入溝8と連通する溝を非常に小さくする
ことができる。この溝が小さい場合には、この溝により
絞り効果を与えてベーン7の押し戻しを抑制することが
可能である。
【0015】また、上記ベーン7が内側に押し戻される
もうひとつの理由として、カムリング孔4の形状による
ものがある。すなわち、上記容積減少領域では、容積拡
大領域とは反対に、カムリング孔4がロータ5方向に径
を減少するような形状となっていることから、形状的に
もベーン7の外周面7bをロータ5側に押し戻す力が作
用し、ベーン7を内側に押し戻そうとする。
【0016】上記のような2つの理由によって、上記ベ
ーン7を内側に押し戻そうとする力が発生すると、背圧
導入溝8の圧力が主にこの背圧導入溝8に圧力を導いて
いるベーンリング溝5aを経て圧力孔18側に逃げる。
このように、背圧導入溝8の圧油が圧力孔18側に移動
してしまうことによって、上記ベーン7が内側に押し戻
されて、カムリング孔4とベーン外周面7bとが離間す
るという、いわゆるジャンピング現象を起こしてしま
う。
【0017】上記ジャンピングによって、内側に押し戻
されるベーン7の量というのは、微小であるが、上記ベ
ーン7とベーンリング9との間にはわずかなすき間しか
ないので、ベーン7が微小に押し戻されただけでも、ベ
ーン7の内端面7aがこのベーンリング9に接触してし
まう。上記ベーン7の内端面7aがベーンリング9に接
触すると、異音の発生や摺動抵抗が増大することによる
吐出効率の低下等が懸念される。さらに、この接触した
部分のベーンリング9が摩耗し、この摩耗粉が油中に混
入することがある。そして、この摩耗粉によりポンプに
不具合が生じるという問題があった。
【0018】この発明の目的は、ベーンが内側に押し戻
されるジャンピングを防止することにより、異音や摩耗
粉の発生を防止するだけでなく、吐出効率の低下等から
くる不具合を防止できるベーンポンプを提供することで
ある。
【0019】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、ケーシン
グと、ケーシング内に設けたサイドプレートと、サイド
プレートに隣接して設けたカムリングと、カムリング内
周のカムリング孔に回転自在に組み込んだロータと、ロ
ータ内に複数設けたベーン溝と、このベーン溝に組み込
むとともにロータに対して放射状に突出自在のベーン
と、ベーン溝の内端側に設けロータの背圧をベーンの内
端面に作用させる背圧導入溝と、このベーンの内端面を
支持するベーンリングとを備え、上記ロータの回転によ
ってベーンとロータとカムリングとによって形成される
室の容積が縮小する容積縮小領域と、上記室の容積が拡
大する容積拡大領域とが形成され、上記容積拡大領域で
は油を吸い込み、上記容積縮小領域では油を吐出するベ
ーンポンプにおいて、ベーンリングで容積縮小領域の背
圧導入溝を塞いだことを特徴とする。
【0020】第2の発明は、ケーシングとベーンリング
との相対回転を防止する回転防止機構を備えたことを特
徴とする。第3の発明は、ベーンリングは、サイドプレ
ートに組み込む台座部と、ベーンを支持する支持部とを
有し、上記支持部の外周はカムリング孔と略相似形にす
るとともに、サイドプレートに上記台座部を組み込む組
み込み凹部を形成したことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】図1〜6は、この発明の第1実施
形態を示している。この第1実施形態では、ベーンリン
グ11とこのベーンリング11を組み込むサイドプレー
ト12とに特徴を有する。この特徴以外の構成要素は、
従来例とほぼ同じである。したがって、この従来例と同
様の構成要素については、従来例と同じ符号を用いて説
明する。また、この従来例と同様の構成要素について
は、その詳細な説明を省略する。
【0022】図1は、ベーンポンプの全体断面図であ
り、図2は図1のII-II線断面における矢視図である。
ただし、図2では、ケーシング1を省略している。上記
図1,2に示すようにケーシング1に収納穴2を形成
し、この収納穴2に、サイドプレート12を収納してい
る。そして、このサイドプレート12にベーンリング1
1を組み込む組み込み凹部13を形成し、この組み込み
凹部13に上記ベーンリング11を組み込んでいる。さ
らに収納穴2にはカムリング3を挿入している。上記カ
ムリング3の内周には、図2に示すように略楕円形のカ
ムリング孔4を形成している。そして、このカムリング
孔4内にロータ5を回転自在に組み込んでいる。ロータ
5には、突出自在とした複数枚のベーン7を放射状に組
み込んでいる。
【0023】また、上記ケーシング1には軸孔14を形
成し、この軸孔14にシャフト10を回転自在に支持し
ている。また、このシャフト10をロータ5の中心部分
に貫通固定させて、シャフト10を回転させれば、ロー
タ5が回転するようにしている。さらに、上記ケーシン
グ1の端面にはカバー15を固定し、ケーシング1の収
納穴2を塞いでいる。そして、このカバー15に形成し
た軸受穴16内で、上記シャフト10の先端を回転自在
に支持している。
【0024】また、ケーシング1には図1に示すよう
に、高圧室17を形成し、この高圧室17に吐出した作
動油を導くとともに、その圧力作用によってサイドプレ
ート12全体を隣接するロータ5側に押し付けている。
さらに、上記サイドプレート12の圧力孔18、およ
び、この圧力孔18と隣接するロータ5に設けた円還溝
を介して、高圧室17の圧力をロータ5の背圧導入溝8
a,8bに導いている。図2に示したように、上記背圧
導入溝8a,8bに導かれた圧力は、ベーン7の内端面
7aに作用し、このベーン7を外側に押し付けるように
している。
【0025】また、上記ベーンリング11は、図3,4
に示したように、ベーン7の内端面7aを支持する支持
部19と、台座部20とを備えている。上記支持部19
は、図2に示したように、その外周をカムリング3のカ
ムリング孔4と略相似形になるようにしている。また、
図4に示したように、サイドプレート12の組み込み凹
部13に、上記ベーンリング11の台座部20を組み込
むが、この組み込み凹部13は円形を有している。そし
て、上記台座部20は円形を切り欠いた形状にしている
とともに、上記組み込み凹部13の円形と台座部20の
円形とはその直径を一致させている。したがって、上記
台座部20を組み込み凹部13に組み込むと、ベーンリ
ング11は組み込み凹部13の内周に沿って摺動するよ
うになる。
【0026】また、上記のように台座部20は円形を切
り欠いた形状にしているが、図2に示したように、この
台座部20が圧力穴18を塞がないようにしたためであ
る。したがって、上記台座部20を、上記圧力穴18を
避けるようにして、その円形を切り欠いた形状にしてい
る。
【0027】また、図4に示したように、上記組み込み
凹部13の底面にはピン21,21を設け、ベーンリン
グ11にはこのピン21,21に対応するピン穴22,
22を形成している。このピン21とピン穴22とによ
って、この発明でいう相対回転防止機構を形成してい
る。上記ベーンリング11を組み込み凹部13に組み込
んで、このベーンリング11を適当に回転させると、組
み込み凹部13のピン21,21がベーンリング11の
ピン穴22,22に挿入される。このようにピン21を
ピン穴22に挿入することによって、ベーンリング11
と組み込み凹部13との相対回転を防止することができ
る。
【0028】また、図6に示したように、上記台座部2
0の高さは、上記組み込み凹部13の高さと一致させる
ようにしている。したがって、サイドプレート12にベ
ーンリング11を組み込んだ場合、上記台座部20とサ
イドプレート12とが同一平面になる。一方、支持部1
9の高さは、上記組み込み凹部13の高さよりも高くな
るようにしている。したがって、組み込み凹部13から
支持部19が突出するようになる。そして、上記突出し
た支持部19でベーン7の内端面7aを支持するように
している。このように突出した支持部19でベーン7の
内端面7aを支持するとともに、台座部20とサイドプ
レート12とが同一平面なるようにしているのでベーン
7が回転しても、このベーン7が台座部20に引っかか
ることがない。
【0029】さらに図2で示したように、上記ベーンリ
ング11の支持部19は、一点鎖線Tで示した容積縮小
領域に対応する部分の径方向を厚くして、この支持部1
9の一方の面19aで、この容積縮小領域に位置するロ
ータ5の背圧導入溝8aを塞ぐようにしている。このよ
うに背圧導入溝8aを塞ぐことによって、圧力孔18と
の連通が遮断される。また、上記ベーンリング11の支
持部19は、容積縮小領域においては上記のようにその
厚さを厚くしているが、一点鎖線Sで示した容積拡大領
域においては、この容積拡大領域に位置する背圧導入溝
8bを塞がないように、その径方向の厚さを薄くしてい
る。このように容積拡大領域においては、背圧導入溝8
bが塞がれないので、圧力孔18と背圧導入溝8bとが
連通する。
【0030】このような第1実施形態において、シャフ
ト10を回転させると、容積拡大領域で油を吸い込み、
容積縮小領域で作動油を吐出する。このとき容積縮小領
域が高圧になって、この高圧がベーン7の外端面7bに
作用して、ベーン7を内側に押すようになる。しかし、
このベーン7の内端面7aには背圧導入溝8aからの背
圧が作用するとともに、この背圧導入溝8aがベーンリ
ング11の支持部19の一方の面19aによって塞がれ
ている。このように背圧導入溝8aが塞がれることによ
って、この背圧導入溝8aの圧力を圧力孔18側に逃げ
難くしている。
【0031】したがって、容積縮小領域における上記背
圧導入溝8aの圧力を高圧に維持することができ、ベー
ン7が内側に押し戻されるのを防止することができる。
上記ベーン7が内側に押し戻されるのを防止することが
できるので、ベーン7の内端面7aがベーンリング11
に接触するという、いわゆるベーン7のジャンピング現
象を防止することができる。したがって、異音や摩耗粉
等が発生することもなく、さらには、摺動抵抗が増加す
ることによる吐出効率低下等の不具合を防止することが
できる。
【0032】また、容積拡大領域では、ベーンリング1
1の支持部19の径方向の厚さを薄くして、この容積拡
大領域に位置する背圧導入溝8bを塞がないようにし
て、この背圧導入溝8bと圧力孔18とが連通するよう
にしている。したがって、この容積拡大領域では、圧力
孔18を介して背圧導入溝8bに積極的に高圧を導くこ
とができる。しかも、ベーンリング11の台座部20
も、上記圧力孔18を塞がないように、これを避けて形
成しているので、より一層背圧導入溝8bに高圧を導き
やすい。
【0033】図7,8はこの発明の第2実施形態を示し
たものである。この第2実施形態では回転止め機構とし
てベーンリング23を装着した際、サイドプレート25
に隣接する側の面に凸部24を形成している。そして、
サイドプレート25の組み込み凹部26には、この凸部
24に対応する凹部27を形成している。したがって、
上記ベーンリング23の凸部24と、サイドプレート2
5の凹部27とをかみ合わせるだけで、サイドプレート
25とベーンリング23との相対回転を防止することが
できる。
【0034】また、この第2実施形態では、ベーンリン
グ23の台座部28をサイドプレート25の組み込み凹
部26に挿入する場合、上記凸部24と凹部27との位
置関係を確認しないで適当に挿入しても、その後、ベー
ンリング23を回転させることによって上記凸部24と
凹部27とをかみ合わせることができる。したがって、
組み込み凹部26に台座部28を組み込む際に、特別な
位置合わせが必要なく、その分、組み付け作業性すなわ
ち組み付け効率が向上する。上記のようにこの第2実施
形態では、上記凸部24と凹部27とを容易にかみ合わ
せることで、簡単にしかも確実に、上記ベーンリング2
3とサイドプレート25との相対回転を防止することが
できる。
【0035】この第2実施形態において、上記ベーンリ
ング23とサイドプレート25以外は、第1実施形態と
同様である。したがって、ここではこの第1実施形態と
同様の構成要素についての詳細な説明を省略する。ま
た、容積縮小領域に位置する背圧導入溝8aをベーンリ
ング23の支持部29の一方の面29aで塞ぐことによ
って、ベーン7が内側に押し戻されるのを防止すること
ができる等の効果は上記第1実施形態と同様である。
【0036】なお、この第2実施形態では、凸部24お
よび凹部27を容積縮小領域に配置したものを図示して
説明したが、これらの位置は、他の機能を阻害しないと
ころであれば、円周上のどこに配置しても構わない。さ
らにその数はいくつあってもよい。また、ベーンリング
23側に凹部を、サイドプレート25側に凸部を配置し
ても構わない。
【0037】図9〜11はこの発明の第3実施形態を示
している。図9に示したように、サイドプレート30に
ベーンリング31を組み込むための組み込み凹部32を
形成するが、この組み込み凹部32は円形を切り欠いた
形状にしている。すなわち、組み込み凹部32は、円周
の一部を直線でカットした直線部33を形成するととも
に、線対称の位置にも同様に直線部33を形成してい
る。また、ベーンリング31の台座部34も、上記組み
込み凹部32に対応する2つの直線部35,35を形成
している。この第3実施形態では、上記組み込み凹部3
2の直線部33,33と、台座部34の直線部35,3
5とによって回転防止機構を形成している。
【0038】上記サイドプレート30の組み込み凹部3
2にベーンリング31を組み込むときには、ベーンリン
グ31の台座部34の直線部35,35と、組み込み凹
部32の直線部33,33とを一致させるようにする。
このように直線部33,35同士を一致させることによ
って、上記ベーンリング31とサイドプレート30とが
相対回転することがない。しかも、上記直線部33,3
5同士を一致させるようにして、台座部34を組み込み
凹部32に組み込むことができるので、この台座部34
と組み込み凹部32との位置合わせが非常に楽にでき
る。
【0039】また、この第3実施形態において、上記ベ
ーンリング31とサイドプレート30以外は、第1実施
形態と同様である。したがって、ここではこの第1実施
形態と同様の構成要素についての詳細な説明を省略す
る。また、容積縮小領域に位置する背圧導入溝8aをベ
ーンリング31の支持部36の一方の面で塞ぐことによ
って、ベーン7が内側に押し戻されるのを防止すること
ができる等の効果は上記第1実施形態と同様である。な
お、この第3実施形態では、回り止め機能をする直線部
33,35を対称的に2つ設けることとしたが、どちら
かひとつでも構わない。また、回り止め機能を果たすよ
うに円周方向にガタなくかみ合っているものであれば、
直線形状でなくても構わない。
【0040】
【発明の効果】第1の発明によれば、ベーンリングで容
積縮小領域の背圧導入溝を塞ぐこととしたので、背圧導
入溝の圧力を高圧に維持することができ、ベーンが内側
に押し戻されるのを防止することができ、ベーンの内端
面がベーンリングにぶつかることがない。したがって、
異音や摩耗粉等が発生することもなく、さらには摺動抵
抗が増加することによる吐出効率低下等の不具合を防止
することができる。
【0041】第2の発明によれば、ケーシングとベーン
リングとの相対回転を防止する回転防止機構を備えたの
で、ケーシングとベーンリングとの相対回転を防止する
ことができる。
【0042】第3の発明によれば、ベーンリングは、サ
イドプレートに組み込む台座部と、ベーンを支持する支
持部とを有し、上記支持部の外周はカムリング孔と略相
似形にするとともに、サイドプレートに上記台座部を組
み込む組み込み凹部を形成することとしたので、ベーン
リングを簡単にサイドプレートに組み込むことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態の全体断面図である。
【図2】図1のII-II線断面のカムリング部分を矢視方
向から示した図である。
【図3】第1実施形態のベーンリングの正面図である。
【図4】サイドプレートとベーンリングとの組み込み斜
視図である。
【図5】サイドプレートの正面図である。
【図6】第1実施形態のサイドプレートにベーンリング
を組み込んだ断面図である。
【図7】第2実施形態のベーンリングの正面図である。
【図8】第2実施形態のサイドプレートにベーンリング
を組み込んだ断面図である。
【図9】第3実施形態のサイドプレートの正面図であ
る。
【図10】第3実施形態のベーンリングの正面図であ
る。
【図11】第3実施形態の図2に対応する図である。
【図12】従来例の断面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング 3 カムリング 4 カムリング孔 5 ロータ 6 ベーン溝 7 ベーン 8a 背圧導入溝 11 ベーンリング 12 サイドプレート 13 組み込み凹部 19 支持部 20 台座部 21 ピン 22 ピン穴 23 ベーンリング 24 凸部 25 サイドプレート 26 組み込み凹部 27 凹部 28 台座部 29 支持部 30 サイドプレート 31 ベーンリング 32 組み込み凹部 33 直線部 34 台座部 35 直線部 36 支持部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングと、ケーシング内に設けたサ
    イドプレートと、サイドプレートに隣接して設けたカム
    リングと、カムリング内周のカムリング孔に回転自在に
    組み込んだロータと、ロータ内に複数設けたベーン溝
    と、このベーン溝に組み込むとともにロータに対して放
    射状に突出自在のベーンと、ベーン溝の内端側に設けロ
    ータの背圧をベーンの内端面に作用させる背圧導入溝
    と、このベーンの内端面を支持するベーンリングとを備
    え、上記ロータの回転によってベーンとロータとカムリ
    ングとによって形成される室の容積が縮小する容積縮小
    領域と、上記室の容積が拡大する容積拡大領域とが形成
    され、上記容積拡大領域では油を吸い込み、上記容積縮
    小領域では油を吐出するベーンポンプにおいて、ベーン
    リングで容積縮小領域の背圧導入溝を塞いだベーンポン
    プ。
  2. 【請求項2】 ケーシングとベーンリングとの相対回転
    を防止する回転防止機構を備えた請求項1記載のベーン
    ポンプ。
  3. 【請求項3】 ベーンリングは、サイドプレートに組み
    込む台座部と、ベーンを支持する支持部とを有し、上記
    支持部の外周はカムリング孔と略相似形にするととも
    に、サイドプレートに上記台座部を組み込む組み込み凹
    部を形成した請求項1または2記載のベーンポンプ。
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