JP2006214351A - ピストンポンプ - Google Patents

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Koji Ogata
浩次 緒方
Takabumi Yamaguchi
高文 山口
Hidetoshi Miura
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Abstract

【課題】キャビテーションエロージョンの発生を可及的に抑制することが可能なピストンポンプを提供する。
【解決手段】 弁板のシリンダブロックに対する摺接面から開口するように、導油孔16及び副導油孔20を設ける。導油孔16は、弁板に設けられている低圧口13よりシリンダブロックの回転方向上流側の位置に設けられ、副導油孔20は、導油孔16よりも更に前記回転方向上流側の位置に設けられる。導油孔16は、その開口部が、シリンダブロックへ向かうに従って、シリンダブロックを回転させる駆動軸から離反するように、且つ、前記回転方向上流側へ向かうように、前記駆動軸に対して傾斜して設けられ、副導油孔20は、少なくともその開口部が、シリンダブロックへ向かうに従って、シリンダブロックを回転させる駆動軸から離反するように、前記駆動軸に対して傾斜して設けられる。
【選択図】 図6

Description

本発明は、弁板の高圧口および低圧口をシリンダブロックのピストン室位置よりも中心側に設け、該高圧口および低圧口とピストン室とを連通する作動油流路がピストン室へ向かうにしたがって、シリンダブロックの回転中心から離反するように傾斜してシリンダブロックに形成されるとともに、前記弁板の高圧口端部に設けた切欠き溝と導油孔とが設けられているピストンポンプに関する。
図7は、従来のピストンポンプの構成を示す側面断面図である。図7に示すように、ピストンポンプ101は、略円筒状のケース102aとフロントカバ102b及びバルブブロック108とからなるハウジング102と、このハウジング102に収納された駆動軸103、シリンダブロック104、ピストン105、斜板106および弁板107等から構成されている。駆動軸103はフロントカバ102bおよびバルブブロック108に軸受を介して回転可能に支承されており、エンジンまたは電動機により駆動される。シリンダブロック104は、前記駆動軸103にスプライン嵌合され、この駆動軸103とともに回動する。バルブブロック108の内側端には、略円板状をなす弁板107が取り付けられており、一方の端面を前記シリンダブロック104の端面と対接している。この弁板107には前記シリンダブロック104側の端面で瓜形に開口する低圧口113と高圧口114が形成されており、低圧口113および高圧口114はそれぞれバルブブロック108に設けられた吸入ポートおよび排出ポートに連通している。
斜板106は、フロントカバ102bに揺動可能に支承されており、シリンダブロック104に対向する面が、駆動軸103の軸心を法線とする平面に対して角度αだけ傾斜するようにレギュレータのサーボピストン121によって制御される。
シリンダブロック104には、駆動軸103と略平行なピストン室111が、前記ピストン105と同数設けられている。これらのピストン室111は、ピストン105の円柱形状と合致した円筒穴状をなしており、ピストン105が夫々挿入されている。ピストン105の外方端部は球面接手によりシュー110と連結しており、シュー110は前記斜板106のシュープレート109上を摺動する。
また、シリンダブロック104の夫々のピストン室111の奥部には、作動油流路112が設けられている。これらの作動油流路112は、弁板107と対接するシリンダブロック104の端面に開口しており、シリンダブロック104の回転に伴い弁板107の低圧口113および高圧口114と断続的に連通する。また作動油通路112は、その内周面のうち内側の部分、即ち駆動軸103に最も近い部分が、ピストン室111へ向かうに従って駆動軸103から離反する傾斜面として形成されている。従って、作動油流路112のピッチ円は、ピストン室111へ向かうに従って、その半径が拡大するようになっている。換言すれば、作動油流路112は、ピストン室111へ向かうに従って、駆動軸103から離反するように駆動軸103に対して傾斜して形成されている。
このような構成によって、駆動軸103が回転したときに、シリンダブロック104も回転する。ピストン室111が低圧口113に連通する直前では、ピストン105は下死点に位置している。ピストン105は、この状態から作動油流路112の弁板107側開口部が低圧口113へ近付くに従って、及び低圧口113を通過する過程で、ピストン室111から退出する方向へ移動する。そして、ピストン105は、作動油流路112が低圧口113のシリンダブロック104の回転方向下流側端を通過した直後に、又は低圧口113の前記回転方向下流側端を通過する直前に、上死点に達する。また、ピストン105は、作動油流路112の弁体107側開口部が高圧口114へ近付くに従って、及び高圧口114を通過する過程で、ピストン室111の奥部へ進行し、作動油流路112が高圧口114の前記回転方向下流側端を通過した直後に、又は高圧口114の前記回転方向下流側端を通過する直前に、ピストン105が下死点に達する。
作動油流路112が低圧口113に連通しているときには、ピストン105がピストン室111から退出する方向へ移動しているので、低圧口113から作動油流路112を介してピストン室111内へ作動油が引き込まれる。このとき、作動油流路112が前述の如く駆動軸103に対して傾斜して設けられているため、作動油流路112内を通流する作動油は、ピストン室111へ近付くに従って回転中心(駆動軸103)から遠ざかることとなる。これによって、作動油流路112を通流する作動油に作用する遠心力が、ピストン室111へ近付くにつれて増大し、ピストン室111内へより多くの作動油が吸入される。
一方、作動油流路112が高圧口114に連通しているときには、ピストン105がピストン室111内へ進入する方向へ移動しているので、ピストン室111から作動油流路112を介して高圧口114へ作動油が吐出される。このようにして、駆動軸103が回転したときにポンプ作用が発揮される。
図8は、従来のピストンポンプ101の弁板107の構成の一例を示す正面図である。図8に示すように、かかるピストンポンプの弁板107には、略円弧状の低圧口113及び高圧口114が同一円周上に沿って設けられており、弁板107のバルブブロック108との対向面には、高圧口114の駆動軸103の回転方向上流側端、即ち、シリンダブロック104が回転し、作動油流路112が高圧口114に連通が始まるときに、最初に作動油流路112と重なり合う方の端から、油溝115が延設されている。また、弁板107には、板厚方向に貫通し、前記油溝115と連通する小径の導油孔116が設けられている。このような構成により、従来のピストンポンプ101では、高圧口114にピストン室111が連通する直前に、導油孔116をピストン室111に連通させ、高圧口114に比べて極めて低いピストン室111の圧力をある程度増大させておくことにより、ピストンポンプの圧縮工程の初期段階に発生するキャビテーションを抑制することができる。
また、この種のピストンポンプの1つとして、特許文献1に開示されているものがある。特許文献1に開示されているピストンポンプは、弁板の導油孔よりも駆動軸の回転方向上流側の部分に、導油孔よりも小径の副導油孔を設けた構成となっている。このような構成により、導油孔に先んじて副導油孔が作動油流路に連通することとなり、導油孔と作動油流路との連通初期又は連通する直前に導油孔から弁板の板面に概ね沿って、シリンダブロックの回転方向上流側へ向けて噴出する作動油の進行方向が、作動油流路の壁面に衝突する前に副導油孔からの噴流によってピストン室側へ転向され、キャビテーションエロージョン(壊食)の発生を抑制することができる。
また、特許文献2及び特許文献3には、導油孔をシリンダブロックの回転円周方向へ斜めに形成したピストンポンプが開示されている。
特公昭61−45073号公報 特開2000−345955号公報 実開昭62−128173号公報
しかしながら、上述の如き従来のピストンポンプにあっては、導油孔が、シリンダブロックの回転円周方向へ傾斜しているものはあっても、回転円の半径方向に傾斜していないため、作動油流路が、ピストン室へ向かうに従って、駆動軸から離反するように駆動軸に対して傾斜して形成されている場合には、導油孔の延長線上に作動油流路の壁面が存在し、導油孔からの噴流が前記壁面に衝突することがある。特に、近年のピストンポンプは、従来に比して吐出圧力が高くなっており、導油孔からの噴流が前記壁面に衝突した場合には、キャビテーションエロージョン(壊食)が発生する虞がある。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、作動油流路が駆動軸に対して傾斜して形成されている場合であっても、導油孔からの噴流が作動油流路の壁面に衝突することを防止し、キャビテーションエロージョンの発生を可及的に抑制することが可能なピストンポンプを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るピストンポンプは、回転軸と、該回転軸と一体に結合され、複数のピストン室に嵌挿し往復動するピストンを装着して回動するシリンダブロックと、該シリンダブロックの一端面で対接し、バルブブロックに固着された弁板とを備え、該弁板の高圧口および低圧口をシリンダブロックのピストン室位置よりも中心側に設け、該高圧口および低圧口とピストン室とを連通する作動油流路がピストン室に向かうにしたがって、シリンダブロックの回転中心から離反するように傾斜してシリンダブロックに形成されるとともに、前記シリンダブロックの回転に伴い、前記高圧口と低圧口との間にあるピストン室の開口部を前記弁板の高圧口端部に設けた導油孔および切欠き溝を介して高圧口に連通させるようにしたピストンポンプにおいて、前記導油孔は、少なくとも前記シリンダブロック側の開口部が前記作動油流路へ向かうにしたがって前記回転軸から離反するように前記回転軸に対して傾斜して形成されていることを特徴とする。
上記発明によれば、導油孔がシリンダブロックの回転円の半径方向へ、作動油流路と同一の向きに前記回転軸に対して傾斜して設けられているので、導油孔からの噴流が作動油流路の壁面に衝突することを防止し、キャビテーションエロージョンの発生を可及的に抑制することができる。
また、上記発明においては、前記導油孔が、前記シリンダブロック側の開口部が前記作動油流路の前記回転軸に対する傾斜角度と略同一の角度で前記回転軸に対して傾斜して形成された構成とすることが望ましい。これにより、導油孔から作動油流路に沿って作動油が噴出することとなり、一層確実に噴流の前記壁面への衝突を防止することができる。
また、上記発明においては、前記導油孔は、前記シリンダブロック側の開口部が前記シリンダブロックの回動に伴い前記作動油流路の弁板側開口部の略中央部を通過するように形成された構成とすることが望ましい。
シリンダブロックと弁板とが相対回転したときには、導油孔が作動油流路を相対的に通過することとなるが、このとき導油孔が作動油流路の前記半径方向の中央から外れた位置を通過するように形成されていては、作動油流路の前記半径方向の内側の壁面又は外側の壁面の近傍を導油孔が通過することとなるため、この壁面に導油孔からの噴流が衝突してキャビテーションエロージョンが発生することがある。従って、上記のような構成とすることにより、導油孔からの噴流が作動油流路の前記半径方向の略中央を進行するので、噴流の作動油流路の壁面への衝突を更に確実に防止することができる。
また、上記発明においては、前記導油孔が、前記シリンダブロック側の開口部が前記作動油流路へ向かうに従って前記回転軸から離反し、且つ前記作動油流路へ向かうに従って前記シリンダブロックの回転方向と略反対方向へ延びるように前記回転軸に対して傾斜して形成された構成とすることが望ましい。
導油孔が、前記回転軸を中心とした円の円周方向について、前記回転軸に対して傾斜していない方向へ形成されている場合、即ち、導油孔が作動油流路との連通時に作動油流路と平行となるように設けられている場合には、導油孔からの噴流は、作動油流路と平行に進行することとなる。この場合、導油孔と作動油流路との連通初期において、導油孔の一部が作動油流路と重なっているときには、コアンダ効果により、噴流が作動油流路の壁面に沿って進行することとなるため、この壁面に導油孔からの噴流が衝突してキャビテーションエロージョンが発生することがある。従って、上記のような構成とすることにより、導油孔と作動油流路との連通初期において、導油孔の一部が作動油流路と重なっているときに、導油孔の噴流が作動油流路の中央へ向かって進行するので、導油孔の噴流の作動油流路の壁面への衝突を更に確実に防止することができる。
また、上記発明においては、前記弁板には、前記導油孔から前記シリンダブロックの回転方向と略反対方向へ所定距離離隔した位置に、前記導油孔よりも開口面積が小さい副導油孔が更に設けられており、該副導油孔は、前記シリンダブロック側の開口部が前記作動油流路へ向かうに従って前記回転軸から離反するように前記回転軸に対して傾斜して形成された構成とすることが望ましい。
これにより、導油孔と作動油流路との連通初期又は連通する直前に導油孔から弁板の板面に概ね沿って噴出する作動油の進行方向が、作動油流路の壁面に衝突する前に副導油孔からの噴流によってピストン室側へ転向され、キャビテーションエロージョン壊食の発生を更に確実に抑制することができる。
また、上記発明においては、前記弁板には、前記導油孔から前記シリンダブロックの回転方向と略反対方向へ所定距離離隔した位置に、前記導油孔よりも開口面積が小さい副導油孔が更に設けられており、該副導油孔は、前記シリンダブロック側の開口部が前記作動油流路の前記回転軸に対する傾斜角度と略同一の角度で前記回転軸に対して傾斜して形成された構成とし、また、前記作動油流路の前記回転軸を中心とした円の半径方向の略中央を通過するように形成された構成とすることが望ましい。これにより、副導油孔からの噴流の進行方向を、導油孔からの噴流の進行方向に更に確実に合致させることができ、更に確実に導油孔からの噴流の進行方向をピストン室側へ転向させることができる。
本発明に係るピストンポンプによる場合は、導油孔を、シリンダブロックの回転円の半径方向へ、作動油流路と同一の向きに前記回転軸に対して傾斜して設けることにより、導油孔からの噴流が作動油流路の壁面に衝突することを防止し、キャビテーションエロージョンの発生を可及的に抑制することができる等、優れた効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態に係るピストンポンプについて、図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るピストンポンプの構成を示す側面断面図である。図1に示すように、本発明の実施の形態に係るピストンポンプ1は、略円筒状のケース2aとフロントカバ2b及びバルブブロック8とからなるハウジング2と,このハウジング2に収納された駆動軸3,シリンダブロック4,ピストン5,斜板6,及び弁板7から主として構成されている。本実施の形態に係るピストンポンプ1のハウジング2,駆動軸3,シリンダブロック4,ピストン5,及び斜板6の構成は、前述した従来のピストンポンプ101のハウジング102,シリンダブロック104,ピストン105,及び斜板106の構成と略同様であるので、図7において各構成要素に付した符号から100を減じた符号を同一構成要素に付し、その説明を省略する。
図2は、本発明の実施の形態に係るピストンポンプ1が備える弁板7の構成を示す正面図であり、図3は、図2のIII−III線についての断面矢視図であり、図4は、弁板7の構成を示す背面図である。図2〜4に示すように、本実施の形態に係る弁板7は、一端面が略球面状の略円盤形状をなしており、この球面がシリンダブロック4に設けられた略球状の凹部に嵌合するようにバルブブロック8に取り付けられる。シリンダブロック4は、図2の矢符にて示す方向へ回転し、弁板7はバルブブロック8に固着されているため、弁板7の球面上をシリンダブロック4が摺動することとなる。弁板7の中央には、駆動軸3を貫通させるための孔17が設けられており、この孔17の周囲には、孔17を中心とした円の円周に沿って瓜状の低圧口13及び高圧口14が設けられている。この瓜状の低圧口13および高圧口14のピッチ円径は、ピストン室11のピッチ円径より小さく、作動油流路12の弁板7側開口部のピッチ円径は瓜状の低圧口13および高圧口14のピッチ円径に等しく、当該作動油流路12はピストン室11に近づくにしたがって、内周面の内側が駆動軸3から離反するように駆動軸3に対して傾斜して設けられている。
また、弁板7の球面側には、高圧口14のうち、最もシリンダブロック4の回転方向上流側に位置するものの、前記回転方向上流側端から、ノッチ19が延設されている。このノッチ19は、前記回転方向上流側へ向けて先細となった溝である。このようなノッチ19の先端側、即ち前記回転方向上流側へ所定距離隔てた位置には、小径の導油孔16が設けられている。更に導油孔16よりも前記回転方向上流側へ所定距離隔てた位置には、副導油孔20が設けられている。
図3及び図4に示すように、弁板7のバルブブロック8の対向面には、最もシリンダブロック4の回転方向上流側に位置する高圧口14の前記回転方向上流側端から、略円弧状の油溝15が設けられている。この油溝15は、低圧口13及び高圧口14のピッチ円よりも少し半径方向内側に設けられており、この油溝15に連通するように導油孔16及び副導油孔20が設けられている。
図5は、図4のV−V線についての断面矢視図である。図5に示すように、導油孔16は、油溝15から所定深さまでの間では、球面側よりも直径が大きく、駆動軸3に略平行な穴となっており、この穴の底から球面側へは、駆動軸3に対して所定角度傾斜した孔となっている。また、副導油孔20も同様に、油溝15から所定の深さまでの間では、球面側よりも直径が大きく、駆動軸3に略平行な穴となっており、この穴の底から球面側へは、これよりも直径が小さく、駆動軸3に対して所定角度傾斜した孔が設けられた形状となっている。また、副導油孔20の球面側の開口面積は、導油孔16の球面側の開口面積より小さくなっている。
更に詳しく導油孔16及び副導油孔20の形状について説明する。図6は、導油孔16及び副導油孔20の形状を模式的に示しており、図6(a)は、導油孔16及び副導油孔20の形状を示す拡大正面図であり、図6(b)は、その斜視図である。なお、図6(a),(b)では、図を簡単にするために、低圧口13及び高圧口14のピッチ円を直線として表しており、弁板7の球面を駆動軸3の軸心に直交する平面として表している。図6(a)に示すように、導油孔16は、シリンダブロック4へ向かうに従って、即ち球面に近付くに従って、シリンダブロック4の回転方向上流側、即ち該回転方向と反対方向へ延びるように、駆動軸3の軸心に対してピッチ円の円周方向へ角度θ1だけ傾斜している。
しかも、導油孔16は、シリンダブロック4へ向かうに従って、駆動軸3から離反する、即ち前記ピッチ円の外側へ向かうように、駆動軸3に対して前記ピッチ円の半径方向へ角度θ2だけ傾斜している。
一方、副導油孔20は、駆動軸3に対して、ピッチ円の円周方向には傾斜していない。つまり、ピッチ円の円周方向については、副導油孔20は駆動軸3に平行に形成されている。
また、副導油孔20は、ピッチ円の半径方向については、シリンダブロック4へ向かうに従って、駆動軸3から離反するように、駆動軸3に対して角度θ2だけ傾斜している。つまり、ピッチ円の半径方向については、導油孔16及び副導油孔20の両方が同一の角度θ2だけ傾斜して形成されている。また、導油孔16及び副導油孔20の球面における開口部分が、低圧口13及び高圧口14のピッチ円上に位置するように、これらのバルブブロック8側の油溝15における開口部分は、前記ピッチ円よりも少し半径方向内側に形成されている。更に、前記ピッチ円は作動油流路12の弁板7側開口部のピッチ円と略同一とされており、これにより、シリンダブロック4が回転するとき、導油孔16及び副導油孔20は、作動油流路12の駆動軸3を中心とした円の半径方向の略中央を通過することとなる。
以上の如き構成により、シリンダブロック4が回転したとき、該シリンダブロック4に形成されている作動油流路12が副導油孔20,導油孔16,ノッチ19,高圧口14をこの順序で通過する。副導油孔20が作動油流路12に連通したとき、副導油孔20からは作動油流路12の軸長方向へ向けた作動油の噴流が発生する。
導油孔16と作動油流路12との連通初期及び/又は連通する直前には、導油孔16から作動油が弁板7の球面に概ね沿って、シリンダブロック4の回転方向上流側へ向けて噴出することとなる。この原理は、特公昭61−45073号公報に開示されているので、説明を省略する。また、導油孔16が駆動軸3を中心とした円の半径方向へ傾斜しているので、導油孔16からの噴流は、シリンダブロック4の回転円の半径方向外側へも向かって進行することとなる。
ここで、導油孔16の前記回転方向上流側に位置する副導油孔20から、シリンダブロック4の回転円の半径方向外側へ向かう噴流が発生しているので、導油孔16からの噴流は、副導油孔20からの噴流と衝突し、その進行方向をピストン室11側へ転向されることとなる。従って、作動油流路12の壁面に噴流が衝突することが防止され、キャビテーションエロージョンの発生が抑制される。
また、シリンダブロック4が更に回転し、導油孔16の開口面積の約半分以上が作動油流路12と重なったとき、導油孔16からの噴流は、導油孔16の孔の延長方向へ進行することとなる。導油孔16の弁板7の球面側の部分は、前述したように高圧口14のピッチ円の円周方向へ傾斜しているので、作動油流路12の壁面に対して傾斜した向きに噴流が進行することとなる。従って、導油孔16と作動油流路との連通初期において、コアンダ効果によって噴流が作動油流路12の壁面に沿って進行することが防止され、キャビテーションエロージョンの発生が抑制される。
なお、本実施の形態においては、高圧口14のピッチ円の円周方向及び半径方向の両方について、駆動軸3の軸長方向に対して傾斜させた導油孔16と、前記ピッチ円の半径方向について、駆動軸3の軸長方向に対して傾斜させた副導油孔20とを、弁板7に設けた構成について述べたが、これに限定されるものではなく、高圧口14のピッチ円の半径方向のみについて、駆動軸3の軸長方向に対して夫々傾斜させた導油孔16及び副導油孔20を弁板7に設けた構成としてもよいし、高圧口14のピッチ円の半径方向のみについて、駆動軸3の軸長方向に対して傾斜させた導油孔16を弁板7に設け、副導油孔20を設けない構成としてもよい。また、高圧口14のピッチ円の円周方向及び半径方向の両方について、駆動軸3の軸長方向に対して傾斜させた導油孔16を弁板7に設け、副導油孔20を設けない構成としてもよい。
本発明の実施の形態に係るピストンポンプの構成を示す側面断面図である。 本発明の実施の形態に係るピストンポンプが備える弁板の構成を示す正面図である。 図2のIII−III線についての断面矢視図である。 本発明の実施の形態に係るピストンポンプが備える弁板の構成を示す背面図である。 図4のV−V線についての断面矢視図である。 (a)は、本発明の実施の形態に係る導油孔及び副導油孔の形状を模式的に示す拡大正面図であり、(b)は、その斜視図である。 従来のピストンポンプの構成を示す側面断面図である。 従来のピストンポンプの弁板の構成の一例を示す正面図である。
符号の説明
1 ピストンポンプ
2 ハウジング
3 駆動軸
4 シリンダブロック
5 ピストン
6 斜板
7 弁板
8 バルブブロック
9 シュープレート
10 シュー
11 ピストン室
12 作動油流路
13 低圧口
14 高圧口
15 油溝
16 導油孔
17 孔
18 溝
19 ノッチ
20 副導油孔

Claims (7)

  1. 回転軸と、該回転軸と一体に結合され、複数のピストン室に嵌挿し往復動するピストンを装着して回動するシリンダブロックと、該シリンダブロックの一端面で対接し、バルブブロックに固着された弁板とを備え、該弁板の高圧口および低圧口をシリンダブロックのピストン室位置よりも中心側に設け、該高圧口および低圧口とピストン室とを連通する作動油流路がピストン室に向かうにしたがって、シリンダブロックの回転中心から離反するように傾斜してシリンダブロックに形成されるとともに、前記シリンダブロックの回転に伴い、前記高圧口と低圧口との間にあるピストン室の開口部を前記弁板の高圧口端部に設けた導油孔および切欠き溝を介して高圧口に連通させるようにしたピストンポンプにおいて、
    前記導油孔は、少なくとも前記シリンダブロック側の開口部が前記作動油流路へ向かうにしたがって前記回転軸から離反するように前記回転軸に対して傾斜して形成されていることを特徴とするピストンポンプ。
  2. 前記導油孔は、少なくとも前記シリンダブロック側の開口部が前記作動油流路の前記回転軸に対する傾斜角度と略同一の角度で前記回転軸に対して傾斜して形成されていることを特徴とする請求項1に記載のピストンポンプ。
  3. 前記導油孔は、前記シリンダブロック側の開口部が前記シリンダブロックの回動に伴い前記作動油流路の弁板側開口部の略中央部を通過するように形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のピストンポンプ。
  4. 前記導油孔は、少なくとも前記シリンダブロック側の開口部が前記作動油流路へ向かうに従って前記回転軸から離反し、且つ前記作動油流路へ向かうに従って前記シリンダブロックの回転方向と略反対方向へ延びるように前記回転軸に対して傾斜して形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のピストンポンプ。
  5. 前記弁板には、前記導油孔から前記シリンダブロックの回転方向と略反対方向へ所定距離離隔した位置に、前記導油孔よりも開口面積が小さい副導油孔が更に設けられており、該副導油孔は、少なくとも前記シリンダブロック側の開口部が前記作動油流路へ向かうに従って前記回転軸から離反するように前記回転軸に対して傾斜して形成されていることを特徴とする請求項1乃至4に記載のピストンポンプ。
  6. 前記弁板には、前記導油孔から前記シリンダブロックの回転方向と略反対方向へ所定距離離隔した位置に、前記導油孔よりも開口面積が小さい副導油孔が更に設けられており、該副導油孔は、少なくとも前記シリンダブロック側の開口部が前記作動油流路の前記回転軸に対する傾斜角度と略同一の角度で前記回転軸に対して傾斜して形成されていることを特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載のピストンポンプ。
  7. 前記弁板には、前記導油孔から前記シリンダブロックの回転方向と略反対方向へ所定距離離隔した位置に、前記導油孔よりも開口面積が小さい副導油孔が更に設けられており、該副導油孔は、少なくとも前記シリンダブロック側の開口部が前記作動油流路の前記回転軸に対する傾斜角度と略同一の角度で前記回転軸に対して傾斜し、且つ前記作動油流路の前記回転軸を中心とした円の半径方向の略中央を通過するように形成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載のピストンポンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108825486A (zh) * 2018-06-06 2018-11-16 哈尔滨理工大学 一种新型组合式端面配油结构

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