JPWO2020026410A1 - ベーンポンプ装置 - Google Patents

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Abstract

ベーンポンプ装置は、複数枚のベーン30を回転半径方向に移動可能に支持して回転するロータと、ロータの外周面に対向する内周面を有するカムリングと、を有し、ロータの回転に応じて、ロータの外周面、カムリングの内周面及び複数枚のベーン30の内の隣接する2枚のベーン30にて区画されるポンプ室の容積が変化することにより、少なくとも吸入工程及び吐出工程に遷移し、吸入工程が終了するタイミングはポンプ室の容積が最大である場合である。

Description

本発明は、ベーンポンプ装置に関する。
従来、異音の発生を低減できるベーンポンプが提案されている。
例えば、特許文献1に記載されたベーンポンプは、カムリングの側部に配置されて、吐出ポートが開口形成されたサイドプレートと、該カムリング内に回転自在に収容され、駆動軸によって回転駆動されるロータと、該ロータの外周部に放射方向に沿って形成された複数のスロット内に前記カムリングの内周面方向へ出没自在に保持されたベーンとを備えている。前記サイドプレートのロータと摺接する内側面に前記吐出ポートと連通するひげ溝を形成すると共に、該ひげ溝を前記吐出ポートから前記ロータの回転方向と反対方向に沿って漸次先細り状に形成すると共に、ひげ溝の先端部を、各ベーンのひげ溝の基端部を通る回転軌跡線よりも内方へ指向して形成してある。
WO2005−005837号公報
吐出ポートの高圧のオイルが、吸入工程から吐出工程に移行する過程のポンプ室内に逆流するおそれがある。逆流する場合には、吐出ポートの油圧とポンプ室内の油圧との圧力差が大きいほど、オイルが逆流するときに生じる音が大きくなる。
本発明は、吐出ポートの油圧と吐出工程に移行する過程のポンプ室内の油圧との圧力差を小さくすることができるベーンポンプ装置を提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明は、複数枚のベーンを回転半径方向に移動可能に支持して回転するロータと、前記ロータの外周面に対向する内周面を有するカムリングと、を有し、前記ロータの回転に応じて、前記ロータの外周面、前記カムリングの内周面及び前記複数枚のベーンの内の隣接する2枚のベーンにて区画されるポンプ室の容積が変化することにより、少なくとも吸入工程及び吐出工程に遷移し、前記吸入工程が終了するタイミングは前記ポンプ室の容積が最大である場合であるベーンポンプ装置である。
本発明によれば、吐出ポートの油圧と吐出工程に移行する過程のポンプ室内の油圧との圧力差を小さくすることができるベーンポンプ装置を提供することができる。
実施の形態に係るベーンポンプの外観図である。 ベーンポンプの構成部品の一部をカバー側から見た斜視図である。 ベーンポンプの構成部品の一部をケース側から見た斜視図である。 ベーンポンプの高圧のオイルの流路を示すための断面図である。 ベーンポンプの低圧のオイルの流路を示すための断面図である。 ロータ、ベーン及びカムリングを回転軸方向の一方方向に見た図、及び、他方方向に見た図である。 カムリングのカムリング内周面における回転角度毎の回転中心からの距離を示す図である。 インナプレートを回転軸方向の一方方向、及び、他方方向に見た図である。 アウタプレートを回転軸方向の他方方向、及び、一方方向に見た図である。 ケースを回転軸方向の一方方向に見た図である。 カバーを回転軸方向の他方方向に見た図である。 高圧オイルの流れを示す図である。 低圧オイルの流れを示す図である。 カムリング及びインナプレートを一方方向に見た図である。 カムリング及びアウタプレートを他方方向に見た図である。 回転角度毎のポンプ室の容積を示す図である。 比較構成に係るベーンポンプにおける回転角度毎のポンプ室内のオイルの体積を示す図である。 本実施の形態に係るベーンポンプにおける回転角度毎のポンプ室内のオイルの体積を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係るベーンポンプ装置1(以下、「ベーンポンプ1」と称す。)の外観図である。
図2は、ベーンポンプ1の構成部品の一部をカバー120側から見た斜視図である。
図3は、ベーンポンプ1の構成部品の一部をケース110側から見た斜視図である。
図4は、ベーンポンプ1の高圧のオイルの流路を示すための断面図である。図4は、図6のIV−IV部の断面図でもある。
図5は、ベーンポンプ1の低圧のオイルの流路を示すための断面図である。図5は、図6のV−V部の断面図でもある。
ベーンポンプ1は、例えば車両のエンジンからの動力により駆動されて、作動流体の一例としてのオイルを、例えば油圧式無段変速機や油圧式パワーステアリングなどの機器に供給するためのポンプである。
また、本実施の形態に係るベーンポンプ1は、1つの吸入口116から吸入したオイルを、異なる2つの圧力に高め、2つの圧力の内、高圧のオイルを高圧側吐出口117から吐出し、低圧のオイルを低圧側吐出口118から吐出する。より具体的には、本実施の形態に係るベーンポンプ1は、吸入口116から吸入されて高圧側吸入ポート2(図4参照)からポンプ室に吸入されたオイルを、ポンプ室にて圧力を高めて高圧側吐出ポート4(図4参照)から吐出して高圧側吐出口117から外部に吐出する。加えて、ベーンポンプ1は、吸入口116から吸入されて低圧側吸入ポート3(図5参照)からポンプ室に吸入されたオイルを、ポンプ室にて圧力を高めて低圧側吐出ポート5(図5参照)から吐出して低圧側吐出口118から外部に吐出する。なお、高圧側吸入ポート2、低圧側吸入ポート3、高圧側吐出ポート4及び低圧側吐出ポート5は、ポンプ室に臨む(面する)部分である。
また、本実施の形態に係るベーンポンプ1は、異なる2つの圧力の内の高圧に高めるオイルを吸入するポンプ室の容積Vpが異なる2つの圧力の内の低圧に高めるオイルを吸入するポンプ室の容積Vpよりも小さい。つまり、高圧側吐出口117は、高圧である小容量のオイルを吐出し、低圧側吐出口118は、低圧である大容量のオイルを吐出する。
ベーンポンプ1は、車両のエンジンまたはモータなどからの駆動力を受けて回転する回転軸10と、回転軸10とともに回転するロータ20と、ロータ20に形成された溝に組み込まれた複数のベーン30と、ロータ20およびベーン30の外周を囲むカムリング40とを備えている。
また、ベーンポンプ1は、カムリング40よりも回転軸10の一方の端部側に配置された一方側部材の一例としてのインナプレート50と、カムリング40よりも回転軸10の他方の端部側に配置された他方側部材の一例としてのアウタプレート60とを備えている。
また、ベーンポンプ1は、ロータ20、複数のベーン30、カムリング40、インナプレート50およびアウタプレート60を収容するハウジング100を備えている。ハウジング100は、有底筒状のケース110と、ケース110の開口部を覆うカバー120とを有している。
<回転軸10の構成>
回転軸10は、ケース110に設けられた後述のケース側軸受け111と、カバー120に設けられた後述のカバー側軸受け121とによって回転可能に支持される。回転軸10には、外周面にスプライン11が形成されており、スプライン11を介してロータ20と連結されている。本実施の形態においては、回転軸10は、例えば車両のエンジンなどのベーンポンプ1の外部に配置された駆動源により動力を受けることによって回転し、スプライン11を介してロータ20を回転駆動する。
なお、本実施の形態に係るベーンポンプ1では、回転軸10(ロータ20)は、図2で時計回転方向に回転するように構成されている。
<ロータ20の構成>
図6は、ロータ20、ベーン30及びカムリング40を回転軸方向の一方方向、及び、他方方向に見た図である。
ロータ20は、概形が円筒状の部材である。ロータ20の内周面には、回転軸10のスプライン11(図2参照)が嵌め込まれるスプライン21が形成されている。ロータ20の外周部には、最外周面22から回転中心方向に凹みベーン30を収容するベーン溝23が、周方向に等間隔に(放射状に)複数(本実施の形態においては10個)形成されている。また、ロータ20の外周部には、最外周面22から回転中心方向に凹んだ凹部24が、隣り合う2つのベーン溝23間に形成されている。
ベーン溝23は、ロータ20の最外周面22及び回転軸10の回転軸方向の両端面にそれぞれ開口する溝である。ベーン溝23は、回転軸方向に見た場合には、図6に示すように、外周部側が、回転半径方向が長手方向となる長方形であるとともに、回転中心側が、この長方形の短手方向の長さよりも大きな直径の円形状である。つまり、ベーン溝23は、外周部側に直方体状に形成された直方体状溝231と、回転中心側に円柱状に形成された中心側空間の一例としての円柱状溝232とを有している。
<ベーン30の構成>
ベーン30は、直方体状の部材であり、ロータ20のベーン溝23それぞれに1枚ずつ組み込まれている。ベーン30は、回転半径方向の長さがベーン溝23の回転半径方向の長さよりも小さく、幅がベーン溝23の幅よりも小さい。そして、ベーン30は、回転半径方向に移動可能にベーン溝23に保持される。
<カムリング40の構成>
カムリング40は、概形が筒状の部材であり、カムリング外周面41と、カムリング内周面42と、回転軸方向におけるインナプレート50側の端面であるインナ端面43と、回転軸方向におけるアウタプレート60側の端面であるアウタ端面44とを有している。
カムリング外周面41は、回転軸方向に見た場合に、図6に示すように回転中心からの距離が全周(ただし一部を除く)に渡って略等しい略円形状である。
図7は、カムリング40のカムリング内周面42における回転角度毎の回転中心からの距離Lを示す図である。
カムリング40のカムリング内周面42は、回転軸方向に見た場合に、図7に示すように、回転角度毎の回転中心C(図6参照)からの距離L(言い換えればベーン30のベーン溝23からの突出量)に2つの凸部が存在するように形成されている。つまり、回転中心Cからの距離Lが、図6に示した一方方向に見た図における正の垂直軸を零度とした場合に、反時計回転方向に約20度から約90度にかけて徐々に大きくなるとともに約160度にかけて徐々に小さくなることで1つ目の凸部42aを形成し、約200度から約270度にかけて徐々に大きくなるとともに約340度にかけて徐々に小さくなることで2つ目の凸部42bを形成するように設定されている。本実施の形態に係るカムリング40においては、図7に示すように、1つ目の凸部42aの大きさが、2つ目の凸部42bの大きさよりも大きくなるように回転角度毎の回転中心Cからの距離Lが設定されている。また、2つ目の凸部42bの裾野が、1つ目の凸部42aの裾野よりもなだらかとなるように回転角度毎の回転中心Cからの距離Lが設定されている。つまり、2つ目の凸部42bの裾野における回転角度毎の回転中心Cからの距離Lの変化は、1つ目の凸部42aの裾野における回転角度毎の回転中心Cからの距離Lの変化よりも小さい。そして、凸部以外の部位は、回転中心Cからの距離Lが最小値となるように設定されている。最小値は、ロータ20の最外周面22における回転中心Cからの距離よりも若干大きくなるように設定されている。
なお、以下の説明において、図6に示した一方方向に見た図における正の垂直軸を零度とした場合に、反時計回転方向に零度〜180度の回転角度領域を低圧側、180度〜360度の回転角度領域を高圧側と称する場合がある。
カムリング40には、図6に示すように、インナ端面43から凹んだ複数の凹部であるインナ凹部430と、アウタ端面44から凹んだ複数の凹部であるアウタ凹部440とが形成されている。
インナ凹部430は、図6に示すように、高圧側吸入ポート2を構成する高圧側吸入凹部431と、低圧側吸入ポート3を構成する低圧側吸入凹部432と、高圧側吐出ポート4を構成する高圧側吐出凹部433と、低圧側吐出ポート5を構成する低圧側吐出凹部434とを有している。回転軸方向に見た場合には、高圧側吸入凹部431と低圧側吸入凹部432とは、回転中心Cに対して点対称となるように形成されており、高圧側吐出凹部433と低圧側吐出凹部434とは、回転中心Cに対して点対称となるように形成されている。また、高圧側吸入凹部431及び低圧側吸入凹部432は、回転半径方向にはインナ端面43の全域に渡って凹んでおり、周方向には所定角度だけインナ端面43から凹んでいる。高圧側吐出凹部433及び低圧側吐出凹部434は、回転半径方向には、カムリング内周面42から、カムリング外周面41に至るまでの所定範囲だけインナ端面43から凹んでおり、周方向には所定角度だけインナ端面43から凹んでいる。
アウタ凹部440は、図6に示した他方方向に見た図に示すように、高圧側吸入ポート2を構成する高圧側吸入凹部441と、低圧側吸入ポート3を構成する低圧側吸入凹部442と、高圧側吐出ポート4を構成する高圧側吐出凹部443と、低圧側吐出ポート5を構成する低圧側吐出凹部444とを有している。回転軸方向に見た場合には、高圧側吸入凹部441と低圧側吸入凹部442とは、回転中心Cに対して点対称となるように形成されており、高圧側吐出凹部443と低圧側吐出凹部444とは、回転中心Cに対して点対称となるように形成されている。また、高圧側吸入凹部441及び低圧側吸入凹部442は、回転半径方向にはアウタ端面44の全域に渡って凹んでおり、周方向には所定角度だけアウタ端面44から凹んでいる。高圧側吐出凹部443及び低圧側吐出凹部444は、回転半径方向には、カムリング内周面42から、カムリング外周面41に至るまでの所定範囲だけアウタ端面44から凹んでおり、周方向には所定角度だけアウタ端面44から凹んでいる。
また、回転軸方向に見た場合には、高圧側吸入凹部431と高圧側吸入凹部441とは、同じ位置に設けられ、低圧側吸入凹部432と低圧側吸入凹部442とは、同じ位置に設けられている。低圧側吸入凹部432及び低圧側吸入凹部442は、図6に示した一方方向に見た図における正の垂直軸を零度とした場合に、反時計回転方向に約20度から約90度にかけて設けられており、高圧側吸入凹部431及び高圧側吸入凹部441は、約200度から約270度にかけて設けられている。
また、回転軸方向に見た場合には、高圧側吐出凹部433と高圧側吐出凹部443とは、同じ位置に設けられ、低圧側吐出凹部434と低圧側吐出凹部444とは、同じ位置に設けられている。低圧側吐出凹部434及び低圧側吐出凹部444は、図6に示した一方方向に見た図における正の垂直軸を零度とした場合に、反時計回転方向に約130度から約175度にかけて設けられており、高圧側吐出凹部433及び高圧側吐出凹部443は、約310度から約355度にかけて設けられている。
また、カムリング40には、高圧側吐出凹部433と高圧側吐出凹部443とを連通するように回転軸方向に貫通する孔である高圧側吐出貫通孔45が2つ形成されている。また、カムリング40には、低圧側吐出凹部434と低圧側吐出凹部444とを連通するように回転軸方向に貫通する孔である低圧側吐出貫通孔46が2つ形成されている。
また、カムリング40には、高圧側吸入凹部431と低圧側吐出凹部434との間のインナ端面43と、高圧側吸入凹部441と低圧側吐出凹部444との間のアウタ端面44とを連通するように回転軸方向に貫通する孔である第1貫通孔47が形成されている。また、カムリング40には、低圧側吸入凹部432と高圧側吐出凹部433との間のインナ端面43と、低圧側吸入凹部442と高圧側吐出凹部443との間のアウタ端面44とを連通するように回転軸方向に貫通する孔である第2貫通孔48が形成されている。
<インナプレート50の構成>
図8は、インナプレート50を回転軸方向の一方方向、及び、他方方向に見た図である。
インナプレート50は、概形が中央部に貫通孔が形成された円板状の部材であり、インナ外周面51と、インナ内周面52と、回転軸方向におけるカムリング40側の端面であるインナカムリング側端面53と、回転軸方向におけるカムリング40側とは反対側の端面であるインナ非カムリング側端面54とを有している。
インナ外周面51は、回転軸方向に見た場合には、図8に示すように円形状であり、回転中心Cからの距離は、カムリング40のカムリング外周面41における回転中心Cからの距離と略同じである。
インナ内周面52は、回転軸方向に見た場合には、図8に示すように円形状であり、回転中心Cからの距離は、ロータ20の内周面に形成されたスプライン21(図6参照)の溝底までの距離と略同じである。
インナプレート50には、インナカムリング側端面53から凹んだ複数の凹部で構成されるインナカムリング側凹部530と、インナ非カムリング側端面54から凹んだ複数の凹部で構成されるインナ非カムリング側凹部540とが形成されている。
インナカムリング側凹部530は、カムリング40の高圧側吸入凹部431に対向する位置に形成されて高圧側吸入ポート2を構成する高圧側吸入凹部531と、カムリング40の低圧側吸入凹部432に対向する位置に形成されて低圧側吸入ポート3を構成する低圧側吸入凹部532とを有している。高圧側吸入凹部531と低圧側吸入凹部532とは、回転中心Cに対して点対称となるように形成されている。
また、インナカムリング側凹部530は、カムリング40の低圧側吐出凹部434に対向する位置に形成された低圧側吐出凹部533を有している。
また、インナカムリング側凹部530は、周方向には低圧側吸入凹部532から低圧側吐出凹部533に対応する位置であって、回転半径方向にはロータ20のベーン溝23の円柱状溝232に対向する位置にインナ低圧側凹部534を有している。インナ低圧側凹部534は、周方向に低圧側吸入凹部532に対応する位置に形成された低圧側上流凹部534aと、周方向に低圧側吐出凹部533に対応する位置に形成された低圧側下流凹部534bと、低圧側上流凹部534aと低圧側下流凹部534bとを接続する低圧側接続凹部534cとを有している。
また、インナカムリング側凹部530は、周方向には高圧側吐出凹部433に対応する位置であって、回転半径方向にはロータ20のベーン溝23の円柱状溝232に対向する位置にインナ高圧側凹部535を有している。
また、インナカムリング側凹部530は、カムリング40の第1貫通孔47に対向する位置に形成された第1凹部536と、第2貫通孔48に対向する位置に形成された第2凹部537とを有している。
インナ非カムリング側凹部540は、外周部に形成されて外周側Oリング57(図4参照)が嵌め込まれる溝である外周側溝541と、内周部に形成されて内周側Oリング58(図4参照)が嵌め込まれる溝である内周側溝542とを有している。外周側Oリング57及び内周側Oリング58は、インナプレート50とケース110との間の隙間をシールする。
また、インナプレート50には、カムリング40の高圧側吐出凹部443に対向する位置に、回転軸方向に貫通する孔である高圧側吐出貫通孔55が形成されている。高圧側吐出貫通孔55におけるカムリング40側の開口部と低圧側吐出凹部533の開口部とは、回転中心Cに対して点対称となるように形成されている。
また、インナプレート50には、周方向には高圧側吸入凹部531に対応する位置であって、回転半径方向にはロータ20のベーン溝23の円柱状溝232に対向する位置に、回転軸方向に貫通する孔であるインナ高圧側貫通孔56が形成されている。
<アウタプレート60の構成>
図9は、アウタプレート60を回転軸方向の他方方向、及び、一方方向に見た図である。
アウタプレート60は、概形が中央部に貫通孔が形成された板状の部材であり、アウタ外周面61と、アウタ内周面62と、回転軸方向におけるカムリング40側の端面であるアウタカムリング側端面63と、回転軸方向におけるカムリング40側とは反対側の端面であるアウタ非カムリング側端面64とを有している。
アウタ外周面61は、回転軸方向に見た場合には、図9に示すように、ベースの円形状から2箇所が切り欠かれた形状である。ベースの円形状の回転中心Cからの距離は、カムリング40のカムリング外周面41における回転中心Cからの距離と略同じである。2箇所の切り欠きは、高圧側吸入凹部441に対向する位置に形成されて高圧側吸入ポート2を構成する高圧側吸入切り欠き部611と、低圧側吸入凹部442に対向する位置に形成されて低圧側吸入ポート3を構成する低圧側吸入切り欠き部612とを有している。アウタ外周面61は、回転中心Cに対して点対称となるように形成されており、高圧側吸入切り欠き部611と低圧側吸入切り欠き部612とは、回転中心Cに対して点対称となるように形成されている。
アウタ内周面62は、回転軸方向に見た場合には、図9に示すように円形状であり、回転中心Cからの距離は、ロータ20の内周面に形成されたスプライン21の溝底までの距離と略同じである。
アウタプレート60には、アウタカムリング側端面63から凹んだ複数の凹部で構成されるアウタカムリング側凹部630が形成されている。
アウタカムリング側凹部630は、カムリング40の高圧側吐出凹部443に対向する位置に形成された高圧側吐出凹部631を有している。
また、アウタカムリング側凹部630は、周方向には高圧側吸入切り欠き部611から高圧側吐出凹部631に対応する位置であって、回転半径方向にはロータ20のベーン溝23の円柱状溝232に対向する位置にアウタ高圧側凹部632を有している。アウタ高圧側凹部632は、周方向に高圧側吸入切り欠き部611に対応する位置に形成された高圧側上流凹部632aと、周方向に高圧側吐出凹部631に対応する位置に形成された高圧側下流凹部632bと、高圧側上流凹部632aと高圧側下流凹部632bとを接続する高圧側接続凹部632cとを有している。
また、アウタカムリング側凹部630は、周方向にはカムリング40の低圧側吐出凹部444に対応する位置であって、回転半径方向にはロータ20のベーン溝23の円柱状溝232に対向する位置にアウタ低圧側凹部633を有している。
また、アウタカムリング側凹部630は、回転軸方向に平行であり、アウタ外周面61に直交する面で切断した断面がV字状であり、回転方向の上流側から下流側に行くに従って凹み深さが大きくなる高圧側V溝634を有している。高圧側V溝634における下流側の端部は、高圧側吐出凹部631における上流側の端部に接続している。
また、アウタカムリング側凹部630は、回転軸方向に平行であり、アウタ外周面61に直交する面で切断した断面がV字状であり、回転方向の上流側から下流側に行くに従って凹み深さが大きくなる低圧側V溝635を有している。低圧側V溝635における下流側の端部は、低圧側吐出貫通孔65における上流側の端部に接続している。
また、アウタプレート60には、カムリング40の低圧側吐出凹部444に対向する位置に、回転軸方向に貫通する孔である低圧側吐出貫通孔65が形成されている。低圧側吐出貫通孔65におけるカムリング40側の開口部と高圧側吐出凹部631の開口部とは、回転中心Cに対して点対称となるように形成されている。
また、アウタプレート60には、周方向には低圧側吸入切り欠き部612に対応する位置であって、回転半径方向にはロータ20のベーン溝23の円柱状溝232に対向する位置に、回転軸方向に貫通する孔であるアウタ低圧側貫通孔66が形成されている。
また、アウタプレート60には、カムリング40の第1貫通孔47に対向する位置に、回転軸方向に貫通する孔である第1貫通孔67が、カムリング40の第2貫通孔48に対向する位置に、回転軸方向に貫通する孔である第2貫通孔68が形成されている。
<ハウジング100の構成>
ハウジング100は、ロータ20、ベーン30、カムリング40、インナプレート50及びアウタプレート60を収容する。また、ハウジング100は、回転軸10の一方の端部を内部に収容し、他方の端部を突出させる。
ケース110とカバー120とはボルトにて締め付けられている。
(ケース110の構成)
図10は、ケース110を回転軸方向の一方方向に見た図である。
ケース110は、有底筒状の部材であり、底部の中央部には回転軸10の一方の端部を回転可能に支持するケース側軸受け111を有している。
また、ケース110は、インナプレート50が嵌め込まれるインナプレート嵌合部112を有している。インナプレート嵌合部112は、回転中心Cから近い位置(内径側)にある内径側嵌合部113と、回転中心Cから遠い位置(外径側)にある外径側嵌合部114とを有している。
内径側嵌合部113は、図4に示すように、ケース側軸受け111の外径側に設けられており、インナプレート50のインナ内周面52の一部の周囲を覆う内径側覆い部113aと、インナプレート50が底部側へ移動するのを抑制する内径側抑制部113bとを有している。内径側覆い部113aは、回転軸方向に見た場合に、回転中心Cからの距離が、インナ内周面52における回転中心Cからの距離よりも小さな円形状である。内径側抑制部113bは、回転軸方向に直交するドーナツ状の面であり、内側の円における回転中心Cからの距離は内径側覆い部113aにおける回転中心Cからの距離と同じであり、外側の円における回転中心Cからの距離はインナ内周面52における回転中心Cからの距離よりも小さい。
外径側嵌合部114は、図4に示すように、インナプレート50のインナ外周面51の一部の周囲を覆う外径側覆い部114aと、インナプレート50が底部側へ移動するのを抑制する外径側抑制部114bとを有している。外径側覆い部114aは、回転軸方向に見た場合に、回転中心Cからの距離が、インナ外周面51における回転中心Cからの距離よりも大きな円形状である。外径側抑制部114bは、回転軸方向に直交するドーナツ状の面であり、外側の円における回転中心Cからの距離は外径側覆い部114aにおける回転中心Cからの距離と同じであり、内側の円における回転中心Cからの距離はインナ外周面51における回転中心Cからの距離よりも小さい。
インナプレート50は、インナプレート50の内周側溝542に嵌め込まれた内周側Oリング58が内径側抑制部113bに突き当たるとともに、外周側溝541に嵌め込まれた外周側Oリング57が外径側抑制部114bに突き当たるまで底部側に挿入されている。そして、内周側Oリング58が、インナプレート50の内周側溝542、ケース110の内径側覆い部113a及び内径側抑制部113bに接触するとともに、外周側Oリング57が、インナプレート50の外周側溝541、ケース110の外径側覆い部114a及び外径側抑制部114bに接触することで、ケース110とインナプレート50とがシールされる。これにより、ケース110におけるインナプレート嵌合部112よりも開口部側の空間S1と、インナプレート嵌合部112よりも底部側の空間S2とが区画される。インナプレート嵌合部112よりも開口部側の空間S1は、高圧側吸入ポート2及び低圧側吸入ポート3から吸入されるオイルが流通する吸入流路R1を構成する。インナプレート嵌合部112よりも底部側の空間S2は、高圧側吐出ポート4から吐出されたオイルが流通する高圧側吐出流路R2を構成する。
また、ケース110には、ロータ20、ベーン30、カムリング40、インナプレート50及びアウタプレート60を収容する収容空間とは別に、この収容空間よりも回転半径方向の外側において開口部側から回転軸方向に凹んだケース外側凹部115が形成されている。ケース外側凹部115は、カバー120に形成された後述するカバー外側凹部123に対向し、低圧側吐出ポート5から吐出されたオイルが流通するケース低圧側吐出流路R3を構成する。
また、ケース110には、図1、図2に示すように、インナプレート嵌合部112よりも開口部側の空間S1とケース110の外部とを連通する吸入口116が形成されている。吸入口116は、ケース110の側壁に形成された円柱状の孔であって回転軸方向に直交する方向を柱方向とする孔を含んで構成される。吸入口116は、高圧側吸入ポート2及び低圧側吸入ポート3から吸入されるオイルが流通する吸入流路R1を構成する。
また、ケース110には、図1、図2に示すように、インナプレート嵌合部112よりも底部側の空間S2とケース110の外部とを連通する高圧側吐出口117が形成されている。高圧側吐出口117は、ケース110の側壁に形成された円柱状の孔であって回転軸方向に直交する方向を柱方向とする孔を含んで構成される。高圧側吐出口117は、高圧側吐出ポート4から吐出されたオイルが流通する高圧側吐出流路R2を構成する。
また、ケース110には、図1、図2に示すように、ケース外側凹部115とケース110の外部とを連通する低圧側吐出口118が形成されている。低圧側吐出口118は、ケース110におけるケース外側凹部115の側壁に形成された円柱状の孔であって回転軸方向に直交する方向を柱方向とする孔を含んで構成される。低圧側吐出口118は、低圧側吐出ポート5から吐出されたオイルが流通するケース低圧側吐出流路R3を構成する。
なお、本実施の形態に係るケース110の吸入口116、高圧側吐出口117及び低圧側吐出口118を構成する円柱状の孔の方向(柱方向)は同じである。
(カバー120の構成)
図11は、カバー120を回転軸方向の他方方向に見た図である。
カバー120は、中央部に回転軸10を回転可能に支持するカバー側軸受け121を有している。
カバー120には、アウタプレート60の低圧側吐出貫通孔65及びアウタ低圧側貫通孔66に対向する位置に、ケース110側の端面から回転軸方向に凹んだカバー低圧側吐出凹部122が形成されている。カバー低圧側吐出凹部122は、低圧側吐出貫通孔65に対向する位置に形成された第1低圧側吐出凹部122aと、アウタ低圧側貫通孔66に対向する位置に形成された第2低圧側吐出凹部122bと、第1低圧側吐出凹部122aと第2低圧側吐出凹部122bとを接続する第3低圧側吐出凹部122cとを有する。
また、カバー120には、カバー低圧側吐出凹部122よりも回転半径方向の外側においてケース110側の端面から回転軸方向に凹んだカバー外側凹部123と、カバー低圧側吐出凹部122の第1低圧側吐出凹部122aとカバー外側凹部123とをケース110側の端面よりも回転軸方向の他方方向において接続するカバー凹部接続部124とが形成されている。カバー外側凹部123は、ケース110に形成された上述した収容空間と対向しない位置で開口するように形成されており、ケース外側凹部115と対向する。カバー低圧側吐出凹部122、カバー凹部接続部124及びカバー外側凹部123は、低圧側吐出ポート5から吐出されたオイルが流通するカバー低圧側吐出流路R4(図5参照)を構成する。低圧側吐出ポート5から吐出されたオイルは、カバー凹部接続部124を介してケース低圧側吐出流路R3に流入するとともに、第2低圧側吐出凹部122b及び第3低圧側吐出凹部122cを介してアウタ低圧側貫通孔66に流入する。
なお、第2低圧側吐出凹部122b及び第3低圧側吐出凹部122cは、第1低圧側吐出凹部122aよりも浅くかつ幅も狭く形成されており、アウタ低圧側貫通孔66に流入するオイル量はケース低圧側吐出流路R3に流入するオイル量よりも少ない。
また、カバー120には、アウタプレート60の高圧側吸入切り欠き部611及び低圧側吸入切り欠き部612に対向する部位、及び、ケース110のインナプレート嵌合部112よりも開口部側の空間S1であってカムリング40のカムリング外周面41よりも回転半径方向の外側の空間に対向する部位に、ケース110側の端面から回転軸方向に凹んだカバー吸入凹部125が形成されている。
カバー吸入凹部125は、吸入口116から吸入され、高圧側吸入ポート2及び低圧側吸入ポート3からポンプ室内に吸入されるオイルが流通する吸入流路R1を構成する。
また、カバー120には、アウタプレート60の第1貫通孔67、第2貫通孔68それぞれに対向する位置に、ケース110側の端面から回転軸方向に凹んだ第1カバー凹部127、第2カバー凹部128が形成されている。
<ベーンポンプ1の組み立て方法>
本実施の形態に係るベーンポンプ1は、以下のように組み立てられている。
ケース110のインナプレート嵌合部112に、インナプレート50が嵌め込まれている。インナプレート50のインナカムリング側端面53とカムリング40のインナ端面43とが接触し、カムリング40のアウタ端面44とアウタプレート60のアウタカムリング側端面63とが接触するように、ケース110とカバー120が複数(本実施の形態においては5つ)のボルトにて連結されている。
また、カムリング40に形成された第1貫通孔47、アウタプレート60に形成された第1貫通孔67を通した円筒状又は円柱状の位置決めピンの一方の端部がインナプレート50の第1凹部536にて、他方の端部がカバー120の第1カバー凹部127にて保持されている。また、カムリング40に形成された第2貫通孔48、アウタプレート60に形成された第2貫通孔68を通した円筒状又は円柱状の位置決めピンの一方の端部がインナプレート50の第2凹部537にて、他方の端部がカバー120の第2カバー凹部128にて保持されている。これらにより、インナプレート50、カムリング40、アウタプレート60及びカバー120相互間の位置が定められている。
ロータ20及びベーン30は、カムリング40の内部に収容されている。回転軸10は、一方の端部がケース110のケース側軸受け111に回転可能に支持され、他方の端部がハウジング100から露出させられた状態で一方の端部と他方の端部との間の部位がカバー120のカバー側軸受け121に回転可能に支持されている。
<ベーンポンプ1の作用>
本実施の形態に係るベーンポンプ1は、10枚のベーン30を有し、10枚のベーン30がカムリング40のカムリング内周面42に接触することで、隣接する2枚のベーン30、これら隣接する2枚のベーン30間のロータ20の外周面、これら隣接する2枚のベーン30間のカムリング内周面42、インナプレート50のインナカムリング側端面53及びアウタプレート60のアウタカムリング側端面63とで形成されるポンプ室を10個備えている。1個のポンプ室に着目すると、回転軸10が1回転してロータ20が1回転することにより当該ポンプ室は回転軸10の周囲を1回転する。当該ポンプ室が1回転する過程で、高圧側吸入ポート2から吸入したオイルを圧縮して圧力を高めて高圧側吐出ポート4から吐出するとともに、低圧側吸入ポート3から吸入したオイルを圧縮して圧力を高めて低圧側吐出ポート5から吐出する。なお、本実施の形態に係るベーンポンプ1は、図7に示すように、カムリング40のカムリング内周面42の形状が、回転角度毎の回転中心Cからカムリング内周面42までの距離Lの1つ目の凸部42aの大きさが2つ目の凸部42bの大きさよりも大きくなるように形成されているので、高圧側吐出ポート4から吐出されるオイル量よりも多くの量の低圧のオイルを低圧側吐出ポート5から吐出する。また、2つ目の凸部42bの裾野が、1つ目の凸部42aの裾野よりもなだらかとなるように形成されているので、高圧側吐出ポート4からの吐出圧力は、低圧側吐出ポート5からの吐出圧力よりも高い。
図12は、高圧オイルの流れを示す図である。
高圧側吐出ポート4から吐出されたオイル(以下、「高圧オイル」と称す。)は、インナプレート50の高圧側吐出貫通孔55を通りインナプレート嵌合部112よりも底部側の空間S2に流入し、高圧側吐出口117から吐出される。また、インナプレート50の高圧側吐出貫通孔55を通ってインナプレート嵌合部112よりも底部側の空間S2に流入した高圧オイルの一部は、インナ高圧側貫通孔56を通り、対向するロータ20のベーン溝23の円柱状溝232に流入する。また、ベーン溝23の円柱状溝232に流入した高圧オイルの一部は、アウタプレート60の高圧側上流凹部632aに流入する。アウタプレート60の高圧側上流凹部632aに流入した高圧オイルの一部は、高圧側接続凹部632c(図9参照)を介して高圧側下流凹部632bに流入する。アウタプレート60の高圧側下流凹部632bに流入した高圧オイルの一部は、対向するロータ20のベーン溝23の円柱状溝232に流入し、インナプレート50のインナ高圧側凹部535に流入する。高圧側上流凹部632a、高圧側接続凹部632c及び高圧側下流凹部632bは、高圧側吸入ポート2から高圧側吐出ポート4にかけて設けられているので、高圧側のポンプ室に対応するベーン溝23の円柱状溝232には高圧オイルが流入する。その結果、圧力が高くなった高圧側のポンプ室のオイルによりベーン30が回転中心方向の力を受けたとしても、ベーン溝23の円柱状溝232には高圧オイルが流入しているのでベーン30の先端はカムリング内周面42に接触し易くなる。
図13は、低圧オイルの流れを示す図である。
一方、低圧側吐出ポート5から吐出されたオイル(以下、「低圧オイル」と称す。)は、アウタプレート60の低圧側吐出貫通孔65を通りカバー低圧側吐出凹部122に流入し、低圧側吐出口118から吐出される。また、アウタプレート60の低圧側吐出貫通孔65を通ってカバー低圧側吐出凹部122の第3低圧側吐出凹部122cに流入した低圧オイルの一部は、第2低圧側吐出凹部122bを介してアウタ低圧側貫通孔66を通り、対向するロータ20のベーン溝23の円柱状溝232に流入する。また、ベーン溝23の円柱状溝232に流入した低圧オイルの一部は、インナプレート50の低圧側上流凹部534aに流入する。インナプレート50の低圧側上流凹部534aに流入した低圧オイルの一部は、低圧側接続凹部534c(図8参照)を介して低圧側下流凹部534bに流入する。インナプレート50の低圧側下流凹部534bに流入した低圧オイルの一部は、対向するロータ20のベーン溝23の円柱状溝232に流入し、アウタプレート60のアウタ低圧側凹部633に流入する。低圧側上流凹部534a、低圧側接続凹部534c及び低圧側下流凹部534bは、低圧側吸入ポート3から低圧側吐出ポート5にかけて設けられているので、低圧側のポンプ室に対応するベーン溝23の円柱状溝232には低圧オイルが流入する。その結果、低圧側のポンプ室のベーン30に対応するベーン溝23の円柱状溝232には低圧オイルが流入しているので、高圧オイルが流入している場合に比べて、ベーン30の先端のカムリング内周面42への接触圧は低い。
<吸入ポートの下流端について>
以下に、高圧側吸入ポート2及び低圧側吸入ポート3における、回転方向下流側の端部(以下、「下流端」と称す。)について説明する。
高圧側吸入ポート2は、カムリング40に形成された高圧側吸入凹部431及び高圧側吸入凹部441、インナプレート50に形成された高圧側吸入凹部531、及び、アウタプレート60に形成された高圧側吸入切り欠き部611にて構成される。
低圧側吸入ポート3は、カムリング40に形成された低圧側吸入凹部432及び低圧側吸入凹部442、インナプレート50に形成された低圧側吸入凹部532、及び、アウタプレート60に形成された低圧側吸入切り欠き部612にて構成される。
高圧側吐出ポート4は、カムリング40に形成された高圧側吐出凹部433及び高圧側吐出凹部443、インナプレート50に形成された高圧側吐出貫通孔55、及び、アウタプレート60に形成された高圧側吐出凹部631にて構成される。
低圧側吐出ポート5は、カムリング40に形成された低圧側吐出凹部434及び低圧側吐出凹部444、インナプレート50に形成された低圧側吐出凹部533、アウタプレート60に形成された低圧側吐出貫通孔65にて構成される。
以下の説明において、高圧側吸入ポート2と低圧側吸入ポート3とを区別する必要がない場合には、高圧側吸入ポート2と低圧側吸入ポート3とをまとめて「吸入ポート」と称する場合がある。また、高圧側吐出ポート4と低圧側吐出ポート5とを区別する必要がない場合には、高圧側吐出ポート4と低圧側吐出ポート5とをまとめて「吐出ポート」と称する場合がある。また、高圧側V溝634と低圧側V溝635とを区別する必要がない場合には、高圧側V溝634と低圧側V溝635とをまとめて「V溝」と称する場合がある。
上述した実施の形態に係るベーンポンプ1は、10枚のベーン30を回転半径方向に移動可能に支持して回転するロータ20と、ロータ20の外周面に対向する内周面を有するカムリング40とを有し、ロータ20の回転に応じて、ポンプ室の容積Vpが変化する。ポンプ室の容積Vpが変化することにより、少なくとも吸入工程及び吐出工程に遷移する。
吸入工程は、吸入ポートを介してオイルを吸入する工程である。吸入工程の区間は、吸入ポートを介してオイルを吸入する区間である。吐出工程は、吐出ポートを介してオイルを吐出する工程である。吐出工程の区間は、吐出ポートを介してオイルを吐出する区間である。
そして、本実施の形態に係るベーンポンプ1においては、吸入工程が終了した後、吐出工程が開始する前に、吸入したオイルを圧縮する圧縮工程を行う。圧縮工程の区間は、吸入したオイルを圧縮する区間である。
以下に、吸入工程が終了するタイミング及び吐出工程が開始するタイミングについて説明する。
以下の説明において、ポンプ室を構成する2枚のベーン30の内の上流側のベーン30を上流側ベーン31(図18参照)、下流側のベーン30を下流側ベーン32(図18参照)と称す。
吸入工程が終了するタイミングは、上流側ベーン31が、吸入ポートの下流側の端部(下流端)を通過するタイミングである。上流側ベーン31が、吸入ポートの下流端を通過することで、吸入ポートを介してポンプ室内にオイルを吸入しなくなる。
吐出工程が開始するタイミングは、下流側ベーン32が、吐出ポートの上流側の端部(上流端)を通過したタイミングである。下流側ベーン32が、吐出ポートの上流端を通過することで、吐出ポートを介してポンプ室からオイルを吐出し始める。
図14は、カムリング40及びインナプレート50を一方方向に見た図である。
図15は、カムリング40及びアウタプレート60を他方方向に見た図である。
高圧側吸入ポート2の下流端となる回転角度は、高圧側吸入ポート2を構成するカムリング40に形成された高圧側吸入凹部431及び高圧側吸入凹部441、インナプレート50に形成された高圧側吸入凹部531、及び、アウタプレート60に形成された高圧側吸入切り欠き部611の下流端の回転角度が全て同一であるため、これらの部位の下流端の回転角度となる。例えば、カムリング40の下流端としては、図14及び図15に示す、カムリング40に形成された高圧側吸入凹部431(441)における下流端である高圧側吸入凹部下流端431f(441f)である。また、インナプレート50の下流端としては、例えば、図14に示す、インナプレート50に形成された高圧側吸入凹部531における下流端である高圧側吸入凹部下流端531fである。また、アウタプレート60の下流端としては、図15に示す、アウタプレート60に形成された高圧側吸入切り欠き部611における下流端である高圧側吸入切り欠き部下流端611fである。
低圧側吸入ポート3の下流端となる回転角度は、低圧側吸入ポート3を構成するカムリング40に形成された低圧側吸入凹部432及び低圧側吸入凹部442、インナプレート50に形成された低圧側吸入凹部532、及び、アウタプレート60に形成された低圧側吸入切り欠き部612の下流端の回転角度が全て同一であるため、これらの部位の下流端の回転角度となる。例えば、カムリング40の下流端としては、図14及び図15に示す、カムリング40に形成された低圧側吸入凹部432(442)における下流端である低圧側吸入凹部下流端432f(442f)である。また、インナプレート50の下流端としては、例えば、図14に示す、インナプレート50に形成された低圧側吸入凹部532における下流端である低圧側吸入凹部下流端532fである。また、アウタプレート60の下流端としては、図15に示す、アウタプレート60に形成された低圧側吸入切り欠き部612における下流端である低圧側吸入切り欠き部下流端612fである。
高圧側吐出ポート4の上流側の端部(上流端)となる回転角度は、高圧側吐出ポート4を構成するカムリング40に形成された高圧側吐出凹部433及び高圧側吐出凹部443、インナプレート50に形成された高圧側吐出貫通孔55、及び、アウタプレート60に形成された高圧側吐出凹部631の上流端の回転角度が全て同一であるため、これらの部位の上流端の回転角度となる。例えば、カムリング40の上流端としては、図14及び図15に示す、カムリング40に形成された高圧側吐出凹部433(443)における上流端である高圧側吐出凹部上流端433e(443e)である。また、インナプレート50の上流端としては、例えば、図14に示す、インナプレート50に形成された高圧側吐出貫通孔55における上流端である高圧側吐出貫通孔上流端55eである。また、アウタプレート60の上流端としては、図15に示す、アウタプレート60に形成された高圧側吐出凹部631における上流端である高圧側吐出凹部上流端631eである。
低圧側吐出ポート5の上流側の端部(上流端)となる回転角度は、低圧側吐出ポート5を構成するカムリング40に形成された低圧側吐出凹部434及び低圧側吐出凹部444、インナプレート50に形成された低圧側吐出凹部533、及び、アウタプレート60に形成された低圧側吐出貫通孔65の上流端の回転角度が全て同一であるため、これらの部位の上流端の回転角度となる。例えば、カムリング40の上流端としては、図14及び図15に示す、カムリング40に形成された低圧側吐出凹部434(444)における上流端である低圧側吐出凹部上流端434e(444e)である。また、インナプレート50の上流端としては、例えば、図14に示す、インナプレート50に形成された低圧側吐出凹部533における上流端である低圧側吐出凹部上流端533eである。また、アウタプレート60の上流端としては、図15に示す、アウタプレート60に形成された低圧側吐出貫通孔65における上流端である低圧側吐出貫通孔65eである。
本実施の形態に係るベーンポンプ1においては、吸入工程が終了するタイミングが、ポンプ室の容積Vpが最大となるタイミングとなるように定められている。以下に、その理由について説明する。なお、以下では、高圧側について詳細に説明し、低圧側についての詳細な説明は省略する。
図16は、回転角度毎のポンプ室の容積Vpを示す図である。
以下の説明において、ポンプ室を構成する2枚のベーン30の内の上流側ベーン31の回転角度をこのポンプ室の回転角度とし、この上流側ベーン31を含んで構成されるポンプ室の容積Vpを、この回転角度における容積Vpとする。つまり、上流側ベーン31の回転角度が零度であるとき(上流側ベーン31における回転方向の中心が図6に示した一方方向に見た図における正の垂直軸上に位置するとき)に、この上流側ベーン31を含んで構成されるポンプ室の容積Vを、回転角度零度における容積Vpとする。なお、ベーン30は回転方向に厚みがあるので、ベーン30の回転角度は、回転方向の中心を基準とする。
そして、高圧側(図6に示した一方方向に見た図における正の垂直軸を零度とした場合に、反時計回転方向に180度〜360度の範囲)におけるカムリング40のカムリング内周面42の回転中心Cからの距離Lの最大点の回転角度(以下、「最大距離回転角度」と称する場合がある。)よりも、ポンプ室の容積Vpが最大となる回転角度(以下、「最大容積回転角度」と称する場合がある。)が所定回転角度小さくなるように設定している。つまり、上流側ベーン31が、距離Lの最大距離回転角度よりも所定回転角度小さい回転角度であるときの、この上流側ベーン31を含んで構成されるポンプ室の容積Vpが最大となるように設定されている。なお、所定回転角度は、9度であることを例示することができる。また、以下の説明において、回転角度は、小数点以下切り捨てした回転角度を記すものとする。ゆえに、9度は、9.00度〜9.99度の意味である。本実施の形態に係るベーンポンプ1においては、距離Lの最大点の回転角度(最大距離回転角度)及びポンプ室の容積Vpが最大である回転角度(最大容積回転角度)の区間は、1度未満であり、1度以上に亘って最大となっていない。
そして、本実施の形態に係るベーンポンプ1においては、吸入工程が終了するタイミングがポンプ室の容積Vpが最大となるタイミングとなるように定めている。言い換えれば、吸入ポートの終了点が、距離Lの最大距離回転角度よりも所定回転角度小さい回転角度となるように定めている。つまり、カムリング40に形成された高圧側吸入凹部431(441)の高圧側吸入凹部下流端431f(441f)、インナプレート50に形成された高圧側吸入凹部531の高圧側吸入凹部下流端531f、及び、アウタプレート60に形成された高圧側吸入切り欠き部611の高圧側吸入切り欠き部下流端611fが、距離Lの最大距離回転角度よりも所定回転角度小さい回転角度となるように定めている。
以下に、本実施の形態に係るベーンポンプ1の利点について、比較構成と比較しながら説明する。
比較構成に係るベーンポンプとして、本実施の形態に係るベーンポンプ1に対して、吸入ポートの終了点が、距離Lが最大となる回転角度(最大距離回転角度)に設定された構成を考える。つまり、比較構成における吸入ポートの終了点の回転角度は、本実施の形態における吸入ポートの終了点の回転角度よりも所定回転角度だけ吐出ポート側(下流側)に設定されている。比較構成に係るベーンポンプのその他の点は、本実施の形態に係るベーンポンプ1と同一である。比較構成に係るベーンポンプの吐出ポートの形状と本実施の形態に係るベーンポンプ1の吐出ポートの形状とは同一であるため、比較構成に係るベーンポンプにおける圧縮工程の区間は、本実施の形態に係るベーンポンプ1における圧縮工程の区間よりも短い。
圧縮工程の区間が短いと、ポンプ室に吸入したオイルに含まれる気泡(エア)を潰す期間が短いために、圧縮工程にあるポンプ室(以下、「圧縮工程ポンプ室」と称する場合がある。)内のオイルの圧力(油圧)を高めることが抑制される。そのため、圧縮工程ポンプ室内の油圧と、吐出ポートの油圧との圧力差が大きくなり易くなる。その結果、圧縮工程ポンプ室の吐出工程が開始する前に圧縮工程ポンプ室を構成する下流側ベーン32がV溝に至ったときに、吐出ポートからV溝を介して圧縮工程ポンプ室内にオイルが流入(逆流)するときに生じる音が大きくなる。吐出ポートから圧縮工程ポンプ室内にオイルが流入(逆流)するときに、圧縮工程ポンプ室内の油圧と吐出ポートの油圧との圧力差が大きいほど、オイルの流速が大きくなったり気泡の潰れ量が急激に多くなったりするためである。
上述した比較構成に係るベーンポンプに対して、本実施の形態に係るベーンポンプ1は、圧縮工程の区間が、比較構成に係るベーンポンプに比べて所定回転角度分長い。その結果、本実施の形態に係るベーンポンプ1によれば、比較構成に係るベーンポンプに比べて、圧縮工程ポンプ室内のオイルに含まれる気泡を潰す期間が長くなるので、圧縮工程ポンプ室内の油圧を高めることができる。そのため、本実施の形態に係るベーンポンプ1によれば、比較構成に係るベーンポンプに比べて、圧縮工程ポンプ室内の油圧と吐出ポートの油圧との圧力差が小さくなる。その結果、圧縮工程ポンプ室の吐出工程が開始する前に圧縮工程ポンプ室を構成する下流側ベーン32がV溝に至ったときに、V溝を介して吐出ポートから圧縮工程ポンプ室内にオイルが流入(逆流)するときに生じる音を抑制することができる。
ただし、圧縮工程の区間が長い方がポンプ室内のオイルに含まれる気泡を潰す期間が長くなり、ポンプ室内のオイルの圧力を高めることができる一方で、ポンプ効率の観点からは、ポンプ室内に吸入するオイルの体積Voは多い方が望ましい。
図17は、比較構成に係るベーンポンプにおける回転角度毎のポンプ室内のオイルの体積Voを示す図である。
図17に示すように、比較構成に係るベーンポンプにおいては、吸入ポートの終了点が、距離Lの最大距離回転角度に設定されているとしても、ポンプ室内のオイルの体積Voが、距離Lの最大距離回転角度にて最大とならないことを示している。これは、ポンプ室の容積Vpが最大となる回転角度を越えた回転角度領域においては、吸入ポートが開いてオイルを吸入可能な状態であるにも関わらず、容積Vpが減少しているためにさらにオイルを吸入することができないからだと考える。ポンプ室の容積Vpが最大となる回転角度を越えた回転角度領域において吸入ポートが開いていてもポンプ室内のオイルの体積Voは増加しないことが分かる。
なお、図17に示した、ポンプ室の容積Vpとオイルの体積Voとの差は、気泡(エア)の体積である。
図16に示すように、ポンプ室の容積Vpが最大となる回転角度に至るまでの回転角度領域においては、ポンプ室の容積Vpが徐々に大きくなっているので、ポンプ室内のオイルの体積Voは増加している。また、図17に示すように、ポンプ室の容積Vpが徐々に大きくなっている領域においては、ポンプ室内のオイルの体積Voは増加する。ゆえに、圧縮工程の区間を、比較構成に係るベーンポンプに比べて所定回転角度分長くしたとしても(吸入工程の終了点を最大容積回転角度となるように構成したとしても)、ポンプ室内に吸入するオイルの体積Voは低下しない。
以上の事項に鑑み、本実施の形態に係るベーンポンプ1においては、吸入工程が終了するタイミングがポンプ室の容積Vpが最大となるタイミングとなるように定める。つまり、カムリング40に形成された高圧側吸入凹部431(441)の高圧側吸入凹部下流端431f(441f)、インナプレート50に形成された高圧側吸入凹部531の高圧側吸入凹部下流端531f、及び、アウタプレート60に形成された高圧側吸入切り欠き部611の高圧側吸入切り欠き部下流端611fが、距離Lの最大回転角度よりも所定回転角度小さい回転角度となるように定めている。
図18は、本実施の形態に係るベーンポンプ1における回転角度毎のポンプ室内のオイルの体積Voを示す図である。
図18に示すように、本実施の形態に係るベーンポンプ1においては、比較構成に係るベーンポンプに比べて圧縮工程の区間を長くしても、ポンプ室内のオイルの体積Voは低下しない。また、圧縮工程ポンプ室内の油圧と吐出ポートの油圧との圧力差が小さいことからV溝を介して流入するオイルの流速は小さくなる。それゆえ、気泡の潰れ量が急激に多くなることを抑制することが可能となる。その結果、本実施の形態に係るベーンポンプ1によれば、ポンプ効率の低下を抑制しつつ、圧縮工程の区間を長くして、騒音を抑制することができる。
本実施の形態に係るベーンポンプ1においては、カムリング40のカムリング内周面42における回転中心Cからの距離Lの最大点の回転角度(最大距離回転角度)とポンプ室の容積Vpが最大となる回転角度(最大容積回転角度)との回転角度差を略9度に設定している。本実施の形態に係るベーンポンプ1においては、10枚のベーン30を有するポンプであることから、この回転角度差の、ポンプ室を構成する2枚のベーン30間の回転角度(ベーン間回転角度)に対する割合は、9/(360/10)=0.25である。
それゆえ、本実施の形態に係るベーンポンプ1は、吸入ポートの下流端(終了点)が、カムリング内周面42の回転中心Cからの距離Lの最大点の回転角度(最大距離回転角度)よりも略0.25×(360/10(ベーン枚数))の回転角度分、回転方向の上流側に位置するように設定されていることを特徴とする。例えば、ベーン枚数が12枚である場合には、0.25×(360/12)=7.5度分、吸入ポートの下流端が、カムリング内周面42の回転中心Cからの距離Lの最大点の回転角度よりも上流側に位置するように設定しても良い。
なお、本発明者らが鋭意研究した結果、本実施の形態に係る10枚のベーン30を有するベーンポンプ1においては、吸入ポートの下流端(終了点)が、最大容積回転角度よりも1度小さい(上流側にある)場合には、ポンプ室内に吸入するオイルの体積Voが許容限度を超えて低下することを確認した。
また、圧縮工程の区間が比較構成に係るベーンポンプに比べて長ければ、圧縮工程ポンプ室内の油圧と吐出ポートの油圧との圧力差を比較構成に係るベーンポンプに比べて小さくすることができる。
それゆえ、吸入ポートの下流端が、最大容積回転角度と同じか、最大容積回転角度よりも下流側であって最大距離回転角度(本実施の形態においては9度)よりも上流側に位置するように設定されていることが好ましい。
本実施の形態に係る10枚のベーン30を有するベーンポンプ1においては、吸入ポートの下流端(終了点)が、最大容積回転角度よりも下流側に3度以下の範囲にある場合には、圧縮工程の区間を、比較構成に係るベーンポンプに対して1.5倍以上にすることができる。そして、本発明者らが鋭意研究した結果、吸入ポートの下流端(終了点)が、最大容積回転角度よりも下流側に3度以下の範囲にある場合には、比較構成に係るベーンポンプに対して、吐出ポートから圧縮工程ポンプ室内にオイルが流入(逆流)する際に生じる音を1/1.15以下にすることができることを確認した。ベーン間回転角度に対する回転角度差3度の割合は、3/(360/10)=0.083である。
以上のことより、吸入ポートの下流端(終了点)が、最大容積回転角度を基準として、回転方向の下流側に、0度以上、0.083×(360/(ベーン枚数))以下の回転角度範囲内に位置するように設定されていることが好ましい。これにより、ポンプ効率の低下を抑制しつつ、圧縮工程の区間を長くして、騒音を抑制することが可能となる。
一方、吸入工程の区間が長いほどサージ圧が抑制され、特に高回転時にポンプ室内に吸入するオイルの体積Voが増える。オイルの体積Voが増えると、特に高回転時の吸入効率が上がり、ポンプ効率が高まる。そして、本発明者らが鋭意研究した結果、吸入ポートの下流端が、最大容積回転角度よりも下流側に5度の回転角度から9度までの範囲に位置する場合には、吸入ポートの下流端が最大容積回転角度に位置する場合に対して、オイルの体積Voを0.15%多くすることができることを確認した。それゆえ、特に高回転領域において主に使用されるベーンポンプにおいて、ポンプ効率の低下抑制と騒音抑制とを図るためには、吸入ポートの下流端が、最大容積回転角度よりも下流側に5度の回転角度から9度までの範囲に位置するように設定されていることが好ましい。ベーン間回転角度に対する回転角度5度の割合は、5/(360/10)=0.14であるので、吸入ポートの下流端(終了点)が、最大容積回転角度を基準として、回転方向の下流側に、0.14×(360/(ベーン枚数))以上であって、0.25×(360/(ベーン枚数))未満の回転角度範囲内に位置するように設定されていることが好ましい。
なお、上述した本実施の形態に係るベーンポンプ1においては、距離Lの最大点の回転角度及びポンプ室の容積Vpが最大である回転角度の区間が1度未満である場合に、最大距離回転角度とポンプ室の容積Vpが最大である回転角度との差が所定回転角度(例えば9度)であることを例示した。例えば、ポンプ室の容積Vpが最大である回転角度の区間が1度以上に亘っている場合には、ポンプ室の容積Vpが最大となるとき(なったとき)の回転角度と、最大距離回転角度との差が所定回転角度(例えば9度)であることが望ましい。これにより、ポンプ室内のオイルの体積Voが低減しないようにしつつ、圧縮工程の区間を長くすることが可能となる。
上述したように、本実施の形態に係るベーンポンプ1は、複数枚のベーン30を回転半径方向に移動可能に支持して回転するロータ20と、ロータ20の外周面に対向する内周面を有するカムリング40と、を有し、ロータ20の回転に応じて、ロータ20の外周面、カムリング40の内周面及び複数枚のベーン30の内の隣接する2枚のベーン30にて区画される複数のポンプ室を有する。そして、ポンプ室は、容積Vpが変化することにより、少なくとも吸入工程及び吐出工程に遷移し、吸入工程が終了するタイミングはポンプ室の容積Vpが最大である場合であることを特徴とする。これにより、例えば、吸入工程が終了するタイミングが距離Lの最大距離回転角度であるように設定された比較構成に係るベーンポンプと比べて、ポンプ室内のオイルの体積Voが低減しないようにしつつ、圧縮工程の区間を長くすることができ、吐出ポートの油圧と吐出ポンプ室内の油圧との圧力差を小さくすることができる。
ここで、吸入工程が終了するタイミングはポンプ室の容積Vpが最大となるときであると良い。例えば、ポンプ室の容積Vpが最大である回転角度の区間が1度以上に亘っている場合には、吸入工程が終了するタイミングをポンプ室の容積Vpが最大となるときとすることで、圧縮工程の区間をより長くすることができる。
また、本実施の形態に係るベーンポンプ1においては、ポンプ室の容積Vpが、ロータ20の回転に応じて変化することにより、少なくとも吸入工程及び吐出工程に遷移し、吸入工程終了後であって吐出工程が開始するまでの圧縮区間の一例としての圧縮工程の開始は、距離Lが最大となる回転角度(最大距離回転角度)よりも回転方向上流側である。それゆえ、例えば、圧縮工程の開始が距離Lの最大距離回転角度であるように設定された比較構成に係るベーンポンプと比べて、圧縮工程の区間を長くすることができる。その結果、吐出ポートの油圧と圧縮工程ポンプ室内の油圧との圧力差を小さくすることができる。
なお、上述した実施の形態においては、吸入口116から吸入したオイルを、異なる2つの圧力に高めて吐出することが可能なベーンポンプ1の、高圧側及び低圧側の吸入工程が終了するタイミングを最大容積回転角度としているが、特にかかる態様に限定されない。高圧側又は低圧側のいずれか一方の吸入工程が終了するタイミングのみを最大容積回転角度としても良い。
また、吸入工程が終了するタイミングを最大容積回転角度とするのを、吸入ポートおよび吐出ポートを高圧側および低圧側で異ならせることなくカムリング40のカムリング内周面42の形状を異ならせることで異なる2つの圧力に高めるタイプのベーンポンプに適用しているが、特にかかるタイプのベーンポンプに限定されない。例えば、カムリング40のカムリング内周面42の形状を異ならせることなく、吐出ポート形状などポンプ室から吐出されたオイルの流路を異ならせることで異なる2つの圧力に高めるタイプのベーンポンプに適用してもよい。
また、吸入工程が終了するタイミングを最大容積回転角度とするのを、異なる2つの吐出ポート及び流路を介して同じ圧力に高めたオイルを吐出するベーンポンプに適用しても良い。
また、上述した実施の形態においては、吸入ポートを構成する、カムリング40の吸入凹部(高圧側吸入凹部431及び高圧側吸入凹部441、又は、低圧側吸入凹部432及び低圧側吸入凹部442)、インナプレート50の吸入凹部(高圧側吸入凹部531又は低圧側吸入凹部532)、アウタプレート60の吸入切り欠き部(高圧側吸入切り欠き部611又は低圧側吸入切り欠き部612)の下流端の回転角度が全て同一である。そのため、吸入ポートの下流端の回転角度を最大容積回転角度とするためには、これら全ての部位の下流端の回転角度を最大容積回転角度とすることが好適である。ただし、これらの部位の下流端が全て同一ではない場合には、下流端を構成する部位の下流端の回転角度を最大容積回転角度とすると良い。
1…ベーンポンプ、2…高圧側吸入ポート、3…低圧側吸入ポート、4…高圧側吐出ポート、5…低圧側吐出ポート、10…回転軸、20…ロータ、30…ベーン、40…カムリング、50…インナプレート、60…アウタプレート、100…ハウジング、110…ケース、120…カバー
かかる目的のもと、本発明は、複数枚のベーンを回転半径方向に移動可能に支持して回転するロータと、前記ロータの外周面に対向する内周面を有するカムリングと、を有し、前記ロータの回転中心から前記カムリングの前記内周面までの距離が前記ロータの回転角度に応じて変化していることで、前記ロータの外周面、前記カムリングの内周面及び複数枚の前記ベーンの内の隣接する2枚の前記ベーンにて区画されるポンプ室の容積が変化することにより、少なくとも吸入工程及び吐出工程に遷移するとともに、前記距離が最大となる前記回転角度と、前記ポンプ室を構成する2枚の前記ベーンの内の回転方向の上流側にあるベーンの回転方向の中心の前記回転角度を前記ポンプ室の回転角度とした場合に前記ポンプ室の容積が最大となる前記ポンプ室の回転角度とは異なり、前記吸入工程が終了するタイミングは前記ポンプ室の容積が最大である場合であるベーンポンプ装置である。
かかる目的のもと、本発明は、複数枚のベーンを回転半径方向に移動可能に支持して回転するロータと、前記ロータの外周面に対向する内周面を有するカムリングと、を有し、前記カムリングと前記カムリングを収容するハウジングとの相互間の位置が定められているとともに、前記ロータが前記ハウジングに対して定められた方向に回転するベーンポンプ装置であって、前記ロータの回転中心から前記カムリングの前記内周面までの距離が前記ロータの回転角度に応じて変化していることで、前記ロータの外周面、前記カムリングの内周面及び複数枚の前記ベーンの内の隣接する2枚の前記ベーンにて区画されるポンプ室の容積が変化することにより、少なくとも吸入工程及び吐出工程に遷移するとともに、前記距離が最大となる前記回転角度と、前記ポンプ室を構成する2枚の前記ベーンの内の回転方向の上流側にあるベーンの回転方向の中心の前記回転角度を前記ポンプ室の回転角度とした場合に前記ポンプ室の容積が最大となる前記ポンプ室の回転角度とは異なり、前記吸入工程が終了するタイミングは前記ポンプ室の容積が最大である場合であるベーンポンプ装置である。

Claims (9)

  1. 複数枚のベーンを回転半径方向に移動可能に支持して回転するロータと、
    前記ロータの外周面に対向する内周面を有するカムリングと、
    を有し、
    前記ロータの回転に応じて、前記ロータの外周面、前記カムリングの内周面及び前記複数枚のベーンの内の隣接する2枚のベーンにて区画されるポンプ室の容積が変化することにより、少なくとも吸入工程及び吐出工程に遷移し、前記吸入工程が終了するタイミングは前記ポンプ室の容積が最大である場合である
    ベーンポンプ装置。
  2. 前記吸入工程が終了するタイミングは前記ポンプ室の容積が最大となるときである
    請求項1に記載のベーンポンプ装置。
  3. 前記ロータの回転中心から前記カムリングの内周面までの距離が前記ロータの回転角度に応じて変化することで前記ポンプ室の容積が変化し、
    前記吸入工程が終了する前記回転角度は、前記距離が最大となる前記回転角度よりも回転方向の上流側である
    請求項1又は2に記載のベーンポンプ装置。
  4. 複数枚のベーンを回転半径方向に移動可能に支持して回転するロータと、
    前記ロータの外周面に対向する内周面を有するカムリングと、
    を有し、
    前記ロータの回転に応じて、前記ロータの外周面、前記カムリングの内周面及び前記複数枚のベーンの内の隣接する2枚のベーンにて区画されるポンプ室の容積が変化することにより、少なくとも吸入工程及び吐出工程に遷移し、
    前記隣接する2枚のベーン間の前記回転角度の間隔に対する、前記吸入工程が終了する前記回転角度と前記ポンプ室の容積が最大となる前記回転角度との回転角度差の割合が0以上0.25未満である
    ベーンポンプ装置。
  5. 前記回転角度差の割合が0以上0.083以下である
    請求項4に記載のベーンポンプ装置。
  6. 前記吸入工程が終了する前記回転角度と前記ポンプ室の容積が最大となる前記回転角度とは同じである
    請求項5に記載のベーンポンプ装置。
  7. 前記回転角度差の割合が0.14以上0.25未満である
    請求項4に記載のベーンポンプ装置。
  8. 複数枚のベーンを回転半径方向に移動可能に支持して回転するロータと、
    前記ロータの外周面に対向する内周面を有するカムリングと、
    を有し、
    前記ロータの回転中心から前記カムリングの前記内周面までの距離が前記ロータの回転角度に応じて変化していることで、前記ロータの外周面、前記カムリングの内周面及び前記複数枚のベーンの内の隣接する2枚のベーンにて区画されるポンプ室の容積が、前記ロータの回転に応じて変化することにより、少なくとも吸入工程及び吐出工程に遷移し、前記吸入工程終了後であって前記吐出工程が開始するまでの圧縮区間の開始は、前記距離が最大となる前記回転角度よりも回転方向上流側である
    ベーンポンプ装置。
  9. 前記圧縮区間が開始するタイミングは前記ポンプ室の容積が最大となるときである
    請求項8に記載のベーンポンプ装置。
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