JP2003286653A - フィラメントが一方向に配列されたウェブの製造方法および該ウェブの製造装置 - Google Patents

フィラメントが一方向に配列されたウェブの製造方法および該ウェブの製造装置

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JP2003286653A
JP2003286653A JP2002085653A JP2002085653A JP2003286653A JP 2003286653 A JP2003286653 A JP 2003286653A JP 2002085653 A JP2002085653 A JP 2002085653A JP 2002085653 A JP2002085653 A JP 2002085653A JP 2003286653 A JP2003286653 A JP 2003286653A
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Masaru Ishida
大 石田
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Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィラメントがより高度に一方向に配列した
ウェブを製造する。 【解決手段】 ウェブの製造装置は、溶融ポリマーをフ
ィラメント4として押し出す多数のノズル12aが並列
に配列された紡糸ダイス11と、ノズル12aから押し
出されたフィラメント4を捕集して搬送するコンベア1
とを有する。紡糸ダイス11は、ノズル12aの列方向
に平行な軸を中心に往復揺動しながらフィラメント4を
押し出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィラメントが一
方向に配列されたウェブの製造方法およびそのウェブの
製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】不織布の製法としては、ポリマーから紡
糸したフィラメント群からウェブを形成し直ちにフィラ
メント間を接着する、スパンボンド法、メルトブロー
法、フラッシュ紡糸法(以下、これらの製法を広義のス
パンボンド法と呼び、また、これらの製法によって製造
された不織布を広義のスパンボンド不織布と呼ぶ)があ
る。広義のスパンボンド不織布は、経済性および量産性
に優れることから、不織布の主流をなしている。
【0003】従来の広義のスパンボンド不織布はフィラ
メントがランダムな方向に配列されたランダム不織布で
あるため、強度が小さく、寸法安定性の無いものが多か
った。そこで、フィラメントの配列性を向上させるため
の種々の提案がなされている。
【0004】例えば、フィラメントを縦方向に配列させ
る方法として、特公昭60−25541号公報には、フ
ィラメントの射出方向に対してコンベアを傾斜させるこ
とによってフィラメントを高度に一方向に配列させる方
法が記載されている。また、特開平7−3604号公報
には、気流とともに噴出させたフィラメントを通気性の
あるコンベア上に堆積させ、このコンベアの裏側に気流
遮断手段を設けて気流の制御を行うことにより、フィラ
メントを縦方向に広げ、配列性を向上させる方法が記載
されている。一方、フィラメントを横方向に配列させる
方法としては、特公平3−36958号公報および特許
第1992584号に、紡糸ノズルの周囲に、それぞれ
ノズルの円周方向成分を持ってエアを噴射する複数の第
1のスプレーノズルを配するとともに、第1のスプレー
ノズルの外側に、ウェブの搬送方向と平行な方向で互い
に衝突するように配された2つの第2のスプレーノズル
を配し、第1のスプレーノズルでフィラメントをスパイ
ラル状に回転させ、それを第2のスプレーノズルで横方
向に広げることで、フィラメントを横方向に配列させる
方法が開示されている。また、特許第2612203号
には、コンベアに工夫を施すことでフィラメントを横方
向に配列させる方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年の不織布工業の発
展により、不織布の適用範囲が急速に拡大しており、不
織布には更なる強度および寸法安定性が要求されてい
る。一般に、不織布の強度および寸法安定性を向上させ
るには、フィラメントを延伸するのが最も効果的であ
る。フィラメントの延伸は、コンベア上にウェブとして
堆積した状態でウェブをフィラメントの配列方向に延伸
するのが簡易な方法である。しかし、ウェブの延伸前に
おいてフィラメントが一方向に配列されていないと、ウ
ェブを延伸してもフィラメントの間隔が広がるだけでフ
ィラメントが実質的に延伸される確率が低くなり、延伸
後の十分な強度および寸法安定性が得られなくなる。従
来の不織布の製造方法では、フィラメントを高度に配列
させる程度が不十分であり、近年要求されているような
高い強度および寸法安定性を有する不織布を製造するの
は困難であった。つまり、更なる高い強度および寸法安
定性を有する不織布を製造するには、ウェブに対しても
更に高度にフィラメントが一方向に配列されていること
が要求される。
【0006】そこで本発明は、フィラメントをより高度
に一方向に配列させることのできる、ウェブの製造方法
および製造装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明のウェブの製造方法は、並列に配列されそれぞれ
溶融ポリマーをフィラメントとして下向きに押し出す複
数のノズルを備えた紡糸手段と、前記複数のノズルから
押し出されたフィラメントを捕集し搬送するコンベアと
を用いたウェブの製造方法であって、前記紡糸手段を前
記ノズルの列方向に平行な軸を中心に往復揺動させなが
ら、前記ノズルからフィラメントを押し出す工程を有す
る。
【0008】また、本発明のウェブの製造装置は、並列
に配列されそれぞれ溶融ポリマーをフィラメントとして
下向きに押し出す複数のノズルを備えた紡糸手段と、前
記複数のノズルから押し出されたフィラメントを捕集し
搬送するコンベアとを有し、前記紡糸手段は前記ノズル
の列方向に平行な軸を中心に往復揺動される。
【0009】本発明によれば、ノズルから押し出された
フィラメントは、コンベア上に捕集され、そのままコン
ベアで搬送されることでウェブとなる。ここで、紡糸手
段は、ノズルの列方向に平行な軸を中心に往復揺動しな
がら、ノズルからフィラメントを押し出す。これにより
フィラメントは、紡糸手段が揺動する方向に振られなが
らコンベア上に捕集され、結果的にフィラメントが一方
向に高度に配列されたウェブが得られる。
【0010】また、本発明では、上述のように紡糸手段
自身を揺動させてフィラメントを振らせているので、フ
ィラメントを細化するための熱風を噴射する熱風噴射部
を紡糸手段に設けた場合であっても、熱風がフィラメン
トに与える影響の変動が少なくなり、太さが均一なフィ
ラメントが得られる。
【0011】本発明において、フィラメントの配列方向
や延伸方向等を説明する場合に用いる「縦方向」とは、
ウェブまたは不織布を製造する際の機械方向すなわちウ
ェブまたは不織布の送り方向を意味し、「横方向」と
は、縦方向と直角な方向すなわちウェブまたは不織布の
幅方向を意味する。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0013】図1は、本発明の一実施形態である、メル
トブロー法によるウェブの製造装置の概略正面図であ
る。図1に示す装置は、フィラメント4が縦方向に配列
されたウェブ8を製造するものであり、フィラメント4
を紡糸する紡糸ダイス11と、紡糸されたフィラメント
4を捕集し搬送するコンベア1とを有する。なお、図1
において、紡糸ダイス11は内部構造が分かるように断
面で示している。
【0014】紡糸ダイス11は、その内部が樹脂導管1
2と熱風導管13とを有する二重管構造となっている、
略円筒形状の装置であり、軸線方向がコンベア1の幅方
向と平行になるように設置されている。紡糸ダイス11
は、不図示の駆動源により、紡糸ダイス11の軸線を中
心として矢印Aに示すように一定の範囲内で往復揺動可
能に設けられている。
【0015】樹脂導管12には、押出機(不図示)から
ギアポンプ(不図示)経て、フィラメント4の原料であ
る溶融樹脂が連続的に供給される。樹脂導管12の周面
には、樹脂導管12に供給された溶融樹脂が押し出され
る多数のノズル12aが、紡糸ダイス11の軸線方向に
沿って並列に配列されて設けられている。樹脂導管12
に供給された溶融樹脂が、これら各ノズル12aから押
し出されることによって、多数本のフィラメント4が形
成される。
【0016】熱風導管13は樹脂導管12の外側に配置
されており、樹脂導管12との間に形成される空間に
は、熱風が供給される。ノズル12aの両側、詳しく言
えば、各ノズル12aの中心線を通る平面に垂直な方向
についてノズル12aの両側には、それぞれ紡糸ダイス
11の軸線方向(コンベア1の幅方向)に沿って設けら
れ、樹脂導管12と熱風導管13との間の空間に連通
し、かつノズル12aに隣接する位置に開口するスリッ
ト13aが形成されている。つまり、樹脂導管12と熱
風導管13との間の空間は、スリット13aに熱風を供
給するための熱風供給路となっている。熱風供給路に
は、フィラメント4の原料となる樹脂の融点以上に加熱
された高圧エアが送入され、熱風供給路に送入された高
圧エアは、スリット13aから熱風としてフィラメント
4に向けて噴出される。
【0017】スリット13aから噴出された熱風によ
り、ノズル12aから押し出されたフィラメント4は溶
融状態に維持され、熱風との摩擦力によりフィラメント
4に張力が与えられ、フィラメント4が細化される。熱
風の温度は、フィラメント4の紡糸温度よりも80℃以
上、望ましくは120℃以上高くする。
【0018】ノズル12aから溶融樹脂をフィラメント
4として押し出し、押し出されたフィラメント4を熱風
で細化する方法では、熱風の温度を高くすることによ
り、ノズル12aから押し出された直後のフィラメント
4の温度をフィラメント4の融点よりも十分に高くする
ことができるため、フィラメント4の結晶化度を小さく
することができる。
【0019】コンベア1は、紡糸ダイス11の下方に配
置される。コンベア1は、不図示の駆動源により回転さ
れるコンベアローラ1aやその他のローラに掛け回され
ている。これらのローラの回転によりコンベア1を駆動
することで、ノズル12aから押し出されたフィラメン
ト4がコンベア1上に捕集されて得られるウェブ8は、
図1において左側から右側へ搬送される。
【0020】上述したウェブ製造装置でウェブ8を形成
する際は、紡糸ダイス11をコンベア1の幅方向と平行
な軸線を中心に揺動させながら、ノズル12aからフィ
ラメント4を押し出す。紡糸ダイス11を揺動させるこ
とにより、フィラメント4が押し出される向きがコンベ
ア1によるウェブ8の搬送方向すなわち縦方向に変化す
る。その結果、フィラメント4は縦方向に振られ、折り
畳まれながらコンベア1上に捕集される。したがって、
コンベア1上でのフィラメント4の縦方向への配列性を
向上させ、かつ、コンベア1上でのフィラメント4の折
り畳み幅Sを大きくすることができる。このようなフィ
ラメント4の配列は、ウェブ8の縦方向の強度を向上さ
せるのに効果がある。
【0021】フィラメント4が縦方向に配列されたウェ
ブ8を製造しようとした場合、フィラメント4を細化す
るための熱風を利用し、この熱風の流れを周期的に変動
させてフィラメント4を振らせることも考えられる。こ
の場合は、熱風の流れすなわちフィラメント4の流れだ
けでなく、フィラメント4の細化にも影響を与えるの
で、フィラメント4の太さも変動してしまうことが懸念
される。しかし、本実施形態のように紡糸ダイス11自
身を揺動させ、紡糸ダイス11によってフィラメント4
を直接振っているので、紡糸ダイス11から噴射される
熱風によるフィラメント4の細化に与える影響を少なく
することができる。その結果、フィラメント4の太さも
均一になり、風合いが均一なウェブ8を製造することが
できる。
【0022】フィラメント4の振れ幅は、紡糸ダイス1
1の揺動範囲に最も大きく依存する。すなわち、紡糸ダ
イス11の揺動範囲が大きいほど、フィラメント4の振
れ幅を大きくすることができる。したがって、目的とす
るフィラメント4の振れ幅に応じて紡糸ダイス11の揺
動範囲が設定される。また、フィラメント4を左右にバ
ランス良く振らせるためには、紡糸ダイス11の軸線を
通る鉛直面に対して対称となるように紡糸ダイス11を
揺動させることが好ましい。
【0023】図1ではフィラメント4が縦方向に配列さ
れたウェブ8を製造するための装置を示したが、紡糸ダ
イス11の配置を変えることによって、フィラメント4
が横方向に配列されたウェブ8を製造することもでき
る。図2に、フィラメントが横方向に配列されたウェブ
の製造装置の一例を示す。図2において、(a)は正面
図、(b)は側面図を示す。また、図2では紡糸ダイス
の配置が図1と異なるだけであるので、図1と同様の構
成については図1と同じ符号を付している。
【0024】図2に示すように、フィラメント4を横方
向に配列させるためには、紡糸ダイス11を、そのノズ
ル12aの列方向がコンベア1によるウェブ8の搬送方
向と平行になるように配置する。これにより、紡糸ダイ
ス11はコンベア1によるウェブ8の搬送方向と平行な
軸線を中心に揺動するので、ノズル12aから押し出さ
れたフィラメント4は横方向に振られながらコンベア1
上に捕集され、横方向へのフィラメント4の配列性が向
上したウェブ8を得ることができる。
【0025】図1に示した配置では、ウェブ8の幅はノ
ズル12aの配列幅に依存するが、図2に示した配置で
は、ウェブ8の幅はフィラメント4の振れ幅Sに依存す
る。したがって、図2に示した配置では、フィラメント
4の振れ幅Sを適宜設定することによって、ウェブ8の
幅を自由に変更することができる。
【0026】ところで、通常のメルトブロー紡糸では、
フィラメントは熱風とともにコンベアに直線的に衝突す
るので、コンベアに到達するまでの時間すなわち冷却時
間が短い。また、ノズルとコンベアとの距離を大きくし
過ぎると、ウェブの地合(坪量の部分的な均一性)が悪
くなる。従って、通常のメルトブロー紡糸では、ノズル
とコンベアとの距離は300mm前後とされている。こ
れに対し本発明によれば、フィラメント4の振れ幅Sが
大きくなるので、フィラメント4がコンベア1に到達す
るまでの時間が長くなり、紡糸ダイス11とコンベア1
との距離を大きくしなくてもフィラメント4を良好に冷
却することができる。
【0027】以上、本発明について、代表的な幾つかの
例を挙げて説明した。以下に、本発明に適用可能なフィ
ラメントおよび他の付加的な構成要素の例について説明
する。
【0028】〈フィラメント〉本発明に用いられるフィ
ラメントに適合するポリマーとしては、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化
ビニル系樹脂、ポリウレタン、フッ素系樹脂などの熱可
塑性樹脂およびこれらの変性樹脂を用いることができ
る。また、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアクリル
ニトリル系樹脂などの、湿式または乾式の紡糸装置によ
る樹脂も使用することができる。
【0029】本発明におけるフィラメントは長繊維フィ
ラメントである。一般的には、長繊維フィラメントとは
平均長が100mmを超えるものを言い、本発明のよう
に連続的に紡糸されたフィラメントは長繊維フィラメン
トに含まれる。また、紡糸直後のフィラメントの直径が
50μm以上ではフィラメントが剛直で交絡が不十分に
なる。そこで本発明に用いられるフィラメントの直径
は、好ましくは30μm以下であり、より好ましくは2
5μm以下である。特に強度の強いウェブを望む場合
は、ウェブの紡糸後、ウェブを横方向に延伸するのが望
ましい。その場合の延伸後のフィラメントの直径は5μ
m以上であることが望ましい。フィラメントの直径及び
長さは、拡大顕微鏡写真より測定し、長さについては3
0本の平均値、直径については100本の平均値で示
す。
【0030】〈付加的な構成要素〉得られたウェブは、
そのままでも使用可能であるが、さらに、フィラメント
の配列方向に延伸することにより、フィラメントの配列
性をより向上させることができる。したがって、フィラ
メントの配列方向にウェブを延伸する延伸装置を付加す
ることが好ましい。このとき、フィラメントの配列性が
良いものほど、ウェブの延伸時にフィラメントが実質的
に延伸される確率が高くなり、最終延伸ウェブの強度も
大きくなる。フィラメントの配列が悪いと、ウェブを延
伸してもフィラメントの折り畳み構造やフィラメントの
間隔が広がるだけでフィラメントが実質的に延伸される
確率が低くなり、延伸後の十分な強度が得られなくな
る。また、ウェブの段階でフィラメントを高度に一方向
に配列させることで、延伸時のフィラメントの切れを防
止することができる。
【0031】フィラメントが縦方向に配列されたウェブ
は縦方向に延伸される。ウェブの縦方向への延伸には、
1段で全延伸する場合もあるが、主に多段延伸法が用い
られている。多段延伸法においては、1段目の延伸は紡
糸直後の予備延伸として行われ、さらにその後に延伸す
る2段目以降の延伸が主延伸として行われている。その
中でも特に、多段延伸の1段目の延伸に近接延伸法を用
いることが好ましい。
【0032】近接延伸とは、隣接する2組のロールの表
面速度の差によりウェブを延伸する方式において、短い
延伸間距離(延伸の開始点から終点までの距離)を保っ
て延伸を行うものであり、延伸間距離が100mm以下
であることが望ましい。特に、フィラメントが全体とし
て縦方向に配列していても個々にはある程度屈曲してい
る場合には、できるだけ延伸間距離を短く保つことが、
個々のフィラメントを有効に延伸する上で重要である。
近接延伸における熱は、通常は延伸するロールを加熱す
ることにより与えられ、その延伸点が熱風や赤外線によ
り補助的に加熱される。また、近接延伸の際の熱源とし
ては、温水や蒸気等も使用することができる。
【0033】一方、多段延伸においては、2段目以降の
延伸には近接延伸ばかりでなく、通常のウェブの延伸に
用いられる種々の手段を適用することができる。例え
ば、ロール延伸、温水延伸、蒸気延伸、熱盤延伸、ロー
ル圧延等の延伸方式である。近接延伸が必ずしも必要な
いのは、1段目の延伸で既に個々のフィラメントが縦方
向に長くわたっているためである。
【0034】一方、フィラメントが横方向に配列された
ウェブは横方向に延伸される。ウェブを横方向に延伸す
る手段としては、例えば、フィルムの2軸延伸に用いら
れているテンター式の横延伸装置や、特公平3−369
48号公報に記載されるプーリ式の横延伸装置や、周方
向に沿った溝がそれぞれ形成された2つの溝付きローラ
でウェブを挟むことによりウェブを横方向に延伸する溝
ローラ式の横延伸装置を用いることができる。それらの
延伸装置のうち、プーリ式の横延伸装置は、安価で簡便
な方法であり、しかも延伸倍率を自由に変化させること
ができ高倍率延伸も可能であるので、本発明に用いられ
る横延伸装置として最も適している。
【0035】なお、延伸後のウェブの幅を非常に大きく
したい場合には、通常の延伸温度での横延伸の前に、通
常の延伸温度よりも高い温度(ポリエステルの場合は5
〜10℃高い温度、ポリプロピレンの場合は20〜30
℃高い温度)で予備延伸を行う方法が有効である。その
場合の横延伸装置としては上述の延伸装置を使用するこ
とができる。
【0036】ウェブの延伸において、延伸前のウェブに
軽くエンボス処理を施し、その後に延伸することによ
り、延伸倍率を高くすることができ、延伸後の強度も向
上し、また、延伸切れ等のトラブルも少ない安定した延
伸を行うことができる。この場合のエンボスパターン
は、延伸方向と直角な方向に方向性を持つパターンであ
ることが望ましい。エンボス温度は、延伸温度+5℃よ
りも低い温度とするのが好ましい。エンボス圧力は、高
すぎるとウェブのフィラメントを損傷し延伸切れの原因
となるので、線圧で3N/cm〜50N/cmの範囲が
好ましく、より好ましくは8N/cm〜30N/cmの
範囲、最も好ましくは10N/cm〜25N/cmの範
囲である。なお、エンボスローラの場合、ウェブはその
全幅が一様にエンボスローラで加圧されるわけではな
く、エンボス圧力はエンボス箇所の一点一点にかかるわ
けではない。しかし、ここで実施されるエンボスではエ
ンボス圧力は十分に小さい圧力でよく厳密に計算する必
要はないので、ここではエンボス圧力を、通常の線圧と
同様に、 線圧(N/cm)=押下力(N)/エンボスローラ幅
(cm) で定義している。
【0037】ウェブの延伸倍率は、ウェブを構成するフ
ィラメントのポリマーの種類やウェブの紡糸手段、目的
とする縦方向及び横方向の強度や伸度等によって異な
る。しかし、いずれの種類や手段を用いるにしろ、本発
明の目的であるウェブの高配列性、高強度を達成できる
延伸倍率が選択される。
【0038】その延伸倍率は、延伸前のウェブに延伸方
向に一定の間隔で入れたマークにより以下の式で定義さ
れる。 延伸倍率=[延伸後のマーク間の長さ]/[延伸前のマ
ーク間の長さ] ここでいう延伸倍率は、通常の長繊維フィラメントヤー
ンを延伸する場合のように、必ずしもフィラメント1本
1本の延伸倍率を意味しない。
【0039】ウェブは、前述したように、フィラメント
の配列方向に延伸することにより、フィラメントの配列
性をさらに向上させることができる。しかし、フィラメ
ントの結晶化度が大きい場合は、フィラメントに伸度が
なく、延伸張力が高くなるので、高倍率の後延伸が困難
になる場合もある。高倍率の後延伸を望む場合は、ノズ
ル直下でフィラメントを冷却することによりフィラメン
トの結晶化度を小さくするのが有効である。その手段と
して最も有効なのが、紡糸装置とコンベアとの間に、高
速気流中へ霧状の水を噴霧するスプレーノズル(不図
示)を設け、高速気流に霧状の液体を含ませることであ
る。
【0040】その霧状の液体に、いわゆる紡糸・延伸用
油剤と称する延伸性や静電除去等の性質を付与すること
ができる油剤を添加することも、その後の延伸性を向上
させるとともに、毛羽も少なくすることができ、さらに
延伸後の強度及び伸度も向上させることができるという
点で有効である。なお、スプレーノズルから噴射される
流体は、フィラメントを冷却することができるものであ
れば必ずしも水分等を含む必要はなく、冷エアーであっ
てもよい。
【0041】本発明により得られるウェブは、引張強度
および寸法安定性に優れており、一方向に強度を要する
不織布や直交不織布の原料ウェブとして使用することが
できる。また、本発明によるウェブは、一方向の強度が
要求されるウェブとしてそのまま使用できる他、紙、不
織布、布、フィルム等の横方向の強度の補強用として、
これらと積層して用いることもできる。また、本発明に
よるウェブを延伸したものは光沢が良く、その光沢を活
かした包装材料等に用いることができる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、紡
糸手段をノズルの列方向に平行な軸を中心に揺動させな
がらノズルからフィラメントを押し出すことによって、
フィラメントの配列性を向上させ、フィラメントの配列
方向についての強度および寸法安定性に優れたウェブを
製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィラメントが縦方向に配列されたウェブを製
造するための、本発明の一実施形態によるウェブ製造装
置の正面図である。
【図2】フィラメントが横方向に配列されたウェブを製
造するための、本発明の他の実施形態によるウェブ製造
装置の図であり、同図(a)は正面図、同図(b)は側
面図を示す。
【符号の説明】
1 コンベア 1a コンベアローラ 4 フィラメント 8 ウェブ 11 紡糸ダイス 12 樹脂導管 12a ノズル 13 熱風導管 13a スリット

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 並列に配列されそれぞれ溶融ポリマーを
    フィラメントとして下向きに押し出す複数のノズルを備
    えた紡糸手段と、前記複数のノズルから押し出されたフ
    ィラメントを捕集し搬送するコンベアとを用いたウェブ
    の製造方法であって、 前記紡糸手段を前記ノズルの列方向に平行な軸を中心に
    往復揺動させながら、前記ノズルからフィラメントを押
    し出す工程を有するウェブの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記紡糸手段は、前記ノズルから押し出
    されたフィラメントを細化するために前記フィラメント
    に熱風を噴射する熱風噴射部を一体的に有し、 前記フィラメントを押し出す工程は、前記熱風噴射部か
    ら熱風を噴射する工程を含む、請求項1に記載のウェブ
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 並列に配列されそれぞれ溶融ポリマーを
    フィラメントとして下向きに押し出す複数のノズルを備
    えた紡糸手段と、 前記複数のノズルから押し出されたフィラメントを捕集
    し搬送するコンベアとを有し、 前記紡糸手段は前記ノズルの列方向に平行な軸を中心に
    往復揺動される、ウェブの製造装置。
  4. 【請求項4】 前記紡糸手段は、前記ノズルから押し出
    されたフィラメントを細化するために前記フィラメント
    に熱風を噴射する熱風噴射部を有する、請求項3に記載
    のウェブの製造装置。
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