JP2001032160A - 伸縮性を有する複合シート、該複合シートの製造方法、及び前記複合シートの製造装置 - Google Patents
伸縮性を有する複合シート、該複合シートの製造方法、及び前記複合シートの製造装置Info
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- JP2001032160A JP2001032160A JP2000141810A JP2000141810A JP2001032160A JP 2001032160 A JP2001032160 A JP 2001032160A JP 2000141810 A JP2000141810 A JP 2000141810A JP 2000141810 A JP2000141810 A JP 2000141810A JP 2001032160 A JP2001032160 A JP 2001032160A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 一方向には大きな伸縮性を有するが他の方向
には殆ど伸縮しない、不織布とエラストマーとの複合シ
ートを提供する。 【解決手段】 複合シート501は、不織布502と、
不織布502上に接合された、熱可塑性のエラストマー
504のストランドとを有する。不織布502は、フィ
ラメント503が不織布502の縦方向に配列され延伸
されて構成される。エラストマー504のストランド
は、フィラメント503の配列方向と略直角方向に配列
されて不織布502と接合されている。
には殆ど伸縮しない、不織布とエラストマーとの複合シ
ートを提供する。 【解決手段】 複合シート501は、不織布502と、
不織布502上に接合された、熱可塑性のエラストマー
504のストランドとを有する。不織布502は、フィ
ラメント503が不織布502の縦方向に配列され延伸
されて構成される。エラストマー504のストランド
は、フィラメント503の配列方向と略直角方向に配列
されて不織布502と接合されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非弾性ファイバー
が一方向に配列した不織布と熱可塑性エラストマーのス
トランドとの複合シート、その製造方法、およびその製
造装置に関するものである。
が一方向に配列した不織布と熱可塑性エラストマーのス
トランドとの複合シート、その製造方法、およびその製
造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】不織布と弾性体との複合シートに関して
は各種の提案がなされている(例えば、特開平8−17
4764号公報、特開平9−132856号公報、特開
平9−279453号公報、特開平11−222759
号)。しかしながら、これらの複合シートは、単純な弾
性体と不織布との複合シートであり、弾性体および不織
布それぞれの方向性についての規制が不十分であった。
従って、これらの複合シートは、伸縮特性が悪いもので
あった。さらに、上記の複合シートの製法は、接合工程
が複雑であり、効率よく安価に複合シートを製造するこ
とができなかった。特に熱可塑性エラストマーの使用量
を少なくしかつ効率よく接合することが望まれている。
は各種の提案がなされている(例えば、特開平8−17
4764号公報、特開平9−132856号公報、特開
平9−279453号公報、特開平11−222759
号)。しかしながら、これらの複合シートは、単純な弾
性体と不織布との複合シートであり、弾性体および不織
布それぞれの方向性についての規制が不十分であった。
従って、これらの複合シートは、伸縮特性が悪いもので
あった。さらに、上記の複合シートの製法は、接合工程
が複雑であり、効率よく安価に複合シートを製造するこ
とができなかった。特に熱可塑性エラストマーの使用量
を少なくしかつ効率よく接合することが望まれている。
【0003】また、伸縮性を有する複合シートとして、
使用される製品の部位に応じて、縦方向あるいは横方向
のいずれか一方向にのみ伸縮性が必要な複合シートが要
望されている。
使用される製品の部位に応じて、縦方向あるいは横方向
のいずれか一方向にのみ伸縮性が必要な複合シートが要
望されている。
【0004】従来の複合シートでは、不織布の目付重量
を小さくすると、必要な強度が得られず、目付重量が1
0g/m3以下では、一般的な装置では引っ張り強度が
不足し十分な張力がかけられないため、加工時に破断や
変形が起こり、加工が困難であるといった問題があっ
た。
を小さくすると、必要な強度が得られず、目付重量が1
0g/m3以下では、一般的な装置では引っ張り強度が
不足し十分な張力がかけられないため、加工時に破断や
変形が起こり、加工が困難であるといった問題があっ
た。
【0005】また、この分野における先行技術として、
スパンボンド不織布を軽くエンボス加工した後、縦方向
に延伸してに幅を縮め、さらにエンボス加工する方法が
ある(特開平9−132856号公報参照)。この方法
では、2回のエンボス工程が必要であるので、工程が複
雑でかつ作業性が悪い。また、横方向の伸びを一定に保
つためには、エンボス条件が微妙であるために、安定し
た物性が得られないことが多い。また、不織布を幅方向
に縮ませるので、両側端での厚みが厚くなる傾向があ
り、結果的に、厚みが幅方向に均一な製品を製造するの
が困難となり、歩留まりが低下するといった欠点があっ
た。
スパンボンド不織布を軽くエンボス加工した後、縦方向
に延伸してに幅を縮め、さらにエンボス加工する方法が
ある(特開平9−132856号公報参照)。この方法
では、2回のエンボス工程が必要であるので、工程が複
雑でかつ作業性が悪い。また、横方向の伸びを一定に保
つためには、エンボス条件が微妙であるために、安定し
た物性が得られないことが多い。また、不織布を幅方向
に縮ませるので、両側端での厚みが厚くなる傾向があ
り、結果的に、厚みが幅方向に均一な製品を製造するの
が困難となり、歩留まりが低下するといった欠点があっ
た。
【0006】特開平9−279453号公報、特開平9
−279460号公報も、この分野の先行技術を開示し
たものであるが、これらの公報に開示されたものは延伸
方法が適当でなく、幅の収縮を伴う延伸である点で、前
記特開平9−132856号公報と同様に、均一な製品
が得られにくく、歩留まりが低いという問題を有する。
これらの発明は、熱可塑性エラストマーと複合すること
なく、不織布単体で伸縮性を出すための種々の要件を求
めている。またこれらの発明は、延伸倍率を1.4〜4
倍としているが、上記のように幅の縮小を伴うことを考
慮すると後述する本発明で定義する延伸倍率としては2
倍以下であると想定できる。
−279460号公報も、この分野の先行技術を開示し
たものであるが、これらの公報に開示されたものは延伸
方法が適当でなく、幅の収縮を伴う延伸である点で、前
記特開平9−132856号公報と同様に、均一な製品
が得られにくく、歩留まりが低いという問題を有する。
これらの発明は、熱可塑性エラストマーと複合すること
なく、不織布単体で伸縮性を出すための種々の要件を求
めている。またこれらの発明は、延伸倍率を1.4〜4
倍としているが、上記のように幅の縮小を伴うことを考
慮すると後述する本発明で定義する延伸倍率としては2
倍以下であると想定できる。
【0007】また、従来の不織布とエラストマーとの接
合体は、それぞれの工程で成形されたエラストマーを、
別工程で接合することにより製造されていた。しかしな
がら、このような方法では、エラストマー製品は一旦巻
き取られて次工程へ送られ、その後、再び繰り出して次
工程の装置に供給される。これら巻き取り及び繰り出し
では、伸縮性のあるエラストマー製品に張力を与えるこ
とになるため、エラストマー製品の取り扱いが困難であ
り、効率良い製造方法とは言えなかった。
合体は、それぞれの工程で成形されたエラストマーを、
別工程で接合することにより製造されていた。しかしな
がら、このような方法では、エラストマー製品は一旦巻
き取られて次工程へ送られ、その後、再び繰り出して次
工程の装置に供給される。これら巻き取り及び繰り出し
では、伸縮性のあるエラストマー製品に張力を与えるこ
とになるため、エラストマー製品の取り扱いが困難であ
り、効率良い製造方法とは言えなかった。
【0008】本発明の目的は、一方向には大きな伸縮性
を有するが他の方向には殆ど伸縮しない、不織布とエラ
ストマーとの複合シートを提供することである。
を有するが他の方向には殆ど伸縮しない、不織布とエラ
ストマーとの複合シートを提供することである。
【0009】本発明の他の目的は、上記の複合シートを
簡便に製造することができる、複合シートの製造方法及
び製造装置を提供することである。
簡便に製造することができる、複合シートの製造方法及
び製造装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の複合シートは、非弾性ファイバーが一方向に配
列及び延伸され、かつ、前記非弾性ファイバーの配列方
向と直角な方向での伸びが100%よりも大きい不織布
と、前記非弾性ファイバーの配列方向と交差する方向に
方向性を持って前記不織布上に並べられて接合された、
熱可塑性のエラストマーのストランドとを有する。
本発明の複合シートは、非弾性ファイバーが一方向に配
列及び延伸され、かつ、前記非弾性ファイバーの配列方
向と直角な方向での伸びが100%よりも大きい不織布
と、前記非弾性ファイバーの配列方向と交差する方向に
方向性を持って前記不織布上に並べられて接合された、
熱可塑性のエラストマーのストランドとを有する。
【0011】本発明の複合シートに用いられる不織布
は、非弾性ファイバーが一方向に延伸され配列されてい
るので、不織布単体でも、非弾性ファイバーの配列方向
には殆ど変形しないが、非弾性ファイバーの配列方向と
直角な方向には大きく変形可能である。本発明の複合シ
ートは、このような不織布上に、エラストマーのストラ
ンドが、非弾性ファイバーの配列方向と交差する方向に
並べられて接合されているので、結果的に、非弾性ファ
イバーの配列方向には殆ど伸縮性はないが、それと直角
な方向には大きな伸縮性を有する。
は、非弾性ファイバーが一方向に延伸され配列されてい
るので、不織布単体でも、非弾性ファイバーの配列方向
には殆ど変形しないが、非弾性ファイバーの配列方向と
直角な方向には大きく変形可能である。本発明の複合シ
ートは、このような不織布上に、エラストマーのストラ
ンドが、非弾性ファイバーの配列方向と交差する方向に
並べられて接合されているので、結果的に、非弾性ファ
イバーの配列方向には殆ど伸縮性はないが、それと直角
な方向には大きな伸縮性を有する。
【0012】エラストマーの使用量を少なくして上記の
伸縮特性を有効に発揮させるためには、エラストマーの
ストランドを互いに間隔をあけて配列するのが好まし
い。また、上記の伸縮特性を最も生かせるのは、大きな
伸縮性を有する方向と、殆ど伸縮性がない方向とがほぼ
直交する場合である。この場合、必要とする伸縮特性に
応じて、非弾性ファイバーの方向は不織布の縦方向であ
ってもよいし、幅方向であってもよい。
伸縮特性を有効に発揮させるためには、エラストマーの
ストランドを互いに間隔をあけて配列するのが好まし
い。また、上記の伸縮特性を最も生かせるのは、大きな
伸縮性を有する方向と、殆ど伸縮性がない方向とがほぼ
直交する場合である。この場合、必要とする伸縮特性に
応じて、非弾性ファイバーの方向は不織布の縦方向であ
ってもよいし、幅方向であってもよい。
【0013】本発明の複合シートの製造方法は、非弾性
ファイバーが一方向に配列された不織布を形成する工程
と、前記不織布を前記非弾性ファイバーの配列方向と同
方向に延伸する工程と、前記非弾性ファイバーを延伸し
た前記不織布上に、熱可塑性のエラストマーのストラン
ドを、前記非弾性ファイバーの配列方向と交差する方向
に並べて接合する工程とを有する。
ファイバーが一方向に配列された不織布を形成する工程
と、前記不織布を前記非弾性ファイバーの配列方向と同
方向に延伸する工程と、前記非弾性ファイバーを延伸し
た前記不織布上に、熱可塑性のエラストマーのストラン
ドを、前記非弾性ファイバーの配列方向と交差する方向
に並べて接合する工程とを有する。
【0014】また、本発明の複合シートの製造装置は、
非弾性ファイバーが一方向に配列された不織布を形成す
る紡糸装置と、前記紡糸装置で形成された不織布を、前
記非弾性ファイバーの配列方向と同方向に延伸する延伸
装置と、前記延伸装置で延伸された不織布上に、熱可塑
性のエラストマーのストランドを、前記非弾性ファイバ
ーの配列方向と交差する方向に並べて接合する接合装置
とを有する。
非弾性ファイバーが一方向に配列された不織布を形成す
る紡糸装置と、前記紡糸装置で形成された不織布を、前
記非弾性ファイバーの配列方向と同方向に延伸する延伸
装置と、前記延伸装置で延伸された不織布上に、熱可塑
性のエラストマーのストランドを、前記非弾性ファイバ
ーの配列方向と交差する方向に並べて接合する接合装置
とを有する。
【0015】上記の本発明の複合シートの製造方法及び
複合シートの製造装置を用いれば、上記本発明の複合シ
ートが簡便かつ効率良く製造される。不織布とエラスト
マーのストランドとは、それぞれ別個に製造し、製造と
接合とを別々の工程で行ってもよいし、一連の装置によ
り製造と接合を一連の工程で行ってもよい。
複合シートの製造装置を用いれば、上記本発明の複合シ
ートが簡便かつ効率良く製造される。不織布とエラスト
マーのストランドとは、それぞれ別個に製造し、製造と
接合とを別々の工程で行ってもよいし、一連の装置によ
り製造と接合を一連の工程で行ってもよい。
【0016】なお、本発明において、複合シートの伸縮
方向やファイバーの延伸方向等を説明する場合に用いる
「縦方向」とは、不織布を製造する際、あるいは不織布
とエラストマーとを接合する際の機械方向すなわち不織
布の送り方向を意味し、「横方向」とは、縦方向と直角
な方向、すなわち不織布の幅方向を意味する。
方向やファイバーの延伸方向等を説明する場合に用いる
「縦方向」とは、不織布を製造する際、あるいは不織布
とエラストマーとを接合する際の機械方向すなわち不織
布の送り方向を意味し、「横方向」とは、縦方向と直角
な方向、すなわち不織布の幅方向を意味する。
【0017】本発明における「ファイバー」とは、短繊
維および連続フィラメントの両方を含む広義のファイバ
ーを意味する。なお、長繊維には、スプリットウェブや
バーストファイバーのように、構成するフィラメントが
枝分かれしている場合も含まれる。
維および連続フィラメントの両方を含む広義のファイバ
ーを意味する。なお、長繊維には、スプリットウェブや
バーストファイバーのように、構成するフィラメントが
枝分かれしている場合も含まれる。
【0018】ファイバーは、通常のポリプロピレン、ポ
リアミド、ポリエステル等の合成繊維用ポリマーからな
るもの、また、綿や絹等の天然繊維のファイバーからな
るもの、レーヨンやアセテート等の半合成繊維のファイ
バーであってもよい。
リアミド、ポリエステル等の合成繊維用ポリマーからな
るもの、また、綿や絹等の天然繊維のファイバーからな
るもの、レーヨンやアセテート等の半合成繊維のファイ
バーであってもよい。
【0019】本発明における「非弾性ファイバー」は、
ゴム弾性を示さないファイバーを意味する。ゴム弾性と
は、室温近傍で物質を伸張した後、伸張の応力を解除す
るとほぼ元の長さに弾性的に回復する性質をいう。本発
明でいう「非弾性ファイバー」は、不織布を構成するフ
ァイバーを伸張した後、伸張の応力を解除しても、ほぼ
伸張時の長さを維持するファイバーを意味する。ただ
し、完全に伸張時の長さを維持する必要はなく、伸張率
の50%以下、望ましくは20%以下の弾性回復を示す
ものも含まれる。
ゴム弾性を示さないファイバーを意味する。ゴム弾性と
は、室温近傍で物質を伸張した後、伸張の応力を解除す
るとほぼ元の長さに弾性的に回復する性質をいう。本発
明でいう「非弾性ファイバー」は、不織布を構成するフ
ァイバーを伸張した後、伸張の応力を解除しても、ほぼ
伸張時の長さを維持するファイバーを意味する。ただ
し、完全に伸張時の長さを維持する必要はなく、伸張率
の50%以下、望ましくは20%以下の弾性回復を示す
ものも含まれる。
【0020】本発明に用いる、非弾性ファイバーからな
る不織布は、ファイバーがほぼ一方向に延伸され配列さ
れていることが必要である。その最も大きな理由は、フ
ァイバーが一方向に配列していることにより、その配列
方向と直角方向への変形が容易になるからである。ま
た、不織布は、ファイバーの配列方向へは大きな変形が
困難であるので、このような不織布を用いた複合シート
は、寸法安定性があり、かつ、製品としても好都合であ
る。従って、不織布は、特にファイバーが一方向に配列
していれば特に制限を受けるものではない。
る不織布は、ファイバーがほぼ一方向に延伸され配列さ
れていることが必要である。その最も大きな理由は、フ
ァイバーが一方向に配列していることにより、その配列
方向と直角方向への変形が容易になるからである。ま
た、不織布は、ファイバーの配列方向へは大きな変形が
困難であるので、このような不織布を用いた複合シート
は、寸法安定性があり、かつ、製品としても好都合であ
る。従って、不織布は、特にファイバーが一方向に配列
していれば特に制限を受けるものではない。
【0021】なお、ファイバーが一方向に配列している
不織布とは、ファイバーの配列が完全に一方向に配列し
たものばかりでなく、大部分のファイバーが一方向に配
列することにより、ほぼ一方向に配列している場合も含
まれる。なお、配列の程度については種々の表現方法が
あるが、タテ強度とヨコ強度との比、すなわちタテ強度
をヨコ強度で割った値で示す場合が多く、この値が少な
くとも3以上で望ましくは10以上である。また、ファ
ーバーが縦横両方向に配列され延伸された不織布であっ
ても、一方向の延伸倍率を高くすることによって縦横の
バランスが崩れている場合には、本発明でいうファイバ
ーが一方向に配列され延伸された不織布として利用する
ことができる。
不織布とは、ファイバーの配列が完全に一方向に配列し
たものばかりでなく、大部分のファイバーが一方向に配
列することにより、ほぼ一方向に配列している場合も含
まれる。なお、配列の程度については種々の表現方法が
あるが、タテ強度とヨコ強度との比、すなわちタテ強度
をヨコ強度で割った値で示す場合が多く、この値が少な
くとも3以上で望ましくは10以上である。また、ファ
ーバーが縦横両方向に配列され延伸された不織布であっ
ても、一方向の延伸倍率を高くすることによって縦横の
バランスが崩れている場合には、本発明でいうファイバ
ーが一方向に配列され延伸された不織布として利用する
ことができる。
【0022】「伸度」は、JIS−L1085に準ず
る。すなわち、幅が5cmのウェブを長さ方向に10c
mの間隔をあけて把持して引張速度30cm/minで
引っ張り、破断したときの元の長さに対する伸びを%で
表したものである。
る。すなわち、幅が5cmのウェブを長さ方向に10c
mの間隔をあけて把持して引張速度30cm/minで
引っ張り、破断したときの元の長さに対する伸びを%で
表したものである。
【0023】本発明における「熱可塑性エラストマー」
は、加熱によって軟化し流動するが、室温付近ではゴム
弾性を示す物質をいう。
は、加熱によって軟化し流動するが、室温付近ではゴム
弾性を示す物質をいう。
【0024】本発明における「ストランド」とは、通常
フィラメントと呼ばれる、比較的細いエンドレスまたは
準エンドレスの可撓性材料の他に、比較的太いエンドレ
スまたは準エンドレスの可撓性材料を含めたものであ
る。フィラメントという場合は、太さが太い場合でも数
百tex程度であるが、ストランドは、数千tex程度
の太さのものも含まれる。
フィラメントと呼ばれる、比較的細いエンドレスまたは
準エンドレスの可撓性材料の他に、比較的太いエンドレ
スまたは準エンドレスの可撓性材料を含めたものであ
る。フィラメントという場合は、太さが太い場合でも数
百tex程度であるが、ストランドは、数千tex程度
の太さのものも含まれる。
【0025】本発明で用いる不織布は、一定方向に少な
くとも100%以上、望ましくは200%以上の伸度を
有する。このように100%以上の伸度を有する不織布
の例として、ファイバーが一方向に配列した不織布があ
り、その配列方向と直角方向の不織布の伸度が100%
以上となる(特開平8−174746号、特開平11−
222759号)。不織布の一方向の伸度が100%以
上であれば、エラストマーとの複合シートとしては20
0%以上の繰り返しての伸縮性を示すことが実験結果確
認できた。
くとも100%以上、望ましくは200%以上の伸度を
有する。このように100%以上の伸度を有する不織布
の例として、ファイバーが一方向に配列した不織布があ
り、その配列方向と直角方向の不織布の伸度が100%
以上となる(特開平8−174746号、特開平11−
222759号)。不織布の一方向の伸度が100%以
上であれば、エラストマーとの複合シートとしては20
0%以上の繰り返しての伸縮性を示すことが実験結果確
認できた。
【0026】本発明において100%以上の伸度は、フ
ァイバーの配列した方向と直角方向であり、ファイバー
の配列方向については数%〜数10%の伸度で、伸張応
力も大きく、この方向では寸法安定性のある複合シート
となる。
ァイバーの配列した方向と直角方向であり、ファイバー
の配列方向については数%〜数10%の伸度で、伸張応
力も大きく、この方向では寸法安定性のある複合シート
となる。
【0027】本発明で用いる不織布としては、スパンボ
ンド不織布またはメルトブロー不織布を延伸した不織布
や、本発明者らの先発明である縦延伸不織布、横延伸不
織布(特公平3−36948号、特開平10−2047
67号)に詳述した不織布、またはトウを開繊し一方向
に配列した不織布等の長繊維フィラメントからなる不織
布が使用される。これらの長繊維フィラメントは、数百
回の繰り返し伸縮に対しても、繊維の抜け落ちがなく、
いわゆるリントフリーな用途に適合する。また、延伸し
た不織布は、延伸方向に強度、寸法安定性があり、さら
に、光沢のある不織布となることより、衣料等でこの延
伸による特性も利用することができる。
ンド不織布またはメルトブロー不織布を延伸した不織布
や、本発明者らの先発明である縦延伸不織布、横延伸不
織布(特公平3−36948号、特開平10−2047
67号)に詳述した不織布、またはトウを開繊し一方向
に配列した不織布等の長繊維フィラメントからなる不織
布が使用される。これらの長繊維フィラメントは、数百
回の繰り返し伸縮に対しても、繊維の抜け落ちがなく、
いわゆるリントフリーな用途に適合する。また、延伸し
た不織布は、延伸方向に強度、寸法安定性があり、さら
に、光沢のある不織布となることより、衣料等でこの延
伸による特性も利用することができる。
【0028】本発明において一方向に延伸した不織布と
表現しているが、2方向に延伸した不織布であっても、
一方向の延伸倍率が高くなることによって縦と横のバラ
ンスが崩れている場合も本発明の一方向に延伸された不
織布に含まれる。
表現しているが、2方向に延伸した不織布であっても、
一方向の延伸倍率が高くなることによって縦と横のバラ
ンスが崩れている場合も本発明の一方向に延伸された不
織布に含まれる。
【0029】また、本発明における不織布は、一方向に
短繊維が配列している不織布であってもよい。短繊維か
らなる不織布は、綿的風合いで、感触が良く、肌に直接
触れる用途等で好まれる。短繊維からなるファイバーが
配列した不織布としては、カード上がりのウェブ等があ
る。
短繊維が配列している不織布であってもよい。短繊維か
らなる不織布は、綿的風合いで、感触が良く、肌に直接
触れる用途等で好まれる。短繊維からなるファイバーが
配列した不織布としては、カード上がりのウェブ等があ
る。
【0030】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
図面を参照して説明する。
【0031】(第1の実施形態)図1は、本発明の第1
の実施形態である伸縮性複合シートの不織布を製造する
紡糸装置の一例の概略斜視図であり、非弾性ファイバー
としてフィラメントを紡糸する例を示す。図2は、図1
に示す紡糸装置によって製造された不織布をそのフィラ
メントの方向に延伸させる延伸装置の一例の概略構成図
である。図3は、延伸装置によって延伸された不織布に
熱可塑性のエラストマーを不織布のフィラメント方向と
略直角の方向にストランド状に接合する接合装置の一部
を破断した概略側面図である。
の実施形態である伸縮性複合シートの不織布を製造する
紡糸装置の一例の概略斜視図であり、非弾性ファイバー
としてフィラメントを紡糸する例を示す。図2は、図1
に示す紡糸装置によって製造された不織布をそのフィラ
メントの方向に延伸させる延伸装置の一例の概略構成図
である。図3は、延伸装置によって延伸された不織布に
熱可塑性のエラストマーを不織布のフィラメント方向と
略直角の方向にストランド状に接合する接合装置の一部
を破断した概略側面図である。
【0032】本実施形態では、上記の図1〜図3に示す
各装置を用いて、図12に示すような、フィラメント5
03がほぼ縦方向に延伸され配列されて形成された不織
布502の表面に、熱可塑性のエラストマー504のス
トランドがフィラメント503の配列方向とほぼ直角な
方向である横方向に接合された複合シート501を製造
する。
各装置を用いて、図12に示すような、フィラメント5
03がほぼ縦方向に延伸され配列されて形成された不織
布502の表面に、熱可塑性のエラストマー504のス
トランドがフィラメント503の配列方向とほぼ直角な
方向である横方向に接合された複合シート501を製造
する。
【0033】この複合シート501は、フィラメント5
03が縦方向に延伸され配列されているので、縦方向へ
の変形は小さいものの、延伸方向とほぼ直角な横方向へ
の変形が大きいという特性を有する。しかも、不織布5
02には、エラストマー504が接合されているので、
このエラストマー504の伸縮性により、複合シート5
01は横方向へ伸縮自在である。言い換えると、本実施
形態の複合シート501は、縦方向へは殆ど伸びないが
横方向へは伸縮自在なシートである。不織布502は、
エラストマー504と接合される前の状態でも、接合さ
れるエラストマー504と同じように、フィラメント5
03の延伸方向と直角な方向へは変形する。例えば、エ
ラストマー504が原寸法に対して2倍に伸びた場合、
エラストマー504が接合された不織布502も、フィ
ラメント503の延伸方向と直角な方向に、欠損するこ
となくほぼ均一に2倍の伸びを示す。
03が縦方向に延伸され配列されているので、縦方向へ
の変形は小さいものの、延伸方向とほぼ直角な横方向へ
の変形が大きいという特性を有する。しかも、不織布5
02には、エラストマー504が接合されているので、
このエラストマー504の伸縮性により、複合シート5
01は横方向へ伸縮自在である。言い換えると、本実施
形態の複合シート501は、縦方向へは殆ど伸びないが
横方向へは伸縮自在なシートである。不織布502は、
エラストマー504と接合される前の状態でも、接合さ
れるエラストマー504と同じように、フィラメント5
03の延伸方向と直角な方向へは変形する。例えば、エ
ラストマー504が原寸法に対して2倍に伸びた場合、
エラストマー504が接合された不織布502も、フィ
ラメント503の延伸方向と直角な方向に、欠損するこ
となくほぼ均一に2倍の伸びを示す。
【0034】上述のように、本実施形態では、エラスト
マー504をストランドとして複合シート501の伸縮
方向に配列している。エラストマー504をストランド
に成形するのは、高価なエラストマーを少ない量で有効
に使用することができるという点で好ましい。エラスト
マーの使用量を少なくするという観点からは、エラスト
マー504のストランドを互いに間隔をあけて配列する
のが最も好ましい。また、エラストマー504は一般に
成形性が悪く、特に繰り返しの伸縮に耐えられる熱可塑
性エラストマーは成形性が悪い。そこでもっとも単純な
ストランドの成形法の採用が望まれる。
マー504をストランドとして複合シート501の伸縮
方向に配列している。エラストマー504をストランド
に成形するのは、高価なエラストマーを少ない量で有効
に使用することができるという点で好ましい。エラスト
マーの使用量を少なくするという観点からは、エラスト
マー504のストランドを互いに間隔をあけて配列する
のが最も好ましい。また、エラストマー504は一般に
成形性が悪く、特に繰り返しの伸縮に耐えられる熱可塑
性エラストマーは成形性が悪い。そこでもっとも単純な
ストランドの成形法の採用が望まれる。
【0035】熱可塑性エラストマーとしては、ポリオレ
フィン系、合成ゴム、ポリエステル系、ポリアミド系、
ポリウレタン系等のエラストマーが使用される。これら
のうち、スチレンとオレフィン系モノマーとが共重合さ
れた合成ゴム系やポリウレタン系が高倍率に伸縮しかつ
伸縮時の応力が小さい点で、本発明における熱可塑性エ
ラストマーとして好適である。とくにSEBSの合成ゴ
ムが最適である。
フィン系、合成ゴム、ポリエステル系、ポリアミド系、
ポリウレタン系等のエラストマーが使用される。これら
のうち、スチレンとオレフィン系モノマーとが共重合さ
れた合成ゴム系やポリウレタン系が高倍率に伸縮しかつ
伸縮時の応力が小さい点で、本発明における熱可塑性エ
ラストマーとして好適である。とくにSEBSの合成ゴ
ムが最適である。
【0036】フィラメント503に適合するポリマーと
しては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタ
ン、フッ素系樹脂等の熱可塑性樹脂およびこれらの変性
樹脂などを使用することができる。また、ポリビニルア
ルコール系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂等、湿式
または乾式の紡糸手段を適用し得る樹脂も使用すること
ができ、特に、ポリエステル、ポリプロピレンが好まし
い。
しては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタ
ン、フッ素系樹脂等の熱可塑性樹脂およびこれらの変性
樹脂などを使用することができる。また、ポリビニルア
ルコール系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂等、湿式
または乾式の紡糸手段を適用し得る樹脂も使用すること
ができ、特に、ポリエステル、ポリプロピレンが好まし
い。
【0037】フィラメント503は長繊維フィラメント
である。ここでいう長繊維フィラメントとは、実質的に
長繊維であればよく、すなわち平均長さが100mmを
超えているものをいう。また、フィラメント503の径
が50μm以上では剛直で交絡が不十分になる。望まし
くは30μm以下、さらに望ましくは25μm以下であ
る。特に強度の強い不織布を目的とする場合は、フィラ
メント径が5μm以上であることが望ましい。フィラメ
ント503の径および長さは、顕微鏡写真により測定す
る。
である。ここでいう長繊維フィラメントとは、実質的に
長繊維であればよく、すなわち平均長さが100mmを
超えているものをいう。また、フィラメント503の径
が50μm以上では剛直で交絡が不十分になる。望まし
くは30μm以下、さらに望ましくは25μm以下であ
る。特に強度の強い不織布を目的とする場合は、フィラ
メント径が5μm以上であることが望ましい。フィラメ
ント503の径および長さは、顕微鏡写真により測定す
る。
【0038】以下に、図1〜図3の装置構成を説明しつ
つ、本実施形態の複合シートの製造方法について説明す
る。
つ、本実施形態の複合シートの製造方法について説明す
る。
【0039】まず、紡糸装置について図1を参照して説
明する。
明する。
【0040】メルトブロー(MB)ダイス1は、先端に
多数のノズル3を有し、ギアポンプ(不図示)から送入
された溶融樹脂2がノズル3から押出されることで、多
数のフィラメント4が形成される。なお、図1ではメル
トブローダイス1は構造を明瞭にするため断面を示して
いる。また、ノズル3の両側にはエアー溜5a、5bが
設けられている。樹脂の融点以上に加熱された高圧加熱
エアーは、これらエアー溜5a、5bに送入され、エア
ー溜5a、5bの先端のスリット6a、6bから噴出さ
れる。これにより、ノズル3から押し出されたフィラメ
ント4はドラフト可能な溶融状態に維持され、熱風の噴
出による摩擦力によりフィラメント4にドラフトが付与
され、フィラメント4が細径化される。上記の機構は、
通常のMB法と同様である。高圧加熱エアーの温度は、
フィラメント4の紡糸温度よりも80℃以上、望ましく
は120℃以上、さらに望ましくは200℃以上高くす
る。
多数のノズル3を有し、ギアポンプ(不図示)から送入
された溶融樹脂2がノズル3から押出されることで、多
数のフィラメント4が形成される。なお、図1ではメル
トブローダイス1は構造を明瞭にするため断面を示して
いる。また、ノズル3の両側にはエアー溜5a、5bが
設けられている。樹脂の融点以上に加熱された高圧加熱
エアーは、これらエアー溜5a、5bに送入され、エア
ー溜5a、5bの先端のスリット6a、6bから噴出さ
れる。これにより、ノズル3から押し出されたフィラメ
ント4はドラフト可能な溶融状態に維持され、熱風の噴
出による摩擦力によりフィラメント4にドラフトが付与
され、フィラメント4が細径化される。上記の機構は、
通常のMB法と同様である。高圧加熱エアーの温度は、
フィラメント4の紡糸温度よりも80℃以上、望ましく
は120℃以上、さらに望ましくは200℃以上高くす
る。
【0041】メルトブローダイス1を用いてフィラメン
ト4を形成する方法では、加熱エアーの温度を高くする
ことにより、ノズル3から押し出された直後のフィラメ
ント4の温度をフィラメント4の融点よりも十分に高く
することができるため、フィラメント4の分子配向を小
さくすることができる。
ト4を形成する方法では、加熱エアーの温度を高くする
ことにより、ノズル3から押し出された直後のフィラメ
ント4の温度をフィラメント4の融点よりも十分に高く
することができるため、フィラメント4の分子配向を小
さくすることができる。
【0042】エアー溜5aおよび5bの両エアーの流量
に差を設け、一方のエアー溜5aからの流量を他方のエ
アー溜5bからのそれより小さくすることにより、フィ
ラメント4の流出方向をノズル3からの押出し方向に対
して角度αだけ傾斜させる。このようにフィラメント4
の流出方向に角度αを付与することは、メルトブローダ
イス1自体を傾斜することによっても実現することがで
き、また両者を併用することもできる。
に差を設け、一方のエアー溜5aからの流量を他方のエ
アー溜5bからのそれより小さくすることにより、フィ
ラメント4の流出方向をノズル3からの押出し方向に対
して角度αだけ傾斜させる。このようにフィラメント4
の流出方向に角度αを付与することは、メルトブローダ
イス1自体を傾斜することによっても実現することがで
き、また両者を併用することもできる。
【0043】メルトブローダイス1の下方には、ノズル
3から押出されたフィラメント4を搬送するコンベア7
が配置される。ここで、メルトブローダイス1とコンベ
ア7の中間には、スプレーノズル8a、8bが設けられ
ている。スプレーノズル8a、8bは、コンベア7側へ
向け、フィラメント4の表側及び裏側からそれぞれ霧状
の水を噴霧するもので、これによりフィラメント4が冷
却され、凝固される。スプレーノズル8a、8bは実際
には各複数個設置するが、煩雑さを避けるため、図1で
は各1個のみを示した。この霧状の水の噴霧する勢い
で、フィラメント4は、αよりさらに大きい角度βに傾
斜して、コンベア7の上にウェブ9として集積される。
コンベア7は、水平面から角度γの傾斜を設けて、フィ
ラメント4の着地点より引取方向を低くして設置されて
いる。なお、スプレーノズル8a、8bから噴出される
冷却媒体は必ずしも水分を含む必要はなく、冷エアーで
もよい。上記のように、コンベア7の傾斜およびエアー
や霧状の水の勢いなどの効果により、コンベア7上のウ
ェブ9のフィラメント4は縦方向に配列する。
3から押出されたフィラメント4を搬送するコンベア7
が配置される。ここで、メルトブローダイス1とコンベ
ア7の中間には、スプレーノズル8a、8bが設けられ
ている。スプレーノズル8a、8bは、コンベア7側へ
向け、フィラメント4の表側及び裏側からそれぞれ霧状
の水を噴霧するもので、これによりフィラメント4が冷
却され、凝固される。スプレーノズル8a、8bは実際
には各複数個設置するが、煩雑さを避けるため、図1で
は各1個のみを示した。この霧状の水の噴霧する勢い
で、フィラメント4は、αよりさらに大きい角度βに傾
斜して、コンベア7の上にウェブ9として集積される。
コンベア7は、水平面から角度γの傾斜を設けて、フィ
ラメント4の着地点より引取方向を低くして設置されて
いる。なお、スプレーノズル8a、8bから噴出される
冷却媒体は必ずしも水分を含む必要はなく、冷エアーで
もよい。上記のように、コンベア7の傾斜およびエアー
や霧状の水の勢いなどの効果により、コンベア7上のウ
ェブ9のフィラメント4は縦方向に配列する。
【0044】紡糸手段においては、コンベア面に対して
傾斜させて紡糸することにより、フィラメント4をコン
ベア7上で良好に配列させることができる。このように
紡糸を斜行させる手段としては、ノズル3をコンベア7
に対して傾けること、流体の補助によりフィラメント4
を斜行させること、コンベア7をフィラメント4の押し
出し方向に対して傾斜させることなどが有効である。ま
た、上記斜行方法の一つのみでは、十分に配列させるこ
とが困難な場合には、複数の手段を組み合わせて実施し
てもよい。
傾斜させて紡糸することにより、フィラメント4をコン
ベア7上で良好に配列させることができる。このように
紡糸を斜行させる手段としては、ノズル3をコンベア7
に対して傾けること、流体の補助によりフィラメント4
を斜行させること、コンベア7をフィラメント4の押し
出し方向に対して傾斜させることなどが有効である。ま
た、上記斜行方法の一つのみでは、十分に配列させるこ
とが困難な場合には、複数の手段を組み合わせて実施し
てもよい。
【0045】流体の補助によりフィラメント4を斜行さ
せる場合、流体がノズル近傍において使用されるときは
流体が加熱されていることが望ましい。また、ノズル近
傍で流体を使用しない場合は、フィラメント4をノズル
近傍で積極的に加熱する必要がある。これはフィラメン
ト4がドラフトにより細径化される際に、できるだけ分
子配向を伴わないようにするためである。なお、紡糸段
階ではフィラメント4の分子配向ができるだけ生じない
ようにするが、個々のフィラメント4はできるだけ縦方
向に配列していることが望ましい。
せる場合、流体がノズル近傍において使用されるときは
流体が加熱されていることが望ましい。また、ノズル近
傍で流体を使用しない場合は、フィラメント4をノズル
近傍で積極的に加熱する必要がある。これはフィラメン
ト4がドラフトにより細径化される際に、できるだけ分
子配向を伴わないようにするためである。なお、紡糸段
階ではフィラメント4の分子配向ができるだけ生じない
ようにするが、個々のフィラメント4はできるだけ縦方
向に配列していることが望ましい。
【0046】フィラメント4を斜行させるために使用す
る流体としては、コンベア近傍では冷流体、特に霧状の
水を含んだ流体が最も望ましい。紡糸されたフィラメン
ト4を急冷することにより、熱の影響を防ぎ、結晶化を
進行させないようにするためである。紡糸や加熱流体な
どの熱の影響が残留すると、コンベア7上のフィラメン
ト4が熱処理を受けることになるため、フィラメント4
の結晶化が進み、延伸性が低下する。延伸性は、特にフ
ィラメント4がポリエステルの場合には熱の影響が顕著
であり、ポリプロピレンにおいても影響が見られる。本
実施形態では水を吹き付けているが、これは、溶融して
いるフィラメント4を水で冷却することによる急冷効果
により、高延伸倍率や高強度の達成等の延伸適性が向上
する。さらに、スプレーノズル8a、8bで水を吹き付
けることにより、紡糸されたウェブ9をコンベア7に貼
付けることができるので、紡糸の安定性およびフィラメ
ント4の配列性の向上にも効果がある。
る流体としては、コンベア近傍では冷流体、特に霧状の
水を含んだ流体が最も望ましい。紡糸されたフィラメン
ト4を急冷することにより、熱の影響を防ぎ、結晶化を
進行させないようにするためである。紡糸や加熱流体な
どの熱の影響が残留すると、コンベア7上のフィラメン
ト4が熱処理を受けることになるため、フィラメント4
の結晶化が進み、延伸性が低下する。延伸性は、特にフ
ィラメント4がポリエステルの場合には熱の影響が顕著
であり、ポリプロピレンにおいても影響が見られる。本
実施形態では水を吹き付けているが、これは、溶融して
いるフィラメント4を水で冷却することによる急冷効果
により、高延伸倍率や高強度の達成等の延伸適性が向上
する。さらに、スプレーノズル8a、8bで水を吹き付
けることにより、紡糸されたウェブ9をコンベア7に貼
付けることができるので、紡糸の安定性およびフィラメ
ント4の配列性の向上にも効果がある。
【0047】また、スプレーノズル8a,8bから吹き
付ける液体に、いわゆる紡糸延伸用油剤、すなわち延伸
性や静電気除去等の性質を付与することができる油剤を
添加してもよい。これにより、フィラメント4の延伸性
が向上し、毛羽が少なくなり、延伸後の強度および伸度
も向上する。
付ける液体に、いわゆる紡糸延伸用油剤、すなわち延伸
性や静電気除去等の性質を付与することができる油剤を
添加してもよい。これにより、フィラメント4の延伸性
が向上し、毛羽が少なくなり、延伸後の強度および伸度
も向上する。
【0048】冷却されたウェブ9は、自己粘着性を有し
ていないので、そのままではエアーの流れ等によりコン
ベア7上で飛散する場合もあるが、コンベア7の裏側に
コンベアの幅方向に直線状に設けた負圧吸引ノズル10
で吸引することにより、飛散が防止される。
ていないので、そのままではエアーの流れ等によりコン
ベア7上で飛散する場合もあるが、コンベア7の裏側に
コンベアの幅方向に直線状に設けた負圧吸引ノズル10
で吸引することにより、飛散が防止される。
【0049】コンベア7の種類としては、図示したフラ
ットベルトタイプのコンベア以外にもメルトブロー不織
布に多用されているドラムスクリーンタイプがある。ド
ラムスクリーンタイプにおける傾斜とは、フィラメント
4のノズル3からの噴出方向が垂直から巻取機方向へ傾
斜していることを意味する。コンベア7の材質として
は、メタルワイヤーやプラスチックワイヤー等の不織布
の製造に使用されている種々の素材を使用することがで
き、またその網目を構成する織方等についても、平織や
綾織等不織布の製造に使用される種々の方法を使用する
ことができる。さらに特に有効なネットの織方として、
縦に網目が配列した朱子織がある。これによりウェブフ
ィラメントの縦配列効果が高まり、ウェブ9の強度が向
上する。
ットベルトタイプのコンベア以外にもメルトブロー不織
布に多用されているドラムスクリーンタイプがある。ド
ラムスクリーンタイプにおける傾斜とは、フィラメント
4のノズル3からの噴出方向が垂直から巻取機方向へ傾
斜していることを意味する。コンベア7の材質として
は、メタルワイヤーやプラスチックワイヤー等の不織布
の製造に使用されている種々の素材を使用することがで
き、またその網目を構成する織方等についても、平織や
綾織等不織布の製造に使用される種々の方法を使用する
ことができる。さらに特に有効なネットの織方として、
縦に網目が配列した朱子織がある。これによりウェブフ
ィラメントの縦配列効果が高まり、ウェブ9の強度が向
上する。
【0050】また、負圧吸引ノズル10によりウェブ9
を吸引することは、斜行させて不安定になったウェブ9
を安定化させることの他に、ウェブ9に残留している熱
を除去する効果もある。この場合の負圧吸引は、コンベ
ア7の幅方向に直線状に、かつ狭い幅で行うことが重要
である。つまり、メルトブロー方式におけるウェブ9の
負圧吸引は、フィラメント4の配列を高めることを主眼
としており、さらにフィラメント4がコンベア7上で飛
散することを防止し、コンベア7上でのフィラメント4
の熱を除去して延伸性を高めることを目的としている。
さらに負圧吸引は、ウェブ9に付着した水分も除去する
ため、次に行われる延伸工程において水分の影響を低下
させる効果もある。ポリエステルにおいては水分が延伸
性に大きく影響し、延伸倍率や延伸後のウェブ強度が低
くなるので、負圧吸引は好ましいものである。
を吸引することは、斜行させて不安定になったウェブ9
を安定化させることの他に、ウェブ9に残留している熱
を除去する効果もある。この場合の負圧吸引は、コンベ
ア7の幅方向に直線状に、かつ狭い幅で行うことが重要
である。つまり、メルトブロー方式におけるウェブ9の
負圧吸引は、フィラメント4の配列を高めることを主眼
としており、さらにフィラメント4がコンベア7上で飛
散することを防止し、コンベア7上でのフィラメント4
の熱を除去して延伸性を高めることを目的としている。
さらに負圧吸引は、ウェブ9に付着した水分も除去する
ため、次に行われる延伸工程において水分の影響を低下
させる効果もある。ポリエステルにおいては水分が延伸
性に大きく影響し、延伸倍率や延伸後のウェブ強度が低
くなるので、負圧吸引は好ましいものである。
【0051】コンベア7上のウェブ9は、延伸温度に加
熱された延伸シリンダ11とコンベア積載面の裏側の押
えゴムロール12により挟持され、延伸シリンダ11上
に移され、さらに押えゴムロール13で挟持されて、延
伸シリンダ11に密着する。延伸シリンダ11に密着し
たウェブ9は、延伸シリンダ11とその後の引取ニップ
ロール14a、4b(14bはゴムロール)との速度差
により近接延伸され、縦延伸不織布15となる。
熱された延伸シリンダ11とコンベア積載面の裏側の押
えゴムロール12により挟持され、延伸シリンダ11上
に移され、さらに押えゴムロール13で挟持されて、延
伸シリンダ11に密着する。延伸シリンダ11に密着し
たウェブ9は、延伸シリンダ11とその後の引取ニップ
ロール14a、4b(14bはゴムロール)との速度差
により近接延伸され、縦延伸不織布15となる。
【0052】近接延伸とは、隣接する2組のロールの表
面速度の差によりウェブを延伸する方法において、短い
延伸間距離(延伸の開始点より終了点までの距離)を保
って延伸を行う方式であり、延伸間距離が100mm以
下であることが望ましい。特に、フィラメントが縦方向
に直線的には配列しておらず、ある程度屈曲している場
合には、近接延伸においてできるだけ延伸間距離を短く
保つことが、個々のフィラメントを有効に延伸する上で
重要である。近接延伸に必要な熱量は、通常延伸するロ
ールを加熱することにより供給され、さらに延伸点にお
いては熱風や赤外線による加熱を補助的に使用する。ま
た、温水、蒸気等を使用することもできる。
面速度の差によりウェブを延伸する方法において、短い
延伸間距離(延伸の開始点より終了点までの距離)を保
って延伸を行う方式であり、延伸間距離が100mm以
下であることが望ましい。特に、フィラメントが縦方向
に直線的には配列しておらず、ある程度屈曲している場
合には、近接延伸においてできるだけ延伸間距離を短く
保つことが、個々のフィラメントを有効に延伸する上で
重要である。近接延伸に必要な熱量は、通常延伸するロ
ールを加熱することにより供給され、さらに延伸点にお
いては熱風や赤外線による加熱を補助的に使用する。ま
た、温水、蒸気等を使用することもできる。
【0053】上記のように、延伸シリンダ、11、押さ
えゴムロール13、及び引取ニップロール14a、14
bは、近接延伸ユニットを構成している。ここで、この
近接延伸ユニットについて、図4を参照してより詳しく
説明する。
えゴムロール13、及び引取ニップロール14a、14
bは、近接延伸ユニットを構成している。ここで、この
近接延伸ユニットについて、図4を参照してより詳しく
説明する。
【0054】延伸シリンダ11は延伸適温に加熱されて
いる。例えば、ウェブ9の材料がポリプロピレンであれ
ば110℃、ポリエステルであれば85℃である。押さ
えゴムロール13によりウェブ9は延伸シリンダ11に
密着し、密着の程度が適当であれば、延伸点はウェブ9
が延伸シリンダ11から離れる点bにおいて幅方向に一
直線となり、理想的な近接延伸となる。密着が弱い場合
には、延伸点が延伸シリンダ11側のa点に移行し、不
安定となる。また密着が強すぎると延伸点はb点とc点
との間で変動するためやはり不安定である。この密着性
は、押えゴムロール13を赤外線ヒータ等で加熱した
り、延伸シリンダー11の表面の接着性を変えることに
より変化させることができ、それにより延伸点をb点近
傍に固定することができる。なお、ラインスピードや坪
量等によりこれらの条件は変化する。そこで、延伸点を
b点に固定するために、図3(a)のように熱風発生機
31により、b点上に断面が直線状の熱風を吹きかける
ことが有効であり、また図3(b)のように赤外線ヒー
タによる光を線状に集光する赤外線ラインヒータ32で
b線上を加熱することも効果がある。
いる。例えば、ウェブ9の材料がポリプロピレンであれ
ば110℃、ポリエステルであれば85℃である。押さ
えゴムロール13によりウェブ9は延伸シリンダ11に
密着し、密着の程度が適当であれば、延伸点はウェブ9
が延伸シリンダ11から離れる点bにおいて幅方向に一
直線となり、理想的な近接延伸となる。密着が弱い場合
には、延伸点が延伸シリンダ11側のa点に移行し、不
安定となる。また密着が強すぎると延伸点はb点とc点
との間で変動するためやはり不安定である。この密着性
は、押えゴムロール13を赤外線ヒータ等で加熱した
り、延伸シリンダー11の表面の接着性を変えることに
より変化させることができ、それにより延伸点をb点近
傍に固定することができる。なお、ラインスピードや坪
量等によりこれらの条件は変化する。そこで、延伸点を
b点に固定するために、図3(a)のように熱風発生機
31により、b点上に断面が直線状の熱風を吹きかける
ことが有効であり、また図3(b)のように赤外線ヒー
タによる光を線状に集光する赤外線ラインヒータ32で
b線上を加熱することも効果がある。
【0055】以上のようにして得られた縦延伸不織布1
5は、例えば図2に示すような延伸装置によってさらに
縦方向に延伸される。以下に、図2を参照して、縦延伸
不織布15の延伸工程について説明する。なお、図2に
示す延伸装置には、図1に示す紡糸装置で得られた縦延
伸不織布を供給してもよいし、近接延伸前のウェブ9を
供給してもよいので、図2では、これらを代表して単に
ウェブとして表記する。
5は、例えば図2に示すような延伸装置によってさらに
縦方向に延伸される。以下に、図2を参照して、縦延伸
不織布15の延伸工程について説明する。なお、図2に
示す延伸装置には、図1に示す紡糸装置で得られた縦延
伸不織布を供給してもよいし、近接延伸前のウェブ9を
供給してもよいので、図2では、これらを代表して単に
ウェブとして表記する。
【0056】ウェブ41は、ニップロール42a、42
bにより延伸装置に導入され、予熱ロール43で予熱さ
れ、ウェブ44として延伸ロール45に導かれる。延伸
ロール45にはニップゴムロール46が対向配置されて
おり、ウェブ47は、延伸ロール45と延伸ロール48
の間で縦方向に延伸される。延伸間距離は、1段目の延
伸ロール45とニップロール46とのニップ点Pと、2
段目の延伸ロール48とニップロール49とのニップ点
Qで決められるウェブの走行距離PQであり、その間で
ウェブ47は延伸される。
bにより延伸装置に導入され、予熱ロール43で予熱さ
れ、ウェブ44として延伸ロール45に導かれる。延伸
ロール45にはニップゴムロール46が対向配置されて
おり、ウェブ47は、延伸ロール45と延伸ロール48
の間で縦方向に延伸される。延伸間距離は、1段目の延
伸ロール45とニップロール46とのニップ点Pと、2
段目の延伸ロール48とニップロール49とのニップ点
Qで決められるウェブの走行距離PQであり、その間で
ウェブ47は延伸される。
【0057】この装置による多段延伸が必要である場合
は、延伸ロール48と延伸ロール51との間でさらに延
伸を行う。この場合の延伸間距離は、点Qと、延伸ロー
ル51およびニップロール52のニップ点Rで定められ
るウェブ50の走行距離QRである。縦延伸の後に熱処
理が必要な場合には、ウェブ53を熱処理ロール54で
熱処理することができる。ウェブ53は、ニップロール
55a,55bに引き取られ、延伸されたウェブ56と
して得られる。
は、延伸ロール48と延伸ロール51との間でさらに延
伸を行う。この場合の延伸間距離は、点Qと、延伸ロー
ル51およびニップロール52のニップ点Rで定められ
るウェブ50の走行距離QRである。縦延伸の後に熱処
理が必要な場合には、ウェブ53を熱処理ロール54で
熱処理することができる。ウェブ53は、ニップロール
55a,55bに引き取られ、延伸されたウェブ56と
して得られる。
【0058】上述のように、不織布の縦延伸には、延伸
間距離のできるだけ短い装置が適当である。図2に示し
たように、各延伸ロール45、48、51に対し、それ
ぞれニップロール46、49および52を設置すること
により、延伸点が固定し、延伸が安定するので、より高
倍率の延伸が可能になる。ニップロール46等がない場
合には、延伸点はP点より予熱ロール側に移動し、延伸
間距離が長くなるばかりでなく、延伸点が移動して延伸
切れの原因となる。縦延伸に適するウェブとしては、上
記の原理から、フィラメントができるだけ縦に配列して
いるものが適当である。すなわち、フィラメントが縦方
向に長いため、延伸間距離が一定でも、両端が把持され
るフィラメントの割合が多くなり、また、延伸後のウェ
ブの強度が向上する。図2に示す装置において、延伸の
ための熱は、基本的には加熱されたロールによって与え
られるが、図4に示すような熱風や赤外線も併用するこ
とができる。さらに、ウェブの走行距離PQまたはQR
の間をカバーで覆い、その内部を蒸気加熱することもで
きる。図1に示す紡糸装置で得られたウェブの幅が狭い
場合であっても、それらを並列させ図2に示す延伸装置
を用いて延伸することにより、広幅の延伸ウェブとする
ことができる。
間距離のできるだけ短い装置が適当である。図2に示し
たように、各延伸ロール45、48、51に対し、それ
ぞれニップロール46、49および52を設置すること
により、延伸点が固定し、延伸が安定するので、より高
倍率の延伸が可能になる。ニップロール46等がない場
合には、延伸点はP点より予熱ロール側に移動し、延伸
間距離が長くなるばかりでなく、延伸点が移動して延伸
切れの原因となる。縦延伸に適するウェブとしては、上
記の原理から、フィラメントができるだけ縦に配列して
いるものが適当である。すなわち、フィラメントが縦方
向に長いため、延伸間距離が一定でも、両端が把持され
るフィラメントの割合が多くなり、また、延伸後のウェ
ブの強度が向上する。図2に示す装置において、延伸の
ための熱は、基本的には加熱されたロールによって与え
られるが、図4に示すような熱風や赤外線も併用するこ
とができる。さらに、ウェブの走行距離PQまたはQR
の間をカバーで覆い、その内部を蒸気加熱することもで
きる。図1に示す紡糸装置で得られたウェブの幅が狭い
場合であっても、それらを並列させ図2に示す延伸装置
を用いて延伸することにより、広幅の延伸ウェブとする
ことができる。
【0059】一般にウェブの延伸においては、延伸点を
固定することが重要である。延伸点が一定していないと
全体が均一に延伸されないため、延伸倍率を高めること
ができず、また、延伸されたウェブに延伸倍率の異なる
部分が混在し、十分なウェブ強度が得られない。縦延伸
不織布の最終製品の幅は、1mから2mあるいはそれ以
上あるものもある。このような幅広の延伸不織布を製造
する場合は、狭い幅のダイスで紡糸し、その紡糸ウェブ
製造装置において予備延伸を行うと、近接延伸が容易で
ある。このように予備延伸したウェブを平行に並べてさ
らに主延伸を行うことにより、幅広の不織布が得られ
る。その際、主延伸は延伸倍率が低いため、ウェブの幅
の収縮が小さく、却って予備延伸ウェブを平行に並べる
際のオーバラップは少なくてすむため、オーバーラップ
部が目立つことがない。また、予備延伸されたウェブは
すでに縦に延伸されているために、主延伸では、近接延
伸の延伸間距離は比較的長くてもよい。
固定することが重要である。延伸点が一定していないと
全体が均一に延伸されないため、延伸倍率を高めること
ができず、また、延伸されたウェブに延伸倍率の異なる
部分が混在し、十分なウェブ強度が得られない。縦延伸
不織布の最終製品の幅は、1mから2mあるいはそれ以
上あるものもある。このような幅広の延伸不織布を製造
する場合は、狭い幅のダイスで紡糸し、その紡糸ウェブ
製造装置において予備延伸を行うと、近接延伸が容易で
ある。このように予備延伸したウェブを平行に並べてさ
らに主延伸を行うことにより、幅広の不織布が得られ
る。その際、主延伸は延伸倍率が低いため、ウェブの幅
の収縮が小さく、却って予備延伸ウェブを平行に並べる
際のオーバラップは少なくてすむため、オーバーラップ
部が目立つことがない。また、予備延伸されたウェブは
すでに縦に延伸されているために、主延伸では、近接延
伸の延伸間距離は比較的長くてもよい。
【0060】多段延伸において、2段目以降の延伸手段
としては、近接延伸のみならず、通常のウェブの延伸に
用いられる種々の手段を適用することができる。すなわ
ちロール延伸、温水延伸、蒸気延伸、熱盤延伸等の各種
延伸方式が挙げられる。近接延伸が必ずしも必要でない
のは、1段目の延伸においてすでに個々のフィラメント
が長さ方向に長くわたっているためである。
としては、近接延伸のみならず、通常のウェブの延伸に
用いられる種々の手段を適用することができる。すなわ
ちロール延伸、温水延伸、蒸気延伸、熱盤延伸等の各種
延伸方式が挙げられる。近接延伸が必ずしも必要でない
のは、1段目の延伸においてすでに個々のフィラメント
が長さ方向に長くわたっているためである。
【0061】縦延伸不織布の製法において、延伸倍率は
ウェブを構成するフィラメントのポリマーの種類、ウェ
ブの紡糸手段や配列手段などによって異なる。しかし、
いずれの種類や手段を用いる場合にも、ウェブの高配向
度および高強度を達成し得る延伸倍率が選択される。上
記の延伸倍率は、延伸前のウェブの延伸方向に所定の間
隔で付与したマークにより、以下の式で定義される。 延伸倍率=〔延伸後のマーク間の長さ〕/〔延伸前のマ
ーク間の長さ〕 この延伸倍率は、通常の長繊維フィラメントヤーンの延
伸のように、必ずしもここのフィラメントの延伸倍率を
意味しない。
ウェブを構成するフィラメントのポリマーの種類、ウェ
ブの紡糸手段や配列手段などによって異なる。しかし、
いずれの種類や手段を用いる場合にも、ウェブの高配向
度および高強度を達成し得る延伸倍率が選択される。上
記の延伸倍率は、延伸前のウェブの延伸方向に所定の間
隔で付与したマークにより、以下の式で定義される。 延伸倍率=〔延伸後のマーク間の長さ〕/〔延伸前のマ
ーク間の長さ〕 この延伸倍率は、通常の長繊維フィラメントヤーンの延
伸のように、必ずしもここのフィラメントの延伸倍率を
意味しない。
【0062】このようにして縦方向に延伸された不織布
は、次に、接合装置によって熱可塑性のエラストマーが
溶融状態または濃厚ドープとして吹き付けられ、不織布
とエラストマーとが接合される。次に、接合装置の一例
について、図3を参照して説明する。
は、次に、接合装置によって熱可塑性のエラストマーが
溶融状態または濃厚ドープとして吹き付けられ、不織布
とエラストマーとが接合される。次に、接合装置の一例
について、図3を参照して説明する。
【0063】図3に示す接合装置は、フィラメントが縦
方向に配列され延伸された不織布98を円筒形フォーミ
ングするフォーミング部80と、フォーミング部80で
円筒形とされた不織布98の内面側において熱可塑性の
エラストマーを紡糸し不織布98に向けて噴射させるエ
ラストマー噴射部85とを有する。
方向に配列され延伸された不織布98を円筒形フォーミ
ングするフォーミング部80と、フォーミング部80で
円筒形とされた不織布98の内面側において熱可塑性の
エラストマーを紡糸し不織布98に向けて噴射させるエ
ラストマー噴射部85とを有する。
【0064】ここでいうフォーミング部80とは、平面
的な形状を持つフィルム、不織布あるいはウェブなどを
円筒形の形状に連続して形成する、すなわちフォーミン
グする機能を持つ部分である。このようなフォーミング
機構は、フィルム、不織布あるいはウェブから袋を製造
する製袋機で使用されており、その形状がセーラー服の
襟に似ていることから、セーラーフォーマー、あるいは
単にフォーマーと呼ばれる。
的な形状を持つフィルム、不織布あるいはウェブなどを
円筒形の形状に連続して形成する、すなわちフォーミン
グする機能を持つ部分である。このようなフォーミング
機構は、フィルム、不織布あるいはウェブから袋を製造
する製袋機で使用されており、その形状がセーラー服の
襟に似ていることから、セーラーフォーマー、あるいは
単にフォーマーと呼ばれる。
【0065】フォーミング部80は、軸方向を略鉛直方
向に配置したガイド円筒83と、このガイド円筒83の
上端及び下端にそれぞれ取り付けられた案内装置81、
82とを有する。各案内装置81,82は、それぞれ製
袋充填包装機において包装用フィルムを円筒状にフォー
ミングするのに用いられるものと同様のものでよいの
で、その詳細な説明は省略する。下方の案内装置81
は、一カ所に軸線方向にスリットの入れられた円筒状の
不織布98を平面状に展開するものである。このような
機能を持つものであれば、どのような形態のものでもよ
い。図3では、上方の案内装置82を上下逆向きに取り
付けたものを示しているが、これに限られるものではな
く、インフレーションフィルム成形で得られる筒状のフ
ィルムを展開するのに一般的に用いられる三角フレーム
を利用した展開機なども利用することができる。また、
ガイド円筒83の下方には、フォーミング部80を通過
して得られた複合シート99を引き出すためのローラ対
95が配置されている。
向に配置したガイド円筒83と、このガイド円筒83の
上端及び下端にそれぞれ取り付けられた案内装置81、
82とを有する。各案内装置81,82は、それぞれ製
袋充填包装機において包装用フィルムを円筒状にフォー
ミングするのに用いられるものと同様のものでよいの
で、その詳細な説明は省略する。下方の案内装置81
は、一カ所に軸線方向にスリットの入れられた円筒状の
不織布98を平面状に展開するものである。このような
機能を持つものであれば、どのような形態のものでもよ
い。図3では、上方の案内装置82を上下逆向きに取り
付けたものを示しているが、これに限られるものではな
く、インフレーションフィルム成形で得られる筒状のフ
ィルムを展開するのに一般的に用いられる三角フレーム
を利用した展開機なども利用することができる。また、
ガイド円筒83の下方には、フォーミング部80を通過
して得られた複合シート99を引き出すためのローラ対
95が配置されている。
【0066】延伸装置により縦方向に延伸された不織布
98がこのフォーミング部80に供給されると、ローラ
対95による不織布98の引き取り動作に伴って、不織
布98は上方の案内装置81により円筒形にフォーミン
グされ、ガイド円筒83の内壁に沿って下方に送られ
る。さらに、不織布98は下方の案内装置82により再
びシート状に開かれた後、ローラ対95を経由して巻き
取りローラ96に巻き取られる。
98がこのフォーミング部80に供給されると、ローラ
対95による不織布98の引き取り動作に伴って、不織
布98は上方の案内装置81により円筒形にフォーミン
グされ、ガイド円筒83の内壁に沿って下方に送られ
る。さらに、不織布98は下方の案内装置82により再
びシート状に開かれた後、ローラ対95を経由して巻き
取りローラ96に巻き取られる。
【0067】エラストマー噴射部85は、略鉛直方向の
軸を中心として回転自在に設けられた噴射ヘッド87を
有する。噴射ヘッド87は、この装置のフレーム93に
固定された支持軸94の外周に支持軸94と同軸上で回
転自在に軸支された回転軸86に一体的に設けられてお
り、ガイド円筒83の内側に配置されている。
軸を中心として回転自在に設けられた噴射ヘッド87を
有する。噴射ヘッド87は、この装置のフレーム93に
固定された支持軸94の外周に支持軸94と同軸上で回
転自在に軸支された回転軸86に一体的に設けられてお
り、ガイド円筒83の内側に配置されている。
【0068】回転軸86の上端部にはプーリ89が取り
付けられており、不図示の回転駆動源からの回転がベル
ト90を介して伝達され、これにより回転軸86は支持
軸94回りに回転される。ここでは、噴射ヘッド87の
分解掃除の容易さのためにプーリ駆動を用いたが、支持
軸94を回転駆動源に直結することによって、より簡単
な構造とすることができる。また、噴射ヘッド87は、
上面に環状の開口87aを有し下面が塞がれた中空円筒
状の部材であり、その外周壁には、噴射ヘッド87の中
空部内と外部とを連通するノズル87bが形成されてい
る。ここでは円筒形の構造を示したが、噴射ヘッドは遠
心力によりエラストマーを噴射できる構造であればよ
く、飛行機のプロペラ形状、または断面が三角形、四角
形あるいは十字型の中空形状とし、重心を中心に回転
し、外周面からエラストマーを噴射する構造とすること
もできる。また、多角柱形状とすることも考えられる。
しかし、回転により周囲に気流の乱れが生じることは、
紡糸状態の安定性を損なうおそれがあるため、円筒形の
構造が好ましい。
付けられており、不図示の回転駆動源からの回転がベル
ト90を介して伝達され、これにより回転軸86は支持
軸94回りに回転される。ここでは、噴射ヘッド87の
分解掃除の容易さのためにプーリ駆動を用いたが、支持
軸94を回転駆動源に直結することによって、より簡単
な構造とすることができる。また、噴射ヘッド87は、
上面に環状の開口87aを有し下面が塞がれた中空円筒
状の部材であり、その外周壁には、噴射ヘッド87の中
空部内と外部とを連通するノズル87bが形成されてい
る。ここでは円筒形の構造を示したが、噴射ヘッドは遠
心力によりエラストマーを噴射できる構造であればよ
く、飛行機のプロペラ形状、または断面が三角形、四角
形あるいは十字型の中空形状とし、重心を中心に回転
し、外周面からエラストマーを噴射する構造とすること
もできる。また、多角柱形状とすることも考えられる。
しかし、回転により周囲に気流の乱れが生じることは、
紡糸状態の安定性を損なうおそれがあるため、円筒形の
構造が好ましい。
【0069】また、噴射ヘッドは、上部開口を持つ構造
を示したが、溶融エラストマーを大気中に開放すること
が望ましくない場合には、密閉された構造とすることが
できる。その場合、支持軸94を二重構造にして、外管
と内管の間から噴射ヘッドに溶融エラストマーを供給
し、回転駆動は内管のさらに内側に伝達軸を設けた構造
が考えられる。ノズル87aの数は、後述するエラスト
マーのストランドの配列ピッチに応じて複数個形成され
ていてもよい。
を示したが、溶融エラストマーを大気中に開放すること
が望ましくない場合には、密閉された構造とすることが
できる。その場合、支持軸94を二重構造にして、外管
と内管の間から噴射ヘッドに溶融エラストマーを供給
し、回転駆動は内管のさらに内側に伝達軸を設けた構造
が考えられる。ノズル87aの数は、後述するエラスト
マーのストランドの配列ピッチに応じて複数個形成され
ていてもよい。
【0070】噴射ヘッド87の上方には、先端(下端)
を噴射ヘッド87の上面の開口87a内に臨ませた供給
パイプ88が配置されている。供給パイプ88は、押出
機またはギヤポンプ(不図示)と接続されており、エラ
ストマーは、この供給パイプ88を通して溶融状態また
は濃厚ドープとして噴射ヘッド87内へ供給される。噴
射ヘッド87の上方及び下方には、それぞれ加熱器9
1、92が配置されており、これら加熱器91、92で
噴射ヘッド87を加熱することにより、噴射ヘッド87
内でのエラストマーの温度が、ノズル87bからの噴射
に適した温度に保たれる。
を噴射ヘッド87の上面の開口87a内に臨ませた供給
パイプ88が配置されている。供給パイプ88は、押出
機またはギヤポンプ(不図示)と接続されており、エラ
ストマーは、この供給パイプ88を通して溶融状態また
は濃厚ドープとして噴射ヘッド87内へ供給される。噴
射ヘッド87の上方及び下方には、それぞれ加熱器9
1、92が配置されており、これら加熱器91、92で
噴射ヘッド87を加熱することにより、噴射ヘッド87
内でのエラストマーの温度が、ノズル87bからの噴射
に適した温度に保たれる。
【0071】次に、この接合装置の動作について説明す
る。上述したように、シート状の不織布98は上方の案
内装置81によって円筒形にフォーミングされて、ガイ
ド円筒83の内壁面に沿って下方に送られる。言い換え
れば、円筒形にフォーミングされた不織布98は、ガイ
ド円筒83内ではガイド円筒83の軸線方向に沿って移
動される。
る。上述したように、シート状の不織布98は上方の案
内装置81によって円筒形にフォーミングされて、ガイ
ド円筒83の内壁面に沿って下方に送られる。言い換え
れば、円筒形にフォーミングされた不織布98は、ガイ
ド円筒83内ではガイド円筒83の軸線方向に沿って移
動される。
【0072】この際、供給パイプ88から噴射ヘッド8
7内にエラストマーを供給しつつ、噴射ヘッド87を回
転させると、噴射ヘッド87に供給されたエラストマー
は、遠心力によりノズル87bから噴射される。その結
果、噴射されたエラストマーは、凝固する前に、円筒形
にフォーミングされた不織布98の内周面に付着し、不
織布98上で凝固し、不織布98と接合される。
7内にエラストマーを供給しつつ、噴射ヘッド87を回
転させると、噴射ヘッド87に供給されたエラストマー
は、遠心力によりノズル87bから噴射される。その結
果、噴射されたエラストマーは、凝固する前に、円筒形
にフォーミングされた不織布98の内周面に付着し、不
織布98上で凝固し、不織布98と接合される。
【0073】このように、噴射ヘッド87の回転による
遠心力を利用してエラストマーを噴射させることによ
り、エラストマーは、ガイド円筒83の周方向に沿って
不織布98の内周面に付着する。またこの間、不織布9
8は下方に送られているので、エラストマーは不織布9
8の内周面に螺旋状に接合される。
遠心力を利用してエラストマーを噴射させることによ
り、エラストマーは、ガイド円筒83の周方向に沿って
不織布98の内周面に付着する。またこの間、不織布9
8は下方に送られているので、エラストマーは不織布9
8の内周面に螺旋状に接合される。
【0074】その後、不織布98は下方の案内装置82
を通ってシート状に広げられ、不織布98とエラストマ
ーとの複合シート99となる。ここで、不織布98の送
り速度と噴射ヘッド87の回転速度とを適宜設定するこ
とにより、エラストマーは不織布98のフィラメントの
配列方向と略直角方向にストランド状に配列され、フィ
ラメントの繊維方向には殆ど伸縮しないが、フィラメン
トの配列方向には伸縮する複合シート99が得られる。
を通ってシート状に広げられ、不織布98とエラストマ
ーとの複合シート99となる。ここで、不織布98の送
り速度と噴射ヘッド87の回転速度とを適宜設定するこ
とにより、エラストマーは不織布98のフィラメントの
配列方向と略直角方向にストランド状に配列され、フィ
ラメントの繊維方向には殆ど伸縮しないが、フィラメン
トの配列方向には伸縮する複合シート99が得られる。
【0075】このように、不織布98を円筒形にフォー
ミングし、その内周面に、回転する噴射ヘッド87から
エラストマーを噴射して、エラストマーを不織布98に
接合させる方法は、エラストマーをストランド状に簡単
かつ高速に成形できるので、本発明の複合シートの製造
に適している。また、エラストマーのストランドは、複
合シートの伸縮方向である横方向に配列しているので、
少量のエラストマーで横方向の伸縮特性を効率的に発揮
させることができる。さらに、この複合シートは不織布
98とエラストマーとを接合したものなので、不織布9
8の目付量が少なくてもその伸縮特性が損なわれること
はなく、不織布98の量も少なくすることができる。
ミングし、その内周面に、回転する噴射ヘッド87から
エラストマーを噴射して、エラストマーを不織布98に
接合させる方法は、エラストマーをストランド状に簡単
かつ高速に成形できるので、本発明の複合シートの製造
に適している。また、エラストマーのストランドは、複
合シートの伸縮方向である横方向に配列しているので、
少量のエラストマーで横方向の伸縮特性を効率的に発揮
させることができる。さらに、この複合シートは不織布
98とエラストマーとを接合したものなので、不織布9
8の目付量が少なくてもその伸縮特性が損なわれること
はなく、不織布98の量も少なくすることができる。
【0076】なお、図3に示した例では、案内装置81
を経由した不織布98を、そのままガイド円筒83に供
給した例を示した。ウェブを筒状にフォーミングする場
合には、案内装置81とガイド円筒83との間でウェブ
の両側端同士を熱シールする機構を設ける場合が多い、
しかし、本発明では不織布を筒状に加工するのが目的で
はないので、シール機構は不要である。
を経由した不織布98を、そのままガイド円筒83に供
給した例を示した。ウェブを筒状にフォーミングする場
合には、案内装置81とガイド円筒83との間でウェブ
の両側端同士を熱シールする機構を設ける場合が多い、
しかし、本発明では不織布を筒状に加工するのが目的で
はないので、シール機構は不要である。
【0077】本発明によれば、不織布98の幅とガイド
円筒83の内周長とが一致していることが理想である。
しかし、実際には、不織布98の端部の不揃い、または
不織布98の蛇行などにより、両者を完全に一致させる
ことは難しい。そのため、不織布98の幅をガイド円筒
83の内周長よりも大きくするのが望ましい。これは、
不織布の幅が不足した場合、ガイド円筒83の内側での
不織布98の両端間に隙間が生じてしまうためである。
隙間の部分ではエラストマーが直接、ガイド円筒83に
噴射され、固着してしまう。エラストマーが固着した部
分は、不織布上に噴射された部分と引っ張り合ってしま
い、不織布の送りを阻害することになる。
円筒83の内周長とが一致していることが理想である。
しかし、実際には、不織布98の端部の不揃い、または
不織布98の蛇行などにより、両者を完全に一致させる
ことは難しい。そのため、不織布98の幅をガイド円筒
83の内周長よりも大きくするのが望ましい。これは、
不織布の幅が不足した場合、ガイド円筒83の内側での
不織布98の両端間に隙間が生じてしまうためである。
隙間の部分ではエラストマーが直接、ガイド円筒83に
噴射され、固着してしまう。エラストマーが固着した部
分は、不織布上に噴射された部分と引っ張り合ってしま
い、不織布の送りを阻害することになる。
【0078】また、エラストマーの性質により、不織布
98に噴射されたストランドは、遠心力により受けてい
た張力による伸びが開放されるため、不織布98をスト
ランドの軸線方向に収縮させる作用を持つ。このため、
不織布98の幅とガイド円筒83の内周長とを一致させ
たとしても、この収縮作用によって、ガイド円筒83の
下部では不織布の幅が小さくなり隙間が生じる。以上よ
り、不織布98の幅を、ガイド円筒83の内周長よりも
大きくするのが現実的である。
98に噴射されたストランドは、遠心力により受けてい
た張力による伸びが開放されるため、不織布98をスト
ランドの軸線方向に収縮させる作用を持つ。このため、
不織布98の幅とガイド円筒83の内周長とを一致させ
たとしても、この収縮作用によって、ガイド円筒83の
下部では不織布の幅が小さくなり隙間が生じる。以上よ
り、不織布98の幅を、ガイド円筒83の内周長よりも
大きくするのが現実的である。
【0079】また、不織布98の収縮に伴う不足分が補
えるように不織布98の幅の余分な分が重なった部分
は、熱シールせずに自由な状態のままガイド円筒83に
送り込むのが好ましい。
えるように不織布98の幅の余分な分が重なった部分
は、熱シールせずに自由な状態のままガイド円筒83に
送り込むのが好ましい。
【0080】不織布98にエラストマーストランドを噴
射して得られた複合シートを、円筒形から平面形状に戻
すためには、円筒形の不織布の側端を切り開くことが必
要である。このために、不織布98の送り方向に沿って
不織布98を切開するカッター(不図示)が設けられ
る。不織布98を熱シールしていない場合でも、エラス
トマーがスパイラル状に連続しているため、展開するに
は必ず側端を切り開く必要がある。切り開いた不織布
は、下方の案内装置82によって平面的な形状に展開さ
れる。
射して得られた複合シートを、円筒形から平面形状に戻
すためには、円筒形の不織布の側端を切り開くことが必
要である。このために、不織布98の送り方向に沿って
不織布98を切開するカッター(不図示)が設けられ
る。不織布98を熱シールしていない場合でも、エラス
トマーがスパイラル状に連続しているため、展開するに
は必ず側端を切り開く必要がある。切り開いた不織布
は、下方の案内装置82によって平面的な形状に展開さ
れる。
【0081】不織布98の展開の際には、複数のカッタ
ーを用いて複数枚の複合シートに切り分けることも可能
である。この場合、下方の案内装置82は、より簡単な
機構、例えば複数組のターンロールなどに置き換えるこ
とができる。これは、得られる複合シートの幅が狭くな
ってしまうことが問題でない場合には、機構が単純化さ
れるという利点がある。
ーを用いて複数枚の複合シートに切り分けることも可能
である。この場合、下方の案内装置82は、より簡単な
機構、例えば複数組のターンロールなどに置き換えるこ
とができる。これは、得られる複合シートの幅が狭くな
ってしまうことが問題でない場合には、機構が単純化さ
れるという利点がある。
【0082】以上、図1〜図3に示した各装置を用い
て、フィラメントが縦方向に配列され延伸された不織布
上に、熱可塑性のエラストマーがフィラメントの配列方
向と略直角な方向にストランド状に配列された複合シー
トを製造する方法を説明した。本実施形態は、上述のよ
うにフィラメントが縦方向に配列された不織布を用いる
ものであるが、このような不織布を製造することができ
るものであれば、紡糸装置及び延伸装置は、図1及び図
2に示したものに限定されるものではい。以下に、紡糸
装置及び延伸装置の変更例について説明する。
て、フィラメントが縦方向に配列され延伸された不織布
上に、熱可塑性のエラストマーがフィラメントの配列方
向と略直角な方向にストランド状に配列された複合シー
トを製造する方法を説明した。本実施形態は、上述のよ
うにフィラメントが縦方向に配列された不織布を用いる
ものであるが、このような不織布を製造することができ
るものであれば、紡糸装置及び延伸装置は、図1及び図
2に示したものに限定されるものではい。以下に、紡糸
装置及び延伸装置の変更例について説明する。
【0083】まず、紡糸装置の変更例について、図5を
参照して説明する。図1に示す紡糸装置は、メルトブロ
ーダイスを用いてフィラメントにドラフト張力を与える
ものであったが、図5に示す紡糸装置は、狭義のスパン
ボンド(SB)法によってフィラメントにドラフト張力
を与えるものである。なお、図5において、図1と同じ
構成については図1と同一の符号を付して説明する。
参照して説明する。図1に示す紡糸装置は、メルトブロ
ーダイスを用いてフィラメントにドラフト張力を与える
ものであったが、図5に示す紡糸装置は、狭義のスパン
ボンド(SB)法によってフィラメントにドラフト張力
を与えるものである。なお、図5において、図1と同じ
構成については図1と同一の符号を付して説明する。
【0084】SB紡糸では、多数の紡糸孔を有するスパ
ンボンドダイス21から紡糸された多数のフィラメント
22は、エジェクター23でエアー24により吸引さ
れ、エジェクター23のノズルにより加速されたエアー
に伴われてコンベア7の上に集積される。スパンボンド
ダイス21の下方に図に示すように保温壁26を設け、
その中にヒータ27を設置し、紡糸したフィラメント2
2の流れに融点以上に加熱した加熱エアー28を随伴さ
せて、ノズル直下でフィラメント22が冷却されないよ
うにする。
ンボンドダイス21から紡糸された多数のフィラメント
22は、エジェクター23でエアー24により吸引さ
れ、エジェクター23のノズルにより加速されたエアー
に伴われてコンベア7の上に集積される。スパンボンド
ダイス21の下方に図に示すように保温壁26を設け、
その中にヒータ27を設置し、紡糸したフィラメント2
2の流れに融点以上に加熱した加熱エアー28を随伴さ
せて、ノズル直下でフィラメント22が冷却されないよ
うにする。
【0085】フィラメント22は、エジェクター23に
入る直前で、スプレーノズル8からの霧状の水分を含む
エアーにより冷却されながらエジェクター23に導かれ
る。スプレーノズル8がなければ、フィラメント22は
エジェクター23内で相互に融着する。なお、スプレー
ノズル8の代わりに、エジェクター23においてエアー
24に霧状水分含ませることも可能である。
入る直前で、スプレーノズル8からの霧状の水分を含む
エアーにより冷却されながらエジェクター23に導かれ
る。スプレーノズル8がなければ、フィラメント22は
エジェクター23内で相互に融着する。なお、スプレー
ノズル8の代わりに、エジェクター23においてエアー
24に霧状水分含ませることも可能である。
【0086】エジェクター23で加速されたフィラメン
ト22は、コンベア7の積載面に傾斜して設置した障壁
板29により方向を変えられ、さらに負圧吸引ノズル1
0により吸引されて、図1に示す例と同様に、傾斜した
コンベア7の上に集積される。これにより、フィラメン
ト22の配列性が向上する。なお、図5においては、エ
ジェクター23は垂直に設置されているが、エジェクタ
ー23の流出方向自体を傾斜させてもよい。
ト22は、コンベア7の積載面に傾斜して設置した障壁
板29により方向を変えられ、さらに負圧吸引ノズル1
0により吸引されて、図1に示す例と同様に、傾斜した
コンベア7の上に集積される。これにより、フィラメン
ト22の配列性が向上する。なお、図5においては、エ
ジェクター23は垂直に設置されているが、エジェクタ
ー23の流出方向自体を傾斜させてもよい。
【0087】図5に示すスパンボンドダイス21のノズ
ル直下の保温壁26は、ヒータ27で加熱された加熱エ
アー28の導入路であり、保温筒の役目を果たす。ただ
し、ノズル直下を高温に保つ他の方法として、赤外線ラ
ンプ等でノズル直下を直接加熱することも可能である。
いずれの場合も、ノズル直下を高温に維持することによ
って、ドラフトによりフィラメント22が細径化されて
も、フィラメント22の分子配向が少ない点に特徴があ
る。図5に示す加熱エアー28の温度を、フィラメント
22の紡糸温度(ダイス温度)よりも80℃以上、さら
に望ましくは120℃以上高くすることにより、フィラ
メント22の分子配向が小さくなり、その後の延伸性が
向上する。
ル直下の保温壁26は、ヒータ27で加熱された加熱エ
アー28の導入路であり、保温筒の役目を果たす。ただ
し、ノズル直下を高温に保つ他の方法として、赤外線ラ
ンプ等でノズル直下を直接加熱することも可能である。
いずれの場合も、ノズル直下を高温に維持することによ
って、ドラフトによりフィラメント22が細径化されて
も、フィラメント22の分子配向が少ない点に特徴があ
る。図5に示す加熱エアー28の温度を、フィラメント
22の紡糸温度(ダイス温度)よりも80℃以上、さら
に望ましくは120℃以上高くすることにより、フィラ
メント22の分子配向が小さくなり、その後の延伸性が
向上する。
【0088】次に、図6を参照して、延伸装置の変更例
について説明する。図6に示す延伸装置では、ウェブ6
1は、まず加熱シリンダ62で予熱される。シリンダ6
2には、加熱シリンダ62の表面速度と等しい表面速度
で回転する小口径ロール63が密着して配置される。ウ
ェブ61の延伸は、小口径ロール64と小口径ロール6
5の間で行われる。その後、ウェブ61はシリンダ66
で熱処理され、冷却シリンダ67で冷却され、ニップロ
ール68を経て縦延伸ウェブ69として引き取られる。
このような近接延伸では、小口径ロール64と65とに
より極めて短い距離で延伸が行われるので、幅収縮も小
さく、延伸点を固定することも可能である。
について説明する。図6に示す延伸装置では、ウェブ6
1は、まず加熱シリンダ62で予熱される。シリンダ6
2には、加熱シリンダ62の表面速度と等しい表面速度
で回転する小口径ロール63が密着して配置される。ウ
ェブ61の延伸は、小口径ロール64と小口径ロール6
5の間で行われる。その後、ウェブ61はシリンダ66
で熱処理され、冷却シリンダ67で冷却され、ニップロ
ール68を経て縦延伸ウェブ69として引き取られる。
このような近接延伸では、小口径ロール64と65とに
より極めて短い距離で延伸が行われるので、幅収縮も小
さく、延伸点を固定することも可能である。
【0089】次に、図7を参照して、延伸装置の他の変
更例について説明する。図7に示す延伸装置では、ウェ
ブ114は、ピンチロール122、122’よりターン
ロール123を経て、加熱されている圧延ロール12
4、124’へ導かれる。各圧延ロール124、12
4’の間隔はウェブ114の厚み以下に調整されてい
る。また、後段の圧延ロール124’は、前段の圧延ロ
ール124よりも遅い回転速度で回転されている。ウェ
ブ114は、これら2つの圧延ロール124、124’
で押し潰されながら各圧延ロール124、124’の回
転速度差で縦方向に延伸(圧延)される。その後、ウェ
ブ114は、後段の圧延ロール124’で熱処理されつ
つ圧着ロール125でニップされ、圧延ウェブ126と
して引き取られる。この圧延方式の特徴は原反不織布の
繊維方向に多少のムラがあっても、高倍率に延伸できる
ことにあり、さらに、圧延された不織布が全体として、
パール状の光沢を帯びさせることができるなど全く別の
性能を持たせることも可能である。
更例について説明する。図7に示す延伸装置では、ウェ
ブ114は、ピンチロール122、122’よりターン
ロール123を経て、加熱されている圧延ロール12
4、124’へ導かれる。各圧延ロール124、12
4’の間隔はウェブ114の厚み以下に調整されてい
る。また、後段の圧延ロール124’は、前段の圧延ロ
ール124よりも遅い回転速度で回転されている。ウェ
ブ114は、これら2つの圧延ロール124、124’
で押し潰されながら各圧延ロール124、124’の回
転速度差で縦方向に延伸(圧延)される。その後、ウェ
ブ114は、後段の圧延ロール124’で熱処理されつ
つ圧着ロール125でニップされ、圧延ウェブ126と
して引き取られる。この圧延方式の特徴は原反不織布の
繊維方向に多少のムラがあっても、高倍率に延伸できる
ことにあり、さらに、圧延された不織布が全体として、
パール状の光沢を帯びさせることができるなど全く別の
性能を持たせることも可能である。
【0090】(第2の実施形態)本実施形態も、第1の
実施形態と同様に、フィラメントが縦方向に配列され延
伸された不織布上に、熱可塑性のエラストマーがフィラ
メントの配列方向と略直角な方向にストランド状に配列
された複合シートを製造する例である。
実施形態と同様に、フィラメントが縦方向に配列され延
伸された不織布上に、熱可塑性のエラストマーがフィラ
メントの配列方向と略直角な方向にストランド状に配列
された複合シートを製造する例である。
【0091】ただし、本実施形態では、不織布へのエラ
ストマーの接合工程が第1の実施形態と異なっている。
ストマーの接合工程が第1の実施形態と異なっている。
【0092】以下に、図8に示す接合装置を参照して、
本実施形態について説明する。
本実施形態について説明する。
【0093】図8は、本発明の第2の実施形態で用い
る、不織布へのエラストマーの接合装置を示す図であ
り、同図(A)は、その噴射ヘッドを下から見た図、同
図(B)は噴射ヘッドの側断面図、同図(C)は噴射ヘ
ッドを正面から見た断面図である。
る、不織布へのエラストマーの接合装置を示す図であ
り、同図(A)は、その噴射ヘッドを下から見た図、同
図(B)は噴射ヘッドの側断面図、同図(C)は噴射ヘ
ッドを正面から見た断面図である。
【0094】図8において、噴射口108は、熱可塑性
のエラストマーの融液を吐出するものであり、この噴射
口108の周囲に、エアー孔(110−1、110−
2、110−3、・・・通常は3〜8個)が設けられて
いる。これらのエアー孔は、エアーを、噴射口108か
ら吐出されたエラストマー109と噴射口108より数
センチ〜数十センチ以内で交差するように、若干斜めに
設けられている。これにより、エラストマー109は、
スパイラル状に回転される。
のエラストマーの融液を吐出するものであり、この噴射
口108の周囲に、エアー孔(110−1、110−
2、110−3、・・・通常は3〜8個)が設けられて
いる。これらのエアー孔は、エアーを、噴射口108か
ら吐出されたエラストマー109と噴射口108より数
センチ〜数十センチ以内で交差するように、若干斜めに
設けられている。これにより、エラストマー109は、
スパイラル状に回転される。
【0095】噴射ヘッドの下方には、フィラメントが縦
方向に配列されて延伸された不織布を搬送するスクリー
ンメッシュ112が配置されている。
方向に配列されて延伸された不織布を搬送するスクリー
ンメッシュ112が配置されている。
【0096】エアー孔110−1、110−2、・・・
の外側には、別の2つのエアー孔111、111’が、
スクリーンメッシュ112の移動方向と平行、かつ、互
いにエアーの噴射方向が向き合うように設けられてい
る。各エアー孔111、111’から噴射されたエアー
は互いに衝突して、不織布の搬送方向と直角の方向に拡
がり、そのエアーの勢いで、回転されてきたエラストマ
ー109は、不織布の搬送方向に直角に散らされながら
不織布に付着する。これにより、不織布上には、不織布
の幅方向に配列した成分を多くしたかたちでエラストマ
ー109のストランドが形成され、不織布とエラストマ
ーとが接合された複合シートが得られる。
の外側には、別の2つのエアー孔111、111’が、
スクリーンメッシュ112の移動方向と平行、かつ、互
いにエアーの噴射方向が向き合うように設けられてい
る。各エアー孔111、111’から噴射されたエアー
は互いに衝突して、不織布の搬送方向と直角の方向に拡
がり、そのエアーの勢いで、回転されてきたエラストマ
ー109は、不織布の搬送方向に直角に散らされながら
不織布に付着する。これにより、不織布上には、不織布
の幅方向に配列した成分を多くしたかたちでエラストマ
ー109のストランドが形成され、不織布とエラストマ
ーとが接合された複合シートが得られる。
【0097】1つの噴射口108によるエラストマーの
散布幅は通常100〜300ミリメートルの範囲である
から、複合シートの幅に応じて、この噴射口108を複
数個設けてもよい。また、不織布の搬送速度を低下させ
ることなくエラストマーの密度を高くしたい場合には、
噴射ヘッドを不織布の搬送方向にも多段に設置すればよ
い。
散布幅は通常100〜300ミリメートルの範囲である
から、複合シートの幅に応じて、この噴射口108を複
数個設けてもよい。また、不織布の搬送速度を低下させ
ることなくエラストマーの密度を高くしたい場合には、
噴射ヘッドを不織布の搬送方向にも多段に設置すればよ
い。
【0098】フィラメントの紡糸による不織布の形成、
及びこれにより形成された不織布の延伸は、第1の実施
形態で説明したのと同様の装置を用い、第1の実施形態
と同様の方法で行うことができる。
及びこれにより形成された不織布の延伸は、第1の実施
形態で説明したのと同様の装置を用い、第1の実施形態
と同様の方法で行うことができる。
【0099】(第3の実施形態)本実施形態では、不織
布のフィラメントの配列方向と、エラストマーのストラ
ンドの配列方向とを、上述した第1及び第2の実施形態
とは逆にした例について説明する。
布のフィラメントの配列方向と、エラストマーのストラ
ンドの配列方向とを、上述した第1及び第2の実施形態
とは逆にした例について説明する。
【0100】本実施形態で得られる複合シートは、図1
3に示すように、不織布512のフィラメント513は
横方向に延伸され配列されており、この不織布512上
に、フィラメント513の配列方向と略直角方向にスト
ランド状に配列されたエラストマー514が接合された
複合シート155である。図13に示した複合シート5
11は、横方向には殆ど伸びないが、縦方向には伸縮自
在な特性を有する。
3に示すように、不織布512のフィラメント513は
横方向に延伸され配列されており、この不織布512上
に、フィラメント513の配列方向と略直角方向にスト
ランド状に配列されたエラストマー514が接合された
複合シート155である。図13に示した複合シート5
11は、横方向には殆ど伸びないが、縦方向には伸縮自
在な特性を有する。
【0101】本実施形態の複合シートの製造に際して
も、フィラメントがほぼ一方向に並べられた不織布を製
造する紡糸工程と、紡糸装置で製造された不織布を横方
向に延伸する延伸工程と、延伸装置で横方向に延伸され
た不織布に熱可塑性のエラストマーを接合する接合工程
とを有する。これらの各工程のうち、紡糸工程及び接合
工程には、第1の実施形態または第2の実施形態で用い
た装置を利用することができる。
も、フィラメントがほぼ一方向に並べられた不織布を製
造する紡糸工程と、紡糸装置で製造された不織布を横方
向に延伸する延伸工程と、延伸装置で横方向に延伸され
た不織布に熱可塑性のエラストマーを接合する接合工程
とを有する。これらの各工程のうち、紡糸工程及び接合
工程には、第1の実施形態または第2の実施形態で用い
た装置を利用することができる。
【0102】すなわち、不織布は、フィラメントを横方
向に配列したものであるので、第2の実施形態で用いた
接合装置(図8参照)を利用し、噴射ヘッドの噴射口1
08からエラストマーの代りにフィラメントを吐出させ
ることによって、製造することができる。これにより、
噴射ヘッドの下方に配置されたスクリーンメッシュ11
2上に、横方向に配列した成分を多くしたかたちでフィ
ラメントが蓄積され、横方向配列を主体とした不織布を
得ることができる。
向に配列したものであるので、第2の実施形態で用いた
接合装置(図8参照)を利用し、噴射ヘッドの噴射口1
08からエラストマーの代りにフィラメントを吐出させ
ることによって、製造することができる。これにより、
噴射ヘッドの下方に配置されたスクリーンメッシュ11
2上に、横方向に配列した成分を多くしたかたちでフィ
ラメントが蓄積され、横方向配列を主体とした不織布を
得ることができる。
【0103】また、第2の実施形態と同様に、製造すべ
き不織布の幅に応じて噴射口の数を増減することもでき
るし、フィラメントの密度に応じて複数の噴射ヘッドを
配置することもできる。
き不織布の幅に応じて噴射口の数を増減することもでき
るし、フィラメントの密度に応じて複数の噴射ヘッドを
配置することもできる。
【0104】なお、図8に示した装置を用いて不織布を
製造する場合、縦方向におけるフィラメントの密度ばら
つきが少なく、しかもフィラメントの分子配向をできる
だけ少なくするためには、各エアー孔から噴射するエア
ーの温度を、フィラメントの融点よりも数十度以上高く
することが好ましい。また、フィラメントを構成するポ
リマーの種類によっては、2種類のエアー孔のうち一方
の種類のエアー孔から噴射するエアーについてのみ加熱
すればよい場合もある。
製造する場合、縦方向におけるフィラメントの密度ばら
つきが少なく、しかもフィラメントの分子配向をできる
だけ少なくするためには、各エアー孔から噴射するエア
ーの温度を、フィラメントの融点よりも数十度以上高く
することが好ましい。また、フィラメントを構成するポ
リマーの種類によっては、2種類のエアー孔のうち一方
の種類のエアー孔から噴射するエアーについてのみ加熱
すればよい場合もある。
【0105】一方、エラストマーは、縦方向に配列した
ものであるので、第1及び第2の実施形態で用いた紡糸
装置(図1参照)を利用することができる。すなわち、
横方向に延伸された不織布をコンベア7によって搬送し
ながら、メルトブローダイス1のノズル3から熱可塑性
のエラストマーを押出して、不織布にエラストマーを接
合させる。
ものであるので、第1及び第2の実施形態で用いた紡糸
装置(図1参照)を利用することができる。すなわち、
横方向に延伸された不織布をコンベア7によって搬送し
ながら、メルトブローダイス1のノズル3から熱可塑性
のエラストマーを押出して、不織布にエラストマーを接
合させる。
【0106】この場合、エラストマーは、コンベア7上
の不織布に接触してから凝固させる必要があるので、図
1に示したスプレーノズル8a、8bは不要である。ま
た、接合後の近接延伸も不要であるので、延伸シリンダ
11等の延伸装置も不要である。なお、図1に示した装
置を利用してエラストマーを不織布に接合する場合、エ
ラストマーの密度は不織布を製造する場合のフィラメン
トの密度に比べて低くて構わないので、ノズル3の配列
ピッチは、エラストマーの密度に応じて適宜設定する。
の不織布に接触してから凝固させる必要があるので、図
1に示したスプレーノズル8a、8bは不要である。ま
た、接合後の近接延伸も不要であるので、延伸シリンダ
11等の延伸装置も不要である。なお、図1に示した装
置を利用してエラストマーを不織布に接合する場合、エ
ラストマーの密度は不織布を製造する場合のフィラメン
トの密度に比べて低くて構わないので、ノズル3の配列
ピッチは、エラストマーの密度に応じて適宜設定する。
【0107】また、エラストマーの接合には、図5に示
した、スパンボンド法による装置も利用することができ
るし、さらには、図8に示した噴射ヘッド90度回転し
て、エアー孔111、111’のエアーで拡がるパター
ンを縦(不織布の進行方向と平行)に拡がるように配置
して、この噴射ヘッドを横方向に多数並べて、エラスト
マーを縦方向に配列させることもできる。
した、スパンボンド法による装置も利用することができ
るし、さらには、図8に示した噴射ヘッド90度回転し
て、エアー孔111、111’のエアーで拡がるパター
ンを縦(不織布の進行方向と平行)に拡がるように配置
して、この噴射ヘッドを横方向に多数並べて、エラスト
マーを縦方向に配列させることもできる。
【0108】このように、本実施形態では、不織布が送
られる過程でエラストマーのストランドを形成しつつ、
エラストマーを不織布に直接接合している。より詳しく
は、本実施形態では、エラストマーのストランドの成形
過程で、エラストマーがまだ凝固していない段階でエラ
ストマーを不織布に到達させ、不織布に到達したエラス
トマーを不織布上で凝固させつつ接合させている。これ
により、縦方向に伸縮性のある複合シートを簡便かつ効
率良く製造することができる。また、エラストマーは縦
方向にストランド状に配列されるので、少量のエラスト
マーで縦方向の伸縮特性を発揮させることができる。さ
らに、不織布の量を少なくすることができる点について
も、第1の実施形態と同様である。
られる過程でエラストマーのストランドを形成しつつ、
エラストマーを不織布に直接接合している。より詳しく
は、本実施形態では、エラストマーのストランドの成形
過程で、エラストマーがまだ凝固していない段階でエラ
ストマーを不織布に到達させ、不織布に到達したエラス
トマーを不織布上で凝固させつつ接合させている。これ
により、縦方向に伸縮性のある複合シートを簡便かつ効
率良く製造することができる。また、エラストマーは縦
方向にストランド状に配列されるので、少量のエラスト
マーで縦方向の伸縮特性を発揮させることができる。さ
らに、不織布の量を少なくすることができる点について
も、第1の実施形態と同様である。
【0109】以上説明したように、フィラメントの紡糸
及びエラストマーの接合については、上述した各実施形
態で用いた装置を利用して行うことができるが、不織布
の延伸については、フィラメントの配列方向が上述した
実施形態とは異なるため、第1の実施形態及び第2の実
施形態で用いた延伸装置を利用することはできない。
及びエラストマーの接合については、上述した各実施形
態で用いた装置を利用して行うことができるが、不織布
の延伸については、フィラメントの配列方向が上述した
実施形態とは異なるため、第1の実施形態及び第2の実
施形態で用いた延伸装置を利用することはできない。
【0110】そこで、本実施形態では、不織布を幅方向
に延伸させる延伸装置を用いる。以下に、本実施形態で
用いる延伸装置について説明する。
に延伸させる延伸装置を用いる。以下に、本実施形態で
用いる延伸装置について説明する。
【0111】図9は、横方向に配列している成分の多い
未配向フィラメントを横方向に延伸する場合に好適な延
伸装置の一例の概略斜視図である。
未配向フィラメントを横方向に延伸する場合に好適な延
伸装置の一例の概略斜視図である。
【0112】図9に示すように、未配向フィラメントよ
りなる不織布127は、ターンロール128を経て、2
つの延伸プーリ129、129’に導かれる。2つの延
伸プーリ129、129’は、不織布127の移送方向
に対して上流から下流に向かって広がる軌道を持つよう
に配置されており、不織布127はその一番狭くなって
いる箇所に導かれる。無端ベルト(またはロープ)13
0、130’は、延伸プーリ129、129’の軌道を
通るように張られている。延伸プーリ129、129’
に導かれた不織布127は、延伸プーリ129、12
9’と無端ベルト130、130’とで幅方向両端部を
挟まれつつ送られ、延伸プーリ129、129’の作る
軌道により、横方向に延伸される。そして、横方向に延
伸された不織布127は、延伸プーリ129、129’
の軌道の一番広がった所でベルト130、130’より
離れ、ターンロール131を経て引き取られる。末広が
りの延伸部はチャンバ132で覆われており、熱風や温
浴、赤外線などで加熱される。熱風で加熱する場合、不
織布127を貫通するように加熱すると熱効率が良い。
りなる不織布127は、ターンロール128を経て、2
つの延伸プーリ129、129’に導かれる。2つの延
伸プーリ129、129’は、不織布127の移送方向
に対して上流から下流に向かって広がる軌道を持つよう
に配置されており、不織布127はその一番狭くなって
いる箇所に導かれる。無端ベルト(またはロープ)13
0、130’は、延伸プーリ129、129’の軌道を
通るように張られている。延伸プーリ129、129’
に導かれた不織布127は、延伸プーリ129、12
9’と無端ベルト130、130’とで幅方向両端部を
挟まれつつ送られ、延伸プーリ129、129’の作る
軌道により、横方向に延伸される。そして、横方向に延
伸された不織布127は、延伸プーリ129、129’
の軌道の一番広がった所でベルト130、130’より
離れ、ターンロール131を経て引き取られる。末広が
りの延伸部はチャンバ132で覆われており、熱風や温
浴、赤外線などで加熱される。熱風で加熱する場合、不
織布127を貫通するように加熱すると熱効率が良い。
【0113】図10は、溝ロールによる横延伸の例を示
す図である。図10に示す例では、それぞれ山部と谷部
とが交互に設けられた溝ロール134、134’を、一
方の溝ロール134の山部と他方の溝ロール134’の
谷部とが噛み合うように配置し、その間に未配向フィラ
メントよりなる不織布135を導入し、山部と谷部とで
形成されるの凹凸により不織布135を横方向に延伸す
る。さらに、延伸された不織布135を幅出しし、この
工程を複数回繰り返すことにより、延伸倍率を高くする
こともできる。
す図である。図10に示す例では、それぞれ山部と谷部
とが交互に設けられた溝ロール134、134’を、一
方の溝ロール134の山部と他方の溝ロール134’の
谷部とが噛み合うように配置し、その間に未配向フィラ
メントよりなる不織布135を導入し、山部と谷部とで
形成されるの凹凸により不織布135を横方向に延伸す
る。さらに、延伸された不織布135を幅出しし、この
工程を複数回繰り返すことにより、延伸倍率を高くする
こともできる。
【0114】この方式では、不織布135幅方向両端部
の延伸効率が悪くなる傾向がある。その対策として、溝
ロール134、134’の両端部を、発泡体や超軟質ゴ
ムなどの低弾性体で、ほぼ溝ロール134、134’の
山部と同じ高さのロールとし、この低弾性体からなるロ
ールで不織布135の両端部を把持することにより、両
端部の延伸効率を良くすることができる。また別の方法
として、不織布135の両端部を糸や薄いテープ(例え
ばポリオレフィンの延伸テープ)等により幅方向外側に
引っ張り、これにより延伸を行う方法もある。また、ベ
ルトやロープを掛け回す溝を溝ロール134、134’
の両端部に形成し、そのベルトやロープで不織布135
の両端部を把持して横方向に延伸してもよい。
の延伸効率が悪くなる傾向がある。その対策として、溝
ロール134、134’の両端部を、発泡体や超軟質ゴ
ムなどの低弾性体で、ほぼ溝ロール134、134’の
山部と同じ高さのロールとし、この低弾性体からなるロ
ールで不織布135の両端部を把持することにより、両
端部の延伸効率を良くすることができる。また別の方法
として、不織布135の両端部を糸や薄いテープ(例え
ばポリオレフィンの延伸テープ)等により幅方向外側に
引っ張り、これにより延伸を行う方法もある。また、ベ
ルトやロープを掛け回す溝を溝ロール134、134’
の両端部に形成し、そのベルトやロープで不織布135
の両端部を把持して横方向に延伸してもよい。
【0115】(他の実施形態)以上、本発明の複合シー
トの製造に好適な方法及び装置について、いくつかの代
表的な例を挙げて説明した。これらの方法及び装置は、
目的とする複合シートの用途及び構成によって適宜組み
合わせて採用することができるが、以下に、上述した各
実施形態に適用可能なその他の実施形態について説明す
る。
トの製造に好適な方法及び装置について、いくつかの代
表的な例を挙げて説明した。これらの方法及び装置は、
目的とする複合シートの用途及び構成によって適宜組み
合わせて採用することができるが、以下に、上述した各
実施形態に適用可能なその他の実施形態について説明す
る。
【0116】〈不織布の構成〉本発明に用いる不織布
は、非弾性ファイバーがほぼ一方向に延伸され配列され
ていることが必要である。その最も大きな理由は、非弾
性ファイバーが一方向に配列していることにより、その
配列方向と直角方向への変形が容易になるからである。
また、不織布は非弾性ファイバーの配列方向へは大きな
変形が困難であるので、このような不織布を用いた複合
シートは、寸法安定性があり、かつ製品としても好都合
である。従って、不織布は、特に非弾性ファイバーが一
方向に配列していれば、特に制限を受けるものではな
い。
は、非弾性ファイバーがほぼ一方向に延伸され配列され
ていることが必要である。その最も大きな理由は、非弾
性ファイバーが一方向に配列していることにより、その
配列方向と直角方向への変形が容易になるからである。
また、不織布は非弾性ファイバーの配列方向へは大きな
変形が困難であるので、このような不織布を用いた複合
シートは、寸法安定性があり、かつ製品としても好都合
である。従って、不織布は、特に非弾性ファイバーが一
方向に配列していれば、特に制限を受けるものではな
い。
【0117】非弾性ファイバーが縦横両方向に延伸され
配列された不織布であっても、一方向の延伸倍率を高く
することによって縦横のバランスが崩れている場合に
は、本発明でいう一方向に延伸された不織布として利用
することができる。
配列された不織布であっても、一方向の延伸倍率を高く
することによって縦横のバランスが崩れている場合に
は、本発明でいう一方向に延伸された不織布として利用
することができる。
【0118】〈ウェブ状のエラストマーを用いた複合シ
ートの製造〉第1〜第3の実施形態では、エラストマー
のストランドを互いに間隔をあけてほぼ一方向に配列し
た例を示したが、エラストマーのストランドをその一部
が交差したり重なり合ったりするように配列したり、あ
るいはエラストマーのストランドを隙間なく配列してウ
ェブ状とすることもできる。またこの場合、エラストマ
ーの成形と不織布への接合とを別々の工程で行うことも
できる。
ートの製造〉第1〜第3の実施形態では、エラストマー
のストランドを互いに間隔をあけてほぼ一方向に配列し
た例を示したが、エラストマーのストランドをその一部
が交差したり重なり合ったりするように配列したり、あ
るいはエラストマーのストランドを隙間なく配列してウ
ェブ状とすることもできる。またこの場合、エラストマ
ーの成形と不織布への接合とを別々の工程で行うことも
できる。
【0119】例えば、横方向に方向性をもつエラストマ
ーのウェブを製造するには、図8に示す装置を用いるこ
とができる。エラストマーのウェブの形成と不織布への
接合とを別々の工程で行う場合、横方向に方向性をもつ
エラストマーのウェブは、さらにエラストマーの軟化点
温度以上の温度で加熱されながら横方向に引き伸ばさ
れ、横方向に配列をもったウェブが形成される。そし
て、非弾性ファイバーが縦方向に配列された不織布を搬
送しながら、エラストマーのウェブを不織布と重ね合わ
せ、その後、カレンダロール法、あるいはエンボスロー
ル法などを用いて、熱を与えながら不織布とエラストマ
ーのウェブとを接合することにより、複合シートが得ら
れる。
ーのウェブを製造するには、図8に示す装置を用いるこ
とができる。エラストマーのウェブの形成と不織布への
接合とを別々の工程で行う場合、横方向に方向性をもつ
エラストマーのウェブは、さらにエラストマーの軟化点
温度以上の温度で加熱されながら横方向に引き伸ばさ
れ、横方向に配列をもったウェブが形成される。そし
て、非弾性ファイバーが縦方向に配列された不織布を搬
送しながら、エラストマーのウェブを不織布と重ね合わ
せ、その後、カレンダロール法、あるいはエンボスロー
ル法などを用いて、熱を与えながら不織布とエラストマ
ーのウェブとを接合することにより、複合シートが得ら
れる。
【0120】図11に、エラストマーのウェブと不織布
との接合装置の一例を示す。図11に示す装置では、非
弾性ファイバーが縦方向に配列された不織布401と、
横方向に配列をもったエラストマーのウェブ403と
は、互いに重ね合わされた状態でピンチロール404、
404’を経由した後、加熱シリンダ405に供給さ
れ、加熱シリンダ405と熱圧着ロール406との間で
熱圧着されて複合シート407となる。
との接合装置の一例を示す。図11に示す装置では、非
弾性ファイバーが縦方向に配列された不織布401と、
横方向に配列をもったエラストマーのウェブ403と
は、互いに重ね合わされた状態でピンチロール404、
404’を経由した後、加熱シリンダ405に供給さ
れ、加熱シリンダ405と熱圧着ロール406との間で
熱圧着されて複合シート407となる。
【0121】不織布401とエラストマーのウェブ40
3との接合には熱を用いるのが、最も効率的かつ安価な
方法である。しかし、エラストマーの種類によっては、
一般に使用されているEVAなどの接着性のある第3の
層を不織布とエラストマーのウェブとの間に介在させて
両者を接合することも可能である。この場合には、ピン
チロール404、404’のいずれか一方に糊バスを設
け、この糊バスにより接着剤を供給することで、不織布
401とエラストマーのウェブ403とを接合すること
ができる。
3との接合には熱を用いるのが、最も効率的かつ安価な
方法である。しかし、エラストマーの種類によっては、
一般に使用されているEVAなどの接着性のある第3の
層を不織布とエラストマーのウェブとの間に介在させて
両者を接合することも可能である。この場合には、ピン
チロール404、404’のいずれか一方に糊バスを設
け、この糊バスにより接着剤を供給することで、不織布
401とエラストマーのウェブ403とを接合すること
ができる。
【0122】なお、図11に示した例では、不織布40
1の非弾性ファイバーの配列を縦方向とし、エラストマ
ーのウェブ403は横方向に配列を持つものとして説明
したが、これらの方向は逆であってもよい。
1の非弾性ファイバーの配列を縦方向とし、エラストマ
ーのウェブ403は横方向に配列を持つものとして説明
したが、これらの方向は逆であってもよい。
【0123】以上説明したように本発明は、一方向に伸
縮性を有する複合シートおよびその製造方法を提供する
ものであり、本発明の複合シートは、特に、結束テープ
用基材、生理用品伸縮部、衣料芯地、伸縮性絆創膏基
材、伸縮性包帯、医療用サポーター、紙おむつ伸縮部、
パップ材基材、襟口、袖及び腰廻りなど衣料用伸縮部
材、医療用手術着、キャップなどの伸縮部、人工皮革
布、手袋基布、サスペンダ、ベルト、靴下止め、マスク
基布、アームカバー伸縮衣料基布、コルセットなど、伸
縮弾性部に適したシートである。
縮性を有する複合シートおよびその製造方法を提供する
ものであり、本発明の複合シートは、特に、結束テープ
用基材、生理用品伸縮部、衣料芯地、伸縮性絆創膏基
材、伸縮性包帯、医療用サポーター、紙おむつ伸縮部、
パップ材基材、襟口、袖及び腰廻りなど衣料用伸縮部
材、医療用手術着、キャップなどの伸縮部、人工皮革
布、手袋基布、サスペンダ、ベルト、靴下止め、マスク
基布、アームカバー伸縮衣料基布、コルセットなど、伸
縮弾性部に適したシートである。
【0124】本発明により、少量のエラストマーで最も
効率よく伸縮性を発揮することができ、しかも簡便かつ
効率的な成形方法で複合シートができるので、本発明の
複合シートは量産性に優れている。
効率よく伸縮性を発揮することができ、しかも簡便かつ
効率的な成形方法で複合シートができるので、本発明の
複合シートは量産性に優れている。
【0125】また、本発明で用いる不織布は一方向に延
伸された不織布であり、最も効率的に一方向に非弾性フ
ァイバーが配列しており、その非弾性ファイバーの配列
方向と直角方向に伸度を大きく取るのに適しており、不
織布の目付量が少なくてもその伸度特性が損なわれるこ
とがない。従って不織布の量を低減することができその
面からもコストの安いシートを提供することができる。
伸された不織布であり、最も効率的に一方向に非弾性フ
ァイバーが配列しており、その非弾性ファイバーの配列
方向と直角方向に伸度を大きく取るのに適しており、不
織布の目付量が少なくてもその伸度特性が損なわれるこ
とがない。従って不織布の量を低減することができその
面からもコストの安いシートを提供することができる。
【0126】
【実施例】(実施例1)まず、縦延伸不織布を次のよう
に製造した。
に製造した。
【0127】〔η〕0.63dl/gのPET(ポリエ
チレンテレフタレート)溶融樹脂をノズル径0.3m
m、ダイス温度300℃、熱風温度350℃として、図
1に示すメルトブローダイス1から紡出した。このと
き、一方のエアー溜5aからは4リットル/分/ノズ
ル、他方のエアー溜5bからは5リットル/分/ノズル
で高圧加熱エアーを噴出させた。ノズル3の傾斜角度α
は12度とした。また、角度βが45度になるように、
スプレーノズル8a、8bにより、ノズル3から250
mmの位置に霧状の水を噴霧した。
チレンテレフタレート)溶融樹脂をノズル径0.3m
m、ダイス温度300℃、熱風温度350℃として、図
1に示すメルトブローダイス1から紡出した。このと
き、一方のエアー溜5aからは4リットル/分/ノズ
ル、他方のエアー溜5bからは5リットル/分/ノズル
で高圧加熱エアーを噴出させた。ノズル3の傾斜角度α
は12度とした。また、角度βが45度になるように、
スプレーノズル8a、8bにより、ノズル3から250
mmの位置に霧状の水を噴霧した。
【0128】コンベア7は、10m/分で走行する目開
き2mmのスクリーンからなるもので、水平面となす角
度γが25度となるように設置した。負圧吸引ノズル1
0は、ウェブ9と同じ幅を有するもので、フィラメント
の着地点においてコンベア7の裏面とのギャップが8m
mとなるように設置した。
き2mmのスクリーンからなるもので、水平面となす角
度γが25度となるように設置した。負圧吸引ノズル1
0は、ウェブ9と同じ幅を有するもので、フィラメント
の着地点においてコンベア7の裏面とのギャップが8m
mとなるように設置した。
【0129】コンベア7上のウェブ9を、85℃に加熱
された直径500mmのシリンダで予熱した後、押えゴ
ムロール13でニップして延伸シリンダー11に密着さ
せ、図4(b)に示す赤外線ラインヒータ32で幅方向
に延伸点を加熱し、ウェブを縦方向に2.5倍延伸し
た。
された直径500mmのシリンダで予熱した後、押えゴ
ムロール13でニップして延伸シリンダー11に密着さ
せ、図4(b)に示す赤外線ラインヒータ32で幅方向
に延伸点を加熱し、ウェブを縦方向に2.5倍延伸し
た。
【0130】次いで、図2に示す延伸装置を用いて延伸
を行った。ただし、本実施例では、延伸ロール51を熱
処理ロールとして用い、熱処理ロール54を冷却シリン
ダとして用いた。すなわち、予熱ロール43と延伸ロー
ル45の温度を85℃に設定してPQ間でウェブを2倍
に延伸し、120℃の延伸ロール48と165℃の延伸
ロール(51)との間をカバーで覆い、内部を蒸気室と
することにより、その間でウェブをさらに1.2倍に延
伸し、延伸ロール(51)と冷却シリンダ(54)との
間で3%収縮させることにより縦延伸不織布を得た。
を行った。ただし、本実施例では、延伸ロール51を熱
処理ロールとして用い、熱処理ロール54を冷却シリン
ダとして用いた。すなわち、予熱ロール43と延伸ロー
ル45の温度を85℃に設定してPQ間でウェブを2倍
に延伸し、120℃の延伸ロール48と165℃の延伸
ロール(51)との間をカバーで覆い、内部を蒸気室と
することにより、その間でウェブをさらに1.2倍に延
伸し、延伸ロール(51)と冷却シリンダ(54)との
間で3%収縮させることにより縦延伸不織布を得た。
【0131】得られた不織布の目付は35g/m2、縦
方向の伸びは10%、縦方向の強度は2.3g/d、横
方向伸びは200%、横方向の強度は0.3g/dあっ
た。なお、不織布の伸び及び強度は、それぞれ不織布の
破断時の値を示す。
方向の伸びは10%、縦方向の強度は2.3g/d、横
方向伸びは200%、横方向の強度は0.3g/dあっ
た。なお、不織布の伸び及び強度は、それぞれ不織布の
破断時の値を示す。
【0132】次いで、上記のようにして得られた縦延伸
不織布を、図3に示す接合装置のガイド円筒83に導
き、噴射ヘッド87からエラストマーを噴射させながら
不織布を送ることで、エラストマーを不織布に接合し、
複合シートを作製した。エラストマーとしては、シェル
化学社製のSEBS、クレイトンG(商品名:シェルジ
ャパン社製)を用いた。噴射ヘッドは、外径が200m
m、ノズルの数が2個のものを用い、これを1500r
pmで回転させ、エラストマーを噴射させた。ガイド円
筒は、内径が500mmのものを用いた。この噴射ヘッ
ドによって得られたエラストマーストランドの直径は、
約0.5mmであった。
不織布を、図3に示す接合装置のガイド円筒83に導
き、噴射ヘッド87からエラストマーを噴射させながら
不織布を送ることで、エラストマーを不織布に接合し、
複合シートを作製した。エラストマーとしては、シェル
化学社製のSEBS、クレイトンG(商品名:シェルジ
ャパン社製)を用いた。噴射ヘッドは、外径が200m
m、ノズルの数が2個のものを用い、これを1500r
pmで回転させ、エラストマーを噴射させた。ガイド円
筒は、内径が500mmのものを用いた。この噴射ヘッ
ドによって得られたエラストマーストランドの直径は、
約0.5mmであった。
【0133】得られた複合シートは、縦方向の伸びが1
0%、横方向の伸びが300%の特性を有するものであ
った。この複合シートの伸びは、横方向については弾性
回復が得られる最大伸び、縦方向については破断時の伸
びを示す。以下の実施例についても同様に複合シートの
伸びを示す場合、伸びが大きな方向については弾性回復
が得られる最大伸びを示し、伸びが小さな方向について
は破断時の伸びを示す。
0%、横方向の伸びが300%の特性を有するものであ
った。この複合シートの伸びは、横方向については弾性
回復が得られる最大伸び、縦方向については破断時の伸
びを示す。以下の実施例についても同様に複合シートの
伸びを示す場合、伸びが大きな方向については弾性回復
が得られる最大伸びを示し、伸びが小さな方向について
は破断時の伸びを示す。
【0134】(実施例2)実施例1と同様に製造した縦
延伸不織布上に、図8に示す装置を用いて製造された、
横方向に方向性をもつエラストマーのウェブを、図11
に示す装置を用いて接合して複合シートを製造した。な
お、エラストマーは実施例1と同様のものを使用した。
延伸不織布上に、図8に示す装置を用いて製造された、
横方向に方向性をもつエラストマーのウェブを、図11
に示す装置を用いて接合して複合シートを製造した。な
お、エラストマーは実施例1と同様のものを使用した。
【0135】得られた複合シートは、縦方向の伸びが1
0%、横方向の伸びが200%の特性を有するものであ
った。
0%、横方向の伸びが200%の特性を有するものであ
った。
【0136】(実施例3)市販のポリプロピレンスパン
ボンド不織布(目付量80g/m2)を、図9の横延伸
装置を用い、120℃の熱風中で、横方向に2.5倍延
伸し、38g/m2の横延伸ウェブを得た。この不織布
は、縦方向の強度が1.7g/tex、縦方向の伸度が
108%、横方向の強度が13.5g/tex、横方向
の伸度が22%であった。
ボンド不織布(目付量80g/m2)を、図9の横延伸
装置を用い、120℃の熱風中で、横方向に2.5倍延
伸し、38g/m2の横延伸ウェブを得た。この不織布
は、縦方向の強度が1.7g/tex、縦方向の伸度が
108%、横方向の強度が13.5g/tex、横方向
の伸度が22%であった。
【0137】そして、図14および図15に示すよう
に、横延伸ウェブ801を送りながら、幅方向に5mm
ピッチで配列された多数のモノフィラメントダイス80
2より熱可塑性エラストマーを押し出した。横延伸ウェ
ブ801は、延伸の際にプーリに把持されていた両側の
耳端部801a,801a’と、延伸によりフィラメン
トが横方向に配列している中央部801bとからなる。
に、横延伸ウェブ801を送りながら、幅方向に5mm
ピッチで配列された多数のモノフィラメントダイス80
2より熱可塑性エラストマーを押し出した。横延伸ウェ
ブ801は、延伸の際にプーリに把持されていた両側の
耳端部801a,801a’と、延伸によりフィラメン
トが横方向に配列している中央部801bとからなる。
【0138】モノフィラメント802からのエラストマ
ーの押し出しにより、横延伸ウェブ801上に、縦方向
のストランド803を成形した。熱可塑性エラストマー
としては、SEBS(スチレン−エチレンブチレン−ス
チレン)系ポリマー(シェルジャパン社製クレイトンG
1657)を用いた。このエラストマーのストランド8
03が固化しないうちに、ニップロール804でピンチ
して冷却することにより、エラストマーのストランド8
03と横延伸ウェブ801とが一体化され、この一体化
の後、両側の耳端部801a,801a’を除去して、
縦方向に大きな伸縮性を示す複合シートが得られた。こ
のエラストマーのストランド803の繊度は500te
xであった。
ーの押し出しにより、横延伸ウェブ801上に、縦方向
のストランド803を成形した。熱可塑性エラストマー
としては、SEBS(スチレン−エチレンブチレン−ス
チレン)系ポリマー(シェルジャパン社製クレイトンG
1657)を用いた。このエラストマーのストランド8
03が固化しないうちに、ニップロール804でピンチ
して冷却することにより、エラストマーのストランド8
03と横延伸ウェブ801とが一体化され、この一体化
の後、両側の耳端部801a,801a’を除去して、
縦方向に大きな伸縮性を示す複合シートが得られた。こ
のエラストマーのストランド803の繊度は500te
xであった。
【0139】得られた複合シートの縦方向の伸度は27
0%であり、200%の伸びを5回繰り返して与えて
も、横延伸ウェブ801とストランド803との一体性
は崩れなかった。また、残留歪みも18%であった。
0%であり、200%の伸びを5回繰り返して与えて
も、横延伸ウェブ801とストランド803との一体性
は崩れなかった。また、残留歪みも18%であった。
【0140】(実施例4)ポリエチレンテレフタレート
短繊維(0.25tex、長さ50mm)75%、ポリ
エステル系低融点短繊維(ユニチカ社製、商品名「メル
ティ2080」)25%の割合で混合した短繊維の原料
を紡績のカード機にかけ、目付量が50g/m2のカー
ド上がりのウェブを得た。このウェブを180℃でエン
ボスし、短繊維の縦配列不織布を得た。この不織布は、
縦方向の強度が12.7g/tex、縦方向の伸度が2
8%、横方向の強度が1.1g/tex、横方向の伸度
が115%であった。特公昭50−40185号公報、
特公昭53−38783号公報、あるいは特公平3−5
7222号公報等に記載されているのと同様の直交積層
機で、前述のSEBS系ポリマーからなるストランド
(100tex)を、不織布上に横方向に3mmピッチ
で配列し、140℃で加熱圧着して、横方向に大きな伸
縮性を有する複合シートとすることができた。
短繊維(0.25tex、長さ50mm)75%、ポリ
エステル系低融点短繊維(ユニチカ社製、商品名「メル
ティ2080」)25%の割合で混合した短繊維の原料
を紡績のカード機にかけ、目付量が50g/m2のカー
ド上がりのウェブを得た。このウェブを180℃でエン
ボスし、短繊維の縦配列不織布を得た。この不織布は、
縦方向の強度が12.7g/tex、縦方向の伸度が2
8%、横方向の強度が1.1g/tex、横方向の伸度
が115%であった。特公昭50−40185号公報、
特公昭53−38783号公報、あるいは特公平3−5
7222号公報等に記載されているのと同様の直交積層
機で、前述のSEBS系ポリマーからなるストランド
(100tex)を、不織布上に横方向に3mmピッチ
で配列し、140℃で加熱圧着して、横方向に大きな伸
縮性を有する複合シートとすることができた。
【0141】直交積層機による不織布とストランドとの
積層工程について図16及び図17を参照して説明す
る。図16に示すように、クリール架台851内にはス
トランド853が巻き付けられた多数のボビン852が
設けられており、それより引き出されたストランド85
3が、整経櫛854を通してニップロール855により
引き出され、ラチス856上に一定間隔で並べられたス
トランド853となる。このラチス856上のストラン
ド853は、カッター857により、ほぼ不織布861
の幅に相当する長さに切断されたストランド群853’
となる。一方、図17に示すように、不織布861に
は、キスロール863により接着剤862が付着され、
ベルト864とともに一定長さに切断されたストランド
群853’に、ベルト押さえ具865により押し付けら
れて、不織布861側に移される。これにより、ストラ
ンド群853’が不織布861上に横方向に配列され
る。不織布861上のストランド群853’は、熱シリ
ンダ866によって加熱され、ニップロール867で挟
まれて不織布861と一体化され、横方向に大きな伸縮
性を示す複合シートとなる。
積層工程について図16及び図17を参照して説明す
る。図16に示すように、クリール架台851内にはス
トランド853が巻き付けられた多数のボビン852が
設けられており、それより引き出されたストランド85
3が、整経櫛854を通してニップロール855により
引き出され、ラチス856上に一定間隔で並べられたス
トランド853となる。このラチス856上のストラン
ド853は、カッター857により、ほぼ不織布861
の幅に相当する長さに切断されたストランド群853’
となる。一方、図17に示すように、不織布861に
は、キスロール863により接着剤862が付着され、
ベルト864とともに一定長さに切断されたストランド
群853’に、ベルト押さえ具865により押し付けら
れて、不織布861側に移される。これにより、ストラ
ンド群853’が不織布861上に横方向に配列され
る。不織布861上のストランド群853’は、熱シリ
ンダ866によって加熱され、ニップロール867で挟
まれて不織布861と一体化され、横方向に大きな伸縮
性を示す複合シートとなる。
【0142】本例では直交積層機の例を示したが、従来
市販されている織機で熱可塑性エラストマーのストラン
ドを緯打ちすることにより、横方向にストランドを配列
させることもできる。
市販されている織機で熱可塑性エラストマーのストラン
ドを緯打ちすることにより、横方向にストランドを配列
させることもできる。
【0143】(比較例1)従来のMB製造設備で作製し
た不織布(縦方向の伸び25%、横方向の伸び40%)
にエラストマー不織布(縦横方向伸び200%)をカレ
ンダロールを使用して融着した。得られた複合シート
は、縦方向及び横方向にそれぞれ200%伸びるが、同
時に不織布が、縦方向の伸びが25%、横方向の伸びが
40%で破壊し、融着部が剥離した。
た不織布(縦方向の伸び25%、横方向の伸び40%)
にエラストマー不織布(縦横方向伸び200%)をカレ
ンダロールを使用して融着した。得られた複合シート
は、縦方向及び横方向にそれぞれ200%伸びるが、同
時に不織布が、縦方向の伸びが25%、横方向の伸びが
40%で破壊し、融着部が剥離した。
【0144】(比較例2)従来のSB製造設備で作製し
た不織布(縦方向の伸び25%、横方向の伸び30%)
とエラストマ基材を接合した。得られた複合シートは、
比較例1と同様、用いた不織布の伸び以上の変形を与え
ると、不織布が破壊し、融着部の剥離が生じた。
た不織布(縦方向の伸び25%、横方向の伸び30%)
とエラストマ基材を接合した。得られた複合シートは、
比較例1と同様、用いた不織布の伸び以上の変形を与え
ると、不織布が破壊し、融着部の剥離が生じた。
【0145】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、非
弾性ファイバーがほぼ一方向に延伸され配列された不織
布上に、エラストマーのストランドを非弾性ファイバー
の配列方向と交差する方向に並べられて接合すること
で、一方向には大きく伸縮するが他の方向には殆ど変形
しない伸縮特性を有する複合シートを提供することがで
きる。また、不織布の目付量及びエラストマーの使用量
が少なくても上記の伸縮特性が損なわれないので、結果
的に安価な複合シートとすることができる。
弾性ファイバーがほぼ一方向に延伸され配列された不織
布上に、エラストマーのストランドを非弾性ファイバー
の配列方向と交差する方向に並べられて接合すること
で、一方向には大きく伸縮するが他の方向には殆ど変形
しない伸縮特性を有する複合シートを提供することがで
きる。また、不織布の目付量及びエラストマーの使用量
が少なくても上記の伸縮特性が損なわれないので、結果
的に安価な複合シートとすることができる。
【0146】さらに、本発明の複合シートの製造方法及
び製造装置によれば、上述した本発明の複合シートを簡
便かつ効率良く製造することができる。
び製造装置によれば、上述した本発明の複合シートを簡
便かつ効率良く製造することができる。
【図1】本発明の第1の実施形態である伸縮性複合シー
トの不織布を製造するメルトブロー方式の紡糸装置の一
例の概略斜視図である。
トの不織布を製造するメルトブロー方式の紡糸装置の一
例の概略斜視図である。
【図2】図1に示す紡糸装置によって製造された不織布
をそのフィラメントの方向に延伸させる延伸装置の一例
の概略構成図である。
をそのフィラメントの方向に延伸させる延伸装置の一例
の概略構成図である。
【図3】縦延伸不織布に熱可塑性のエラストマーを不織
布のフィラメント方向と略直角の方向にストランド状に
接合する接合装置の一部を破断した概略側面図である。
布のフィラメント方向と略直角の方向にストランド状に
接合する接合装置の一部を破断した概略側面図である。
【図4】図1に示す近接延伸ユニットを詳細に説明する
図である。
図である。
【図5】スパンボンド方式の紡糸装置の一例の概略断面
構成図である。
構成図である。
【図6】ウェブを縦方向に延伸させる延伸装置の他の例
の概略構成図である。
の概略構成図である。
【図7】ウェブを縦方向に延伸させる延伸装置のさらに
他の例の概略構成図である。
他の例の概略構成図である。
【図8】本発明の第2の実施形態で用いる、不織布への
エラストマーの接合装置を示す図であり、(A)は、そ
の噴射ヘッドを下から見た図、(B)は噴射ヘッドの側
断面図、(C)は噴射ヘッドを正面から見た断面図であ
る。
エラストマーの接合装置を示す図であり、(A)は、そ
の噴射ヘッドを下から見た図、(B)は噴射ヘッドの側
断面図、(C)は噴射ヘッドを正面から見た断面図であ
る。
【図9】横方向に配列している成分の多い未配向フィラ
メントを横方向に延伸する場合に好適な延伸装置の一例
の概略斜視図である。
メントを横方向に延伸する場合に好適な延伸装置の一例
の概略斜視図である。
【図10】溝ロールによる横方向延伸を説明する図であ
る。
る。
【図11】エラストマーのウェブと不織布との接合装置
の一例を示す図である。
の一例を示す図である。
【図12】本発明の複合シートの一例の斜視図である。
【図13】本発明の複合シートの他の例の斜視図であ
る。
る。
【図14】本発明の実施例3で用いた、不織布上に縦方
向にストランドを形成するダイスの側面図である。
向にストランドを形成するダイスの側面図である。
【図15】図14に示すダイスの上面図(b)である。
【図16】本発明の実施例4で用いた直交積層機の、ス
トランドの送りを示す側面図である。
トランドの送りを示す側面図である。
【図17】図16に示す直交積層機の、不織布の送りを
示す側面図である。
示す側面図である。
1 メルトブローダイス 3 ノズル 4 フィラメント 7 コンベア 10 負圧吸引ノズル 11 延伸シリンダ 12、13 押さえゴムロール 14a、14b 引取ニップロール 42a、42b、46、49、52、55a、55b
ニップロール 43 与熱ロール 45、48、51 延伸ロール 54 熱処理ロール 80 フォーミング部 81、82 案内装置 83 ガイド円筒 85 エラストマー噴射部 86 回転軸 87 噴射ヘッド 87b ノズル 88 供給パイプ 108 噴射口 110−1〜110−6、111、111’ エアー
孔 128、131 ターンロール 129、129’ 延伸プーリ 130、130’ 無端ベルト 132 チャンバ 501、511 複合シート 502、512 不織布 503、513 フィラメント 504、514 エラストマー
ニップロール 43 与熱ロール 45、48、51 延伸ロール 54 熱処理ロール 80 フォーミング部 81、82 案内装置 83 ガイド円筒 85 エラストマー噴射部 86 回転軸 87 噴射ヘッド 87b ノズル 88 供給パイプ 108 噴射口 110−1〜110−6、111、111’ エアー
孔 128、131 ターンロール 129、129’ 延伸プーリ 130、130’ 無端ベルト 132 チャンバ 501、511 複合シート 502、512 不織布 503、513 フィラメント 504、514 エラストマー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 健一 東京都小平市花小金井3丁目35−4 Fターム(参考) 4F100 AK42 AL09B AL092 AN02 BA02 BA22 BA33 DA16B DG07B DG072 DG15A DG151 EA021 EC032 EJ37A EJ371 EJ933 EJ943 GB71 GB72 JB16B JB162 JK07 JK08 4L047 AA26 BA09 BD04 CA03 CB10 EA05 EA10 EA22
Claims (17)
- 【請求項1】 非弾性ファイバーが一方向に配列及び延
伸され、かつ、前記非弾性ファイバーの配列方向と直角
な方向での伸びが100%よりも大きい不織布と、 前記非弾性ファイバーの配列方向と交差する方向に方向
性を持って前記不織布上に並べられて接合された、熱可
塑性のエラストマーのストランドとを有する複合シー
ト。 - 【請求項2】 前記エラストマーのストランドは、互い
に間隔をあけて前記不織布上に接合されている、請求項
1に記載の複合シート。 - 【請求項3】 前記非弾性ファイバーの配列方向及び延
伸方向は前記不織布の縦方向であり、前記エラストマー
のストランドの配列方向は前記不織布の幅方向である、
請求項1または2に記載の複合シート。 - 【請求項4】 前記非弾性ファイバーの配列方向及び延
伸方向は前記不織布の幅方向であり、前記エラストマー
のストランドの配列方向は前記不織布の縦方向である、
請求項1または2に記載の複合シート。 - 【請求項5】 非弾性ファイバーが一方向に配列された
不織布を形成する工程と、 前記不織布を前記非弾性ファイバーの配列方向と同方向
に延伸する工程と、 前記非弾性ファイバーを延伸した前記不織布上に、熱可
塑性のエラストマーのストランドを、前記非弾性ファイ
バーの配列方向と交差する方向に並べて接合する工程と
を有する、複合シートの製造方法。 - 【請求項6】 前記不織布を形成する工程は、前記非弾
性ファイバーを、形成すべき不織布の縦方向に紡糸して
配列する工程を有する、請求項5に記載の複合シートの
製造方法。 - 【請求項7】 前記エラストマーのストランドを接合す
る工程は、 前記不織布を円筒形にフォーミングする工程と、 前記円筒形にフォーミングされた前記不織布を、前記円
筒形の軸線方向に沿って移動させる工程と、 移動している前記不織布の内面に、可塑化したエラスト
マーを前記円筒形の周方向に沿って付着させる工程とを
有する、請求項6に記載の複合シートの製造方法。 - 【請求項8】 前記不織布を円筒形にフォーミングする
工程は、 前記不織布が内側に供給される円筒体を有するフォーミ
ング部を準備する工程と、 前記不織布を、前記円筒体の内壁面に沿わせて供給する
工程とを含む、請求項7に記載の複合シートの製造方
法。 - 【請求項9】 前記可塑化したエラストマーを前記円筒
形の周方向に沿ってい付着させる工程は、 前記円筒体の内側に、前記円筒体の軸線周りに回転自在
に設けられ、前記可塑化されたエラストマーが内部に供
給されるとともに外周面にノズルが開口した噴射ヘッド
部を準備する工程と、 前記噴射ヘッド部を回転させ、遠心力によって、前記ノ
ズルから前記可塑化されたエラストマーを噴射する工程
とを含む、請求項8に記載の複合シートの製造方法。 - 【請求項10】 前記エラストマーのストランドを接合
する工程は、前記不織布のほぼ幅方向に前記エラストマ
ーのストランドを配列する工程を有する、請求項6に記
載の複合シートの製造方法。 - 【請求項11】 前記不織布を形成する工程は、前記非
弾性ファイバーを、形成すべき不織布のほぼ幅方向に配
列する工程を有し、 前記エラストマーのストランドを接合する工程は、前記
不織布のほぼ縦方向に前記エラストマーのストランドを
配列する工程を有する、請求項5に記載の複合シートの
製造方法。 - 【請求項12】 非弾性ファイバーが一方向に配列され
た不織布を形成する紡糸装置と、 前記紡糸装置で形成された不織布を、前記非弾性ファイ
バーの配列方向と同方向に延伸する延伸装置と、 前記延伸装置で延伸された不織布上に、熱可塑性のエラ
ストマーのストランドを、前記非弾性ファイバーの配列
方向と交差する方向に並べて接合する接合装置とを有す
る複合シートの製造装置。 - 【請求項13】 前記紡糸装置は、前記非弾性ファイバ
ーの材料を溶融状態で吐出する少なくとも一つのノズル
と、前記ノズルから噴出されて形成された非弾性ファイ
バーを一方向に搬送する搬送手段とを有する、請求項1
2に記載の複合シートの製造装置。 - 【請求項14】 前記接合装置は、 前記不織布を円筒形にフォーミングするために、前記不
織布が内側に供給される円筒体を備えたフォーミング部
と、 前記円筒形にフォーミングされた前記不織布を、前記円
筒体の軸線方向に沿って移動させる移動手段と、 前記円筒体の内側に、前記円筒体の軸線回りに回転自在
に設けられ、可塑化されたエラストマーが内部に供給さ
れるとともに、外周面にノズルが形成された噴射ヘッド
部とを有する、請求項13に記載の複合シートの製造装
置。 - 【請求項15】 前記接合装置は、 前記エラストマーを溶融状態で吐出する吐出口と、 前記吐出口から吐出されたエラストマーを一方向に搬送
する搬送手段と、 前記吐出口から吐出されたエラストマーが前記搬送手段
に到達する前に、前記エラストマーを前記搬送手段での
搬送方向とほぼ直角な方向に散布させる散布手段とを有
する、請求項13に記載の複合シートの製造方法。 - 【請求項16】 前記紡糸装置は、 前記非弾性ファイバーの材料を可塑化状態で吐出する吐
出口と、 前記吐出口から吐出されて形成された非弾性ファイバー
を一方向に搬送する搬送手段と、 前記非弾性ファイバーの材料が前記搬送手段に到達する
前に、前記非弾性ファイバーの材料を前記搬送手段での
搬送方向とほぼ直角な方向に散布させる散布手段とを有
する、請求項12に記載の複合シートの製造装置。 - 【請求項17】 前記接合装置は、前記不織布を縦方向
に搬送する搬送手段と、前記搬送手段で搬送される不織
布に向けて前記エラストマーを吐出するノズルとを有す
る、請求項16に記載の複合シートの製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000141810A JP2001032160A (ja) | 1999-05-17 | 2000-05-15 | 伸縮性を有する複合シート、該複合シートの製造方法、及び前記複合シートの製造装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13617699 | 1999-05-17 | ||
JP11-136176 | 1999-05-17 | ||
JP2000141810A JP2001032160A (ja) | 1999-05-17 | 2000-05-15 | 伸縮性を有する複合シート、該複合シートの製造方法、及び前記複合シートの製造装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001032160A true JP2001032160A (ja) | 2001-02-06 |
Family
ID=26469820
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000141810A Pending JP2001032160A (ja) | 1999-05-17 | 2000-05-15 | 伸縮性を有する複合シート、該複合シートの製造方法、及び前記複合シートの製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001032160A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009150003A (ja) * | 2007-12-18 | 2009-07-09 | Kao Corp | 伸縮シート |
JP2010525179A (ja) * | 2007-04-17 | 2010-07-22 | パウル ハルトマン アクチェンゲゼルシャフト | 弾性不織布複合材の製法 |
JP2021088686A (ja) * | 2019-12-06 | 2021-06-10 | LG Japan Lab株式会社 | 高分子及び繊維構造体を備えた高分子複合体 |
EP3875243A4 (en) * | 2018-10-29 | 2021-12-22 | Zuiko Corporation | LAMINATE MANUFACTURING METHOD AND MANUFACTURING DEVICE |
-
2000
- 2000-05-15 JP JP2000141810A patent/JP2001032160A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010525179A (ja) * | 2007-04-17 | 2010-07-22 | パウル ハルトマン アクチェンゲゼルシャフト | 弾性不織布複合材の製法 |
JP2009150003A (ja) * | 2007-12-18 | 2009-07-09 | Kao Corp | 伸縮シート |
EP3875243A4 (en) * | 2018-10-29 | 2021-12-22 | Zuiko Corporation | LAMINATE MANUFACTURING METHOD AND MANUFACTURING DEVICE |
US11597195B2 (en) | 2018-10-29 | 2023-03-07 | Zuiko Corporation | Manufacturing method and manufacturing apparatus for laminate |
JP2021088686A (ja) * | 2019-12-06 | 2021-06-10 | LG Japan Lab株式会社 | 高分子及び繊維構造体を備えた高分子複合体 |
JP7399417B2 (ja) | 2019-12-06 | 2023-12-18 | エルジー・ケム・リミテッド | 高分子及び繊維構造体を備えた高分子複合体 |
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