JP4694743B2 - 弾性的な伸長性を有する複合シートの製造方法 - Google Patents

弾性的な伸長性を有する複合シートの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
この発明は、弾性的な伸長性を有する複合シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開2001−18315号公報には、弾性的な伸長性を有する複合シートの製造方法が開示されている。この製造方法では、熱可塑性合成繊維からなり一方向へ非弾性的に伸長可能な第1ウエブが、熱可塑性合成樹脂からなり前記一方向へ弾性的に伸長可能な第2ウエブの少なくとも片面に重ねられて前記一方向において間欠的に接合される。接合された第1,2ウエブは、第2ウエブの弾性限界内であって、第1ウエブの破断伸度以下の範囲で前記一方向へ伸長された後に第2ウエブの弾性によって収縮して所期の弾性的な伸長性を有する複合シートとなる。このようにして得られる複合シートは、第1ウエブの繊維が伸長されて永久変形した後に収縮するから、嵩が高く、柔軟な肌触りのものとなって、使い捨ておむつや使い捨てガウン等の着用物品に使用するのに好適な素材となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来技術の複合シートにおいて、第1ウエブを伸長することによって着用物品の素材にふさわしい嵩をもたせるには、第1ウエブを50〜300%、より好ましくは70〜150%伸長して、これを第2ウエブの収縮力によって100〜70%収縮させることが望ましい。また、着用物品の素材にふさわしい肌触りをもたせるには、第1ウエブの繊維に繊径の小さなもの、例えば20μm以下のものを使用して、この繊維を70〜150%伸長することが好ましい。しかしながら、第1ウエブをこの程度にまで伸長しようとすると、第1ウエブを形成する繊維によっては糸切れ、つまり破断するものが多数あって、得られた複合シートは、その糸切れによる毛羽立ちによって光沢が乏しくなったり、肌触りに滑らかさがなくなったりするということがある。こうしたことは、その繊維を溶融紡糸する過程において、繊維に高率のドラフトがかけられて繊維を形成している高分子の配向が進み、その結果として、繊維が高い伸度を持ち得ないことに原因がある。また、この繊維が高い伸度を持っていたとしても、やはりその配向の結果として、繊維は伸長応力の高いものになり、第1ウエブを伸長するときに大きな力が必要となる。つまり、そのような第1ウエブは、容易には伸長しないという問題をもたらす。
【0004】
この発明では、複合シートを製造する前記従来技術において、非弾性的な伸長性を有するウエブを伸長するときに、そのウエブを形成している繊維に糸切れが簡単には生じることがないように改良を施すことが課題である。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題解決のために、この発明が対象とするのは、弾性的な伸長性を有する複合不織布の次のような製造方法である。つまり、熱可塑性合成繊維からなり一方向へ非弾性的に伸長可能な第1ウエブと、熱可塑性合成樹脂からなり少なくとも前記一方向へ弾性的に伸長可能な第2ウエブとを重ね合わせて接合することにより前記一方向への弾性的な伸長性を有する複合シートを製造する工程に下記工程a〜d、即ち
a.前記第1ウエブを前記一方向へ連続的に供給する工程、
b.前記第2ウエブを前記一方向へ連続的に供給して前記第1ウエブに重ね合わせる工程、
c.重ね合わせた前記第1,2ウエブを前記一方向と前記一方向に対する直交方向とのうちの少なくとも前記一方向において間欠的に接合する工程、および
d.接合した前記第1,2ウエブを前記第2ウエブの弾性限界内であって前記第1ウエブの破断伸度以下の範囲で前記一方向と直交方向とのうちの少なくとも前記一方向へ伸長する工程
が含まれる前記複合シートの製造方法である。
【0006】
かかる製造方法において、この発明が特徴とするところは、次のとおりである。前記第1ウエブを形成する熱可塑性合成繊維として、数平均分子量が20000〜150000の範囲内にあって互いの数平均分子量が異なる複数種類の熱可塑性合成樹脂の混合物で形成されていて繊維径が5〜20μmの範囲にある繊維が使用され、前記複数種類の熱可塑性合成樹脂は、前記混合物の20〜90重量%を占める数平均分子量Maの熱可塑性合成樹脂Raと、80〜10重量%を占める数平均分子量Mbの熱可塑性合成樹脂Rbとであって、これら両熱可塑性合成樹脂RaとRbとの和が前記混合物の50〜100重量%を占め、これら両熱可塑性合成樹脂RaとRbとの数平均分子量の比Ma/Mbが1.1以上である2種類の熱可塑性合成樹脂を含む。
【0007】
この発明には、次のような好ましい実施態様がある。
(1)前記複合シートを製造する工程には、前記第2ウエブの両面に前記第1ウエブを重ね合わせてこれら第1,2ウエブを接合し、伸長する工程が含まれる。
(2)前記第2ウエブが熱可塑性合成繊維からなるものである。
(3)前記第2ウエブがフィルムからなるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
添付の図面を参照し、この発明に係る弾性的な伸長性を有する複合シートの製造方法の詳細を説明すると、以下のとおりである。
【0009】
図1に斜視図で示された弾性的な伸長性を有する複合シート1は、上層2と下層3とを有し、これら両層2,3が接合部4で溶着し、一体化している。複合シート1は、互いに直交する双頭矢印X−X,Y−Yのうち、少なくとも矢印Y−Y方向へ仮想線で示されるように弾性的に伸長可能である。
【0010】
複合シート1の上層2は、X−X,Y−Y方向のうち、少なくともY−Y方向へ非弾性的に伸長可能な層である。この上層2は、熱可塑性合成樹脂からなり非弾性的に伸長可能な連続繊維6の集合体をY−Y方向またはX−X方向とY−Y方向とに伸長して得られたものであって、好ましくは接合部4においてのみ繊維6どうしが互いに溶着し、接合部4どうしの間では接合していない。接合部4以外では、連続繊維6が不規則な曲線を画きながら、下層3の上面に広がっている。連続繊維6には、数平均分子量が20000〜150000の範囲にあって互いの数平均分子量が異なる少なくとも2種類の熱可塑性合成樹脂を混合して溶融紡糸したものが使用されている。
【0011】
複合シート1の下層3は、Y−Y方向、好ましくはY−Y方向とX−X方向とに弾性的な伸長性を有するシートで、Y−Y方向へ少なくとも200%、好ましくは少なくとも400%伸長可能であり、100%伸長したのちに、元の長さの1.3倍未満にまで弾性的に収縮可能なものが使用されている。かかるシートには、弾性糸からなるカードウエブ、弾性糸からなるサーマルボンド不織布やスパンレース不織布等の不織布、弾性糸からなる織布、熱可塑性エラストマーからなるフィルム等がある。
【0012】
これら上層2と下層3とは、接合部4で加熱加圧して一体化できる他に、超音波処理で一体化することもできる。また、上層2の連続繊維6を下層3の組織と機械的に交絡させて両者を一体化することができる場合には、その交絡のための手段としてニードルパンチング、高圧柱状水流処理等を採用することができる。接合部4は、X−X方向およびY−Y方向のうちの少なくともY−Y方向において間欠的に形成されており、個々の面積が0.03〜10mm程度の範囲にあり、複合シート1の面積に占める割合が1〜50%程度の範囲にあることが好ましい。
【0013】
かかる複合シート1を例えばY−Y方向へ引っ張ると、下層3がY−Y方向へ向かって弾性的に伸長し、その伸長に付随して曲線を画いている上層2の連続繊維6が向きを変えながらY−Y方向へ延びる。複合シート1を引っ張るのに要する力は、主として下層3を引っ張るための力であって、上層2は連続繊維6の向きを変えるだけであるから、複合シート1を引っ張る力に殆ど影響を与えない。下層3をさらに弾性変形させながら複合シート1を引っ張ると、曲線を画いていた連続繊維6が下層3と一体化している接合部4と4との間で直線状に延びるようになる。このような状態になった複合シート1を引っ張るには、下層3を引っ張る力と、直線状の連続繊維6を非弾性的に伸長させる力とが必要になる。
【0014】
図2は、複合シート1の製造工程の一例を示す図面である。図では、左から右へ無端ベルト30が走行している。図の左方部分では、ベルト30の上方に第1押出機31が設置され、押出機31の直下には急冷用エアのブロワ―31Bが設置され、ベルト30の下方にはサクション装置31Aが設置されている。第1押出機31はベルト30の幅方向に並ぶ多数のノズルを有し、それらのノズルからは、非弾性的な伸長性を有する熱可塑性合成樹脂が吐出されて第1連続繊維35が形成され、この第1連続繊維35がベルト30へ到達する間にサクションの作用を受けながら急冷されることによって所要倍率のドラフトがかけられ、ベルト30の上に不規則な曲線を画きながら堆積して第1ウエブ41を形成する。好ましい第1ウエブ41では、堆積して重なり合う連続繊維35どうしが溶着することがないように、また溶着したとしても、後の工程において容易に分離することができるように、第1押出機31の吐出条件とベルト30の走行条件とが選択される。
【0015】
第1連続繊維35は、数平均分子量が20000〜150000の範囲にあって互いの数平均分子量が異なる少なくとも2種類の熱可塑性合成樹脂RaとRbとの混合物を第1押出機31で溶融紡糸することによって得られるものである。樹脂Raは、数平均分子量Maを有し、第1連続繊維35において20〜90重量%を占め、樹脂Rbは、数平均分子量Mbを有し、第1連続繊維35において80〜10重量%を占めており、これら両樹脂RaとRbとの総量は第1連続繊維35において50〜100重量%を占めている。また、両樹脂RaとRbとの間において、互いの数平均分子量の比Ma/Mbは、1.1以上である。少なくともこれらの樹脂Ra,Rbを含む樹脂の混合物は、例えば孔径500μmノズルから吐出され、200〜2300倍、より好ましくは200〜1000倍のドラフトをかけられてベルト30へ到達し、繊径5〜20μmを有する第1連続繊維35を形成することが好ましい。樹脂RaとRbとには、例えばプロピレンのホモポリマー、プロピレンとエチレン等とのコポリマー、ポリエステル、ポリエチレンその他この発明の要件を満たす適宜のものを使用することができる。
【0016】
このようにして得られる第1連続繊維35は、ドラフトをかけられた後にも容易に伸長するものであって、この繊維35の破断時の応力をSとし、150%伸長時の応力をSとすると、これら両応力の比S/S×100(%)は70%以下になり得る。かような第1連続繊維35は、複合シート1を得るために、後の工程において伸長されても簡単には破断することがない。
【0017】
第1押出機31の右方には、第2押出機32と、急冷用エアのブロワー32Bと、サクション装置32Aとが設置されている。第2押出機32もまた、ベルト30の幅方向に並ぶ多数のノズルを有し、それらのノズルからは弾性的な伸長性を有する熱可塑性合成樹脂が吐出されて第2連続繊維40が形成され、所要倍率のドラフトをかけられながら第1ウエブ31の上に不規則な曲線を画いて堆積し、第2ウエブ42を形成する。堆積して重なり合う第2連続繊維40どうしは互いに溶着し、第2ウエブ42がベルト30の走行方向に、より好ましくはその走行方向とその走行方向に直交する方向とに弾性的な伸長性を有するシートを形成するように、第2押出機32の吐出条件が選択される。
【0018】
重なり合う第1,2ウエブ41,42は、上下一対のエンボスロール34,34の間を通り、これらウエブ41,42の走行方向である長手方向とその長手方向に直交する幅方向とのうち、少なくとも長手方向へ間欠的に加熱加圧されて互いに溶着し、第1複合ウエブ43を形成する。
【0019】
第1複合ウエブ43は、伸長用の第1,2,3ロール36,37,38を通過する。第1,3ロール36,38の回転速度は同じであるが、第2ロール37の回転速度よりも遅い。第1ロール36と第2ロール37との回転速度差は、第1複合ウエブ43を10〜60℃、より好ましくは15〜40℃の室温近傍において所要倍率にまで伸長できるように設定される。伸長後の第1複合ウエブ43は、第2ロール37と第3ロール38との間で元の長さにまで弾性的に収縮して第2複合ウエブ44を形成する。
【0020】
第1複合ウエブ43の伸長では、エンボスロール34で溶着した部位と部位との間において、第1連続繊維35が伸長され、その長さ方向へ塑性変形、即ち永久変形して寸法が長くなり、径が細くなる。第2連続繊維40からなる第2ウエブ42は、溶着した部位と部位との間において第2連続繊維40の弾性限界内で弾性的に伸長する。第1複合ウエブ43の好ましい伸長倍率は、50〜300%、より好ましい伸長倍率は70〜150%である。
【0021】
このように伸長される第1複合ウエブ43において、第1連続繊維35は、150%伸長してもそのときの伸長応力が破断時の伸長応力Sの70%以下で、簡単には破断することがないものであり、第2ウエブ42には、第1複合ウエブ43の伸長に十分耐え得るものが使用されているから、第1複合ウエブ43から得られる第2複合ウエブ44では、第1連続繊維35の糸切れによる毛羽立ちは生じない。
【0022】
第2複合ウエブ44は巻き取られ、その後適宜の寸法に裁断されて複合シート1となる。第2複合ウエブ44における第1ウエブ41と第2ウエブ42とは、図1の複合シート1の上層2と下層3とになる。第2複合ウエブ44においてエンボスロール34で溶着した部分は、複合シート1の接合部4となる。
【0023】
このようにして得られる第2複合ウエブ44、即ち複合シート1を使い捨ておむつや生理用ナプキン、使い捨てのガウンなどの使い捨て着用物品に使用する場合には、第2ウエブ42にゴム質の材料が含まれていても、第1ウエブ41が肌に当接するように使用すれば、ゴム質の材料に特有な肌に対する滑りの悪さで肌を刺激することがない。第2複合シート44では、第1連続繊維35が伸長して径が細くなることにより、一層柔軟なものになる。第1ウエブ41は、第1連続繊維35が永久変形して繊維長の長いものになることによって嵩が増して肌触りのよいものになる。第2複合ウエブ44の第1連続繊維35が、エンボス加工による接合部4を除いて連続繊維35どうしで溶着することもなければ、第2ウエブ42と融着することもない場合には、第2複合ウエブ44を伸長するときの初期の力は、第2ウエブ42のみを伸長する比較的弱い力で足りる。かような第2複合ウエブ44は、上下2層からなるものではあるが、伸長が容易で柔軟である。図示例の工程であれば、第2複合ウエブ44における第1,2ウエブ41,42それぞれの坪量は、各押出機31,32から吐出されたときの坪量そのままになる。また、第1,2ウエブ41,42は、いずれも繊維集合体であるから、これらから得られる第2複合ウエブ44は一般的に通気性のよいものになる。
【0024】
この発明を実施する際には、図2の工程を様々に変化させることができる。例えば、第2ウエブ42は、第1ウエブ41よりも先にベルト30に供給することができる。第1,2ウエブ41,42を接合するには、エンボスロール34による加工に代えて、ニードルパンチングや高圧柱状水流処理等の手段を採用することもできる。また、第2押出機32の下流側に第3成形機を設置し、この成形機から吐出される非弾性的な伸長性を有する第3の連続繊維で第2ウエブ42の上に第1ウエブ41と同様な第3ウエブを形成し、第1,2ウエブ41,42と第3ウエブとからなる3層構造の複合シート1を製造することも可能である。第1ウエブ41と第3ウエブとは、同じものでもよいし、坪量の異なるものであってもよい。また、樹脂の種類や繊度、色等の外観が異なるものであってもよい。また、第2ウエブ42として熱可塑性エラストマーからなるフィルムを使用することもできる。
【0025】
(実施例)
図2の工程において、数平均分子量が異なる2種類の熱可塑性合成樹脂Ra,Rbとして、2種類のプロピレンのホモポリマーおよび2種類のプロピレンとエチレンとのコポリマーを使用し、第1連続繊維とこの繊維の集合体である坪量15g/mの第1ウエブを得た。また、第2ウエブとしてスチレン系エラストマーからなる連続繊維の集合体であって、坪量20g/m、破断伸度400%以上のものを得た。これら第1,2ウエブを重ね合わせて機械方向(図の右方向)において間欠的に接合して第1複合ウエブを得た。第1複合ウエブは、これを機械方向へ100%伸長してから収縮させて、第2複合ウエブ、即ち本発明における弾性的な伸長性を有する複合シートを得た。
【0026】
第1連続繊維を得るために使用した2種類の熱可塑性合成樹脂Ra,Rbの数平均分子量Ma,Mb、混合割合、溶融紡糸条件、得られた第1連続繊維についての繊径と破断応力に対する150%伸長応力の比は、表1のとおりであった。
【0027】
(比較例)
実施例の第1連続繊維に代えて、1種類のプロピレンのホモポリマーからなる繊維を使用した場合、2種類の熱可塑性合成樹脂の数平均分子量の比を実施例のそれよりも小さくした場合、および2種類の熱可塑性合成樹脂の混合割合を実施例のそれよりも高くまたは低くした場合のそれぞれで得られる繊径20μm以下の繊維についての破断応力に対する150%伸長応力の比は、表1のとおりであった。また、これらの繊維からなるウエブを実施例で使用した弾性的な伸長性を有する第2ウエブと接合し、次いで100%伸長した後に収縮させて得られた複合シートについての外観の観察結果は、表1のとおりであった。
【0028】
これら実施例から明らかなように、本発明の方法によれば非弾性的に伸長可能な繊維は150%伸長時の応力が破断応力の70%以下であって、この繊維を使用して得られる弾性的な伸長性を有する複合シートには糸切れによる毛羽立ちが生じない。
【0029】
【表1】
Figure 0004694743
【0030】
【発明の効果】
この発明に係る製造方法によれば、弾性的な伸長性を有するウエブに対して、数平均分子量の異なる少なくとも2種類の熱可塑性合成樹脂の混合物から得た非弾性的に伸長容易な繊維からなるウエブを重ね合わせて接合し、これら両ウエブを伸長することによって弾性的な伸長性を有する複合シートを得るから、その複合シートには、非弾性的な繊維の糸切れによる毛羽立ちが生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】複合シートの斜視図。
【図2】複合シート製造工程図。
【符号の説明】
1 複合シート
35 熱可塑性合成繊維(第1連続繊維)
40 熱可塑性合成繊維(第2連続繊維)
41 第1ウエブ
42 第2ウエブ
44 複合シート(第2複合ウエブ)

Claims (4)

  1. 熱可塑性合成繊維からなり一方向へ非弾性的に伸長可能な第1ウエブと、熱可塑性合成樹脂からなり少なくとも前記一方向へ弾性的に伸長可能な第2ウエブとを重ね合わせて接合することにより前記一方向への弾性的な伸長性を有する複合シートを製造する工程に下記工程a〜d、即ち
    a.前記第1ウエブを前記一方向へ連続的に供給する工程、
    b.前記第2ウエブを前記一方向へ連続的に供給して前記第1ウエブに重ね合わせる工程、
    c.重ね合わせた前記第1,2ウエブを前記一方向と前記一方向に対する直交方向とのうちの少なくとも前記一方向において間欠的に接合する工程、および
    d.接合した前記第1,2ウエブを前記第2ウエブの弾性限界内であって前記第1ウエブの破断伸度以下の範囲で前記一方向と直交方向とのうちの少なくとも前記一方向へ伸長する工程
    が含まれる前記複合シートの製造方法において、
    前記第1ウエブを形成する熱可塑性合成繊維として、数平均分子量が20000〜150000の範囲内にあって互いの数平均分子量が異なる複数種類の熱可塑性合成樹脂の混合物で形成されていて繊維径が5〜20μmの範囲にある繊維が使用され、前記複数種類の熱可塑性合成樹脂は、前記混合物の20〜90重量%を占める数平均分子量Maの熱可塑性合成樹脂Raと、80〜10重量%を占める数平均分子量Mbの熱可塑性合成樹脂Rbとであって、これら両熱可塑性合成樹脂RaとRbとの和が前記混合物の50〜100重量%を占め、これら両熱可塑性合成樹脂RaとRbとの数平均分子量の比Ma/Mbが1.1以上である2種類の熱可塑性合成樹脂を含むことを特徴とする前記製造方法。
  2. 前記複合シートを製造する工程には、前記第2ウエブの両面に前記第1ウエブを重ね合わせてこれら第1,2ウエブを接合し、伸長する工程が含まれる請求項1記載の製造方法。
  3. 前記第2ウエブが熱可塑性合成繊維からなるものである請求項1または2記載の製造方法。
  4. 前記第2ウエブがフィルムからなるものである請求項1または2記載の製造方法。
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