JP2003286569A - 薄膜の製造方法 - Google Patents
薄膜の製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】水晶式膜厚計により膜厚制御および成膜速度制
御を行う薄膜形成装置において、この膜厚計に用いられ
る水晶振動子を長寿命化する方法を提供し、長時間にわ
たる連続成膜を可能にする。 【解決手段】水晶振動子の成膜面側の蒸着源と水晶振動
子とを結ぶ線を遮らない位置に、水晶振動子面に飛翔す
る成膜物質の量を制限する部材を取り付けて成膜する。
御を行う薄膜形成装置において、この膜厚計に用いられ
る水晶振動子を長寿命化する方法を提供し、長時間にわ
たる連続成膜を可能にする。 【解決手段】水晶振動子の成膜面側の蒸着源と水晶振動
子とを結ぶ線を遮らない位置に、水晶振動子面に飛翔す
る成膜物質の量を制限する部材を取り付けて成膜する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜の製造方法に
関し、より詳しくは、水晶式膜厚計により膜厚や成膜速
度の制御を行い薄膜を成膜する方法に関する。
関し、より詳しくは、水晶式膜厚計により膜厚や成膜速
度の制御を行い薄膜を成膜する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水晶式膜厚計は真空蒸着、スパッタリン
グ等の薄膜形成装置において、膜厚制御および成膜速度
制御に広く使用されている。該膜厚計に用いられる水晶
振動子は、薄く切り出された水晶の両面に電極を配した
もので、水晶振動子に成膜物質が堆積されるとその膜厚
(質量)に比例して水晶の固有振動数が変化する(減少
する)ことを利用している。しかしながら、水晶振動子
には使用限度があり、固有振動数の変化量がおよそ10
0kHz、好ましくは20kHz以下で使用され、これ
を越えると測定精度が低下し、成膜速度制御に使用して
いる場合は、安定した速度で制御できなくなる。このた
め、水晶振動子のコストおよび成膜の連続性において水
晶振動子の長寿命化が課題となっていた。また、有機物
の成膜速度制御においては、振動数とは別に成膜物質の
堆積により成膜速度測定値にノイズ的な振動が発生し、
水晶振動子の交換を余儀なくされる問題があった。
グ等の薄膜形成装置において、膜厚制御および成膜速度
制御に広く使用されている。該膜厚計に用いられる水晶
振動子は、薄く切り出された水晶の両面に電極を配した
もので、水晶振動子に成膜物質が堆積されるとその膜厚
(質量)に比例して水晶の固有振動数が変化する(減少
する)ことを利用している。しかしながら、水晶振動子
には使用限度があり、固有振動数の変化量がおよそ10
0kHz、好ましくは20kHz以下で使用され、これ
を越えると測定精度が低下し、成膜速度制御に使用して
いる場合は、安定した速度で制御できなくなる。このた
め、水晶振動子のコストおよび成膜の連続性において水
晶振動子の長寿命化が課題となっていた。また、有機物
の成膜速度制御においては、振動数とは別に成膜物質の
堆積により成膜速度測定値にノイズ的な振動が発生し、
水晶振動子の交換を余儀なくされる問題があった。
【0003】この問題に対し、水晶振動子の交換機構を
設置することは、連続成膜を可能にするが、たとえば薄
膜のさらなる多層化や厚膜化が必要になったときに新た
に設備の改造をしなければならなくなったりする。
設置することは、連続成膜を可能にするが、たとえば薄
膜のさらなる多層化や厚膜化が必要になったときに新た
に設備の改造をしなければならなくなったりする。
【0004】また、水晶振動子成膜面の前面に可動式シ
ャッター等を設け、成膜速度制御に必要な時間だけシャ
ッターを開する、いわゆる間欠制御を採用することは長
寿命化に有効であるが、有機物等は一般に常時フィード
バック制御しなくては成膜速度が安定しないため、これ
を採用できない場合がある。
ャッター等を設け、成膜速度制御に必要な時間だけシャ
ッターを開する、いわゆる間欠制御を採用することは長
寿命化に有効であるが、有機物等は一般に常時フィード
バック制御しなくては成膜速度が安定しないため、これ
を採用できない場合がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、薄膜
形成装置における膜厚制御および成膜速度制御用水晶振
動子は成膜物質の堆積により使用限度があり、このため
連続成膜を制限されるという従来の技術における問題点
を解決し、水晶振動子を長寿命化して、有機物を含めた
成膜物質の連続成膜を可能とする方法を提供することに
ある。
形成装置における膜厚制御および成膜速度制御用水晶振
動子は成膜物質の堆積により使用限度があり、このため
連続成膜を制限されるという従来の技術における問題点
を解決し、水晶振動子を長寿命化して、有機物を含めた
成膜物質の連続成膜を可能とする方法を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、水晶振動子を有する水晶式膜厚計を用いて
膜厚制御および成膜速度制御を行いながら基材上に薄膜
を形成する際に、水晶振動子と蒸着源とを結ぶ線を遮ら
ない位置で、水晶振動子に飛翔する成膜物質を制限する
ことを特徴とする薄膜の製造方法を特徴とするものであ
る。
の本発明は、水晶振動子を有する水晶式膜厚計を用いて
膜厚制御および成膜速度制御を行いながら基材上に薄膜
を形成する際に、水晶振動子と蒸着源とを結ぶ線を遮ら
ない位置で、水晶振動子に飛翔する成膜物質を制限する
ことを特徴とする薄膜の製造方法を特徴とするものであ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明における薄膜形成装置とは
真空蒸着、スパッタリング等の水晶式膜厚計を使用して
膜厚制御あるいは成膜速度制御を行っている装置であ
る。ロール式、あるいは連続バッチ式や連続枚葉式の薄
膜形成装置の場合、チャンバーの真空解放の頻度が少な
いため、水晶振動子の補充が困難となり、本発明が有効
になる。また、数十層におよぶ多層膜を成膜する場合に
も同様である。
真空蒸着、スパッタリング等の水晶式膜厚計を使用して
膜厚制御あるいは成膜速度制御を行っている装置であ
る。ロール式、あるいは連続バッチ式や連続枚葉式の薄
膜形成装置の場合、チャンバーの真空解放の頻度が少な
いため、水晶振動子の補充が困難となり、本発明が有効
になる。また、数十層におよぶ多層膜を成膜する場合に
も同様である。
【0008】本発明における水晶式膜厚計による膜厚制
御および成膜速度制御とは、水晶式膜厚計に用いられる
水晶振動子により検出した膜厚あるいは膜厚の変化量よ
り成膜の終了あるいは加熱源の出力を制御することであ
る。該水晶振動子は蒸着源に対し成膜される加工品と同
角度、同距離に配するのがよいが、構造的に別の位置に
配さなければならない場合、水晶振動子上に成膜される
膜厚を換算して、加工品の膜厚を制御することができ
る。
御および成膜速度制御とは、水晶式膜厚計に用いられる
水晶振動子により検出した膜厚あるいは膜厚の変化量よ
り成膜の終了あるいは加熱源の出力を制御することであ
る。該水晶振動子は蒸着源に対し成膜される加工品と同
角度、同距離に配するのがよいが、構造的に別の位置に
配さなければならない場合、水晶振動子上に成膜される
膜厚を換算して、加工品の膜厚を制御することができ
る。
【0009】本発明において水晶振動子に飛翔する成膜
物質を制限する手段は、水晶振動子の成膜面側の、蒸着
源と水晶振動子とを結ぶ線を遮らない位置に設けられ、
かつ、水晶振動子面に飛翔する成膜物質の量を制限する
ものであれば、設ける位置や、形や材質は特に限定され
るものではない。蒸着源と水晶振動子とを結ぶ線を遮る
ように成膜物質を制限しうる部材を取り付けた場合、水
晶振動子は回り込んで堆積する成膜物質の膜厚を測定す
るが、これは成膜対象に成膜される膜厚とは相関を示さ
ず、成膜速度制御においては、目標速度に追従するよう
蒸着源の出力を制御することが困難になる。
物質を制限する手段は、水晶振動子の成膜面側の、蒸着
源と水晶振動子とを結ぶ線を遮らない位置に設けられ、
かつ、水晶振動子面に飛翔する成膜物質の量を制限する
ものであれば、設ける位置や、形や材質は特に限定され
るものではない。蒸着源と水晶振動子とを結ぶ線を遮る
ように成膜物質を制限しうる部材を取り付けた場合、水
晶振動子は回り込んで堆積する成膜物質の膜厚を測定す
るが、これは成膜対象に成膜される膜厚とは相関を示さ
ず、成膜速度制御においては、目標速度に追従するよう
蒸着源の出力を制御することが困難になる。
【0010】ここでいう部材として、筒を用いること
は、水晶振動子面に飛翔する成膜物質の量を制限する意
味において優れている。この筒は、筒の孔の向きが正確
に蒸着源を向いていれば、円柱形、多角柱形あるいは錐
形をしていてもよい。また、筒の太さは、水晶振動子の
成膜面の大きさを考慮すればよく、例えば、水晶振動子
の成膜面がφ10mmの場合、内径がφ10mmの円筒
を用いれば、成膜量を制限する意味において適してい
る。筒長さは、寿命長さに影響する。寿命をより長くす
るには筒を長くすればよく、筒長さを可変としてもよ
い。
は、水晶振動子面に飛翔する成膜物質の量を制限する意
味において優れている。この筒は、筒の孔の向きが正確
に蒸着源を向いていれば、円柱形、多角柱形あるいは錐
形をしていてもよい。また、筒の太さは、水晶振動子の
成膜面の大きさを考慮すればよく、例えば、水晶振動子
の成膜面がφ10mmの場合、内径がφ10mmの円筒
を用いれば、成膜量を制限する意味において適してい
る。筒長さは、寿命長さに影響する。寿命をより長くす
るには筒を長くすればよく、筒長さを可変としてもよ
い。
【0011】また、前記部材として網目等のフィルター
を用いることもできる。このようなフィルターは網目を
成膜物質が通過できるため、蒸着源と水晶振動子を結ぶ
線上に取り付けても、この線を遮っているとはいえな
い。網目等のフィルターは水晶振動子面に飛翔する成膜
物質の量を制限する意味において有効であるが、フィル
ターに成膜物質が堆積した場合、目が詰まり、成膜の進
行にともない測定誤差が大きくなることが考えられるの
で好ましくない。
を用いることもできる。このようなフィルターは網目を
成膜物質が通過できるため、蒸着源と水晶振動子を結ぶ
線上に取り付けても、この線を遮っているとはいえな
い。網目等のフィルターは水晶振動子面に飛翔する成膜
物質の量を制限する意味において有効であるが、フィル
ターに成膜物質が堆積した場合、目が詰まり、成膜の進
行にともない測定誤差が大きくなることが考えられるの
で好ましくない。
【0012】本発明において蒸着源として用いる有機物
とは特に限定するものではないが、防汚剤等があげられ
る。防汚剤は、物品に滑り性、撥水性あるいは汚れ防止
機能を付与するもので、光学フィルター、めがねレンズ
などの最表面に使用されている。防汚剤の組成は特に限
定されるものではないが、下記一般式で示される含フッ
素シラン化合物またはその加水分解物などが好適に用い
られる。
とは特に限定するものではないが、防汚剤等があげられ
る。防汚剤は、物品に滑り性、撥水性あるいは汚れ防止
機能を付与するもので、光学フィルター、めがねレンズ
などの最表面に使用されている。防汚剤の組成は特に限
定されるものではないが、下記一般式で示される含フッ
素シラン化合物またはその加水分解物などが好適に用い
られる。
【0013】
【化1】
【0014】(式中、Rfは炭素数1〜10の直鎖状も
しくは分岐状パーフルオロ基またはハイドロパーフルオ
ロ基、R1は水酸基あるいは加水分解可能な基 、R2は
一価の有機基、R3は二価の有機基,nは0〜2の整数
を表す。) さらに上記含フッ素化合物の好ましい一例として下記一
般式で示される化合物が挙げられる。
しくは分岐状パーフルオロ基またはハイドロパーフルオ
ロ基、R1は水酸基あるいは加水分解可能な基 、R2は
一価の有機基、R3は二価の有機基,nは0〜2の整数
を表す。) さらに上記含フッ素化合物の好ましい一例として下記一
般式で示される化合物が挙げられる。
【0015】
【化2】
【0016】(式中、Rfは炭素数1〜10の直鎖状も
しくは分岐状のパーフルオロ基またはハイドロパーフル
オロ基、Xはフッ素原子、ヨウ素原子、臭素原子、塩素
原子および水素原子から選ばれる少なくとも一つ、Yは
水素原子または炭素数1〜10の低級アルキル基、Zは
フッ素原子または炭素数1〜16の直鎖状もしくは分岐
状のパーフルオロ基もしくはハイドロパーフルオロ基、
R1は水酸基あるいは加水分解可能な基である。 R2は
一価の有機基、a,b,c,dはそれぞれ0〜200の整数で
あって、1≦a+b+c+d≦200である。eは0または
1、lは0〜3の整数、mは1〜20の整数、nは0〜
2の整数を表す。)これらのパーフルオロポリエーテル
鎖を持つ化合物の平均分子量は500以上20,000
以下、より好ましくは1,000以上15,000以下
としたとき、防汚性および膜硬度に優れている。
しくは分岐状のパーフルオロ基またはハイドロパーフル
オロ基、Xはフッ素原子、ヨウ素原子、臭素原子、塩素
原子および水素原子から選ばれる少なくとも一つ、Yは
水素原子または炭素数1〜10の低級アルキル基、Zは
フッ素原子または炭素数1〜16の直鎖状もしくは分岐
状のパーフルオロ基もしくはハイドロパーフルオロ基、
R1は水酸基あるいは加水分解可能な基である。 R2は
一価の有機基、a,b,c,dはそれぞれ0〜200の整数で
あって、1≦a+b+c+d≦200である。eは0または
1、lは0〜3の整数、mは1〜20の整数、nは0〜
2の整数を表す。)これらのパーフルオロポリエーテル
鎖を持つ化合物の平均分子量は500以上20,000
以下、より好ましくは1,000以上15,000以下
としたとき、防汚性および膜硬度に優れている。
【0017】特に、高分子量の防汚剤を使用した場合、
水晶振動子の寿命は著しく短くなってしまい、平均分子
量が500以下の防汚剤と比べると、1/10以下しか
寿命がもたない場合もあるため、本発明の製造方法が有
用である。
水晶振動子の寿命は著しく短くなってしまい、平均分子
量が500以下の防汚剤と比べると、1/10以下しか
寿命がもたない場合もあるため、本発明の製造方法が有
用である。
【0018】
【実施例】以下に本発明の実施例および比較例を示す
が、本発明はこれに限定されるものではない。
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0019】実施例および比較例において用いた装置、
基材、成膜物質、水晶振動子および評価方法は次のとお
りである。 (1)薄膜形成装置 図1に使用した真空蒸着装置の概略図を示す。
基材、成膜物質、水晶振動子および評価方法は次のとお
りである。 (1)薄膜形成装置 図1に使用した真空蒸着装置の概略図を示す。
【0020】図1において、真空室1は、基材保持室
2、2’、基材搬送室3、蒸着室4で基本的に構成され
ている。これに密閉機構8、8’が設けられており、図
示しない真空ポンプによる減圧下で密閉される。基材6
は、基材保持機構(以下ストッカー)5あるいは5’に
保持されており搬送ローラ7により1枚ずつ蒸着室の上
部を1枚ずつ搬送され通過し成膜され、ストッカー5’
あるいは5に保持されるしくみになっている。成膜物質
9をあらかじめ銅容器10に充填し、保持枠11に入れ
ておき、これを蒸着室4の内部に入れておく。抵抗加熱
ボート12に電流を出力し、抵抗加熱ボート12の輻射
熱で成膜物質9の加熱を行う。蒸着室4の内部の圧力と
加熱された成膜物質9の融点沸点昇華点の関係で蒸発現
象が起こる。
2、2’、基材搬送室3、蒸着室4で基本的に構成され
ている。これに密閉機構8、8’が設けられており、図
示しない真空ポンプによる減圧下で密閉される。基材6
は、基材保持機構(以下ストッカー)5あるいは5’に
保持されており搬送ローラ7により1枚ずつ蒸着室の上
部を1枚ずつ搬送され通過し成膜され、ストッカー5’
あるいは5に保持されるしくみになっている。成膜物質
9をあらかじめ銅容器10に充填し、保持枠11に入れ
ておき、これを蒸着室4の内部に入れておく。抵抗加熱
ボート12に電流を出力し、抵抗加熱ボート12の輻射
熱で成膜物質9の加熱を行う。蒸着室4の内部の圧力と
加熱された成膜物質9の融点沸点昇華点の関係で蒸発現
象が起こる。
【0021】本発明の水晶振動子13および筒14’は
図の位置に配され、飛翔してきた蒸発分子が水晶振動子
13に到達すると、水晶振動子13の質量が変化しその
固有振動数の変化から膜厚を同定できる。一定速度で通
過する基材6に対し、均一な膜厚で成膜するためには飛
翔する蒸発物質の成膜速度が一定でなければならない。
成膜速度制御としてはPID制御を用い、これを演算装
置16にて演算し、出力コントローラ17を介して抵抗
加熱ボート12の出力が制御される。
図の位置に配され、飛翔してきた蒸発分子が水晶振動子
13に到達すると、水晶振動子13の質量が変化しその
固有振動数の変化から膜厚を同定できる。一定速度で通
過する基材6に対し、均一な膜厚で成膜するためには飛
翔する蒸発物質の成膜速度が一定でなければならない。
成膜速度制御としてはPID制御を用い、これを演算装
置16にて演算し、出力コントローラ17を介して抵抗
加熱ボート12の出力が制御される。
【0022】蒸発物質9と基材搬送面との距離は1,0
00mmであり、水晶振動子13は、蒸着物質9から高
さ600mm、蒸着物質9からの水平距離は500mm
である。なお、基材上に成膜された膜と水晶式膜厚計1
5の堆積速度の関係は実験により求められる。
00mmであり、水晶振動子13は、蒸着物質9から高
さ600mm、蒸着物質9からの水平距離は500mm
である。なお、基材上に成膜された膜と水晶式膜厚計1
5の堆積速度の関係は実験により求められる。
【0023】なお、抵抗加熱ボード12としては、モリ
ブデン製の幅が18mm、厚さが0.5mmの帯状の板
を、22mm径の円環状にしたものを用いた。 (2)基材(成膜対象基材) 市販のアクリル系ハードコート付きポリメチルメタアク
リレート板(三菱レイヨン(株)製、商標”アクリライ
ト”MR200C00、厚さ約1.2mm)を用いた。
これに真空蒸着法でSiO2/Zr02/SiO2/Ti
O2/SiO2の順に金属酸化膜を蒸着したものを基材と
して用いた。 (3)成膜物質(防汚剤) 防汚剤A:市販の含フッ素系有機ケイ素化合物の防汚剤
((株)オプトロン製、OF−110(F))を用い
た。この平均分子量は500以下である。
ブデン製の幅が18mm、厚さが0.5mmの帯状の板
を、22mm径の円環状にしたものを用いた。 (2)基材(成膜対象基材) 市販のアクリル系ハードコート付きポリメチルメタアク
リレート板(三菱レイヨン(株)製、商標”アクリライ
ト”MR200C00、厚さ約1.2mm)を用いた。
これに真空蒸着法でSiO2/Zr02/SiO2/Ti
O2/SiO2の順に金属酸化膜を蒸着したものを基材と
して用いた。 (3)成膜物質(防汚剤) 防汚剤A:市販の含フッ素系有機ケイ素化合物の防汚剤
((株)オプトロン製、OF−110(F))を用い
た。この平均分子量は500以下である。
【0024】防汚剤B:スチールウール(日本スチール
ウール(株)製、#1、線径約0.035mm)を詰め
た、外径18mm、高さ7mm、肉厚1mmで上方が開
放された銅容器にパーフルオロヘキサンで20wt%に
希釈された下式で示される化合物を充填し、これを70
℃で1時間キュアしたものを用いた。
ウール(株)製、#1、線径約0.035mm)を詰め
た、外径18mm、高さ7mm、肉厚1mmで上方が開
放された銅容器にパーフルオロヘキサンで20wt%に
希釈された下式で示される化合物を充填し、これを70
℃で1時間キュアしたものを用いた。
【0025】
【化3】
【0026】(4)水晶振動子
水晶振動子として、φ14mmの金電極をコートしたも
ので、発信周波数が5,900kHzのもの(東京電波
(株)製、モニターブランク)を使用する。 (5)防汚膜の評価 静止水接触角を測定して、防汚膜の評価を行った。接触
角計(協和界面科学(株)製、CA−D型)を使用し、
室温で直径2.0mmの水滴を針先に作り、これをサン
プル(成膜後の基材)の表面に接触させて、サンプル上
に液滴をつくり、このとき生じた液滴と面との角度を測
定した。 実施例1〜4および比較例1 直径10mmの穴の空いた水晶振動子固定具に、蒸着源
向きに内径14mm、厚さ1mmのステンレス製の円筒
を取り付けた。長さが20mm、40mm、60mm、
80mmの円筒を用いたものを順に実施例1、2、3、
4とする。また、円筒を用いずに同様に成膜を行ったも
のを比較例1とする。
ので、発信周波数が5,900kHzのもの(東京電波
(株)製、モニターブランク)を使用する。 (5)防汚膜の評価 静止水接触角を測定して、防汚膜の評価を行った。接触
角計(協和界面科学(株)製、CA−D型)を使用し、
室温で直径2.0mmの水滴を針先に作り、これをサン
プル(成膜後の基材)の表面に接触させて、サンプル上
に液滴をつくり、このとき生じた液滴と面との角度を測
定した。 実施例1〜4および比較例1 直径10mmの穴の空いた水晶振動子固定具に、蒸着源
向きに内径14mm、厚さ1mmのステンレス製の円筒
を取り付けた。長さが20mm、40mm、60mm、
80mmの円筒を用いたものを順に実施例1、2、3、
4とする。また、円筒を用いずに同様に成膜を行ったも
のを比較例1とする。
【0027】基材は16枚投入し、基材搬送速度は5.
0m/分とした。蒸着室の真空圧を1.0〜3.0×1
0-3Paとして、防汚剤Aを成膜した。このときの成膜
速度(水晶式膜厚計の目標成膜速度)と16枚の基材の
平均静止水接触角との関係を図2に示す。
0m/分とした。蒸着室の真空圧を1.0〜3.0×1
0-3Paとして、防汚剤Aを成膜した。このときの成膜
速度(水晶式膜厚計の目標成膜速度)と16枚の基材の
平均静止水接触角との関係を図2に示す。
【0028】基材上の防汚膜厚が厚いほど静止水接触角
は高くなる。同じ静止水接触角(基材上の防汚膜厚が同
程度)になるときの成膜速度を比べると、円筒が長いほ
ど成膜速度が遅くなっている。ここで成膜速度は水晶振
動子への防汚剤Aの単位時間あたり堆積量を示している
ので、円筒が長いほど水晶振動子への堆積量が少なくて
済むことになる。図2より、静止水接触角が100°の
とき、円筒をつけないときの成膜速度は5.0Å/sで
あるのに対し、円筒長さが20mm、40mm、60m
m、80mmのときの成膜速度はそれぞれ、4.0Å/
s、3.0Å/s、2.1Å/s、1.3Å/sで、よ
って水晶振動子はそれぞれおよそ1.3倍、1.7倍、
2.4倍、3.8倍長く使えることになる。
は高くなる。同じ静止水接触角(基材上の防汚膜厚が同
程度)になるときの成膜速度を比べると、円筒が長いほ
ど成膜速度が遅くなっている。ここで成膜速度は水晶振
動子への防汚剤Aの単位時間あたり堆積量を示している
ので、円筒が長いほど水晶振動子への堆積量が少なくて
済むことになる。図2より、静止水接触角が100°の
とき、円筒をつけないときの成膜速度は5.0Å/sで
あるのに対し、円筒長さが20mm、40mm、60m
m、80mmのときの成膜速度はそれぞれ、4.0Å/
s、3.0Å/s、2.1Å/s、1.3Å/sで、よ
って水晶振動子はそれぞれおよそ1.3倍、1.7倍、
2.4倍、3.8倍長く使えることになる。
【0029】また、16枚の基材の静止水接触角の標準
偏差は比較例1、実施例1、2、3、4の順に1.7〜
4.6°、2.3〜4.5°、0.6〜2.6°、0.
4〜4.8°、0.3〜6.2°と大きな差は見られ
ず、制御性に影響しないことを確認した。 比較例2 内径14mm、厚さ1mm、長さ60mmのステンレス
製の円筒を蒸着源から25°上方に向けて取り付けて防
汚剤Aを蒸着した。このとき、PIDパラメータを調整
したにもかかわらず、一定の成膜速度にコントロールす
ることが全くできなかった。 実施例5および比較例3 成膜物質を防汚剤Bとし、実施例4と同様に80mmの
円筒を取り付けたときを実施例5、円筒を取り付けない
ときを比較例3とした。防汚剤Bはキュア後の充填量が
0.6gとなるように計量して作製した。成膜終了後、
成膜速度測定値に観測されるノイズが0.5Å/sを越
えたときを水晶振動子の寿命限度とし、水晶振動子が寿
命に達するまでに防汚剤Bを何個使用できるかを試験し
た。実施例5は6個で、比較例3は2個の使用でそれぞ
れ水晶振動子は寿命限度になり、実施例5では比較例3
に対して寿命を3倍長くすることができた。
偏差は比較例1、実施例1、2、3、4の順に1.7〜
4.6°、2.3〜4.5°、0.6〜2.6°、0.
4〜4.8°、0.3〜6.2°と大きな差は見られ
ず、制御性に影響しないことを確認した。 比較例2 内径14mm、厚さ1mm、長さ60mmのステンレス
製の円筒を蒸着源から25°上方に向けて取り付けて防
汚剤Aを蒸着した。このとき、PIDパラメータを調整
したにもかかわらず、一定の成膜速度にコントロールす
ることが全くできなかった。 実施例5および比較例3 成膜物質を防汚剤Bとし、実施例4と同様に80mmの
円筒を取り付けたときを実施例5、円筒を取り付けない
ときを比較例3とした。防汚剤Bはキュア後の充填量が
0.6gとなるように計量して作製した。成膜終了後、
成膜速度測定値に観測されるノイズが0.5Å/sを越
えたときを水晶振動子の寿命限度とし、水晶振動子が寿
命に達するまでに防汚剤Bを何個使用できるかを試験し
た。実施例5は6個で、比較例3は2個の使用でそれぞ
れ水晶振動子は寿命限度になり、実施例5では比較例3
に対して寿命を3倍長くすることができた。
【0030】
【発明の効果】本発明により、薄膜形成装置において、
膜厚制御および成膜速度制御に用いられる水晶振動子の
長寿命化が容易にでき、長時間にわたる連続成膜が可能
となる。
膜厚制御および成膜速度制御に用いられる水晶振動子の
長寿命化が容易にでき、長時間にわたる連続成膜が可能
となる。
【図1】実施例に用いた真空蒸着機の概略図である。
【図2】実施例1〜4および比較例1にかかる水晶振動
子上での成膜速度と成膜後の基材の平均静止水接触角と
の関係を示した図である。
子上での成膜速度と成膜後の基材の平均静止水接触角と
の関係を示した図である。
1.:真空室
2、2’:基材保持室
3:基材搬送室
4:蒸着室
5、5’:基材保持機構(ストッカー)
6:基材
7:搬送ローラ
8、8’:密閉機構
9:成膜物質
10:銅容器
11:保持枠
12:抵抗加熱ボート
13:水晶振動子
14:筒
15:膜厚計
16:演算装置
17:出力コントローラー
Claims (3)
- 【請求項1】水晶振動子を有する水晶式膜厚計を用いて
膜厚制御および成膜速度制御を行いながら基材上に薄膜
を形成する際に、水晶振動子と蒸着源とを結ぶ線を遮ら
ない位置で、水晶振動子に飛翔する成膜物質を制限する
ことを特徴とする薄膜の製造方法。 - 【請求項2】筒を用いて成膜物質を制限する、請求項1
に記載の薄膜の製造方法。 - 【請求項3】蒸着源として有機物を用いる、請求項1ま
たは2に記載の薄膜の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002095619A JP2003286569A (ja) | 2002-03-29 | 2002-03-29 | 薄膜の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002095619A JP2003286569A (ja) | 2002-03-29 | 2002-03-29 | 薄膜の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003286569A true JP2003286569A (ja) | 2003-10-10 |
JP2003286569A5 JP2003286569A5 (ja) | 2005-06-30 |
Family
ID=29239028
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002095619A Withdrawn JP2003286569A (ja) | 2002-03-29 | 2002-03-29 | 薄膜の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003286569A (ja) |
-
2002
- 2002-03-29 JP JP2002095619A patent/JP2003286569A/ja not_active Withdrawn
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A521 | Written amendment |
Effective date: 20041015 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041015 |
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A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20060913 |