JP2003286367A - タイヤ用ゴム組成物 - Google Patents
タイヤ用ゴム組成物Info
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- JP2003286367A JP2003286367A JP2002092237A JP2002092237A JP2003286367A JP 2003286367 A JP2003286367 A JP 2003286367A JP 2002092237 A JP2002092237 A JP 2002092237A JP 2002092237 A JP2002092237 A JP 2002092237A JP 2003286367 A JP2003286367 A JP 2003286367A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/80—Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
- Y02T10/86—Optimisation of rolling resistance, e.g. weight reduction
Landscapes
- Tires In General (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐摩耗性を大幅に低下させることなく、転が
り抵抗を低減させるタイヤ用ゴム組成物を提供する。 【解決手段】 (A)ジエン系ゴム成分100重量部に
対し、(B)メタクリル酸マグネシウム、メタクリル酸
亜鉛およびアクリル酸アルミニウムからなる群より選ば
れたカルボン酸金属塩0.5〜4重量部、(C)N,
N’−ビス(2−メチル−2−ニトロプロピル)−1,
6ヘキサンジアミン0.3〜0.7重量部、ならびに
(D)カーボンブラックからなる補強剤を含有するタイ
ヤ用ゴム組成物。
り抵抗を低減させるタイヤ用ゴム組成物を提供する。 【解決手段】 (A)ジエン系ゴム成分100重量部に
対し、(B)メタクリル酸マグネシウム、メタクリル酸
亜鉛およびアクリル酸アルミニウムからなる群より選ば
れたカルボン酸金属塩0.5〜4重量部、(C)N,
N’−ビス(2−メチル−2−ニトロプロピル)−1,
6ヘキサンジアミン0.3〜0.7重量部、ならびに
(D)カーボンブラックからなる補強剤を含有するタイ
ヤ用ゴム組成物。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低燃費化を目的と
したタイヤ用ゴム組成物に関する。さらに詳しくは、耐
摩耗性を大幅に低下させることなく、低転がり抵抗を実
現するタイヤ用ゴム組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、自動車の低燃費化に対する社会的
要請が高まり、タイヤの転がり抵抗を低減させる低燃費
化技術(PCR)の開発が盛んに行なわれるようになっ
てきた。この転がり抵抗を低減させるためには、トレッ
ド用ゴム組成物のヒステリシスロスを低下させることが
一般的である。 【0003】その手法として、トレッド用ゴム組成物に
関して、たとえば、 1)溶液重合SBRまたはビニルポリイソプレンを用い
て、ポリマーのミクロ構造を制御する方法 2)非相溶タイプのポリマーを用いる方法 3)補強剤としてシリカにシランカップリング剤を併用
する方法(ポリマー/フィラー間の相互作用を改善する
方法としてシランカップリング剤が採用されている。) 4)補強剤であるカーボンブラックの配合量を減らす方
法 5)ポリマー相溶化剤を配合する方法 などの技術により、低転がり抵抗(LRR)化が図られ
てきた。なかでも、主にポリマー/フィラー間の相互作
用を改善する方法としてシランカップリング剤が採用さ
れている。 【0004】しかし、環境の観点から、より一層のLR
R化が望まれている。ただし、耐摩耗性を損なうことは
好ましくない。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐摩耗性を
大幅に低下させることなく、転がり抵抗の低減されたタ
イヤ用ゴム組成物を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、(A)ジエン
系ゴム成分100重量部に対し、(B)メタクリル酸マ
グネシウム、メタクリル酸亜鉛およびアクリル酸アルミ
ニウムからなる群より選ばれたカルボン酸金属塩0.5
〜4重量部、(C)N,N’−ビス(2−メチル−2−
ニトロプロピル)−1,6ヘキサンジアミン0.3〜
0.7重量部、ならびに(D)カーボンブラックからな
る補強剤を含有するタイヤ用ゴム組成物に関する。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明は、(A)ジエン系ゴム成
分、(B)カルボン酸金属塩、(C)N,N’−ビス
(2−メチル−2−ニトロプロピル)−1,6ヘキサン
ジアミン、および(D)補強剤からなる。 【0008】ジエン系ゴム成分(A)は、従来からタイ
ヤのトレッドに用いられているものであれば、とくに制
限はなく、たとえば、スチレンブタジエンゴム(SB
R)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(I
R)などの合成ゴムや天然ゴム(NR)をそれぞれ単独
で、または任意に組み合わせて用いることができる。な
かでも、安価で剛性が高く、発熱性も低いという点で、
NR、IR、BRを用いることが好ましい。 【0009】NRは、ジエン系ゴム成分(A)中に、5
0〜90重量%含まれることが好ましい。NRの比率が
50重量%未満では剛性が低くなり、90重量%をこえ
ると、屈曲性が低下する傾向がある。 【0010】IRは、ジエン系ゴム成分(A)中に、5
〜30重量%含まれることが好ましい。IRの比率が5
重量%未満では加工性が悪くなり、30重量%をこえる
と、剛性が低くなる傾向がある。 【0011】BRは、ジエン系ゴム成分(A)中に、5
〜30重量%含まれることが好ましい。BRの比率が5
重量%未満では低温での屈曲性が低下し、30重量%を
こえると、剛性が低下する傾向がある。 【0012】カルボン酸金属塩(B)としては、メタク
リル酸マグネシウム、メタクリル酸亜鉛およびアクリル
酸アルミニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種
類が用いられる。 【0013】前記カルボン酸金属塩(B)の配合量は、
前記ゴム成分100重量部に対して0.5〜4重量部、
好ましくは1〜3重量部である。カルボン酸金属塩の配
合量が0.5重量部未満ではtanδ低減効果が不充分
となり、4重量部をこえると耐摩耗性が低下する。 【0014】本発明においては、N,N’−ビス(2−
メチル−2−ニトロプロピル)−1,6ヘキサンジアミ
ン(C)(下式)を、前記ゴム成分100重量部に対し
て0.3〜0.7重量部配合する。N,N’−ビス(2
−メチル−2−ニトロプロピル)−1,6ヘキサンジア
ミンの配合量が0.3重量部未満ではtanδ低減効果
が不充分となり、0.7重量部をこえると耐摩耗性が低
下する。 【0015】 【化1】【0016】補強剤(D)は、カーボンブラックからな
る。 【0017】前記カーボンブラックの種類としては、と
くに制限はなく、たとえば、HAF、ISAF、SAF
などがあげられる。なかでも、耐摩耗性に優れる点でI
SAF、SAFが好ましい。 【0018】補強剤(D)の配合量は、前記ゴム成分1
00重量部に対して好ましくは40〜70重量部、さら
に好ましくは45〜60重量部である。補強剤の配合量
が40重量部未満では補強性が不充分となり、耐摩耗性
が低下する傾向があり、70重量部をこえるとtanδ
が増大し、発熱量が高くなるなるため、LRR化に反す
る傾向がある。 【0019】本発明では、カルボン酸金属塩(B)と
N,N’−ビス(2−メチル−2−ニトロプロピル)−
1,6ヘキサンジアミン(C)を同時に使用することに
より、転がり抵抗の指標となるtanδを大幅に改善す
ることができる。また、耐摩耗性の低下も許容の範囲で
ある。 【0020】ゴム組成物にN,N’−ビス(2−メチル
−2−ニトロプロピル)−1,6ヘキサンジアミンを配
合せずに、カルボン酸金属塩を単独で添加使用すると、
転がり抵抗は増大する。 【0021】また、N,N’−ビス(2−メチル−2−
ニトロプロピル)−1,6ヘキサンジアミン単独では、
カーボンブラックがメインの補強剤系のゴム組成物に配
合された場合、転がり抵抗はあまり変化しない。 【0022】従来、自動車のストラットマウントなどに
用いる防振ゴム組成物として、メタクリル酸亜鉛および
メチレンジアミン系化合物を配合したゴム組成物が知ら
れているが、本発明のように低転がり抵抗化を目的とし
てトレッドに使用するものではない。一般に、防振ゴム
組成物は、振動を発熱に変換させるため、エネルギーロ
スが大きく、LRR化に反するため、トレッド用ゴム組
成物に置換して利用することは困難である。 【0023】なお、本発明のタイヤ用ゴム組成物にはカ
ーボンブラック以外にも、補強剤として、たとえば、ク
レー、炭酸カルシウムなどが配合できる。 【0024】本発明のタイヤ用ゴム組成物には、ゴム成
分(A)、カルボン酸金属塩(B)、N,N’−ビス
(2−メチル−2−ニトロプロピル)−1,6ヘキサン
ジアミン(C)、補強剤(D)、そのほかの補強剤のほ
かに、通常タイヤ用ゴム組成物として使用される配合
剤、たとえば、ワックス、老化防止剤、ステアリン酸、
酸化亜鉛、加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合すること
ができる。 【0025】本発明のタイヤ用ゴム組成物は、前記ゴム
成分、カルボン酸金属塩、N,N’−ビス(2−メチル
−2−ニトロプロピル)−1,6ヘキサンジアミン、補
強剤および必要に応じてそのほかの配合剤を、通常の加
工装置、たとえば、ロール、バンバリーミキサー、ニー
ダーなどを用いて混練りすることにより得られる。 【0026】本発明のタイヤは、前記タイヤ用ゴム組成
物を、とくにタイヤのトレッドに用いて、通常の方法に
よって製造される。すなわち、前記ゴム組成物を未加硫
の段階でタイヤのトレッド部の形状に押し出し加工し、
タイヤ成形機上で通常の方法により貼り合わせて未加硫
タイヤを成形する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱
・加圧してタイヤを得る。このようにして得られたタイ
ヤは、耐摩耗性を大幅に低下させることなく、転がり抵
抗が低減されたものである。 【0027】 【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明を具体的に
説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定され
るものではない。なお、実施例および比較例では、以下
の各原料を用いた。 【0028】NR:RSS#3 IR:日本ゼオン(株)製のIR2200 BR:宇部興産(株)製のウベポール130B カーボンブラックISAF: 三菱化学(株)製のN2
20 ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN 老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6
C ステアリン酸:日本油脂(株)製 酸化亜鉛:東邦亜鉛(株)製 N,N’−ビス(2−メチル−2−ニトロプロピル)−
1,6ヘキサンジアミン:住友化学工業(株)製のスミ
ファイン1162S(N,N’−ビス(2−メチル−2
−ニトロプロピル)−1,6ヘキサンジアミン33重量
%および焼成クレー67重量%からなる) メタクリル酸マグネシウム:三新化学工業(株)製のサン
エステルSK−13 メタクリル酸亜鉛:三新化学工業(株)製のサンエステ
ル SK−30 アクリル酸アルミニウム:浅田化学工業(株)製のアク
リル酸アルミニウム 硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄 加硫促進剤NS:大内新興化学(株)製のノクセラーN
S−P 【0029】実施例1〜12および比較例1〜8 (加工方法)表1〜3の配合割合にしたがい、硫黄およ
び加硫促進剤以外の成分をバンバリー型インターナルミ
キサーを用いて160℃で3.5分間混合し、得られた
マスターバッチに硫黄および加硫促進剤をオープンロー
ル上で添加し、88℃で3分間混練りしてタイヤ用ゴム
組成物を得た。ついで、得られたゴム組成物を、170
℃で15分間加硫した。 【0030】得られた実施例1〜12および比較例1〜
8の加硫したゴム組成物を使用して、以下に示す各特性
の評価試験を行なった。 【0031】(損失正接)試験片は厚さ2mm、幅4m
mのスラブシートを用い、試料挟み間距離2cmとし
て、初期伸張率10%とした。(株)岩本製作所製の粘
弾性スペクトロメーターを使用し、引張り動歪2%、周
波数10Hz、70℃の条件で損失正接(tanδ)を
測定し、比較例1を基準値(100)とした指数で示し
た。この指数が小さいほど転がり抵抗が低く、低燃費で
ある。 【0032】(耐摩耗性)(株)岩本製作所製のランボ
ーン式摩耗試験機により、表面回転速度50m/分、負
荷荷重2.5kgf、落砂量16.0g/分、スリップ
率40%の条件で、加硫した各ゴム組成物の摩耗減量を
測定した。この測定値の逆数を求め、比較例1を基準値
(100)とした指数で示した。この指数が大きいほど
耐摩耗性がすぐれている。 【0033】結果を表1〜3に示す。 【0034】カーボンブラックをメインとする補強剤系
のタイヤ用ゴム組成物において、カルボン酸金属塩およ
びN,N’−ビス(2−メチル−2−ニトロプロピル)
−1,6ヘキサンジアミンの両方を適量配合した実施例
1〜12では、転がり抵抗(tanδ指数比)が大幅に
低減した。ただし、耐摩耗性に関しては、いくらかの低
下が見られるが、その低下の程度は、許容できる範囲内
にある。 【0035】一方、カルボン酸金属塩およびN,N’−
ビス(2−メチル−2−ニトロプロピル)−1,6ヘキ
サンジアミンのうち、カルボン酸金属塩のみ配合した比
較例3、5および7では、転がり抵抗(tanδ指数
比)が増大した。 【0036】また、カルボン酸金属塩およびN,N’−
ビス(2−メチル−2−ニトロプロピル)−1,6ヘキ
サンジアミンのうち、N,N’−ビス(2−メチル−2
−ニトロプロピル)−1,6ヘキサンジアミンのみ配合
した比較例2では、転がり抵抗(tanδ指数比)が増
大した。 【0037】N,N’−ビス(2−メチル−2−ニトロ
プロピル)−1,6ヘキサンジアミンを、0.7重量部
をこえて配合した比較例4、6および8では、耐摩耗性
が低下し、転がり抵抗(tanδ指数比)が増大した。 【0038】 【表1】 【0039】 【表2】【0040】 【表3】 【0041】 【発明の効果】本発明によれば、タイヤのトレッド部分
に、カルボン酸金属塩、N,N’−ビス(2−メチル−
2−ニトロプロピル)−1,6ヘキサンジアミンおよび
カーボンブラックからなる補強剤をそれぞれ特定量配合
したタイヤ用ゴム組成物を採用することにより、タイヤ
の耐摩耗性を大幅に低下させることなく、低転がり抵抗
化(LRR化)が図れる。
したタイヤ用ゴム組成物に関する。さらに詳しくは、耐
摩耗性を大幅に低下させることなく、低転がり抵抗を実
現するタイヤ用ゴム組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、自動車の低燃費化に対する社会的
要請が高まり、タイヤの転がり抵抗を低減させる低燃費
化技術(PCR)の開発が盛んに行なわれるようになっ
てきた。この転がり抵抗を低減させるためには、トレッ
ド用ゴム組成物のヒステリシスロスを低下させることが
一般的である。 【0003】その手法として、トレッド用ゴム組成物に
関して、たとえば、 1)溶液重合SBRまたはビニルポリイソプレンを用い
て、ポリマーのミクロ構造を制御する方法 2)非相溶タイプのポリマーを用いる方法 3)補強剤としてシリカにシランカップリング剤を併用
する方法(ポリマー/フィラー間の相互作用を改善する
方法としてシランカップリング剤が採用されている。) 4)補強剤であるカーボンブラックの配合量を減らす方
法 5)ポリマー相溶化剤を配合する方法 などの技術により、低転がり抵抗(LRR)化が図られ
てきた。なかでも、主にポリマー/フィラー間の相互作
用を改善する方法としてシランカップリング剤が採用さ
れている。 【0004】しかし、環境の観点から、より一層のLR
R化が望まれている。ただし、耐摩耗性を損なうことは
好ましくない。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐摩耗性を
大幅に低下させることなく、転がり抵抗の低減されたタ
イヤ用ゴム組成物を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、(A)ジエン
系ゴム成分100重量部に対し、(B)メタクリル酸マ
グネシウム、メタクリル酸亜鉛およびアクリル酸アルミ
ニウムからなる群より選ばれたカルボン酸金属塩0.5
〜4重量部、(C)N,N’−ビス(2−メチル−2−
ニトロプロピル)−1,6ヘキサンジアミン0.3〜
0.7重量部、ならびに(D)カーボンブラックからな
る補強剤を含有するタイヤ用ゴム組成物に関する。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明は、(A)ジエン系ゴム成
分、(B)カルボン酸金属塩、(C)N,N’−ビス
(2−メチル−2−ニトロプロピル)−1,6ヘキサン
ジアミン、および(D)補強剤からなる。 【0008】ジエン系ゴム成分(A)は、従来からタイ
ヤのトレッドに用いられているものであれば、とくに制
限はなく、たとえば、スチレンブタジエンゴム(SB
R)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(I
R)などの合成ゴムや天然ゴム(NR)をそれぞれ単独
で、または任意に組み合わせて用いることができる。な
かでも、安価で剛性が高く、発熱性も低いという点で、
NR、IR、BRを用いることが好ましい。 【0009】NRは、ジエン系ゴム成分(A)中に、5
0〜90重量%含まれることが好ましい。NRの比率が
50重量%未満では剛性が低くなり、90重量%をこえ
ると、屈曲性が低下する傾向がある。 【0010】IRは、ジエン系ゴム成分(A)中に、5
〜30重量%含まれることが好ましい。IRの比率が5
重量%未満では加工性が悪くなり、30重量%をこえる
と、剛性が低くなる傾向がある。 【0011】BRは、ジエン系ゴム成分(A)中に、5
〜30重量%含まれることが好ましい。BRの比率が5
重量%未満では低温での屈曲性が低下し、30重量%を
こえると、剛性が低下する傾向がある。 【0012】カルボン酸金属塩(B)としては、メタク
リル酸マグネシウム、メタクリル酸亜鉛およびアクリル
酸アルミニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種
類が用いられる。 【0013】前記カルボン酸金属塩(B)の配合量は、
前記ゴム成分100重量部に対して0.5〜4重量部、
好ましくは1〜3重量部である。カルボン酸金属塩の配
合量が0.5重量部未満ではtanδ低減効果が不充分
となり、4重量部をこえると耐摩耗性が低下する。 【0014】本発明においては、N,N’−ビス(2−
メチル−2−ニトロプロピル)−1,6ヘキサンジアミ
ン(C)(下式)を、前記ゴム成分100重量部に対し
て0.3〜0.7重量部配合する。N,N’−ビス(2
−メチル−2−ニトロプロピル)−1,6ヘキサンジア
ミンの配合量が0.3重量部未満ではtanδ低減効果
が不充分となり、0.7重量部をこえると耐摩耗性が低
下する。 【0015】 【化1】【0016】補強剤(D)は、カーボンブラックからな
る。 【0017】前記カーボンブラックの種類としては、と
くに制限はなく、たとえば、HAF、ISAF、SAF
などがあげられる。なかでも、耐摩耗性に優れる点でI
SAF、SAFが好ましい。 【0018】補強剤(D)の配合量は、前記ゴム成分1
00重量部に対して好ましくは40〜70重量部、さら
に好ましくは45〜60重量部である。補強剤の配合量
が40重量部未満では補強性が不充分となり、耐摩耗性
が低下する傾向があり、70重量部をこえるとtanδ
が増大し、発熱量が高くなるなるため、LRR化に反す
る傾向がある。 【0019】本発明では、カルボン酸金属塩(B)と
N,N’−ビス(2−メチル−2−ニトロプロピル)−
1,6ヘキサンジアミン(C)を同時に使用することに
より、転がり抵抗の指標となるtanδを大幅に改善す
ることができる。また、耐摩耗性の低下も許容の範囲で
ある。 【0020】ゴム組成物にN,N’−ビス(2−メチル
−2−ニトロプロピル)−1,6ヘキサンジアミンを配
合せずに、カルボン酸金属塩を単独で添加使用すると、
転がり抵抗は増大する。 【0021】また、N,N’−ビス(2−メチル−2−
ニトロプロピル)−1,6ヘキサンジアミン単独では、
カーボンブラックがメインの補強剤系のゴム組成物に配
合された場合、転がり抵抗はあまり変化しない。 【0022】従来、自動車のストラットマウントなどに
用いる防振ゴム組成物として、メタクリル酸亜鉛および
メチレンジアミン系化合物を配合したゴム組成物が知ら
れているが、本発明のように低転がり抵抗化を目的とし
てトレッドに使用するものではない。一般に、防振ゴム
組成物は、振動を発熱に変換させるため、エネルギーロ
スが大きく、LRR化に反するため、トレッド用ゴム組
成物に置換して利用することは困難である。 【0023】なお、本発明のタイヤ用ゴム組成物にはカ
ーボンブラック以外にも、補強剤として、たとえば、ク
レー、炭酸カルシウムなどが配合できる。 【0024】本発明のタイヤ用ゴム組成物には、ゴム成
分(A)、カルボン酸金属塩(B)、N,N’−ビス
(2−メチル−2−ニトロプロピル)−1,6ヘキサン
ジアミン(C)、補強剤(D)、そのほかの補強剤のほ
かに、通常タイヤ用ゴム組成物として使用される配合
剤、たとえば、ワックス、老化防止剤、ステアリン酸、
酸化亜鉛、加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合すること
ができる。 【0025】本発明のタイヤ用ゴム組成物は、前記ゴム
成分、カルボン酸金属塩、N,N’−ビス(2−メチル
−2−ニトロプロピル)−1,6ヘキサンジアミン、補
強剤および必要に応じてそのほかの配合剤を、通常の加
工装置、たとえば、ロール、バンバリーミキサー、ニー
ダーなどを用いて混練りすることにより得られる。 【0026】本発明のタイヤは、前記タイヤ用ゴム組成
物を、とくにタイヤのトレッドに用いて、通常の方法に
よって製造される。すなわち、前記ゴム組成物を未加硫
の段階でタイヤのトレッド部の形状に押し出し加工し、
タイヤ成形機上で通常の方法により貼り合わせて未加硫
タイヤを成形する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱
・加圧してタイヤを得る。このようにして得られたタイ
ヤは、耐摩耗性を大幅に低下させることなく、転がり抵
抗が低減されたものである。 【0027】 【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明を具体的に
説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定され
るものではない。なお、実施例および比較例では、以下
の各原料を用いた。 【0028】NR:RSS#3 IR:日本ゼオン(株)製のIR2200 BR:宇部興産(株)製のウベポール130B カーボンブラックISAF: 三菱化学(株)製のN2
20 ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN 老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6
C ステアリン酸:日本油脂(株)製 酸化亜鉛:東邦亜鉛(株)製 N,N’−ビス(2−メチル−2−ニトロプロピル)−
1,6ヘキサンジアミン:住友化学工業(株)製のスミ
ファイン1162S(N,N’−ビス(2−メチル−2
−ニトロプロピル)−1,6ヘキサンジアミン33重量
%および焼成クレー67重量%からなる) メタクリル酸マグネシウム:三新化学工業(株)製のサン
エステルSK−13 メタクリル酸亜鉛:三新化学工業(株)製のサンエステ
ル SK−30 アクリル酸アルミニウム:浅田化学工業(株)製のアク
リル酸アルミニウム 硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄 加硫促進剤NS:大内新興化学(株)製のノクセラーN
S−P 【0029】実施例1〜12および比較例1〜8 (加工方法)表1〜3の配合割合にしたがい、硫黄およ
び加硫促進剤以外の成分をバンバリー型インターナルミ
キサーを用いて160℃で3.5分間混合し、得られた
マスターバッチに硫黄および加硫促進剤をオープンロー
ル上で添加し、88℃で3分間混練りしてタイヤ用ゴム
組成物を得た。ついで、得られたゴム組成物を、170
℃で15分間加硫した。 【0030】得られた実施例1〜12および比較例1〜
8の加硫したゴム組成物を使用して、以下に示す各特性
の評価試験を行なった。 【0031】(損失正接)試験片は厚さ2mm、幅4m
mのスラブシートを用い、試料挟み間距離2cmとし
て、初期伸張率10%とした。(株)岩本製作所製の粘
弾性スペクトロメーターを使用し、引張り動歪2%、周
波数10Hz、70℃の条件で損失正接(tanδ)を
測定し、比較例1を基準値(100)とした指数で示し
た。この指数が小さいほど転がり抵抗が低く、低燃費で
ある。 【0032】(耐摩耗性)(株)岩本製作所製のランボ
ーン式摩耗試験機により、表面回転速度50m/分、負
荷荷重2.5kgf、落砂量16.0g/分、スリップ
率40%の条件で、加硫した各ゴム組成物の摩耗減量を
測定した。この測定値の逆数を求め、比較例1を基準値
(100)とした指数で示した。この指数が大きいほど
耐摩耗性がすぐれている。 【0033】結果を表1〜3に示す。 【0034】カーボンブラックをメインとする補強剤系
のタイヤ用ゴム組成物において、カルボン酸金属塩およ
びN,N’−ビス(2−メチル−2−ニトロプロピル)
−1,6ヘキサンジアミンの両方を適量配合した実施例
1〜12では、転がり抵抗(tanδ指数比)が大幅に
低減した。ただし、耐摩耗性に関しては、いくらかの低
下が見られるが、その低下の程度は、許容できる範囲内
にある。 【0035】一方、カルボン酸金属塩およびN,N’−
ビス(2−メチル−2−ニトロプロピル)−1,6ヘキ
サンジアミンのうち、カルボン酸金属塩のみ配合した比
較例3、5および7では、転がり抵抗(tanδ指数
比)が増大した。 【0036】また、カルボン酸金属塩およびN,N’−
ビス(2−メチル−2−ニトロプロピル)−1,6ヘキ
サンジアミンのうち、N,N’−ビス(2−メチル−2
−ニトロプロピル)−1,6ヘキサンジアミンのみ配合
した比較例2では、転がり抵抗(tanδ指数比)が増
大した。 【0037】N,N’−ビス(2−メチル−2−ニトロ
プロピル)−1,6ヘキサンジアミンを、0.7重量部
をこえて配合した比較例4、6および8では、耐摩耗性
が低下し、転がり抵抗(tanδ指数比)が増大した。 【0038】 【表1】 【0039】 【表2】【0040】 【表3】 【0041】 【発明の効果】本発明によれば、タイヤのトレッド部分
に、カルボン酸金属塩、N,N’−ビス(2−メチル−
2−ニトロプロピル)−1,6ヘキサンジアミンおよび
カーボンブラックからなる補強剤をそれぞれ特定量配合
したタイヤ用ゴム組成物を採用することにより、タイヤ
の耐摩耗性を大幅に低下させることなく、低転がり抵抗
化(LRR化)が図れる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 竹村 光平
兵庫県神戸市中央区脇浜町3丁目6番9号
住友ゴム工業株式会社内
Fターム(参考) 4J002 AC011 AC031 AC061 AC081
DA038 EG036 EG046 EN037
FD018 FD029 FD039 FD149
FD159 GN01
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 (A)ジエン系ゴム成分100重量部に
対し、(B)メタクリル酸マグネシウム、メタクリル酸
亜鉛およびアクリル酸アルミニウムからなる群より選ば
れたカルボン酸金属塩0.5〜4重量部、(C)N,
N’−ビス(2−メチル−2−ニトロプロピル)−1,
6ヘキサンジアミン0.3〜0.7重量部、ならびに
(D)カーボンブラックからなる補強剤を含有するタイ
ヤ用ゴム組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002092237A JP2003286367A (ja) | 2002-03-28 | 2002-03-28 | タイヤ用ゴム組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002092237A JP2003286367A (ja) | 2002-03-28 | 2002-03-28 | タイヤ用ゴム組成物 |
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---|---|
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Family
ID=29237116
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003286367A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7544731B2 (en) | 2004-10-26 | 2009-06-09 | Sumitomo Rubber Industries, Ltd. | Rubber composition for tire tread and pneumatic tire comprising the same |
KR20090073994A (ko) * | 2007-12-31 | 2009-07-03 | 가부시키가이샤 브리지스톤 | 고무 조성물에 혼입된 금속 비누 및 고무 조성물 중에 상기비누를 혼입시키는 방법 |
JP2012532946A (ja) * | 2009-07-10 | 2012-12-20 | コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン | 天然ゴムとポリアミン化合物をベースとする組成物 |
-
2002
- 2002-03-28 JP JP2002092237A patent/JP2003286367A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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