JP2003285036A - Pcb汚染物の解体装置および解体方法 - Google Patents

Pcb汚染物の解体装置および解体方法

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JP2003285036A JP2003017859A JP2003017859A JP2003285036A JP 2003285036 A JP2003285036 A JP 2003285036A JP 2003017859 A JP2003017859 A JP 2003017859A JP 2003017859 A JP2003017859 A JP 2003017859A JP 2003285036 A JP2003285036 A JP 2003285036A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 火花や発熱を生じさせにくく、切断面のカエ
リを外向きにさせ、切削粉の発生量が少なくなる解体処
理を実現可能である、PCB汚染物の解体装置を提供す
ることを課題とする。 【解決手段】 本発明は、PCB汚染物1を解体する解
体装置であって、前記PCB汚染物1を成す容器2の所
定箇所を切断して、その切断面のカエリを外向きに形成
可能な切断部321,322と、前記切断部321,3
22を前記容器2の外周形状に沿って移動させ得る駆動
部とを備えたことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、PCB汚染物の無
害化処理に関するものであって、詳細には、PCB含有
コンデンサ等のPCB汚染物の解体に用いられる解体装
置および解体方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリ塩化ビフェニル(以下「PCB」と
いう。)等の有機ハロゲン化合物は、安定性、不燃性、
電気絶縁性に優れていることから、過去において、コン
デンサやトランス等(以下「コンデンサ等」という。)
を構成する際の絶縁油に利用されていた。このように利
用されるPCBは、容易に化学的に分解されないため、
使用されたコンデンサ等が廃棄処理された後には、水、
土壌等に蓄積して、食品等を介して人体に入るおそれが
ある。
【0003】このように、PCBは、分解されにくく有
害であるため、現在は、その製造や新規使用等が禁止さ
れている。そして、その毒性が指摘された後は、PCB
を含有する絶縁油(以下、単に「絶縁油」という。)を
使用したコンデンサ等は保管され、その早急な処理が必
要とされている。
【0004】コンデンサ等は、具体的には、本体と絶縁
油、及びこれらを収容する容器等から構成され、本体
は、素子、その他付属物とから構成されている。このう
ち、素子は、帯状の電極と帯状の絶縁体が重ねられた状
態で、これらが何層にも巻かれて構成されている。
【0005】上記コンデンサ等の廃棄処理を行う際に
は、容器内から抜き出された絶縁油については、そのP
CBを確実に分解処理(無害化)することが求められ、
従来から種々の処理方法が検討されている。また、コン
デンサ等を構成する容器や素子についても、絶縁油を除
去した後に、少なからずPCBに汚染された絶縁油が残
留しているため、これらを完全に除去した後、安全な状
態で廃棄あるいは再利用する必要がある。
【0006】そして、上記コンデンサ等の廃棄処理を実
際に行う場合には、コンデンサ等の解体処理が不可欠で
ある。特にコンデンサについては、通常、PCB含有絶
縁油を抜くための開口部等もないため、何らかの方法に
よって、容器を解体して、絶縁油の排出および本体の取
り出し等を行わなければならない。そこで、従来技術に
おいては、コンデンサ等の解体(コンデンサの容器(缶
体)の切断等)を行うために、通常サンダーやエアソー
等が用いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術においては、次のような問題があった。
【0008】上述したように、サンダーやエアソーを用
いてコンデンサ等の解体を行うと、容器との摩擦によっ
て火花が生ずるおそれがあるという問題があった。ま
た、解体時の発熱によって、PCBの蒸発量が大きくな
って、ダイオキシンが発生するおそれがあるという問題
があった。さらに、サンダー等を用いて容器の解体を行
うと、切断面のカエリが内向きとなって、容器内の本体
(例えば、コンデンサ素子等)がそのカエリに引っ掛か
るため、容器から本体を取り出しにくいという問題があ
った。また、サンダー等を用いて解体を行うと切削粉が
生じ、そのような切削粉がPCB汚染物に付着混入する
と、PCB汚染物を洗浄する際の取扱いが難しいという
問題があった。さらに、サンダー等を用いた容器の解体
処理は、その処理速度が遅く、作業者がPCBに接する
時間が長くなるという問題があった。
【0009】そこで、本発明は、上記従来技術にかかる
問題を解決するためになされたものであって、火花や発
熱を生じさせにくく、切断面のカエリを外向きにさせ、
切削粉の発生量が少なくなる解体処理を実現可能であ
る、PCB汚染物の解体装置を提供することを課題とす
る。また、本発明は、解体処理の際における作業者のP
CBに接する時間を低減させることが可能な、PCB汚
染物の解体装置を提供することを課題とする。さらに、
本発明は、これらの解体装置を用いた、効果的な解体方
法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来技術
の課題を解決するためになされたもので、PCB汚染物
を解体する解体装置であって、前記PCB汚染物を成す
容器の所定箇所を切断して、その切断面のカエリを外向
きに形成可能な切断部と、前記切断部を前記容器の外周
形状に沿って移動させ得る駆動部とを備えたことを特徴
としている。
【0011】このような構成によれば、前記切断部を容
器の外周形状に沿って移動させながら前記容器の所定箇
所を切断して、PCB汚染物の容器の解体分離を行った
場合、容器切断面のカエリが外向きに形成される。した
がって、このような解体装置を用いた場合によれば、切
断面のカエリが外向きとなるため、従来のように切断面
のカエリが内向きになる場合と比較して、容易に前記容
器内から内容物(コンデンサ素子等)を取り出すことが
できる。よって、解体分離等の作業性が大きく向上す
る。
【0012】また、本発明にかかるPCB汚染物の解体
装置においては、前記切断部が、前記容器の外周面に接
触する押さえ部と、前記容器の内部に挿入される切削部
とを備えた構成が好ましい。なお、このような構成にか
かる切断部においては、まずはじめに前記容器の所定箇
所に孔部を設け(あるいは前記切削部で孔部を開け)、
その孔部に前記切削部を挿入した状態から、前記切断部
を用いた切断処理(前記容器の内側から外側に向けての
前記切削部の可動)が開始される。
【0013】この好ましい構成によれば、前記容器外周
面に接した前記押さえ部と前記切削部との間で前記容器
の切断が行われるため、切断面には外向きのカエリが形
成されることとなる。よって、上述した効果を得ること
ができる。
【0014】また、本発明にかかるPCB汚染物の解体
装置においては、前記切断部が、複数の突起部を有する
チゼルを用いて構成されており、前記突起部の少なくと
も一つが前記押さえ部として機能する押さえ突起部を成
し、前記突起部の少なくとも一つが前記切削部として機
能する切削突起部を成す構成が好ましい。このような構
成の切断部としては、例えば、三つの突起部を有し、中
央の突起部が切削突起部を成し、その両側に設けられた
突起部が押さえ突起部を成す構成があげられる。
【0015】また、本発明にかかるPCB汚染物の解体
装置においては、前記押さえ突起部と前記切削突起部と
の間に前記容器(を成す外壁部)を介在させ得るよう
に、前記押さえ突起部と前記切削突起部との間に所定の
角度が設けられている構成が好ましい。
【0016】この好ましい構成によれば、前記押さえ突
起部と前記切削突起部との間に前記容器の外壁部(側
板)を挟持したような状態で、前記切断部を前進させる
ことによって、容器の切断面のカエリを適切に外向きに
形成することができる。
【0017】また、本発明にかかるPCB汚染物の解体
装置においては、前記切断部が、前記容器の外周面に接
触する支持部と、前記支持部の所定箇所に回動可能に取
り付けられており、前記所定箇所を支点として前記容器
の内側から外側に向けて可動させることによって、前記
容器の切削を行うことができる回動切削部とを備えた構
成が好ましい。
【0018】この好ましい構成によれば、前記回動切削
部を前記所定箇所を支点として回動させるようことによ
って、容易に容器の切断面のカエリを外向きに形成する
ことができる。
【0019】また、本発明にかかるPCB汚染物の解体
装置においては、前記支持部と前記回動切削部との間に
前記容器を介在させ得るように、前記支持部と前記回動
切削部との間に所定の角度を設け得る構成が好ましい。
【0020】この好ましい構成によれば、前記回動切削
部を回動させて、前記支持部と前記回動切削部との間に
所定の角度を設け得る構成であるため、前記支持部と前
記回動切削部との間に前記容器の外壁部を挟持した状態
で、前記回動切削部を回動させることによって、容器の
切断面のカエリを適切に外向きに形成することができ
る。
【0021】また、本発明にかかるPCB汚染物の解体
装置においては、前記容器の切断中において、前記容器
の切断位置に沿うように、前記容器の切断される面に略
平行な方向に、前記切断部における先端部の角度が調整
可能である構成が好ましい。
【0022】この好ましい構成によれば、前記容器の切
断中に、前記切断部の先端部(刃先)が前記切断位置か
らずれた場合であっても、先端部角度を調整することに
よって、容易に前記切断位置に前記切断部の先端部を沿
わせることが可能となる。したがって、この好ましい構
成によれば、容易に切断位置に沿った切断処理を行うこ
とができる。
【0023】また、本発明にかかるPCB汚染物の解体
装置においては、前記容器の切断中において、前記容器
の切断される面に略垂直な方向に、前記切断部における
先端部の角度が調整可能である構成が好ましい。
【0024】この好ましい構成によれば、前記容器の切
断中に、前記切断部の先端部(刃先)を、前記容器の切
断される面に対して、「立てたり」「寝かせたり」する
ことが可能となるため、適切な切断処理を行うための最
適角度となるように、前記切断部の先端部角度を容易に
調整することができる。例えば、この先端部角度が大き
すぎたり、小さすぎると、切断処理が進みにくくなり、
さらにひどい場合には切断処理が進まなくなるが、この
ような構成によれば、切断中に先端部角度の調整が可能
であるため、継続して切断処理を行うことができる。
【0025】また、本発明にかかるPCB汚染物の解体
装置においては、前記容器の切断中において、前記容器
の外周形状に沿うように、前記容器の切断される面に略
垂直な方向に、前記切断部が移動可能である構成が好ま
しい。
【0026】前記容器の外周が湾曲等していたとして
も、この好ましい構成によれば、前記容器の切断中にお
いて、前記容器の切断される面に略垂直な方向に前記切
断部が移動可能であるため、容易に、前記容器の外周形
状に沿った切断処理を実施することができる。
【0027】本発明は、PCB汚染物を解体する解体方
法であって、前記PCB汚染物の内部構造を認識するた
めの内部透視工程、前記内部透視工程の結果に基づき抜
油針の挿通量を決定して、前記PCB汚染物内から所定
量のPCB含有絶縁油を抜き出すために抜油針を挿通さ
せる抜油針挿通工程、および内部透視工程の結果に基づ
いて解体位置を定め、前記抜油針挿通工程の後に行われ
る解体工程とを備え、前記解体工程が、上述した解体装
置のいずれかを用いて行われることを特徴としている。
【0028】このような構成によれば、前記内部透視工
程にて挿通量を定めた後の前記抜油針挿通工程にて容器
内のPCB含有絶縁油が所定量抽出された状態で、且つ
前記内部透視工程の結果に基づき容器内を確認してか
ら、前記解体工程が行われるため、前記PCB含有絶縁
油の漏出等を防ぎ、容器内の切断しやすい箇所を特定し
て解体を行うことができる。また、この解体工程は、上
述した種々の解体装置のいずれかを用いるため、上記種
々の効果をも得ることができる。なお、「切断しやすい
箇所」とは、容器を上側から支持している支持具および
容器内の本体部(コンデンサ素子等)と干渉しない箇所
である。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、本発明の
実施の形態を説明する。なお、本発明は、PCB汚染物
の無害化処理に関するものであって、PCB汚染物の解
体処理に特徴を有する。したがって、本実施形態におい
ては、この処理に用いられるPCB汚染物の解体装置に
ついて、特に詳細に説明する。
【0030】図1は、本実施形態にかかる各装置にて処
理されるコンデンサ(本発明の「PCB汚染物」に相
当)の一例を示す概略断面図である。コンデンサ1は、
炭素鋼板等にて形成される直方体形状の容器2と、容器
2内に収容される本体部3と、容器2の上部を密封する
炭素鋼板等にて形成される上蓋4と、上蓋4を貫通すべ
く設けられた複数の碍子5と、碍子5の先端から突出す
べく設けられた端子6と、端子6から碍子5内を貫通し
て本体部3の端子部に接続されるリード線7とを用いて
構成されており、さらに、このコンデンサ1を成す容器
2内には、電気絶縁用および冷却用のPCB含有絶縁油
8が充填されている。
【0031】また、本体部3は、アルミ箔と紙(クラフ
ト紙等)とを重ねて巻回された多数のコンデンサ素子9
等を用いて構成されている。さらに、このコンデンサ素
子9等から成る本体部3は、容器2の側板の内周面に配
設された固定板3aの内側に収容されており、本体部3
の底部と容器2の底面との間にはクラフト紙3bが配設
されている。
【0032】さて、先にも述べたように、PCB汚染物
の処理には、PCB等を含んだ絶縁油(PCB含有絶縁
油)の処理と、PCBを含浸(あるいはPCBが付着)
した各構成要素の処理とがある。そして、このPCBを
含浸等した構成要素(容器2内の本体部3等)について
は、より細かく解体等した後に洗浄処理等を施す必要が
ある。すなわち、以上のように構成されたPCB汚染物
であるコンデンサ1についての除染処理を行うために
は、コンデンサ1を成す容器2等を解体して、その内部
の本体部3等と、容器2内に封入されているPCB含有
絶縁油8とを、分離回収しなければならない。
【0033】図2は、PCB汚染物たるコンデンサの除
染処理を実施する際のプロセスフローの概略図を示した
ものである。
【0034】コンデンサ1は、受入時に、外部汚れ、P
CB漏れ、および破損程度等が検査され、まずはじめ
に、コンデンサ1の容器2の外部除塵処理S201が行
われる。また、PCB汚染のない外部部材についは、そ
の取り外し処理S202が行われて、取り外された金属
等については、リサイクルあるいは廃棄される。
【0035】次に、外部部材等の取り外しが行われたコ
ンデンサ1は、移送ラインに移され、遠隔操作にて、寸
法・重量測定処理S203およびX線による内部構造透
視の検査S204を受ける。この内部透視処理S204
(本発明の「内部透視工程」に相当)の結果は、次工程
以降のコンデンサ1の穿孔処理、解体処理等を行う際に
利用される。すなわち、この内部透視の結果に基づい
て、穿孔位置(穿孔しやすい位置、適切な穿孔深さ等)
あるいは切断位置(切断しやすい位置等)等が定められ
る。ここで「切断位置」は、例えば、内部透視の結果に
基づき確認された容器2内の本体部3に干渉しない位置
と、後述する上蓋支持具に干渉しない位置との間に定め
られる。また、容器2内のPCB含有絶縁油8の液面が
容器2内の本体部3よりも上方に位置する程度にしか抜
油されない場合には、絶縁油8の漏出を防止するため
に、「切断位置」は、絶縁油8の液面と上蓋支持具に干
渉しない位置との間に定めることが好ましい。
【0036】次に、コンデンサ1の内部のPCB含有絶
縁油8を適切に回収するために、真空吸引状態にある抜
油針にてコンデンサ1の上蓋4の穿孔処理S205が行
われ、後述する上蓋4の切断時にコンデンサ1に圧力封
入されているPCB含有絶縁油が飛散しないように、所
定量(上蓋4の切断を適切に行うことが可能となる量)
のPCB含有絶縁油8の抜油処理S206(本発明の
「抜油針挿通工程」に相当)が行われる。
【0037】抜油処理S206が行われた後のコンデン
サ1については、次に、容器2上部の切断処理S207
(本発明の「解体工程」に相当)が行われて、上蓋4が
分離される。この分離された上蓋4については、後に適
切な分別・洗浄等を実施可能なように解体処理S208
が行われる。
【0038】また、上蓋4が分離された後のコンデンサ
1については、その内部の残油(PCB含有絶縁油8)
の回収処理S209が行われた後に、容器2内から本体
部3の取り出し処理S210が行われる。すなわち、容
器2と本体部3とPCB含有絶縁油8とにそれぞれ分離
されることとなる。
【0039】さらに、各構成要素についても、先に説明
した上蓋4の場合と同様に、適切な洗浄効果をあげるた
めに、分解・裁断処理が施される。具体的には、分離さ
れた容器2については、底の切断処理等の解体処理S2
11等が行われ、本体部3(コンデンサ素子9)につい
ても、裁断処理等の解体処理S212等が行われる。
【0040】そして、残油回収処理S209にて回収さ
れたPCB含有絶縁油8については、抜油処理S206
にて回収されたPCB含有絶縁油8と共に、図示外の装
置にて無害化処理が施され、解体処理等が行われたコン
デンサ1の各構成要素(容器2、本体部3、および上蓋
4等)については、それぞれ洗浄の難易度等に合わせた
分別処理および洗浄処理等S213(分別、洗浄、乾燥
等)が施される。
【0041】上記洗浄処理等が終了した後には、その洗
浄方法、あるいは構成部位等に応じて、それぞれ定めら
れた方法を用いて判定処理S214が行われる。この判
定処理S214の方法としては、例えば、洗浄液試験
法、拭き取り試験法、部材採取試験法がある。
【0042】さて、本発明は、上述したように、PCB
汚染物の無害化処理に関するものであって、PCB汚染
物の解体処理(容器上部切断処理S207)等に特徴を
有する。そこで以下においては、この処理に用いられる
装置(解体装置)について具体的に説明する。
【0043】図3は、本実施形態にかかる解体装置の概
略図を示したものであって、より詳細には、解体装置に
PCB汚染物(コンデンサ)が搬入された状態を示した
ものである。また、図4は、図3のIV−IV線矢視図を示
したものである。
【0044】本実施形態にかかる解体装置は、搬入され
たコンデンサ1を解体位置にて支持・固定するコンデン
サ支持具31と、コンデンサ1の所定箇所(例えば、コ
ンデンサ1の上部箇所(図1の破線X位置))を切断す
べく設けられた切断機構32(第一切断機構32A,第
二切断機構32B)と、コンデンサ1の上蓋を支持等す
る上蓋支持具33等とを用いて構成されている。なお、
ここで切断位置として定められる破線X位置は、上述し
たように、上蓋4を支持している状態の上蓋支持具3
3、容器2内の本体部3、および容器2内のPCB含有
絶縁油8の液面のいずれにも干渉しないように定められ
るものであり、本実施形態においては、図1に示すよう
に、上蓋支持具33に干渉せず(上蓋支持具33のつか
み代よりも下方であって)、容器2内の絶縁油8の液面
に干渉しない位置(液面よりも上方)に、切断箇所たる
破線X位置が定められる。
【0045】コンデンサ支持具31は、切断機構32を
用いた切断時にコンデンサ1が動いたり倒れたりしない
ように、容器2を支持・固定するものであって、コンデ
ンサ1の両側に一対設けられている。このコンデンサ支
持具31は、矢印X1方向(図3参照)に移動可能に構
成されており、コンデンサ1の搬入時には、コンデンサ
1に接触しない位置に待避しており、切断時には、コン
デンサ1に接触して固定する位置にまで移動する。そし
て、さらに、切断後には、コンデンサ1はさらに後流側
の工程(S209等)に搬出されるため、支持具31は
コンデンサ1と非接触状態となる位置にまで待避する。
すなわち、このコンデンサ支持具31は、搬入、切断、
および搬出が繰り返される状態において、待避(非接
触)、固定(接触)、および待避(非接触)を繰り返す
べく機能する。
【0046】切断機構32は、図4に示すべく、解体装
置に搬入され、コンデンサ支持具31に固定された状態
のコンデンサ1の両側に一対設けられており、各切断機
構32A,32Bには、それぞれ薄板の切断に用いられ
る薄板用チゼル321(本発明の「切断部」に相当)と
厚板の切断に用いられる厚板用チゼル322(本発明の
「切断部」に相当)とが設けられている。また、第一切
断機構32Aには、リード線7等を切断するために用い
られるニッパ323が設けられている。なお、図3およ
び図4においては、図面の複雑化を避けるために、適宜
重複等する部分については記載を省略しているところも
ある。例えば、図3においては、第一切断機構32Aに
設けられている各チゼル321,322の記載は省略し
ている。
【0047】この切断機構32は、図4に示すように、
矢印Y1方向に駆動可能な設置台320(第一設置台3
20A,第二設置台320B)(本発明の「駆動部」に
相当)に上記チゼル321,322等が設けられてお
り、各チゼル321,322については、設置台320
上にて矢印X2方向に駆動可能に構成されている(この
駆動機構も本発明の「駆動部」に相当)。また、各チゼ
ル321,322は、回転可能に構成されている。具体
的には、この各チゼル321,322近傍は、図5およ
び図6に示すように構成されている。この図5および図
6については、後述する。
【0048】上蓋支持具33は、切断機構32を用いた
切断時に上蓋4および端子6等が落ちないように、上蓋
4等を固定するものであって、搬入されたコンデンサ1
の上方位置に設けられている。この上蓋支持具33は、
上下方向(矢印Z1方向)(図3参照)に駆動可能に構
成されており、コンデンサ1の搬入時には、コンデンサ
1に接触しない位置(上方位置)に待機しており、切断
時には、下降してコンデンサ1の上蓋4を挟持して固定
すべく機能する。そして、この上蓋支持具33は、容器
2の切断処理後には、上蓋4を挟持固定した状態で上方
向に移動して、コンデンサ1の容器2から、上蓋4およ
びこれに付随した各構成要素(端子6等)を解体分離す
べく機能する。なお、この解体分離の際、上蓋4に付随
して持ち上げられたリード線7については、切断機構3
2に設けられたニッパ323にて切断される。このよう
にして、上蓋4等の解体分離が終了した後には、上述し
たように、コンデンサ1はさらに後流側の工程(S20
9等)に搬出され、上蓋4等については、さらに他の装
置(図示省略)を用いて解体処理(S208)等が施さ
れる。
【0049】図5は、設置台上に設けられたチゼルおよ
びその周辺の構成の概略図を示したものであり、図6
は、図5のVI線方向矢視図を示したものである。なお、
各チゼル321,322およびその周辺の構成は、いず
れも略同様の構成を有しているため、ここでは、特に
「A」「B」等の符号を付すことなく説明する。
【0050】本実施形態にかかる切断機構32において
は、チゼル321を矢印X2方向に駆動させるべく、ガ
イド棒324と油圧シリンダ325とが設けられ、チゼ
ル321はこのガイド棒324に取り付けられている。
このガイド棒324および油圧シリンダ325は、本発
明の「駆動部」に相当する。さらに詳細には、チゼル3
21は、回転支持フレーム341、反力吸収アブソーバ
328、断続的打力発生器327等を介してガイド棒3
24に取り付けられており、断続的打力発生器327と
チゼル321との間には引き戻し用ばね326および回
り止め342が設けられている。また、チゼル321
は、モータ329によって、回動軸343を中心として
S1方向に回動可能に構成されている。
【0051】また、チゼル321(322)は、三枚の
刃(本発明の「突起部」に相当)を用いて構成されてお
り、中央刃321a(322a)(本発明の「切削
部」、「切削突起部」に相当)が、その両側に設けられ
た側方刃321b(322b)(本発明の「押さえ
部」、「押さえ突起部」に相当)の下側に反るように設
けられている。すなわち、図5に示すような側面図にお
いて、中央刃321aと側方刃321bとの間には所定
の角度が設けられている。
【0052】そして、このチゼル321は、以上のよう
に所定の角度を有することによって、容器2を切断する
際には、中央刃321aのみが容器2を構成する側板の
内側(裏側)に入り込み、中央刃321aと側方刃32
1bとの間で容器2を挟持するような状態で前進するこ
とによって、容器2の側板を剪断力によって切断するこ
とができる。この際、両側の側方刃321bは、側板の
外側に接して中央刃321aをサポートする。なお、切
断を行うための剪断力は、本実施形態においては、上述
した断続的打力発生器327にてチゼル321に与えら
れる。
【0053】上記図3〜図6に示すべく構成された解体
装置においては、コンデンサ1が搬入された後に、具体
的に次のように機能して、解体処理(容器上部切断処理
S207)が行われる。
【0054】まず、コンデンサ1が解体装置に搬入され
ると、コンデンサ支持具31を駆動させて、コンデンサ
1が側方から支持固定され、さらに、上蓋支持具33を
下降させることによって、コンデンサ1の上蓋4が挟持
固定される。
【0055】次いで、そのコンデンサ1を成す容器2の
側板の厚さに応じて、切断機構32において、薄板用チ
ゼル321あるいは厚板用チゼル322が選択され、選
択されたチゼルによる容器2側板の切断処理が行われ
る。この切断位置は、内部透視の結果等に基づいて定め
られ、図1に示すようなコンデンサ1については、例え
ば破線Xの位置で切断処理が行われる。この切断の際に
は、それぞれの切断機構32を駆動させるために設けら
れた駆動部によって、各チゼルはコンデンサ1の容器の
外周形状に沿って移動可能に構成されている。そして、
第一切断機構32Aに設けられたチゼルによって、コン
デンサ1の第一面1a(本発明の「切断される面」に相
当)および第二面1b(本発明の「切断される面」に相
当)が切断され、第二切断機構32Bに設けられたチゼ
ルによって、コンデンサ1の第三面1c(本発明の「切
断される面」に相当)および第四面1d(本発明の「切
断される面」に相当)が切断される。
【0056】例えば、第一切断機構32Aによってコン
デンサ1の第一面1aおよび第二面1bを切断する場合
について説明する。まず、図5に示すような角度のチゼ
ル321を第一面1aに接する位置まで矢印X21方向
に移動させ、チゼル321を第一面1aを切削可能な状
態で矢印Y11方向に移動させることによって第一面1
aの切断処理を行う。次いで、第一面1aと第二面1b
との間の角部にて、チゼル321が第二面1bを切削可
能な状態となるように、チゼル321をモータ329に
よって矢印S11方向に回転させる。すなわち、第一面
1aの切断時における、第一面1aとチゼル321との
間に形成された関係(角度等)と、略同様の関係となる
べく、第二面1bに対してチゼル321を矢印S11方
向に回転させる。そして、その状態を維持しつつ、チゼ
ル321を切削可能な状態で矢印X21方向に移動させ
ることによって第二面1bの切断処理を行う。
【0057】コンデンサ1を成す容器2の全面1a,1
b,1c,1d(図4参照)(本発明の「切断される
面」に相当)の所定位置(本発明の「切断位置」に相
当)が切断された後には、上蓋4を挟持している上蓋支
持具33を上昇させて、上蓋4に付属のリード線7等を
ニッパ323にて切断して、上蓋4およびこれに付属し
た構成要素を容器2から完全に分離させる。
【0058】なお、本実施形態においては、このコンデ
ンサ1の切断処理の際、コンデンサ1を成す容器2の外
周形状が湾曲等している場合には、その湾曲状態に応じ
て(容器2の外周形状に沿うように)、チゼル321
が、コンデンサ1の切断される面に略垂直な方向に移動
可能な構成であることが好ましい。例えば、容器2の第
一面1aを切断する場合において、この第一面1aが湾
曲している場合には、チゼル321は、切断時における
矢印Y11方向への移動に加えて、矢印X2方向にも適
切に移動可能に構成されていることが好ましい。つま
り、コンデンサ1の切断中に、コンデンサ1の外周形状
に沿うように、切断される面(例えば第一面1a)に略
垂直は方向(例えば矢印X2方向)に、チゼル321が
移動可能であることが好ましい。上記のようなチゼル3
21の移動は、例えば、油圧シリンダ325を駆動させ
ることによって行われる。
【0059】また、本実施形態においては、コンデンサ
1の切断処理の際、コンデンサ1を成す容器2の切断さ
れる面に略垂直な方向に、チゼル321の先端部の角度
が適宜調整可能に構成されていることが好ましい。例え
ば、容器2における第一面1aを切断している場合、モ
ータ329を駆動させることによって、回動軸343を
中心に、チゼル321の先端部角度が、第一面1aに略
垂直な方向に調整可能である構成が好ましい。なお、本
発明は、この構成に限定されず、チゼル321の先端部
角度を調整可能であれば、どのような構成をも採用可能
である。例えば、チゼルを何等かの固定部材上に固定配
置し、この固定部材が回動可能なように所定の回動軸を
設け、この固定部材のいずれかの箇所に油圧シリンダ等
を設けて、この油圧シリンダの駆動に応じて回動軸を中
心に固定部材を回動させることによって、この固定部材
上のチゼルの先端部角度が調整可能であってもよい。こ
のような構成によれば、容器2の切断中において、切断
される面(例えば第一面1a)に対して、チゼル321
の先端部(刃先)を立てたり、寝かせたりすることが可
能となるため、適切な切断処理を行うための最適角度と
なるように、チゼル321の先端部角度を容易に調整す
ることができる。例えば、この先端部角度が大きすぎた
り、小さすぎると、チゼル321による切断処理が進み
にくくなり、さらにひどい場合には切断処理が進まなく
なるが、このような構成によれば、切断中にチゼル32
1の先端部角度の調整が可能であるため、継続して切断
処理を行うことができる。
【0060】以上のようにして、容器上部の切断処理S
207が終了した後には、図2にも示したように、上蓋
4は解体処理S208へ、容器2については残油回収処
理S209へ送られる。
【0061】本実施形態にかかる解体装置は、以上のよ
うに構成され機能するため、次のような効果を得ること
ができる。
【0062】本実施形態によれば、三本刃を有するチゼ
ル321,322を容器2の外周形状に沿って移動させ
ながら容器2の所定箇所(例えば破線X位置)(本発明
の「切断位置」に相当)を切断して、コンデンサ1の容
器2の解体分離を行うべく構成されているため、容器2
の切断面のカエリが外向きに形成される。つまり、本実
施形態においては、チゼルの中央刃321a,322a
が容器2内に挿入された状態で容器2の切断が行われる
ため、適切に外向きのカエリが形成される。したがっ
て、本実施形態によれば、分離解体の際に、容器2内か
ら容易に本体部3(コンデンサ素子9)を取り出すこと
が可能であるため、作業性が大きく向上する。
【0063】また、本実施形態によれば、チゼルを上述
したように連続的に駆動させることによって容器2の切
断処理が行われるため、従来技術(例えば、サンダー等
を用いる場合)よりも細かな切削粉の発生量を少なくす
ることができる。さらに、火花の発生や発熱も抑えつ
つ、比較的速く解体処理を実施することができる。
【0064】また、本実施形態によれば、三本刃のうち
で中央刃のみが下方に反って、所定の角度を有すべく構
成されているため、中央刃と側方刃との間で容器2の側
板を挟持することができる。すなわち、このような挟持
状態にてチゼルを駆動させることによって、容器2の切
断面を適切に外向きに形成することが可能となる。
【0065】さらに、本実施形態によれば、上述した構
成に基づいて、搬入後のコンデンサ1の解体処理を自動
化して、遠隔処理を行うことが可能となる。したがっ
て、本実施形態によれば、解体処理の際における作業者
のPCBに接する時間を低減させることができる。
【0066】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上
述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
【0067】例えば、上記実施形態においては、三本刃
を備えたチゼルを用いる場合について説明したが、本発
明はこの構成に限定されるものではなく、容器を切断し
た後、切断面に外向きのカエリを形成可能であれば、二
本以下あるいは四本以上の刃を有するチゼルを用いても
よい。
【0068】また、上記実施形態においては、チゼルを
複数(片側二本ずつ)設ける場合について説明したが、
本発明はこの構成に限定されるものではなく、その本数
は必要に応じて適宜変更可能である。さらに、上記実施
形態においては、片方のチゼルにて、容器2の二面の切
断を行う場合について説明したが、本発明はこの構成に
限定されず、一本のチゼルにて全面の切断を行ってもよ
く、また、各面をそれぞれ一本のチゼルにて切断すべく
構成してもよい。すなわち、そのチゼルの数や、受け持
つ切断面等は特に限定されない。
【0069】また、上記実施形態においては、切断部と
してチゼルを用いる場合について説明したが、本発明は
この構成に限定されるものではなく、例えば、チゼルに
換えて、図7に示すような切断部を用いてもよい。
【0070】図7は、本発明の実施形態にかかる解体装
置を成す他の切断部の概略図を示したものであって、図
7(a)は側面概略図を示し、図7(b)は図7(a)
のVII−VII断面概略図を示したものである。この図7に
示された切断部70は、先に説明されたチゼル321,
322の換わりに使用可能なものであって、図5にて説
明したガイド棒に取り付けた状態で容器2の外周形状に
沿って移動させつつ、容器2の側板の切断処理を行うこ
とができる。
【0071】より具体的に、切断部70は、容器2の外
周面に接触する固定部71と、固定部71(本発明の
「支持部」に相当)にピン73にて接合されて、このピ
ン73を中心にして回動可能な切削部72(本発明の
「回動切削部」に相当)と、切削部72を駆動させるべ
く設けられた油圧シリンダ74等とを用いて構成されて
いる。
【0072】切削部72の先端部72aであって、容器
2内面に接触する部位には、容器2を切断するための刃
部が形成されており、後端部72bは、油圧シリンダ7
4のシャフト74aとピン75にて接合されている。そ
して、本実施形態においては、油圧シリンダ74にてシ
ャフト74aを矢印L1方向に駆動(往復動)させるこ
とによって、ピン73を中心として、切削部72の先端
部72aを矢印L2方向に回動させることができる。な
お、図8(b)に示すように、固定部71には、切削部
72の先端部72aが回動して容器2の切断を行った際
に、その先端部72aが固定部71に接触しないよう
に、溝部71aおよび切欠部71bが形成されている。
【0073】また、固定部71と切削部72とは、上述
したように、切削部72を回動させることによって、各
部71,72の間に、所定の角度(図8(a)に示すよ
うな側面図において)を設け得る構成であるため、固定
部71と切削部72との間に、容易に容器2側板を挟持
して切削処理を行うことができる。
【0074】この他の実施形態にかかる切削部72は、
以上のように構成されているため、切削部72を回動さ
せることによって、切断面のカエリを外側に形成しつ
つ、容器2の切断処理を行うことが可能となる。したが
って、先に説明した実施形態と同様の効果を得ることが
できる。
【0075】さらに、本発明は、上記各実施形態に限定
されず、よりスムーズな切断処理等を実現するために、
種々の変更を行うことができる。例えば、容器の切断中
において、チゼルの先端部(刃先)が切断位置に沿うよ
うな調整を可能とするために、図8に示すような構成と
してもよい。
【0076】図8は、本発明の他の実施形態にかかる解
体装置の概略図を示したものであり、切断機構の構成
が、先に説明した実施形態と若干異なる。なお、この図
8に明記していない部分の構成は、基本的に上記実施形
態と同様であるため、ここでは、異なる部分について主
に説明する。また、同様の構成要素については、同様の
符号を付して説明する。
【0077】この実施形態において、切断機構32’
は、チゼル321等が固定設置されたチゼル固定部81
と、油圧シリンダ82等を介してチゼル固定部81と接
続された設置台83等とを用いて構成されている。より
具体的には、チゼル固定部81の前方端部81aと、設
置台83の前方端部83aとが、回動軸84を用いて回
動可能に連結されており、チゼル固定部81の後方端部
81bと、設置台83の後方端部83bとが、油圧シリ
ンダ82にて連結されている。なお、コンデンサ1を成
す容器2の切断位置Xにおける切断処理を行っている場
合、設置台83においては、矢印Z3方向の動きが拘束
されている。
【0078】すなわち、図8に示した実施形態によれ
ば、設置台83を矢印Y3方向に駆動させることによっ
て行う、チゼル321を用いた切断位置Xの切断処理中
に、必要に応じて、油圧シリンダ82を駆動させること
により、チゼル321の先端部の角度を調整することが
できる。つまり、切断処理中に、チゼル321の先端部
が切断位置Xの上方あるいは下方に逸れそうになった場
合でも、油圧シリンダ82を下方あるいは上方に駆動さ
せることによって、チゼル固定部81を回動軸84を中
心にして回動させ、切断位置Xに沿うように、容器2の
切断される面に略平行な方向に、チゼル固定部81上の
チゼル321先端部の角度を適宜調整することができ
る。すなわち、このような構成によれば、切断位置Xに
沿った切断処理を適切に実施することができる。
【0079】なお、先にも説明したように、上述した各
実施形態におけるチゼルを用いた切断処理は、それぞれ
遠隔操作にて実施可能であるべく構成されることが好ま
しい。この好ましい構成によれば、解体処理時における
作業者のPCBに接する時間を大幅に低減することがで
きる。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
火花や発熱を生じさせにくく、切断面のカエリを外向き
にさせ、切削粉の発生量が少なくなる解体処理を実現可
能である、PCB汚染物の解体装置を得ることができ
る。また、遠隔処理を行うことによって、解体処理の際
における作業者のPCBに接する時間を低減させること
が可能な、PCB汚染物の解体装置を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる各装置にて処理され
るPCB汚染物の一例(コンデンサ)の概略断面図であ
る。
【図2】本発明の実施形態にかかる各装置を用いて行わ
れる除染処理を実施する際のプロセスフローの概略図で
ある。
【図3】本発明の実施形態にかかる解体装置の概略図で
ある。
【図4】図3のIV−IV線矢視図である。
【図5】本発明の実施形態にかかる解体装置を成すチゼ
ルおよびその周辺構成を示す概略図である。
【図6】図5のVI線方向矢視図である。
【図7】本発明の実施形態にかかる解体装置を成す他の
切断部を示す概略図である。図7(a)は側面概略図、
図7(b)は図7(a)のVII−VII断面概略図である。
【図8】本発明の他の実施形態にかかる解体装置の概略
図である。
【符号の説明】
1…コンデンサ、2…容器、3…本体部、3a…固定
板、3b…クラフト紙、4…上蓋、5…碍子、6…端
子、7…リード線、8…PCB含有絶縁油、9…コンデ
ンサ素子 31…コンデンサ支持具、32,32’…切断機構、3
2A…第一切断機構、32B…第二切断機構、33…上
蓋支持具 70…切断部、71…固定部、72…切削部、73…ピ
ン、74…油圧シリンダ、74a…シャフト、75…ピ
ン 81…チゼル固定部、82…油圧シリンダ、83…設置
台、84…回動軸 321…薄板用チゼル、321a,322a…中央刃、
321b,322b…側方刃、322…厚板用チゼル、
323…ニッパ、324…ガイド棒、325…油圧シリ
ンダ、326…引き戻し用ばね、327…断続的打力発
生器、328…反力吸収アブソーバ、329…モータ、
341…回転支持フレーム、342…回り止め、343
…回動軸

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 PCB汚染物を解体する解体装置であっ
    て、 前記PCB汚染物を成す容器の所定箇所を切断して、そ
    の切断面のカエリを外向きに形成可能な切断部と、 前記切断部を前記容器の外周形状に沿って移動させ得る
    駆動部とを備えたことを特徴とするPCB汚染物の解体
    装置。
  2. 【請求項2】 前記切断部が、 前記容器の外周面に接触する押さえ部と、 前記容器の内部に挿入される切削部とを備えた請求項1
    に記載のPCB汚染物の解体装置。
  3. 【請求項3】 前記切断部が、複数の突起部を有するチ
    ゼルを用いて構成されており、 前記突起部の少なくとも一つが前記押さえ部として機能
    する押さえ突起部を成し、前記突起部の少なくとも一つ
    が前記切削部として機能する切削突起部を成す請求項2
    に記載のPCB汚染物の解体装置。
  4. 【請求項4】 前記押さえ突起部と前記切削突起部との
    間に前記容器を介在させ得るように、前記押さえ突起部
    と前記切削突起部との間に所定の角度が設けられている
    請求項3に記載のPCB汚染物の解体装置。
  5. 【請求項5】 前記切断部が、 前記容器の外周面に接触する支持部と、 前記支持部の所定箇所に回動可能に取り付けられてお
    り、前記所定箇所を支点として前記容器の内側から外側
    に向けて可動させることによって、前記容器の切削を行
    うことができる回動切削部とを備えた請求項1に記載の
    PCB汚染物の解体装置。
  6. 【請求項6】 前記支持部と前記回動切削部との間に前
    記容器を介在させ得るように、前記支持部と前記回動切
    削部との間に所定の角度を設け得る請求項5に記載のP
    CB汚染物の解体装置。
  7. 【請求項7】 前記容器の切断中において、前記容器の
    切断位置に沿うように、前記容器の切断される面に略平
    行な方向に、前記切断部における先端部の角度が調整可
    能である請求項1から6のいずれか1項に記載のPCB
    汚染物の解体装置。
  8. 【請求項8】 前記容器の切断中において、前記容器の
    切断される面に略垂直な方向に、前記切断部における先
    端部の角度が調整可能である請求項1から7のいずれか
    1項に記載のPCB汚染物の解体装置。
  9. 【請求項9】 前記容器の切断中において、前記容器の
    外周形状に沿うように、前記容器の切断される面に略垂
    直な方向に、前記切断部が移動可能である請求項1から
    8のいずれか1項に記載のPCB汚染物の解体装置。
  10. 【請求項10】 PCB汚染物を解体する解体方法であ
    って、 前記PCB汚染物の内部構造を認識するための内部透視
    工程、 前記内部透視工程の結果に基づき抜油針の挿通量を決定
    して、前記PCB汚染物内から所定量のPCB含有絶縁
    油を抜き出すために抜油針を挿通させる抜油針挿通工
    程、 および内部透視工程の結果に基づいて解体位置を定め、
    前記抜油針挿通工程の後に行われる解体工程とを備え、 前記解体工程が、請求項1から9のいずれか1項に記載
    の解体装置を用いて行われることを特徴とするPCB汚
    染物の解体方法。
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