JP2003284343A - 高調波抑制回路、電動機駆動システム - Google Patents

高調波抑制回路、電動機駆動システム

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JP2003284343A JP2002082985A JP2002082985A JP2003284343A JP 2003284343 A JP2003284343 A JP 2003284343A JP 2002082985 A JP2002082985 A JP 2002082985A JP 2002082985 A JP2002082985 A JP 2002082985A JP 2003284343 A JP2003284343 A JP 2003284343A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多相交流電源において、電源の電源力率を改
善し、高調波規制を満たすレベルまで高調波電流を抑制
することが可能な高調波抑制回路を提供する。 【解決手段】 交流電源に接続され、交流電源よりの交
流を直流に整流する整流器と、交流電源と整流器との間
の各電源ラインに接続されたリアクトルと、整流器の直
流電圧の出力端子間に接続され、直流電圧を平滑化する
平滑コンデンサと、リアクトルと整流器とを接続する各
電源ラインにその一端がそれぞれ接続され、他端が交流
電源の中性点を形成するように共通接続された複数のコ
ンデンサと、を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多相電源の入力電
流波形を改善し、高調波抑制と電源力率改善を行える高
調波抑制回路及び電動機駆動システムに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】コンデンサ入力型整流回路は、構成が簡
単で構造コストの面でも有利な為幅広く応用されている
が、入力電流に含まれる高調波成分が多く、電源力率も
低く電源系統に悪影響を与えるという問題があった。ま
た、空調機分野に応用した場合、国内高調波規制のクラ
スA(2004年〜)をクリアすることができないとい
った問題があった。その解決策として、種々の技術が提
案されているが、回路構成が複雑であったり、PWM
(パルス幅変調)制御等の複雑な制御が必要で、製造コ
ストが高くなるという問題があった。
【0003】その中で、単相電源の安価な力率改善技術
として、平成5年電気学会産業応用部門全国大会講演論
文集95「正弦波コンバータ」に紹介された手段があ
る。この構成を図18に示す。図18は従来の回路ブロ
ック図である。この技術では、ダイオード整流器3a〜
3dの交流入力端子間に、互いに直列接続したコンデン
サ2a、2bを接続し、整流器の直流出力端子間にはリ
アクトルを介して、互いに直列接続した2個のスイッチ
素子6a、6bを接続し、前記スイッチ素子には逆並列
にダイオード7a、7bを接続する。また、前記コンデ
ンサ2a、2bの相互接続点と前記スイッチ素子6a、
6bとの相互接続点とを接続して構成されている。
【0004】この回路の動作には、電源電圧が正の半周
期の間について4つのモードがあり、スイッチングに合
わせて下記の各モードが繰り返される。 ・モード1(スイッチ素子6aオン、6bオフ) スイッチ素子6aがオンすると、コンデンサ2a、リア
クトル4aを通る経路で電流が流れ、エネルギーがリア
クトル4aに蓄積される。 ・モード2(スイッチ素子6aオフ、6bオン) スイッチ素子6aをオフすると、リアクトル4aに蓄積
されたエネルギーが、平滑コンデンサ5、スイッチ素子
6bの逆並列ダイオード7b、コンデンサ2aを通る経
路にて放出される。また、スイッチ素子6a、6bは交
互にオン/オフしているので、スイッチ素子6a、6b
の相互接続点とコンデンサ2a、2bの相互接続点とを
結ぶ経路には、リアクトル4aのエネルギー放出による
電流とリアクトル4bへのエネルギー蓄積による電流と
の代数和の電流が流れる。
【0005】・モード3(スイッチ素子6aオフ、6b
オン) モード2において、リアクトル4aに蓄積されたエネル
ギーが放出し終わると、モード3に移り、コンデンサ2
b、スイッチ素子6b、リアクトル4b、ダイオード3
dの経路で電流が流れ、エネルギーがリアクトル4bに
蓄積される。 ・モード4(スイッチ素子6aオン、6bオフ) スイッチ素子6bがオフすると、リアクトル4bに蓄積
されたエネルギーが、コンデンサ2b、スイッチ素子6
aの逆並列ダイオード7a、平滑コンデンサ5を通る経
路にて放出される。また、スイッチ素子6a、6bは交
互にオン/オフしているので、リアクトル4bのエネル
ギー放出と同時に、モード1に戻り、リアクトル4aへ
のエネルギー蓄積が始まる。以上の動作が繰り返され
る。
【0006】電源電圧が負の半周期になると、ダイオー
ド3bと3cがそれぞれ、ダイオード3a、3dに代わ
ってオンするように設定されているので、電源電圧が負
の半周期になっても回路動作は前記モード1〜4を繰り
返す。
【0007】以上のように、平成5年電気学会産業応用
部門全国大会講演論文集95「正弦波コンバータ」によ
れば、コンデンサ入力型整流回路に、若干の素子を加え
るだけで、その制御も電流値等の検出やPWM制御(パ
ルス幅変調制御)のような複雑な制御を必要としない
為、簡易且つ安価な構成で、単相電源の力率を改善する
ことができるとしている。
【0008】また、上記技術の多相電源への応用とし
て、特開平7−303376号公報がある。この方式で
の構成を図19に示す。図19は従来の回路ブロック図
である。図において、PSは三相交流電源、D1〜D6
はブリッジ接続され交流を直流に整流する整流部を構成
するダイオード、CDCは前記整流部により整流された
直流電圧を平滑化する平滑コンデンサ、L1〜L3は前
記三相交流電源PSと前記整流部D1〜D6との各電源
ラインに挿入されたリアクトルである。
【0009】また、TX1及びTX2は、互いに直列接
続され、前記整流部の直流側端子間に配置されて短絡部
を形成するスイッチ素子である。C1〜C3は、前記三
相交流電源PSと前記リアクトルL1〜L3との間の各
電源ラインに一端がそれぞれ接続され、他端を共通接続
して構成した共振用コンデンサであり、その共通接続点
は、前記短絡部を形成する半導体スイッチング素子TX
1及びTX2の相互接続点に接続されて、高調波抑制回
路を構成している。
【0010】この高調波抑制回路の動作は、先に述べた
平成5年電気学会産業応用部門全国大会講演論文集95
「正弦波コンバータ」と基本的に同様であり、スイッチ
素子TX1及びTX2を、一定のオン/オフ比で、しか
も交流電源の周波数よりも遥かに高い周波数で交互にオ
ン/オフさせ、スイッチ素子停止時の不通流区間に強制
的に電流を流し、入力電流を歪み分の少ない正弦波に近
づけるものである。この技術によれば、多相電源におい
ても、コンデンサ入力型整流回路に、若干の素子を加え
るだけで、その制御も電流値等の検出やPWM制御(パ
ルス幅変調制御)のような複雑な制御を必要としない
為、簡易且つ安価な構成で、入力電流が1〜2(A)と
比較的小さい領域において、入力電流の波形及び力率を
改善できるとしている。
【0011】更に、特開平7−303376号公報を入
力電流の大きい領域にまで拡大する技術として、特開平
8−196077号公報がある。この構成を図20に示
す。図20は従来の回路ブロック図である。なお、前記
内容と重複する部分については、同一符号を付し、その
説明を省略する。図において、CX1〜CX3は、交流
電源の各電源ライン間に接続された環状接続コンデンサ
で、共振用コンデンサC1〜C3よりも大きな容量のも
のを用いている。
【0012】環状接続コンデンサCX1〜CX3は、供
給電源の安定化を図り、入力電流の大きい領域において
も、電源電圧歪みが起き難いようする働きをもたせるた
め共振用コンデンサC1〜C3よりも大きな容量のもの
を用いている。これにより、多相電源で入力電流の大き
い領域においても、コンデンサ入力型整流回路に、若干
の素子を加えるだけで、複雑な制御を必要としない高調
波抑制回路を実現できるとしている。
【0013】特開平7−303376号公報、特開平8
−196077号公報等は、交流電源周波数よりも遥か
に高い周波数で短絡素子を動作する技術であるが、電源
半周期に1回もしくは複数回のみのスイッチングで、電
源力率を改善し、高調波規制を満たすことができる技術
として、特開平10−174442号公報等がある。こ
れは、図21に示したものがある。
【0014】図21は従来の回路ブロック図である。図
21は、交流電源を直流に整流する整流器と、前記整流
器の直流側に配置され互いに直列接続された平滑コンデ
ンサと、交流電源と前記整流器との間の各相に接続され
たリアクトルと、各相のリアクトルと整流器との接続点
にその一端が接続され他端が交流電源の中性点を形成す
るよう共通接続されたスイッチ素子と、前記平滑コンデ
ンサ同士の直列接続点と前記スイッチ素子の共通接続点
とを結線して構成したものである。
【0015】この構成においては、各相に設けられたス
イッチ素子の短絡動作は、電源半周期に1回程度であ
る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、平成5
年電気学会産業応用部門全国大会講演論文集95「正弦
波コンバータ」、特開平7−303376号公報、及び
特開平8−196077号公報に示す技術はいずれも、
短絡部を形成するスイッチ素子を電源周波数よりも遥か
に高い周波数で動作させる為、このスイッチング動作に
伴い多くの電磁ノイズを発生してしまう。その為、新た
にノイズ対策部品を追加する必要があり、高調波抑制回
路の複雑化、コストアップ、効率悪化を引き起こしてし
まうという課題があった。
【0017】また、特開平10−174442号公報で
は、スイッチング動作に伴う電磁ノイズを抑制しノイズ
対策部品を削除できるよう、電源半周期に1回程度のス
イッチング動作としているが、交流電源の各相にスイッ
チ素子を接続しなければならず、相数をNとしたとき、
N相電源ではN個のスイッチ素子が必要となり、高調波
抑制回路のコストアップ、複雑化を引き起こしてしまう
という課題があった。
【0018】本発明は、上記のような課題を解消するた
めになされたもので、高調波規制を満たすレベルまで高
調波電流を抑制することが可能な高調波抑制回路を提供
することを目的とする。また、コンデンサ入力型整流回
路に、若干の素子を追加するだけで、しかも、高周波ス
イッチング制御を必要としない安価且つ簡易な構成で、
多相電源の電源高調波を抑制可能な高調波抑制回路を提
供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係わ
る高調波抑制回路は、前記交流電源よりの交流を直流に
整流する整流器と、前記交流電源と前記整流器との間の
各電源ラインに接続されたリアクトルと、前記整流器の
直流電圧の出力端子間に接続され、前記直流電圧を平滑
化する平滑コンデンサと、前記リアクトルと前記整流器
とを接続する各電源ラインにその一端がそれぞれ接続さ
れ、他端が前記交流電源の中性点を形成するように共通
接続された複数のコンデンサと、を備えたものである。
【0020】本発明の請求項2に係わる高調波抑制回路
は、交流電源に接続され、前記交流電源よりの交流を直
流に整流する整流器と、前記交流電源と前記整流器との
間の各電源ラインに接続されたリアクトルと、前記整流
器の直流電圧の出力端子間に接続され、前記直流電圧を
平滑化する平滑コンデンサと、前記リアクトルと前記整
流器とを接続する各電源ラインにその一端が接続され、
他端が前記交流電源の中性点を形成するように共通接続
された複数のコンデンサと、を備え、前記交流電源と前
記リアクトルと前記複数のコンデンサとから構成される
回路を流れる電流の共振半周期が、前記交流電源の隣り
合う相のゼロクロス点間の時間よりも長くなるよう構成
したものである。
【0021】本発明の請求項3に係わる高調波抑制回路
は、交流電源に接続され、前記交流電源よりの交流を直
流に整流する整流器と、前記交流電源と前記整流器との
間の各電源ラインに接続されたリアクトルと、前記整流
器の直流電圧の出力端子間に接続され直流電圧を平滑化
する平滑コンデンサと、前記リアクトルと前記整流器と
を接続する各電源ラインにその一端が接続され、他端が
交流電源の中性点を形成するように共通接続された複数
のコンデンサと、前記整流器よりも直流側の端子間に接
続され、オンすることにより一方向に電流を流す上側短
絡素子および下側短絡素子とを直列接続した短絡部と、
前記短絡部のオン・オフ動作を制御するスイッチ制御手
段と、前記複数のコンデンサの共通接続点にその一端が
接続され、他端が前記短絡部を構成する上側短絡素子及
と下側短絡素子との相互接続点間に接続されたコンデン
サと、を備えたものである。
【0022】本発明の請求項4に係わる高調波抑制回路
は、前記高調波抑制回路は、前記複数のコンデンサの合
成容量を可変とし、前記複数のコンデンサの合成容量の
切り換えを制御するコンデンサ容量制御手段を備えたも
のである。
【0023】本発明の請求項5に係わる高調波抑制回路
は、前記コンデンサ容量制御手段は、負荷信号に応じて
前記複数のコンデンサの合成容量を切り換えるように制
御するようにしたものである。
【0024】本発明の請求項6に係わる高調波抑制回路
は、前記コンデンサ容量制御手段は、前記負荷信号を入
力信号とし、前記入力信号が所定値よりも大きい場合に
は前記複数のコンデンサの合成容量が大きくなるように
制御し、前記入力信号が所定値よりも小さい場合には前
記複数のコンデンサの合成用量が小さくなるよう制御す
るようにしたものである。
【0025】本発明の請求項7に係わる高調波抑制回路
は、前記高調波抑制回路は、電源周波数がfsのN相の
交流電源に接続され、前記リアクトルのインダクタンス
値をL、円周率をπ、前記複数のコンデンサの合成容量
をCとしたとき、C≧1/(4・π・N・fs
L)となるように前記複数のコンデンサの合成容量Cを
構成するようにしたものである。
【0026】本発明の請求項8に係わる高調波抑制回路
は、前記高調波抑制回路は、前記複数のコンデンサの共
通接続点と前記短絡部との間に接続されたコンデンサの
容量を可変可能に構成し、前記コンデンサの容量の切り
換えを制御するコンデンサ容量制御手段を備えたもので
ある。
【0027】本発明の請求項9に係わる高調波抑制回路
は、前記スイッチ制御手段は、周波数fsでN相の交流
電源を接続し、前記短絡部を形成する上側短絡素子及び
下側短絡素子をそれぞれ、N×fsの整数倍の周波数
で、交互にオン・オフするものである。
【0028】本発明の請求項10に係わる高調波抑制回
路は、前記スイッチ制御手段は、負荷信号として、入力
電流、平滑コンデンサ端子間に出力される直流出力電
圧、前記平滑コンデンサの入出力電流、整流器より直流
側を流れる電流、負荷の消費電力量、あるいは負荷電流
に応じて予め設定された所定時間に基づいて、前記短絡
部のオン、オフ動作を行わさせるように制御するように
したものである。
【0029】本発明の請求項11に係わる高調波抑制回
路は、請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の高調
波抑制回路に接続される負荷をインバータや電動機と
し、前記コンデンサ容量制御手段或いは前記スイッチ制
御手段に入力される負荷信号を、電動機への回転数指令
値、電圧指令、サーミスタで検出される圧縮機吐出温
度、圧縮機吸入温度あるいは熱交換器の温度のいずれか
としたものである。
【0030】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は本発明の実
施の形態1を表す回路ブロック図である。ここで、図に
おいて、1は交流電源であり、三相以上の多相電源なら
何相でも構わない。以下は、交流電源1が三相の場合に
ついて説明する。
【0031】2は複数のダイオード2up、2vp、2
wp、2un、2vn、2wnをブリッジ接続して構成
し交流電源1の交流を直流に整流する整流器、3は交流
電源1と整流器2との間の各電源ライン(U相、V相、W
相)にそれぞれ挿入されたリアクトルであり、3u、3
v、3wはそれぞれU相、V相、W相に接続されてい
る。4は整流器2の直流出力端子間に接続され直流電圧
を平滑化する平滑コンデンサ、5はリアクトル3と整流
器2との相互接続点にその一端が接続され他端が交流電
源1の中性点を形成するように共通接続された複数のコ
ンデンサ5u、5v、5wより成る共振用コンデンサで
あり、整流器2、リアクトル3、平滑コンデンサ4、共
振用コンデンサ5により高調波抑制回路70を構成し、
高調波抑制回路70の交流入力端に交流電源1、直流出
力端に負荷20が接続される。
【0032】なお、平滑コンデンサ4は、負荷20への
電力供給を行った場合に電荷不足とならない程度の容量
を保有している。また、負荷20は、一定速で運転され
るモータ負荷や多段速で運転されるモータ負荷や可変速
で運転されるモータ負荷等で構成され、冷凍・空調装置
や圧縮機などに使用される。
【0033】次に動作について説明する。まず、最初に
共振用コンデンサ5がない場合について、図2、図3を
参照しつつ説明する。図2は、本実施の形態を表す高調
波抑制回路の各時間ごとの回路動作及び電流の流れ方を
説明するための回路ブロック図である。図2において、
図1と同等部分は同一の符号を付して説明は省略する。
図2において、交流電源1の3相を上から順にU相、V
相、W相とし、U相の相電圧位相が0度の時からの動作
説明を行う。また、図2中のt〜tは時間経過を表
し、t→tの順に時間が経過していることを表す。
【0034】ここで、図2(a)、(b)、(c)、
(d)、(e)、(f)は、それぞれ時刻t〜t
〜t、t〜t、t〜t、t〜t、t
〜t における実際に電流が流れている回路部分
(相)を表しており、電流の流れている相を太い実線で
表している。
【0035】図3は相電圧と各相の電流の関係を表した
図であり、縦軸は上から順に(a)相電圧、(b)線間
電圧、(c)U相電流、(d)V相電流、(e)W相電
流を表しており、交流電源1より出て行く方向の流れ方
向(図2(a)中に示した矢印の向き)に電流が流れる
場合を正の方向とし、交流電源1に戻ってくる方向に電
流が流れる方向を負の方向とする。図3において、横軸
は時間経過を表し、図3中のt〜tは、図2中のt
〜tに対応している。
【0036】コンデンサ入力型三相交流整流回路では線
間電圧が直流母線電圧Vdcより大きくなる区間にのみ
電流が流れる。従って、時刻t〜tでは、VW間の
線間電圧のみが直流母線電圧Vdcより負側で大きくな
っており、その向きが負であるため電流の流れる向きは
負となり、入力電流はW相からV相へ向って流れる。
(このとき、U相には電流が流れず不通流区間とな
る。)
【0037】次に、時刻t〜tでは、UV間の線間
電圧のみが直流母線電圧Vdcより大きくなり、その向
きは正である為、U相からV相へ向って入力電流が流れ
る。また、この付近でVW間の線間電圧の大きさは直流
母線電圧Vdcより小さくなるが、リアクトル3の慣性
の作用により、時刻t〜tにおいてW相からV相へ
向って流れていた電流が流れ続ける。故に、時刻t
では、入力電流はU相及びW相からV相へ流れる。
【0038】時刻が経過し、リアクトル3の慣性により
流れ続けていた電流が完全に遮断される(時刻t
と、時刻t〜tへと移行し、この状態ではUV間の
線間電圧のみが直流母線電圧Vdcより高くなり、その
向きが正であるため、U相からV相に向かってUV間の
みに入力電流が流れる。(このとき、W相には電流が流
れず不通流区間となる。)
【0039】以上は時刻t〜tまでの電圧位相角で
約π/4までの状態での説明であるが、時刻t以降も
同様に、線間電圧と直流母線電圧Vdc及びリアクトル
3の慣性作用により、図2(d)〜(f)のように電流
は流れる。
【0040】すなわち、(d)の状態(時刻t
)では、WUの線間電圧のみが直流母線電圧Vdc
より高くなり、その向きは負であるため、電流はU相か
らW相に流れるが、(c)の状態でU相からV相へUV
間を流れれていた電流も、リアクトル3の慣性により流
れつづける。したがって、時刻t〜tでは、U相か
らV相およびW相へ電流が流れる。
【0041】(e)の状態(時刻t〜t)では、
(d)の状態と同じく、WUの線間電圧のみが直流母線
電圧Vdcより高くなり、その向きは負であるため、電
流はU相からW相に流れつづけるが、(d)の状態で流
れていたUV間の電流はリアクトル3の慣性の影響が遮
断されるため、(e)の状態では電流は、U相からW相
にのみ流れる。(このとき、V相には電流が流れず不通
流区間となる。)
【0042】また、(f)の状態(時刻t〜t)で
は、VW間の線間電圧のみが直流母線電圧Vdcよりも
大きくなり、その向きが正であるため、電流はV相から
W相へ流れるが、(e)の状態でU相からW相へUW間
を流れれていた電流も、リアクトル3の慣性により流れ
つづける。したがって、時刻t〜tでは、U相およ
びV相からW相へ電流が流れる。
【0043】以上の各時刻での電流の流れる状態は図2
(a)〜(f)にて表されており、各相(U相、V相、
W相)を流れる入力電流は図3(c)〜(e)で表され
る。したがって、図2、図3で表されたように、共振用
コンデンサ5を有さない、整流器2、リアクトル3、平
滑コンデンサ4よりなる一般的なコンデンサ入力型整流
回路回路では、各相(U相、V相、W相)ともに電流の
流れない時間が存在し、不通流区間が生じる。
【0044】なお、直流母線電圧Vdcは、負荷の状態
に応じて変動するものであり、負荷が重い場合には低
く、負荷が軽い場合には高くなる。従って、入力電流波
形や各相の電流不通流区間は、図3に示すものに限られ
るものではなく、負荷状態によって異なる。
【0045】ここで、本実施の形態では、図1に示した
ように、コンデンサ入力型整流回路の交流側でリアクト
ル3と整流器2との間に共振用コンデンサ5を付加して
あり、リアクトル3と共振用コンデンサ5との相互作用
により、図2、図3で説明したようなコンデンサ入力型
整流回路の各相に発生する不通流区間にも電流を流すこ
とができ、高調波の発生を抑制でき、また、電源力率を
改善することができる。
【0046】次に、共振用コンデンサ5を有する場合の
コンデンサ入力型整流回路の動作について図4、図5を
参照しつつ説明する。図4は本実施の形態を表す高調波
抑制回路の各時間ごとの回路動作及び電流の流れ方を説
明するための回路ブロック図である。図4において、図
1と同等部分は同一の符号を付して説明は省略する。図
4は、図2と同様、交流電源1の3相を上から順にU
相、V相、W相とし、U相の相電圧位相が0度の時から
の動作説明を行う。また、図4中のt〜t10は時間
経過を表し、t→t10の順に時間が経過しているこ
とを表す。
【0047】ここで、図4(a)、(b)、(c)、
(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、(i)、
(j)は、それぞれ時刻t〜t、t〜t、t
〜t、t〜t、t〜t、t〜t、t
、t〜t、t〜t、t〜t10における
実際に電流が流れている回路部分(相)を表しており、
電流の流れている相を太い実線で表している。
【0048】図5は、相電圧と各相の電流の関係を表し
た図であり、縦軸は上から順に(a)相電圧、(b)線
間電圧、(c)U相に接続された共振用コンデンサ5u
を流れる電流、(d)V相に接続された共振用コンデン
サ5vを流れる電流、(e)W相に接続された共振用コ
ンデンサ5wを流れる電流を表しており、交流電源1よ
り出て行く方向の流れ方向(図4(a)、(f)中に示
した矢印の向き)に電流が流れる場合を正の方向とし、
交流電源1に戻ってくる方向に電流が流れる方向を負の
方向とする。図5において、横軸は時間経過を表し、図
5中のt〜t 10は、図4中のt〜t10に対応し
ている。
【0049】まず、U相電圧が零から正方向へ増えてい
く(a)の区間(時刻t〜t)では、図2、図3に
おける時刻t〜tの動作説明で述べたようにVW間
の線間電圧のみが直流母線電圧Vdcより負側で大きく
なっており、その向きが負であるため電流の流れる向き
は負となり、整流器2を通過する電流(整流電流)はW
相からV相へ向って流れる。
【0050】本実施の形態のように、共振用コンデンサ
5を有する図1のような回路の場合には、W相からV相
へ向う上記整流電流に加え、交流電源1のU相からリア
クトル3を介して共振用コンデンサ5uに電流が流れ
る。この共振用コンデンサ5uを流れる電流は、V相に
接続された共振用コンデンサ5vを介してV相より電源
1側へ流れ、さらにW相に接続された共振用コンデンサ
5wを介してW相を流れる整流電流と合わさって流れ、
V相より電源1側に戻る。
【0051】このコンデンサ5を流れる電流通流区間
は、図5(d)〜(f)に示すような電流が各相に流
れ、その周期はリアクトル3のインダクタンス値と共振
用コンデンサ5の容量とで決まる共振半周期となる時刻
まで続く。従って、時刻t〜tでは、整流器2
を介す電流と共に共振用コンデンサ5を介す電流の両方
により図5(c)で示したような入力電流が各相(U
相、V相、W相)に流れるため、各相(U相、V相、W
相)では電流不通流区間が生じない。
【0052】次に、共振用コンデンサ5が飽和する(共
振半周期となる)時刻tになると、図4(b)の状態
(時刻t〜t)になり、図5(d)〜(f)に示さ
れるように、共振用コンデンサ5へ流れる電流が遮断さ
れ、入力電流は、コンデンサ入力型整流回路と同様、整
流器2を介してW相からV相へと流れる電流のみとな
り、入力電流は、図5(c)に示されるように流れる。
そして、この電流は次第に、線間電圧と直流母線電圧V
dcとの関係上、U相からV相へと流れるようになる
(時刻t〜t)。図4(c)の状態(時刻t〜t
)では、UV間の線間電圧のみが直流母線電圧Vdc
より大きく(図5(b))なり、その向きは正である
為、U相からV相へ向って電流が流れ、この区間では図
5(d)〜(f)に示すように共振用コンデンサ5には
電流が流れず放電され、各相の入力電流は図5(c)の
ようになる。
【0053】更に時刻が経過して、これまで正の向きに
流れていたW相電流が零となる時刻t(図5(c))
では、リアクトル3と共振用コンデンサ5との相互作用
により、W相に負の電流を流す作用が働き、W相に接続
された共振用コンデンサ5wには負の向きに電流が流れ
る(図4(d))。この電流は、U相に接続された共振
用コンデンサ5uを介して電源側から供給され、また、
V相に接続された共振用コンデンサ5vを介して整流器
2側から供給されて、W相に接続された共振用コンデン
サ5wを介して電源1に戻る為、共振用コンデンサ5の
U相5u、V相5v、W相5wにはそれぞれ図5(d)
〜(f)に示すように、正、正、負の向きに、リアクト
ル3と共振用コンデンサ5とで決まる共振半周期となる
時刻tまで電流が流れる。
【0054】従って、時刻t〜tでは、整流器2を
介して流れる電流と共に共振用コンデンサ5を介して流
れる電流が発生するので、各相(U相、V相、W相)に
電流が流れ、各相には電流の流れない電流不通流区間が
生じない。
【0055】次に、共振用コンデンサ5が飽和する(共
振半周期となる)時刻tになると、図4(e)の状態
(時刻t〜t)になり、図5(d)〜(f)に示さ
れるように、共振用コンデンサ5へ流れる電流が遮断さ
れ、入力電流は、コンデンサ入力型整流回路と同様、整
流器2を介してU相からV相へと流れる電流のみとな
り、入力電流は、図5(c)に示されるように流れる。
このとき、この区間では図5(d)〜(f)に示すよう
に共振用コンデンサ5には電流が流れず放電され、各相
の入力電流は図5(c)のようになる。この入力電流は
次第に、線間電圧と直流母線電圧Vdcとの関係上、U
相からW相へと流れるようになる(時刻t 〜t)。
【0056】図4(f)の状態(時刻t〜t)で
は、WU間の線間電圧のみが直流母線電圧Vdcより負
側へ大きく(図5(b))なり、その向きは負である
為、U相からW相へ向って電流が流れ、この区間でも図
5(d)〜(f)に示すように共振用コンデンサ5には
電流が流れず放電され、各相の入力電流は図5(c)の
ようになる。
【0057】この後、負の向きに流れていたV相電流が
零となる時刻t(図5(c))では、リアクトル3と
共振用コンデンサ5との相互作用により、V相に正の電
流を流す作用が働き、V相に接続された共振用コンデン
サ5vには正の向きに電流が流れる(図4(g))。こ
の電流は、U相に接続された共振用コンデンサ5uを介
して整流器2側へ流れ、また、W相に接続された共振用
コンデンサ5wを介して電源1側へ流れる為、共振用コ
ンデンサ5のU相、V相、W相には、図5(d)〜
(f)に示すようにそれぞれ、負、正、負の向きに、共
振半周期となる時刻tまで電流が流れる。従って、時
刻t〜tでは、整流器2を介して流れる電流と共に
共振用コンデンサ5を介して電流により各相(U相、V
相、W相)に電流が流れるので、各相(U相、V相、W
相)ともに電流不通流区間が生じない。
【0058】時刻tとなり共振用コンデンサ5が飽和
して(共振半周期となって)、共振用コンデンサ5への
電流が遮断されると、入力電流は、整流器2を介してU
相からW相へと流れる電流のみの状態(図4(h))と
なり、図5(d)〜(f)に示されるように、共振用コ
ンデンサ5へ流れる電流が遮断され、入力電流は、コン
デンサ入力型整流回路と同様、整流器2を介してU相か
らW相へと流れる電流のみとなり、入力電流は、図5
(c)に示されるように流れる。このとき、この区間で
は図5(d)〜(f)に示すように共振用コンデンサ5
には電流が流れず放電されている状態であり、各相の入
力電流は図5(c)のようになる。
【0059】この入力電流は次第に、線間電圧と直流母
線電圧Vdcとの関係上、V相からW相へと流れるよう
になる(時刻t〜t)。図4(i)の状態(時刻t
〜t)では、VW間の線間電圧のみが直流母線電圧
Vdcより正側へ大きく(図5(b))なり、その向き
は正である為、V相からW相へ向って電流が流れ、この
区間でも図5(d)〜(f)に示すように共振用コンデ
ンサ5には電流が流れず放電され、各相の入力電流は図
5(c)のようになる。
【0060】この後、正の向きに流れていたU相電流が
零となる時刻t(図5(c))では、リアクトル3と
共振用コンデンサ5との相互作用により、U相に負の電
流を流す作用が働き、U相に接続された共振用コンデン
サ5uには負の向きに電流が流れる(図4(j))。こ
の電流は、V相に接続された共振用コンデンサ5vを介
して電源1側から流れ、また、W相に接続された共振用
コンデンサ5wを介して整流器2側から流れる為、共振
用コンデンサ5のU相、V相、W相には、図5(d)〜
(f)に示すようにそれぞれ、負、正、正の向きに、共
振半周期となる時刻t10まで電流が流れる。従って、
時刻t〜t10では、整流器2を介して流れる電流と
共に共振用コンデンサ5を介して電流により各相(U
相、V相、W相)に電流が流れるので、各相(U相、V
相、W相)ともに電流不通流区間が生じない。
【0061】これまでの説明はU相電圧の位相が約π/
2まででU相電流が正の範囲内での動作説明であるが、
これ以降は、U相電流が負となる領域へと状態は移行す
るので、上記時刻t〜t10での動作状態の説明にお
ける電流の向きと逆方向(U相→V相に電流が流れてい
る場合の逆方向とはV相→U相に電流が流れることを表
す。)に電流が流れるよう回路が動作し、たとえば、時
刻t10〜t11(図示せず)では時刻t〜tでの
動作状態と逆方向に、また、時刻t11〜t (図示
せず)では時刻t〜tでの動作状態と逆方向に電流
が流れるようになるが、時刻t10以降の回路動作説明
の詳細は省略する。
【0062】なお、共振用コンデンサ5を介して流れる
電流は、必ずしも交流電源1の各相電圧ゼロクロス点か
ら流れ始めるという訳ではなく、交流電源1の中性点を
構成する共振用コンデンサ5の共通接続点の電位と交流
電源1の各相の電位との相関関係により、共振用コンデ
ンサ5の容量Cが大きいほど、共振用コンデンサ5を介
して流れる電流は相電圧ゼロクロス点よりも多少早いタ
イミングから流れ始めることもある。
【0063】以上にて説明したような一連の回路動作に
より、入力電流波形は図5(c)の如くなり、一般的な
コンデンサ入力型整流回路では不通流となる区間にも電
流を流すことができ、入力電流に含まれる高調波成分を
抑制すると共に電源力率を改善することができる。
【0064】なお、以上の場合は、リアクトル3のイン
ダクタンス値及び共振用コンデンサ5の容量で決まる共
振半周期t、t、tはそれぞれ、t〜t間、
〜t間、t〜t間(各相電流が零となる時刻
より小さい時間範囲内)に存在している場合である
が、何もこれに限るものではなく、図6(b)或いは図
6(c)に示したように、共振半周期t、t、t
がそれぞれ、各相電流が零となる時刻t以上となるよ
うにリアクトル3のインダクタンス値及び共振用コンデ
ンサ5の容量を設定しても良い。
【0065】図6は、U相電圧の電源半周期における各
相電流と共振用コンデンサ5uを流れる電流との関係を
説明するための図であり、図5(d)にて表されたU相
共振用コンデンサ5uを流れる電流と共振半周期との相
関関係を説明するための図である。図6(a)は共振半
周期TLCを相電圧ゼロクロス点間時間Tより小さく
なるよう設定した場合、図6(b)は共振半周期TLC
を相電圧ゼロクロス点間時間Tと等しくなるよう設定
した場合、図6(c)は共振半周期TLCを相電圧ゼロ
クロス点間時間Tより大きくなるよう設定した場合で
ある。
【0066】図4、図5にて動作説明した場合が、図6
(a)の場合であり、この場合には、図2、図3で説明
した共振用コンデンサ5を有さない場合に比べると、電
流不通流区間はかなり少なくなり、高調波成分を抑制で
き、電源力率を改善できるが、共振用コンデンサ5に電
流が流れない区間(t〜t3、〜t6、〜t
)が存在する。
【0067】しかし、リアクトル3のインダクタンス値
と共振用コンデンサ5の容量とで決まる共振半周期T
LCを相電圧ゼロクロス点間時間Tと等しくなるよう
設定(図6(b))したり、共振半周期TLCを相電圧
ゼロクロス点間時間Tより大きくなるよう設定(図6
(c))したりすれば、図6(a)の場合では共振用コ
ンデンサ5に電流が流れない区間(t〜t3、
6、〜t)にも電流を流すことができるように
なるため、図6(a)の場合よりも、さらに高調波成分
を抑制することができる。
【0068】図6において、横軸は時間を表し、縦軸は
電流の大きさを表す。ここで、交流電源1、リアクトル
3、共振用コンデンサ5から成る回路を流れる電流の電
流経路を考えた場合、この電流は、リアクトル3及び共
振用コンデンサ5をそれぞれ2度通る為、これらを2個
ずつ直列接続して成る回路と等価と考えることができ
る。従って、共振半周期TLCは、リアクトル3のイン
ダクタンス値をL、共振用コンデンサ5の容量をCとす
ると、下記数式1で表される。
【0069】
【数1】
【0070】従って、リアクトル3のインダクタンス値
Lと共振用コンデンサ5の容量Cとの組み合せ次第で、
図6(a)〜図6(c)の状態を任意に設定することが
でき、共振半周期TLCが大きくなるようリアクトル3
のインダクタンスL、あるいは共振用コンデンサ5の容
量Cを大きくすることで、共振用コンデンサ5を介して
流れる電流の通電時間範囲を大きくすることができ、各
相を流れる入力電流の不通流区間を狭くすることがで
き、高調波成分を抑制でき、電源力率の改善を達成する
ことができる。
【0071】図7は、図6(c)にて示したように、共
振半周期TLCが相電圧ゼロクロス点間時間Tよりも
大きくなるように設定した場合に、リアクトル3のU相
を流れる入力電流(即ち図5(c)のU相に相当する電
流)と、U相に接続された共振用コンデンサ5uを流れ
る電流(即ち図5(d)で表される電流)との関係を説
明するための図である。図において、横軸は時間を表
し、縦軸は電流の大きさを表している。
【0072】このように共振半周期TLCが相電圧ゼロ
クロス点間時間Tよりも大きくなるように設定した場
合(図6(c)、図7)や共振半周期TLCが相電圧ゼ
ロクロス点間時間Tと等しくなるように設定した場合
(図6(b))では、図4、図5にて説明した共振用コ
ンデンサ5を介す電流が流れない区間(t〜t、t
〜t、t〜t)でも、共振用コンデンサ5を介
して電流が流れ続け、整流器2を介して流れる電流と共
振用コンデンサ5を介して流れる電流とが重ね合わされ
るため、入力電流の波形歪みは非常に小さくなる。それ
故、図7の如く、共振半周期TLCを相電圧ゼロクロス
点間時間T以上とすることで、所望の高調波抑制能力
を容易に得ることができ、装置の簡素化、低コスト化を
図ることができる。
【0073】即ち、三相以上の多相交流電源1の相数を
N、周波数をfsとすると、相電圧のゼロクロス点間時
間Tは数式2で表せる。
【0074】
【数2】
【0075】また、共振半周期TLCが相電圧ゼロクロ
ス点間時間T以上である場合には、数式3のように表
せる。
【0076】
【数3】
【0077】したがって、数式1〜数式3より、数式4
が得られる。
【0078】
【数4】
【0079】この数式4を満たすようリアクトル3及び
共振用コンデンサ5を選定すれば、高調波抑制能力を高
くすることができる。なお、共振半周期TLCが大きい
ほど、直流母線電圧Vdcは高くなる。
【0080】ここで、数式4の右辺は、交流電源1の仕
様により定まる値であり変更困難な場合は、左辺のリア
クトル3のインダクタンス値L、共振用コンデンサ5の
容量Cの値を数式4を満足するように適宜設定するよう
にすればよい。回路を設計する場合は、リアクトル3の
インダクタンス値Lを大きく可変させることは困難な場
合が多いので、交流電源1の仕様が定まった後に、リア
クトル3のインダクタンスLを設定可能な範囲内で大ま
かに設定し、数式4より導出される下記数式5を満たす
よう共振用コンデンサ5の容量Cを決定するようにすれ
ばよい。
【0081】
【数5】
【0082】その後、リアクトル3のインダクタンス値
L及び共振用コンデンサ5の容量Cを微調整して回路定
数を絞り込んでいくという過程を踏むことで、高い高調
波抑制能力を有する高調波抑制回路を得ることができ
る。
【0083】なお、数式5の関係を図に表示すると図8
のようになる。図8はリアクトル3のインダクタンス値
Lと共振用コンデンサ5の容量Cの関係を表した図であ
る。図において、横軸はリアクトル3のインダクタンス
L、縦軸は共振用コンデンサ5の容量Cを表している。
図8中の曲線上側の斜線部分の領域は数式5を満たす範
囲を表しており、図8中の斜線領域に収まるようリアク
トル3及び共振用コンデンサ5を選定することで高い高
調波抑制能力を提供できる。
【0084】但し、実際には、配線などのインピーダン
ス等の影響がある為、共振用コンデンサ5の容量Cは、
数式5で計算した値よりも若干小さめに設定しても高い
高調波抑制特性を示す。
【0085】以上説明したように本実施の形態では、整
流器2よりも交流側の各電源ライン(U相、V相、W
相)に接続されたリアクトル3と、一端が整流器2とリ
アクトル3との接続点に接続され他端が交流電源1の中
性点を形成するよう共通接続された共振用コンデンサ5
と、を設けることで、一般的なコンデンサ入力型の三相
交流整流回路では不通流となる区間にも電流を流すこと
ができ、安価で且つ簡易な構成でしかも複雑な制御を必
要としない高調波抑制回路を実現することができる。
【0086】実施の形態2.図9は、本発明の実施の形
態2を示す回路ブロック図である。図において、図1と
同等部分には同一の符号を付して説明は省略する。図に
おいて、6は双方向に電流を流すことができる双方向ス
イッチング素子であり、6u、6v、6wが各相に接続
されている。
【0087】ここで、双方向スイッチング素子6(6
u、6v、6w)の構成を図10にて説明する。図10
は、双方向性スイッチング素子6の構成を説明するため
の図である。双方向スイッチング素子6(6u、6v、
6w)は、例えば、図10(a)に示す如く、IGBT
又はバイポーラトランジスタ又はMOSFET等の片方
向通電性の短絡素子21とダイオードブリッジ22を組
み合せたもの、或いは、図10(b)に示す如く、複数
個の片方向通電性の短絡素子21およびダイオード23
を互いに逆並列接続して構成したもの、或いは、リレー
又はトライアック等の双方向通電性のスイッチング素子
で構成すれば良い。
【0088】7は合成容量可変用コンデンサであり、7
u、7v、7wが各相に接続されている。8は入力電流
検出手段、9は入力電流検出手段8からの電流信号と予
め設定された設定値に基づき双方向スイッチング素子6
のオン・オフを制御するコンデンサ容量制御手段であ
る。
【0089】実施の形態1における共振用コンデンサ5
の各相のコンデンサ5u、5v、5wの合成容量Cを可
変できるように、本実施の形態では、図9に示すように
コンデンサ5(5u、5v、5w)に対して双方向スイ
ッチング素子6(6u、6v、6w)と合成容量可変用
コンデンサ7(7u、7v、7w)を直列接続した回路
を並列に接続して共振用コンデンサ50を構成するよう
にしている。
【0090】本実施の形態では、上述のように実施の形
態1に対して、共振用コンデンサ5の合成容量を可変で
きるように共振用コンデンサ5、双方向スイッチング素
子6、合成容量可変用コンデンサ7から構成される共振
用コンデンサ50を用いた点であり、その効果として
は、負荷状態に応じて直流出力電圧を段階的に切り換え
ることが可能となり、入力電流の大きさが変化しても充
分に高調波抑制を行え、また、力率を改善することがで
きる。また、負荷20が多段速のモータの負荷や、可変
速のモータの負荷などの場合には、力率改善、高調波抑
制、負荷20の動作補償といった面で実施の形態1より
も改善効果が大きい。
【0091】即ち、本実施の形態の如く、共振用コンデ
ンサ50の合成容量を変化できるように構成し、入力電
流検出手段8からの電流信号に基づいて、電流信号が予
め設定された設定値よりも大きい場合には、双方向スイ
ッチング素子6をオンして合成容量を大きくし、電流信
号が予め設定された設定値よりも小さい場合には、双方
向スイッチング素子6をオフして合成容量を小さくする
ようにコンデンサ容量制御手段9にて双方向スイッチン
グ素子6のオン、オフを制御する。これにより、負荷状
態が変化して入力電流の大きさが変化した場合でも、高
調波抑制能力を充分に発揮することができ、大きな高調
波抑制効果を得ることができる。また、直流出力電圧も
負荷が必要とする電圧に近づくよう切り換える制御を行
なうことが可能となる。
【0092】なお、コンデンサ容量制御手段9は、入力
電流検出手段8からの電流信号に基づいて双方向スイッ
チング素子6のオン、オフを制御するとしたが、別に入
力電流検出手段8からの電流信号に基づかなくても制御
可能である。例えば、図には示していないが、平滑コン
デンサ4の端子間電圧を検出する直流出力電圧検出手段
や平滑コンデンサ4へ入出力する電流を検出する平滑コ
ンデンサ電流検出手段や負荷を制御する負荷制御手段に
より検出される負荷20の消費電力や負荷20の電流や
モータ負荷の場合にはモータ回転数等に基づいて双方向
スイッチング素子6を制御するようしても同等の効果が
得られる。
【0093】また、本実施の形態では、共振用コンデン
サ50の合成容量を可変できるよう、双方向スイッチン
グ素子6と合成容量可変用コンデンサ7を直列接続して
成る回路をコンデンサ5と並列に接続して構成するよう
にしたが、何もこれに限るものではなく、共振用コンデ
ンサ5の合成容量を可変できるものなら何でも良い。図
11は本発明の実施の形態2を示す別の回路ブロック図
である。図11において、図1〜図10と同等部分は同
一の符号を付して説明は省略する。図11において、5
1は共振用コンデンサである。本実施の形態では、図1
1に示す如く、双方向スイッチング素子6と合成容量可
変用コンデンサ7を並列接続して成る回路をコンデンサ
5と直列に接続して構成している。
【0094】この場合も、入力電流検出手段8からの電
流信号が予め設定された設定値よりも大きい場合には、
双方向スイッチング素子6(6u、6v、6w)をオン
して合成容量を大きくし、入力電流検出手段8からの電
流信号が予め設定された設定値よりも小さい場合には、
双方向スイッチング素子6(6u、6v、6w)をオフ
して合成容量を小さくするようにコンデンサ容量制御手
段9にて双方向スイッチング素子6のオン、オフを制御
するようにしているので、図9の場合と同様に大きな力
率改善効果が得られる。
【0095】本実施の形態では、図9や図11に示した
ように、実施の形態1における共振用コンデンサ5の各
相のコンデンサ合成容量を2段階に可変できるような構
成について説明したが、図12や図13に示すような回
路構成にしてもよい。図12、図13は本発明の実施の
形態2を示す別の回路ブロック図である。図12、図1
3において、図1〜図11と同等部分は同一の符号を付
して説明を省略する。
【0096】図12において、52は共振用コンデンサ
である。図12においては、双方向スイッチング素子6
と合成容量可変用コンデンサ7を直列接続して成る回路
をコンデンサ5に並列に複数個接続している。又、図1
3において、53は共振用コンデンサである。図13に
おいては、双方向スイッチング素子6と合成容量可変用
コンデンサ7を並列接続して成る回路をコンデンサ5に
直列に複数個接続している。
【0097】このように構成することで、コンデンサの
容量を多段に可変できるので、図9や図11の場合より
も更に幅広い負荷領域において対応でき、必要な高調波
抑制能力および力率改善能力および直流母線電圧を得ら
れるようになる。なお、図12や図13では、双方向ス
イッチング素子6と合成容量可変用コンデンサ7より成
る回路の接続例として双方向スイッチング素子6と合成
容量可変用コンデンサ7より成る回路2個接続した場合
について示している。
【0098】実施の形態3.図14は、本発明の実施の
形態3を示す回路ブロック図である。図において、実施
の形態1や実施の形態2で示した図1〜図13と同等部
分には同一の符号を付して、その説明を省略する。図に
おいて、10は整流器2よりも直流側の端子間に接続さ
れ、互いに直列接続された上側短絡素子10pと下側短
絡素子10nとから成る短絡部、11は共振用コンデン
サ5の共通接続点にその一端が接続され他端が短絡部1
0を構成する上側短絡素子10p及び下側短絡素子10
nの相互接続点に接続されたコンデンサである。
【0099】12は負荷の状態を制御する負荷制御手段
であり、負荷消費電力量、或いは、これに係る変数(例
えば、負荷電流や、負荷がモータ負荷の場合にはモータ
回転数等)の負荷信号を出力する。また、13は交流電
源1の各線間に接続され、交流電源1の線間電圧ゼロク
ロス点、或いは、線間電圧ピーク点、或いは、線間電圧
の任意点を検出し電源信号として出力する電源電圧検出
手段である。
【0100】14は負荷制御手段12からの負荷信号や
電源電圧検出手段13からの電源信号に基づいて短絡部
10のオン、オフ動作を制御するスイッチ制御手段であ
り、電源信号を基準点として、基準点から負荷制御手段
12より出力される負荷信号に応じて予め設定された第
1の所定時間(遅延時間)後、短絡部10の各素子のオ
ン動作を行わせ、負荷信号に応じて予め設定された第2
の所定時間(オフ時間)後、短絡部10の各素子のオフ
動作を行わせるように短絡部10へ制御信号を出力する
ものである。
【0101】ここで、短絡部10の上側短絡素子10p
がオンされた場合、整流器2、上側短絡素子10p、コ
ンデンサ11、共振用コンデンサ5より成る回路が構成
され、共振用コンデンサ5が放電し電流が流れる。この
共振用コンデンサ5が放出した電荷を補うように交流電
源1、リアクトル3、共振用コンデンサ5の回路にて電
流が流れる。また、下側短絡素子10nがオンされた場
合は、共振用コンデンサ5、コンデンサ11、下側短絡
素子10n、整流器2より成る回路が構成され、共振用
コンデンサ5の放電が行われ、この電荷を補充するよ
う、交流電源1、リアクトル3、共振用コンデンサ5の
回路にて電流が流れる。
【0102】従って、短絡部10のオン動作に伴って、
強制的にリアクトル3に電流を流すことができるため、
各相とも電流の流れない時間を無くすことができ、ま
た、入力電流波形を任意の波形に制御でき、さらに正弦
波状に近づけることもできるので、電源高調波を抑制す
ることができ、また、電源力率を改善することができ
る。
【0103】短絡部10のオン動作に伴って、共振用コ
ンデンサ5、整流器2、短絡部10、コンデンサ11よ
り成る回路にて流れる電流は、コンデンサ11の充電特
性に従って流れるものであり、コンデンサ11が飽和し
た時、或いは、共振用コンデンサ5が放電できなくなっ
た時は、電流は流れることができず、電流は遮断され
る。
【0104】ここで、コンデンサ11を使用しない回
路、或いは、コンデンサ11の容量が共振用コンデンサ
5の容量より極端に大きい回路では、短絡部10を介し
て共振用コンデンサ5を短絡した場合と等価であり、こ
れらの場合には、非常に急峻な電流が短絡部10を流れ
てしまう。その為、大電流による各素子破損や、寿命が
劣化し信頼性が低下する恐れがある。これを防止しよう
とすると定格電流の大きな素子を選定しなければなら
ず、コストアップや装置の大型化の要因となり、低コス
トで小型の装置を得ることができない。従って、本実施
の形態のように、コンデンサ11を設け、コンデンサ1
1の容量を共振用コンデンサ5の容量の10倍程度まで
とすることで、短絡部10の各素子のスイッチングに伴
って流れる電流を緩和でき、高調波抑制回路の信頼性向
上、装置の小型化、低コスト化を実現することができ
る。
【0105】スイッチ制御手段14は、交流電源1が周
波数fsのN相交流電源(N≧3)の場合には、上側短
絡素子10p及び下側短絡素子10nが交互にオン動作
を行うように制御する。また、スイッチング周波数fc
がそれぞれ、数式6となるように、制御信号を生成し短
絡部10へ出力する。但し、nは整数である。
【数6】
【0106】ここで、スイッチング周波数fcが、数式
6を満たさないような周波数でスイッチング動作を行わ
せると、各相間でスイッチングのアンバランスが生じ、
逆に高調波の発生を助長させたり、力率悪化の要因とな
るので、本実施の形態では、スイッチング周波数fc
が、数式6を満たすようにしている。
【0107】また、スイッチ制御手段14は、負荷信号
に応じて予め設定された第2の所定時間(オフ時間)
後、或いは、次の相電圧ゼロクロスタイミングが来る直
前に、短絡部10のオフ動作を行なうように制御する。
【0108】以上のように、スイッチ制御手段14によ
り短絡部10の各素子のオン・オフ動作を制御すること
で、各相電圧に対して均一にバランスよくスイッチング
動作を行え、少ないスイッチング動作で、入力電流に含
まれる高調波成分を抑制することができる。
【0109】本実施の形態では、実施の形態1に対し
て、整流器2の直流出力端子間に互いに直列接続された
短絡素子より成る短絡部10を設け、その相互接続点と
共振用コンデンサ5の共通接続点とをコンデンサ11を
介して結線し、基準となる電源信号から負荷信号に応じ
て予め設定された第1の所定時間(遅延時間)後、短絡
部10の各素子を上下段交互に、それぞれの周波数がN
×fsの整数倍で動作させている。
【0110】したがって、実施の形態1において、共振
用コンデンサ5の容量Cが数式5を満たすような力率改
善能力の非常に高い設計を行なわなくても、少ない部品
追加と簡易なスイッチ制御にて、幅広い負荷領域におい
て、高調波規制を満たすことができ、必要な力率改善能
力、直流母線電圧を提供する高調波抑制回路を実現でき
る。また、負荷20が多段速のモータ負荷や、可変速の
モータ負荷等の場合には、高調波抑制、力率改善、負荷
20の動作補償といった面で実施の形態1よりも効果が
大きい。
【0111】なお、短絡部10の各素子の動作遅延時間
は、負荷制御手段12からの負荷信号に応じて予め設定
されるとしたが、何も負荷信号に限るものではなく、こ
れに係るものであれば何でも良く、例えば、図には示さ
ないが、平滑コンデンサ4の端子間電圧を検出する直流
出力電圧検出手段、平滑コンデンサ4へ入出力する電流
を検出する平滑コンデンサ電流検出手段、入力電流を検
出する入力電流検出手段などでもよく、平滑コンデンサ
4の端子間電圧や平滑コンデンサ4へ入出力する電流や
入力電流に基づいて短絡部10の各素子のオン、オフ動
作を制御するようしても同等の効果が得られる。
【0112】また、本実施の形態では、負荷制御手段1
2を高調波抑制回路70の内部に設けるようにしたが、
高調波抑制回路70の外部に設ける構成にしてもよく、
高調波抑制回路70の外部からの負荷信号に応じてスイ
ッチ制御を行っても同等の効果が得られる。
【0113】実施の形態4.図15は、本発明の実施の
形態4を示す回路ブロック図である。同図において、実
施の形態1〜実施の形態3と同等部分には同一符号を付
してその説明を省略する。図において、15は双方向に
電流を流すことができる双方向スイッチング素子であ
り、先に述べた双方向スイッチング素子6と同等のもの
である。また、16は合成容量可変用コンデンサであ
る。
【0114】本実施の形態では、共振用コンデンサ50
と短絡部10との間に挿入されたコンデンサ11の合成
容量を可変できるように、双方向スイッチング素子15
および合成容量可変用コンデンサ16を直列接続して成
る回路をコンデンサ11と並列に接続して構成してい
る。また、共振用コンデンサ50は、図9と同様にコン
デンサ5(5u、5v、5w)に対して双方向スイッチ
ング素子6(6u、6v、6w)と合成容量可変用コン
デンサ7(7u、7v、7w)を直列接続した回路を並
列に接続して構成されている。このように構成して、負
荷検出手段12からの負荷信号に応じて、コンデンサ合
成容量を可変することで、更に幅広い負荷の範囲におい
て、実施の形態3よりも高調波抑制回路の高調波抑制能
力を十分に発揮することができ、大きな高調波抑制効果
を得ることができる。
【0115】図15において、共振用コンデンサ5及び
コンデンサ11の合成容量を可変とする為、互いに直列
接続された双方向スイッチング素子6(6u、6v、6
w)とコンデンサ7(7u、7v7w)を、コンデンサ
5u〜5wと並列に接続し、互いに直列接続された双方
向スイッチング素子15とコンデンサ16をコンデンサ
11と並列に接続して構成したが、何もこれに限るもの
ではなく、コンデンサ容量を変えられる手段であれば何
でも良く、ここでは図示しないが、例えば、実施の形態
2の図11で示したように、互いに並列接続された双方
向スイッチング素子6(6u、6v、6w)とコンデン
サ7(7u、7v7w)をコンデンサ5(5u〜5w)
と直列に接続し、互いに並列接続された双方向スイッチ
ング素子15とコンデンサ16をコンデンサ11と直列
に接続して構成しても良い。
【0116】また、図15では、共振用コンデンサ5と
コンデンサ11の両方に、双方向スイッチング素子とコ
ンデンサより成る回路を同じ個数だけ接続した例を示し
たが、共振用コンデンサ5とコンデンサ11とで別々の
個数の双方向スイッチング素子とコンデンサより成る回
路で構成しても良く、また、どちらか一方のみの合成容
量を可変できるように構成しても良い。
【0117】また、コンデンサ容量制御手段9は、負荷
を制御する負荷制御手段12からの負荷信号に基づいて
コンデンサ容量を切り換えるようしたが、別に負荷信号
でなくてもよく、これに係る信号なら何でも良く、例え
ば、図には示さないが、平滑コンデンサ4の端子間電圧
を検出する直流出力電圧検出手段、平滑コンデンサ4へ
入出力する電流を検出する平滑コンデンサ電流検出手
段、入力電流を検出する入力電流検出手段などを設け、
平滑コンデンサ4の端子間電圧や平滑コンデンサ4へ入
出力する電流や入力電流などに基づいてコンデンサ合成
容量を可変に切り換えるようしても同等の効果が得られ
る。
【0118】なお、本実施の形態では、図15に示す如
く、実施の形態3における共振用コンデンサ5或いはコ
ンデンサ11のコンデンサ合成容量を双方向スイッチン
グ素子6や15のオン、オフにて2段階に可変できるよ
う構成した例について説明したが、図16に示すように
構成してもよい。図16は、本実施の形態の別の回路ブ
ロック図である。図において、図1〜図15と同等部分
には同一の符号を付して説明を省略する。
【0119】図16では、図15で説明した共振用コン
デンサ50の代わりに図12にて説明した共振用コンデ
ンサ52を使用するようにして、双方向スイッチング素
子6と合成容量可変用コンデンサ7を直列に接続して成
る回路を複数個コンデンサ5と並列に接続している。ま
た、双方向スイッチング素子15と合成容量可変用コン
デンサ16を直列に接続して成る回路を、複数個、コン
デンサ11と並列に接続している。
【0120】このように構成することで、更に幅広い負
荷の範囲内において、必要な高調波抑制能力、力率改善
能力、直流母線電圧を得られるようになる。なお、図1
6では、双方向スイッチング素子6と合成容量可変用コ
ンデンサ7より成る回路、及び双方向スイッチング素子
15と合成容量可変用コンデンサ16より成る回路を2
個接続した場合を示したが、別に2個である必要はな
く、3個以上でもよい。接続個数を多くすればするほど
木目細かな制御が行なえるようになる。
【0121】実施の形態5.図17は、本発明の実施の
形態5を表す回路ブロック図であり、本発明の実施の形
態1〜実施の形態4に説明した高調波抑制回路70を、
インバータを介して、圧縮機の電動機に接続したもので
ある。図において、実施の形態1〜実施の形態4の図1
〜図16と同等部分は同一の符号を付して説明を省略す
る。図において、17は電源回路に接続されたインバー
タ、18はインバータに接続された電動機、19はイン
バータ17を制御するインバータ制御手段である。
【0122】図17の高調波抑制回路70におけるスイ
ッチ制御手段14、コンデンサ容量制御手段9は、実施
の形態1〜実施の形態4と同等であり、短絡部10、共
振用コンデンサ5、コンデンサ11のコンデンサ合成容
量を可変に制御するものである。
【0123】ここで、本実施の形態では、図14〜図1
6にて示した負荷制御手段12の代替としてインバータ
制御手段19を使用するようにしている。したがって、
負荷状態を知るための負荷信号としては、インバータ1
7へ出力する制御指令値を用いている。ここでは、イン
バータ17は電動機18を駆動制御する構成を示してお
り、電動機18の出力は回転数に比例することから、イ
ンバータ17で制御される電動機18の回転数から電動
機18の出力状態が推測できる。よって、高調波抑制回
路の負荷状態をインバータ17への回転数指令値によっ
て代用できるため、負荷信号としてはインバータ17へ
の回転数指令値を使用するようにしている。
【0124】また、インバータ17の負荷量を電動機1
8の回転数指令値にて代用しなくてもよく、インバータ
制御手段19内部の動作指令値である設定値を用いても
高調波抑制回路の負荷状態を推測することが可能であ
る。例えば、設定値としては電動機18に印加する電圧
指令値でもよく、同等効果を有する。また、電動機18
の相電流を検出するような構成であれば、設定値として
は相電流値でも良く、負荷状態はインバータ制御手段1
9から容易に得ることができる。
【0125】以上のように、高調波抑制回路70の負荷
がインバータ17である場合、インバータ17にて制御
している動作指令値である設定値から負荷状態を推測す
ることができ、この動作指令値に応じて、共振用コンデ
ンサ5、コンデンサ11の合成容量を切り換え、また、
基準となる電源信号から、予め設定された第1の所定時
間(遅延時間)後に短絡部10の各素子のオン、オフを
動作させることで、負荷制御手段12、或いは、これに
係る信号検出手段を設けることなく、負荷状態に応じた
高調波抑制や力率の改善を行なうことができる。
【0126】また、電動機18が冷蔵庫やエアコンなど
の冷凍・空調装置に使用される圧縮機である場合、圧縮
機の負荷トルクは回転数に依存するため、回転数指令値
だけで負荷状態を推測することができるので、この場合
は負荷信号としては回転数指令値を使用しても、インバ
ータ17の動作指令値である設定値を使用する場合と同
等効果を得られる。
【0127】さらに、電動機18が圧縮機である場合、
吐出温度、吸入温度、熱交換器の温度等でも高調波抑制
回路の負荷状態は検出でき、これらはインバータ制御手
段19にてサーミスタで検出されている為、これらの値
を負荷信号として用いても、負荷状態を検出できる。ま
た、冷凍サイクル内を循環する冷媒速度や冷凍サイクル
内に充填される冷媒量等を負荷信号として使用しても負
荷状態を検出することができる。したがって、コンデン
サ容量制御或いは短絡部のスイッチング動作を制御する
為に、負荷状態に係る情報を検出するセンサーなどを新
たに設ける必要がなく、高調波抑制回路の低コスト化、
簡素化を実現できる。
【0128】なお、本実施の形態では、インバータ制御
手段19を高調波抑制回路70の内部に設けるよう構成
して説明したが、何もこれに限るものではなく、インバ
ータ制御手段19を高調波抑制回路70の外部に設ける
よう構成しても同等の効果が得られる。
【0129】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1の高調
波抑制回路によれば、交流電源に接続され、前記交流電
源よりの交流を直流に整流する整流器と、前記交流電源
と前記整流器との間の各電源ラインに接続されたリアク
トルと、前記整流器の直流電圧の出力端子間に接続さ
れ、前記直流電圧を平滑化する平滑コンデンサと、前記
リアクトルと前記整流器とを接続する各電源ラインにそ
の一端がそれぞれ接続され、他端が前記交流電源の中性
点を形成するように共通接続された複数のコンデンサ
と、を備えたので、一般的なコンデンサ入力型交流整流
回路での電流不通流区間を防止でき、コンデンサ入力型
整流回路に若干の素子を追加するだけの安価且つ単純な
回路構成で、多相電源の高調波を抑制できる高調波抑制
回路を実現できる。
【0130】また、本発明の請求項2の高調波抑制回路
によれば、交流電源に接続され、前記交流電源よりの交
流を直流に整流する整流器と、前記交流電源と前記整流
器との間の各電源ラインに接続されたリアクトルと、前
記整流器の直流電圧の出力端子間に接続され、前記直流
電圧を平滑化する平滑コンデンサと、前記リアクトルと
前記整流器とを接続する各電源ラインにその一端が接続
され、他端が前記交流電源の中性点を形成するように共
通接続された複数のコンデンサと、を備え、前記交流電
源と前記リアクトルと前記複数のコンデンサとから構成
される回路を流れる電流の共振半周期が、前記交流電源
の隣り合う相のゼロクロス点間の時間よりも長くなるよ
う構成したので、常にリアクトルを介して交流電源から
共振用コンデンサへ電流が流れ続け、高調波抑制能力を
得ることができる。故に、高調波抑制の為のリアクトル
のインダクタンス値を小さく設計でき、コンデンサ入力
型整流回路に若干の素子を追加するだけの安価且つ単純
な回路構成で、多相電源の高調波を抑制できる高調波抑
制回路装置の小型化、低コスト化を実現できる。
【0131】また、本発明の請求項3の高調波抑制回路
によれば、交流電源に接続され、前記交流電源よりの交
流を直流に整流する整流器と、前記交流電源と前記整流
器との間の各電源ラインに接続されたリアクトルと、前
記整流器の直流電圧の出力端子間に接続され直流電圧を
平滑化する平滑コンデンサと、前記リアクトルと前記整
流器とを接続する各電源ラインにその一端が接続され、
他端が交流電源の中性点を形成するように共通接続され
た複数のコンデンサと、前記整流器よりも直流側の端子
間に接続され、オンすることにより一方向に電流を流す
上側短絡素子および下側短絡素子とを直列接続した短絡
部と、前記短絡部のオン・オフ動作を制御するスイッチ
制御手段と、前記複数のコンデンサの共通接続点にその
一端が接続され、他端が前記短絡部を構成する上側短絡
素子及と下側短絡素子との相互接続点間に接続されたコ
ンデンサと、を備えたので、強制的にリアクトルへ電流
を流すことができ、入力電流量、或いは負荷電流、負荷
消費電力等の負荷状態が変動する場合にも、入力電流波
形を任意に制御することができるため、幅広い負荷領域
に渡って、高調波を抑制でき、信頼性の高い高調波抑制
回路を提供することができる。
【0132】本発明の請求項4に係わる高調波抑制回路
は、前記高調波抑制回路は、前記複数のコンデンサの合
成容量を可変とし、前記複数のコンデンサの合成容量の
切り換えを制御するコンデンサ容量制御手段を備えたの
で、負荷の状態に応じて直流出力電圧を段階的に切り替
えることが可能となり、幅広い負荷領域に渡って、信頼
性の高い高調波抑制回路を提供することができる。
【0133】本発明の請求項5に係わる高調波抑制回路
は、前記コンデンサ容量制御手段は、負荷信号に応じて
前記複数のコンデンサの合成容量を切り換えるように制
御するようにしたので、直流出力電圧を段階的に切り換
えることができ、幅広い負荷領域に渡って、信頼性の高
い高調波抑制回路を提供することができる。
【0134】本発明の請求項6に係わる高調波抑制回路
は、前記負荷信号を入力信号とし、前記入力信号が所定
値よりも大きい場合には前記複数のコンデンサの合成容
量が大きくなるように制御し、前記入力信号が所定値よ
りも小さい場合には前記複数のコンデンサの合成用量が
小さくなるよう制御するようにしたので、負荷の状態が
変化して入力電流の大きさが変化した場合でも、高調波
抑制能力および力率改善を充分に発揮することができ、
幅広い負荷領域に渡って、負荷状態に適した直流出力電
圧を確保しつつ電源高調波を抑制することができる。
【0135】本発明の請求項7に係わる高調波抑制回路
は、前記高調波抑制回路は、電源周波数がfsのN相の
交流電源に接続され、前記リアクトルのインダクタンス
値をL、円周率をπ、前記複数のコンデンサの合成容量
をCとしたとき、C≧1/(4・π・N・fs
L)となるように前記複数のコンデンサの合成容量Cを
構成するようにしたので、常にリアクトルを介して交流
電源から共振用コンデンサへ電流が流れ続け、高い高調
波抑制能力および力率改善能力を得ることができる。故
に、高調波抑制の為のリアクトルのインダクタンス値を
小さく設計でき、装置の小型化、低コスト化を実現でき
る。
【0136】本発明の請求項8に係わる高調波抑制回路
は、前記高調波抑制回路は、前記複数のコンデンサの共
通接続点と前記短絡部との間に接続されたコンデンサの
容量を可変に構成し、前記コンデンサの容量の切り換え
を制御するコンデンサ容量制御手段を備えたので、入力
電流波形を、負荷状態に応じて変更でき、幅広い負荷領
域に渡って、大きな高調波抑制効果を得ることができ、
また、信頼性の高い高調波抑制回路を提供することがで
きる。
【0137】本発明の請求項9に係わる高調波抑制回路
は、前記スイッチ制御手段は、周波数fsでN相の交流
電源を接続し、前記短絡部を形成する上側短絡素子及び
下側短絡素子をそれぞれ、N×fsの整数倍の周波数
で、交互にオン・オフするので、簡易的なスイッチング
制御にて力率改善を実現することができ、また、各相電
圧に対して均一にバランス良くスイッチングできるた
め、少ないスイッチング動作で入力電流に含まれる高調
波成分も抑制できる。故に、ノイズ対策部品を必要とせ
ず、安価なマイコン(CPU)にて高調波抑制回路を実
現することができる。
【0138】本発明の請求項10に係わる高調波抑制回
路は、前記スイッチ制御手段は、負荷信号として、入力
電流、平滑コンデンサ端子間に出力される直流出力電
圧、前記平滑コンデンサの入出力電流、整流器より直流
側を流れる電流、負荷の消費電力量、あるいは負荷電流
に応じて予め設定された所定時間に基づいて、前記短絡
部のオン、オフ動作を行わさせるように制御するように
したので、負荷状態に適したタイミングでスイッチング
動作を行え、幅広い負荷領域に渡って、高調波抑制能力
および力率改善を充分に発揮することができる。
【0139】本発明の請求項11に係わる電動機駆動シ
ステムは、請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の
高調波抑制回路に接続される負荷をインバータや電動機
とし、前記コンデンサ容量制御手段或いは前記スイッチ
制御手段に入力される負荷信号を、電動機への回転数指
令値、電圧指令、サーミスタで検出される圧縮機吐出温
度、圧縮機吸入温度あるいは熱交換器の温度のいずれか
としたので、コンデンサ容量制御或いは短絡部のスイッ
チング動作を制御する為に、負荷状態に係る情報を検出
するセンサーなどを新たに設ける必要がなく、高調波抑
制回路の低コスト化、簡素化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1を表す回路ブロック図
である。
【図2】 本発明の実施の形態1を表す高調波抑制回路
の各時間ごとの回路動作及び電流の流れ方を説明するた
めの回路ブロック図である。
【図3】 本発明の実施の形態1を表す各時間に対する
回路を流れる電流波形を表した図である。
【図4】 本発明の実施の形態1を表す高調波抑制回路
の各時間ごとの回路動作及び電流の流れ方を説明するた
めの回路ブロック図である。
【図5】 本発明の実施の形態1を表す高調波抑制回路
の各時間に対する回路を流れる電流波形を表した図であ
る。
【図6】 本発明の実施の形態1を表す高調波抑制回路
のU相電圧の電源半周期における各相電流と共振用コン
デンサを流れる電流との関係を説明するための図であ
る。
【図7】 本発明の実施の形態1を表す高調波抑制回路
のリアクトルのU相を流れる入力電流と、U相に接続さ
れた共振用コンデンサを流れる電流との関係を説明する
ための図である。
【図8】 本発明の実施の形態1を表す高調波抑制回路
のリアクトルのインダクタンス値と共振用コンデンサの
容量の関係を表した図である。
【図9】 本発明の実施の形態2を表す高調波抑制回路
の回路ブロック図である。
【図10】 本発明の実施の形態2を表す高調波抑制回
路の双方向性スイッチング素子の構成を説明するための
図である。
【図11】 本発明の実施の形態2を表す高調波抑制回
路の別の回路ブロック図である。
【図12】 本発明の実施の形態2を表す高調波抑制回
路の別の回路ブロック図である。
【図13】 本発明の実施の形態2を表す高調波抑制回
路の別の回路ブロック図である。
【図14】 本発明の実施の形態3を表す高調波抑制回
路の回路ブロック図である。
【図15】 本発明の実施の形態4を表す高調波抑制回
路の回路ブロック図である。
【図16】 本発明の実施の形態4を表す高調波抑制回
路の別の回路ブロック図である。
【図17】 本発明の実施の形態5を表す高調波抑制回
路の回路ブロック図である。
【図18】 従来の回路ブロック図である。
【図19】 従来の回路ブロック図である。
【図20】 従来の回路ブロック図である。
【図21】 従来の回路ブロック図である。
【符号の説明】
1 交流電源、2 整流器、3 リアクトル、4 平滑
コンデンサ、5、5u、5v、5w 共振用コンデン
サ、6、6u、6v、6w 双方向スイッチング素子、
7、7u、7v、7w 合成容量可変用コンデンサ、8
入力電流検出手段、9 コンデンサ容量制御手段、1
0 短絡部、10p 上側短絡素子、10n 下側短絡
素子、11 コンデンサ、12 負荷制御手段、13
電源電圧検出手段、14 スイッチ制御手段、15 双
方向スイッチング素子、16 合成容量可変用コンデン
サ、17 インバータ、18 電動機、19 インバー
タ制御手段、20 負荷、21 短絡素子、22 ダイ
オードブリッジ、23 ダイオード、50、51、5
2、53 共振用コンデンサ、70 高調波抑制回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川久保 守 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5H006 AA02 AA06 CA02 CA07 CB01 CC01 DA02 DC02 DC05 HA83 HA84

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電源に接続され、前記交流電源より
    の交流を直流に整流する整流器と、前記交流電源と前記
    整流器との間の各電源ラインに接続されたリアクトル
    と、前記整流器の直流電圧の出力端子間に接続され、前
    記直流電圧を平滑化する平滑コンデンサと、前記リアク
    トルと前記整流器とを接続する各電源ラインにその一端
    がそれぞれ接続され、他端が前記交流電源の中性点を形
    成するように共通接続された複数のコンデンサと、を備
    えたことを特徴とする高調波抑制回路。
  2. 【請求項2】 交流電源に接続され、前記交流電源より
    の交流を直流に整流する整流器と、前記交流電源と前記
    整流器との間の各電源ラインに接続されたリアクトル
    と、前記整流器の直流電圧の出力端子間に接続され、前
    記直流電圧を平滑化する平滑コンデンサと、前記リアク
    トルと前記整流器とを接続する各電源ラインにその一端
    が接続され、他端が前記交流電源の中性点を形成するよ
    うに共通接続された複数のコンデンサと、を備え、前記
    交流電源と前記リアクトルと前記複数のコンデンサとか
    ら構成される回路を流れる電流の共振半周期が、前記交
    流電源の隣り合う相のゼロクロス点間の時間よりも長く
    なるよう構成したことを特徴とする高調波抑制回路。
  3. 【請求項3】 交流電源に接続され、前記交流電源より
    の交流を直流に整流する整流器と、前記交流電源と前記
    整流器との間の各電源ラインに接続されたリアクトル
    と、前記整流器の直流電圧の出力端子間に接続され直流
    電圧を平滑化する平滑コンデンサと、前記リアクトルと
    前記整流器とを接続する各電源ラインにその一端が接続
    され、他端が交流電源の中性点を形成するように共通接
    続された複数のコンデンサと、前記整流器よりも直流側
    の端子間に接続され、オンすることにより一方向に電流
    を流す上側短絡素子および下側短絡素子とを直列接続し
    た短絡部と、前記短絡部のオン・オフ動作を制御するス
    イッチ制御手段と、前記複数のコンデンサの共通接続点
    にその一端が接続され、他端が前記短絡部を構成する上
    側短絡素子及と下側短絡素子との相互接続点間に接続さ
    れたコンデンサと、を備えたことを特徴とする高調波抑
    制回路。
  4. 【請求項4】 前記高調波抑制回路は、前記複数のコン
    デンサの合成容量を可変とし、前記複数のコンデンサの
    合成容量の切り換えを制御するコンデンサ容量制御手段
    を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに
    記載の高調波抑制回路。
  5. 【請求項5】 前記コンデンサ容量制御手段は、負荷信
    号に応じて前記複数のコンデンサの合成容量を切り換え
    るように制御するようにしたことを特徴とする請求項4
    に記載の高調波抑制回路。
  6. 【請求項6】 前記コンデンサ容量制御手段は、前記負
    荷信号を入力信号とし、前記入力信号が所定値よりも大
    きい場合には前記複数のコンデンサの合成容量が大きく
    なるように制御し、前記入力信号が所定値よりも小さい
    場合には前記複数のコンデンサの合成用量が小さくなる
    よう制御するようにしたことを特徴とする請求項5に記
    載の高調波抑制回路。
  7. 【請求項7】 前記高調波抑制回路は、電源周波数がf
    sのN相の交流電源に接続され、前記リアクトルのイン
    ダクタンス値をL、円周率をπ、前記複数のコンデンサ
    の合成容量をCとしたとき、C≧1/(4・π・N
    ・fs・L)となるように前記複数のコンデンサの合
    成容量Cを構成するようにしたことを特徴とする請求項
    1乃至6に記載の高調波抑制回路。
  8. 【請求項8】 前記高調波抑制回路は、前記複数のコン
    デンサの共通接続点と前記短絡部との間に接続されたコ
    ンデンサの容量を可変可能に構成し、前記コンデンサの
    容量の切り換えを制御するコンデンサ容量制御手段を備
    えたことを特徴とする請求項3乃至7に記載の高調波抑
    制回路。
  9. 【請求項9】 前記スイッチ制御手段は、周波数fsで
    N相の交流電源を接続し、前記短絡部を形成する上側短
    絡素子及び下側短絡素子をそれぞれ、N×fsの整数倍
    の周波数で、交互にオン・オフすることを特徴とする請
    求項3乃至8に記載の高調波抑制回路。
  10. 【請求項10】 前記スイッチ制御手段は、負荷信号と
    して、入力電流、平滑コンデンサ端子間に出力される直
    流出力電圧、前記平滑コンデンサの入出力電流、整流器
    より直流側を流れる電流、負荷の消費電力量、あるいは
    負荷電流に応じて予め設定された所定時間に基づいて、
    前記短絡部のオン、オフ動作を行わさせるように制御す
    るようにしたことを特徴とする請求項3乃至9に記載の
    高調波抑制回路。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至請求項10のいずれかに
    記載の高調波抑制回路に接続される負荷をインバータや
    電動機とし、前記コンデンサ容量制御手段或いは前記ス
    イッチ制御手段に入力される負荷信号を、電動機への回
    転数指令値、電圧指令、サーミスタで検出される圧縮機
    吐出温度、圧縮機吸入温度あるいは熱交換器の温度のい
    ずれかとしたことを特徴とする電動機駆動システム。
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