JP3675336B2 - 電源回路及び電動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力電流を制御することで、力率改善と高調波抑制を行える電源回路に関し、特に、電源回路における入力電流制御手段に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的な電動装置の用いられる交流電源の電源回路として、図17に示すように、交流電源の各相の出力端子と整流回路の入力端子との間にリアクトル(L1〜3)を接続する構成であるACL式電源回路、あるいは図18に示すように、複数個のスイッチング素子(S1〜6)を用いて構成するパルス幅変調式電源回路が知られている。図17のACL式電源回路は、リアクトルにより入力力率改善効果や多少の高調波電流抑制効果を得ることができるが、数kW以上の電力負荷の場合には高調波に関する国内規制をクリアすることが困難である。また、図18によるパルス幅変調式電源回路では、入力電流を高周波スイッチングで制御するため、力率改善及び高調波電流抑制効果を大幅に向上できるが、高周波スイッチングに伴う効率の低下、ノイズの増加、制御の複雑化、コストの増加といった課題がある。
【0003】
これら2方式の問題点を解決するための電源回路が、特開平10−174442号公報に示されている。図19にこの回路の構成を示す。図に示す回路は、交流電源100の各相の出力端子とリアクトル101を介してダイオードD1〜D6からなるダイオード全波整流回路102の各入力端子とを接続し、ダイオード全波整流回路102の出力端子間に互いに等しい静電容量を有する平滑用コンデンサC101、C102を直列接続し、ダイオード全波整流回路102の各入力端子と、平滑用コンデンサC101とC102との接続点との間に双方向スイッチS101〜S103を設け、この双方向スイッチS101〜S103を電源電圧の半周期に一回スイッチングさせるべく制御する制御回路103を設けている。
【0004】
この制御についてさらに詳述すると、制御部103は、交流電源100の各相電圧を検出し、各相電圧のゼロクロスに対し、所定のタイミングで双方向スイッチS101〜S103をオン・オフさせる信号を出力する。これにより、交流電源100が、リアクトル101、双方向スイッチS101〜S103、平滑コンデンサC102、ダイオード全波整流回路102の下側ダイオードD2、D4、D6を含む回路にて短絡される。従って、強制的にリアクトル101に短絡電流を流すことで、従来のACL式では不通電領域であった期間を通電領域とすることができ、力率改善と高調波抑制効果を達成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平10−174442号公報に示された回路では、リアクトル101に各相電圧半周期に一回発生するスイッチングにより流れる電流のスイッチオフタイミングでの変化(di/dt)が急激であるため、電流に比例するリアクトル101の磁束も急激に変化し、巻線や鉄心の振動を引き起こす。このような巻線や鉄心の振動により、騒音が発生してしまうことが問題である。
【0006】
また、一般的なスイッチを構成する素子は、電流に対する許容量が決まっているが、スイッチング電流の大きさは、交流電源100の位相に応じて変化し電源電圧のピークに近づくほど増加する。そのため、素子の破損を避けるには、素子の大容量化や過電流保護回路の追加が必要となり、これによるコストアップが考えられる。
【0007】
この発明は、前述のような課題を解消するためになされたもので、スイッチングに伴うリアクトル騒音を低減し、安価な手段で素子を保護する制御を備えた電源回路及び圧縮機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
交流電源と、
交流電源に接続されたリアクトルと、
リアクトルに接続された整流器と、
整流器に接続される互いに直列の2個の平滑コンデンサと、
リアクトルと整流器との接続点と、2個の平滑コンデンサ間の中点との間に設けたスイッチを有するスイッチ回路と、
交流電源に接続され交流電源の予め定められた一定状態での相電圧を検出し基準タイミング信号を生成する相電圧検出手段と、
平滑コンデンサに接続され交流電源からの電力により動作する負荷の負荷量を検出する負荷量検出手段と、
基準タイミング信号を受信し、さらに負荷量に基づいて予め記憶された時間を経過した後に、スイッチ回路にオン・オフ指令を送る制御手段と
リアクトルおよびスイッチに直列に接続され、リアクトルの磁束変化を緩和するコンデンサと、を具備する。
【0009】
また、予め定められた一定状態での相電圧は、交流電源の相電圧のゼロクロス点である。
【0010】
さらに、予め定められた一定状態での相電圧は、交流電源の相電圧のピーク点である。
【0011】
またさらに、スイッチ回路は、コンデンサを有し、制御手段は、基準タイミング信号から負荷量に基いて予め記憶された時間経過後スイッチ回路に各相電圧半周期内に一回のみ動作させる制御を行う。
【0012】
さらにまた、スイッチ回路は、コンデンサを有し、制御手段はコンデンサの充電が完了するまではスイッチをオン・オフ動作させない。
【0013】
また、スイッチ回路は、コンデンサとリレーとを有しており、制御手段は負荷量に基づいてリレーのオン・オフを行うことでスイッチ回路のコンデンサ合成容量を切り換え、さらにコンデンサの充電が完了するまではスイッチをオン・オフ動作させない。
【0014】
制御手段は、基準タイミング信号から負荷量に基づいて予め記憶された時間経過後スイッチ回路に各相電圧半周期内に複数回オン・オフ動作させる制御を行う。
【0015】
さらに、スイッチ回路は、並列に接続されたリレーとコンデンサを有し、制御手段は、負荷量が大きい場合はリレーをオフし、スイッチを各相電圧半周期内に1回オン・オフ動作させ、負荷量が小さい場合はリレーをオンしスイッチを各相電圧半周期内に少なくとも1回以上オン・オフ動作させる。
【0016】
インバータと、
サーミスタと、
電動機と、
この発明の電源回路とを有し、
負荷量は電動機への回転数指令、電圧指令値、またはサーミスタで検出される吐出温度、吸入温度若しくは熱交換器の温度のいずれか一つである。
【0017】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1を示す回路ブロック図、図2は三相電源を使用した場合の回路図、図3は回路動作及び電流路(実線)を説明する回路図、図4は時間と相電圧等の関係図、図5は現在検討されている高調波に関する国内規制値、図6はスイッチ12の動作に伴うスイッチング電流の波形図である。
【0018】
図1中、電源回路1は、整流手段2とスイッチ回路3からなる。整流手段2は、交流電源4と、この交流電源4と接続されたリアクトル5と、交流を直流に整流する整流器6と、直列に接続され整流器の出力を平滑化するコンデンサC1〜C2から成る平滑コンデンサ7とを有し、圧縮機などの負荷8と接続されて用いられる。また、スイッチ回路3は、リアクトル5と整流器6との接続点と、平滑コンデンサ7の中点とに接続されている。
【0019】
この電源回路1のスイッチ回路3を制御する制御手段9は、交流電源4の線間電圧ゼロクロス点を検出し、このゼロクロス点から相電圧ゼロクロス点を演算により算出し、相電圧ゼロクロス点信号として制御手段9へ入力するゼロクロス検出手段10と、交流電源4から電力の供給を受けて動作する冷凍サイクル装置等である負荷8の負荷情報である電圧、電流、電力のうち少なくとも一つを検出し、その検出値から消費負荷量を算出し、制御手段9へ送信する負荷量検出手段11とに接続されている。
【0020】
また、制御手段9は、予め記憶された時間を経過した後にスイッチ動作させるため、負荷8の消費負荷量に対応した最適なスイッチ遅延時間をメモリに記憶しており、ゼロクロス検出手段10から入力される基準タイミング信号を基準タイミングとして、これに対して遅延時間経過後、スイッチ12(図2参照)を各相電圧半周期に一回だけ動作させる制御信号を生成する。
【0021】
さらに、スイッチ12(図2参照)のオン時間が、リアクトル5とコンデンサ13の共振周波数によって決まるコンデンサ13の充電時間よりも長くなるように制御している。
【0022】
このように、制御手段9のメモリに負荷8の最適遅延時間を幾つか予め記憶させている理由は、こうすることで負荷容量演算を必要とせず、制御負荷を軽減できるとともに、その負荷状態に応じた高調波抑制能力を発揮でき、全ての負荷変動範囲で、特定の高調波成分を除去、または、低減する状態を保つことができる。
なお、交流電源4は、単相での構成、あるいは、多相での構成のどちらでも構わないが、本実施の形態では三相を例として説明する。
【0023】
図2に、図1の電源回路1の三相電源としての詳細な構成を例として説明する。図中、整流手段2は、交流電源4に三相電源(U相、V相、W相)を用いているため、3個のリアクトルと、三相の整流回路6とから構成されている。また、スイッチ回路3も、S1〜S3の3個のスイッチからなるスイッチ12により構成されている。
本発明のスイッチ回路3を構成するスイッチ12は交流電源4の中性点を形成するようにリアクトル5の出力端に接続され、形成された中性点には、コンデンサ13が接続され、さらにコンデンサ13は平滑コンデンサ7の中点に接続されている。
【0024】
次に、本実施の形態における回路の力率改善と高調波抑制の制御について図3及び図4をもとに説明する。図3において、各回路の各相は図2と同様に上から順にU相、V相、W相であり、U相の相電圧位相が0度のときから(イ)〜(ホ)について動作説明をする。また、図3と対応した図4の横軸は時間を表し、上から順に(a)は相電圧、(b)はU相電流、(c)は制御手段9からのU相スイッチ信号、(d)は制御手段9からのV相スイッチ信号、(e)は制御手段9からのW相スイッチ信号、(f)はコンデンサ13に流れる電流を示し、図3(ロ)に示した矢印の方向の流れを正としている。また、横軸上の(イ)〜(ホ)は、各縦線の間の領域を示しており、図3の(イ)〜(ホ)と対応している。
【0025】
まず、(イ)では、図3(イ)に示すようにスイッチ12が全てオフとなっている。従って、この領域は、交流電源4、リアクトル5、整流器6、平滑コンデンサ7で構成された一般的な三相全波整流回路であり、U相電圧が0Vのときには、電流はW相からV相へ向かって流れ、U相には流れない。
【0026】
次に、(ロ)では、ゼロクロス検出手段10によりU相電圧ゼロクロスが検出され、U相電圧ゼロクロス点信号として制御手段9に送られる。制御手段9は、この基準タイミングであるU相電圧ゼロクロス点信号に対して、負荷量検出手段11からの負荷情報に応じて、メモリから選択された適正な遅延時間経過後、図3(ロ)に示すようにスイッチ12のU相に接続されたスイッチS3だけをオンする。こうすることでW相からV相への電流とともにU相からリアクトル5、スイッチ12、コンデンサ13、平滑コンデンサ7、整流器2を介して、図3の矢印の向きにスイッチング電流が流れる。これによって、各相に電流を流すことができ、三相整流における不通流領域が無くなる。
【0027】
次に、(ハ)では、さらに時間が経過し、U相電圧が増加するに従い、W相からV相へ向かって流れていた電流はU相からV相へ向かって流れるようになる。コンデンサ13は予めこの流れが変わるのに要する時間くらいで充電が完了する容量に設定してある。従ってコンデンサ13の充電が完了するとスイッチング電流は流れなくなる。制御手段9は、このコンデンサ13の充電完了時間経過後にスイッチS3をオフする。その後、W相電圧は低下し、ゼロクロス検出手段10によりW相電圧ゼロクロスが検出され、W相電圧ゼロクロス点信号として制御手段9に送られるとともに、W相が不通流となる。
【0028】
次に、(ニ)では、制御手段9は、この基準タイミングであるW相電圧ゼロクロス点信号に対して、負荷量検出手段11からの負荷情報に応じて、メモリから選択された適正な遅延時間経過後、図3(ニ)に示すようにスイッチ12のW相に接続されたスイッチS1だけをオンする。
これに伴い、先程と同様に、U相からV相への電流と共に、W相からリアクトル5、スイッチ12、コンデンサ13、平滑コンデンサ7、整流器2を介して、(ニ)の矢印の向きにスイッチング電流が流れ、三相整流における不通流領域が無くなる。
【0029】
次に、(ホ)では、さらに時間が経過し、コンデンサ13が(ニ)の矢印の向きに流れるスイッチング電流により充電され、電流が流れなくなる。この時、W相電圧が負側へ増加するに従い、U相からV相へ向かって流れていた電流は減少し、U相からW相へ向かって流れるようになり、V相は不通流領域となる。
【0030】
この動作モードにおいて、(ロ)から(ハ)への移行では、あらかじめ設定されている遅延時間やコンデンサ13の容量によっては、(ロ)と(ハ)の間に、本来は図4の(ハ)のようにスイッチがオフされているべきであるのに、スイッチ12のU相に接続されているスイッチがオンしている状態もあり得る。図3では説明図を略したが、このような場合でも充電が完了されたコンデンサ13がスイッチオフと同等の効果を有することは言うまでもない。また、(ニ)から(ホ)への移行についても同様である。
【0031】
以上が、U相の電圧位相0から約2π/3までの動作を表し、これ以降は不通流区間のV相に接続されたスイッチの制御へ移行する。そして、このような動作を三相繰り返すことで、電源一周期が構成され、図4(b)に示すよう相電流を正弦波に近い形状とすることができる。
【0032】
以上のような一連動作により入力電流を制御することで、三相整流の不通流領域に電流を流すことで力率を改善することができる。また、スイッチング動作により電流波形を正弦波に近づけられるため高調波を抑制することができる。なお、参考に現在検討されている高調波に関する国内規制を図5に示す。図において、nは高調波次数、Vnomは機器の定格電圧を示し、40次までの高調波に対して規制が設けられている。
【0033】
なお、予め設定された遅延時間に対する基準タイミングとなるゼロクロス検出手段10から入力される相電圧ゼロクロス点信号は直接検出することもできるが、電源電圧の中性点を設ける必要が生じるため、本実施の形態では線間電圧より演算算出している。
【0034】
このゼロクロス検出手段10がなければ、遅延時間を選択しても、どの時点でスイッチ12を動作させれば良いか不明となり、動作が不安定となり予想している高調波抑制能力を発揮できなくなる上、逆に高調波を助長させる恐れもある。 従って、ゼロクロス検出手段10により遅延時間の基準タイミングを設定することで、各相間でのスイッチングばらつきが生じなくなり、高調波抑制がオープンループで可能となる。
【0035】
次に、コンデンサ13によるリアクトル5の騒音抑制効果について説明する。始めに、スイッチ回路3のコンデンサ13の容量を決定する方法について説明する。コンデンサ13の充電時間は、リアクトル5およびコンデンサ13の共振周波数によって決まる。すなわち、負荷8の消費負荷量に応じた上で、図5の規制値を満たすようなリアクトル5を選べば、必然的に、これに対応したコンデンサ13の容量を決定することができる。
【0036】
リアクトル5及びコンデンサ13の共振周波数は、スイッチ12が各相電圧半周期に一回の動作であるため、リアクトル5及びコンデンサ13の共振周波数をfr、電源周波数をfsとすると、fr≧2fsとなる。
また、三相電源の回路構成であれば、規制値に対して5次高調波成分が厳しくなるため、fr=2fs×5と設定するとよいが、配線や基板等のインピーダンスを考慮すると多少小さめに設定したほうがよい。従って、共振周波数frと電源周波数fsの関係は2fs≦fr≦2fs×5となり、既知の電源周波数fsから共振周波数frの範囲が求められる。
【0037】
ここで、図1及び図2に示す回路構成であれば、スイッチング電流は交流電源4からリアクトル5、スイッチ12、平滑コンデンサ7、整流器6及びリアクトル5を介して流れ、リアクトル5を2度通ることから、リアクトル5をL(H)、コンデンサ13をC(F)とすると、リアクトル5及びコンデンサ13の共振周波数frはfr=1/(2π(2LC)1/2)で表される。
【0038】
通常、図5に示す規制値を満たすようなリアクトル5は数mHオーダーである。これと電源周波数fsから決められる範囲内のfrから、コンデンサ13の容量は数十〜数百mFとなる。
また、これから、直流側の母線電圧確保と電圧脈動の抑制を行うための平滑コンデンサ7は必然的に容量が千mF前後以上となるため、コンデンサ13を省略し、平滑コンデンサ7にコンデンサ13の働きを伴わせることは不可能であることがわかる。
ただし、リアクトル5およびコンデンサ13の共振周波数が同一であっても、入力電流における高調波含有量が完全には一致しないため、コンデンサ13の各容量にてリアクトル5の容量も微調することが望ましい。
【0039】
以上によりコンデンサ13の容量が決定されるが、実際の負荷8は動作条件によって変化する。従って、一般的には容量可変型のリアクトル及びコンデンサがないため、リアクトル5及びコンデンサ13の容量設定は、条件を固定した負荷を用いて行われる。一般的には、この条件を、適用対象の製品における定格条件として、この負荷量に合わせて容量設定するものと考えられるが、使用状況に考慮して他の条件とすることもあり得る。
【0040】
次に、このようにして定めたコンデンサ13によりリアクトル5の騒音を抑制可能な理由について、図6を用いて説明する。図6のスイッチング電流の波形は、図3及び図4の(ロ)、(ハ)の領域での波形に相当するもので、(a)は共振コンデンサ13が無い場合、(b)は共振コンデンサ13が有る場合である。
【0041】
図中、(a)のコンデンサ13を用いない場合は、スイッチング電流は交流電源4と平滑コンデンサ7の中性点との電位差に応じた分だけ流れ、スイッチ12のオフタイミングでは電流変化量di/dtが急激に変化し、急峻な磁束変化を引き起こす。この急峻な磁束変化とスイッチング電流による電磁力により、巻線や鉄心において振動が起こり、リアクトル5における不快な騒音が発生してしまう。
【0042】
一方、(b)のコンデンサ13を用いた場合は、電流変化量di/dtはコンデンサ13が充電されるほど減少し、電流ピーク点が滑らかになる。そのため、コンデンサ13を用いない場合に生じる急峻な磁束変化を緩和し、電磁力変化を抑制できるので、スイッチングに伴うリアクトル5における騒音を抑制することができる。
【0043】
このようにコンデンサ13を用いることでスイッチング時の電流ピーク値を抑制することができるので、スイッチ素子の大容量化や過電流保護回路の追加を避けることができ、低コストにてスイッチ12の高寿命化を図れる。
【0044】
また、コンデンサ13を介してスイッチング電流を流すので、コンデンサ13の充電完了後スイッチング電流は自動的に流れなくなる。このときにスイッチ12をオフすることでゼロ電流スイッチを実現できる。ゼロ電流時にスイッチングすることによって発生ノイズを低減でき、ターンオフ時のスイッチング損失も低減できる。
さらに、スイッチング損失低減により、回路効率の上昇が見込まれるため、消費電力も少なくて済む。
また、ターンオフに対するスイッチ素子への制御が不要となり、制御処理が少なく、安価なCPUを用いることができる。
【0045】
実施の形態2.
実施の形態1では、スイッチ回路3はスイッチ12とコンデンサ13の直列接続回路としてリアクトル5の騒音抑制をしたが、これはある一定の負荷条件に対してコンデンサ13の容量を決定しているため、広範囲に負荷条件が変化した場合には、その効果が十分得られない可能性がある。
そのため、本実施の形態では、負荷条件が変化した場合にも十分な騒音抑制が可能となる回路構成を示す。
【0046】
図7はリレーを介してコンデンサ13を複数個並列接続する回路の回路図である。図中、14はリレー、15はコンデンサである。
【0047】
図7に示す回路の動作を図2と比較して説明する。
図2に示す構成であれば、実施の形態1で説明したように、コンデンサ13が充電完了後にスイッチ12をオフすることでゼロ電流スイッチを実現し、リアクトル5からの電磁騒音抑制効果及びスイッチング損失、スイッチングノイズ低減効果を得ている。しかしながら、負荷が軽い場合には、コンデンサ13が充電完了するまでスイッチ12をオンしていると、スイッチング電流が流れ過ぎ、その電荷が平滑コンデンサ7に充電され過ぎて、負荷8へ印加される電圧が高くなってしまうという課題もある。
【0048】
これに対し、適度な電圧が得られるようにコンデンサ13が充電完了するよりも早くスイッチ12をオフさせると、電流変化が滑らかになる前にオフするためコンデンサ13が無い場合と同じとなり、リアクトル5から電磁騒音が発生してしまう。
【0049】
そこで、図7(a)のように、コンデンサ13とリレー14を設けたコンデンサ15とを並列に接続し、コンデンサの合成容量を変えられるようにコンデンサ容量変化手段を構成する。
従って、制御手段9が、負荷量検出手段11が検出した負荷値に応じて、リレーのオン・オフを制御し、負荷8の消費負荷量に適した容量となるように、スイッチ回路3全体としてみたときのコンデンサ容量を切り換えることが可能となる。
【0050】
これは、負荷量が軽い場合は、スイッチ12のオン時間が長いと負荷8に印加される電圧が上昇し過ぎ、負荷量が重い場合に、スイッチ12のオン時間が短いと高調波抑制能力が低下することから、軽負荷時にはスイッチ回路3のコンデンサ容量を小さくし、重負荷時にはスイッチ回路3のコンデンサ容量を大きくすることを目的とする構成である。
【0051】
このような回路を制御することで、コンデンサ容量を切り替えられるため、軽負荷時の負荷量に適切なコンデンサ容量と重負荷時の負荷量に適切なコンデンサ容量とが異なる場合であっても適切な電流制御が行える。また、コンデンサを使用しているため全負荷領域において、実施の形態1の図6で示した電流ピーク点の抑制効果が得られ、騒音抑制可能な負荷領域が広がり、信頼性の高い電源回路を提供できる。
【0052】
なお、コンデンサ容量変化手段を構成するためのコンデンサ13とリレー14を設けたコンデンサ15との接続は図7(b)に示すように直列に接続されていても構わないし、コンデンサ容量を軽負荷時には小さくし、重負荷時には大きくするように回路定数を変化させる回路構成であれば、図7に示す構成に限らず、どのような構成であってもこれと同等な効果を有することは言うまでも無い。
【0053】
実施の形態3.
実施の形態1ではコンデンサによりスイッチング時の急激な電流変化を抑制することで、リアクトルでの磁束変化を緩和し騒音を抑制している。本実施の形態ではコンデンサを用いずにスイッチング制御による騒音抑制について説明する。
【0054】
図8はスイッチ12を各相電圧半周期に一回あるいは複数回動作させる回路の回路図、図9は電流波形図である。
図8に示すような構成とした場合の制御動作を説明する。この回路構成は、図2においてコンデンサ13を削除したものであり、このままでは図6の説明に記述した通り、リアクトル5から電磁騒音が発生する。そのため、スイッチ12を各相電圧半周期に複数回動作させるように制御する。以下、その制御動作による電流波形の変化を図9に基づいて説明する。
【0055】
図9は、スイッチ12の動作に伴うスイッチング電流を抽出した一例であり、(a)はスイッチ12を各相電圧半周期に一回だけ動作した場合、(b)はスイッチ12を各相電圧半周期に三回動作した場合、(c)はスイッチ12を各相電圧半周期に多数回動作した場合である。
【0056】
リアクトル5から発生する電磁騒音は、リアクトル5を流れる電流と、これにより発生する磁束との電磁力に起因するものであり、電磁力の変化量が大きいほど、つまり、リアクトル5を流れる電流の正の変化量(di/dt)と負の変化量(−di/dt)の変化幅が大きいほど、リアクトル5での振動が大きくなり、騒音が大きくなる。
【0057】
そこで、制御手段11がスイッチ12を各相電圧半周期に複数回動作させることによって、図9に示すような電流波形生成を行い、電流変化(di/dt)が急激にならないように波形を抑制する。
【0058】
図9では、一回、三回及び多数回のスイッチングにて説明しているが、これらの回数に限定するものではなく、二回でも四回でも構わない。また、多数回というのは、何回でも構わないという意味であるが、あまり回数を増やし過ぎると高周波(一般的には3kHz以上)スイッチングと変わらなくなり、ノイズが発生したり、制御負荷が増大してしまい簡易な制御手段と言えなくなるが、このような高周波領域でも騒音抑制効果は変わらない。
【0059】
このように、スイッチ12の動作回数を各相電圧半周期に一回から増加させることによって、波形が抑制できるため、実施の形態1に示すようにコンデンサ13を追加して騒音を抑制することと同等の効果を得ることができる。また、スイッチング回数を増加することで高調波抑制能力を増すことができるので、リアクトル5の容量を低減でき、小型化、低コスト化を図れる。また、容量が小さくなることから発熱も抑制でき、損失を低減できるため、省エネにもつながる。更に、スイッチングを複数回までにしたことで、ノイズ発生量を増加させること無く、ノイズ対策しやすい回路が提供できる。
【0060】
実施の形態4.
実施の形態1におけるコンデンサを用いる方法はコンデンサ13の充電により急激な電流変化を抑制しているため、負荷が大きい場合に非常に有効であるが、負荷8が小さい場合には、コンデンサ13が充電完了するまでスイッチ12をオンしていると、スイッチング電流が流れ過ぎ、その電荷が平滑コンデンサ7に充電され過ぎて、負荷8へ印加される電圧が高くなることがありえる。
【0061】
一方、実施の形態3におけるスイッチングを制御して電流波形を抑制する方法は、より簡易的な手段であるが、負荷が大きければスイッチング回数が増えるため、負荷が比較的小さい状態に適している。本実施の形態では両者の特性を生かして広範囲の負荷状態で安定した回路と制御方法について説明する。
【0062】
図10はコンデンサ13と並列にリレーを接続する回路の回路図である。
この図に示す回路構成では、リアクトル5から発生する電磁騒音を、図2にて説明したようにコンデンサ13を利用して抑制する手段と、図8にて説明したように複数回スイッチングにて抑制する手段とをリレー14により切り替えられるように構成したものであり、リレー14がオフのときは図2における回路と同じであり、リレー14がオンのときは図8と同等回路となる。
【0063】
この回路で制御手段9は、負荷量検出手段11で検出された負荷8の消費負荷量が予め設定した値よりも大きい場合にはリレー14をオフさせる。また、負荷8の消費負荷量が予め設定された値よりも小さい場合にはリレー14をオンさせる。
【0064】
このような場合、消費負荷が大きい場合は、コンデンサ13により、電流波形を滑らかにし、騒音を抑制し、消費負荷が小さい場合は、スイッチ12を各相電圧半周期に複数回動作させて、騒音を抑制する。負荷8の程度によっては電流が少なく、リアクトル5から発生する騒音レベルも低くなる場合もあり、各相電圧半周期に一回のスイッチングとしても、それほど耳障りな騒音とならないこともある。
また、コンデンサ13を利用することでゼロ電流スイッチングを実現できるので、単にスイッチング回数を増加させる方法よりもノイズ発生は少なくなる。
【0065】
以上の構成により、広範囲の負荷において、高調波抑制と、リアクトルから発生する電磁騒音を抑制することができ、信頼性の高い電源回路を提供できる。
【0066】
実施の形態5.
実施の形態1〜4までは相電圧ゼロクロス点を基準タイミングとして使用しているが、負荷量やリアクトル等の容量によっては、このゼロクロス点よりも早くスイッチ12のオン動作をしたほうがよい場合があり、本実施の形態ではこのような場合に新たな基準タイミング信号を検出する構成について説明する。
【0067】
図11は、本発明の実施の形態5を示す回路ブロック図であり、図中、16は入力電圧のピーク点を検出する電圧ピーク検出手段である。
【0068】
図中、スイッチ回路3は、実施の形態1〜4で示した図2、図7、図8、または図10のいずれの構成であっても良い。また、この場合も三相での構成に限らず、単相での構成、多相での構成でも構わない。
【0069】
この回路構成は、相電圧ゼロクロス点よりも早いタイミングでスイッチ12のオン動作を開始させることで、高調波抑制能力を高くするためのものである。このような状況でのスイッチ12のオン動作について、図11に加え、図12を参照しつつ説明する。
【0070】
図12は、予め設定された遅延時間の基準タイミングを相電圧ゼロクロス点とした場合の相電圧と、スイッチ12を駆動させる制御手段9のスイッチ制御信号(一相のみ)を抽出したものであり、(a)はスイッチオンタイミングがゼロクロス点よりも遅い場合、(b)はスイッチオンタイミングがゼロクロス点よりも早い場合を表す。
【0071】
図12(a)に示すように、ゼロクロス点よりも遅いタイミングでスイッチ12を駆動する際には、予め設定される遅延時間は0秒に近い値となる。一方、(b)に示すように、ゼロクロス点よりも早いタイミングにてスイッチ12を駆動する際には、電源周期をT秒とすると、予め設定される遅延時間はT/2秒に近い値となる。従って、負荷8の消費負荷量が変化し、スイッチタイミングを(a)から(b)、あるいは、(b)から(a)へ変更する場合、遅延時間は0からT/2秒、あるいは、T/2から0秒へと一気に変えなければならず、スイッチ制御が不連続となり、スイッチングの信頼性が低下する。さらに、負荷8が変動し続けてこの動作を繰り返した場合、不連続なスイッチ制御を連続的に行わなければならず、スイッチ部品の信頼性が低ければ誤動作の原因になりかねない。
【0072】
このようなスイッチ制御の不連続を解消する手段として一つには、一つあるいは数個前の基準タイミングを基に次の基準タイミングを算出する予測制御手段を適用することが考えられる。しかし、電源電圧に周期ばらつきがあればその影響を受けるため、実際の基準タイミングからずれた位置を基準タイミングとする恐れがあり、その際には特に偶数次高調波の発生量が助長され、電源回路の性能及び信頼性が低下する。
【0073】
他の手段としては、遅延時間に対する基準タイミングを、不通流領域となる相電圧ゼロクロス点の検出に基づくものではなく、電圧ピーク検出手段16により検出される相電圧ピーク点に基づくものとしてスイッチ12の制御を行うことが考えられる。ここで、遅延時間とは基準タイミングからの遅れ時間であり、負荷8の負荷量に応じて予め設定されるものである。
【0074】
図11の電圧ピーク検出手段16は、リアクトル5側へ供給される交流電源4の線間電圧ピーク点を検出し、この線間電圧ピーク点から相電圧ピーク点を演算により算出する。算出された相電圧ピーク点信号は、予め設定された遅延時間に対する基準タイミングとして制御手段9へと入力される。この相電圧ピーク点は電源電圧の中性点を設けることで直接検出することもできるが、線間電圧より演算算出する方が容易であるため本実施の形態では電圧ピーク手段14を用いている。
【0075】
制御手段9は、電圧ピーク検出手段16から入力される基準タイミング信号を基に、負荷情報に応じて予め設定された遅延時間後、スイッチ12の動作を開始するよう制御信号を生成し、スイッチ回路3へ送る。
【0076】
このようにすることで、負荷変動が生じて相電圧ゼロクロス点前後でのスイッチングを必要とする際にも、連続的にスイッチ制御が行え、誤動作を防止し、スイッチングの信頼性を向上できる。また、予測制御無しで対応できるので、電源電圧の周期ばらつきの影響を受けず、特に偶数次高調波の発生量を抑制でき、電源回路の性能及び信頼性を向上できる。
【0077】
実施の形態6.
これまでは、スイッチングの基準タイミングを、相電圧ゼロクロス点あるいは相電圧ピーク点としているため、それぞれ、相電圧ゼロクロスタイミング、相電圧ピークタイミングにおいて、スイッチ制御が不連続となる。本実施の形態では、スイッチングの基準タイミングを相電圧の任意点とできる回路と制御を示す。
【0078】
図13は、本発明の実施の形態6を示す回路ブロック図であり、図中、17は入力電圧を検出する入力電圧検出手段である。
【0079】
図中、スイッチ回路3は、実施の形態1〜5で示した図2、図7、図8、図10、または図11のいずれの構成であっても良い。また、この場合も三相での構成に限らず、単相での構成、多相での構成でも構わない。
【0080】
この図13の回路構成は、図14の入力電圧検出手段17により相電圧を検出する仕組みについて示すものであり、トランスにより交流電源4の中性点を設けて相電圧波形Vu、Vv、Vwを入力電圧検出手段17で検出し、その波形信号を制御手段9へ出力するものである。図中、M1〜M3はトランス、R1〜R3は抵抗である。
【0081】
制御手段9は、負荷量検出手段11により検出される負荷情報に基き、スイッチの基準タイミングを不通流でない領域の任意点に設定し、負荷が一定値以上変動した場合に再度基準タイミングを設定し直すよう制御する。さらに、この基準タイミングから負荷情報に応じて予め設定される遅延時間が経過すると、スイッチ回路3のスイッチ12が動作するよう制御する。
【0082】
このように制御することで相電圧のいずれのタイミングに対しても連続的なスイッチ制御を実現できるため、負荷変動が大きな場合でも予測制御を必要とせず、充分に高調波抑制能力を発揮でき、特に偶数次高調波を抑制できる。また、負荷変動に追随して遅延時間を連続的に変更できるので、誤動作を抑制し、より信頼性の高い電源回路を提供できる。
【0083】
また、基準タイミングは、入力電圧検出手段17から入力される図15に示すような相電圧波形を基に決定されるので、電源動揺あるいは検出素子のばらつきといった相電圧ピーク値変動の影響を受けることなく、確実に電流波形生成を行える。
【0084】
さらに、遅延時間は全負荷領域で一定の値とし、負荷量に応じて基準タイミングを変動するようにしても良く、これにより、負荷変動によるスイッチ不連続制御領域の発生を防止し、より信頼性の高い電源回路を提供できる。
【0085】
またさらに、遅延時間分を含めて基準タイミングを設定し、基準タイミングにてスイッチ動作を行うよう制御することもでき、これにより、基準タイミング検出後からスイッチ動作までの遅延時間中に生じる突発的な事故にも即座に対応できるスイッチ制御を実現できる。
【0086】
なお、本実施の形態では、抵抗R1〜R3により、トランスM1〜M3への印加電圧を低下させ、抵抗R1〜R3を用いない場合よりもトランス容量を小さくして、装置の小型化、低コスト化を図っているが、抵抗R1〜R3がなくとも相電圧検出は可能である。
【0087】
また、相電圧波形を検出するやり方は、図14に示す構成に限ったものではなく、例えば、線間電圧波形を検出し、線間電圧と相電圧の位相差(π/6)を演算して相電圧波形を検出しても良く、相電圧波形を検出するものであればどのような構成でも構わない。
【0088】
実施の形態7.
図16は、本発明の実施の形態7を示す回路ブロック図であり、本発明の制御方法を用いた電源回路を、インバータを介して、圧縮機の電動機に接続している。図16において、18は電源回路に接続されたインバータ、19はインバータに接続された電動機、20はインバータ18を制御するインバータ制御手段である。また、スイッチ12のU相の双方向スイッチは、ダイオードブリッジ21にて整流し、自己消弧型の開閉素子である例えばIGBT22で構成されている。同様に、スイッチ12のV相の双方向スイッチ及びW相の双方向スイッチもそれぞれダイオードブリッジ23、25及びIGBT24、26で構成されている。
【0089】
図16の電源回路におけるスイッチ回路3の動作は、実施の形態1にて説明した動作と同様である。また、スイッチ回路3を制御する制御手段9及び入力電圧検出手段17の動作は、実施の形態6で説明した動作と同様である。
【0090】
図16では、負荷量検出手段としてインバータ制御手段20を用いており、負荷量としてインバータへの制御指令値を用いている。ここでは、インバータ18は電動機19を駆動制御する構成となっており、電動機19の出力は回転数に比例することから、インバータ18で制御される電動機19の回転数から電動機19の負荷量が推測でき、それによって、電源回路の負荷量もインバータ18での回転数指令によって代用できる。
【0091】
また、インバータ18の負荷量を電動機19の回転数指令にて代用しない場合でも、インバータ制御手段20内部の設定値を用いることにより、電源回路の負荷量を推測することは可能である。例えば、電動機19に印加する電圧指令値でも同等効果を有する。また、電動機19の相電流を検出するような構成であれば相電流値でも良く、負荷量はインバータ制御手段20から容易に得られる。
【0092】
以上のように、電源回路の負荷がインバータである場合、インバータにて制御している動作指令値等の設定値から負荷量を推測することができ、この指令値に応じて、予め設定された遅延時間あるいは基準タイミングを変更することによって、負荷量検出手段を設けることなく、負荷量に応じた高調波抑制能力を発揮できる。
【0093】
また、電動機19が空気調和機に使用される圧縮機である場合、圧縮機の負荷トルクは回転数に依存するため、回転数指令だけで負荷量を推測することができ、インバータの設定値を使用する場合と同等効果を得られる。
さらに、電動機19が圧縮機である場合、吐出温度、吸入温度、熱交換器の温度等でも電源回路の負荷量は検出でき、これらはインバータ制御手段20にてサーミスタで検出されているため、これらの値を用いて、負荷量を検出できる。また、循環する冷媒速度や冷媒量等でも検出できる。
【0094】
また、スイッチ回路3の構成はスイッチ12及びコンデンサ13の直列接続回路だけでなく図7、図8あるいは図10の構成でもよい。
さらに、図16における入力電圧検出手段17の代わりにゼロクロス検出手段10あるいは電圧ピーク検出手段16を使用した構成でもよい。
【0095】
【発明の効果】
交流電源と、
交流電源に接続されたリアクトルと、
リアクトルに接続された整流器と、
整流器に接続される互いに直列の2個の平滑コンデンサと、
リアクトルと整流器との接続点と、2個の平滑コンデンサ間の中点との間に設けたスイッチを有するスイッチ回路と、
交流電源に接続され交流電源の予め定められた一定状態での相電圧を検出し基準タイミング信号を生成する相電圧検出手段と、
平滑コンデンサに接続され交流電源からの電力により動作する負荷の負荷量を検出する負荷量検出手段と、
基準タイミング信号を受信し、さらに負荷量に基づいて予め記憶された時間を経過した後に、スイッチ回路にオン・オフ指令を送る制御手段と
リアクトルおよびスイッチに直列に接続され、リアクトルの磁束変化を緩和するコンデンサと、を具備するので、
相電圧の波形を検出し、ピーク値及び瞬時値の比により基準タイミングの位相を制御するため、電源動揺あるいは検出素子のばらつきといった相電圧ピーク値変動の影響を受けることなく、確実に電流波形生成を行える。また、負荷量に応じて遅延時間の基準タイミングを相電圧の任意点に設定できるため、いずれのタイミングに対しても連続的なスイッチ制御を実現でき、負荷変動に対する信頼性を向上できる。さらに、負荷量に応じて遅延時間を変更できるので、各負荷状態に応じて、充分に高調波抑制能力を発揮できる。
【0096】
また、予め定められた一定状態での相電圧は、交流電源の相電圧のゼロクロス点であるので、
不通流領域にも相電流を流すことができ、これにより、力率を改善し、高調波を抑制することができる。特に高調波発生量は、現在検討されている規制値を満足するレベルまで抑制できる。また、遅延時間の基準タイミングを設定できるので、充分に高調波抑制能力を発揮させることができる。
【0097】
さらに、予め定められた一定状態での相電圧は、交流電源の相電圧のピーク点であるので、
遅延時間の基準タイミングを不通流領域となるゼロクロス点ではなく、相電圧ピーク点に設定するため、負荷変動が生じて相電圧ゼロクロス点前後でのスイッチングを必要とする際にも、相電圧ゼロクロス点に対して連続的にスイッチ制御が行え、誤動作を防止し、スイッチングの信頼性を向上できる。また、予測制御無しで対応できるので、電源電圧の周期ばらつきの影響を受けず、特に偶数次高調波の発生量を抑制でき、電源回路の性能及び信頼性を向上できる。
【0098】
またさらに、スイッチ回路は、コンデンサを有し、制御手段は各相電圧半周期に一回だけスイッチをオン・オフ動作させるため、制御処理が非常に少なく、安価なCPUを用いることができる。
【0099】
さらにまた、スイッチ回路は、コンデンサを有し、制御手段はコンデンサの充電が完了するまではスイッチをオン・オフ動作させないので、
コンデンサが充電されるほどスイッチング電流が流れにくくなり、電流ピーク値を抑制し、ピーク点を滑らかにすることができる。これにより、リアクトルにて生じる電磁騒音を抑制することができる。
さらに、コンデンサの充電時間より長い時間、スイッチ素子をオンするよう制御し、コンデンサの充電によりスイッチング電流が自動的に切れ、スイッチ素子に電流が流れなくなってからスイッチをオフするよう構成してゼロ電流スイッチングを実現できるため、発生ノイズを小さくでき、ターンオフ時のスイッチング損失を低減できる。
【0100】
また、スイッチ回路は、コンデンサとリレーとを有しており、制御手段は負荷量に基づいてリレーのオン・オフを行うことでスイッチ回路のコンデンサ合成容量を切り換え、さらにコンデンサの充電が完了するまではスイッチをオン・オフ動作させないので、
負荷量によってコンデンサの容量を切り換えられるように構成したので、全負荷領域において、コンデンサによる電磁騒音抑制効果を発揮でき、信頼性の高い電源回路を提供できる。
【0101】
またさらに、制御手段は、基準タイミングから負荷量に基づいて予め記憶された時間経過後スイッチ回路に各相電圧半周期内に複数回オン・オフ動作させる制御を行うので、安価な制御にて電磁騒音抑制効果を得ることができる。また、スイッチング回数を増加することで、高調波抑制能力も増すことができるので、リアクトルの容量を低減でき、小型化、低コスト化に寄与する。
【0102】
さらに、スイッチ回路は、並列に接続されたリレーとコンデンサを有し、制御手段は、負荷量が大きい場合はリレーをオフし、スイッチを各相電圧半周期内に1回オン・オフ動作させ、このとき、スイッチはコンデンサの充電完了時間より長い時間通電させ、負荷量が小さい場合はリレーをオンしスイッチを各相電圧半周期内に少なくとも1回以上オン・オフ動作させるので、
負荷に応じてスイッチ制御を切り換えるよう構成したため、リレーオン時はスイッチを複数回動作させることにより、リアクトルからの騒音を抑制することができる。また、重負荷時は、騒音抑制能力の高いコンデンサにより騒音を抑制することができる。さらに、リレーオフ時にはスイッチ素子をコンデンサの充電時間より充分に長い時間オンするよう制御するので、コンデンサによる騒音抑制効果を充分に発揮させることができる。また、ゼロ電流スイッチングを実現でき、ノイズ発生量を低減できる。
【0103】
インバータと、
サーミスタと、
電動機と、
この発明の電源回路とを有し、
負荷量は電動機への回転数指令、電圧指令値、またはサーミスタで検出される吐出温度、吸入温度若しくは熱交換器の温度のいずれか一つであるので、
負荷量検出手段を設けることなく負荷量に応じた高調波抑制効果を発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1を示す回路ブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態1を示す回路図である。
【図3】 本発明の実施の形態1を示す回路図である。
【図4】 本発明の実施の形態1を示す波形図である。
【図5】 本発明の実施の形態1を示す規制値である。
【図6】 本発明の実施の形態1を示す電流波形図である。
【図7】 本発明の実施の形態2を示す回路図である。
【図8】 本発明の実施の形態3を示す回路図である。
【図9】 本発明の実施の形態3を示す電流波形図である。
【図10】 本発明の実施の形態4を示す回路図である。
【図11】 本発明の実施の形態5を示す回路ブロック図である。
【図12】 本発明の実施の形態5を示す相電圧波形とスイッチ信号の関係図である。
【図13】 本発明の実施の形態6を示す回路ブロック図である。
【図14】 本発明の実施の形態6を示す回路ブロック図である。
【図15】 本発明の実施の形態6を示す相電圧波形とスイッチ信号の関係図である。
【図16】 本発明の実施の形態5を示す回路ブロック図である。
【図17】 従来の技術を示す回路ブロック図である。
【図18】 従来の技術を示す回路ブロック図である。
【図19】 従来の技術を示す回路ブロック図である。
【符号の説明】
1 電源回路、 2 整流手段、 3 スイッチ回路、 4 交流電源、 5 リアクトル、 6 整流器、 7 平滑コンデンサ、 8 負荷、 9 制御手段、 10 ゼロクロス検出手段、 11 負荷量検出手段、 12 スイッチ、 13 コンデンサ、 14 リレー、 15 コンデンサ、 16 電圧ピーク検出手段、 17 入力電圧検出手段、 18 インバータ、 19 電動機、 20 インバータ制御手段、 21 ダイオードブリッジ、 22 IGBT、 23 ダイオードブリッジ、 24 IGBT、 25 ダイオードブリッジ、 26 IGBT、 C1、C2 コンデンサ、 S1〜S3 スイッチ素子、 R1〜R3 抵抗、 M1〜M3 トランス。

Claims (10)

  1. 交流電源と、
    前記交流電源に接続されたリアクトルと、
    前記リアクトルに接続された整流器と、
    前記整流器に接続される互いに直列の2個の平滑コンデンサと、
    前記リアクトルと前記整流器との接続点と、前記2個の平滑コンデンサ間の中点との間に設けたスイッチを有するスイッチ回路と、
    前記交流電源に接続され前記交流電源の予め定められた一定状態での相電圧を検出し基準タイミング信号を生成する相電圧検出手段と、
    前記平滑コンデンサに接続され前記交流電源からの電力により動作する負荷の負荷量を検出する負荷量検出手段と、
    前記基準タイミング信号を受信し、さらに前記負荷量に基づいて予め記憶された時間を経過した後に、前記スイッチ回路にオン・オフ指令を送る制御手段と
    前記リアクトルおよび前記スイッチに直列に接続され、前記リアクトルの磁束変化を緩和するコンデンサと、
    を具備することを特徴とする電源回路。
  2. 予め定められた一定状態での相電圧は、交流電源の相電圧のゼロクロス点であることを特徴とする請求項1に記載の電源回路。
  3. 予め定められた一定状態での相電圧は、交流電源の相電圧のピーク点であることを特徴とする請求項1に記載の電源回路。
  4. 御手段は、基準タイミング信号から負荷量に基いて予め記憶された時間経過後スイッチ回路に各相電圧半周期内に一回のみ動作させる制御を行うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の電源回路。
  5. 御手段は前記コンデンサの充電が完了するまではスイッチをオン・オフ動作させないことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の電源回路。
  6. スイッチ回路は、コンデンサとリレーとを有しており、制御手段は負荷量に基づいて前記リレーのオン・オフを行うことでスイッチ回路のコンデンサ合成容量を切り換え、さらに前記コンデンサの充電が完了するまではスイッチをオン・オフ動作させないことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の電源回路。
  7. 制御手段は、基準タイミング信号から負荷量に基づいて予め記憶された時間経過後スイッチ回路に各相電圧半周期内に複数回オン・オフ動作させる制御を行うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の電源回路。
  8. スイッチ回路は、並列に接続されたリレーとコンデンサを有し、制御手段は、負荷量が大きい場合は前記リレーをオフし、スイッチを各相電圧半周期内に1回オン・オフ動作させ、負荷量が小さい場合は前記リレーをオンしスイッチを各相電圧半周期内に少なくとも1回以上オン・オフ動作させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の電源回路。
  9. インバータと、
    サーミスタと、
    電動機と、
    請求項1から請求項8のいずれかに記載の電源回路とを有し、
    負荷量は前記電動機への回転数指令、電圧指令値、または前記サーミスタで検出される吐出温度、吸入温度若しくは熱交換器の温度のいずれか一つであることを特徴とする電動装置。
  10. 交流電源と、
    前記交流電源に接続されたリアクトルと、
    前記リアクトルに接続された整流器と、
    前記整流器に接続される平滑コンデンサと、
    前記整流器の入力側と出力側との間に設けたスイッチと前記リアクトルの磁束変化を緩和するコンデンサとを備えたスイッチ回路と、
    前記交流電源に接続され前記交流電源の予め定められた一定状態での相電圧を検出し基準タイミング信号を生成する相電圧検出手段と、
    前記平滑コンデンサに接続され前記交流電源からの電力により動作する負荷の負荷量を検出する負荷量検出手段と、
    前記基準タイミング信号を受信し、さらに前記負荷量に基づいて予め記憶された時間を経過した後に、前記スイッチ回路にオン・オフ指令を送る制御手段と、
    を具備することを特徴とする電源回路。
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