JPH07274512A - 直流電源装置、周波数変換装置および空気調和装置 - Google Patents

直流電源装置、周波数変換装置および空気調和装置

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JPH07274512A
JPH07274512A JP6506494A JP6506494A JPH07274512A JP H07274512 A JPH07274512 A JP H07274512A JP 6506494 A JP6506494 A JP 6506494A JP 6506494 A JP6506494 A JP 6506494A JP H07274512 A JPH07274512 A JP H07274512A
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capacitor
power supply
series
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Naoyoshi Uesugi
杉 通 可 植
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自他の回路に悪影響を及ぼさず、効率的に高
調波を抑制しうる小型に構成できる直流電源装置を提供
する。 【構成】 全波整流型整流器(20)の直流出力端子間
にリアクトル(31)およびコンデンサ(32)を直列
接続し、さらにコンデンサ(32)に逆並列にダイオー
ド(33)を接続してなる第1の並列回路(30)を接
続し、この並列回路(30)の負荷側に主電流回路に直
列にリアクトル(41)およびダイオード(42)を直
列接続してなる直列回路(40)を接続し、この直列回
路(40)の負荷側に負荷(60)に並列にコンデンサ
(51)からなる第2の並列回路(50)を接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダイオードからなる単
相全波整流型整流器を備えた直流電源装置、およびそれ
を備えた周波数変換装置および空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一方では直流を電源として動作する直流
電子機器が多用される傾向にあり、他方では制御技術の
発展と相俟って直流電源装置およびインバータ装置を介
して周波数制御され、あるいはインバータ装置および交
流電動機を介して速度制御される交流機器が多用される
傾向にある。このような趨勢を反映して、最近は、良好
な高周波抑制手段を備えたノイズレスの直流電源装置に
対する要望が厳しくなってきた。
【0003】この種の要望に沿うものとして、従来、次
のようなフィルタ方式が提案されている。 (1) 昇圧チョッパ方式のスイッチング回路により整
流ブリッジ回路の電流を交流電圧の全波整流波形に高速
で追従させ、スイッチングによる高周波のリップル電流
を低域フィルタで除去する、いわゆるアクティブフィル
タ方式。 (2) 主電流回路に直列にリアクトルを挿入すると共
に小容量のコンデンサを分路に接続し、それにより通電
角を拡げるとともに位相の遅れを補償するLC方式。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の(1)のアクテ
ィブフィルタ方式は、特に大電力の用途においては以下
に示す1〜3のような不都合がある。 1. 高速で大電流に応じた電流容量の制御整流素子、
整流ダイオード、およびリアクトルが必要なため、素子
のサイズや、信頼性、コストなどの点で問題が多い。 2. 組み込みサイズが大きく、スイッチング電流が大
きいため、発生するスイッチングノイズが自他の回路に
悪影響を及ぼす。 3. 最大電流に応じて電流リップル量が設定されるた
め、低負荷ではリップル含有量が高くなり、入力電流波
形が歪む。また、使用するLCの定数も大きいものが必
要になる。
【0005】また、上述の(2)のLC方式には次のよ
うな不都合がある。 1. 各半波ごとの電流の立上がりが急峻になるため、
高次の高調波ノイズがかえって増加する。 2. 総合的に高調波低減効果が小さく、目標とするレ
ベルに到達できない場合が多い。
【0006】したがって本発明は、上述の欠点のないフ
ィルタ手段を備えた直流電源装置を提供することを目的
とする。より詳細に述べるならば、本発明は、小型に構
成でき、自他の回路に悪影響を及ぼすことがなく、効率
的に高調波を抑制しうる直流電源装置を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、ダイ
オードからなる単相全波整流型整流器と、リアクトルお
よびコンデンサをを直列接続し、さらにコンデンサに、
整流器の出力電圧極性に対し逆向きの極性でダイオード
を並列に接続してなり、整流器の直流出力端子間に接続
された第1の並列回路と、リアクトルおよびダイオード
を直列接続してなり第1の並列回路の負荷側に直流主電
流回路に直列に接続される直列回路と、コンデンサから
なり直列回路の負荷側に負荷に並列に接続される第2の
並列回路とを備えた直流電源装置を要旨とするものであ
る。
【0008】請求項2の発明は、整流器の交流入力電流
回路にリアクトルが直列に接続されている請求項1に記
載の直流電源装置を要旨とするものである。
【0009】請求項3の発明は、整流器の直流出力端子
と第1の並列回路との間に、整流器の直流出力電流回路
に直列にリアクトルが接続されている請求項1に記載の
直流電源装置を要旨とするものである。
【0010】請求項4の発明は、第1の並列回路におけ
るコンデンサとして電解コンデンサが備えられている請
求項いし3のいずれかに記載の直流電源装置を要旨とす
るものである。
【0011】請求項5の発明は、請求項1ないし4のい
ずれかに記載の直流電源装置の出力側にインバータ装置
が接続されている周波数変換装置を要旨とするものであ
る。
【0012】請求項6の発明は、請求項5に記載のイン
バータ装置の負荷として、空気調和機における冷凍サイ
クルの圧縮機を駆動する交流電動機が接続されている空
気調和装置を要旨とするものである。
【0013】
【作用】請求項1の発明においては、整流器の直流出力
電流回路に直列にリアクトルおよびダイオードを直列接
続してなる直列回路を接続し、整流器の直流出力端子間
にリアクトルおよびコンデンサを直列接続し、さらにコ
ンデンサに対し逆並列にダイオードを接続してなる第1
の並列回路を接続し、さらに直列回路の負荷側に負荷に
並列にコンデンサを接続するものとする。この回路構成
によれば、リアクトル入力型の、負荷に並列のコンデン
サを有する整流回路の電流の遅れと電流ピークを第1の
並列回路の充放電電流により補償し改善することができ
る。補償電流の調整によって入力電流の低次の高調波成
分を大幅に低減することができる。また、第1の並列回
路のコンデンサに逆並列に接続されたダイオードがその
コンデンサに対する逆電圧防止用として作用し、そのコ
ンデンサのリップル電圧を大きく設定しても逆電圧が加
わるおそれがなくなり、安価で大容量のものが容易に得
られる電解コンデンサの使用が可能になる。
【0014】請求項2または請求項3の発明に従い整流
器の入力側または出力側にリアクトルを直列に接続する
ことにより、高周波低減効果が一層高められ、広い負荷
範囲への適用が可能になる。
【0015】請求項4の発明においては、第1の並列回
路におけるコンデンサとして電解コンデンサが備えられ
ることによって所定の性能を有する直流電源装置を安価
に構成することができる。
【0016】請求項5の発明においては、請求項1ない
し4のいずれかに記載の直流電源装置の出力側にインバ
ータ装置を接続することにより、電源系統に悪影響を与
えたりすることのない周波数変換装置を構成することが
できる。
【0017】請求項6の発明においては、インバータ装
置の負荷として空気調和機における冷凍サイクルの圧縮
機を駆動する交流電動機を接続することにより、いわゆ
るインバータ・エアコン(インバータ装置を介して可変
速運転される空気調和機)を電源系統に悪影響を与えた
りすることなく運転することができる。
【0018】
【実施例】請求項1の発明による直流電源装置の実施例
を図1に示す。
【0019】図1に示す直流電源装置は、例えば周波数
50Hzの交流電源10から、抵抗12およびインダク
タンス13からなる電源ラインインピーダンス11を介
して単相交流電力が入力される単相全波整流型整流器2
0を備えている。整流器20はブリッジ結線の4組のダ
イオードからなっている。整流器20の出力側には、第
1の並列回路30、直列回路40および第2の並列回路
50をπ型に接続してなるフィルタ回路が接続され、そ
の出力側に負荷60が接続される。第1の並列回路30
はリアクトル31およびコンデンサ32を直列接続し、
さらにコンデンサ32に対し整流器20の出力電圧極性
に対し逆向きの極性でダイオード33を並列に接続した
ものであり、整流器20の直流出力端子間に直接に接続
されている。直列回路40はリアクトル41および順方
向極性のダイオード42を直列接続してなり、整流器2
0の直流出力主電流回路に直列に接続されている。第2
の並列回路50はコンデンサ51からなり、直列回路4
0の負荷側に負荷60に並列に接続される。負荷60は
例えばインバータ装置およびそれに縦続接続される交流
電動機でありうる。
【0020】図1の直流電源装置において整流器20と
負荷60との間に接続されているのはフィルタ回路と言
われるものである。このフィルタ回路において、整流器
20の負極性の直流出力端子(すなわちアノード側)の
電位を基準電位(0V)として、第1の並列回路30と
直列回路40との接続点の電位すなわち整流器30の直
流出力電圧をVa、リアクトル41とダイオード42の
接続点の電圧をVd、ダイオード42の負荷側すなわち
コンデンサ51の電圧をVo、リアクトル31とコンデ
ンサ32の接続点の電圧すなわちコンデンサ32の電圧
をVp、整流器20への交流入力電圧をVi、整流器2
0の直流出力電流すなわちフィルタ回路への入力電流を
Ia、第1の並列回路30の充電電流をIp、直列回路
40の電流をImとする。各電流の極性は、整流器20
の正極から出て負極へと向かう方向をそれぞれ正とす
る。
【0021】さて、図1の装置の動作を図5を参照しな
がら概略的に説明すれば次の通りである。交流電源10
の各半波期間内に、第1の並列回路30のコンデンサ3
2から見て、整流器20側からの充電と、直列回路40
側への放電とを1サイクルとする1回の充放電が行われ
る。ここで、第1の並列回路30におけるリアクトル3
1のインダクタンスL31およびコンデンサ32のキャパ
シタンスC32を適切に調整することにより、コンデンサ
32の電圧VpがゼロV近くまで放電すれば、充電電流
(−Ip)すなわちフィルタ回路への入力電流Iaの立
上がりを早くすることができる。
【0022】一方、並列回路50には、コンデンサ51
の充電電圧Voを直列回路40からの入力電圧Vdが超
えた(Vd>Vo)時点から充電電流が流れ始め、途中
からは既に述べた並列回路30の放電電流(−Ip)が
充電電流として合流する。このようにして、並列回路3
0への流入電流Ipおよび直列回路40の電流Imの和
(Ip+Im)に相当するフィルタ回路への入力電流I
aとして、コンデンサ51の充電サイクルでは、並列回
路50の充電電流と並列回路30の立上がり電流との和
に相当する電流が流れ、コンデンサ51の放電サイクル
では、並列回路30の充電電流から並列回路50の放電
電流を差し引いた電流が流れる。
【0023】結果として、並列回路30を備えていない
従来の「チョークインプット型」のフィルタ回路におけ
る電流の遅れと電流ピークを並列回路30の充放電電流
により補償・改善することができる。その場合、補償量
の調整によりフィルタ回路への入力電流Iaの低次の高
調波成分を大幅に低減することができる。
【0024】次に、図5に示す交流電圧半波期間の各部
の電圧・電流波形を参照しながら、第1の並列回路30
および直列回路40の電流・電圧の挙動について詳細に
説明する。なお、後記の表1を参照するときの便宜のた
めに番号を付して順に説明する。まず直列回路40の挙
動について説明する。 (1) 交流半波期間初期のVa<Voの状態では直列
回路40に正方向の電流は流れ得ず、ダイオード42に
より負方向の電流も阻止されるので、Im=0である。 (2) 電圧Vaが上昇し、Va>Voの状態になる
と、Va−Vd>0になり、この差電圧を駆動源として
直列回路40に電流Imが流れ始め、かつ、その値は漸
増する。 (3) 電圧Vaがピークを過ぎて上昇から低下に転
じ、再度、Va=Voとなった時点で電流Imは最大と
なる。これ以降、Va<Voとなってからも、リアクト
ル41(の蓄積エネルギー)を駆動源とし、減少しなが
らIm=0となるまで電流Imは流れ続ける。 (4) 電流Imが減少しながら、Im=−Ipとなっ
た時点で整流器20からの電流供給はゼロ(Ia=0)
となり、電圧Vaの減少勾配が変化する。 (5) Im=0となった時点でダイオード42の作用
によりIm<0となるのを阻止され、電流Imの電流変
化がなくなり、Va=Vdとなって初期状態に戻る。
【0025】なお、コンデンサ51はリアクトル41の
インダクタンスに対して十分大きなキャパシタンスを持
ち、電圧Voは電流Imの平均値(直流出力電流にほぼ
等しい)と電流Im(の瞬時値)との差により、わずか
に上下するのみで、ここで説明する動作にはあまり関与
しないのでこれを無視するものとする。
【0026】次に並列回路30の挙動について説明す
る。 (1) 交流半波期間初期においては、前の半波の最後
に流れていた電流Ipがそのまま減少しながら流れ続け
る。電圧Vaは前の半波の電流Ia(=Ip)とライン
インダクタンスにより負になっている。この間に電流I
pは負から正に変化する(コンデンサ32が放電から充
電へと変化する)。 (2) 交流電源電圧Viが上昇し、Vi>Vpになる
のに伴ってVa−Vp>0になると、この差電圧を駆動
源として電流Ip(充電電流)が漸増状態に変化する。 (3) 電流Ipの充電作用により電圧Vpが急激に上
昇して電圧Vaに追い付き、再度Vp=Vaとなった時
点で電流Ipは最大となり、これ以降Va<Vpとなっ
てもリアクトル31を駆動源として電流Ipは減少しな
がら流れ続ける。 (4) 電流Ipが減少していって、Ip=0となった
時点でVp−Vaは最大となり、これ以降、Vp−Va
を駆動源として電流Ipは負極性(放電極性)に転じそ
の絶対値を増加し続ける。 (5) 電流Ipがコンデンサ32の放電極性になる
と、電圧Vpは急激に低下し、再度Vp=Vaとなった
ところで電流Ipの絶対値は負の最大値となり、リアク
トル31およびコンデンサ32を駆動源として電流Ip
はその絶対値を減少させながら流れ続ける。 (6) Im=−Ipになると整流器20の出力電流I
a(=Im+Ip)もゼロとなる。整流器20の作用に
より電流Iaは負極性になり得ないので、Ia=0、I
m=−Ipのまま電流Im,Ipは同時にゼロとなる。
Ia=0の期間、電圧Vaは電源電圧Viに関係なく、
リアクトル31,41の分圧作用により電圧VpとVd
の中間の電圧値をとる(dIm/dt=−dIp/d
t)。 (7) Im=Ip=0になった後、ダイオード42の
作用によりIm<0にはならない。一方、電圧Vpはほ
ぼゼロVに近い最小値となっており、差電圧Va−Vp
を駆動源として電流IpはIp=Ia>0に転じ、かつ
電圧Vpも上昇に転ずる。 (8) 電圧Va低下かつ電圧Vp上昇により、再度V
a=Vpとなり、リアクトル31を駆動源としてVa<
Vpとなり、電流Ipが減少する。この状態でVa=0
となり、半波期間が終了し初期状態に戻る。
【0027】図1の装置において、第1の並列回路30
のコンデンサ32にダイオード33を逆並列に接続する
ことにより、コンデンサ32に逆電圧が加わるおそれが
なくなり、そのためリップル電圧を大きく設定しても、
コンデンサ32として大容量のものが容易に得られる電
解コンデンサを使用することができるという利点があ
る。
【0028】次の半波以降も整流器20の出力側に設け
られている並列回路30,50および直列回路40から
なるフィルタ回路は全く同一の動作を繰り返す。そこで
変わるのは、整流器20の入力側の電圧および電流の極
性だけである。この電流の極性変化と電源インダクタン
ス13により、半波期間の初期(下記表1の“1”の期
間)、Va<0となる。
【0029】以上述べた電流Im(直列回路40の電
流),Ip(第1の並列回路30の電流),Ia(整流
器20の出力電流=フィルタ回路の入力電流)の1周期
間の挙動を図6に示し、また電流状態を増加(↑)、減
少(↓)、およびほぼ同一値継続(→)として、上記括
弧書きの番号別に区分して表にまとめたものを表1に示
す。
【0030】
【表1】 以上のように、電流Iaは、(回路30の電流)→(回
路40の電流+回路30の電流)→(回路40の電流−
回路30の電流)の順序で変化して流れる。
【0031】かくして、並列回路30のコンデンサ32
の放電が深いため電流の立上がりが早く、入力電流の通
電角が拡がり、しかも電流波形が小(1回路)→大(2
回路の和)→小(2回路の差)で変化するので正弦波に
近く、高調波電流の少ない、入力力率の高い直流電源装
置を構成することができる。
【0032】並列回路30のリアクトル31およびコン
デンサ32、直列回路40のリアクトル41、および並
列回路50のリアクトル51の各値を設定するにあたっ
ては、(a) 定格負荷時に、第1の並列回路30から
の給電に頼ることなく、直列回路40のリアクトル41
を駆動源として通電し、その電流が半波期間の約89%
時点以降まで流れ続け、(b) 第1の並列回路30の
リアクトル31のインダクタンスL31およびコンデンサ
32のキャパシタンスC32の積(L31・C32)に対応し
て生ずる固有振動の周期が交流入力電圧Viの半波時間
の約64〜92%の範囲にあり、また、(c) 第1の
並列回路30の電流Ipの正のピーク値が直列回路40
に流れる電流Imのピーク値の約40〜70%の範囲に
ある、ようにすることにより、上述の請求項1に記載の
発明のより大きな改善効果を達成することができる。
【0033】まず条件(a)であるが、この条件を満た
すことにより電流Iaの通電角を拡げることができる。
半サイクル期間の後半の電流Iaの主体は直列回路40
の電流Imと第1の並列回路30の電流Ipとの差によ
るものであり、電流Imが中断すると電流Iaも中断す
る。電流Iaの通電角がこの範囲の通電角よりも短くな
ると、目標とする効果を達成することができなくなる。
【0034】次に条件(b)の理由であるが、これは、
チャ−ジポンプのサイクルを電源の半サイクル期間内に
収めるためである。並列回路30の電流Ipの正のピー
クと負のピークが半サイクル期間の1/3と2/3の間
にくるような、すなわち固有振動の周期が半波時間の2
/3となるような、定数設定を出発点とする。周期が短
くなるとが固有振動に伴う高調波電流が発生しやすくな
るが、周期が長い場合は直列回路40の電流Imとの相
互作用により半サイクル期間内に強制同期されるため問
題は少なく、長めに設定した方が目標とする効果を得や
すい。
【0035】条件(c)の理由は電流Iaを正弦波形に
近づけることにある。並列回路30の電流Ipのピーク
は正側と負側とでほぼ同じ値をもって、それぞれ半サイ
クルの期間の1/3と2/3のタイミングで発生するの
で、この電流値を加減することにより電流Ipの対称性
を調整し正弦波形に近づけることができる。
【0036】なお、直列回路40の電流Imおよび並列
回路30の電流Ipの各ピークは必ずしも一致せず、ま
た、視覚的に対称性をよくしても総合的に高調波が減少
するとは限らないので、シミュレーションまたは実動作
試験による微調整が必要である。
【0037】このような考え方に基づいて定数設定を行
い、2.5kWの直流電源装置の電源高調波を、欧州で
検討されている規制値案に対応させた具体例を以下に説
明する。
【0038】交流電源:230V,50Hz 電源ラインインピーダンス:(0.4+j0.25)Ω (規制値案に明確な設定はない) 規制値案(クラスAの場合、奇数次のみ): 次 数 高調波(rms (A)) ピーク値換算 3 2.30 3.253 5 1.14 1.612 7 0.77 1.089 9 0.40 0.566 11 0.33 0.467 13 0.21 0.297 15 0.15 0.212 17 (0.15*15/n) (0.212*15/n) :次に各定数の一具体例について説明する(図5,6参
照)。 (1) 直流出力電圧250V、定格電流として平均直
流出力電流10A、半波期間内の直列回路電流の放電時
間を7ms、許容リップル電圧を15Vとすれば、コン
デンサ51のキャパシタンスC51は、概略、 C51=10×7×10-3/15 =4.7×10-3(F)=4700(μF) となる。 (2) C51=4700μF、負荷60の等価抵抗R60
=25Ω、交流電源電圧230V、50Hzとして、ラ
インインピーダンスを織り込んでシミュレーション。 L41=6.8mHにて通電終了時点が約9.25ms
(条件a) 電流Imのピーク値は約26.5A (3) L31・C32で決まる固有振動周期を半波時間の
75%(7.5ms)としてシミュレーション。 2×π×(L31・C32)1/2 =7.5×10-3 (L31・C32)=1.425×10-6 ここで、L31/C32=220、すなわち、L31=17.
7×10-3(H)==17.7(mH)、C32=80.
5×10-6(F)=80.5(μF)とすれば、比率I
p/Imは約51%。
【0039】図7は、図5,6に示す特性例に対応する
電流Iaの高調波特性を示すものである。特性線Irは
上記欧州規制値案のピーク値換算を示すものであり、特
性線Iaは図5,6の電流Iaの高調波特性(ピーク値
換算)を示すものである。この図からも、本発明による
電流Iaの高調波特性は欧州規制値案を各高調波におい
て十分クリアしていることが分かる。
【0040】上記の設定方式は、結果として整流器20
の出力電流Iaがほとんど全通電角180°になるもの
とすれば、この期間は概ねVa=Viとなり、並列回路
30および直列回路40の間で相互に影響を及ぼし合う
ことはない、という仮定から逆算的に遡ったものであ
る。このようにして得られた定数を基本として、数値の
微調整、素子の追加などを行えば、高調波のさらなる低
減や、可変負荷への対応も可能である。
【0041】図8は条件(a)の第1の並列回路のみに
よる電流通電終了時点をリアクトル41のインダクタン
スL41の変更により半波期間の約89.5%(〜Q点=
8.95ms)に変更した場合と、約92.5%に変更
した場合とについて、各電流Ia,Im,Ipの推移を
それぞれサフィックスuおよびvを付して示したもので
ある。
【0042】図9は図8の条件における電流Iaの高調
波特性を示したものであり、特性線Irは上記と同様に
欧州規制値案のピーク値換算を示し、特性線Iauおよび
Iavはそれぞれ図8の対応する電流IauおよびIavの高
調波特性(ピーク値換算)を示すものである。この図か
らも、電流Iaの高調波特性は欧州規制値案を各高調波
においてクリアしていることが分かる。
【0043】図10は、条件(b)の振動周期を、イン
ダクタンスL31およびキャパシタンスC32の変更によ
り、約6.4ms(64%)、約9.2ms(92
%)、およびその中間に設定した場合の電流Ia,I
m,Ipの推移を、それぞれサフィックスu,w,vを
付して示したものである。
【0044】図11は図10の条件における電流Iaの
高調波特性を示したものであり、サフィックスu,v,
wの意味は図10に準じている。この場合も電流Iaの
高調波特性は欧州規制値案を各高調波においてクリアし
ていることが分かる。
【0045】図12は条件(c)の電流比率Ip/Im
をインダクタンスL31およびキャパシタンスC32の変更
によりそれぞれ約40%、約70%、およびその中間に
変化させた場合の電流Ia,Im,Ipの推移を、それ
ぞれサフィックスu,w,vを付して示したものであ
る。
【0046】図13は図12の条件における電流Iaの
高調波特性を示したものであり、サフィックスu,v,
wの意味は図12に準じている。この場合も電流Iaの
高調波特性は欧州規制値案を各高調波においてクリアし
ていることが分かる。
【0047】さらに、請求項2に従い、図2に示すよう
に整流器20の交流入力電流回路にリアクトル14を直
列に接続し、あるいは請求項3に従い、図3に示すよう
に整流器20の直流出力端子と第1の並列回路30との
間に、整流器20の直流出力電流回路に直列にリアクト
ル15を接続することにより、高調波低減効果をより向
上させることができ、本発明を広い負荷範囲で良好に適
用することができる。その場合、リアクトルの配置位置
に関し、図2の実施例(整流器20の交流入力側)にし
ても図3の実施例(整流器20の直流出力側)にして
も、特性上の大差はないが、いずれにしても交流電圧ゼ
ロ時点での電流(絶対値)が小さい必要がある。効果と
コストを合わせ考慮して有利な対応を行えばよい。
【0048】なお、電気回路における直列接続素子の相
互位置を入れ替えても回路機能に差異はないので、例え
ば図1のリアクトル41とダイオード42を入れ替えた
り、リアクトル31とコンデンサ32およびダイオード
33とを入れ替えたりしてもよい。
【0049】図4は、請求項5および6に従い、直流電
源装置の負荷としてインバータ装置61、交流電動機6
2、および空気調和機における冷凍サイクル70が示さ
れている。ここではインバータ装置61として、逆並列
ダイオード付きのトランジスタからなるものが図示され
ているが、トランジスタの代わりに他のスイッチング素
子、例えばサイリスタを用いうることはもちろんであ
る。インバータ装置61の出力周波数は空気調和機の空
調負荷に従い制御回路63を介して制御される。交流電
動機62は、コンプレッサモータとして冷凍サイクル7
0中の圧縮機71に内蔵される場合が多い。冷凍サイク
ル70は、圧縮機71、四方弁72、室外熱交換器7
3、キャピラリ74および室内熱交換器75を有する冷
媒循環回路からなっている。室内熱交換器73には室内
への送風のために室内ファン76が付設され、室外熱交
換器75には外気との熱交換のために室外ファン77が
付設されている。四方弁72は冷房運転か暖房運転かに
従って切換えられ、圧縮機71の出力側で冷凍サイクル
70中の冷媒の循環方向を切換える。直流電源装置およ
びインバータ装置61は両者で周波数変換装置を構成す
る。請求項1〜3による直流電源装置はインバータ装置
61および交流電動機63を介して圧縮機71を可変速
駆動するための電源装置として、電源に高調波の悪影響
を与えることのない優れた電源装置となりうるものであ
る。
【0050】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、リ
アクトル入力型の、負荷に並列のコンデンサを有する整
流回路の電流の遅れと電流ピークを第1の並列回路の充
放電電流により補償し改善することができ、従って、自
他の回路に悪影響を及ぼすことがなく、効率的に高調波
を抑制しうる小型の直流電源装置を提供することができ
る。さらに、第1の並列回路のコンデンサに逆並列に接
続されたダイオードがそのコンデンサに対する逆電圧防
止用として作用し、リップル電圧を大きく設定しても逆
電圧が加わるおそれがなくなり、そのコンデンサとして
安価で大容量のものが容易に得られる電解コンデンサの
使用が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明による直流電源装置の一実施例
を示す接続図。
【図2】請求項2の発明による直流電源装置の一実施例
を示す接続図。
【図3】請求項3の発明による直流電源装置の一実施例
を示す接続図。
【図4】請求項4および5による周波数変換装置および
空気調和装置の一実施例を示す接続図。
【図5】図1の装置の動作を説明するための各部電流・
電圧の挙動を半周期分について示す波形図。
【図6】図1の装置における特定の設定例の場合の各部
電流の挙動を示す波形図。
【図7】図6の電流状態に対応する整流器出力電流の高
調波特性図。
【図8】図1の装置において直列回路のリアクトル値調
整による電流通電幅変化の状態を示す各部電流の波形
図。
【図9】図8の各電流状態に対応する整流器出力電流の
高調波特性図。
【図10】図1の装置において第1の並列回路のリアク
トルおよびコンデンサの値調整による振動周期変化を説
明するための各部電流の波形図。
【図11】図10の各電流状態に対応する整流器出力電
流の高調波特性図。
【図12】図1の装置において第1の並列回路の電流の
正のピーク値と直列回路の電流のピーク値との比率変化
を説明するための各部電流の波形図。
【図13】図12の各電流状態に対応する整流器出力電
流の高調波特性図。
【符号の説明】
10 交流電源 11 電源ラインインピーダンス 20 単相全波整流型整流器 30 第1の並列回路 31 リアクトル 32 コンデンサ 33 ダイオード 40 直列回路 41 リアクトル 42 ダイオード 50 第2の並列回路 51 コンデンサ 60 負荷 61 インバータ装置 62 交流電動機 70 冷凍サイクル 71 圧縮機

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ダイオードからなる単相全波整流型整流器
    と、リアクトルおよびコンデンサをを直列接続し、さら
    に前記コンデンサに、前記整流器の出力電圧極性に対し
    逆向きの極性でダイオードを並列に接続してなり、前記
    整流器の直流出力端子間に接続された第1の並列回路
    と、リアクトルおよびダイオードを直列接続してなり前
    記第1の並列回路の負荷側に直流主電流回路に直列に接
    続される直列回路と、コンデンサからなり前記直列回路
    の負荷側に負荷に並列に接続される第2の並列回路とを
    備えた直流電源装置。
  2. 【請求項2】前記整流器の交流入力電流回路にリアクト
    ルが直列に接続されている請求項1に記載の直流電源装
    置。
  3. 【請求項3】前記整流器の直流出力端子と前記第1の並
    列回路との間に、前記整流器の直流出力電流回路に直列
    にリアクトルが接続されている請求項1に記載の直流電
    源装置。
  4. 【請求項4】前記第1の並列回路におけるコンデンサと
    して電解コンデンサが備えられている請求項いし3のい
    ずれかに記載の直流電源装置。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4のいずれかに記載の直流
    電源装置の出力側にインバータ装置が接続されている周
    波数変換装置。
  6. 【請求項6】請求項5に記載のインバータ装置の負荷と
    して、空気調和機における冷凍サイクルの圧縮機を駆動
    する交流電動機が接続されている空気調和装置。
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