JP2003282324A - マイクロデバイス及びその製造方法 - Google Patents

マイクロデバイス及びその製造方法

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JP2003282324A
JP2003282324A JP2002080608A JP2002080608A JP2003282324A JP 2003282324 A JP2003282324 A JP 2003282324A JP 2002080608 A JP2002080608 A JP 2002080608A JP 2002080608 A JP2002080608 A JP 2002080608A JP 2003282324 A JP2003282324 A JP 2003282324A
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thin film
thin
film
magnetic
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Satoshi Uejima
聡史 上島
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TDK Corp
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    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/127Structure or manufacture of heads, e.g. inductive
    • G11B5/17Construction or disposition of windings
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
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    • G11B5/31Structure or manufacture of heads, e.g. inductive using thin films
    • G11B5/3109Details
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Abstract

(57)【要約】 【課題】磁路長を長くすることなく、コイルターン数を
維持したままで、コイル抵抗値を下げ、発熱量を低減で
きるマイクロデバイスを提供する。 【解決手段】第1の薄膜コイル231は軸Xの周りを平
面状に周回する。第2の薄膜コイル232は、その最外
周もしくは最内周を除いて、第1の薄膜コイル231の
コイルターン間に配置され、軸Xの周りを平面状に周回
し、第1及び第2の端子T1、T2により、第1の薄膜
コイル231と電気的に並列に接続されている。無機絶
縁膜251はギャップの内部にあってギャップ幅αを画
定する。ギャップ幅αは、第1及び第2の薄膜コイル2
31、232の周回面と平行な方向で見たコイルターン
のコイル幅βよりも小さい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロデバイス
及びその製造方法に関する。本発明において、マイクロ
デバイスとは、薄膜磁気ヘッド、薄膜インダクタ、半導
体デバイス、薄膜センサ、薄膜アクチュエータまたはこ
れらを組み込んだ装置であって、薄膜コイルを有するも
のをいう。
【0002】
【従来の技術】この種のマイクロデバイスとして、薄膜
磁気ヘッドを例にとると、その内部に備えられる書き込
み素子は、空気ベアリング面(以下ABS面と称する)
の側(前方部と称する)において、第1の磁性層の磁極
端及び第2の磁性層の磁極端を、ギャップ層を介して対
向させ、ABS面とは反対側の後方部において、第1の
磁性層及び第2の磁性層を磁気結合させ、バックギャッ
プを構成する。バックギャップの周りには、第1の磁性
層及び第2の磁性層の膜面に対して平行で、かつ、AB
S面に対してほぼ直交する平面に、バックギャップを周
回する平面状の薄膜コイルが配置されている。
【0003】薄膜コイルは、一般にフレームめっき法に
よって形成される。特公昭56−36706号公報に代
表される従来のフレームめっき法では、フレームめっき
処理の後にレジストフレームを除去し、除去されたレジ
ストフレームの底部幅を、隣接コイルターン間の間隔と
して、そのまま残していた。このため、コイル長が長く
ならざるを得ず、インピーダンス値の低減、及び、高周
波特性の改善に限界を生じていた。
【0004】特開2001−93113号公報は、平面
状のコイル構造から、コイル周回軸を90度変更した垂
直周回構造とし、磁路長の縮小と、渦電流損失の低減と
を可能とし、高周波特性を向上させた薄膜磁気ヘッドを
開示している。
【0005】しかし、この公知文献に記載された技術の
場合も、めっき処理の後に除去されるレジストフレーム
の底部幅を、隣接コイルターン間の間隔として、そのま
ま利用していたので、依然として、従来の問題点が残さ
れたままであった。
【0006】更に、従来の薄膜コイル構造では、磁路長
を一定に維持したままで、出力向上のためにコイルター
ン数を増やすと、コイル導体幅が狭くならざるを得ず、
コイル抵抗値が高くなり、発熱量が増大するという問題
点があった。
【0007】コイル薄膜コイルの幅が狭くなった分を、
コイル導体の厚みを増大させることによって補い、コイ
ル抵抗値の増大を押さえることは可能であるが、この場
合には、薄膜コイルをフレ−ムめっき法で形成するとき
のレジストフレ−ムの厚さを、レジストフレ−ムパター
ンの微細化と共に厚くしてはならず、レジストフレ−ム
パターンの形成が困難になり、薄膜コイルの形成が困難
になる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、磁路
長を長くすることなく、コイルターン数を維持したまま
で、コイル抵抗値を下げ、発熱量を低減できるマイクロ
デバイス、特に、薄膜磁気ヘッド及び薄膜インダクタを
提供することである。
【0009】本発明のもう一つの課題は、ノイズを減少
させ、更に、信号処理回路の設計を容易化するのに適し
たマイクロデバイス、特に、薄膜磁気ヘッド及び薄膜イ
ンダクタを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ため、本発明に係るマイクロデバイスは、第1の薄膜コ
イルと、第2の薄膜コイルと、無機絶縁膜と、第1の端
子と、第2の端子とを含む。
【0011】前記第1の薄膜コイルは、1つの軸の周り
を平面状に周回する。前記第2の薄膜コイルは、前記第
2の薄膜コイルの最外周もしくは最内周を除いて、前記
第1の薄膜コイルの2つのコイルターン間に生じる間隔
内に配置され、前記2つのコイルターンとの間にギャッ
プを有して、前記軸の周りを平面状に周回する。
【0012】前記第1の薄膜コイル及び第2の薄膜コイ
ルは、それぞれの最内周コイル端末が前記第1の端子に
よって電気的に並列に接続され、それぞれの最外周コイ
ル端末が前記第2の端子によって電気的に並列に接続さ
れている。
【0013】前記無機絶縁膜は、前記ギャップの内部に
あってギャップ幅αを画定しており、前記ギャップ幅α
は、前記第1及び第2の薄膜コイルの周回面と平行な方
向で見た前記コイルターンのコイル幅βよりも小さい。
【0014】上述したように、本発明に係るマイクロデ
バイスでは、第1の薄膜コイルは、1つの軸の周りを平
面状に周回しており、第2の薄膜コイルは、その最外周
もしくは最内周を除いて、第1の薄膜コイルのコイルタ
ーン間に配置され、軸の周りを平面状に周回しているか
ら、第1の薄膜コイルの隣接コイルターン間の間隔内
に、第2の薄膜コイルを配置したインサーションコイル
構造を実現することができる。このため、磁路長を長く
することなく、コイルターン数を維持し得る。
【0015】しかも、第1の薄膜コイル及び第2の薄膜
コイルは、それぞれの最内周コイル端末が第1の端子に
よって電気的に並列に接続され、それぞれの最外周コイ
ル端末が第2の端子によって電気的に並列に接続されて
いるから、コイル抵抗値を下げ、発熱量を低減できる。
【0016】また、コイル抵抗値を下げ、発熱量を低減
できるので、ノイズを減少させ、更に、信号処理回路の
設計を容易化することができるようになる。
【0017】前記無機絶縁膜は、前記ギャップの内部に
あってギャップ幅αを画定している。前記ギャップ幅α
は、前記第1及び第2の薄膜コイルの周回面と平行な方
向で見た前記コイルターンのコイル幅βよりも小さい。
ギャップ幅αを画定する無機絶縁膜は、Al23、Si
2、AlNまたはDLC(ダイアモンド.ライク.カ
ーボン)等によって構成される。このような無機絶縁膜
は、スパッタまたはCVD等によって形成し得る。した
がって、これらの薄膜形成技術の限界まで、ギャップ幅
αを微細化し、コイル周回密度を高めることができる。
【0018】原則的には、前記第1の薄膜コイル及び前
記第2の薄膜コイルは、ターン数が同一である。この構
成によれば、第1の薄膜コイル及び第2の薄膜コイルの
電流分担の均一化、起磁力の均一化に資することができ
る。
【0019】好ましくは、ギャップ幅αは、0.01〜
0.05μmの範囲に設定する。このようなギャップ幅
αを持つ無機絶縁膜は、スパッタまたはCVDで、確実
に形成し得る。また、この範囲であれば、薄膜インダク
タや薄膜磁気ヘッドへの適用において、必要な電気絶縁
を確保し得る。
【0020】好ましくは、隣接コイルターン間のギャッ
プ幅α、及び、各コイルターンのコイル幅βは、 (1/300)≦α/β≦(1/5) を満たす。
【0021】上記条件式において、ギャップ幅αを、
0.01〜0.05μmの範囲に設定した場合、各コイ
ルターンのコイル幅βは0.25〜3μmの範囲にな
る。各コイルターンのコイル幅βが、このような範囲に
あれば、本発明の主要な適用例である薄膜インダクタま
たは薄膜磁気ヘッドとしては、十分である。
【0022】本発明において、マイクロデバイスとは、
薄膜磁気ヘッド、薄膜インダクタ、半導体デバイス、薄
膜センサ、薄膜アクチュエータまたはこれらを組み込ん
だ装置を含む。特に好ましい適用例は、薄膜磁気ヘッド
及び薄膜インダクタである。
【0023】薄膜磁気ヘッドへの適用において、本発明
は、書き込み素子の薄膜コイルに適用される。薄膜磁気
ヘッドは読み取り素子を含んでいてもよい。前記読み取
り素子は、巨大磁気抵抗効果素子を含むことができる。
前記巨大磁気抵抗効果素子は、スピンバルブ膜または強
磁性トンネル接合素子の何れかを含むことができる。
【0024】本発明に係る薄膜磁気ヘッドは、勿論、磁
気ヘッド装置及び磁気記録再生装置を実現するのに用い
ることができる。
【0025】薄膜インダクタの場合は、薄膜コイルがそ
のままインダクタンスを生じる線路として用いられる。
薄膜インダクタは、薄膜コイルとともに、薄膜コアを有
していてもよい。
【0026】本発明は、更に、上述したマイクロデバイ
スの製造方法を開示する。本発明に係る製造方法では、
支持体の表面に、第1の薄膜コイルを、第1のコイルタ
ーン間隔を隔てて、スパイラル状に形成する。
【0027】次に、前記第1の薄膜コイルの表面、及
び、前記第1のコイルターン間隔に現れる前記支持体の
表面を、ほぼ均一な膜厚で覆う第1の無機絶縁膜を形成
する。
【0028】次に、前記第1のコイルターン間隔内に、
第2の薄膜コイルの最外周もしくは最内周を除いて、第
2の薄膜コイルを、嵌め込み状態で形成する。
【0029】そして、第1の薄膜コイル両端部と第2の
薄膜コイル両端部に、第1の薄膜コイルと第2の薄膜コ
イルが電気的に並列回路となるように接続すると同時に
取り出し電極へ引き回すための端子を形成する。
【0030】以上の工程を含むことにより、第1の薄膜
コイルの隣接コイルターン間の間隔に、それと電気的に
並列回路をなす、もう一つのコイルターンとなる第2の
薄膜コイルをインサートしたインサーションコイル構造
が実現される。
【0031】本発明の他の目的、構成及び利点について
は、添付図面を参照して、更に詳しく説明する。図面
は、単なる実施例を示すに過ぎない。
【0032】
【発明の実施の形態】1.薄膜インダクタとしてのマイ
クロデバイス 図1は本発明に係るマイクロデバイスの平面図、図2は
図1の2−2線に沿った断面図である。図示実施例は薄
膜インダクタとして具体化されたマイクロデバイスを示
し、第1の薄膜コイル231と、第2の薄膜コイル23
2と、支持体となる絶縁層16と、第1の端子T1と、
第2の端子T2とを含む。
【0033】第1の薄膜コイル231は、絶縁層16の
面に対して垂直となる1つの軸Xの周りを、平面状に周
回する。即ち、スパイラル状である。第1の薄膜コイル
231は絶縁層16の面上に配置されている。第1の薄
膜コイル231は、Cu(銅)などの導電金属材料によ
って構成される。
【0034】第2の薄膜コイル232は、その最外周も
しくは最内周を除いて、第1の薄膜コイル231のコイ
ルターン間に配置され、軸Xの周りを平面状に周回す
る。即ち、第2の薄膜コイル232もスパイラル状であ
る。第2の薄膜コイル232は、第1の薄膜コイル23
1と電気的に並列に接続されている。第2の薄膜コイル
232も、Cu(銅)などの導電金属材料によって構成
される。
【0035】第1の薄膜コイル231及び第2の薄膜コ
イル232の電気的並列接続に当たって、第1及び第2
の薄膜コイル231、232の最内周コイル端末234
A、234Bに第1の端子T1が接続されており、最外
周コイル端末235A、235Bには第2の端子T2が
接続されている。
【0036】第1及び第2の薄膜コイル231、232
のターン数は任意である。但し、原則的には、第1の薄
膜コイル231のターン数と、第2の薄膜コイル232
のターン数とは、同一にする。本明細書において、コイ
ルターンはコイル膜と同義の技術用語として用いる。
【0037】上述したように、本発明に係るマイクロデ
バイスでは、第1の薄膜コイル231は、軸Xの周りを
平面状に周回しており、第2の薄膜コイル232は、そ
の最外周もしくは最内周を除いて、第1の薄膜コイル2
31のコイルターン間に配置され、軸Xの周りを平面状
に周回しているから、第1の薄膜コイル231の隣接コ
イルターン間の間隔内に、第2の薄膜コイル232を配
置したインサーションコイル構造を実現することができ
る。第2のコイル232の最外周もしくは最内周に位置
する部分は、第1のコイル231をフレ−ムめっき法で
形成するときのレジストフレ−ムが存在する部分であ
る。このため、磁路長を長くすることなく、コイルター
ン数を維持し得る。
【0038】しかも、第2の薄膜コイル232は、第1
の薄膜コイル231と電気的に並列に接続されているの
で、コイル抵抗値を下げ、発熱量を低減できる。
【0039】したがって、本発明によれば、磁路長を長
くすることなく、コイルターン数を維持したままで、コ
イル抵抗値を下げ、発熱量を低減できる。
【0040】また、コイル抵抗値を下げ、発熱量を低減
できるので、ノイズを減少させ、更に、信号処理回路の
設計を容易化することができるようになる。
【0041】第1及び第2の薄膜コイル231、232
の周回する平面と平行な方向で見たギャップ幅αは、同
方向で見た各コイルターンのコイル幅βよりも小さくな
っていて、その寸法は、ギャップ内の無機絶縁膜251
の膜厚によって画定されている。無機絶縁膜251は、
Al23、SiO2、AlNまたはDLC等によって構
成される。このような無機絶縁膜251は、スパッタま
たはCVD等によって形成し得る。したがって、これら
の薄膜形成技術の限界まで、ギャップ幅αを微細化し、
コイル周回密度を高めることができる。
【0042】また、第1の薄膜コイル231のターン数
と、第2の薄膜コイル232のターン数とを同一にした
場合は、第1の薄膜コイル231及び第2の薄膜コイル
232の電流分担、起磁力及び発熱の均一化に資するこ
とができる。
【0043】好ましくは、ギャップ幅αは、0.01〜
0.05μmの範囲に設定する。このようなギャップ幅
αを持つ無機絶縁膜251は、薄膜インダクタへの適用
において、必要な電気絶縁を確保し得る。
【0044】好ましくは、隣接コイルターン間のギャッ
プ幅α、及び、各コイルターンのコイル幅βは、 (1/300)≦α/β≦(1/5) を満たす。
【0045】上記条件式において、ギャップ幅αを、
0.01〜0.05μmの範囲に設定した場合、各コイ
ルターンのコイル幅βは0.25〜3μmの範囲にな
る。各コイルターンのコイル幅βが、このような範囲に
あれば、本発明の適用例である薄膜インダクタとして
は、十分である。
【0046】図3は本発明に係るマイクロデバイスの更
に別の実施例を示す斜視図、図4は図3の4−4線に沿
った断面図である。図において、図1及び図2に現れた
構成部分と同一の構成部分については、同一の参照符号
を付し、重複説明は省略する。
【0047】図示実施例の特徴は、第1の磁性層21及
び第2の磁性層22を含んでいることである。第1の磁
性層21は、第1の薄膜コイル231の下側において、
絶縁層16によって支持されている。支持層となる絶縁
層16は、例えば、Al23、SiO2、AlNまたは
DLC等の無機絶縁材料によって構成される。
【0048】第2の磁性層22は、第1及び第2の薄膜
コイル231、232の上側に配置され、両端が第1の
磁性層231と磁気的に結合され、それぞれ、磁気的結
合部212、211を構成する。これにより、第1及び
第2の磁性層21、22による閉磁路が形成される。即
ち、第1及び第2の磁性層21、22は閉磁路の薄膜コ
アを構成する。
【0049】第1及び第2の磁性層21、22は、例え
ば、NiFe、CoFe、FeNまたはFeZrN等の
磁性材料を用いて構成することができる。第1及び第2
の磁性層21、22のそれぞれは単層構造であってもよ
いし、多層構造であってもよい。第1及び第2の磁性層
21、22の各膜厚は、例えば、0.25〜3μmの範
囲に設定される。このような第1及び第2の磁性層2
1、22はフレームめっき法によって形成できる。
【0050】第1及び第2の薄膜コイル231、232
は、第1及び第2の磁性層21、22の磁気的結合部2
12の周りを周回している。
【0051】更に、図示実施例では、第1及び第2の薄
膜コイル231、232は、無機絶縁膜252を介し
て、第1の磁性層21及び第2の磁性層22と隣接す
る。無機絶縁膜252の材料組成、形成方法及び膜厚等
は、隣接コイルターン間のギャップ幅αを埋める無機絶
縁膜251と同じであるので、説明は省略する。
【0052】更に、図1〜図4において、第1及び第2
の薄膜コイル231、232の組み合わせは1つだけで
あるが、図5に示すように、第1及び第2の薄膜コイル
231、232の組み合わせは、複数組23A、23B
であってもよい。複数の第1及び第2の薄膜コイル23
1、232を有する場合は、各組23A、23Bを個々
に独立させてもよいし、直列(図示実施例)もしくは並
列または直並列等、任意の接続構造を採用することがで
きる。更に、薄膜インダクタは、それ自体として、完結
した電子部品の形態であってもよいし、集積回路等にお
いて、その一部を構成する要素であってもよい。
【0053】2.薄膜磁気ヘッドとしてのマイクロデバ
イス 図6は薄膜磁気ヘッドの斜視図、図7は図6に示した薄
膜磁気ヘッドの断面図、図8は図6、図7に示した薄膜
磁気ヘッドのコイル構造を示す斜視図である。図示され
た薄膜磁気ヘッドは、スライダ1と、書き込み素子2
と、読み取り素子3とを含む。
【0054】スライダ1は、媒体対向面側にレール1
1、12を有し、レール11、12の表面がABS面1
3、14として利用される。レール11、12は2本に
限らない。1〜3本のレールを有することがあり、レー
ルを持たない平面となることもある。また、浮上特性改
善等のために、媒体対向面に種々の幾何学的形状が付さ
れることもある。何れのタイプのスライダ1であって
も、本発明の適用が可能である。また、スライダ1は、
レールの表面に、例えば3〜8nm程度の層厚を有する
DLC等の保護層を備えることもあり、このような場合
は保護層の表面がABS13、14となる。スライダ1
は、Al23−TiC等でなる基体15の表面に、Al
23、SiO2等の絶縁層16を設けたセラミック構造
体である。
【0055】書き込み素子2は誘導型磁気変換素子であ
り、読み取り素子3はMR素子である。書き込み素子2
及び読み取り素子3は、空気の流れ方向F1で見て、レ
ール11、12の一方または両者の空気流出端(トレー
リング.エッジ)TRの側に備えられている。書き込み
素子2及び読み取り素子3は、スライダ1に備えられ、
電磁変換のための端部がABS13、14と近接した位
置にある。空気流出端TRの側にある側面には、書き込
み素子2に接続された取り出し電極27、28、及び、
読み取り素子3に接続された取り出し電極29、30が
それぞれ設けられている。
【0056】書き込み素子2は、読み取り素子3に対す
る第2のシールド層を兼ねている第1の磁性層21と、
第2の磁性層22と、第1及び第2の薄膜コイル23
1、232と、アルミナ等でなるギャップ層24、無機
絶縁膜251、252と、保護層26とを有している。
第2のシールド層は、第1の磁性層21から独立して備
えられていてもよい。
【0057】第1の磁性層21は、第1の薄膜コイル2
31の下側において、絶縁層16によって支持されてい
る。支持層となる絶縁層16は、例えば、Al23、S
iO 2、AlNまたはDLC等の無機絶縁材料によって
構成される。
【0058】第1及び第2の磁性層21、22は、例え
ば、NiFe、CoFe、FeNまたはFeZrN等の
磁性材料を用いて構成することができる。第1及び第2
の磁性層21、22のそれぞれは単層構造であってもよ
いし、多層構造であってもよい。第1及び第2の磁性層
21、22の各膜厚は、例えば、0.25〜3μmの範
囲に設定される。このような第1及び第2の磁性層2
1、22はフレームめっき法によって形成できる。
【0059】第1の磁性層21及び第2の磁性層22の
先端部は、微小厚みのギャップ層24を隔てて対向する
ポール端211となっており、ポール端211において
書き込みを行なう。本発明においては、これまで提案さ
れた何れのポール構造も採用できる。ギャップ層24
は、非磁性金属層またはアルミナ等の無機絶縁層によっ
て構成される。
【0060】第2の磁性層22は、更に、第1の磁性層
21との間にインナーギャップを保って、ABS13、
14の後方に延び、バックギャップ層212において第
2の磁性層22に結合されている。これにより、第1の
磁性層21、第2の磁性層22及びギャップ層24を巡
る薄膜磁気回路が完結する。
【0061】第1及び第2の薄膜コイル231、232
は、第1及び第2の磁性層21、22の磁気的結合部2
12の周りを周回している。第1の薄膜コイル231
は、スパイラル状であって、絶縁層16の面上に配置さ
れ、絶縁層16の面に対して垂直となる1つの軸Xの周
りを平面状に周回する。第1の薄膜コイル231は、C
u(銅)などの導電金属材料によって構成される。
【0062】第2の薄膜コイル232もスパイラル状で
あって、第1の薄膜コイル231のコイルターン間に配
置され、軸Xの周りを平面状に周回する。第2の薄膜コ
イル232は、第1の薄膜コイル231と電気的に並列
に接続されている。第2の薄膜コイル232も、Cu
(銅)などの導電金属材料によって構成される。
【0063】第1の薄膜コイル231及び第2の薄膜コ
イル232の電気的並列接続に当って、第1及び第2の
薄膜コイル231、232の最内周コイル端末234
A、234Bに第1の端子T1が接続されており、最外
周コイル端末235A、235Bには第2の端子T2が
接続されている(図8参照)。第1及び第2の薄膜コイ
ル231、232のターン数は任意である。但し、原則
的には、第1の薄膜コイル231のターン数と、第2の
薄膜コイル232のターン数とは、同一にする。
【0064】上述したように、本発明に係る薄膜磁気ヘ
ッドでは、第1の薄膜コイル231は、軸Xの周りを平
面状に周回し、第2の薄膜コイル232は第1の薄膜コ
イル231のコイルターン間に配置され、軸Xの周りを
平面状に周回するから、第1の薄膜コイル231の隣接
コイルターン間の間隔内に、第2の薄膜コイル232を
配置したインサーションコイル構造を実現することがで
きる。このため、磁路長を長くすることなく、コイルタ
ーン数を維持し得る。
【0065】しかも、第2の薄膜コイル232は、第1
の薄膜コイル231と電気的に並列に接続されているの
で、コイル抵抗値を下げ、発熱量を低減できる。
【0066】また、コイル抵抗値を下げ、発熱量を低減
できるので、ノイズを減少させ、更に、信号処理回路の
設計を容易化することができるようになる。
【0067】第1及び第2の薄膜コイル231、232
の周回する平面と平行な方向で見たギャップ幅αは、同
方向で見た各コイルターンのコイル幅βよりも小さくな
っていて、その寸法は、ギャップ内の無機絶縁膜251
の膜厚によって画定されている。無機絶縁膜251は、
Al23、SiO2、AlNまたはDLC等によって構
成される。このような無機絶縁膜251は、スパッタま
たはCVD等によって形成し得る。したがって、これら
の薄膜形成技術の限界まで、ギャップ幅αを微細化し、
コイル周回密度を高めることができる。
【0068】第1の薄膜コイル231のターン数と、第
2の薄膜コイル232のターン数とを同一にした場合
は、第1の薄膜コイル231及び第2の薄膜コイル23
2の電流分担、起磁力及び発熱の均一化に資することが
できる。
【0069】好ましくは、ギャップ幅αは、0.01〜
0.05μmの範囲に設定する。このようなギャップ幅
αを持つ無機絶縁膜251は、薄膜磁気ヘッドへの適用
において、必要な電気絶縁を確保し得る。
【0070】好ましくは、隣接コイルターン間のギャッ
プ幅α、及び、各コイルターンのコイル幅βは、 (1/300)≦α/β≦(1/5) を満たす。
【0071】上記条件式において、ギャップ幅αを、
0.01〜0.05μmの範囲に設定した場合、各コイ
ルターンのコイル幅βは0.25〜3μmの範囲にな
る。各コイルターンのコイル幅βが、このような範囲に
あれば、本発明の適用例である薄膜磁気ヘッドとして
は、十分である。
【0072】更に、図示実施例では、第1及び第2の薄
膜コイル231、232は、無機絶縁膜252を介し
て、第1の磁性層21及び第2の磁性層22と隣接す
る。無機絶縁膜252の材料組成、形成方法及び膜厚等
は、隣接コイルターン間のギャップ幅αを画定する無機
絶縁膜251と同じであるので、説明は省略する。
【0073】保護層26は、書き込み素子2の全体を覆
っている。保護層26は、Al23またはSiO2等の
無機絶縁材料で構成されている。
【0074】読み取り素子3の付近には、第1のシール
ド層31と、絶縁層32と、絶縁層33と、第1の磁性
層21として兼用される第2のシールド層21とが備え
られている。第1のシールド層31は、パーマロイ等に
よって構成される。読み取り素子3は、第1のシールド
層31及び第2のシールド層21の間に配置されてい
る。読み取り素子3は、端面がABS13、14に臨ん
でいる。
【0075】読み取り素子3は、巨大磁気抵抗効果素子
(GMR素子)を含む。GMR素子は、スピンバルブ膜
または強磁性トンネル接合素子の何れかによって構成す
ることができる。
【0076】3.マイクロデバイスの製造方法 図9〜図21は本発明に係るマイクロデバイスの製造方
法を説明する図である。実施例では、図6〜図8に示し
た薄膜磁気ヘッドとしてのマイクロデバイスについて、
その製造方法を説明するが、図1〜図5に示した薄膜イ
ンダクタも、この製造方法に準じて製造し得る。
【0077】図9〜図21に示すマイクロデバイスの製
造方法は、全て、図9に示すウエハ100の上で実行さ
れる。ウエハ100の一面上には、読み取り素子製造プ
ロセスを完了した薄膜磁気ヘッド要素Q11〜Qnmが
整列されているものとし、薄膜磁気ヘッド要素Q11〜
Qnmから抽出された一つの薄膜磁気ヘッド要素につい
て、その製造方法を説明する。
【0078】まず、図10に示すように、読み取り素子
3を埋設した絶縁層32、33の表面に第1の磁性層2
1を形成する。第1の磁性層21は、NiFe、CoF
e、FeNまたはFeZrN等の磁性材料を用い、膜厚
0.25〜3μmの範囲となるように形成することが好
ましい。また、第1の磁性層21は、フレームめっき法
等によって形成することができる。
【0079】次に、図11に示すように、第1の磁性層
21の上に、磁極端部層211及びバックギャップ層2
12を形成する。磁極端部層211及びバックギャップ
層212は、NiFe、CoFe、FeNまたはFeZ
rN等の磁性材料を用い、膜厚0.25〜3μmの範囲
となるように、フレームめっき法等によって形成するこ
とができる。
【0080】次に、図12に示すように、無機絶縁膜2
52を形成する。無機絶縁膜252は、第1の磁性層2
1、磁極端部層211及びバックギャップ層212を覆
う。無機絶縁膜252は、Al23、SiO2、AlN
またはDLC等によって構成される。無機絶縁膜252
は、スパッタまたはCVD等のドライ薄膜形成法によっ
て形成することができる。無機絶縁膜252の膜厚は、
0.01〜0.05μmの範囲とすることが好ましい。
【0081】次に、図13に示すように、無機絶縁膜2
52の表面に、第1の薄膜コイル231を形成する。第
1の薄膜コイル231は、例えば、Cu(銅)などの導
電金属材料によって構成され、フレームめっき法の適用
によって形成される。したがって、第1の薄膜コイル2
31のコイルターン間に生じる間隔Aは、ほぼ、レジス
トフレームの底部幅に相当する。フレームめっき法を適
用する場合は、事前に、無機絶縁膜252の表面にシー
ド層を形成しておく。これは、フレームめっき法におけ
る常套手段である。
【0082】第1の薄膜コイル231は、幅βが0.2
5〜3μmの範囲となるように形成する。第1の薄膜コ
イル231の膜厚は、厚い方が好ましいが、フレ−ムめ
っき法により形成した場合、コイル幅βの2倍程度が形
成可能である。
【0083】次に、図14に示すように、隣接する第1
の薄膜コイル231−231間に存在する無機絶縁膜2
52を除去する。無機絶縁膜252の除去に当たって
は、第1の薄膜コイル231をマスクにし、ミリングま
たはリアクティブ.イオン.エッチング(以下RIEと
称する)等のドライエッチング法を実行する。
【0084】次に、図15に示すように、第1の薄膜コ
イル231の表面、及び、第1の薄膜コイル231−2
31間に現れる第1の磁性層21の表面を、ほぼ均一な
膜厚で覆う無機絶縁膜251を形成する。無機絶縁膜2
51は、無機絶縁膜252と同様に、Al23、SiO
2、AlNまたはDLC等によって構成される。無機絶
縁膜252はスパッタまたはCVD等のドライ薄膜形成
法によって形成することができる。無機絶縁膜252の
膜厚は0.01〜0.05μmの範囲とすることが好ま
しい。
【0085】次に、図16に示すように、第2の薄膜コ
イル232を形成する。第2の薄膜コイル232はフレ
ームめっき法によって形成する。第2の薄膜コイル23
2は、最内周を除いて、第1の薄膜コイル231の間に
存在する隣接コイルターン間隔Aを埋めるように、嵌め
込み状態で成膜される。
【0086】次に、図17に示すように、平坦化に供さ
れる無機絶縁膜253を形成する。無機絶縁膜253
は、第1の薄膜コイル231、第2の薄膜コイル23
2、磁極端部211及びバックギャップ212の全体を
覆って形成する。無機絶縁膜253は、Al23、Si
2等によって構成される。無機絶縁膜253はスパッ
タまたはCVD等のドライ薄膜形成法によって形成する
ことができる。
【0087】次に、図18に示すように、無機絶縁膜2
53を、CMPなどにより平坦化する。無機絶縁膜25
3は、磁極端部層211と第1の薄膜コイル231の間
に残存し、磁極端部層211からバックギャップ層21
2が平坦化される。
【0088】次に、図19に示すように、ギャップ層2
4を形成する。ギャップ層24は、平坦化された無機絶
縁膜253、第1及び第2の導体膜231、232の上
面に設けられる。ギャップ層24は、スパッタまたはC
VD等のドライ薄膜形成法によって形成することができ
る。ギャップ層24は、Al23、SiO2、AlNま
たはDLC等によって構成される。ギャップ層24の膜
厚は、0.01〜0.05μmの範囲とすることが好ま
しい。
【0089】図示はしていないが、第1の薄膜コイル2
31、第2の薄膜コイル232、磁極端部211及びバ
ックギャップ212の全体を覆うギャップ層24を形成
した後、バックギャップ層212上と、第1及び第2の
薄膜コイル231、232の最内周コイル端末234A
上、234B上、最外周コイル端末235A上、235
B上、のギャップ層24を除去する。ギャップ層24の
除去に当たっては、レジストパターンをマスクにして、
バックギャップ層212上のギャップ層24をミリング
またはRIE等のドライエッチング法を実行する。そし
て、溶剤剥離、アッシングなどによりレジストマスクを
除去する。そして、フレ−ムめっき法などにより、第1
及び第2の薄膜コイル231、232の最内周コイル端
末234A上、234B上にまたがるように第1の端子
T1を形成し、最外周コイル端末235A上、235B
上にまたがるように第2の端子T2を形成し、第1及び
第2の薄膜コイル231、232を電気的に並列回路と
する。第1の端子T1、T2は、例えば、Cu(銅)等
の導電金属材料によって構成される。また、第1の端子
T1、T2は、バンプ層を介して取り出し電極27、2
8に接続される。
【0090】次に、図20に示すように、第2の磁性層
22が形成される。第2の磁性層22は、フレームめっ
き法等によって形成する。第2の磁性層22は、NiF
e、CoFeNi、CoFe、FeN、FeZrN等に
より構成される。第2の磁性層22の膜厚は、0.25
〜3μmの範囲とすることが好ましい。第2の磁性層2
2は、ギャップ層24によって支持され、バックギャッ
プ層212で磁気的に結合されている。これにより、第
1の磁性層21、第2の磁性層22及びギャップ層24
を巡る薄膜磁気回路が完成する。第2の磁性層22は、
単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。
【0091】次に、図21に示すように、保護層26を
形成する。保護層26は、スパッタなどにより成膜さ
れ、CMPなどにより平坦化される。保護層26は、A
23、SiO2等により構成される。
【0092】上述した工程を経ることにより、図6〜図
8に示した構造を有する薄膜磁気ヘッド要素が、ウエハ
(図9参照)上に形成される。その他、電極取り出し配
線、バンプ層、バンプ保護層などは別途作成する。説明
は省略するが、図1〜図5に示した薄膜インダクタ等の
他のマイクロデバイスも、同様の工程を経て製造でき
る。
【0093】4.薄膜磁気ヘッドを用いた磁気ヘッド装
置及び磁気記録再生装置 本発明は、更に、磁気ヘッド装置及び磁気記録再生装置
についても開示する。まず、図22は本発明に係る磁気
ヘッド装置の一部を示す正面図、図23は図22に示し
た磁気ヘッド装置の底面図である。磁気ヘッド装置は、
薄膜磁気ヘッド4と、ヘッド支持装置5とを含んでい
る。薄膜磁気ヘッド4は、図6〜図8を参照して説明し
た本発明に係る薄膜磁気ヘッドである。
【0094】ヘッド支持装置5は、金属薄板でなる支持
体53の長手方向の一端にある自由端に、同じく金属薄
板でなる可撓体51を取付け、この可撓体51の下面に
薄膜磁気ヘッド4を取付けた構造となっている。
【0095】可撓体51は、支持体53の長手方向軸線
と略平行して伸びる2つの外側枠部55、56と、支持
体53から離れた端において外側枠部55、56を連結
する横枠54と、横枠54の略中央部から外側枠部5
5、56に略平行するように延びていて先端を自由端と
した舌状片52とを有する。
【0096】舌状片52のほぼ中央部には、支持体53
から隆起した、例えば半球状の荷重用突起57が設けら
れている。この荷重用突起57により、支持体53の自
由端から舌状片52へ荷重力が伝えられる。
【0097】舌状片52の下面に薄膜磁気ヘッド4を接
着等の手段によって取付けてある。薄膜磁気ヘッド4
は、空気流出側端側が横枠54の方向になるように、舌
状片52に取付けられている。本発明に適用可能なヘッ
ド支持装置5は、上記実施例に限らない。
【0098】図24は本発明に係る磁気記録再生装置の
平面図である。図示された磁気記録再生装置は、磁気ヘ
ッド装置6と、磁気ディスク7とを含む。磁気ヘッド装
置6は図22、図23に図示したものである。磁気ヘッ
ド装置6は、ヘッド支持装置5の一端がアーム9の一端
に結合され、アーム9の他端がボイスコイル等を含む位
置決め装置8によって支持され、かつ、駆動される。薄
膜磁気ヘッド4は、ヘッド支持装置5の自由端側におい
て、ヘッド支持装置5によって支持され、磁気ディスク
7の磁気記録面と対向するように配置される。
【0099】磁気ディスク7が、図示しない駆動装置に
より、矢印F1の方向に回転駆動されると、薄膜磁気ヘ
ッド4が、微小浮上量で、磁気ディスク7の面から浮上
する。ヘッド支持装置5の先端部に取り付けられた薄膜
磁気ヘッド4は、磁気ディスク7の径方向に駆動され
る。そして、ヘッド支持装置5を駆動する位置決め装置
8により、薄膜磁気ヘッド4が、磁気ディスク7上の所
定のトラック位置に位置決めされ、磁気記録の読み出
し、書き込みが行われる。
【0100】以上、好ましい実施例を参照して本発明の
内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及
び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を
採り得ることは自明である。
【0101】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、次
のような効果を得ることができる。 (a)磁路長を長くすることなく、コイルターン数を維
持したままで、コイル抵抗値を下げ、発熱量を低減でき
るマイクロデバイス、特に、薄膜磁気ヘッド及び薄膜イ
ンダクタを提供することができる。 (b)ノイズを減少させ、更に、信号処理回路の設計を
容易化するのに適したマイクロデバイス、特に、薄膜磁
気ヘッド及び薄膜インダクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るマイクロデバイスの平面図であ
る。
【図2】図1の2−2線に沿った断面図である。
【図3】本発明に係るマイクロデバイスの更に別の実施
例を示す斜視図である。
【図4】図3の4−4線に沿った断面図である。
【図5】本発明に係るマイクロデバイスの更に別の実施
例を示す図である。
【図6】本発明に係る薄膜磁気ヘッドの斜視図である。
【図7】図6に示した薄膜磁気ヘッドの断面図である。
【図8】図6、図7に示した薄膜磁気ヘッドのコイル構
造を示す斜視図である。
【図9】本発明に係る製造方法が実行されるウエハの斜
視図である。
【図10】図9に示したウエハ上で見た薄膜磁気ヘッド
要素の1つを示す断面図である。
【図11】図10に示した工程の後の工程を示す図であ
る。
【図12】図11に示した工程の後の工程を示す図であ
る。
【図13】図12に示した工程の後の工程を示す図であ
る。
【図14】図13に示した工程の後の工程を示す図であ
る。
【図15】図14に示した工程の後の工程を示す図であ
る。
【図16】図15に示した工程の後の工程を示す図であ
る。
【図17】図16に示した工程の後の工程を示す図であ
る。
【図18】図17に示した工程の後の工程を示す図であ
る。
【図19】図18に示した工程の後の工程を示す図であ
る。
【図20】図19に示した工程の後の工程を示す図であ
る。
【図21】図20に示した工程の後の工程を示す図であ
る。
【図22】本発明に係る磁気ヘッド装置の一部を示す正
面図である。
【図23】図22に示した磁気ヘッド装置の底面図であ
る。
【図24】本発明に係る磁気記録再生装置の平面図であ
る。
【符号の説明】
231 第1の薄膜コイル 232 第2の薄膜コイル 251 無機絶縁膜 α ギャップ幅 β コイルターンのコイル幅

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の薄膜コイルと、第2の薄膜コイル
    と、無機絶縁膜と、第1の端子と、第2の端子とを含む
    マイクロデバイスであって、 前記第1の薄膜コイルは、1つの軸の周りを平面状に周
    回し、 前記第2の薄膜コイルは、前記第2の薄膜コイルの最外
    周もしくは最内周を除いて、前記第1の薄膜コイルの2
    つのコイルターン間に生じる間隔内に配置され、前記2
    つのコイルターンとの間にギャップを有して、前記軸の
    周りを平面状に周回し、 前記第1の薄膜コイル及び第2の薄膜コイルは、それぞ
    れの最内周コイル端末が前記第1の端子によって電気的
    に並列に接続され、それぞれの最外周コイル端末が前記
    第2の端子によって電気的に並列に接続されており、 前記無機絶縁膜は、前記ギャップの内部にあってギャッ
    プ幅αを画定しており、 前記ギャップ幅αは、前記第1及び第2の薄膜コイルの
    周回面と平行な方向で見た前記コイルターンのコイル幅
    βよりも小さいマイクロデバイス。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されたマイクロデバイス
    であって、 前記第1の薄膜コイル及び前記第2の薄膜コイルは、タ
    ーン数が同一であるマイクロデバイス。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載されたマイクロデ
    バイスであって、 前記ギャップ幅αは、0.01〜0.05μmの範囲に
    あるマイクロデバイス。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の何れかに記載されたマ
    イクロデバイスであって、 (1/300)≦α/β≦(1/5) を満たすマイクロデバイス。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4の何れかに記載されたマ
    イクロデバイスであって、 更に、第1の磁性層及び第2の磁性層を含んでおり、 前記第1の磁性層は、前記第1及び第2の薄膜コイルの
    下側に配置されており、 前記第2の磁性層は、前記第1及び第2の薄膜コイルの
    上側に配置され、前記第1の磁性層と磁気的に結合され
    ており、 前記薄膜コイルは、前記第1及び第2の磁性層の磁気的
    結合部の周りを周回するマイクロデバイス。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載されたマイクロデバイス
    であって、前記第1及び第2の薄膜コイルは、第2の無
    機絶縁膜を介して、前記第1の磁性層及び前記第2の磁
    性層と隣接するマイクロデバイス。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載されたマイクロデバイス
    であって、前記第2の無機絶縁膜は、膜厚が0.01〜
    0.05μmの範囲にあるマイクロデバイス。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7の何れかに記載されたマ
    イクロデバイスであって、薄膜インダクタであるマイク
    ロデバイス。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至7の何れかに記載されたマ
    イクロデバイスであって、薄膜磁気ヘッドであるマイク
    ロデバイス。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載されたマイクロデバイ
    スであって、更に、読み取り素子を含んでおり、前記読
    み取り素子は、巨大磁気抵抗効果素子を含むマイクロデ
    バイス。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載されたマイクロデバ
    イスであって、前記巨大磁気抵抗効果素子は、スピンバ
    ルブ膜または強磁性トンネル接合の何れかを含むマイク
    ロデバイス。
  12. 【請求項12】 薄膜磁気ヘッドと、ヘッド支持装置と
    を含む磁気ヘッド装置であって、 前記薄膜磁気ヘッドは、請求項9乃至11の何れかに記
    載されたものでなり、前記ヘッド支持装置は、前記薄膜
    磁気ヘッドを支持する磁気ヘッド装置。
  13. 【請求項13】 磁気ヘッド装置と、磁気記録媒体とを
    含む磁気記録再生装置であって、 前記磁気ヘッド装置は、請求項12に記載されたもので
    なり、 前記磁気記録媒体は、前記薄膜磁気ヘッドと協働して磁
    気記録再生を行う磁気記録再生装置。
  14. 【請求項14】 第1の薄膜コイルと、第2の薄膜コイ
    ルと、無機絶縁膜を含むマイクロデバイスの製造方法で
    あって、 支持体の表面に、第1の薄膜コイルを、第1のコイルタ
    ーン間隔を隔てて、スパイラル状に形成し、 次に、前記第1の薄膜コイルの表面、及び、前記第1の
    コイルターン間隔に現れる前記支持体の表面を、ほぼ均
    一な膜厚で覆う第1の無機絶縁膜を形成し、 次に、前記第1のコイルターン間隔内に、第2の薄膜コ
    イルの最外周もしくは最内周を除いて、第2の薄膜コイ
    ルを、嵌め込み状態で形成し、 次に、第1の薄膜コイル両端部と第2の薄膜コイル両端
    部に、第1の薄膜コイルと第2の薄膜コイルが電気的に
    並列回路になるように接続すると同時に、取り出し電極
    へ引き回すための端子を形成する工程を含むマイクロデ
    バイスの製造方法。
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