JP2003282140A - 非水系二次電池 - Google Patents
非水系二次電池Info
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Abstract
平形状非水系二次電池を提供する。 【解決手段】扁平形状でありエネルギー容量が30Wh以
上、体積エネルギー密度が180Wh/l以上であり、正極活
物質が式(1)と(2)の混合物であり LixMn2-yMAyO4+z (1) [MAは、Mg、Al、Cr、Fe、Co及びNi] LiaNibMBcO2 (2) [MBは、Co、Al及びMn] 負極活物質が黒鉛系粒子の表面を非晶質炭素層で被覆し
た二重構造黒鉛粒子と黒鉛化メソカーボンマイクロビー
ズとの混合物であり、満充電時にLiを活物質1g当り200
mAh〜255mAh吸蔵し、非水系電解質がエチレンカーボネ
ート:ECとエチルメチルカーボネート:EMCとジエチルカ
ーボネート:DEC:との混合溶媒を含み、EMCとDECの体積
が全溶媒体積の50〜90%であり、DECの体積が全溶媒体積
の10〜40%である非水系二次電池。
Description
関する。
効利用および地球環境保全の観点から、深夜電力貯蔵お
よび太陽光発電の電力貯蔵を目的とした家庭用分散型蓄
電システム、電気自動車のための蓄電システムなどが注
目を集めている。例えば、特開平6-86463号公報は、エ
ネルギー需要者に最適条件でエネルギーを供給できるシ
ステムとして、発電所から供給される電気、ガスコージ
ェネレーション、燃料電池、蓄電池などを組み合わせた
トータルシステムを開示している。このような蓄電シス
テムでは、エネルギー容量が10Wh以下の携帯機器用小型
二次電池は使用できず、容量の大きな大型二次電池が必
要とされる。このため、上記の蓄電システムでは、通
常、複数の二次電池を直列に接続し、電圧50〜400V程度
の組電池として用いている。また、殆どのシステムにお
いて、鉛電池を用いている。
は、小型化および高容量化という相反するニーズに応え
るべく、ニッケル水素電池、リチウム二次電池などの開
発が急速に進んでいる。現在、180Wh/l以上の体積エネ
ルギー密度を有する電池が、市販されている。特に、リ
チウムイオン電池は、350Wh/lを超える体積エネルギー
密度を達成する可能性を有すること;金属リチウムを負
極に用いるリチウム二次電池に比べて、安全性、サイク
ル特性などの信頼性に優れることなどから、その市場は
飛躍的に拡大しつつある。
として、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケ
ル複合酸化物、リチウムマンガン複合酸化物などの4Vを
超える起電力を有する材料が用いられている。これらの
中でも、電池特性に優れ、かつ合成も容易なリチウムコ
バルト複合酸化物が、現在最も多量に用いられている。
可採埋蔵量が少なく、かつ高価であるので、従来から、
その代替物質としてリチウムニッケル複合酸化物の使用
が検討されている。リチウムニッケル複合酸化物は、リ
チウムコバルト複合酸化物と同様に層状岩塩構造を有
し、200mAh/gを超える高容量材料である。
物は、充電時に生成するNi4+が化学的に不安定であるこ
と、リチウムが構造中から多量に引き抜かれた高充電状
態でのリチウムニッケル複合酸化物の構造が不安定であ
ることなどに起因して、結晶格子からの酸素脱離開始温
度が低いという問題点を有している。例えば、SolidSta
te Ionics,69,No.3/4,265(1994)には、“充電状態のリ
チウムニッケル複合酸化物の酸素脱離開始温度は、従来
のリチウムコバルト酸化物に比べて低い”ことが報告さ
れている。
合酸化物を単独で正極活物質に用いた電池は、高容量が
得られるが、高充電状態での熱安定性に問題があり、電
池としての安全性が十分に確保できていないので、現在
まで実用化されていない。
ピネル型の結晶構造を有するので、層状岩塩構造を有す
るリチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケル複合
酸化物などとは、構造的に異なる。この構造の相違に起
因して、リチウムマンガン複合酸化物の高充電状態での
酸素脱離開始温度は、リチウムコバルト複合酸化物およ
びリチウムニッケル複合酸化物に比べて、高い。即ち、
リチウムマンガン複合酸化物は、安全性の高い正極活物
質である。
物を正極に用いたリチウム二次電池は、充放電を繰り返
すことによって徐々に容量が低下していく所謂「容量劣
化」を引き起こす。このため、その実用化は困難であっ
た。
開昭57-208079号公報および特開昭63-24555号公報は、
可撓性に優れ、かつ充放電サイクル時にリチウムが樹枝
状に析出する恐れのない材料として、黒鉛を開示してい
る。天然黒鉛、人造黒鉛、酸処理により不純物を低減し
た黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ、黒鉛化炭素繊維
などの黒鉛系材料は、独特の層構造に基づいて層間化合
物を形成するという性質を有している。現在、この性質
を利用して、これらの黒鉛系材料は、二次電池用電極材
料として、実用化されている。
されている。例えば、特開昭63-24555号公報は、電解液
の分解を抑制するために、炭化水素を気相で熱分解して
得られる乱層構造と選択配向性とを有する種々の炭素材
料を開示している。
び低結晶性材料は、それぞれ長所と短所とを持ち合わせ
ている。
負極材料として使用する場合には、理論的にはリチウム
の吸蔵・放出に伴う電位の変化が小さくなり、電池とし
て利用できる容量が大きくなることが知られている。
るとともに、電解液の分解に伴うものと思われる充放電
効率の低下が生じ、さらに充放電の繰り返しに伴う結晶
の膨張/収縮により、炭素材料が破壊されるに至る。
極として使用する場合には、充放電に関連する問題点は
あまり生じないが、リチウムイオンの吸蔵/放出に伴う
電位の変化が大きくなるので、電池として利用できる容
量が小さくなり、高容量電池の作製が困難となる。
素粒子に結晶性の低い炭素を被覆した二重構造を形成さ
せることにより、充放電の繰り返しによる炭素材料の破
壊を防止できることを開示している。すなわち、この方
法で調製した二重構造の炭素材料を活物質として用いる
場合には、理論的には電解液の分解を防止して、電位の
平滑性に優れた高容量の電極を得ることができる。ま
た、この炭素材料は、安価であるという利点をも有して
いる。
負極材料として用いる電池は、高容量ではあるが、サイ
クル経過による劣化が大きい。また、この材料粉体は、
非常に嵩高いので、集電体である銅箔との接着性を高め
るためには、負極構成材料中に占めるバインダーを多量
に(10重量%以上)使用する必要がある。
用大型電池の分野においても、高エネルギー密度電池の
一つの有力な選択肢として、リチウムイオン電池の開発
が、リチウム電池電力貯蔵技術研究組合(LIEBES)など
により精力的に進められている。
ギー容量は、100〜400Wh程度であり、体積エネルギー密
度は、200〜400Wh/lと携帯機器用小型二次電池と同等の
レベルに達している。その寸法および形状は、直径50〜
70mm×長さ250〜450mm程度の円筒形、厚さ35〜50mm程度
の角形或いは長円角形などの扁平角柱形が代表的なもの
である。
ン電池においては、高エネルギー密度は得られるもの
の、その電池設計が携帯機器用小型電池の延長線上にあ
ることから、直径或いは厚さが携帯機器用小型電池の3
倍以上である円筒型或いは角型等の電池形状に形成され
ている。この場合には、充放電時の電池の内部抵抗によ
るジュール発熱、或いはリチウムイオンの出入りに伴っ
て活物質のエントロピーが変化することによる電池の内
部発熱により、電池内部に熱が蓄積されやすい。このた
め、電池内部の温度と電池表面付近の温度差が大きくな
り、これに伴って内部抵抗が異なってくるので、充電
量、電圧などのバラツキを生じ易い。また、この種の電
池は、複数個を組電池にして用いるため、システム内で
の電池の設置箇所によっても、蓄熱されやすさが異なっ
て各電池間のバラツキを生じて、組電池全体の正確な制
御が困難になる。更には、高率充放電時等に際して放熱
が不十分であるため、電池温度が上昇し、電池にとって
好ましくない状態におかれることから、電解液の分解な
どによる寿命の低下、さらには電池の熱暴走などの点
で、信頼性、特に安全性が十分に確保されているとは、
言い難い。
号、公開2000-251940号、2000-251941号、2000-260478
号、2000-260477号などの公報類には、正極、負極、セ
パレータおよびリチウム塩を含む非水系電解質を電池容
器内に収容した扁平形状の非水系二次電池であって、前
記非水系二次電池は、その厚さが12mm未満の扁平形状で
あり、そのエネルギー容量が30Wh以上且つ体積エネルギ
ー密度が180Wh/l以上の非水系二次電池が開示されてい
る。これらの公報類に記載された技術は、電池を独特の
形状(扁平形状)とすることにより、上記蓄熱に起因す
る信頼性および安全性に関わる問題点を解決し、実用化
への障害を解消しようとしている。
池には、高い安全性と1000サイクル以上の優れたサイク
ル寿命が求められている。
ル複合酸化物を用いる電池は、高充電時の熱的安定性に
欠けるので、安全性が低いという問題点がある。また、
リチウムマンガン複合酸化物を用いる電池では、安全性
は高いものの、(1)高エネルギー密度(高充放電容量)
の実現と高サイクル寿命の両立が困難であること、およ
び(2)自己放電により保存容量が減少するという2つ
の問題点がある。
る電池において、高容量が実現できない原因としては、
複合酸化物合成時の反応の不均一、混入不純物の影響な
どが考えられる。また、充放電サイクルに伴う容量の劣
化原因としては、Liの出入りに伴う電荷補償としてMnイ
オンの平均価数が3価と4価との間で変化して、そのため
にJahn-Teller歪みが結晶中に生じること、リチウムマ
ンガン複合酸化物からのMnが溶出すること、溶出したMn
が負極活物質上またはセパレータ上に析出することに起
因してインピーダンスが上昇すること、さらには、不純
物の影響、活物質粒子の遊離による不活性化、含水水分
により電解液中に生成した酸の影響、リチウムマンガン
複合酸化物からの酸素放出による電解液の劣化などが考
えられる。上記Mn溶出の影響は、特に黒鉛系の炭素材料
を負極に用いた場合に大きく、サイクル容量が大きく低
下する。この現象は、負極活物質の利用率を活物質1g当
り255mAhとしたときに顕著である。この原因は、黒鉛系
材料の充放電電位が低いため、その表面に析出したマン
ガン化合物が電解液の分解、ガス発生等に関与するもの
と思われる。
は、Mnの溶出原因は、スピネル構造中の3価のMnが、4価
と2価に一部不均化することにより電解液中に溶解し易
い形になってしまうこと、Liイオンの相対的な不足から
溶出してしまうことなどが考えられる。その結果、充放
電の繰り返しにより不可逆な容量分の発生および結晶中
の原子配列の乱れが促進されるとともに、溶出したMnイ
オンが負極或いはセパレータに析出して、Liイオンの移
動を妨げるものと推測される。また、リチウムマンガン
複合酸化物はLiイオンを出し入れすることにより、結晶
はJahn-Teller効果により歪み、単位格子長の数%の膨
張収縮を伴う。したがって、充放電サイクルを繰り返す
ことにより、粒子の一部電気的な孤立により活物質とし
て機能しなくなることも推測される。
複合酸化物からの酸素の放出も容易になってくるものと
考えられる。酸素の放出量が多くなってくると、電解液
の分解を促進するものと推測され、電解液の劣化による
充放電サイクル劣化も生じるものと推測される。
酸素欠損の低減などを実現することが、リチウム電池の
サイクル特性を改善する上で重要である。そこで、特開
平2-270268号公報は、Liの組成を化学量論比に対し十分
過剰とすることにより、サイクル特性を向上させること
が開示されている。さらに、リチウムマンガン複合酸化
物のMn元素の一部をCo、Ni、Fe、Cr、Alなどを添加ない
しドープにより置換することにより、サイクル特性が改
善することも開示されている(特開平4-141954号公報、
特開平4-160758号公報、特開平4-169076号公報、特開平
4-237970号公報、特開平4-282560号公報、特開平4-2896
62号公報など)。これらのLi過剰組成、金属元素の添加
などの手法は、サイクル特性の向上には、効果を発揮す
るものの、逆に充放電容量の低減を伴うので、高サイク
ル寿命と高容量との両方を満足させるには至っていな
い。
して、リチウムマンガン複合酸化物とリチウムニッケル
複合酸化物との混合物を用いることを開示している。こ
の公報によると、初回充放電における不可逆容量が補填
され、大きな充放電容量が得られる。また、特開平7-23
5291号公報も、正極活物質として、リチウムマンガン複
合酸化物とLiCo0.5Ni0.5O2との混合物を開示している。
正極活物質として単にリチウムマンガン複合酸化物とリ
チウムニッケル複合酸化物との混合物を用いるだけで
は、充放電特性、サイクル特性などの改善は未だ不十分
であり、特に大型電池の安全性に関しては、到底満足で
きる成果は得られない。
電池の設計思想を引き継ぐ角形、円筒型などの大型電池
においては、内部蓄熱などのために、安全性の改善は望
み得ない。
F6、LiBF4などのリチウム塩などの電解質材料をエチレ
ンカーボネートとジエチルカーボネートの混合溶媒また
はエチレンカーボネートとジエチルカーボネートの混合
溶媒に溶解させた非水系電解質が一般的に用いられてい
る。
チルメチルカーボネートの混合溶媒を用いた電解液で
は、高温におけるサイクル寿命が短いという問題点があ
る。
ーボネートの混合溶媒を用いた電解液では、0℃以下の
低温での電池容量が小さくなるという問題を有してお
り、低温における長いサイクル寿命と高容量維持の両立
が困難である。
Wh以上の大容量且つ180Wh/l以上の高体積エネルギー密
度を有し、その厚さが12mm未満であり、高容量で、サイ
クル寿命及び低温特性に優れた扁平形状の非水系二次電
池を提供することを主な目的とする。
技術の現状に留意しつつ研究を進めた結果、特定の構成
を備えた非水系二次電池が、上記目的を達成することに
成功した。
を提供する。1.正極、負極、セパレーター及びリチウ
ム塩を含む非水系電解質を電池容器内に収容し、厚さが
12mm未満の扁平形状であり、エネルギー容量が30Wh以上
且つ体積エネルギー密度が180Wh/l以上である非水系二
次電池において、正極における活物質が、以下の式(1)
で表されるリチウムマンガン系複合酸化物と式(2)で表
されるリチウムニッケル系複合酸化物とからなる混合物
であり、 LixMn2-yMAyO4+z (1) [式中、MAは、Mg、Al、Cr、Fe、CoおよびNiからなる群
から選ばれる少なくとも1種の元素であり、1<x≦1.2、
0<y≦0.1および-0.3≦z≦0.3] LiaNibMBcO2 (2) [式中、MBは、Co、AlおよびMnからなる群から選ばれる
少なくとも1種の元素であり、1≦a≦1.1、0.5<b<1、0
<c<0.5およびb+c=1] 負極における活物質が、X線広角回折法による(002)面の
面間隔(d002)が0.34nm以下である黒鉛系粒子の表面を面
間隔0.34nmを超える非晶質炭素層で被覆した二重構造黒
鉛粒子と黒鉛化メソカーボンマイクロビーズとからなる
混合物であり、前記負極活物質が、満充電時にリチウム
を活物質1g当り200mAh〜255mAh吸蔵し、リチウム塩を
含む非水系電解質が、エチレンカーボネート、エチルメ
チルカーボネートおよびジエチルカーボネートからなる
混合溶媒を含み、エチルメチルカーボネートとジエチル
カーボネートの合計体積が、全溶媒体積の50〜90%であ
りジエチルカーボネートの体積が、全溶媒体積の10〜40
%とすることを特徴とする非水系二次電池。2.扁平形
状の表裏面の形状が、矩形である上記1に記載の非水系
二次電池。3.電池容器の板厚が、0.2〜1mmである上記
1または2に記載の非水系二次電池。
は、厚さが12mm未満の扁平形状であり、エネルギー容量
が30Wh以上且つ体積エネルギー密度が180Wh/l以上であ
る。
満の扁平形状である限り特に制限されず、例えば、WO99
/60652号、特開2000-251940号公報、特開2000-251941公
報、特開2000-260478号公報、特開2000-260477号公報な
どに記載されている形状を具体例として例示することが
できる。
る非水系二次電池を参照しつつ、本発明についてさらに
詳細に説明する。
形態について、平面図及び側面図を示す図であり、図2
は、図1に示す電池の内部に収納される電極積層体の構
成を示す側面図である。図1において、非水系二次電池
は、厚さが12mm未満の扁平形状であり、表裏面の形状が
矩形である。
よる非水系二次電池は、例えば、上蓋1および底容器2
からなる電池容器と、該電池容器の中に収納されている
複数の正極101a、負極101b、101cおよびセ
パレータ104からなる電極積層体とを備えている。本
実施形態の様な扁平型非水系二次電池においては、正極
101a、負極101b(または積層体の両外側に配置
された負極101c)は、例えば、図2に示す様に、セ
パレータ104を介して交互に配置されて積層されてい
るが、本発明による非水系二次電池は、この様な特定の
配置に限定されるものではない。例えば、積層数など
は、必要とされる容量などに応じて、種々の変更が可能
である。図1および図2に示す非水系二次電池の形状
は、例えば縦約300mm×横約210mm×厚さ約6mmである。
正極端子3に電気的に接続されている。同様に、各負極
101b、101cの負極集電体105bは、負極端子
4に電気的に接続されている。正極端子3及び負極端子
4は、電池容器、すなわち上蓋1と絶縁された状態で取
り付けられている。
に示したA点で全周にわたり上蓋を溶かし込み溶接され
ている。上蓋1には、電解質などの注液口5が開けられ
ており、電解質などを注液した後、例えば、アルミニウ
ム-変成ポリプロピレンラミネートフィルムからなる封
口フィルム6を用いて封口される。最終封口工程は、少
なくとも1回の充電操作実施後に行うことが好ましい。
封口フィルム6による最終封口工程後の電池容器内の圧
力は、大気圧未満であることが好ましく、8.66×104Pa
(650Torr)以下程度であることがより好ましく、7.33×1
04Pa (550Torr)以下程度であることが特に好ましい。電
池容器内の圧力は、使用するセパレータ、電解質などの
種類、電池容器の材質および厚み、電池の形状などを総
合的に考慮して決定することができる。内圧が大気圧未
満とした場合には、電池の厚みが、設計厚みより大きく
なることを抑制できる。または、電池の厚みが、ばらつ
くことを抑制することができるので、電池の内部抵抗お
よび容量がばらつきにくい。
いて用いられる正極活物質として、以下の式(1)で表さ
れるリチウムマンガン系複合酸化物(以下「式(1)複合酸
化物」と言うことがある)と式(2)で表されるリチウムニ
ッケル系複合酸化物(以下「式(2)複合酸化物」と言うこ
とがある)からなる混合物を用いる。
から選ばれる少なくとも1種の元素であり、1<x≦1.2、
0<y≦0.1および-0.3≦z≦0.3] LiaNibMBcO2 (2) [式中、MBは、Co、AlおよびMnからなる群から選ばれる
少なくとも1種の元素であり、1≦a≦1.1、0.5<b<1、0
<c<0.5およびb+c=1] 前記式(1):LixMn2-yMAyO4+zにおいて、Liのモル比を示
すxは、通常1<x≦1.2程度である。xが小さすぎる場合
には、サイクル特性が十分に改善されない。一方、xが
大きすぎる場合には、活物質の容量が、大きく低下す
る。
である。yが大きすぎる場合には、活物質の容量が、大
きく低下する。
g、Al、Cr、Fe、Co、Niなどが挙げられ、これらの中で
は、Al、MgおよびCrがより好ましい。
3程度である。
ル比を示すaは、通常1≦a≦1.1程度である。
0.5<b<1程度である。bが小さすぎる場合には、容量が
小さくなり過ぎるのに対し、b=1の場合には、活物質の
サイクル特性が著しく低下する。
およびMnからなる群から選ばれる少なくとも1種であ
る。
ある。cが0である場合(すなわち、Niを置換しない場合)
には、活物質のサイクル特性が改善されないのに対し、
0.5以上である場合には、容量が小さくなり過ぎる。
る混合物において、式(1)複合酸化物(1)の割合は、式
(1)複合酸化物と式(2)複合酸化物との合計量を100重量
部としたときに、通常70〜95重量部程度、好ましくは70
〜85重量部程度である。上記の範囲とすることによっ
て、より確実に本発明の効果を得ることができる。
ず、公知の活物質と同等の粒径とすることができる。正
極活物質の平均粒径は、通常1〜60μm程度、好ましくは
5〜40μm程度、より好ましくは10〜30μm程度である。
なお、本明細書において、「平均粒径」とは、乾式レー
ザー回折測定法により得られた体積粒度分布における中
心粒径を意味する。
いが、式(1)複合酸化物では、通常1m2/g以下程度であ
り、より好ましくは0.2〜0.7m2/g程度である。式(2)複
合酸化物では、通常1m2/g以下程度であり、より好まし
くは0.2〜0.7m2/g程度である。これらの混合物である正
極活物質全体の値としては、通常1m2/g以下程度であ
り、より好ましくは0.2〜0.7m2/g程度である。なお、本
明細書において、「比表面積」とは、窒素ガスを使用す
るBET法による測定値を示す。
活物質は、黒鉛粒子からなるコア部表面を非晶質炭素に
より被覆した二重構造黒鉛粒子(以下、簡略化のために
「第一成分」ということがある)と黒鉛化メソカーボン
マイクロビーズ(以下、簡略化のために「第二成分」と
いうことがある)との混合物である。
は、X線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が0.3
4nm以下程度であり、好ましくは0.3354〜0.338nm程度、
より好ましくは0.3354〜0.336nm程度である。この値が
大きすぎる場合には、コア部の結晶性が低くなるので、
リチウムイオンの放出に伴う電位の変化が大きくなり、
電池として利用できる有効容量が低くなる。黒鉛系粒子
コア部を被覆している非晶質炭素層の面間隔は、X線広
角回折法による(002)面の面間隔(d002)が0.34nmを越え
る程度であり、より好ましくは0.34nmを越え0.38nm程度
であり、さらに好ましくは0.34nmを越え0.36nm以下程度
である。被覆層におけるこの値が小さすぎる場合には、
結晶性が高すぎて、電解液の分解によるものと推測され
る充放電効率の低下が生じるとともに、充放電の繰り返
しに伴う結晶の面間隔の膨張/収縮により、炭素材料が
破壊される危険性が増大する。一方、(002)面の面間隔
(d002)が大きすぎる場合には、リチウムイオンが移動し
難くなり、電池として利用できる容量が小さくなるおそ
れがある。この様な二重構造黒鉛粒子の製造方法は、特
に限定されるず、例えば、WO97/18160号などに記載され
ている公知の方法により製造することができる。
広角回折法による(002)面の両面間隔(d002)は、通常0.3
4nm未満程度であり、好ましくは0.3354〜0.338nm程度で
あり、より好ましくは0.3354〜0.336nm程度である。黒
鉛化メソカーボンマイクロビーズの製造方法は、特に限
定されるものではなく、例えば、特開平9-151382号公報
などに記載されている公知の方法を用いることができ
る。黒鉛化メソカーボンマイクロビーズの容量は、二重
構造黒鉛粒子に比べて小さいものの、比表面積が小さ
い。本発明において用いる負極活物質を利用すると、少
量のバインダーにより電極を製造することができる。
て、各成分の混合比は特に制限されないが、第一成分と
第二成分の合計を100重量部としたときに、第一成分
は、通常50〜95重量部程度であり、好ましくは60〜80重
量部程度である。上記範囲とすることにより、バインダ
ー量が少量であっても、集電体に対する良好な接着性を
より確実に得ることができる。その結果、より確実に高
い電池容量を得ることができる。
ず、例えば従来の活物質の粒径と同様とすることができ
る。平均粒径は、通常1〜60μm程度、好ましくは5〜40
μm程度、より好ましくは10〜30μm程度である。
いが、通常0.2〜3m2/g程度であり、好ましくは0.2〜2.5
m2/g程度である。
量は、満充電時にリチウムを活物質1g当り200mAh〜25
5mAh程度とする。負極活物質のリチウム吸蔵量が小さす
ぎる場合には、電池の容量が小さくなりすぎ、一方、大
きすぎる場合には、サイクル寿命が極端に低下する。
質として用いて負極を作製するには、ポリフッ化ビニリ
デン(PVDF)系材料などのバインダーを使用することがで
きる。バインダーとしては、PVDF構造中に-COOH基など
を導入した変性PVDFがより好ましい。
を用いることができ、電池の耐熱性、所望の安全性など
に応じて適宜決定することができる。セパレータの材質
として、例えば、ポリオレフィン系材料(ポリエチレ
ン、ポリプロピレンなど)などの微孔膜;ポリアミド、
クラフト紙、ガラス、セルロース系材料(レーヨンなど)
などの不織布などが挙げられる。
ではなく、例えば、単層又は複層のセパレータを用いる
ことができる。複層とする場合には少なくとも1枚は不
織布を用いることが好ましい。不織布を少なくとも1枚
用いる場合には、サイクル特性が向上する。
水系電解質を用いる。非水系電解質に含まれるリチウム
塩は、特に制限されず、正極材料、負極材料などの種
類、充電電圧などの使用条件などを総合的に考慮して、
常法に従って公知のリチウム塩の中から適宜決定するこ
とができる。例えば、LiPF6、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、
LiSbF6などを例示することができ、LiPF6、LiBF4が好ま
しい。
ート(EC)、エチルメチルカーボネート(EMC)およびジエ
チルカーボネート(DEC)からなる混合溶媒を含む。
るEMCとDECの合計体積は、全溶媒体積の通常50〜90%程
度であり、好ましくは55〜85%程度であり、より好まし
くは60〜80%程度である。EMCとDECの合計体積が少なす
ぎる場合には、比較的高い凝固点(39℃)を有するECの割
合が多くなりすぎ、ECが低温で分離凝固しやすくなる。
分離凝固すると、-10℃以下の低温における電池の放電
容量は、著しく低下する。
%程度である。DECの体積が少なすぎる場合には、50℃
以上の高温におけるサイクル寿命が低下するおそれがあ
る。一方、50%を越える場合には、-10℃以下の低温に
おける電池の放電容量が著しく低下するおそれがある。
積の通常10%以上程度である。
は、特に限定されるものではないが、混合溶媒1リット
ル当たり通常0.5〜2mol程度である。
含有量ができるだけ低いもの、具体的には水分含有量10
0ppm以下程度のものが好ましい。なお、本明細書で使用
する「非水系電解質」という用語は、非水系電解液およ
び有機電解液を含むものであり、さらにはゲル状ないし
固体状の電解質も含む。
要に応じて、ジスルフィド誘導体などの公知の添加剤を
含んでいてもよい。これらの添加剤の配合量は、本発明
の効果が奏される限り特に制限されないが、非水系電解
質全体に対して通常0.01〜5重量%程度である。
次電池の形状、特性などを考慮しつつ、公知の方法(例
えば成形など)により作成することができる。より具体
的には、活物質とバインダーと、必要に応じて導電材と
有機溶媒とを含む混合物(例えばスラリー)を集電体に塗
布後、乾燥し、成形する方法などを例示することができ
る。
して、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ四フッ化エチ
レンなどのフッ素系樹脂;フッ素ゴム、SBRなどのゴム
系材料;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレ
フィン;アクリル樹脂などを例示でき、ポリフッ化ビニ
リデン(PVDF)系材料が好ましく、特に、PVDF構造中に-C
OOH基などを導入した変性PVDFがより好ましい。
は負極活物質の種類、粒径、形状、目的とする電極の厚
み、強度などに応じて適宜決定すれば良く、特に限定さ
れるものではない。正極におけるバインダーの配合量
は、正極活物質を100重量部としたときに、通常1〜30重
量部程度である。負極におけるバインダーの配合量は、
負極活物質を100重量部としたときに、通常1〜10重量部
程度である。
を用いることができ、例えば、アセチレンブラック、天
然黒鉛、人工黒鉛、ケッチェンブラックなどを例示する
ことができる。
されず、活物質の種類などに応じて適宜設定することが
できる。正極における導電材の使用量は、正極活物質を
100重量部としたときに、通常20重量部以下程度であ
る。負極においては、導電材は不要あるいは混合すると
しても負極活物質100重量部に対して、通常0.1〜10重量
部程度と少なくする方が本発明の効果を得やすい。
ピロリドン(NMP)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)など
を例示することができる。
として、例えば、アルミ箔、負極用集電体として、例え
ば、銅箔、ステンレス鋼箔などが挙げられる。さらに、
金属箔上あるいは金属の隙間に電極が形成可能であるも
の、例えば、エキスパンドメタル、メッシュなどを正極
用および負極用集電体として用いることができる。
エネルギー密度を有するので、家庭用蓄電システム(夜
間電力貯蔵、コージェネレーション、太陽光発電な
ど)、電気自動車などの蓄電システムなどに用いること
ができる。この様な蓄電システムなどにおいて用いる場
合は、エネルギー容量は、好ましくは30Wh以上程度、よ
り好ましくは50Wh以上程度であり、且つエネルギー密度
は、好ましくは180Wh/l以上程度、より好ましくは200Wh
/l以上程度である。エネルギー容量または体積エネルギ
ー密度が、小さすぎる場合には、電池容量が小さいの
で、充分なシステム容量を得るために電池の直並列数を
増やす必要があること、コンパクトな設計が困難となる
ことなどの理由により、蓄電システム用としては好まし
くない。
ており、その厚さは12mm未満程度、より好ましくは10mm
未満程度である。厚さの下限については、電極の充填
率、電池サイズ(薄くなれば同容量を得るためには面積
が大きくなる)などを考慮して、2mm以上程度とするこ
とが実用的である。電池の厚さが厚すぎると、電池内部
の発熱を充分に外部に放熱することが難しくなること、
電池内部と電池表面付近とでの温度差が大きくなり内部
抵抗が異なるので、電池内での充電量および電圧のバラ
ツキが大きくなると言う大きな問題を生じる。なお、具
体的な電池の厚さは、電池容量、エネルギー密度などに
応じて、適宜決定されるが、特に期待する放熱特性が得
られる最大厚さで設計することが好ましい。
ば、扁平形状の表裏面が角形、円形、長円形などの種々
の形状とすることができる。形状が角形である場合に
は、一般には矩形であるが、用途に応じて、三角形、六
角形などの矩形以外の多角形とすることもできる。さら
に、肉厚の薄い円筒などの筒形とすることもできる。形
状が筒形の場合には、筒の肉厚がここでいう厚さとな
る。また、製造の容易性の観点からは、図1に示す様
に、電池の扁平形状の表裏面が矩形である「ノート型」
形状が好ましい。
られる材質は、電池の用途、形状により適宜選択され、
特に限定されるものではなく、鉄、ステンレス鋼、アル
ミニウムなどが一般的であり、かつ実用的である。ま
た、電池容器自体の厚さも、電池の用途、形状或いは電
池ケースの材質により適宜決定され、特に限定されるも
のではない。電池の製造に必要な強度を確保するために
は、その電池全表面積80%以上程度の部分の厚さ(電池
容器を構成する一番面積が広い部分の厚さ)を0.2mm以
上程度とすることが好ましく、0.3mm以上程度とするこ
とがより好ましい。また、同時に同部分の厚さは、1mm
以下程度であることが好ましく、0.7mm以下程度とする
ことがより好ましい。厚さが厚すぎると、電極面を押さ
え込む力は大きくなるものの、電池の内容積が減少し
て、充分な容量が得られないこと、また重量が増大す
る。
非水系二次電池を得ることができる。即ち、充放電を繰
り返しても、電池容量が高い値で維持される非水系二次
電池を得ることができる。本発明の二次電池は、特に50
℃程度の高温におけるサイクル特性に優れている。
二次電池を得ることができる。
優れた非水系二次電池を提供することができる。即ち、
低温においても高い放電容量を有する非水系二次電池を
提供することができる。
に具体的に説明する。本発明は、これら実施例の記載に
より限定されるものではない。
1.1Mn1.8Al0.1O4、リチウムニッケル系複合酸化物とし
てLiNi0.82Co0.18O2および導電材であるアセチレンブラ
ックとを乾式混合した。バインダーであるポリフッ化ビ
ニリデン(PVDF)を溶解させたN-メチル-2-ピロリドン(NM
P)中に、得られた混合物を均一に分散させて、スラリー
1を調製した。次いで、スラリー1を集電体となるアルミ
ニウム箔の両面に塗布し、乾燥した後、プレスを行い、
正極を得た。
ン系複合酸化物:リチウムニッケル系複合酸化物:アセ
チレンブラック:PVDF=73.6:18.4:3:5(リチウムマン
ガン系複合酸化物:リチウムニッケル系複合酸化物=8
0:20)となるよう調製した。
例において、正極101aの塗布面積(W1×W2)は、177
×130mm2である。また、電極の短辺側には、スラリー1
が塗布されていない集電部106aが設けられ、その中
央に直径3mmの穴が開けられている。
“OPCG-K”、大阪ガスケミカル製;黒鉛粒子コアの(002)
面の面間隔(d002)=0.34nm未満、被覆層の(002)面の面間
隔(d002)=0.34nmを越える)、黒鉛化メソカーボンマイ
クロビーズ(MCMB、大阪ガスケミカル製、品番“25-2
8”;(002)面の面間隔(d002)=0.34nm未満)および導電材
であるアセチレンブラックを乾式混合した後、バインダ
ーであるPVDFを溶解させたNMP中に均一に分散させ、ス
ラリー2を調製した。次いで、スラリー2を集電体となる
銅箔の両面に塗布し、乾燥した後、プレスを行い、負極
を得た。ここでの負極活物質塗布量は、電池の満充電時
のリチウム吸蔵量が活物質1g当り230mAhに相当する量と
した。
黒鉛粒子:黒鉛化メソカーボンマイクロビーズ:アセチレ
ンブラック:PVDF=64.4:27.6:2:6(二重構造黒鉛粒子:黒
鉛化メソカーボンマイクロビーズ=70:30)となるよう調
製した。
01bの塗布面積(W1×W2)は、133×181.5mm2である。
また、電極の短辺側には、スラリー2が塗布されていな
い集電部106bが設けられ、その中央に直径3mmの穴
が開けられている。
にスラリー2を塗布し、片面電極を作製した。片面電極
は、後述の(3)項の電極積層体において外側に配置さ
れる(図2中101c)。
得られた正極9枚と上記(2)項で得られた負極10枚
(内片面2枚)とを、セパレータ材A(レーヨン系不織布、
目付12.6g/m2)とセパレータ材B(ポリエチレン製微孔
膜;目付13.3g/m2)とを合わせたセパレータ104を介
して交互に積層し、さらに、電池容器との絶縁のために
外側の負極101cのさらに外側にセパレータ材Bを配
置して、電極積層体を作製した。なお、セパレータ10
4は、セパレータ材Aが正極側に位置し、セパレータ材B
が負極側に位置するように配置した。
4製薄板を深さ5mmに絞り、底容器2を作製し、上蓋1も
厚さ0.5mmのSUS304製薄板により作製した。次いで、上
蓋1にアルミニウム製の正極端子3および銅製の負極端
子4(頭部直径6mm、先端M3のねじ部)を取り付けた。
正極および負極端子3、4は、ポリプロピレン製ガスケ
ットにより上蓋1と絶縁した。
の各正極集電部106aの穴を正極端子3に、また各負
極集電部106bの穴を負極端子4に入れ、それぞれア
ルミニウム製および銅製のボルトで接続した後、接続さ
れた電極積層体を絶縁テープで固定し、図1の角部Aを
全周に亘りレーザー溶接した。次いで、注液口5(直径6
mm)から、電解液(エチレンカーボネート、エチルメチル
カーボネート、及びジエチルカーボネートを体積比30:3
5:35に混合した溶媒に1mol/lの濃度にLiPF6を溶解した
溶液)を注液した。次いで、大気圧下で仮止め用のボル
トを用いて注液口5を一旦封口した。
まで充電した後、4.2Vの定電圧を印加する定電流定電圧
充電を合計8時間行い、続いて2Aの定電流で3.0Vまで放
電した。
外した後、容器内が4×104Pa(300Torr)の減圧下となる
ように、直径12mmに打ち抜いた厚さ0.08mmのアルミニウ
ム箔-変性ポリプロピレンラミネートフィルムからなる
封口フィルム6を、温度250〜350℃、圧力1〜3kg/cm2、
加圧時間5〜10秒の条件で熱融着することにより、注液
口5を最終封口して、幅148mm×高さ210mm×厚さ6.5mm
の扁平形状のノート型電池を得た。
流で4.2Vまで充電した後、4.2Vの定電圧を印加する定電
流定電圧充電を合計8時間行い、続いて2Aの定電流で3.0
Vまで放電する充放電サイクル」を100サイクル行った。
また、サイクル特性を評価するために、1サイクルおよ
び100サイクル時点の放電容量から容量維持率を算出し
た。結果を表2に示す。
上記(8)と同様の充放電サイクルを3回繰り返した
後、4回目の充電を行なった。その後、-20℃中、2Aの定
電流で3.0Vまで放電した。表2に低温特性評価試験を行
った結果を併せて示す。
満充電時のリチウム吸蔵量が活物質1g当り190mAhに相当
する量とした以外は、実施例1と同様の方法により二次
電池を製造し、同様の方法によりサイクル特性および容
量維持率を測定すると共に、低温特性評価試験を実施し
た。結果を表2に示す。
満充電時のリチウム吸蔵量が活物質1g当り260mAhに相当
する量とした以外は、実施例1と同様の方法により二次
電池を製造し、同様の方法によりサイクル特性および容
量維持率を測定すると共に、低温特性評価試験を実施し
た。結果を表2に示す。
に示すものを用いた以外は、実施例1と同様にして電池
を作製し、実施例1と同様の方法により高温サイクル特
性および容量維持率を測定すると共に、低温放電特性を
評価した。結果を表2に示す。
物質1g当りのリチウム吸蔵量が200mAh未満の場合は電池
容量が小さくなる。一方、255mAhを越える場合は、サ
イクル試験での容量劣化が大きい。
脱した場合には、50℃でのサイクル特性が極端に低下す
るか、または-20℃での放電容量が極端に小さくなる。
オンが溶出する。これは、正極/負極と電解液の残存水
分と溶質との反応により水素イオンが生成し、これがリ
チウムマンガン複合酸化物の一部と反応してMnが溶出す
るためであると考えられる。特に、電解質としてLiPF6
およびLiBF4を使用する場合には、Mnイオンの溶出が大
きい。
溶出が著しく減少したために、サイクル特性、電池の充
放電特性が顕著に改善されたと思われる。また、本発明
によると、電解液の劣化、変色および酸の生成も抑制さ
れ、負極上に析出するMnが減少すると思われる。
るLiMn2O4を使用する場合に比して、電池の充放電を繰
り返しても、Mnの不均化が起こりにくくなり、Mnイオン
溶出量を低減させるともに、酸素の脱離をも減少させる
ことができると思われる。その結果、リチウムマンガン
系複合酸化物(式(1)複合酸化物)の構造劣化、電解液
の分解などを効果的に抑制することができ、サイクル特
性が改善されたと思われる。
水系二次電池の平面図及び側面図を示す図である。
体の構成を示す側面図である。
用いた正極、負極およびセパレータの説明図である。
上蓋および底容器の説明図である。
Claims (3)
- 【請求項1】正極、負極、セパレーター及びリチウム塩
を含む非水系電解質を電池容器内に収容し、厚さが12mm
未満の扁平形状であり、エネルギー容量が30Wh以上且つ
体積エネルギー密度が180Wh/l以上である非水系二次電
池において、正極における活物質が、以下の式(1)で表
されるリチウムマンガン系複合酸化物と式(2)で表され
るリチウムニッケル系複合酸化物とからなる混合物であ
り、 LixMn2-yMAyO4+z (1) [式中、MAは、Mg、Al、Cr、Fe、CoおよびNiからなる群
から選ばれる少なくとも1種の元素であり、1<x≦1.2、
0<y≦0.1および-0.3≦z≦0.3] LiaNibMBcO2 (2) [式中、MBは、Co、AlおよびMnからなる群から選ばれる
少なくとも1種の元素であり、1≦a≦1.1、0.5<b<1、0
<c<0.5およびb+c=1] 負極における活物質が、X線広角回折法による(002)面の
面間隔(d002)が0.34nm以下である黒鉛系粒子の表面を面
間隔0.34nmを超える非晶質炭素層で被覆した二重構造黒
鉛粒子と黒鉛化メソカーボンマイクロビーズとからなる
混合物であり、 前記負極活物質が、満充電時にリチウムを活物質1g当り
200mAh〜255mAh吸蔵し、 リチウム塩を含む非水系電解質が、エチレンカーボネー
ト、エチルメチルカーボネートおよびジエチルカーボネ
ートからなる混合溶媒を含み、 エチルメチルカーボネートとジエチルカーボネートの合
計体積が、全溶媒体積の50〜90%であり、 ジエチルカーボネートの体積が、全溶媒体積の10〜40%
とすることを特徴とする非水系二次電池。 - 【請求項2】扁平形状の表裏面の形状が、矩形である請
求項1に記載の非水系二次電池。 - 【請求項3】電池容器の板厚が、0.2〜1mmである請求項
1または2に記載の非水系二次電池。
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