JP2003282126A - 空気吸い込み式燃料電池 - Google Patents

空気吸い込み式燃料電池

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JP2003282126A JP2002080496A JP2002080496A JP2003282126A JP 2003282126 A JP2003282126 A JP 2003282126A JP 2002080496 A JP2002080496 A JP 2002080496A JP 2002080496 A JP2002080496 A JP 2002080496A JP 2003282126 A JP2003282126 A JP 2003282126A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 酸素流路板への空気の供給を十分行うことが
でき、より多くの酸素を取り込むことにより発電能力を
向上させる空気吸い込み式燃料電池を提供する。 【解決手段】 空気吸い込み式燃料電池は、エンドプレ
ート24、該2つのエンドプレートの間に位置される複
数の高分子電解質単セル10、該単セルの中心部に位置
されてそこへの燃料を供給するための燃料分配マニホル
ド、これらの部材を一体にするために前記単セルの中心
部および燃料分配マニホルドに通される一本のボルト2
6、および該ボルトの両端部にワッシャ、Oリング等を
介して取り付けられてエンドプレート24間に前記複数
の単セルを一体にするための固定用ナットからなる。そ
して、エンドプレート24、エンドガスケット28およ
び集電板34がセル部の酸素流路板に連通するように外
側に向って開放する連通路を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アウトドア、行
楽、家庭用あるいは事務機器等の電源、発電機としてさ
まざまな用途に使用することができ、軽くて静かな無公
害の固体高分子型電池として薄型にされた空気吸い込み
式燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池は、一般に、水素を主燃料と
し、この水素が酸素と化学反応した時のエネルギーとし
て取り出すものである。そして、燃料電池にはいくつか
の種類があり、その一つとして、固体高分子電解質型燃
料電池がある。この固体高分子電解質型燃料電池は、運
転温度が低く、また出力密度が高いという特性を有して
いる。
【0003】このような従来の固体高分子型燃料電池を
用いた燃料電池の一例として、米国特許第5,595,
834号明細書、あるいは本願出願人の先願である特許
出願第2001−66109号に記載されているものが
ある。そのようなものとして、図7に示すように、固体
高分子電解質膜12の両面にアノード(燃料極)13a
およびカソード(酸素極)13bの両電極を備え、それ
らの両側に燃料および酸素流路板18を備えていて、そ
れらの両側に配置されたセパレータ板34によって一体
にされることにより単セル10を形成し、この単セル1
0を複数個積み重ねている。なお、セパレータ板に発電
した電力を取り出すための端子が設けてあるものを集電
板35a,35bとする。さらに、燃料極13aに連通
された親水性のスリーブ32からなる燃料分配マニホル
ドを単セル10の中央孔を通して備え、スリーブ32の
中心を通されるタイ・ボルト26の両端にエンドプレー
ト24をさらに設けることによって挟み、ワッシャ、O
リング36を介してナット40,50によって一体に締
付固定した構造を有したものがある。このような燃料電
池は、低パワーの燃料電池に適しているために、小型で
軽量のものとすることができる。
【0004】また、この高分子電解型燃料電池では、酸
素極13aへ一方のナット40の中心部から燃料が供給
され、燃料分配マニホルド32をなす親水性スリーブを
通して分配されるような構成にされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の固体高分子電解質型燃料電池では、酸素を
酸素流路板18の外周側からのみ取り入れるため、流れ
抵抗により中央部まで十分な酸素が届かず、発電能力に
限界があった。
【0006】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、セル部との空気の接触面積を増大させて、より
多くの酸素の取り入れを可能にすることにより発電能力
を向上させるようにした空気吸い込み式燃料電池を提供
することを目的とするものである。
【0007】また、本発明の他の目的は、単位体積あた
りの発電能力を向上させることにより材料コストを下げ
ることができる空気吸い込み式燃料電池を提供すること
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の第一の手段は、空気吸い込み式燃料電池にお
いて、エンドプレート、前記エンドガスケットおよび前
記集電板が前記セル部の流路板に連通するように外側に
向って開放する連通路を有していることを特徴とする。
【0009】この第一の手段によれば、以下のような作
用を奏する。 (1)従来設けられていた酸素極側に設けられていた流
路板においては、外周側からのみ空気を取り入れること
により、酸素極に対して酸素を供給していたが、さらに
エンドプレート、エンドガスケットおよび集電板に設け
た連通路を介して空気を流路板へ供給することができ、
空気の流路板との接触を増大させることができ、酸素極
への酸素の供給が増大され、高分子電解質膜を介した燃
料(水素)との反応を促進させて発電能力を向上させる
ことができる。
【0010】(2)エンドプレート、エンドガスケッ
ト、集電板に、特別な部品を加えることなく、ただ連通
路を開けるだけで単位体積あたりの発電能力を上げるこ
とができるので、材料のコストを実質的に下げることが
できる。
【0011】本発明の第二の手段は、前記エンドプレー
ト、前記エンドガスケットおよび前記集電板に設けられ
た連通路が中心軸線に対して平行な複数の貫通孔として
形成されていることを特徴とする。
【0012】(3)この第二の手段による連通路は、中
心軸線に平行に設けられているので、酸素流路板に最短
距離で外側の空気が供給されることができ、流れ抵抗を
最小にして、酸素極への酸素の供給を全体に均一に行う
ことができ、発電効率も向上させることができる。
【0013】さらに、本発明の第三の手段は、セル部が
互いに対称的な一対の単セルとして設けられ、両端部の
エンドプレート、エンドガスケット、セル部の各単セル
の集電板に、流路板に連通するように連通路が設けられ
ていることを特徴とする。
【0014】この第三手段により、 (6)セル部がエンドガスケットを中心に両側に単セル
を有していて、この中心のエンドガスケットから順次集
電板、燃料極、高分子電解質膜、酸素極、酸素流路板、
集電板が配置されて、両端部においてエンドガスケット
を挟んでエンドプレートが設けられているので、エンド
プレートから酸素流路板に達するように流通路を設ける
ことにより、両エンドプレート側から両単セルの酸素流
路板へ空気の供給を行うことができるので、両単セルへ
の空気の供給を十分に行うことができ、発電能力だけで
なく発電容量も高めることができる。
【0015】また、本発明の第四の手段は、エンドプレ
ートに設けられた連通路が前記セル部に面した溝とし
て、中心軸線に直角方向に外側に開放するように設けら
れていることを特徴とする。
【0016】(5)この第四の手段によるエンドプレー
トに設けられた連通路は、セル部に面した側において半
径方向外側に向って開放するような複数の溝として酸素
流路板に対向して設けられているので、集電板に貫通孔
を設けることにより、外側の空気を外周側から酸素流路
板の広範囲に亘って満遍なく供給することができ、発電
効率を上げることができる。
【0017】(6) また、この第四の手段により、複
数の単セルを積み重ねたものとした場合、同じ配置の単
セルを積み重ねても、単セル間に上記のようなエンドプ
レートを挟むことにより、酸素流路板には外周側からだ
けでなく、酸素流路板に半径方向外側の広い範囲に外側
の空気を直接溝を通して供給することができるので、発
電能力を従来ものより上げることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。
【0019】図1は、本発明の実施の形態に係る空気吸
い込み式燃料電池の分解された状態を示す断面図であ
り、そして、図2は、この空気吸い込み式燃料電池に用
いられるエンドプレート板を示し、図2(a)は図2
(b)における線2a−2aに沿って取られた断面図で
あり、図2(b)はその平面図である。この空気吸い込
み式燃料電池は、水素等の燃料を使用した固体高分子型
燃料電池と称されるものであり、他の構成部材より大き
な直径を有する厚さ0.3mmのステンレス製の集電板
34a,34bの間に、厚さ0.05mmのパーフルオ
ロカーボンスルフォン酸ポリマー材からなる固体高分子
電解質膜12、この固体高分子電解質膜12の両側に配
置されるシート状のカーボン素材からなり厚さ0.5m
m、内径15mm、外径45mmの寸法を有する燃料極
13a、厚さ0.5mm、内径19mm、外径55mm
の寸法を有する酸素極13b、この酸素極13bの外側
に配置される厚さ3.5mm、内径19mm、外径55
mmの寸法を有するカーボン素材板からなる酸素流路板
18、燃料極13aの外周部を密封するためのEPDM
のような合成ゴムからなる幅5mmの環状をしたアウタ
ーシール16、および酸素極13bと酸素流路板18と
の内周部を密封するEPDMのような幅2mmの寸法を
有するインナーシール22を有する単セル10を含むも
のである。以下の実施の形態では、主として燃料は水素
であり、酸素は空気中の酸素であって、空気として送ら
れるものである。また、固体高分子電解質膜12は、化
学反応のための触媒を被着したものである。
【0020】また、他の実施の形態による空気吸い込み
式燃料電池においては、図3に示すように、単セル10
に対して他の単セル10’を積み重ねの順番を逆にする
ことにより、即ち、一方の単セル10のエンドガスケッ
ト28aを中心にして集電板、燃料極、高分子電解質
膜、酸素極、酸素流路板、集電板の順序に積み重ねて、
エンドガスケット28bを挟んでエンドプレート24b
によって他方の単セル10’を形成して、上記実施の形
態と同様にタイ・ボルト26の両端部にナット40,5
0をねじ込むことにより一体にされている。
【0021】このような二つの単セル10、10’を組
合せることにより、酸素極13dには、一方の単セル1
0における酸素極13bと同様にエンドプレート24a
の連通孔、エンドガスケット28c,集電板34dの貫
通孔を通して外側の空気が酸素流路板18bに供給する
ことができる。したがって、同等の二つの単セル10、
10’を組み合わせることができるので、十分な酸素の
供給による発電性能を向上させるだけでなく、発電容量
も増大させることができる。
【0022】さらに、本発明のさらに他の実施の形態に
よれば、図4および図5に示されるように、酸素極13
e側のエンドプレート24cにおいて、酸素極13e側
の面に中心軸線に直角方向の複数の溝24c’と、これ
らの溝24c’を互いに連通させる円形状の溝24c”
とが図5(a)に示されるように設けられている。そし
て、エンドガスケット28dおよび集電板34eにも、
エンドプレート24cに設けた溝24c対応して貫通孔
28d’、34e’が形成され、外側の空気が半径方向
の溝24c’、貫通孔28d’、34e’を経て、酸素
流路板18dに送られる。したがって、酸素極13eへ
の酸素の供給が他の実施の形態において同様に十分に行
うことができる。
【0023】以上のような実施の形態における空気吸い
込み式燃料電池は、従来の燃料電池と対比すると、図6
に示すような発電性能を有し、高電圧、低電流の出力状
態では大差ないものの、電圧が低下するに従って、従来
のものにない高電流の出力を得ることができ、広範囲の
用途に対応させることがきる。
【0024】単セル10は、図7に示す従来の固体分子
電解質型燃料電池の断面図において、必要とする出力に
応じた数だけ重ねられて、一体にするために、直径6m
m、長さ100mmの寸法を有するタイ・ボルト26が
その外側に芳香族ポリアミド:ケブラー(KEVLA
R)(商品名)からなる親水性合成繊維糸によって軸線
方向に配置された燃料分配マニホルド32を包囲して取
り付けられて貫通されている。そして、最も外側の単せ
るセパレータ板となる集電板34aとエンドプレート2
4a,24bの間にEPDMのような合成ゴム製のエン
ドガスケット28bが挟まれており、タイ・ボルト26
の両端部に形成したねじに対してステンレス製のナット
40、50がエポキシ樹脂製の厚さ10mm、内径15
mm、外径55mmの寸法を有するエンドプレート24
a、24bのそれぞれに対向してねじ込まれ、単セル1
0を一体に固定するだけでなく、複数個の単セル10を
一体に固定することもできる。
【0025】図1のような酸素流路板18側のエンドプ
レート24bには、エンドガスケット28b、集電板3
4bに形成された貫通孔34b’、28b’と整合した
連通孔24b’が形成されていて、図2(a)および図
2(b)に示されるように配置されて、酸素流路板18
に達するように設けられている。本来、酸素流路板18
は、その外周部分から空気が進入することができるとと
もに、この連通孔24b’からも空気が進入することが
できる。
【0026】このような単セル10を一体にするための
一方のナット40は、図7に示すように、中心部に中空
孔が形成され、その反対側には軸線方向中央部まで内ね
じが切られていて、タイ・ボルト26をねじ込むことが
できるとともに、内ねじの外側には、燃料の流路が少な
くとも2箇所設けられ、中空孔と連通されていて、燃料
分配マニホルド32への燃料供給を可能にする燃料供給
孔をなしている。そして、エンドプレート24aに接す
る面には、Oリングが嵌め込まれる円形状の溝が形成さ
れている。
【0027】また、他方のナット50は、図7示すよう
に、一方のナット40と同様に、タイ・ボルト26の端
部ねじがねじ込まれるようにほぼ軸線方向中央部分まで
は内ねじ56が切られ、その半径方向外側には燃料分配
マニホルド32への連通孔が形成されている。内ねじの
軸線方向反対側には燃料をワンタッチ操作によるチャー
ジが可能なステンレス製のブリーダバルブが取り付けら
れ、連通孔を介して燃料分配マニホルド32、燃料極1
3aへの燃料の給排を行うことにより充填を補助するこ
とができる。そして、エンドプレート24bに接する面
には円形状溝が形成され、Oリングが嵌め込まれてい
る。
【0028】また、燃料分配マニホルド32は、燃料の
供給と発生した水の吸収保持のために、筒状のハウジン
グの両端に設けたフランジに、親水性の合成繊維糸を係
止することにより筒体表面上に張り渡して軸線方向に配
置することにより形成されたものである。
【0029】上記のような構成を有する空気吸い込み式
燃料電池は、以下のように組み立てることができる。
【0030】まず、タイ・ボルト26の一端に一方のナ
ット40を予め取り付けた状態で、好ましくは垂直に立
てた状態で、燃料分配マニホルド32を被せるように取
り付ける。このように燃料分配マニホルド32を被せた
タイ・ボルト26が燃料電池の中心軸を構成する。
【0031】この中心軸に対して、最も外側のエンドプ
レート24、エンドガスケット28が順次その中心孔に
挿入されて準備され、単セル10を構成するように、セ
パレータ板34、燃料極13a、その半径方向外側に位
置するアウターシール16、固体高分子電解質膜12、
インナーシール22、その半径方向外側に位置する酸素
極13bと酸素流路板18、およびセパレータ板34が
それらの中心孔に挿入されて順次積み重ねることによっ
て組み立てられる。
【0032】この後、次の単セル10のために、前の単
セル10の最後のセパレータ板34に対して、前の単セ
ル10と同様に、燃料極13a、その半径方向外側に位
置するアウターシール16、固体高分子電解質膜12、
インナーシール22、その半径方向外側に位置する酸素
極13bと酸素流路板18、およびセパレータ板34が
中心軸に挿入されて組み立てられる。この単セル10
は、空気吸い込み式燃料電池の規定の出力に応じた数だ
け順次繰り返されて、積み重ねられて組み立てられる。
【0033】最後に、最も外側の単セル10のセパレー
タ板34に対してエンドガスケット28を挟んで、エン
ドプレート24がその中心孔に中心軸が通されて積み重
ねられる。この単セル10の積層体にされたスタック
は、所定の圧力、例えば、約1.5MPa、で押さえら
れる。この状態で、中心軸のタイ・ボルト26の端部の
ねじにブリーダバルブ52を取り付けた他方のナット5
0がねじ込まれて、スタックの全体を所定トルク、例え
ば、6.8Nm、で締め付けて固定する。
【0034】以上のように組み立てられた燃料電池に
は、空気吸い込み式燃料電池として、一方のナット40
に水素発生装置等からの燃料が供給されるようにチュー
ブ等がさらに接続される。水素等の燃料は、一方のナッ
ト40の燃料供給孔をなす中空孔42、燃料流路44を
通って燃料分配マニホルド32に供給され、タイ・ロッ
ド26に沿った燃料分配マニホルド32によって、各単
セル10の燃料極13aの内端部に送られる。燃料極1
3aは、シート状のカーボン素材からなるために、その
多孔性の材料の空隙を通して、特別に燃料流路板を設け
ることなく半径方向に送ることができ、そして外周部を
アウターシール16によって密封しているので、固体高
分子電解質膜12へ供給するように送ることができる。
この固体高分子電解質膜12の反対側には、酸素極13
bと酸素流路板18が設けられているので、酸素流路板
18の多孔性材料の空隙によって外側から空気が送ら
れ、空気中の酸素が酸素極13bに供給される。
【0035】このようにして、固体高分子電解質膜12
の両側に送られた燃料と酸素は、そこで化学反応して燃
料極が陰極となり、酸素極が陽極となって、発電作用を
行う。また、その際の水和作用により、水の発生、発熱
を伴うが、発生した水は、燃料分配マニホルド32にお
いて、親水性合成繊維糸に吸収されるため、燃料分配マ
ニホルド32において発生した水が溜まって燃料極13
aへの燃料の供給を阻止することはない。また、発生し
た熱によって水が蒸発してし、大気中へ放散される。ま
た、セパレータ板34は、他の構成部材より半径が大き
な寸法を有しているので、発生した熱を放熱するように
他の構成部材より突出した部分を放熱フィンとして機能
させることができる。
【0036】なお、上記実施例の各構成部材における寸
法は、それらに限定されるものではなく、一例に過ぎな
いことは言うまでもなく、用途に応じて、要求される出
力に応じて、決定されるものである。
【0037】
【発明の効果】本発明に係る空気吸い込み式燃料電池
は、以上説明した構成により以下のような効果を奏す
る。上記の空気吸い込み式燃料電池においては、エンド
プレート、エンドガスケットおよび集電板がセル部の流
路板に連通するように外側に向って開放する連通路を有
しているので、酸素極への酸素を空気によって供給する
ために、エンドプレート、エンドガスケット、集電板を
通って外側の空気を最短距離で酸素流路板に送ることが
でき、流れ抵抗も最小限にして十分な酸素の供給がで
き、発電性能を向上させることができるという優れた効
果がある。
【0038】また、セル部が互いに対称的な一対の単セ
ルとして設けられ、両端部のエンドプレート、エンドガ
スケット、セル部の各単セルの集電板に、流路板に連通
するように連通路が設けられているので、両単セルへの
酸素の供給がエンドプレートの流通路を介して、エンド
ガスケット、集電板の貫通路によって外側からの空気を
各単セルの酸素流路板へ供給することができ、各単セル
の発電性能を向上させるだけでなく、同程度の発電性能
を有する二つの単セルにより発電容量も向上させること
ができるという優れた効果がある。
【0039】さらに、エンドプレート、エンドガスケッ
トおよび集電板に設けられた連通路が中心軸線に対して
平行な複数の貫通孔として形成されているので、酸素流
路板の酸素極とは反対側の面に隈なく電池外側の空気を
取り込むことができ、それにより酸素流路板への均一な
酸素の供給が行われ、十分な酸素供給による発電性能を
向上させることができるという効果がある。
【0040】また、エンドプレートに設けられた連通路
がセル部に面した溝として、中心軸線に直角方向に外側
に開放するように設けられているので、複数の単セルが
積み重ねられた燃料電池においても、即ち、酸素流路板
がセル部の外側から遠い中央部分に位置されていても、
このようなエンドプレートをエンドガスケットととも単
セル間に挟むことによって、溝を通して十分な空気を各
単セルの酸素流路板に対して供給することがてき、複数
の単セルからなる燃料電池においても、電池性能を全体
として向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による空気吸い込み式燃
料電池の概略断面図である。
【図2】図1に示す空気吸い込み式燃料電池におけるエ
ンドプレートを示し、(a)は図2(b)の線2a−2
aに沿って取られた断面図、(b)はその正面図であ
る。
【図3】本発明の他の実施の形態による空気吸い込み式
燃料電池の概略断面図である。
【図4】本発明のさらに他の実施の形態である空気吸い
込み式燃料電池の概略断面図である。
【図5】図4に示す空気吸い込み式燃料電池のエンドプ
レートを示し、(a)は線5a−5aに沿って取られた
断面図、(b)は正面図である。
【図6】本発明による空気吸い込み式燃料電池の出力特
性を示すグラフである。
【図7】従来の高分子型燃料電池の分解縦断面図であ
る。
【符号の説明】 10 単セル 12 固体高分子電解質膜 13a 燃料極 13b 酸素極 16 アウターシール 18 酸素流路板 22 インナーシール 24a,24b エンドプレート 24b’ 連通孔 24c’ 溝 24c” 円形溝 26 タイ・ボルト 28 エンドガスケット 32 燃料分配マニホルド 34a 集電板 34b 集電板 36 Oリング 40 ナット 42 中空孔 44 燃料流路 46 内ねじ 48 円形状溝 50 ナット 52 ブリーダバルブ 54 連通孔 56 内ねじ 58 円形状溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 名和 昭司 愛知県名古屋市北区猿投町2番地 大同メ タル工業株式会社内 (72)発明者 井戸 康夫 愛知県名古屋市北区猿投町2番地 大同メ タル工業株式会社内 Fターム(参考) 5H026 AA06 CC03 CV01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンドプレート、該エンドプレートの2
    つの間にエンドガスケットを挟んで位置される複数のセ
    ル部、該セル部の中心部に位置されてそこへの燃料を供
    給するための燃料分配マニホルド、これらの部材を一体
    にするために前記燃料マニホルドおよび前記セル部の中
    心部を通される一本のタイ・ボルト、および該タイ・ボル
    トの両端部に螺着されてOリング等を介してエンドプレ
    ート間に前記複数のセル部を一体に締め付けるための固
    定用ナットを有する空気吸い込み式燃料電池であって、 前記セル部が、高分子電解質膜と、該高分子電解質膜の
    両側に対向して設けられた酸素極および燃料極と、前記
    酸素極側に隣接した流路板と、該流路板の外側および前
    記燃料極側の外側に隣接して設けられた集電板とを含
    み、 前記エンドプレート、前記エンドガスケットおよび前記
    集電板が前記セル部の流路板に連通するように外側に向
    って開放する連通路を有していることを特徴とする空気
    吸い込み式燃料電池。
  2. 【請求項2】 前記エンドプレート、前記エンドガスケ
    ットおよび前記集電板に設けられた連通路が中心軸線に
    対して平行な複数の貫通孔として形成されていることを
    特徴とする請求項1に記載された空気吸込み式燃料電
    池。
  3. 【請求項3】 前記セル部が互いに対称的な一対の単セ
    ルとして設けられ、両端部の前記エンドプレートに前記
    セル部の各単セルの流路板に連通するように連通路が設
    けられていることを特徴とする請求項2に記載された空
    気吸い込み式燃料電池。
  4. 【請求項4】 前記エンドプレートに設けられた連通路
    が前記セル部に面した溝として、中心軸線に対して直角
    方向に外側に開放するように設けられていることを特徴
    とする請求項1に記載された空気吸い込み式燃料電池。
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