JP2003281941A - 透明導電性フィルム及びそれを用いたエレクトロルミネッセンス発光素子 - Google Patents

透明導電性フィルム及びそれを用いたエレクトロルミネッセンス発光素子

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JP2003281941A
JP2003281941A JP2002333788A JP2002333788A JP2003281941A JP 2003281941 A JP2003281941 A JP 2003281941A JP 2002333788 A JP2002333788 A JP 2002333788A JP 2002333788 A JP2002333788 A JP 2002333788A JP 2003281941 A JP2003281941 A JP 2003281941A
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conductive film
film
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oxygen
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Takehiro Miyashita
武博 宮下
Yukinori Asakawa
浅川  幸紀
Akiyoshi Nakajima
明美 中島
Masato Koyama
正人 小山
Masanori Makino
雅憲 牧野
Akira Suzuki
彰 鈴木
Satoru Okada
岡田  知
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 窒化アルミニウムで相似被覆された蛍光物質
を発光層に用いたエレクトロルミネッセンス素子の、高
温高湿下における発光継続時の発光輝度の劣化を抑制す
る。 【解決手段】 窒化アルミニウムで相似被覆された蛍光
物質を発光層に用いたエレクトロルミネッセンス発光素
子の透明導電性フィルムとして、透明高分子フィルム
(A)の一方の主面に、スパッタリングガスに特定量の
酸素ガスと水素ガスを添加した条件のスパッタリング法
により、主としてインジウム原子とスズ原子と酸素原子
とからなる透明導電層(B)を形成した透明導電性フィ
ルムであって、該透明導電層の表面積の60%以上70
%以下を28質量%アンモニア水に5時間被覆したとき
の抵抗変化率が5%以内である透明導電性フィルムを用
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明導電性フィル
ム及びそれを用いたエレクトロルミネッセンス発光素子
に関し、より詳しくは、耐久性・耐アルカリ性・印刷特
性・耐屈曲性に優れたエレクトロルミネッセンス発光素
子用透明導電性フィルム、及び透明電極に前記透明導電
性フィルムを用い、発光層に窒化アルミニウム相似被覆
蛍光物質を用いたエレクトロルミネッセンス発光素子に
関する。
【0002】
【従来の技術】透明導電性フィルムは、透明タッチパネ
ル等の入力装置の電極として、また液晶ディスプレイ、
エレクトロルミネッセンスディスプレイ、エレクトロク
ロミックディスプレイ等の表示素子の電極として、更に
は太陽電池などの光電変換素子の窓電極、電磁波シール
ドの電磁遮蔽膜など幅広く利用されている。
【0003】透明電極を必要とする製品の一つにエレク
トロルミネッセンス発光素子(EL素子)がある。これ
には、透明な基体上に透明導電層を形成した透明導電性
フィルムをベースにし、該透明導電層上に発光層および
裏面電極を順次印刷法にて形成した構造のものが知られ
ている。ここで透明導電層には、主としてインジウム原
子とスズ原子と酸素原子からなる導電性酸化物であるI
TO膜等が、発光体層には窒化アルミニウムや硫化亜
鉛、硫化カドミウム、セレン化亜鉛等が、裏面電極には
アルミニウムやカーボン等が用いられている。
【0004】透明高分子フィルム上にITO膜を形成す
る場合には、透明高分子フィルムの耐熱性が必ずしも十
分でないため、ガラス基板などの上にITO膜を形成す
る場合に比較してITO膜をより低温で成膜する必要が
ある。具体的には、ガラス基板を用いた場合では、IT
O膜が容易に結晶化可能である400℃以上の温度で成
膜すること、あるいは、成膜後にこの様な温度で加熱処
理をすることができるが、通常の透明高分子フィルムは
このような高温では変形や変質するため、通常の透明高
分子フィルム上にITOを成膜する場合は200℃以下
の低温で実施する必要がある。このような低温で成膜さ
れたITO膜は化学的に不安定であり、例えば、EL素
子を作製する場合のように、ITO膜に他の有機物質を
塗布して使用する場合には、経時的にITO膜自体が変
質し、電気電導性の変化や物理的に剥がれてしまう等の
障害が発生し、非発光部の発生、あるいは、発光しても
発光寿命が短いなどの実用上の問題が発生していた。
【0005】この為、化学的に安定なITO膜を透明高
分子フィルム上に形成する技術が求められている。
【0006】特許文献1(特開平9−286070号公
報)には、透明基体上に主としてインジウム原子とスズ
原子と酸素原子とからなる非晶質の透明導電層を形成さ
せ、熱処理を施した後であっても非晶質状態を保持して
おり、耐湿熱性、及び耐擦傷性に優れた透明導電性積層
体が開示されている。高酸素濃度雰囲気下で比抵抗1×
10-2Ω・cm以上のITO膜を成膜し、熱処理により
該層を非晶質のまま比抵抗を1×10-2Ω・cm以下に
下げることにより、EL素子用の透明電極として非常に
安定性の高いものが得られている。
【0007】しかし、近年になって蛍光物質粒子を窒化
アルミニウムで相似被覆したエレクトロルミネッセンス
蛍光物質(特許文献2(特開平11−260557号公
報))が使用されるようになり、この蛍光物質を使用し
たEL素子にて点灯時の耐久性を維持することが望まれ
るようになった。
【0008】窒化アルミニウムで相似被覆した蛍光物質
を使用した場合、EL素子の特定環境下、例えば常温よ
りも高い温度条件、高い湿度条件下、での駆動状態にお
いて、発光体層よりアルカリ性物質が発生する場合があ
る。この様な条件においては、通常の手法により形成し
たITO膜を用いた場合のみならず、前記特許文献1報
によるITO膜を用いた場合でもアルカリ性物質に対す
る耐久性が低い為、一部非発光部が生じてしまうこと
や、EL素子としての実用的な発光寿命が短くなるなど
の新たな問題が発生した。
【0009】また、当該ITO膜が成膜された透明高分
子フィルムは、ITO膜の安定化のための加熱処理の
際、透明高分子フィルムの収縮率と透明導電層(ITO
膜)の収縮率の差異により、カールしやすく、発光体層
の印刷性が必ずしも良くないという問題も明らかとなっ
てきた。
【0010】また、EL素子は屈曲させた状態で発光さ
せることもあるため耐屈曲性が要求されるが、ITO膜
の内部応力が大きい場合はITO膜に亀裂が入りやすく
なるという問題も明らかとなってきた。
【0011】
【特許文献1】特開平9−286070号公報
【特許文献2】特開平11−260557号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐ア
ルカリ性に優れ、EL光素子の蛍光物質に窒化アルミニ
ウムで相似被覆した蛍光物質を使用した場合でも、EL
素子を発光させた時の耐久性を向上させることができ、
また、加熱処理をした際も平坦性が良好であり、また、
屈曲させた場合に透明導電層に亀裂の入りにくい透明導
電性フィルム、及びそれを用いたEL素子を提供するこ
とにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、下記の事項を見出し、本発明を完成する
に至った。
【0014】〔i〕窒化アルミニウムで相似被覆した蛍
光物質を発光層に用いたEL素子の特定環境下での駆動
状態において、発光層よりアルカリ性物質が発生するこ
とがあり、このアルカリ性物質によりITO膜が破壊さ
れて電極としての機能を果たさなくなり、発光輝度が低
下したり非発光部が生じてしまい、EL発光素子として
の寿命が短くなること。
【0015】〔ii〕透明導電性フィルムの導電層面に、
少なくとも蛍光物質を含有する粒子からなる発光層
(C)と裏面電極(D)とを順次形成したEL素子であ
って、前記粒子が窒化アルミニウムで相似被覆されてい
ることを特徴とするEL素子において、基板(A)の一
方の主面に、主としてインジウム原子とスズ原子と酸素
原子とからなる透明導電層(B)を形成した透明導電性
フィルムであり、透明導電層(B)の表面積の60%以
上70%以下を28質量%アンモニア水に5時間被覆し
たときの抵抗変化率が5%以内であることを特徴とする
透明導電性フィルムを用いることで、高温高湿下におけ
る発光継続による発光輝度の経時劣化および非発光部位
の発生を著しく抑制可能であるという、実用上非常に優
れた性能を示すこと。
【0016】〔iii〕基板(A)の一方の主面に、スパ
ッタリングガスに特定量の酸素ガスと水素ガスを添加し
た条件のスパッタリング法により主としてインジウム原
子とスズ原子と酸素原子とからなる透明導電層(B)を
形成することで、前記耐アルカリ性の特徴を示す透明導
電フィルムを作製可能であること。
【0017】すなわち本発明は、(1)基板(A)の一
方の主面に、少なくとも主としてインジウム原子とスズ
原子と酸素原子とからなる透明導電層(B)を形成した
透明導電性フィルムであって、該透明導電層(B)の表
面積の60%以上70%以下を28質量%アンモニア水
に5時間被覆したときの抵抗変化率が5%以内であるこ
とを特徴とする透明導電性フィルムに関する。
【0018】(2)また本発明は、スパッタリングガス
に対して、酸素を5体積%以上40体積%以下添加し、
かつ、水素を1体積%以上10体積%以下添加したガス
雰囲気下でターゲットにインジウム−スズ酸化物を用い
て、スパッタリング法により製造することを特徴とする
上記発明(1)の透明導電性フィルムに関する。
【0019】(3)また本発明は、スパッタリングガス
に対して、酸素を30体積%以上100体積%以下添加
し、かつ、水素を1体積%以上10体積%以下添加した
ガス雰囲気下でターゲットにインジウム−スズ合金を用
いてスパッタリング法により製造することを特徴とする
上記発明(1)の透明導電性フィルムに関する。
【0020】(4)また本発明は、80℃〜180℃の
温度範囲で熱処理を施したことを特徴とする上記発明
(1)〜(3)のいずれかの透明導電性フィルムに関す
る。
【0021】(5)また本発明は、前記透明導電層
(B)が非晶質であることを特徴とする上記発明(1)
〜(4)のいずれかの透明導電性フィルムに関する。
【0022】(6)また本発明は、上記発明(1)〜
(5)のいずれかの透明導電性フィルムの透明導電層
(B)面に、少なくとも、窒化アルミニウムで相似被覆
された蛍光物質粒子からなる発光層(C)と裏面電極
(D)とを順次形成したことを特徴とするエレクトロル
ミネッセンス発光素子に関する。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の透明導電性フィルムは、
図1に示すように、少なくとも透明高分子からなる基体
10上に、主としてインジウム原子とスズ原子と酸素原
子とからなる酸化物(ITO)の透明導電層20を設け
たものである。
【0024】この基体の主構成物である基板(A)とし
ては、透明高分子フィルムが好ましく使用でき、この透
明高分子フィルムとしては、可視光において透明であれ
ばよく、具体的にいえば、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエーテルサルフォン、ポリスチレン、ポリエチ
レン、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポ
リエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリプ
ロピレン、ポリイミド、トリアセチルセルロースなどが
挙げられる。このフィルムの厚さは通常10μm〜25
0μmのものを用いることが好ましい。フィルムの厚さ
が10μm以下では、基材としての機械的強度に不足す
る場合があり、250μm以上では可撓性が低下するた
めフィルムをロールで巻きとって利用するのに適さない
場合がある。
【0025】上記透明高分子フィルムのなかでもポリエ
チレンテレフタレートは透明性及び加工性に優れている
ため、より好適に利用できる。また、ポリエーテルサル
フォンは、耐熱性に優れているため、エレクトロルミネ
ッセンス発光素子(EL素子)を組み立てる際に加熱処
理を必要とする場合に、より好適に利用できる。
【0026】これらの透明高分子フィルムはその表面
に、予め、スパッタリング処理、グロー放電処理、コロ
ナ放電処理、プラズマガンなどを用いたプラズマやイオ
ンによる処理、火炎処理、紫外線照射や電子線照射など
のエッチング処理、下塗り処理など、この上に形成され
るITOで構成される透明導電層の上記基体に対する密
着性を向上させる処理を施してもよい。また、ITOで
構成される透明導電膜を成膜する前に、必要に応じて溶
剤洗浄や超音波洗浄などの防塵処理を施してもよい。
【0027】本発明における透明導電性フィルムの透明
導電層(B)は、主としてインジウム原子とスズ原子と
酸素原子からなる酸化物(ITO)で構成される透明導
電層であり、かつ、この透明導電層の表面積の60%以
上70%以下を28質量%アンモニア水に5時間被覆し
たときの抵抗変化率が5%以内のものである。
【0028】窒化アルミニウムで相似被覆した蛍光物質
を発光層に使用した場合、EL素子の特定環境下(例え
ば常温よりも高い温度条件、高い湿度条件下)での駆動
状態において、発光層よりアルカリ性物質が発生するこ
とがある。このアルカリ性物質によりITO膜が破壊さ
れて電極としての機能を果たさなくなるので、発光輝度
が低下したり非発光部が生じてしまい、EL素子として
の寿命が短くなるという問題がある。この為、窒化アル
ミニウムにより相似被覆した蛍光物質を発光層に用いた
EL素子においては、透明導電層を構成するITO膜に
特に耐アルカリ性が良好であることが要求される。
【0029】透明導電層の耐アルカリ性を評価する方法
としては、透明導電層の表面積の60%以上70%以下
を28質量%アンモニア水に5時間被覆させ、アンモニ
ア水被覆前後の抵抗変化率を測定する方法が挙げられ
る。抵抗変化率が5%以内であれば、窒化アルミニウム
で相似被覆した蛍光物質を発光層に用いた場合にも、E
L素子の高温高湿下における発光継続による発光輝度の
経時劣化や非発光部の発生を抑制することができる。
【0030】前記の耐アルカリ性を示すITO膜は、ス
パッタリングガスとしてアルゴンなどの不活性ガスを用
いて、酸素を多量に添加した高酸素濃度雰囲気の条件で
更に水素ガスを添加したスパッタリング法により形成す
ることができる。
【0031】スパッタリングの方法に付いては特に限定
するものではなく、直流(DC)スパッタリング法、交
流(RF)スパッタリング法、直流(DC)マグネトロ
ンスパッタリング法、交流(RF)マグネトロンスパッ
タリング法、その他の交流マグネトロンスパッタ法、E
CRスパッタリング法、デュアルマグネトロンスパッタ
法などを適宜選択可能である。DCマグネトロンスパッ
タリング法やRFマグネトロンスパッタリング法では充
分な製膜速度とITO膜の制御性が得られるので用いる
のに好ましく、とりわけ、DCマグネトロンスパッタリ
ング法は装置構成が簡便となるので特に用いるに好まし
い方法である。
【0032】また、スパッタリング時の圧力は13.3
mPa〜2660mPaが好ましく、13.3mPa〜
1330mPaがより好ましく、26.6mPa〜26
6mPaがさらに好ましく、成膜中の基体温度は5℃〜
150℃が好ましく、10℃〜150℃がより好まし
く、20〜150℃がさらに好ましく、20〜100℃
が特に好ましい。
【0033】本発明における高酸素濃度雰囲気下のスパ
ッタリング法とは、成膜直後のITO膜の電気抵抗率が
最小となるときのスパッタリングガス(アルゴンなどの
不活性ガス)に対する酸素分圧比よりも、酸素分圧比を
高くした条件でスパッタリングすることを意味する。こ
のような方法で成膜することで、酸素欠陥等の構造欠陥
が少ない安定なITO膜を得ることができる。本発明で
は更に水素を添加した条件でスパッタリングを行う。
【0034】ITO膜の電気抵抗率が最小となる上記酸
素分圧比は、用いるターゲットの種類、密度、インジウ
ムとスズの成分比など、基体温度、成膜速度などの成膜
条件により異なるが、実験的に求めることができる。
【0035】酸素ガスの添加量をスパッタリングガスに
対する体積割合(分圧比)で表すと、ターゲットにイン
ジウム−スズ酸化物を用いた場合には5%〜40%が好
ましく、5%〜25%がより好ましく、5%〜20%が
更に好ましく、10〜20%が特に好ましい。また、タ
ーゲットにインジウム−スズ合金を用いた場合には30
%〜100%が好ましく、40%〜100%がより好ま
しく、50%〜100%が更に好ましく、60〜100
%が特に好ましい。
【0036】また、本発明においては、酸素に加えて、
スパッタリングガスに水素を添加した条件でスパッタリ
ング法により透明導電層となるITO膜を成膜する。
【0037】スパッタリングガス中に酸素ガスを加え
て、更に、反応性ガスとして水素ガスを添加すること
で、ITO膜の耐アルカリ性が向上する理由は定かでな
いが、ITO膜に水素が取込まれて耐還元性が向上する
ので、還元剤であるアルカリに対する耐久性が著しく向
上するものと推測される。
【0038】添加する水素の量は、スパッタリングガス
(アルゴンなどの不活性ガス)に対する体積割合(分圧
比)で1%以上10%以下が好ましく、2%以上5%以
下がより好ましく、2%以上4%以下がさらに好まし
い。水素の量が1%より少ない場合、水素が十分に取込
まれず、耐還元性、すなわち耐アルカリ性が低下する傾
向にある。水素の量が10%より多い場合は、ITO膜
中に還元性の水素が多くとり込まれ過ぎることにより化
学的安定性が低下するため、EL素子を作製する際に塗
布される腐食性のある化学物質により経時的にITO膜
自体が変質し、耐久性が低下する傾向にある。
【0039】スパッタリングガスに水素ガスを適量添加
し、水素が適量ITO膜に取込まれることでITO膜の
内部応力も緩和され、加熱処理後の平坦性が向上し、ま
たITO膜が柔軟になるので、EL素子の製造工程での
加工性、および、EL素子に加工した後の屈曲性を向上
させることができる。
【0040】スパッタリング法におけるターゲットとし
ては、インジウム−スズ合金あるいは酸化インジウム−
酸化スズ(インジウム−スズ酸化物)、好ましくは酸化
インジウム−酸化スズ焼結体を用いることができる。
【0041】ターゲット中のインジウムに対するスズ含
有量は3〜50質量%が好ましい。スズを適量含有させ
ることで、ITO膜中のキャリア電子が十分に生成し、
比抵抗を低下させることができる。しかしながら、スズ
の含有量が多すぎると、製膜直後の比抵抗が高く成りす
ぎてしまい、熱処理を施しても低下しにくくなる傾向に
ある。また、スズの含有量が少なすぎる場合にはITO
膜の耐久性が低下する傾向にある。よって、インジウム
に対するスズの含有量は10〜50質量%がより好まし
く、15〜50質量%が更に好ましい。また、ターゲッ
ト中には不純物が少ない方が好ましいが、ケイ素などの
不純物を1%以下含んでも構わない。
【0042】ITOの膜厚は、EL素子として使用する
場合には、50〜300nmが好ましく、70〜200
nmが更に好ましい。50nmより薄い場合は、EL素
子としての耐久性が低下し、300nmより厚い場合は
屈曲性が低下する傾向にある。
【0043】この様な、スパッタリングガスに酸素およ
び水素を添加した条件で形成したITO膜の比抵抗の値
は、1×10-2Ω・cm以上と高い比抵抗を示し、IT
Oの膜厚にもよるが、通常、2500Ω/□以上のシー
ト抵抗となる。EL素子用の透明導電フィルムとして用
いる為には、そのシート抵抗を500Ω/□以下にする
必要があるが、得られた透明導電フィルムに加熱処理を
施すことで比抵抗は1桁以上低下させることができ、結
果、500Ω/□以下の透明導電フィルムを得ることが
できる。
【0044】加熱処理の条件としては基材およびITO
膜が熱処理後においても安定性を保つ範囲であればよ
く、常温を超える温度で所定時間保持することで目的が
達成されるが、好ましい加熱温度は80℃〜180℃で
ある。加熱温度が80℃より低いと、電子密度を増加さ
せる効果が小さく、所望の処理効果が得られるまでに例
えば数日間といった長時間を要する。加熱温度が180
℃より高いと高分子フィルムに変形等の問題が生じる恐
れがある。この80℃〜180℃での熱処理は、透明高
分子フィルムの大半に適用できる温度範囲である。
【0045】加熱処理時の環境雰囲気は強い酸化雰囲気
でなければ良く、真空中、大気中、または窒素等の不活
性ガス中のいずれかの雰囲気下で行うことができる。加
熱時間は基材の種類や厚さ、ITO膜の比抵抗や厚さ、
並びに処理温度等に影響され、実験的に求めることがで
きるが、通常10分〜24時間程度が好ましい。
【0046】本発明におけるITO膜は、一部結晶化し
ていてもよいが、非晶質領域を有することが好ましく、
結晶領域を有しない非晶質であることがより好ましい。
ITO膜が非晶質であることにより耐アルカリ性が向上
する理由は定かではないが、非晶質のITOには結晶粒
界が存在しない為と推定される。ITOが結晶質である
場合には、ITOの結晶粒界に沿ってアルカリ性の物質
がITOと基板との界面に達することで、ITOと基材
とを剥離させやすい、あるいはITOの結晶粒界でアル
カリ成分がITOを溶解しやすい為と推定される。
【0047】ここで言う非晶質のITO膜とは、CuK
α線を用いた場合のθ−2θ法によるX線回折パターン
において、結晶質であることを示す2θ=30°〜31
°のIn23(222)ピーク、及び2θ=35°〜3
6°のIn23(400)ピークを示さないものであ
る。
【0048】透明高分子フィルムと透明導電層との間の
密着力を増強させるために、これらの層間に透明性を損
なわない程度の厚みの金属薄膜層を設けてもよい。金属
薄膜層はITO膜と接しているため、実際にはほとんど
金属酸化物になっていることが予想されるが、所望の効
果を得ることができる。具体的に使用できる金属材料と
しては、ニッケル、クロム、金、銀、亜鉛、ジルコニウ
ム、チタン、タングステン、スズ、パラジウム等、ある
いはこれらの材料の2種類以上からなる合金が挙げられ
る。この金属薄膜層の厚さは透明性を著しく損なわない
程度の厚さであればよく、好ましくは0.02nm以上
10nm以下程度である。厚さが薄すぎると密着力向上
の十分な効果が得られず、逆に、厚すぎると透明性が損
なわれる場合がある。この金属薄膜層の形成方法として
は従来公知の薄膜形成法が挙げられ、具体的にはスパッ
タリング法、真空蒸着法等が好適な手法である。中でも
スパッタリング法は、この金属薄膜層を形成した後に積
層する透明導電層の形成で好適に利用される手法である
ので、この2つの層を同じ装置で積層することができる
ため生産効率が向上できる。
【0049】また、機械的強度を向上させる目的で、基
体のITO膜を形成する面とは反対の面に透明性を有す
るハードコート層を設けたり、電気抵抗、透明性、耐環
境性、透明電極として用いた場合の耐久性を損なわない
程度にITO膜上にさらに任意の保護層を設けたりして
もよい。また、透明性の向上や、熱処理時における基材
からのガスの放出、成分の析出等を防ぐために、透明高
分子フィルムで構成される基体と透明導電層との間に金
属薄膜層以外の適当な薄膜層を挿入してもよい。
【0050】次に、本発明のEL素子を図2を用いて説
明する。
【0051】本発明のEL素子は、透明高分子フィルム
(A)(10)の一方の主面に、主としてインジウムと
スズと酸素からなる酸化物(ITO)で構成される透明
導電層(B)(20)が形成された耐アルカリ性に優れ
る透明導電性フィルムと、少なくとも蛍光体粒子を含有
した粒子からなる発光層(C)、特に好ましくは窒化ア
ルミニウムで相似被覆した蛍光物質を含有する発光層
(C)(30)と、裏面電極(D)(40)とをABC
Dなる順序に積層された構成を有する。透明導電層
(B)(20)と裏面電極(D)(40)との間に電源
(50)によって電圧を印加することにより発光させ、
EL素子として動作させることができる。
【0052】発光層の材料(蛍光物質)としては特に限
定されず、電圧の印加により蛍光を発する物質を適宜選
択可能である。例えば、硫化亜鉛、硫化カドミウム、硫
化ストロンチウムや硫化カルシウム、カルシウムとガリ
ウムの硫化物、ストロンチウムとガリウムの硫化物など
の金属硫化物や、セレン化亜鉛などの金属セレン化物等
の物質が挙げられる。好ましくは硫化亜鉛、特に、適当
な顔料を混入した硫化亜鉛が好ましい。顔料の種類を適
宜選択することによって発光色を変化させることがで
き、例えば、銅を用いると発光色は緑色、マンガンを用
いた場合には黄色となる。硫化亜鉛は通常粉末であり、
その粒径が20μm〜30μm程度のものを用いること
ができる。また、前記の蛍光物質を窒化アルミニウムで
相似被覆したものは、高温高湿下での発光輝度維持率を
高めるので好ましい。ここで相似被覆とは、個々の粒子
の表面輪郭に従う被覆を意味する。
【0053】この窒化アルミニウムで相似被覆した蛍光
物質を使用した場合、EL素子の特定環境下での駆動状
態において、発光層よりアルカリ性物質が発生し、高温
高湿下における発光継続による発光輝度の低下や非発光
部の発生が起こる場合があるが、本発明の耐アルカリ性
に優れる透明導電性フィルムを使用すると、これらのE
L素子としての実用的な寿命の低下を防止できる。
【0054】発光層の形成方法は特に限定されないが、
例えば塗布法などの手法が用いられる。具体的には、発
光層は、蛍光物質を含む発光体の粉末を適当なバインダ
ーと混合し適当な溶媒に分散させた後に透明導電層上に
塗布し、更に、100℃〜150℃の熱処理により溶媒
を蒸発させることで形成できる。好適に使用できるバイ
ンダーとしては、シアノエチルセルロース、シアノエチ
ルプルランやシアノエチルポリビニルアルコールなどが
挙げられる。また、好適に使用できる溶媒としては、1
00℃〜150℃の熱処理により蒸発する溶媒であれば
特に限定されず、例えば、アセトンやプロピレンカーボ
ネート等が挙げられる。
【0055】発光層の厚さは特に限定されず、その使用
目的に応じた十分な発光輝度が得られれば良いが、発光
層の厚みが薄すぎると十分な発光輝度が得られないの
で、好ましくは50μm以上である。また、発光層を形
成する際には、透明導電層からEL素子駆動用の電極を
取出す必要があるので、例えばその端部には発光層を形
成しないなどして、電極端子用のスペースを残してお
く。
【0056】発光層を形成した後、更に当該発光層上に
裏面電極を形成するが、発光輝度を向上させるために、
誘電体層を発光層と裏面電極との間に設けてもよい。誘
電体層は高誘電率を有する材料を物理的気相成長法や化
学気相成長法などを用いて形成する方法もあるが、簡便
には、発光層の形成方法と同様に、塗布法を用いること
ができる。塗布法においては、チタン酸バリウム等の高
誘電率を有する物質の粉末をバインダーと混合し、溶媒
に分散させ発光層と同様の手法で成膜すれば良い。誘電
体層形成に好適に用いることができるバインダーならび
に溶媒は、発光層形成時に用いることができるものを好
適に使用できる。
【0057】最後に、発光層に電圧を印加するための裏
面電極を形成する。裏面電極は導通の得られる材料であ
れば特に限定されるものではなく、例えば、アルミニウ
ムや銀などの金属やカーボンを好適に用いることができ
る。銀やカーボンなどはペーストとして市販されている
ので、塗布法により裏面電極が形成可能であり、特に好
ましい材料である。
【0058】以上に述べたようにして作製したエレクト
ロルミネッセンス面発光体を発光させるためには、透明
導電層と裏面電極との間に電圧を印加する必要がある。
ここで印加する電圧は、直流成分を含まない交流の交番
電圧であることが好ましい。直流成分が含まれている
と、エレクトロルミネッセンス面発光体内部で一方方向
に電流が流れることとなるために、透明導電層の劣化が
促進され易い。交流電源の電圧及び周波数は特に限定さ
れず、面発光体が発光するものであれば良く、例えば、
100V(実効値)400Hz程度の交流電圧を用いる
ことで発光させることができる。この様な周波数の交流
電圧を供給可能なインバータ電源は、例えば特開平2−
257591号公報に開示されている。
【0059】
【実施例】つぎに、本発明を実施例により具体的に説明
する。
【0060】実施例および比較例で作製した透明導電性
フィルムの耐アルカリ性、平坦性、屈曲性の評価方法を
〜に示す。
【0061】また、実施例および比較例で作製した透明
導電性フィルムを透明電極として用い、窒化アルミニウ
ムで相似被覆した蛍光物質を発光層に用いてEL素子を
作製し、このEL素子を用いて行った点灯試験の方法を
に示す。
【0062】耐アルカリ性試験 実施例および比較例にて作製した透明導電性フィルムを
7cm幅×5cmに切り出し、図3に示すようにITO
面(60)を5cm角残す様に両端に幅1cmで銀ペー
ストからなる電極(70)を設け、極間抵抗(R0)を
測定する。23℃50%RHの雰囲気下、28質量%ア
ンモニア水を0.5ml滴下し、4cm角のカバーをか
けることでITO膜の25cm2中16cm2がアンモニ
ア水に被覆されるようにする。5時間放置後、極間抵抗
(R)を測定し、抵抗変化率X(%)を下記式より求め
る。 X=(R−R0)/R0×100 (%)
【0063】平坦性試験 実施例および比較例にて作製した透明導電性フィルムを
10cm角に切り出し、実施例および比較例に記した温
度・時間で加熱処理した後、水平な場所に導電面を下に
してサンプルを置き、4隅の高さの平均値(mm)を測
定する。
【0064】屈曲性試験 実施例および比較例にて作製した透明導電性フィルムを
10cm角に切り出し、直径35mmの円柱に導電面を
内側にして180°の角度で同じ箇所を10回屈曲させ
る。中央の1cm角部分を顕微鏡で拡大観察し、発生し
たキズの本数を数える。
【0065】EL素子の高温高湿下点灯試験 実施例および比較例にて作製した透明導電性フィルムの
透明導電層上に、窒化アルミニウムを相似被覆した硫化
亜鉛を蛍光物質として用いた発光層、誘電体層を塗布法
により順次成膜した。塗布後の溶媒除去のための加熱
は、大気中120℃で12時間、乾燥させることにより
行った。発光層及び誘電体層を形成する際には透明導電
層の一部を電極端子用に残しておく。最後に誘電体層上
にカーボンペーストを塗布し乾燥させることにより裏面
電極を形成し、エレクトロルミネッセンス面発光体を作
製する。
【0066】これを温度60℃湿度90%RHの雰囲気
で、透明導電層と裏面電極との間に直流成分を含まない
100V・400Hzの交流電源を接続して電圧を印加
することにより発光させ、150時間の耐久試験を行
う。
【0067】試験の評価は、発生した非発光部の大きさ
と個数で行う。
【0068】[実施例1]ポリエチレンテレフタレート
フィルム(厚さ:125μm)の一方の主面に、厚さ1
00nmのITO膜をマグネトロンDCスパッタリング
法により成膜し、透明導電性フィルムを形成した。その
際、ターゲットには、酸化インジウム−酸化スズ焼結体
(組成比(質量比)In23:SnO2=80:20)
を用いた。また、スパッタリングガスとしてアルゴンを
用い、これに反応性ガスとして酸素を混合したガス(全
圧266mPa、酸素分圧13.3mPa)に、更に、
アルゴンに対する体積比で8%の水素を添加した。IT
O膜の成膜後、大気中、120℃で24時間加熱処理し
た。
【0069】[実施例2]スパッタリングガスとしてア
ルゴンを用い、これに反応性ガスとして酸素を混合した
ガス(全圧266mPa、酸素分圧36.6mPa)
に、更に、アルゴンに対する体積比で3%の水素を添加
してITO膜を形成したこと以外は、実施例1と同様の
方法で透明導電性フィルムを作製した。
【0070】[実施例3]スパッタリングガスとしてア
ルゴンを用い、これに反応性ガスとして酸素を混合した
ガス(全圧266mPa、酸素分圧44.0mPa)
に、更に、アルゴンに対する体積比で3%の水素を添加
してITO膜を形成したこと以外は、実施例1と同様の
方法で透明導電性フィルムを作製した。
【0071】[実施例4]ポリエチレンテレフタレート
フィルム(厚さ:188μm)の一方の主面に、厚さ5
0nmのITO膜をマグネトロンDCスパッタリング法
により成膜し、透明導電性フィルムを形成した。その
際、ターゲットには、酸化インジウム−酸化スズ焼結体
(組成比(質量比)In23:SnO2=80:20)
を用いた。また、スパッタリングガスとしてアルゴンを
用い、これに反応性ガスとして酸素を混合したガス(全
圧266mPa、酸素分圧26.6mPa)に、更に、
アルゴン体積比で3%の水素を添加した。ITO膜の成
膜後、大気中、150℃で4時間加熱処理した。
【0072】[実施例5]ITO膜を形成する前にスパ
ッタリング法により厚さ0.05nmのニッケル−クロ
ム合金薄膜層(質量比50:50)を形成した以外は実
施例1と同じ方法で透明導電性フィルムを作製した。
【0073】[実施例6]ポリエチレンテレフタレート
フィルム(厚さ:125μm)の一方の主面に、厚さ1
00nmのITO膜をマグネトロンDCスパッタリング
法により成膜し、透明導電性フィルムを形成した。その
際、ターゲットには、インジウム−スズ合金(組成比
(質量比)In:Sn=80:20)を用いた。また、
スパッタリングガスとしてアルゴンを用い、これに反応
性ガスとして酸素を混合したガス(全圧266mPa、
酸素分圧105mPa)に、更に、アルゴンに対する体
積比で4%の水素を添加した。ITO膜の成膜後、大気
中、120℃で24時間加熱処理した。
【0074】[比較例1]水素の添加量を0%とした以
外は、実施例1と同じ方法で透明導電性フィルムを作製
した。
【0075】[比較例2]酸素の添加量を0%とした以
外は、実施例1と同じ方法で透明導電性フィルムを作製
した。
【0076】[比較例3]酸素の添加量を0%とした以
外は、実施例2と同じ方法で透明導電性フィルムを作製
した。
【0077】[比較例4]水素の添加量を20%とした
以外は、実施例2と同じ方法で透明導電性フィルムを作
製した。
【0078】[比較例5]水素の添加量を0%とした以
外は、実施例2と同じ方法で透明導電性フィルムを作製
した。
【0079】[比較例6]水素の添加量を0%としたこ
と以外は、実施例6と同じ方法で透明導電性フィルムを
作製した。
【0080】以上の透明導電性フィルムを用いて、耐ア
ルカリ性試験、平坦性試験、耐屈曲性試験、及びEL素
子の高温高湿下点灯試験を行った結果を表1に示す。表
1から明らかなように、高酸素濃度雰囲気にさらに水素
を適量添加した雰囲気にてスパッタリング法で形成され
た透明導電性フィルムは、耐アルカリ性、平坦性、耐屈
曲性が向上し、それを用いて作製されたEL素子は、高
温高湿下における耐久性が飛躍的に向上する。
【0081】
【表1】
【0082】
【発明の効果】本発明によれば、ITO成膜時に高酸素
濃度雰囲気下で水素を添加することにより、耐アルカリ
性、加熱処理後の平坦性、柔軟性(耐屈曲性)が著しく
向上した透明導電性フィルムを提供することができる。
更に、これをエレクトロルミネッセンス発光素子の透明
電極に用いることにより、特に発光層に窒化アルミニウ
ムで相似被覆された蛍光物質を使用した場合、高温高湿
下における発光継続時の発光輝度の劣化を抑制でき、耐
久性に優れたエレクトロルミネッセンス発光素子が提供
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】透明導電性フィルムの断面図
【図2】エレクトロルミネッセンス発光素子の断面図
【図3】耐アルカリ性試験サンプルの説明図
【符号の説明】
10 透明高分子フィルム 20 主としてインジウム原子とスズ原子と酸素原子と
からなる透明導電層 30 発光層 40 裏面電極 50 電源 60 透明導電面 70 銀ペーストによる電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 33/14 H05B 33/14 Z 33/28 33/28 (72)発明者 中島 明美 愛知県名古屋市南区丹後通2−1 三井化 学株式会社内 (72)発明者 小山 正人 愛知県名古屋市南区丹後通2−1 三井化 学株式会社内 (72)発明者 牧野 雅憲 東京都千代田区霞が関三丁目2番5号 三 井化学株式会社内 (72)発明者 鈴木 彰 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 (72)発明者 岡田 知 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 Fターム(参考) 3K007 AB11 AB12 AB13 AB14 BA07 CA06 CB01 DA04 DB01 DB02 DC01 DC02 EA03 EB00 FA01 FA03 4K029 BA45 BA50 BC09 BD00 CA06 DC04 EA05 EA08 GA01 5G307 FA02 FB01 FB02 FC02 FC10 5G323 BA01 BA02 BB05 BC01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板(A)の一方の主面に、少なくとも
    主としてインジウム原子とスズ原子と酸素原子とからな
    る透明導電層(B)を形成した透明導電性フィルムであ
    って、該透明導電層(B)の表面積の60%以上70%
    以下を28質量%アンモニア水に5時間被覆したときの
    抵抗変化率が5%以内であることを特徴とする透明導電
    性フィルム。
  2. 【請求項2】 スパッタリングガスに対して、酸素を5
    体積%以上40体積%以下添加し、かつ、水素を1体積
    %以上10体積%以下添加したガス雰囲気下でターゲッ
    トにインジウム−スズ酸化物を用いて、スパッタリング
    法により製造することを特徴とする請求項1に記載の透
    明導電性フィルム。
  3. 【請求項3】 スパッタリングガスに対して、酸素を3
    0体積%以上100体積%以下添加し、かつ、水素を1
    体積%以上10体積%以下添加したガス雰囲気下でター
    ゲットにインジウム−スズ合金を用いてスパッタリング
    法により製造することを特徴とする請求項1に記載の透
    明導電性フィルム。
  4. 【請求項4】 80℃〜180℃の温度範囲で熱処理を
    施したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか
    に記載の透明導電性フィルム。
  5. 【請求項5】 前記透明導電層(B)が非晶質であるこ
    とを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の
    透明導電性フィルム。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の
    透明導電性フィルムの透明導電層(B)面に、少なくと
    も、窒化アルミニウムで相似被覆された蛍光物質粒子か
    らなる発光層(C)と裏面電極(D)とを順次形成した
    ことを特徴とするエレクトロルミネッセンス発光素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010183108A (ja) * 2005-09-06 2010-08-19 Canon Inc アモルファス酸化物膜をチャネル層に用いた電界効果型トランジスタ、アモルファス酸化物膜をチャネル層に用いた電界効果型トランジスタの製造方法及びアモルファス酸化物膜の製造方法
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