JP2003281767A - 光ピックアップ及び光ピックアップの製法並びに光ディスクシステム - Google Patents
光ピックアップ及び光ピックアップの製法並びに光ディスクシステムInfo
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Abstract
離差の小さい範囲では容易に測定できるが、光ピックア
ップの半導体レーザ端面から光ディスクまでの距離に相
当する距離差程度になると、簡易に測定できる範囲を越
えている。本発明は、このような問題を解決するため
に、光ピックアップに適用できる半導体レーザを簡易に
調整するか、又は選定することを目的とする。 【解決手段】 本発明に係る光ピックアップ及び光ピッ
クアップの製法並びに光ディスクシステムは、上記目的
を達成するために、推定した可干渉距離と光ピックアッ
プの光路長の比較から、光ピックアップに適用できる半
導体レーザを選定又は調整する。
Description
用して、光ディスクに書き込まれた情報を読み取る光ピ
ックアップ及び光ピックアップの製法並びに該光ピック
アップを備えた光ディスクシステムに関する。
DVD、MO、CD−R/RW、DVD−R/RW/R
AM等のシステムでは、半導体レーザを光ピックアップ
の光源として用いている。図9は、光ディスク36に記
録された情報を読取るための光ピックアップ31の概略
構造である。光ピックアップ31は、半導体レーザ3
2、ハーフミラー33、コリメートレンズ34、対物レ
ンズ35、受光素子37を備える。半導体レーザ32か
らの出力光は、ハーフミラー33で反射されて、コリメ
ートレンズ34で平行光束になる。平行光束は対物レン
ズ35で光ディスク36に集光される。光ディスク36
から反射された光は、対物レンズ35、コリメートレン
ズ34を通過し、ハーフミラー33を透過して受光素子
37で検出される。ハーフミラー33は、入射する光の
凡そ50%は透過させるが、凡そ50%は反射させる。
このため、光ディスクからの反射光の一部は、本来の受
光素子37に向かわずに、半導体レーザに戻ることにな
る。これを戻り光という。光ディスクから半導体レーザ
への戻り光は、半導体レーザの発光と干渉して、半導体
レーザの出力光に戻り光ノイズが発生する。
において、11は半導体レーザ、12はコリメートレン
ズ、13はハーフミラー、14は減衰器、15は全反射
ミラー、16は対物レンズ、17は受光素子、18はノ
イズ測定機である。半導体レーザ11からの出力光をコ
リメートレンズ12で平行光束とし、ハーフミラー13
で2つの平行光束に分離する。分離された平行光束の一
方は、減衰器14で所要の減衰を受け、全反射ミラー1
5で反射されて、半導体レーザ11に戻る。分離された
平行光束の他方は、対物レンズ16で集光され、受光素
子17で受光される。受光した半導体レーザ出力光はノ
イズ測定機18でノイズ量が測定される。この測定系で
は、減衰器14の減衰量を調整することによって、戻り
光ノイズに対する戻り光の量の影響を測定することがで
きる。
駆動する直流電流に高周波電流を重畳する方法が提案さ
れている(Electronics Letters, vol.20, No.20, pp.8
21-822)。図2に直流電流に高周波電流を重畳して半導
体レーザを駆動したときの光出力を示す。図2におい
て、駆動電流として、直流電流にサイン状の高周波電流
を重畳すると、出力光はパルス状となる。この提案は、
直流電流に高周波電流を重畳して半導体レーザを駆動す
ると、高周波電流により駆動電流が半導体レーザの閾値
を瞬時的にしたまわり、再度、発光開始するときにマル
チモードで発光する現象を利用するものである。
での距離が100mmで、1GHzの高周波電流を重畳
している。この場合、半導体レーザは500psecの
間、発光した後に500psecの間、発光停止という
パルス発光動作を繰り返す。光は500psecで約1
50mm進むため、半導体レーザから反射体までの往復
200mmの測定系では、半導体レーザの発光が停止し
た状態の間に前の発光状態からの出力光が反射体に反射
されて戻り光(図2において戻り光A)となる。この戻
り光は、発光停止状態から次の発光状態のときに戻る。
半導体レーザは発光状態と発光停止状態というパルス発
光動作を繰り返す際に、前の発光状態にあるときの半導
体レーザ出力光と次の発光状態にあるときの半導体レー
ザ出力光はコヒーレンスの相関がなくなる。この結果、
戻り光と次の発光状態の出力光はコヒーレントな相互作
用をしないため、戻り光ノイズは比較的低い値に抑えら
れる。
ピックアップの半導体レーザ端面と光ディスクの距離は
30mm程度に短くなっている。また、重畳する高周波
電流の周波数は不要輻射を防ぐため、300〜500M
Hzに抑えられている。このため、半導体レーザが発光
状態の間に出力光が光ディスクで反射して戻り光(図2
において戻り光B)となるため、戻り光が半導体レーザ
の発光と干渉し、戻り光ノイズが大きくなる。
励発振する半導体レーザも開発された。これは、半導体
レーザで発光が開始されると、発光波長での吸収係数等
が変化して、発光を停止し、発光を停止すると吸収係数
等が戻り、再度発光を開始するというパルス発光動作を
するものである。自励発振する半導体レーザも発光開始
時にはマルチモード発光することから、戻り光ノイズが
発生しにくいとされてきた。しかし、自励発振する半導
体レーザも、発振周波数に上限があり、小型化の進んだ
光ピックアップでは、半導体レーザが発光状態の間に出
力光が光ディスクで反射して戻り光となると、戻り光が
半導体レーザの発光と干渉し、半導体レーザ出力光の戻
り光ノイズが大きくなるという問題がある。
モード発振の半導体レーザは戻り光に強いとされてきた
が、前述したように、小型化した光ピックアップでは戻
り光の影響を受けるため、戻り光ノイズを評価する必要
が生じた。高周波電流の重畳効果や自励発振効果は最終
的には半導体レーザの出力光におけるノイズで評価され
るが、ノイズの測定は極めて複雑で、戻り光によるノイ
ズ評価の測定系において、重畳する高周波電流の強度と
戻り光ノイズの関係を評価することを困難にしている。
マイケルソン干渉計で評価する方法は多く報告されてい
る。図3にマイケルソン干渉計の原理構成を示す。図3
において、19は移動ミラー、20は固定ミラーであ
る。半導体レーザ11からの出力光をコリメートレンズ
12で平行光束とし、ハーフミラー13で2つの平行光
束に分離する。分離された平行光束の一方は、固定ミラ
ー20で反射され、ハーフミラー13を通過し、対物レ
ンズ16を経て受光素子17で検出される。分離された
平行光束の他方は、移動ミラー19で反射され、さらに
ハーフミラー13で反射され、対物レンズ16を経て受
光素子17で検出される。移動ミラー19を移動させる
ことにより、分離された2つの平行光束の受光素子17
までの距離差を可変とする。半導体レーザ11の出力光
を、移動ミラー19の作り出す距離差と受光素子17で
検出される光電力から可干渉性を測定する。
距離差の小さい範囲では容易に測定できるが、光ピック
アップの半導体レーザ端面から光ディスクまでの距離に
相当する距離差程度になると、簡易に測定できる範囲を
越えている。
問題を解決するために、光ピックアップに適用できる半
導体レーザを簡易に調整するか、又は選定することを目
的とする。発明者は、困難なノイズ測定に代えて、他の
指標で評価することを検討した。その結果、マルチモー
ド発振する半導体レーザ出力光の可干渉性をマイケルソ
ン干渉計で観測し、visibility曲線の包絡線が一定値以
下に落ちる距離を可干渉距離と定義し、該可干渉距離を
光ピックアップの光路長よりも短くなるようにすれば、
戻り光ノイズを抑えられることを見出した。光ピックア
ップの光路長とは、光ピックアップの半導体レーザ出射
端面から、光ディスクまでの距離を屈折率で補正して、
空気中での距離に換算したものをいう。
結果を図4の左側のグラフに示す。図4の左側のグラフ
において、横軸は図3における分離された2つの平行光
束の受光素子17までの距離差を表し、縦軸はvisibili
ty(干渉出力)を表す。簡易なマイケルソン干渉計で
は、移動ミラーを大きく移動させることができないた
め、図4の左側のグラフに示すように、微小距離差でし
かvisibilityを測定できない。一方、図4に示すよう
に、visibility曲線の包絡線はガウス分布で近似できる
ことから、それぞれの半導体レーザにおいて、visibili
ty曲線のγ1の値から包絡線を外挿して、visibility曲
線の包絡線が一定値になる値を推定した。γnとはvisi
bility曲線の中央に対するn番目のピークの比をいい、
従って、γ1とは、visibility曲線の中央に対する次の
ピークの比をいう。visibility曲線の包絡線が当該一定
値になる値を可干渉距離と定義し、光ピックアップの光
路長が可干渉距離よりも長ければ、半導体レーザ出力光
の戻り光ノイズが許容量以下になることを見出した。こ
こで、γ1からだけでなく、簡易なマイケルソン干渉計
で測定できる任意のn番目のγnから包絡線を外挿して
もよい。
ために、推定した可干渉距離と光ピックアップの光路長
の比較から、光ピックアップに適用できる半導体レーザ
を選定又は調整する。具体的には、請求項1に係る発明
は、縦マルチモード化した半導体レーザの出力光の可干
渉距離を光ピックアップ光路長よりも短くした半導体レ
ーザを備えた光ピックアップである。
信号を重畳した駆動電流で半導体レーザを動作させ、縦
マルチモード化した半導体レーザからの出力光の可干渉
距離が、光ピックアップ光路長よりも短くなるよう駆動
電流を調整して前記半導体レーザを組み込むことを特徴
とする光ピックアップの製法である。
光ピックアップ、又は請求項2に記載の製法によって製
造した光ピックアップを組み込んだ光ディスクシステム
である。本発明により、複雑な手順のノイズ測定や、大
規模なマイケルソン干渉計を使用した測定を不要とし、
許容される戻り光ノイズ量以下の光ピックアップ及び該
光ピックアップを組み込んだ光ディスクシステムを構成
することができる。
態を説明する。 (実施の形態1)光ピックアップに適用する半導体レー
ザをマルチモードで発光させるために、直流電流に33
0MHzの高周波電流を重畳した駆動電流で半導体レー
ザを駆動する。このときの、出力光を時間軸で測定した
結果を図5(1)に示す。高周波電流の周波数に合わせ
て、パルス状の発光状態になっている。このときの、半
導体レーザの出力光の可干渉性を簡易なマイケルソン干
渉計で観測する。観測結果を図5(2)に示す。
手法により、visibilityの包絡線を外挿する。発明者
は、本光ピックアップに適用する半導体レーザでは、vi
sibility曲線の包絡線が、1/e2になる距離を可干渉
距離と定めて、この可干渉距離を光ピックアップの光路
長よりも短くすれば、許容される戻り光ノイズ量よりも
低減できることを見出した。図5(2)のvisibility曲
線の包絡線から導かれる可干渉距離は、47mmであ
る。
げ、直流電流を小さくした上で高周波電流の振幅を上げ
て、半導体レーザを駆動する。このときの、出力光を時
間軸で測定した結果を図6(1)に示す。図5(1)の
出力光に比較して、パルス繰り返し周波数が上昇し、さ
らに、パルス幅も狭くなっている。このときの、半導体
レーザの出力光の可干渉性を簡易なマイケルソン干渉計
で観測する。測定結果を図6(2)に示す。図5(2)
に比較して、visibility曲線が急に減衰していることが
理解できる。これは、上記のように、パルス幅を狭くし
たために、発光時のマルチモード化が進んだためであ
る。図6(2)のvisibility曲線から導かれる可干渉距
離は、27mmである。
た。図5及び図6の状態で、ピックアップ光路長を変化
させたときの戻り光ノイズ量を測定した。測定結果を図
7に示す。図7の横軸は光ピックアップの光路長、縦軸
は戻り光ノイズである。図7において、図5の状態を
A、図6の状態をBとしている。図7において、戻り光
ノイズ許容量は−125dB/Hzであることから、A
の場合に許容される光ピックアップの光路長は49m
m、Bの場合に許容される光ピックアップの光路長は2
7mmである。先にvisibility曲線から求めた可干渉距
離とよく一致していることが分かる。
線が1/e2になる距離を可干渉距離と定めて、直流電
流に高周波電流を重畳した駆動電流で半導体レーザを動
作させ、縦マルチモード化した半導体レーザからの出力
光の可干渉距離が、光ピックアップ光路長よりも短くな
るように、半導体レーザの駆動電流を調整することによ
り、許容戻り光ノイズ量以下の光ピックアップを構成で
きることが確認できた。
により、複雑な手順のノイズ測定や、大規模なマイケル
ソン干渉計を使用した観測を不要とし、また、縦マルチ
モード化した半導体レーザの出力光の可干渉距離を光ピ
ックアップ光路長よりも短くした半導体レーザを備えた
光ピックアップは、許容戻り光ノイズ量以下とすること
ができた。
件で、異なる半導体レーザを駆動した場合の可干渉性を
測定した。このとき、visibility曲線の包絡線が1/e
2になる距離、即ち可干渉距離は30mmであった。こ
の状態で、光ピックアップの光路長を変化させたときの
ノイズ量を測定した。測定結果を図7に併せて示す(図
7のC)。図7において、戻り光ノイズ許容量は−12
5dB/Hzであることから、Cの場合に許容される光
ピックアップの光路長は30mmである。先にvisibili
ty曲線から求めた可干渉距離とよく一致していることが
分かる。
m以上の光ピックアップには本半導体レーザを選定する
ことができる。自励発振する半導体レーザであっても、
半導体レーザの出力光の可干渉距離が光ピックアップの
光路長よりも短い半導体レーザを選定することによっ
て、光ピックアップに組み込むことができる。本実施の
形態で説明したように、半導体レーザの出力光の可干渉
距離を光ピックアップ光路長よりも短くした半導体レー
ザを選定して光ピックアップに組み込むことによって、
許容ノイズ量以下の光ピックアップを実現することがで
きた。
複雑な手順のノイズ測定や、大規模なマイケルソン干渉
計を使用した測定を不要とし、また、縦マルチモード化
した半導体レーザの出力光の可干渉距離を光ピックアッ
プ光路長よりも短くした半導体レーザを備えた光ピック
アップは、許容戻り光ノイズ量以下とすることができ
た。
図8に示すように光ピックアップ21と、光ピックアッ
プスライド機構22と、光ディスク回転機構23とを有
する。光ピックアップスライド機構22は、光ピックア
ップをスライドさせるための機構であって、光ピックア
ップをスライドさせる歯車(22−1)やレール機構
(22−2乃至22−3)等を備える。光ディスク回転
機構は、光ディスクを回転させる機構を備える。従っ
て、光ピックアップの光路長とは、光ピックアップ21
に設置された半導体レーザから、光ディスク回転機構2
3によって回転させられる光ディスク(図示せず)まで
の距離をいうことになる。
説明した光ピックアップを組み込むことにより、要求さ
れる許容戻り光ノイズ量以下の性能を有する光ディスク
システムを構成することができた。以上のことから、本
光ディスクシステムでは、複雑な手順のノイズ測定や、
大規模なマイケルソン干渉計を使用した測定を不要と
し、所望の戻り光ノイズ量以下の光ディスクシステムを
構成することができた。
雑な手順のノイズ測定や、大規模なマイケルソン干渉計
を使用した測定を不要とし、所望の戻り光ノイズ量以下
の光ピックアップ及び該光ピックアップを組み込んだ光
ディスクシステムを構成することができる。本発明によ
る光ピックアップでは、所望のノイズ量以下の性能を保
証することができ、任意の組み合わせで光ディスクシス
テムを構成することが可能になる。
係、及び出力光と戻り光の時間関係を説明する図であ
る。
ある。
可干渉性を観測した結果を説明する図である。
導体レーザを駆動したときの出力光を時間軸で測定した
結果と、出力光の可干渉性をマイケルソン干渉計で観測
した結果を説明する図である。
導体レーザを駆動したときの出力光を時間軸で測定した
結果と、出力光の可干渉性をマイケルソン干渉計で観測
した結果を説明する図である。
出力光の戻り光ノイズを測定した結果を説明する図であ
る。
る。
る。
ド機構 23:光ディスク回転機構 24:光ディスクシステム 31:光ピックアップ 32:半導体レーザ 33:ハーフミラー 34:コリメートレンズ 35:対物レンズ 36:光ディスク 37:受光素子
Claims (3)
- 【請求項1】 半導体レーザからの出力光を光ディスク
に集光し、該光ディスクからの反射光を受光することに
より前記光ディスクに書き込まれた情報を読取る光ピッ
クアップにおいて、縦マルチモード化した半導体レーザ
の出力光の可干渉距離を光ピックアップ光路長よりも短
くした半導体レーザを備えた光ピックアップ。 - 【請求項2】 半導体レーザからの出力光を光ディスク
に集光し、該光ディスクからの反射光を受光することに
より前記光ディスクに書き込まれた情報を読取る光ピッ
クアップの製法において、直流電流に高周波信号を重畳
した駆動電流で半導体レーザを動作させ、縦マルチモー
ド化した半導体レーザからの出力光の可干渉距離が、光
ピックアップ光路長よりも短くなるよう駆動電流を調整
して前記半導体レーザを組み込むことを特徴とする光ピ
ックアップの製法。 - 【請求項3】 光ピックアップと、光ピックアップスラ
イド機構と、光ディスク回転機構とを有する光ディスク
システムにおいて、請求項1に記載の光ピックアップ、
又は請求項2に記載の製法によって製造した光ピックア
ップを組み込んだ光ディスクシステム。
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2003
- 2003-03-19 US US10/392,074 patent/US7388823B2/en not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7543148B2 (ja) | 2021-01-13 | 2024-09-02 | 東芝テック株式会社 | 検出装置 |
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JP3577054B2 (ja) | 2004-10-13 |
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