JP2003279086A - ファンフィルター装置 - Google Patents

ファンフィルター装置

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JP2003279086A
JP2003279086A JP2002084609A JP2002084609A JP2003279086A JP 2003279086 A JP2003279086 A JP 2003279086A JP 2002084609 A JP2002084609 A JP 2002084609A JP 2002084609 A JP2002084609 A JP 2002084609A JP 2003279086 A JP2003279086 A JP 2003279086A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吹出し面に垂直な方向の高さを低く抑え、し
かも吹出し面の全面から略均一な風速の清浄化された空
気が送り出される構造のファンフィルター装置を提供す
る。 【解決手段】 電動ファン16とHEPAフィルター1
8をケース11,12内に備え、電動ファン16によっ
て外部から取り入れられた空気がHEPAフィルター1
8を上面側から下面側に通過して清浄化された後にケー
ス12の底面に設けられた吐き出し口14から下方に送
り出される。電動ファン16として遠心式ファンが使用
され、HEPAフィルター18の横に設けられた空間に
電動ファン16が配置され、電動ファン16のハウジン
グ出口部とHEPAフィルター18の上部空間とを連通
する連結ダクト24が備えられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動ファンとフィ
ルターを備え濾過清浄した空気を送り出すファンフィル
ター装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のファンフィルター装置は、電子
機器や精密機械等の組み立て場所及び保管場所の空気を
清浄化するために用いられる。例えば、組み立て作業テ
ーブルの上方から下方に向けて清浄化された空気を送り
出すようにファンフィルター装置が設置される。あるい
は、保管庫の上にファンフィルター装置を設置し、保管
庫の天井に設けられた開口から保管庫内へ清浄化された
空気が送り出されるようにする。
【0003】図11は従来の典型的なファンフィルター
装置の構造を示す側面視の構成図である。このファンフ
ィルター装置100は、直方体形状又は円筒形状のケー
ス101の内部に、電動モータ102とその上下方向の
回転軸に固着されたプロペラファン103とフィルター
104とを備え、これらが上下方向に並ぶように配置さ
れている。
【0004】矢印線で示すように、プロペラファン10
3によってケース101の上側の開口から取り込まれた
空気が下方へ送り出され、フィルター104を通って清
浄化された後に下方空間に送り出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】例えば図12に示すよ
うに、装置又は保管庫110の上(天井)にファンフィ
ルター装置100を載せた状態で使用する際に、部屋の
床から天井までの高さHが低く、装置又は保管庫110
の上に十分な空間を確保することが困難な場合がある。
このような場合は、ファンフィルター装置100の高さ
hが小さい(低い)ほど望ましい。
【0006】しかし、上記の従来構造のファンフィルタ
ー装置100は、電動モータ102、プロペラファン1
03及びフィルター104が上下方向に略一直線上に配
置されているので、上下方向の高さを小さくすることが
困難である。
【0007】また、図13に模式的に示すように、従来
構造のファンフィルター装置100では、フィルター1
04を通って下方空間に送り出される清浄化された空気
の風速112が外周部から中央部に向かって小さくな
り、中央部にはほとんど空気が送リ出されない領域があ
る。
【0008】これは、プロペラファン103の構造上、
回転軸中央部では風速が小さく、外周部に向かって風速
が増加するからである。この結果、フィルター104の
中央部は空気の清浄化に十分寄与することができない。
また、ファンフィルター装置100から送り出された空
気の周辺部と中央部との風速の差によって渦が発生しや
すくなる。渦が発生すると、塵埃を巻き上げる問題が生
ずる。
【0009】本発明は上記のような課題に鑑みてなされ
たものであり、吹出し面に垂直な方向の高さを低く抑
え、しかも吹出し面の全面から略均一な風速の清浄化さ
れた空気が送り出される構造のファンフィルター装置を
提供することを目的とする。また、そのような構造に伴
う種々の工夫を行うことも本発明の目的である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によるファンフィ
ルター装置は、電動ファンとフィルターをケース内に備
え、前記電動ファンによって外部から取り入れられた空
気が前記フィルターを上面側から下面側に通過して清浄
化された後にケース底面に設けられた吐き出し口から下
方に送り出されるように構成されたファンフィルター装
置であって、前記電動ファンとして遠心式ファンを使用
し、前記フィルターの横に設けられた空間に前記電動フ
ァンが配置され、前記電動ファンのハウジング出口部と
前記フィルターの上部空間とを連通する連結ダクトが備
えられていることを特徴とする。
【0011】このように、電動ファン(遠心式ファン)
とフィルターとが横に並ぶ配置としたことにより、図1
1に示した従来の構造に比べて、ファンフィルター装置
の上下方向の高さを低くすることができる。また、従来
の構造と異なり、フィルターの上部に空気の流れを妨げ
る電動ファンのモータ等が配置されないので、フィルタ
ーの全面に空気が送り込まれ、効率的に空気の清浄化が
行われると共に、吐き出し口の全面から均一な風速の空
気が送り出される。
【0012】好ましい実施形態において、前記ケースの
上面に傾斜部を設けることにより、前記フィルターの上
部空間における空気の流路断面積が前記電動ファンから
遠ざかるほど小さくなるように構成されている。
【0013】このような構成によれば、フィルターの上
部空間において通常は電動ファンから遠ざかるほど空気
の圧力が低下する現象が補償され、フィルターの全面に
わたってできるだけ均一な圧力で空気がフィルターを通
過する。これにより、フィルターを通過した空気の風速
分布がフィルターの全面で略均一になる。
【0014】更に好ましい実施形態では、前記フィルタ
ーの上部空間において、前記フィルターの上面に垂直な
面を有する一対の整流板を備え、該一対の整流板で挟ま
れた空間が、前記電動ファンから遠ざかる方向に一旦広
がった後に徐々に狭くなるように構成されている。この
ような整流板の働きにより、フィルターの上部空間にお
ける空気の渦の発生が抑制される。その結果、フィルタ
ーの上面にかかる空気の圧力を一層均一にすることがで
きる。
【0015】別の好ましい実施形態において、前記電動
ファンのハウジング出口部から前記連結ダクトに至る流
路の内壁に風速センサが設けられ、該風速センサの出力
信号に基づいて前記電動ファンの送風能力のフィードバ
ック制御を行う電子回路をファンフィルター装置が備え
ている。
【0016】流路断面積の小さい流路部分に取り付けら
れた風速センサによって比較的速い風速を正確に検出す
ることができ、その検出値に基づいて風速(したがって
風量)が略一定になるように電動ファンの送風能力のフ
ィードバック制御を行う。長時間の使用によってフィル
ターが徐々に目詰まりを生じて圧力損失が増加しても、
上記の制御によって常に安定した送風量の清浄化された
空気を送り出すことができる。
【0017】更に好ましい実施形態において、前記電子
回路は、前記電動ファンのモータに供給する電力が基準
値を超えたときに前記フィルターの交換を促す報知を行
う機能を更に備えている。このような機能によれば、上
記のフィルターの目詰まりに伴う圧力損失のフィードバ
ック制御による補償が限界に達したときに、フィルター
交換の必要性を的確に報知することができる。
【0018】別の好ましい実施形態において、前記電動
ファンが配置された空間において、前記フィルターが配
置された空間との隔壁に沿うように、電子回路を搭載し
たプリント配線板が配置されている。これにより、ファ
ンのハウジング出口部及び連結ダクトの下の空間を有効
に活用してファンフィルター装置全体の大きさを小さく
することができる。なお、プリント配線板の面積をでき
るだけ大きくとるには、ファンのハウジング出口部につ
ながる連結ダクトを逃げる切欠き部をプリント配線板に
形成すればよい。
【0019】更に別の好ましい実施形態において、ファ
ンフィルター装置は第1プレフィルター及び第2プレフ
ィルターを備え、前記第1プレフィルターは前記ケース
の空気取り入れ口に設けられ、前記第2プレフィルター
は前記フィルターの上面を略覆うように設けられてい
る。このような構成によれば、外部から取り込まれた空
気は、第1プレフィルターによって髪の毛や綿埃のよう
な大きな異物が取り除かれた後にファンに供給され、第
2プレフィルターによってカビの胞子や花粉のような細
かい異物が大雑把に取り除かれた後にフィルター(主フ
ィルター)に供給される。これにより、大きな異物によ
る電動ファンの故障を回避できると共に、主フィルター
の寿命を延ばすことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0021】図1は、本発明の実施形態に係るファンフ
ィルター装置の外観を示し、(a)は上面図、(b)は
側面図、(c)は下面図である。このファンフィルター
装置10は、樹脂成形品である上ケース11と下ケース
12を有する。上ケース11の上面の長手方向一側部に
一対の空気取り入れ口13が設けられている。また、下
ケース12の底面に吐き出し口(吐き出し面)14が設
けられている。吐き出し口14は、平面視において、空
気取り入れ口13が設けられている長手方向一側部の反
対側から中央部にかけて略正方形に形成されている。
【0022】空気取り入れ口13は、上ケース11に形
成された複数のスリット開口が並んだ構造と、その内側
に貼り付けられたナイロンメッシュ(図示せず)によ
り、第1プレフィルターを構成している。空気取り入れ
口の第1プレフィルター13によって、髪の毛や綿埃の
ような大きい塵埃がファンフィルター装置の内部に入る
のを阻止して、ファンの故障を防いでいる。
【0023】図2は、本発明の実施形態に係るファンフ
ィルター装置の内部構造図であり、(a)は平面視、
(b)は側面視の内部構造の概略を示している。ファン
フィルター装置10の略直方体の内部空間において、長
手方向の一方側に遠心式ファンの一種であるシロッコフ
ァン16と、それを回転駆動する電動モータ17が配置
され、他方側にHEPAフィルター18と第2プレフィ
ルター19が配置されている。
【0024】図3は、HEPAフィルター18の構造を
示し、(a)は平面図、(b)は側面から見た断面図で
ある。HEPAフィルター18は、空気を清浄化するた
めの主フィルターであり、ガラス繊維不織布を折り畳ん
で多数の襞を形成したフィルター本体22をアルミニウ
ム枠21に装着した構造を有する。多数の襞を形成する
ことにより、フィルター本体22の濾過作用を奏する表
面積を増やしている。
【0025】また、第2プレフィルター19は不織布で
構成され、HEPAフィルター18の上面(上流側)に
装着されている。第2プレフィルター19は、カビの胞
子や花粉等の数ミクロンの埃の通過を阻止することがで
きる。第2プレフィルター19は不織布を所定寸法にカ
ットしたものであり、HEPAフィルター18に比べて
非常に安価である。目詰まりが生ずれば新しいものに取
り替えることができる。あるいは、取り外して水洗又は
掃除機での吸引等により容易にその濾過作用を回復させ
ることができる。これにより、高価なHEPAフィルタ
ー18の寿命を延ばすことができる。
【0026】図1及び図2からわかるように、上ケース
11の一対の空気取り入れ口(第1プレフィルター)1
3は、平面視でシロッコファン16の両側(上下)に位
置するように形成されている。空気取り入れ口(第1プ
レフィルター)13を通して外部から取り入れた空気
は、図2に矢印線で示すように、シロッコファン16の
両側(上下両方向)からシロッコファン16に入り、そ
のハウジング出口部に取り付けられた連結ダクト24を
通ってHEPAフィルター18の上部空間25に導かれ
る。
【0027】図4は、シロッコファン16のハウジング
出口部側からみたシロッコファン16及び電動モータ1
7を示す図である。シロッコファン16は、略円筒形の
ハウジング16aとその中で回転する羽根車16bから
なり、羽根車16bの回転軸は電動モータ17の回転軸
に接続されている。ハウジング16aには、長方形の吐
き出し口16cが形成されている。矢印線で示すよう
に、ハウジング16aの両側面の空気取り入れ口から空
気が取り入れられ、吐き出し口16cから(紙面に垂直
に手前方向へ)吐き出される。
【0028】図2に示すように、HEPAフィルター1
8の上部空間25は、シロッコファン16及び電動モー
タ17が配置された空間27から隔壁26によって分離
されている。隔壁26の中央部に開口部26aが形成さ
れ、この開口部26aが連結ダクト24に接続されてい
る。連結ダクト24及び開口部26aを通ってHEPA
フィルター18の上部空間25に導かれた空気は、シロ
ッコファン16によって正の圧力を与えられた状態で第
2プレフィルター19及びHEPAフィルター18を上
面側から下面側へ通過して清浄化され、下ケース12の
底面の吐き出し口14から外部へ送り出される。
【0029】図5は、空気が第2プレフィルター19及
びHEPAフィルター18の全面を均一に通過して送り
出される様子を矢印線で模式的に示している。本実施形
態のファンフィルター装置は、従来技術の説明で例示し
た構造と異なり、HEPAフィルター18の上部に空気
の流れを妨げる電動モータ等が配置されていないので、
HEPAフィルター18の全面に空気が送り込まれ、効
率的に空気の清浄化が行われる。
【0030】また、上ケース11の上面に傾斜部11a
を設け、シロッコファン16から遠ざかるにつれて上面
が下がるようにしている。この結果、HEPAフィルタ
ー18の上部空間25は、シロッコファン16から遠ざ
かるにつれて狭くなっている。つまり、空気の流れる方
向に沿って流路断面積が徐々に小さくなるように構成さ
れている。
【0031】このような工夫をしなければ、HEPAフ
ィルター18の上部空間25において、シロッコファン
16から遠い流路下流側ほど空気の圧力が下がる現象が
発生する。そこで、上記のように流路下流側ほど流路断
面積が小さくなるように構成することにより、圧力の低
下を補償してHEPAフィルター18の上面全体にわた
って略均一な空気圧がかかるようにしている。これによ
り、HEPAフィルター18を通過した空気の風速分布
がHEPAフィルター18の全面で略均一になる。
【0032】図6は、HEPAフィルター18の上部空
間25に設けた整流板とその効果を説明するための図で
ある。上述の工夫に加えて、図6に示すような一対の整
流板29をHEPAフィルター18の上部空間25に設
けることにより、渦の発生を抑えてHEPAフィルター
18の上面にかかる空気圧を一層均一にすることができ
る。
【0033】図7は、整流板29が無い場合のHEPA
フィルター18の上部空間25における渦の発生を模式
化して示す図である。整流板29が無い場合は、矢印線
30で示すように渦が発生し、渦30の中心部では空気
圧が低下する。その結果、この部分からHEPAフィル
ター18を通過して送り出される空気の風速が他の部分
に比べて小さくなる現象が発生する。
【0034】図6に示す一対の整流板29は、平面視く
の字形の板を向かい合わせた形状をしており、一対の整
流板29に挟まれた空間が、シロッコファン16からH
EPAフィルター18の上部空間25に吐き出される空
気の流れる方向に沿って、一旦広がった後に徐々に狭く
なるように構成されている。このような形状の整流板2
9を用いることにより、図6に矢印線で示すように、H
EPAフィルター18の上部空間25における空気の流
れが円滑になり、渦が発生しにくくなる。その結果、H
EPAフィルター18の上面にかかる空気圧が全体にわ
たって均一になり、HEPAフィルター18を通過した
空気の風速分布がHEPAフィルター18の全面で略均
一になる。
【0035】なお、整流板29は上ケース11の天井内
壁面から突出するように設けることが好ましい。こうす
れば、樹脂成形によって上ケース11を作るときに、整
流板29も一緒に形成されるので、部品点数が増えるこ
となく、また、整流板29を上ケース11等に固定する
手間が省ける。もちろん、上ケース11と独立の部材と
して整流板29を設けてもよい。
【0036】次に、ファンフィルター装置10に内蔵さ
れる電子回路について説明する。前述のような構造のH
EPAフィルター18は、長時間使用すれば埃による目
詰まりが発生する。使用環境によって異なるが、所定時
間が経過すればHEPAフィルター18を新しいものに
交換する必要がある。HEPAフィルター18を交換す
るまでの間は、目詰まりが徐々に進行し、HEPAフィ
ルター18の圧力損失が徐々に増加することになる。圧
力損失が増加すれば、吐き出し口14から送り出される
空気の風量が低下する。
【0037】上記のような使用時間の経過に伴う風量の
低下を補償するために、本実施形態のファンフィルター
装置は、風速センサの出力に基づいて電動モータ17に
供給する電力のフィードバック制御を行う電子回路を備
えている。図2に示すように、シロッコファン16のハ
ウジング出口部の内壁に風速センサ28が取り付けられ
ている。この風速センサ28は、トランジスタのベース
エミッタ間電圧が温度によって変化することを利用した
ものである。つまり、風速センサ28が晒されている空
気の風速が速くなるほどトランジスタの冷却効果が高く
なるので、ベースエミッタ間電圧を風速センサ28のセ
ンサ出力として検出すれば、風速がわかることになる。
このような風速センサ28は公知であるので、詳しい説
明は省く。トランジスタに代えて電熱素子を用い、その
抵抗値の変化をセンサ出力とする風速センサもある。
【0038】風速センサ28が取り付けられたファン出
口部分の流路断面積は既知であるから、風速がわかれば
風量が計算できる。また、図11に示した従来構造のフ
ァンフィルター装置では風速を正確に測定することが困
難であるが、本実施形態の構造では、流路断面積の小さ
い流路部分に風速センサ28を取り付けるので、比較的
速い風速を検出することができ、正確に風速(風量)を
測定することができる。
【0039】図8は、風速センサ28の出力に基づいて
電動モータ17(シロッコファン16)のパワー制御を
行う電子回路38のブロック図である。風速センサ28
の出力信号は比較器31で基準値と比較される。その出
力は制御回路32に入力され、制御回路32は比較器3
1の出力(誤差)がゼロになるようにモータドライバ3
3を介して電動モータ17(への供給電力)を制御す
る。
【0040】電動モータ17への供給電力(電流)は電
力計(電流計)34でモニタされ、その出力が比較器3
5に与えられている。比較器35は、電力計(電流計)
34の出力を基準値と比較し、電動モータ17への供給
電力(電流)が基準値を超えるとその出力極性を反転す
る。比較器35の出力極性が反転すると、表示器36に
フィルター交換サインが表示されると共に、出力回路3
7からフィルター交換信号が出力される。つまり、電動
モータ17への供給電力が基準値を超えると、もはや電
動モータ17の制御によってHEPAフィルター18の
目詰まりを補償することはできないので、フィルター交
換サイン及び信号によってHEPAフィルター18の交
換を促す。
【0041】図9は、上記のような電子回路38が実装
されたプリント配線板の配置を示すファンフィルター装
置の内部構成図である。(a)は平面視、(b)は第1
側面視であり、それぞれプリント配線板41の厚みが描
かれている。(c)は第2側面視であり、プリント配線
板41の外形が描かれている。
【0042】図9からわかるように、プリント配線板4
1は、シロッコファン16及び電動モータ17が配置さ
れた空間27のうち、フィルター室(HEPAフィルタ
ー18の上部空間25)との隔壁26に沿うように配置
されている。図9(c)からわかるように、シロッコフ
ァン16のハウジング出口部につながる連結ダクト24
を逃げる切欠き部41aがプリント配線板41に形成さ
れている。プリント配線板41の部品面が空間27に向
けられ、背の高い部品も問題なく実装できる。また、外
部からシロッコファン16へ空気を導く空気流路にプリ
ント配線板41を配置することによって、プリント配線
板41上に実装された回路部品を冷却する効果も得られ
る。
【0043】このようにプリント配線板41を配置する
ことにより、シロッコファン16のハウジング出口部及
び連結ダクト24の下の空間を有効に活用してファンフ
ィルター装置全体の大きさを小さくすることができる
(全長を短くすることができる)。図10に比較例を示
すように、同程度の面積のプリント配線板41'をシロ
ッコファン16及び電動モータ17が配置された空間2
7の右端部に配置しようとすれば、プリント配線板4
1'の厚み及び実装部品の高さに相当する長さLだけフ
ァンフィルター装置を長くする必要がある。
【0044】以上、本発明の実施形態を変形例と共に説
明したが、本発明は上記の実施形態に限らず、種々の形
態で実施することができる。図示した形状及び構造、そ
して各部材の材質の記述は一例に過ぎず、必要に応じて
変更可能である。
【0045】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明のファン
フィルター装置によれば、電動ファンとフィルターを横
に並べたことにより、ファンフィルター装置の上下方向
の高さを低くすることができる。また、フィルターの上
部に空気の流れを妨げる電動ファンのモータ等が配置さ
れないので、フィルターの全面に空気が送り込まれ、効
率的に空気の清浄化が行われると共に、吐き出し口の全
面から均一な風速の空気が送り出される。更に、フィル
ターの上部空間の構造を工夫し、整流板を設けたことに
より、フィルターを通過した空気の風速分布がフィルタ
ーの全面で略均一になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るファンフィルター装置
の外観を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るファンフィルター装置
の内部構造図である。
【図3】HEPAフィルターの構造を示す図である。
【図4】シロッコファンのハウジング出口部側からみた
シロッコファン及び電動モータを示す図である。
【図5】空気が第2プレフィルター及びHEPAフィル
ターの全面を均一に通過して送り出される様子を模式的
に示す図である。
【図6】HEPAフィルターの上部空間に設けた整流板
とその効果を説明するための図である。
【図7】整流板が無い場合のHEPAフィルターの上部
空間における渦の発生を模式化して示す図である。
【図8】風速センサの出力に基づいて電動モータのパワ
ー制御を行う電子回路のブロック図である。
【図9】本発明の実施形態における電子回路が実装され
たプリント配線板の配置を示すファンフィルター装置の
内部構成図である。
【図10】比較例における電子回路が実装されたプリン
ト配線板の配置を示すファンフィルター装置の内部構成
図である。
【図11】従来の典型的なファンフィルター装置の構造
を示す側面視の構成図である。
【図12】ファンフィルター装置の使用例を示す図であ
る。
【図13】図11のファンフィルター装置から送り出さ
れる空気の風速分布を模式的に示す図である。
【符号の説明】
11 上ケース 11a 傾斜部 12 下ケース 13 空気取り入れ口(第1プレフィルター) 14 吐き出し口(吐き出し面) 16 電動ファン(シロッコファン) 16a ファンのハウジング 17 電動モータ 18 フィルター(HEPAフィルター) 19 第2プレフィルター 24 連結ダクト 25 フィルターの上部空間 26 隔壁 27 電動ファンが配置された空間 28 風速センサ 29 整流板 38 電子回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F24F 11/02 F24F 11/02 M 13/08 13/08 A (72)発明者 里吉 寛之 大阪府大阪市東淀川区東中島1−3−14 株式会社キーエンス内 Fターム(参考) 3L056 BD04 BE01 BF06 3L060 AA05 AA08 CC09 CC10 DD02 DD06 EE26 3L081 AA01 AB01 BA03 4D058 JA14 KB11 LA01 NA01 PA05 PA07 QA01 QA03 QA11 QA13 QA17 QA21 UA25

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電動ファンとフィルターをケース内に備
    え、前記電動ファンによって外部から取り入れられた空
    気が前記フィルターを上面側から下面側に通過して清浄
    化された後にケース底面に設けられた吐き出し口から下
    方に送り出されるように構成されたファンフィルター装
    置であって、 前記電動ファンとして遠心式ファンを使用し、前記フィ
    ルターの横に設けられた空間に前記電動ファンが配置さ
    れ、前記電動ファンのハウジング出口部と前記フィルタ
    ーの上部空間とを連通する連結ダクトが備えられている
    ことを特徴とするファンフィルター装置。
  2. 【請求項2】前記ケースの上面に傾斜部を設けることに
    より、前記フィルターの上部空間における空気の流路断
    面積が前記電動ファンから遠ざかるほど小さくなるよう
    に構成されていることを特徴とする請求項1記載のファ
    ンフィルター装置。
  3. 【請求項3】前記フィルターの上部空間において、前記
    フィルターの上面に垂直な面を有する一対の整流板を備
    え、該一対の整流板で挟まれた空間が、前記電動ファン
    から遠ざかる方向に一旦広がった後に徐々に狭くなるよ
    うに構成されていることを特徴とする請求項1又は2記
    載のファンフィルター装置。
  4. 【請求項4】前記電動ファンのハウジング出口部から前
    記連結ダクトに至る流路の内壁に風速センサが設けら
    れ、該風速センサの出力信号に基づいて前記電動ファン
    の送風能力のフィードバック制御を行う電子回路を備え
    ていることを特徴とする請求項1、2又は3記載のファ
    ンフィルター装置。
  5. 【請求項5】前記電子回路は、前記電動ファンのモータ
    に供給する電力が基準値を超えたときに前記フィルター
    の交換を促す報知を行う機能を更に備えていることを特
    徴とする請求項4記載のファンフィルター装置。
  6. 【請求項6】前記電動ファンが配置された空間におい
    て、前記フィルターが配置された空間との隔壁に沿うよ
    うに、電子回路を搭載したプリント配線板が配置されて
    いることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記
    載のファンフィルター装置。
  7. 【請求項7】第1プレフィルター及び第2プレフィルタ
    ーを備え、前記第1プレフィルターは前記ケースの空気
    取り入れ口に設けられ、前記第2プレフィルターは前記
    フィルターの上面を略覆うように設けられていることを
    特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載のファン
    フィルター装置。
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