JP2003278911A - ハイブリッド車両 - Google Patents

ハイブリッド車両

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JP2003278911A JP2002088197A JP2002088197A JP2003278911A JP 2003278911 A JP2003278911 A JP 2003278911A JP 2002088197 A JP2002088197 A JP 2002088197A JP 2002088197 A JP2002088197 A JP 2002088197A JP 2003278911 A JP2003278911 A JP 2003278911A
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  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Control Of Fluid Gearings (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 回生動作中に予期せぬショックが生じないよ
うにする。 【解決手段】 エンジン2と発電可能な電動機3とを動
力源とし、エンジン2と電動機3の少なくとも一方の動
力をロックアップクラッチ4付きのトルクコンバータ5
および変速機6を介して出力軸7に伝達して車両の推進
力とし、車輪Wから入力される動力をトルクコンバータ
5および変速機6を介して電動機3に伝達し、電動機3
により回生動作を行って減速エネルギーを回生エネルギ
ーに変換可能なハイブリッド車両1であり、回生動作の
許可・不許可を判断する回生許可判断手段と、ロックア
ップクラッチ4の伝達トルク容量を算出する伝達トルク
容量算出手段と、前記回生許可判断手段により回生許可
と判断された場合に前記伝達トルク容量算出手段で算出
された伝達トルク容量を電動機3の回生トルク指令値の
上限値に制御する回生トルク指令上限値制御手段と、を
備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、エンジンと発電
可能な電動機とを動力源とし、この動力源と出力軸との
間にロックアップクラッチ付きトルクコンバータおよび
変速機を備えたハイブリッド車両に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、エンジンを駆動させる燃料の節約
や、燃料の燃焼により発生する排気ガスの低減等を目的
として、エンジンと発電可能な電動機とを動力源とした
ハイブリッド車両が開発されている。この種のハイブリ
ッド車両では、車両の減速時に車輪から入力される動力
を前記電動機に伝達し、該電動機により回生動作を行っ
て減速エネルギーを回生エネルギーに変換し電気エネル
ギーとして蓄電装置に充電することが多用されている。
以下、このように車両の減速時に行う回生を回生制動と
称す。
【0003】また、この種のハイブリッド車両には、前
記動力源と駆動輪との間にトルクコンバータおよび変速
機を備えたものがある。このようにトルクコンバータを
備えたハイブリッド車両において回生制動動作を行った
場合、トルクコンバータにおいて入出力に滑りが生じる
ことが避けられず、回生の効率が悪くなる。
【0004】そこで、この問題を解決するために、例え
ば特開2000−170903号公報に開示されるよう
に、ロックアップクラッチ付きトルクコンバータを備え
たハイブリッド車両が考えられている。この公報に開示
されているハイブリッド車両では、回生制動効率が所定
の状態になるように、電動機の回生制動トルク、または
ロックアップクラッチの係合・解放状態、または変速機
の変速比の各条件のうち、少なくともロックアップクラ
ッチの係合・解放状態を含む条件を制御している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記ハ
イブリッド車両においては、何らかの要因により回生制
動動作中にロックアップクラッチが解放され、且つ、こ
の解放中に電動機の回生トルク指令値がロックアップク
ラッチの伝達トルク容量を超える状態になった場合、そ
の後にロックアップクラッチの係合動作が行われると、
ロックアップクラッチを通過するトルクと回生トルクと
の相違に起因して、予期せぬショックが発生する可能性
がある。そこで、この発明は、回生トルクに上限値を設
けて回生動作中に予期せぬショックが生じないようにし
たハイブリッド車両を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明は、エンジン(例えば、後述する実施の形
態におけるエンジン2)と発電可能な電動機(例えば、
後述する実施の形態における電動機3)とを動力源と
し、前記エンジンと前記電動機の少なくとも一方の動力
をロックアップクラッチ(例えば、後述する実施の形態
におけるロックアップクラッチ4)付きのトルクコンバ
ータ(例えば、後述する実施の形態におけるトルクコン
バータ5)および変速機(例えば、後述する実施の形態
における変速機6)を介して出力軸(例えば、後述する
実施の形態における出力軸7)に伝達して車両の推進力
とし、車輪(例えば、後述する実施の形態における駆動
輪W)から入力される動力を前記トルクコンバータおよ
び変速機を介して前記電動機に伝達し、該電動機により
回生動作を行って減速エネルギーを回生エネルギーに変
換可能なハイブリッド車両(例えば、後述する実施の形
態におけるハイブリッド車両1)において、前記電動機
による車両の回生動作の許可・不許可を判断する回生許
可判断手段(例えば、後述する実施の形態におけるステ
ップS100)と、前記ロックアップクラッチの伝達ト
ルク容量を算出する伝達トルク容量算出手段(例えば、
後述する実施の形態におけるステップS200)と、前
記回生許可判断手段により回生許可と判断された場合に
前記伝達トルク容量算出手段で算出された前記ロックア
ップクラッチの伝達トルク容量を前記電動機の回生トル
ク指令値の上限値に制御する回生トルク指令上限値制御
手段(例えば、後述する実施の形態におけるステップS
300)と、を備えたことを特徴とする。このように構
成することにより、電動機の回生トルクがロックアップ
クラッチの伝達トルク容量を超えることが回避され、そ
の結果、ロックアップクラッチを通過するトルクと回生
トルクを同じにすることが可能になる。
【0007】また、この発明において、前記伝達トルク
容量算出手段は、ロックアップクラッチの作動油圧に基
づいて前記ロックアップクラッチの伝達トルク容量を算
出するようにしてもよい。このようにした場合には、ロ
ックアップクラッチの作動油圧に応じた伝達トルク容量
を算出することができる。
【0008】また、この発明においては、ロックアップ
クラッチの作動油の温度を検出する油温検出手段(例え
ば、後述する実施の形態における油温センサ23)を備
え、前記伝達トルク容量算出手段は、前記油温検出手段
で検出される油温に基づいて前記ロックアップクラッチ
の伝達トルク容量を補正するようにしてもよい。このよ
うにした場合には、ロックアップクラッチの伝達トルク
容量をより精確に算出することができる。したがって、
電動機の回生トルク指令値の上限値をより最適な値に制
御することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係るハイブリッ
ド車両の一実施の形態を図1から図7の図面を参照して
説明する。図1は、この発明の一実施の形態におけるハ
イブリッド車両の概略構成図である。このハイブリッド
車両1は、直列に直結されたエンジン2または発電可能
な電動機(以下、モータ・ジェネレータという)3の少
なくとも一方の動力を、ロックアップクラッチ4を備え
たトルクコンバータ5および変速機6を介して出力軸7
に伝達し、出力軸7からデファレンシャルギア8を介し
て車両の駆動輪W,Wに伝達するようにされている。ト
ルクコンバータ5の入力側にはモータ・ジェネレータ3
の回転軸9が接続され、トルクコンバータ5の出力側
(出力軸5e)には変速機6の入力軸10が接続されて
いる。また、ハイブリッド車両1は、トルクコンバータ
5および変速機6を駆動制御するための油圧を発生する
機械式のオイルポンプ11と、ロックアップクラッチ4
の作動油圧を制御するため電動オイルポンプ等を含む油
圧回路12と、ECU13を備えて構成されている。
【0010】トルクコンバータ5は、流体を介してトル
クの伝達を行うものであり、モータ・ジェネレータ3の
回転軸9に連結されたフロントカバー5aと一体に設け
られたポンプインペラ5bと、フロントカバー5aとポ
ンプインペラ5bとの間でポンプインペラ5bに対向配
置されたタービンランナ5cと、ポンプインペラ5bと
タービンランナ5cとの間に配置されたステータ5dと
を備えて構成されている。さらに、タービンランナ5c
とフロントカバー5aとの間には、フロントカバー5a
の内面に対向配置され、フロントカバー5aに係合可能
なロックアップクラッチ4が備えられている。そして、
フロントカバー5aおよびポンプインペラ5bにより形
成される容器内に作動油が封入されている。
【0011】ロックアップクラッチ4はフロントカバー
5aに対して係合・非係合が可能にされており、ロック
アップクラッチ4の係合が解除された状態(すなわち、
非係合状態)でポンプインペラ5bがフロントカバー5
aと一体に回転すると作動油の螺旋流が発生し、この作
動油の螺旋流がタービンランナ5cに作用して回転駆動
力を発生させ、作動油を介してトルクコンバータ5の出
力軸5eにトルクが伝達される。なお、ロックアップク
ラッチ4の非係合には半係合と解放が含まれる。また、
ロックアップクラッチ4が係合状態にされると、フロン
トカバー5aからタービンランナ5cへと、作動油を介
さず直接に出力軸5eに回転駆動力が伝達される。な
お、ロックアップクラッチ4の係合状態は、ロックアッ
プクラッチ4の作動油圧を制御することにより係合状態
と解放状態の間で可変にされており、ロックアップクラ
ッチ4を介してフロントカバー5aからタービンランナ
5cへと伝達される回転駆動力は任意に変更可能とされ
ている。なお、ロックアップクラッチ4の作動油圧は、
ECU13の指令に基づいて油圧回路12により制御可
能にされている。
【0012】変速機6は周知技術であるので詳細説明は
省略するが、変速機6の入力軸10と出力軸7との間に
設けられ変速比を変更可能なギヤトレーン(図示せず)
と、該ギヤトレーンの動力伝達ギヤを変更するためのク
ラッチ(図示せず)を作動させるための油圧回路(図示
せず)を備えて構成されている。この変速機6の変速動
作は、ECU13が、例えば運転者から入力されるシフ
ト操作や車両の運転状態に応じて、図示しない前記油圧
回路を制御し前記クラッチを駆動することにより実行さ
れる。
【0013】また、オイルポンプ11は、例えば直列に
直結されたエンジン2およびモータ・ジェネレータ3
と、トルクコンバータ5との間に配置され、トルクコン
バータ5の入力回転数に同期して作動可能とされてい
る。また、ロックアップクラッチ4の作動油圧を制御す
る油圧回路12の前記電動オイルポンプ(図示せず)
は、蓄電装置(図示せず)からの電力供給により駆動さ
れる。
【0014】また、ECU13は、後述するように、回
生制動時にモータ・ジェネレータ3の回生トルク指令値
の上限値を制御する。このために、ECU13には、エ
ンジン2のスロットルバルブ(図示せず)のスロットル
開度を検出するスロットルポジションセンサ21の出力
信号と、ロックアップクラッチ4の油圧回路12のフェ
イルを検出するフェイル検出手段22からの出力信号
と、ロックアップクラッチ4の作動油の温度を検出する
油温センサ(油温検出手段)23からの出力信号と、前
記蓄電装置の充電状態を検出する充電量検出手段24か
らの出力信号と、前記蓄電装置の温度を検出する温度セ
ンサ25からの出力信号と、モータ・ジェネレータ3の
温度を検出するモータ温度センサ26からの出力信号
と、変速機6の変速段を検出する変速段検出手段27か
らの出力信号と、トルクコンバータ5の出力軸5eの回
転数を検出する回転数センサ28からの出力信号とが入
力される。
【0015】このように構成されたハイブリッド車両1
において回生制動を行う場合には、トルクコンバータ5
に備えられているロックアップクラッチ4を係合させ、
駆動輪Wから入力される動力を効率よくモータ・ジェネ
レータ3に伝達し、モータ・ジェネレータ3により回生
動作を行って減速エネルギーを回生エネルギーに変換し
電気エネルギーとして前記蓄電装置に充電する。そし
て、この回生制動中に何らかの要因によりロックアップ
クラッチ4が一旦、半係合あるいは解放され、その後、
再び係合される時に、予期せぬショックが発生しないよ
うに、このハイブリッド車両では、モータ・ジェネレー
タ3の回生トルク指令値の上限値をロックアップクラッ
チ4の伝達トルク容量に制御することにより、モータ・
ジェネレータ3の回生トルクが、ロックアップクラッチ
4の伝達トルク容量よりも高くならないようにした。
【0016】次に、この実施の形態における回生トルク
指令値の上限値制御について、図2から図6のフローチ
ャートに従って説明する。図2に示すフローチャート
は、回生トルク指令値の上限値制御ルーチンを示すもの
であり、この上限値制御ルーチンは、ECU13によっ
て一定時間毎に実行される。
【0017】まず、ステップS100において、回生を
許可するか否かを判断する回生許可判断処理を実行し、
次に、ステップS200において、ロックアップクラッ
チ4の伝達トルク容量(以下、L/C伝達トルク容量と
いう)を計算するL/C伝達トルク容量計算処理を実行
し、次に、ステップS300において、ステップS20
0で計算されたL/C伝達トルク容量をモータ・ジェネ
レータ3の回生トルク指令値の上限値として設定し、本
ルーチンの実行を一旦終了する。なお、この実施の形態
においては、ステップS100を実行することにより回
生許可判断手段が実現され、ステップS200を実行す
ることにより伝達トルク容量算出手段が実現され、ステ
ップS300を実行することにより回生トルク指令上限
値制御手段が実現される。
【0018】ここで、図3のフローチャートを参照し
て、ステップS100の回生許可判断処理を説明する。
まず、ステップS101において、スロットルポジショ
ンセンサ21で検出されたスロットルポジション信号を
読み込み、スロットルバルブが全閉か否かを判断する。
この場合、前記スロットルポジション信号が予め設定さ
れた所定値以下である場合にはスロットルバルブ全閉と
判断され、前記所定値を越える場合にはスロットルバル
ブが開いていると判断される。
【0019】ステップS101における判断結果が「N
O」(スロットルバルブ開)である場合は、ステップS
102に進み、回生動作を実行するための条件が揃わな
かったと判断して、回生許可フラグを「0」とし、本サ
ブルーチンの実行を終了する。一方、ステップS101
における判断結果が「YES」(スロットルバルブ全
閉)である場合は、ステップS103に進み、ロックア
ップクラッチ4の係合を許可するか否かを判断する。
【0020】ロックアップクラッチ4の係合を許可する
か否かの判断は、ロックアップクラッチ4の油圧回路1
2のフェイル検出の有無、ロックアップクラッチ4の作
動油の温度等に基づいて行われる。すなわち、フェイル
検出手段22によりロックアップクラッチ4の油圧回路
12にフェイルが発生していないと判断され、且つ、油
温センサ23で検出されたロックアップクラッチ4の作
動油温が予め設定された所定値以下である場合には、ロ
ックアップクラッチ4の係合を許可する。これに対し
て、フェイル検出手段22によりロックアップクラッチ
4の油圧回路12にフェイルが発生していると判断され
た場合、あるいは、油温センサ23で検出されたロック
アップクラッチ4の作動油温が予め設定された所定値よ
りも高い場合には、いずれの場合もロックアップクラッ
チ4の係合を許可しない。
【0021】ステップS103における判断結果が「N
O」(係合不許可)である場合は、ステップS102に
進み、回生動作を実行するための条件が揃わなかったと
判断して、回生許可フラグを「0」とし、本サブルーチ
ンの実行を終了する。一方、ステップS103における
判断結果が「YES」(係合許可)である場合は、ステ
ップS104に進み、モータ・ジェネレータ3の回生動
作を許可するか否かを判断する。
【0022】モータ・ジェネレータ3の回生動作を許可
するか否かの判断は、前記蓄電装置の充電状態、蓄電装
置の温度、モータ・ジェネレータ3の温度等に基づいて
行われる。すなわち、充電量検出手段24で検出された
前記蓄電装置の充電量が予め設定された所定値以下であ
り、且つ、温度センサ25で検出された前記蓄電装置の
温度が予め設定された所定値以下であり、且つ、モータ
温度センサ26で検出されたモータ・ジェネレータ3の
温度が予め設定された所定値以下である場合には、モー
タ・ジェネレータ3の回生動作を許可する。これに対し
て、充電量検出手段24で検出された前記蓄電装置の充
電量が前記所定値よりも大きい場合、あるいは、温度セ
ンサ25で検出された前記蓄電装置の温度が前記所定値
よりも大きい場合、あるいは、モータ温度センサ26で
検出されたモータ・ジェネレータ3の温度が前記所定値
よりも大きい場合には、いずれの場合もモータ・ジェネ
レータ3の回生動作を許可しない。
【0023】ステップS104における判断結果が「N
O」(回生不許可)である場合は、ステップS102に
進み、回生動作を実行するための条件が揃わなかったと
判断して、回生許可フラグを「0」とし、本サブルーチ
ンの実行を終了する。一方、ステップS104における
判断結果が「YES」(回生許可)である場合は、ステ
ップS105に進み、モータ・ジェネレータ3の回生動
作を行うための条件が揃ったと判断して、回生許可フラ
グを「1」とし、本サブルーチンの実行を終了する。
【0024】次に、図4のフローチャートを参照して、
ステップS200のL/C伝達トルク容量計算処理につ
いて説明する。まず、ステップS201において、ステ
ップS100の回生許可判断処理で設定した回生許可フ
ラグが「1」か否かを判断する。ステップS201にお
ける判断結果が「YES」(回生許可フラグが「1」)
である場合は、回生が許可されているので、S202に
進み、ロックアップクラッチ4の許容トルク(以下、L
/C許容トルクという)を計算するL/C許容トルク計
算処理を実行し、本サブルーチンの実行を終了する。一
方、ステップS201における判断結果が「NO」(回
生許可フラグが「0」)である場合は、回生が許可され
ていないので、ステップS203に進み、L/C許容ト
ルクを「0」とし、本サブルーチンの実行を終了する。
【0025】次に、図5のフローチャートを参照して、
ステップS202のL/C許容トルク計算処理について
説明する。まず、ステップS2021において、ロック
アップクラッチ4の目標作動油圧を読み込む。ここで、
目標作動油圧とはロックアップクラッチ4を係合させる
ために必要な作動油圧のことであり、目標作動油圧は、
変速機6の変速段、トルクコンバータ5の出力軸5eの
回転数等に基づいて、テーブルやマップ等を参照して算
出する。この場合、変速機6の変速段が小さいほど(換
言すれば、変速比が大きいほど)目標作動油圧は大きく
なり、トルクコンバータ5の出力軸5eの回転数が大き
いほど目標作動油圧は大きくなる。なお、変速機6の変
速段は変速段検出手段27で検出され、トルクコンバー
タ5の出力軸5eの回転数は回転数センサ28によって
検出される。
【0026】次に、ステップS2022に進み、油温セ
ンサ23で検出された作動油温を読み込む。次に、ステ
ップS2023に進み、例えば図6に示すL/C許容ト
ルクマップを参照して、ステップS2021で読み込ん
だ目標作動油圧に対応するL/C許容トルクを算出し、
その際に、ステップS2022で読み込んだ作動油温に
応じてL/C許容トルクの補正を行って、本サブルーチ
ンの実行を終了する。
【0027】なお、L/C許容トルクマップは予め次式
に基づいて作成されたものである。L/C許容トルク=
(目標作動油圧)×(ロックアップクラッチの受圧面
積)×(ロックアップクラッチの摩擦材の摩擦係数)×
(安全率)したがって、L/C許容トルクマップを用い
る代わりに、上式を用いて目標作動油圧に対応するL/
C許容トルクを算出することも可能である。
【0028】作動油温に応じてL/C許容トルクを補正
する方法としては、予め作動油温毎にL/C許容トルク
マップを作成しておき、目標作動油温に応じてL/C許
容トルクマップを持ちかえてL/C許容トルクを算出す
るようにしてもよいし、あるいは、基準となる作動油温
に対応するL/C許容トルクマップを一つ持ち、このL
/C許容トルクマップを参照して目標作動油圧に応じた
L/C許容トルクを算出した後、算出されたL/C許容
トルクに対して作動油温に応じた補正を行ってもよい。
【0029】そして、ステップS202で算出されたL
/C許容トルク値、あるいは、ステップS203で設定
されたL/C許容トルク値をL/C伝達トルク容量とし
て、これをステップS300においてモータ・ジェネレ
ータ3の回生トルク指令値の上限値として設定する。こ
のよう回生トルク指令値の上限値を設定すると、モータ
・ジェネレータ3の回生トルクがロックアップクラッチ
4の伝達トルク容量を越えるのを回避することができ
る。したがって、回生制動中に何らかの要因によりロッ
クアップクラッチ4が一旦、半係合あるいは解放され、
その後、再び係合される時に、ロックアップクラッチ4
を通過するトルクと回生トルクを同じにすることが可能
になり、予期せぬショックが発生することがなくなる。
その結果、ハイブリッド車両の乗り心地が向上する。
【0030】この実施の形態では、ロックアップクラッ
チ4の目標作動油圧に基づいて伝達トルク容量を算出し
ているので、モータ・ジェネレータ3の回生トルク指令
値の上限値を最適に制御することができる。なお、ロッ
クアップクラッチ4の作動油圧を検出する油圧センサを
設け、この油圧センサで検出された実際の作動油圧に基
づいて伝達トルク容量を算出することも可能である。ま
た、この実施の形態では、ロックアップクラッチ4の作
動油温に基づいてロックアップクラッチ4の伝達トルク
容量を補正しているので、伝達トルク容量をより精確に
算出することができ、モータ・ジェネレータ3の回生ト
ルク指令値の上限値をより最適な値に制御することがで
きる。
【0031】図7は、前述の如くモータ・ジェネレータ
3の回生トルク指令値の上限値制御を実行した場合のタ
イムチャートの一例を示すものである。このタイムチャ
ートにしたがって動作説明をすると、時間aにおいて、
それまで開いていたスロットルバルブが運転者の意図に
より全閉とされる。このスロットルバルブ全閉動作に伴
い、変速機6は変速マップに従ってアップシフト動作
(この例では、変速段を3速から4速に変速)を行う。
そして、時間bにおいてアップシフトが終了する。この
場合、時間a〜bは変速中フラグが「1」となる。な
お、この例では、変速中はロックアップクラッチ4を係
合させないようにしており、ロックアップクラッチ4の
作動油圧は、スロットルバルブ閉動作前の加速時と同じ
で、非係合状態を維持する大きさに制御される。そし
て、時間bの変速終了と同時に、ロックアップクラッチ
4の係合動作が開始され、作動油圧が徐々に上昇してい
き、これに伴ってL/C許容トルクも徐々に上昇してい
き、最終的にロックアップクラッチ4は係合状態とな
る。
【0032】その後、時間cにおいて減速ダウンシフト
(この例では、変速段を4速から3速に変速)が開始さ
れ、時間dにおいて減速ダウンシフトが終了する。この
場合、時間c〜dは変速中フラグが「1」となる。な
お、前述したように、この例では、変速中はロックアッ
プクラッチ4を係合させないようにしており、時間cか
ら時間dの間、ロックアップクラッチ4の作動油圧は非
係合状態を維持する大きさに制御される。そして、時間
dの変速終了と同時に、ロックアップクラッチ4の係合
動作が開始され、作動油圧が徐々に上昇していき、これ
に伴ってL/C許容トルクも徐々に上昇していき、最終
的にロックアップクラッチ4は係合状態となる。
【0033】そして、変速の有無、変速中であるなしに
関わらず、回生トルク指令値の上限値制御の実行によ
り、回生を許可する条件が成立すれば、L/C伝達トル
ク容量計算処理が実行され、算出されたL/C伝達トル
ク容量がモータ・ジェネレータ3の回生トルク指令値の
上限値として出力され、モータ・ジェネレータ3の回生
トルクが制御される。その結果、ロックアップクラッチ
4を通過するトルクと回生トルクを同じにすることが可
能になり、予期せぬショックが発生することがなくな
る。
【0034】〔他の実施の形態〕尚、この発明は前述し
た実施の形態に限られるものではない。例えば、前述し
た実施の形態では、変速機としてギヤトレーンを用いた
有段変速機を用いているが、例えばベルトとプーリー等
からなる無段変速機を用いることも可能である。
【0035】
【発明の効果】以上説明するように、この発明によれ
ば、エンジンと発電可能な電動機とを動力源とし、前記
エンジンと前記電動機の少なくとも一方の動力をロック
アップクラッチ付きのトルクコンバータおよび変速機を
介して出力軸に伝達して車両の推進力とし、車輪から入
力される動力を前記トルクコンバータおよび変速機を介
して前記電動機に伝達し、該電動機により回生動作を行
って減速エネルギーを回生エネルギーに変換可能なハイ
ブリッド車両において、前記電動機による車両の回生動
作の許可・不許可を判断する回生許可判断手段と、前記
ロックアップクラッチの伝達トルク容量を算出する伝達
トルク容量算出手段と、前記回生許可判断手段により回
生許可と判断された場合に前記伝達トルク容量算出手段
で算出された前記ロックアップクラッチの伝達トルク容
量を前記電動機の回生トルク指令値の上限値に制御する
回生トルク指令上限値制御手段と、を備えたことによ
り、電動機の回生トルクがロックアップクラッチの伝達
トルク容量を超えることが回避され、ロックアップクラ
ッチを通過するトルクと回生トルクを同じにすることが
可能になるので、回生動作中に予期せぬショックが発生
するのを防止することができ、ハイブリッド車両の乗り
心地が向上するという優れた効果が奏される。
【0036】また、この発明において、前記伝達トルク
容量算出手段が、ロックアップクラッチの作動油圧に基
づいて前記ロックアップクラッチの伝達トルク容量を算
出するようにした場合には、ロックアップクラッチの作
動油圧に応じた伝達トルク容量を算出することができる
ので、電動機の回生トルク指令値の上限値を最適に制御
することができるという効果がある。
【0037】また、この発明において、ロックアップク
ラッチの作動油の温度を検出する油温検出手段を備え、
前記伝達トルク容量算出手段は、前記油温検出手段で検
出される油温に基づいて前記ロックアップクラッチの伝
達トルク容量を補正するようにした場合には、ロックア
ップクラッチの伝達トルク容量をより精確に算出するこ
とができるので、電動機の回生トルク指令値の上限値を
より最適な値に制御することができるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係るハイブリッド車両の一実施の
形態における概略構成図である。
【図2】 前記実施の形態における回生トルク指令値の
上限値制御のフローチャートである。
【図3】 前記実施の形態における回生許可判断処理の
フローチャートである。
【図4】 前記実施の形態におけるL/C伝達トルク容
量計算処理のフローチャートである。
【図5】 前記実施の形態におけるL/C許容トルク計
算処理のフローチャートである。
【図6】 前記実施の形態におけるL/C許容トルクマ
ップの一例を示す図である。
【図7】 前記実施の形態における回生トルク指令値の
上限値制御を実行したときの動作を説明するタイムチャ
ートである。
【符号の説明】
1 ハイブリッド車両 2 エンジン 3 電動機(モータ・ジェネレータ) 4 ロックアップクラッチ 5 トルクコンバータ 6 変速機 7 出力軸 23 油温センサ(油温検出手段) W 駆動輪(車輪) S100 回生許可判断手段 S200 伝達トルク容量算出手段 S300 回生トルク指令上限値制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B60L 7/10 ZHV B60L 7/10 ZHV 11/14 11/14 (72)発明者 石川 豊 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3D041 AA59 AB01 AC01 AC09 AD01 AD04 AD22 AD31 AD50 AE02 AE22 3J053 CA03 CA05 CB12 CB16 CB22 CB26 DA14 DA26 DA30 EA02 EA07 5H115 PA01 PC06 PG04 PI13 PI21 PI29 PO17 PU01 PU23 PU25 QE10 QI04 QN03 QN27 SE04 SE08 SE09 TE03 TI01 TI10 TO05 TO30 TR04 TU11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンと発電可能な電動機とを動力源
    とし、前記エンジンと前記電動機の少なくとも一方の動
    力をロックアップクラッチ付きのトルクコンバータおよ
    び変速機を介して出力軸に伝達して車両の推進力とし、
    車輪から入力される動力を前記トルクコンバータおよび
    変速機を介して前記電動機に伝達し、該電動機により回
    生動作を行って減速エネルギーを回生エネルギーに変換
    可能なハイブリッド車両において、 前記電動機による車両の回生動作の許可・不許可を判断
    する回生許可判断手段と、 前記ロックアップクラッチの伝達トルク容量を算出する
    伝達トルク容量算出手段と、 前記回生許可判断手段により回生許可と判断された場合
    に前記伝達トルク容量算出手段で算出された前記ロック
    アップクラッチの伝達トルク容量を前記電動機の回生ト
    ルク指令値の上限値に制御する回生トルク指令上限値制
    御手段と、 を備えたことを特徴とするハイブリッド車両。
  2. 【請求項2】 前記伝達トルク容量算出手段は、ロック
    アップクラッチの作動油圧に基づいて前記ロックアップ
    クラッチの伝達トルク容量を算出することを特徴とする
    請求項1に記載のハイブリッド車両。
  3. 【請求項3】 ロックアップクラッチの作動油の温度を
    検出する油温検出手段を備え、前記伝達トルク容量算出
    手段は、前記油温検出手段で検出される油温に基づいて
    前記ロックアップクラッチの伝達トルク容量を補正する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のハイ
    ブリッド車両。
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