JP2003278401A - エネルギー吸収部材を有する柱継手部 - Google Patents
エネルギー吸収部材を有する柱継手部Info
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Abstract
ん断応力に耐え、引張応力はエネルギー吸収部材で吸収
し応答を低減させる柱継手部を提供する。 【解決手段】上下に接合される柱1、2のいずれか一方
の柱端部にせん断力に耐えるタイバンド3が柱を取巻く
ように設けられ、他方の柱端部がタイバンドの内側へ差
入れられ、上下の柱の端部が当接状態に接続されている
こと、上下の柱端部は上下方向の引張り力に対して塑性
変形する複数のエネルギー吸収部材4で連結されてい
る。
Description
り水平方向の力を受けた際に柱継手部に生じる圧縮応
力、せん断応力に耐えて、引張応力はエネルギー吸収部
材で吸収し応答を低減させる柱継手部の技術分野に属す
る。
うに、建築物の柱脚部近傍や3層程毎に配置されている
(図1中の符号A〜C)。柱継手には、溶接接合や高力
ボルト摩擦接合等の剛接合が広く採用されている。
は、角形鋼管柱相互の剛接合構法として、当て板を上下
の角形鋼管柱にわたり接合部の表面および裏面の各々に
設け、ワンサイドボルトによって接合した構成が開示さ
れている。
鉄骨柱を接合する場合に、上下の柱間に接合金物を介在
させ、上下の柱と接合金物とを溶接や高力ボルトで強固
に接合した構成が開示されている。
れる技術も広く採用されている。例えば、特開平8−1
44384号公報に、柱として接続される上下の管体の
端部に予めフランジを設け、その外周面を半割金物で挟
み、スリーブによって強固に締め付けるフランジ継手の
構成が開示されている。
を取り付けた例としては、例えば特開平2000−27
3971公報に、H型鋼梁端のフランジにカバープレー
トを付けた構成が開示されている。H形鋼梁のフランジ
の左右両面に、三角形板状の極低降伏点鋼材(エネルギ
ー吸収部材)からなるパンチプレート又はカバープレー
トを水平に添設して柱に溶接することにより、H形鋼梁
との接合部が補強され、地震時おけるH形鋼梁の柱に対
する変形追随性能が向上し、H形鋼梁がパンチプレート
又はカバープレートと共に地震時の履歴エネルギーを吸
収する構造である。
882号公報、特公平7−81314号公報に開示され
た溶接接合や高力ボルト摩擦接合等による剛接継手およ
び特開平8−144384号公報のフランジ継手は、柱
相互間を強固に緊結することはできる。しかし、地震や
風等で柱継手部に生じる応力に関しては殆どそのエネル
ギーを低減できないという問題がある。
継手は、エネルギー吸収部材をH形鋼梁に取付けた構成
であり、柱継手部に生じる応力は低減できない。
る建築物の柱継手部にエネルギー吸収部材を取付けるこ
と、そして、柱継手部にタイバンドやあるいは凸部、凹
部のダボ構造を設けることにより、地震時に柱継手部に
生じる圧縮応力、せん断力応力に耐えると共に、引張応
力は柱端部の浮き上がり効果及びエネルギー吸収部材に
よってそのエネルギーを吸収させ地震応答を低減するこ
とにある。
ための手段として、請求項1に記載した発明に係るエネ
ルギー吸収部材を有する柱継手部は、建築物の柱継手部
において、上下に接合される柱のいずれか一方の柱端部
にせん断力に耐えるタイバンドが前記柱を取巻くように
設けられ、他方の柱端部が前記タイバンドの内側へ差入
れられ、上下の柱の端部が当接状態に接断されているこ
と、前記上下の柱端部は上下方向の引張り力に対して塑
性変形する複数のエネルギー吸収部材で連結されている
ことを特徴とする。
したエネルギー吸収部材を有する柱継手部において、一
方の柱端部へ固定したタイバンドには、エネルギー吸収
部材の一端が連結されていることを特徴とする。
吸収部材を有する柱継手部は、建築物の柱継手部におい
て、上下に接合される柱のいずれか一方の柱端部に軸方
向の凸部が設けられ、他方の柱端部に軸方向の凹部が設
けられ、上下の柱は端部の凸部と凹部をはめ合わせて当
接状態に接続されていること、上下の柱端部は上下方向
の引張り力に対して塑性変形する複数のエネルギー吸収
部材で連結されていることを特徴とする。
継手部の実施形態を図面に基づいて説明する。先ず、図
2a〜cと図3a〜cは、請求項1、2に記載した発明
の実施形態を示している。図2a〜cは、上下に接合さ
れる柱1、2のうち、下方の柱2の上端部に、柱継手部
に作用するせん断力に耐える強度及び剛性のタイバンド
3を同柱2の外周を取り巻くように環状に設けた状態を
示す。
円形鋼管柱の例であり、図2cはH形鋼柱にそれぞれタ
イバンド3を取付けた例を示している。タイバンド3も
鋼製であり、通例、溶接で下方の柱2と一体化(固定)
させる。
の内側へ差入れられ、下方の柱2の上端面へ浮き上がり
可能な当接状態(メタルタッチ)に接続され(符号1
a、2aが当接位置を示す)、圧縮応力は柱断面間で伝
達し、引張応力は浮き上がりによってそのエネルギーを
吸収可能に構成されている。水平力(せん断力)にはタ
イバンド3の強度、剛性によって抵抗する。
接続した上下の柱1、2の端部を上下方向の引張り力に
対して塑性変形する複数のエネルギー吸収部材4で接続
した状態を示す。エネルギー吸収部材4の上端部4aは
上方の柱1へ直接溶接で接合し、同下端部4bはタイバ
ンド3へ溶接で接合されている(請求項2記載の発
明)。
タイバンド3の強度及び剛性により抵抗し、上下の柱
1、2の接続状態は安定に保持される。引張り力が作用
した場合には、上位の柱1の浮上がりと、それに伴うエ
ネルギー吸収部材4の塑性変形とにより、地震エネルギ
ーを吸収して過大な変形を抑制する。したがって、上位
の柱1の復元時に衝撃的な騒音を発生する虞はない。
の実施形態を示す。図3bは柱脚部における柱継手部の
実施形態を示し、図3cは柱頭部における柱継手部の実
施形態を示している。大梁の上にはスラブ5が施工され
ている。図3bと図3cは、上下方向に見て対称的な構
成である。
形態を、図4a〜cと図5a〜cに基いて説明する。
のうち、上方の柱6の下端部に軸方向下向きの凸部6a
が設けられ、下方の柱7の上端部には軸方向上向きに開
口する凹部7aを設けた状態を示している。
円形鋼管柱の例であり、図4cはH形鋼柱にそれぞれ凸
部6aと凹部7a設けた例を示している。
7の凹部7aへはめ合わされ、下方の柱7の上端面へ浮
き上がり可能な当接状態(メタルタッチ)に接続され
(符号6b、7bが当接位置を示す)、圧縮応力は柱断
面間で伝達し、引張応力は浮き上がりによってそのエネ
ルギーを吸収可能に構成されている。水平力(せん断
力)には、はめ合わせた凸部6aと凹部7aとの所謂ダ
ボ効果(支圧効果)によって抵抗する。
接続した上下の柱6、7の端部を上下方向の引張り力に
対して塑性変形する複数のエネルギー吸収部材8で接続
した状態を示す。エネルギー吸収部材8の上端部8a
は、上方の柱6へ直接溶接で接合し、同下端部8bは下
方の柱7へ溶接で接合されている。
上下の柱の凸部6a、凹部7aのダボ構造により抵抗
し、柱相互の接続状態は安定に保持される。引張り力が
作用した場合には、上位の柱6の浮上がりと、それに伴
うエネルギー吸収部材8の塑性変形とにより地震エネル
ギーを吸収して過大な変形を抑制する。したがって、上
位の柱6の復元時に衝撃的な騒音を発生する虞はない。
形態を示す。図5bは柱脚部における柱継手部の実施形
態を示し、図5cは柱頭部における柱継手部の実施形態
を示している。大梁の上にはスラブ9が施工されてい
る。図5bと図5cは、上下方向に対称的に構成されて
いる。
してダボ効果を発揮する構成ならば、本実施形態に限ら
ないし、上下の柱のどちらに設けてもよい。
低降伏点鋼等の履歴ダンパーを用いる。勿論、普通の鋼
材を使用して、溶接施工の簡略化や工期の短縮を図るこ
とも可能である。
を使用する際に、溶接による降伏応力度の上昇が懸念さ
れる場合には、溶接熱の影響のない領域を変形長さとす
ると共に、座屈による性能劣化しない長さに設計する。
が、本発明は、図示例の実施形態の限りではなく、その
技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常行
う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを
念のために説明する。例えば、タイバンドや柱端部の凸
部、凹部の設計には、用途に応じて様々な形状が考えら
れる。また、柱継手部分は3層程度毎に一箇所設けても
良いし、一本の柱に複数箇所設けても良い。更に、せん
断力を負担するものはタイバンドやダボを使用せず、ダ
ンパーそのものとしても良い。
係るエネルギー吸収部材を有する柱継手部によれば、鋼
構造またはこれに類する構造の柱継手部を、上下の柱は
当接状態で接続し、且つエネルギー吸収部材を取付ける
と共に、タイバンドや柱端部に凸部、凹部を設けたの
で、地震時に柱継手部に生じる圧縮応力、せん断力応力
に良く耐えるし、引張応力は柱端部の浮き上がりとそれ
に伴うエネルギー吸収部材の塑性変形によってそのエネ
ルギーを吸収させるので、地震応答を低減する効果に優
れるのである。
である。bはタイバンドを円形鋼管柱に取付けた実施例
である。cはタイバンドをH形鋼柱に取付けた実施例で
ある。
図である。bは請求項1の発明を柱脚部に実施した側面
図である。cは請求項1の発明を柱頭部に実施した側面
図である。
ある。bは円形鋼管柱に凸部・凹部を設けた実施例であ
る。cはH形鋼柱に凸部・凹部を設けた実施例である。
図である。bは請求項2の発明を柱脚部に実施した側面
図である。cは請求項2の発明を柱頭部に実施した側面
図である。
Claims (3)
- 【請求項1】建築物の柱継手部において、上下に接合さ
れる柱のいずれか一方の柱端部にせん断力に耐えるタイ
バンドが前記柱を取巻くように設けられ、他方の柱端部
が前記タイバンドの内側へ差入れられ、上下の柱の端部
が当接状態に接続されていること、前記上下の柱端部は
上下方向の引張り力に対して塑性変形する複数のエネル
ギー吸収部材で連結されていることを特徴とする、エネ
ルギー吸収部材を有する柱継手部。 - 【請求項2】一方の柱端部へ固定したタイバンドに、エ
ネルギー吸収部材の一端が連結されていることを特徴と
する、請求項1に記載したエネルギー吸収部材を有する
柱継手部。 - 【請求項3】建築物の柱継手部において、上下に接合さ
れる柱のいずれか一方の柱端部に軸方向の凸部が設けら
れ、他方の柱端部に軸方向の凹部が設けられ、上下の柱
は端部の凸部と凹部をはめ合わせて当接状態に接続され
ていること、上下の柱端部は上下方向の引張り力に対し
て塑性変形する複数のエネルギー吸収部材で連結されて
いることを特徴とする、エネルギー吸収部材を有する柱
継手部。
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JP2002086353A JP3772259B2 (ja) | 2002-03-26 | 2002-03-26 | エネルギー吸収部材を有する柱継手部 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010276080A (ja) * | 2009-05-27 | 2010-12-09 | Jfe Engineering Corp | エネルギー吸収部材及び該エネルギー吸収部材を設置した構造物 |
JP2015025264A (ja) * | 2013-07-25 | 2015-02-05 | 株式会社Ihi | 構造物を構成する柱の免震構造 |
JP2015178696A (ja) * | 2014-03-18 | 2015-10-08 | 大成建設株式会社 | 柱梁接合構造 |
JP2020037774A (ja) * | 2018-09-03 | 2020-03-12 | Jfeスチール株式会社 | 柱梁接合構造及びその柱梁接合構造を備えた建物 |
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