JP2003278067A - 疑似綿製造装置 - Google Patents

疑似綿製造装置

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JP2003278067A
JP2003278067A JP2002078509A JP2002078509A JP2003278067A JP 2003278067 A JP2003278067 A JP 2003278067A JP 2002078509 A JP2002078509 A JP 2002078509A JP 2002078509 A JP2002078509 A JP 2002078509A JP 2003278067 A JP2003278067 A JP 2003278067A
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wind tunnel
cotton
roll
fiber
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JP2002078509A
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English (en)
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Tokumatsu Oto
徳松 大戸
Katsutoshi Yamamoto
勝年 山本
Kanjiro Kinoshita
歓治郎 木下
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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    • D04BRAIDING; LACE-MAKING; KNITTING; TRIMMINGS; NON-WOVEN FABRICS
    • D04HMAKING TEXTILE FABRICS, e.g. FROM FIBRES OR FILAMENTARY MATERIAL; FABRICS MADE BY SUCH PROCESSES OR APPARATUS, e.g. FELTS, NON-WOVEN FABRICS; COTTON-WOOL; WADDING ; NON-WOVEN FABRICS FROM STAPLE FIBRES, FILAMENTS OR YARNS, BONDED WITH AT LEAST ONE WEB-LIKE MATERIAL DURING THEIR CONSOLIDATION
    • D04H1/00Non-woven fabrics formed wholly or mainly of staple fibres or like relatively short fibres
    • D04H1/70Non-woven fabrics formed wholly or mainly of staple fibres or like relatively short fibres characterised by the method of forming fleeces or layers, e.g. reorientation of fibres
    • D04H1/72Non-woven fabrics formed wholly or mainly of staple fibres or like relatively short fibres characterised by the method of forming fleeces or layers, e.g. reorientation of fibres the fibres being randomly arranged
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 疑似綿を形成しうる素材(2) から多数の短繊
維(3) を形成し、これを集積させて疑似綿を製造する疑
似綿製造装置において、短繊維(3) を風洞(30)内でより
均一に分散させるとともに、機外への短繊維(3) の飛散
や、風洞(30)内での短繊維(3) の滞留及び付着を防止す
る。 【解決手段】 風洞(30)におけるロールユニット(10)の
対向面に下側端部(33a)が近接し、それよりも上方の端
部(34a) がロールユニット(10)に近接して配置された短
繊維撹拌板(32)を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多数の短繊維を集
積させることにより疑似綿を製造する疑似綿製造装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の疑似綿製造装置は、
図21に示しているように、ヤーンやスライバーなどの
繊維素材(101) から繊維長が1〜200mmの多数(無
数)の短繊維(102) を形成し、この短繊維(102) をメッ
シュベルト(103) や合紙(図示せず)などの集積面部材
の上で集積させながら該ベルト(103) 等を走行させるこ
とにより、疑似綿を連続製造するように構成されている
(例えば特開平9−193277号公報参照)。繊維素
材(101) は、疑似綿を形成しうる素材であればよく、合
成樹脂を始めとして種々の素材が用いられている。
【0003】この疑似綿製造装置(100) では、繊維素材
(101) から短繊維(102) を形成する手段として、一般
に、ロール本体(104) の外周面に多数の針刃(105) が植
設された針刃ロール(106) が用いられている。針刃ロー
ル(106) は、繊維素材(101) の供給口と短繊維(102) の
排出口とが周方向に分離して形成された円筒状のケーシ
ング(107) 内に装着されている。このケーシング(107)
は、下方から吸気される風洞(108) に排出口が開口して
いる。また、風洞(108) の下部にはメッシュベルト(10
3) とその送り機構(図示せず)とが配置されている。
【0004】この装置(100) では、針刃ロール(106) と
ケーシング(107) との間のわずかな隙間を通して繊維素
材(101) を送りながら、針刃ロール(106) を高速回転さ
せることにより、多数の短繊維(102) を形成し、これを
風洞(108) 中で分散させるようにしている。そして、こ
のように風洞(108) 中で分散した短繊維(102) が互いに
絡み合いながら搬送ベルト(103) 上で集積することによ
り、疑似綿が製造される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ここで、例えば特公平
1−53382号公報や特公平4−74466号公報に
は、疑似綿製造装置(100) において、風洞(108) の内部
に短繊維(102) を空気中で均一に撹拌するための「作用
板」と称する板材(図21の符号(109) を参照)を設け
たものが開示されている。具体的には、特公平1−53
382号公報の装置では、図21の実線で示すように下
端部を湾曲させた作用板(109) がほぼ垂直に配置され、
特公平4−74466号公報の装置では、同図の破線で
示すように平板状の作用板(109) が斜めに配置されてい
る。
【0006】前記作用板(109) は、下端が針刃ロール(1
06) に近接するように風洞(108) 内に配置されていて、
この作用板(109) に対して針刃ロール(106) の反対側に
主流路が、針刃ロール(106) 側に副流路が区画形成され
ている。そして、副流路において、風洞(108) の下方か
ら吸気されることによって生じる負圧により針刃ロール
(106) と作用板(109) の間の狭い隙間から流出する噴流
中に、針刃ロール(106) により生成された短繊維(102)
を投射して短繊維(102) を撹拌するようにしている。
【0007】しかし、前記構成では、主流路の絞りが不
十分のため、風洞(108) 内の負圧が強くなくて副流路の
風量が少ないことや、副流路内で針刃ロール(106) によ
る上向きの空気流れが生じることなどから噴流の形成が
不十分になり、噴流の撹拌作用が不十分になって短繊維
(102) が風洞(108) 内で十分に撹拌されないことがあっ
た。また、短繊維(102) が副流路内での上向きの空気流
れに乗って上昇して、機外へ飛散するおそれもあった。
さらに、下端部を湾曲させた作用板(109) を用いると、
この下端部の主流路側で空気流の剥離が生じ、その部分
に短繊維(102)が滞留したり付着したりするおそれもあ
った。
【0008】本発明は、このような問題点に鑑みて創案
されたものであり、その目的とするところは、疑似綿製
造装置において、疑似綿を形成しうる繊維素材から形成
した短繊維を風洞内でより均一に撹拌するとともに、機
外への短繊維の飛散や、風洞内での短繊維の滞留及び付
着を防止できるようにすることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、風洞(30)内で
ロールユニット(10)とその対向面(30b) とに端部(34a,3
3a) が近接する短繊維撹拌板(32)を設けるとともに、該
撹拌板(32)を、前記対向面(30b) 側の端部(33a) がロー
ルユニット(10)側の端部(34a) よりも下方に位置するよ
うに配置したものである。
【0010】具体的に、請求項1に記載の発明は、円筒
状のケーシング(11)内に繊維長1〜200mmの短繊維
(3) を形成するためのロール部材(12)が収納されるとと
もに該ケーシング(11)に疑似綿を形成しうる素材(2) の
供給口(11a) と前記短繊維(3) の排出口(11b) とが周方
向に分離して形成されたロールユニット(10)と、該排出
口(11b) から排出された前記短繊維(3) をロールユニッ
ト(10)の下方で集積させる集積面部材(20)と、ロールユ
ニット(10)と集積面部材(20)とに連通するとともに集積
面部材(20)の下方から吸気される風洞(30)と、前記集積
面部材(20)をその面方向に走行させる送り機構(40)とを
備えた疑似綿製造装置を前提としている。
【0011】そして、この疑似綿製造装置は、前記風洞
(30)におけるロールユニット(10)の対向面(30b) に下側
端部(33a) が近接し、それよりも上方の端部(34a) がロ
ールユニット(10)に近接して配置された短繊維撹拌板(3
2)が設けられていることを特徴としている。
【0012】この請求項1に記載の発明においては、集
積面部材(20)の下方からの吸気に伴い、空気が風洞(30)
内を下方へ向かって流れる。そして、ロールユニット(1
0)により前記素材(2) から形成された短繊維(3) が、そ
の気流に乗って集積面部材(20)上に搬送される。
【0013】上記構成では、短繊維撹拌板(32)を風洞(3
0)内でロールユニット(10)とその対向面(30b) とに2つ
の端部(34a,33a) が近接するように配置しているので、
空気が2つの絞り流路を流れることになり、風洞(30)内
の負圧が強くなる。このため、絞り流路の出口では、強
い噴流が形成される。
【0014】したがって、ロールユニット(10)の近傍で
は、ロールユニット(10)により起風された風洞(30)への
排出空気と前記噴流との作用により渦流が生じる。この
ため、ロールユニット(10)で生成され、この渦流域に投
射された短繊維(3) はこの渦流の循環流れに乗って流れ
るとともに、順次下方へ向かう空気流側に移動するの
で、短繊維(3) が壁面付近で滞留したり壁面に付着した
りしない。また、風洞(30)内での上昇気流による機外へ
の短繊維(3) の飛散も生じない。さらに、風洞(30)内に
おけるロールユニット(10)の対向面側でも短繊維撹拌板
(32)の下側端部(33a) で強い噴流が生じるので、2カ所
の噴流の相互作用により短繊維(3) が均一に撹拌され
る。以上により、製造される疑似綿は、短繊維(3) のば
らつき(偏り)が抑えられたものとなる。
【0015】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の疑似綿製造装置において、短繊維撹拌板(32)の
上側端部(33b) がロールユニット(10)の上方に配置され
るとともに、該撹拌板(32)の上側端部(33b) と下側端部
(33a) の中間部には、先端(34a) がロールユニット(10)
に近接する第1の渦流形成板(34)が設けられていること
を特徴としている。
【0016】この請求項2に記載の発明においては、短
繊維撹拌板(32)の中間部に第1の渦流形成板(34)を設
け、その先端(34a) をロールユニット(10)に近接させた
ことにより、空気が短繊維撹拌板(32)とロールユニット
(10)との間で屈曲しながら流れることになって(図6参
照)、その通風抵抗により風洞(30)内の負圧がさらに大
きくなる。したがって、噴流及び渦流の形成が確実にな
る。
【0017】また、請求項3に記載の発明は、請求項2
に記載の疑似綿製造装置において、風洞(30)の空気流入
口(30e) 下方の、ロールユニット(10)の上部に第2の渦
流形成板(11g) を備えていることを特徴としている。
【0018】この第3の発明においては、第2の渦流形
成板(11g) により風洞(30)の空気流入口(30e) の近傍で
渦流が生じるため、仮に短繊維(3) がロールユニット(1
0)から流出した後に風洞(30)内を上昇した場合でも、該
短繊維(3) をその渦流から下向きの気流に乗せて集積面
部材(20)まで搬送できる。
【0019】また、請求項4に記載の発明は、請求項
1,2または3に記載の疑似綿製造装置において、風洞
(30)が、その中間部から集積面部材(20)に向かって流路
面積が拡大するように、ロールユニット(10)側の面(30
a) 及びその対向側の面(30b) の少なくとも一方が所定
角度で傾斜していることを特徴としている。なお、この
流路面積の拡大は、集積面面積拡大による通風圧損の低
減及び集積面の風洞内通過時間を長くすることによる短
繊維(3) のばらつきを小さくすることを目的とするもの
である。この傾斜角度は、下記の理由で15°以上で6
0°以下の範囲に設定するのが好ましい。
【0020】この請求項4に記載の発明においては、風
洞(30)の左右の壁面(30c,30d) の近傍における短繊維
(3) のばらつきが小さくなり、短繊維(3) の滞留や付着
も生じにくくなる。つまり、例えば風洞(30)が下方に向
かって断面積一定もしくは15°よりも小さい角度で緩
やかに拡大していると、風洞(30)の左右の壁面近傍に乱
流境界層が形成されて該壁面近傍の流速が低下すること
により短繊維(3) のばらつきが生じ、風洞(30)が下方に
向かって60°よりも大きい角度で急拡大流路になって
いると、その拡大部分に空気が滞留するために短繊維
(3) の滞留や付着が生じやすいのに対して、前記構成に
おいては傾斜面下部を流れる空気が効果的に左右の壁面
に広がりながら進み、短繊維(3) もその流れに乗って移
動するので、緩やかな拡大流路の場合の左右の壁面(30
c,30d) 近傍での短繊維(3) のばらつきや、急拡大流路
の場合の拡大部分への短繊維(3) の滞留や付着を抑え
て、短繊維(3) を集積面部材(20)まで搬送することが可
能となる。
【0021】また、請求項5に記載の発明は、請求項4
に記載の疑似綿製造装置において、風洞(30)には集積面
部材(20)へ流れる空気を整流する整流手段(35,36) が設
けられていることを特徴としている。
【0022】この請求項5に記載の発明においては、風
洞(30)内の空気流を整流することにより左右の壁面近傍
の短繊維(3) のばらつきは大きくなるが、それ以外の領
域のばらつきが顕著に改善されるとともに、上記拡大流
路のもつ圧損低減などの効果も有する。なお、左右の壁
面(30c,30d) の近傍のばらつきについては、風洞(30)の
幅を短繊維集積面の幅よりも若干大きくすることにより
解消できる。
【0023】また、請求項6に記載の発明は、請求項1
から5のいずれか1に記載の疑似綿製造装置において、
集積面部材(20)の走行方向と直交する方向に風洞(30)の
幅を調整する流路幅調整部材(63)を備えていることを特
徴としている。
【0024】この請求項6に記載の発明においては、製
造する疑似綿の幅に応じて流路幅を調整すると、短繊維
(3) がその幅で集積面部材(20)上に集積して疑似綿が製
造される。
【0025】また、請求項7に記載の発明は、請求項1
から6のいずれか1に記載の疑似綿製造装置において、
短繊維(3) を形成するためのロール部材(12)が、ロール
本体(13)とその周面に植設された多数の針刃(14)とを備
え、針刃(14)が、ロール本体(13)の径線に対して先端が
ロール本体(13)の回転方向前方に位置するように前向き
に傾斜して配置されていることを特徴としている。
【0026】この請求項7に記載の発明においては、前
記素材(2) がロール部材(12)とケーシング(11)との間の
間隙を通して送られる際に、ロール部材(12)を高速回転
させることにより多数の短繊維(3) を形成できる。特
に、針刃(14)をロール本体(13)の円周面に対して直角
(径線方向沿い)または回転方向後ろ向きに傾斜させる
と、繊維素材(2) から形成する短繊維(3) が短くなって
短繊維(3) 同士が絡み合いにくくなるおそれがあるが、
針刃(14)をロール本体(13)の径線に対して先端がロール
の回転方向前方に位置するように傾斜して配置したこと
により、繊維素材(2) から形成する短繊維(3) が短くな
る傾向が解消される。これは、針刃(14)がロール本体(1
3)の円周面に対して直角または回転方向後ろ向きに傾斜
しているとケーシング(11)内での前記素材(2) に対する
針刃(14)の切断作用が強くなり、前記素材(2) がすぐに
切断されて短繊維(102) が短くなると考えられるのに対
して、針刃(14)を前向きに傾斜させると繊維素材(2) に
対する針刃(14)の喰い付き時間が長くなる作用が生じる
ためと考えられる。したがって、短繊維(3) を従来より
も長い寸法に形成できるので、多数の短繊維(3) を集積
して疑似綿を製造する際に、短繊維(3) 同士が十分に絡
み合う作用が生じる。
【0027】また、請求項8から請求項14に記載の発
明は、それぞれ、前記素材(2) の材質を特定したもので
ある。
【0028】具体的に、請求項8に記載の発明は、請求
項1から7のいずれか1に記載の疑似綿製造装置におい
て、疑似綿を形成しうる素材(2) が、合成樹脂、ヤー
ン、スライバーから選択された少なくとも1種から構成
されていることを特徴としている。つまり、前記素材
(2) は、これら3つの素材の1種である場合と、2種以
上の組み合わせである場合とがある。
【0029】また、請求項9に記載の発明は、請求項1
から7のいずれか1に記載の疑似綿製造装置において、
疑似綿を形成しうる素材(2) が、合成樹脂であることを
特徴としている。
【0030】また、請求項10に記載の発明は、請求項
8または9に記載の疑似綿製造装置において、合成樹脂
がフッ素樹脂から構成されていることを特徴としてい
る。
【0031】また、請求項11に記載の発明は、請求項
10に記載の疑似綿製造装置において、フッ素樹脂がポ
リテトラフルオロエチレン及び/またはエチレン−テト
ラフルオロエチレン系共重合体から構成されていること
を特徴としている。
【0032】また、請求項12に記載の発明は、請求項
11に記載の疑似綿製造装置において、ポリテトラフル
オロエチレン及び/またはエチレン−テトラフルオロエ
チレン系共重合体が一軸延伸物から構成されていること
を特徴としている。
【0033】また、請求項13に記載の発明は、請求項
8に記載の疑似綿製造装置において、ヤーンが、ガラス
繊維または炭素繊維から構成されていることを特徴とし
ている。
【0034】また、請求項14に記載の発明は、請求項
8に記載の疑似綿製造装置において、スライバーが、ア
ラミド、ポリイミド、羊毛、天然の各繊維から構成され
ていることを特徴としている。
【0035】
【発明の実施の形態1】以下、本発明の実施形態1を図
面に基づいて詳細に説明する。
【0036】<全体構成>図1は、この疑似綿製造装置
(1) の全体構成を示す斜視図である。この装置(1) は、
疑似綿を形成しうる素材(以下、繊維素材という)(2)
から多数(無数)の短繊維(3) を形成し、この短繊維
(3) を合紙(20)と呼ばれる紙基材の上で集積させながら
該合紙(20)をその面方向へ走行させることにより、疑似
綿を連続製造するように構成されている。
【0037】この疑似綿製造装置(1) は、繊維素材(2)
から多数の短繊維(3) を形成するロールユニット(10)
と、短繊維(3) をロールユニット(10)の下方で集積させ
るための集積面部材としての合紙(20)と、ロールユニッ
ト(10)から合紙(20)上まで連通するとともに合紙(20)の
下方から吸気される風洞(30)と、合紙(20)をその面方向
に連続して走行させる送り機構(40)とを備えている。ま
た、疑似綿製造装置(10)は、他の構成要素として、前記
ロールユニット(10)に繊維素材(2) を供給する素材供給
機構(50)と、合紙(20)の下方での強制排気により風洞(3
0)からの吸気を行う排気機構(60)と、製造された疑似綿
の巻き取り機構(70)とを備えている。
【0038】<素材供給機構>素材供給機構(50)は、ヤ
ーンないしスライバー状に形成された繊維素材(2) をロ
ールユニット(10)に供給するものである。この素材供給
機構(50)は、前記繊維素材(2) が巻かれた複数のボビン
(51)と、複数本の繊維素材(2) をロールユニット(10)へ
案内するガイドロール(52,53) と、これら繊維素材(2)
を挟み込むように上下に配置されたニップロール(54,5
5) とを有している。ニップロール(54,55) は、互いに
圧接するように構成されていて、回転駆動されることに
より繊維素材(2) をロールユニット(10)へ押し込む動作
を行う。
【0039】<繊維素材>前記繊維素材(2) としては、
合成樹脂、ヤーン、及びスライバーから少なくとも1種
を選択して用いることができる。このうち、前記合成樹
脂としてフッ素樹脂を採用することができ、このフッ素
樹脂として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
及び/またはエチレン−テトラフルオロエチレン系共重
合体(ETFE)を採用することができる。このPTF
E及び/またはETFEは、一軸延伸物から構成するこ
とができる。繊維素材(2) の膜厚は、30μm程度であ
る。
【0040】前記繊維素材(2) としては、すべてをPT
FE繊維としてもよいし、一部をPTFE繊維にして残
りをその他の繊維にしてもよい。つまり、PTFE繊維
のボビン(51)と他の繊維のボビン(51)とを混在させて用
いてもよい。また、PTFE繊維に代えてエチレン−テ
トラフルオロエチレン共重合体(ETFE)繊維を用い
てもよく、その場合、すべての繊維素材をETFE繊維
としてもよいし、繊維素材の一部をETFE繊維にして
残りをその他の繊維にしてもよい。
【0041】前記のその他の繊維としては、ガラス繊維
または炭素繊維から構成されるヤーンや、アラミド、ポ
リイミド、羊毛、天然の各繊維から構成されるスライバ
ーを挙げることができる。このうち、天然繊維をスライ
バーとするのは、綿やウールなどは1本の繊維がせいぜ
い10cm未満であり、これを連続的に取り扱えるよう
にするために繊維を同一方向に揃えながら軽く撚りのか
かかった繊維の束(スライバー)として扱うためであ
る。また、アラミドやポリイミドをスライバーとするの
は、これらは合成繊維の中でも強度が強いので、予め5
0mm程度の短繊維に裁断して再びスライバーに仕上げ
て扱うことが、針刃への負荷軽減や均一な撹拌のために
好ましいためである。一方、ガラス繊維や炭素繊維など
の工業的な繊維は、連続したヤーンとして装置に供給さ
れる。
【0042】なお、前記のその他の繊維としては、以上
の例も含めてより詳しく説明すると、無機繊維、耐熱性
合成繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊
維、または天然繊維を、1種で、あるいは2種以上混合
して用いることができる。
【0043】このうち、前記無機繊維として、例えば前
記の炭素繊維及びガラス繊維や、金属繊維、アスベス
ト、またはロックウールなどを挙げることができる。ま
た、金属繊維としては、例えばステンレススチール繊
維、銅繊維、スチール繊維などがある。
【0044】また、前記耐熱性合成繊維として、例えば
ポリフェニレンサルファイド(PPS)繊維、前記ポリ
イミド(PI)繊維、前記アラミド繊維(パラ系アラミ
ド繊維、メタ系アラミド繊維)、フェノール系繊維、ポ
リアリレート繊維、炭素化繊維、または含フッ素樹脂繊
維などを挙げることができる。この含フッ素樹脂繊維と
しては、例えばテトラフルオロエチレン−パーフルオロ
(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)繊維、
テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共
重合体(FEP)繊維、ポリビニルフルオライド(PV
F)繊維、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)繊
維、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)繊
維、またはエチレン−クロロトリフルオロエチレン共重
合体(ECTFE)繊維などを挙げることができる。
【0045】さらに、前記ポリオレフィン系繊維とし
て、例えばポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ナ
イロン繊維、ウレタン繊維などが挙げられる。また、前
記ポリエステル系繊維として、例えばポリエチレンテレ
フタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維など
が挙げられる。さらに、前記天然繊維として、例えばウ
ール、木綿、カシミヤ、アンゴラ、絹、麻、パルプなど
が挙げられる。
【0046】<ロールユニット>前記ロールユニット(1
0)は、その軸方向断面図である図2及び軸直角断面図で
ある図3に示すように、円筒状のケーシング(11)と、短
繊維(3) を形成するためのロール部材として該ケーシン
グ(11)内に収納された針刃ロール(12)とから構成されて
いる。ケーシング(11)には、繊維素材(2) の供給口(11
a) と短繊維(3) の排出口(11b) とが周方向に分離して
形成されている。また、針刃ロール(12)は、ロール本体
(13)と、その周面に植設された多数の針刃(14)とを備
え、針刃(14)の先端とケーシング(11)の内周面との間に
微細な間隙が形成されるように寸法構成されている。そ
して、このロールユニット(10)は、前記供給口(11a) か
ら供給された繊維素材(2) を針刃ロールの回転により細
分して短繊維(3) を形成し、排出口(11b) から排出す
る。なお、針刃(14)は、図2では省略し、図3では一部
のみを示している。
【0047】前記ケーシング(11)は上ケーシング(11c)
及び下ケーシング(11d) を備え、上ケーシング(11c) 及
び下ケーシング(11d) は、それぞれ一つの円筒管の上側
部分及び下側部分を構成している。また、この円筒管に
おける図3の左側部分に前記供給口(11a) が、右側部分
に前記排出口(11b) が形成されている。
【0048】前記針刃ロール(12)のロール本体(13)は、
外筒(13a) 及び内筒(13b) と、その回転の中心軸である
シャフト(13c) と、外筒(13a) 及び内筒(13b) とシャフ
ト(13c) とを連結する環状プレート(13d) とから構成さ
れ、これらが一体化されてロール本体(13)が構成されて
いる。
【0049】前記上ケーシング(11c) 及び下ケーシング
(11d) の両端部には軸受けプレート(11e,11f) が装着さ
れている。各軸受けプレート(11e,11f) には、前記シャ
フト(13c) が嵌合して針刃ロール(12)を回転自在に支持
するボールベアリング(15,15) が装着されている。軸受
けプレート(11e,11f) にはボールベアリング(15,15)の
抜け止めをするためのリテーナ(16a,16b) が装着されて
いる。また、シャフト(13c) には、ロールユニット(10)
の組み立て作業側(図の左側)にベアリングナット(17)
が装着されている。シャフト(13c) の一端にはプーリ(1
8)が装着され、針刃ロール(12)がベルト駆動により回転
するようになっている。
【0050】前記針刃ロール(12)の針刃(14)は、図4に
詳細を示すように、ロール本体(13)の外筒(13a) に植設
されている。この針刃(14)は、ロール本体(13)の径線に
対して、先端がロール本体(13)の回転方向前方に位置す
るように、前向きに傾斜している。具体的には、ロール
本体(13)の径線に対する針刃(14)の傾斜角度θは、5°
≦θ≦30°の範囲であり、好ましくはθ=20°に設
定される。前記角度範囲の下限値は、傾斜角度がそれよ
りも小さいと針刃(14)が繊維に食い付きにくくなること
から定められ、上限値は傾斜角度がそれよりも大きいと
針刃ロール(12)がケーシング(11)内で空回りしやすいこ
となどから定められている。
【0051】また、前記針刃(14)は、ロール本体(13)の
円周方向において中心角度αが4°のピッチで等分に配
置されている。つまり、針刃(14)はロール本体(13)の円
周上を90等分した位置に配置されている。さらに、前
記針刃(14)は、図5に示すようにロール本体(13)の周面
上において所定の微細なねじれ角βで螺旋状に連続して
配置されている。
【0052】前記内筒(13b) は鉄管により構成されてい
る。また、前記針刃(14)は鋼材により構成されている。
さらに、前記外筒(13a) には、針刃(14)を植設する加工
性と錆にくさを満たす材料として真鍮管が用いられてい
る。
【0053】前記針刃(14)には、例えば基部の直径が
0.9mm、全長が9mmで、全体が図4に示す細い円
錐形状や、図示しないが全体が円柱状で先端のみが尖っ
た形状のものが用いられる。前記針刃ロール(12)は、例
えば針刃(14)の先端における直径が100mm、軸方向
長さが200mmに形成されている。また、外筒(13a)
の外径は例えば93mmであり、針刃ロール(12)の径方
向への針刃(14)の突出量が3.5mmに設定されてい
る。
【0054】そして、このように寸法構成された針刃ロ
ール(12)に対して、前記ケーシング(11)は、その内周面
と針刃(14)の先端との間に形成される間隙をC(図4参
照)とすると、50μm≦C≦500μmで、好ましく
はC=200μmとなるように構成されている。前記範
囲の下限値は、間隙Cがこれよりも小さくなると繊維が
詰まって針刃ロール(12)が停止する可能性があることか
ら定められており、上限値は間隙Cがそれよりも大きい
と針刃ロール(12)が空回りしやすいことから定められて
いる。
【0055】前記構成において、外筒(13a) の半径を
R、針刃(14)の突出量をLとすると、L/R=3.5/
46.5=0.075であるが、突出量Lを2.0〜
5.0の範囲で変化させ、L/Rを、2.0/46.5
≦L/R≦5.0/46.5の範囲としてもよい。これ
は、L/Rが前記範囲の下限値よりも小さくなると針刃
ロール(12)がケーシング(11)内で空回りしやすくなり、
上限値よりも大きくなると針刃(14)が折れるおそれがあ
るためである。
【0056】針刃ロール(12)は、回転速度が5000〜
10000min-1に構成されている。そして、前記の
ように寸法構成された針刃ロール(12)がケーシング(11)
内でこのように高速回転することにより、繊維素材(2)
から平均して線径が約12μmで長さが約16mmの多
数の短繊維(3) が形成されるようになっている。
【0057】なお、前記の寸法構成等は一例を示すもの
であり、装置構成等に応じて適宜変更可能である。ま
た、前記短繊維(3) は、その線径や材質などに応じて異
なった繊維長に形成される場合があり、その繊維長は概
ね1〜200mmの範囲であればよい。
【0058】<集積面部材、送り機構、及び巻き取り機
構>前記ケーシング(11)の排出口(11b) から排出された
短繊維(3) をロールユニット(10)の下方で集積させるた
めの集積面部材として、この実施形態では合紙(20)が用
いられている。合紙(20)は通気性を有する紙基材で、合
紙ロール(21)から装置(1) に供給されるとともに、その
表面上で疑似綿を製造した後に巻き取り機構としての巻
き取りロール(70)に回収される。
【0059】この実施形態では巻き取りロール(70)が駆
動ロール、合紙ロール(21)が従動ロールに構成されると
ともに、合紙ロール(21)と巻き取りロール(70)の間に
は、その上面側に複数のニップロール(41)が、下面側に
エンドレスメッシュベルト(42)による走行ガイドコンベ
ア(43)が設けられており、これらにより合紙(20)をガイ
ドしながら走行させる送り機構(40)が構成されている。
【0060】前記ニップロール(41)は、図の例では5本
が互いに圧接する状態で配置されている。これらのニッ
プロール(41)は、表面に多数の短繊維(3) が集積した合
紙(20)が、下から4本のニップロール(41)の表面に沿っ
て順に反転しながら、隣り合う上下のニップロール(41)
間を下から順に通過するように構成されている。ニップ
ロール(41)を通過した合紙は、ガイドロール(44,45) を
経て巻き取りロール(70)に回収される。
【0061】走行ガイドコンベア(43)は、5本のローラ
(44)によりエンドレスメッシュベルト(42)を軌道上で連
続して周回させるように構成されている。5本のローラ
(44)は、例えば1本が駆動ローラに、3本が従動ローラ
に、他の1本がテンション付加ローラに構成されてい
る。この走行ガイドコンベア(43)は、エンドレスメッシ
ュベルト(42)が合紙(20)と同じ速度で走行しながら合紙
(20)をガイドするように構成されている。
【0062】<風洞及び排気機構>図6は、風洞(30)と
その周辺部分の拡大断面図、図7は図6のVII−VII線断
面図である。図6では走行ガイドコンベア(43)は簡略化
して表している。
【0063】前記風洞(30)と排気機構(60)は、合紙(20)
及びエンドレスメッシュベルト(42)を挟んで上下に配置
され、実質的に互いに連通している。風洞(30)は、合紙
(20)の投入側に位置する正面板(30a) と、その対向面で
ある背面板(30b) と、正面板(30a) 及び背面板(30b) の
端部同士に連接する側面板(30c,30d) とから、断面がほ
ぼ矩形に形成されている(図1では手前側の側面板(30
d) を省略している)。また、排気機構(60)は、その上
端が、風洞(30)の下端と対向する開口形状になったダク
ト(61)を有し、図示しない排気ファンによる強制排気で
風洞(30)から吸気して、風洞(30)内に下向きの気流を発
生させる。
【0064】前記風洞(30)の下端には、正面板(30a) 側
と背面板(30b) 側とに、合紙(20)と接して回転するロー
ラ(31a,31b) が設けられている。正面板(30a) 側のロー
ラ(31a) は、風洞(30)内に外気が進入するのを防止する
機能を有し、背面板(30b) 側のローラ(31b) は、外気の
進入防止に加えて、集積した短繊維(3) を合紙(20)上で
押さえ付ける機能を有している。また、排気機構(60)の
ダクト(61)の上端の開口部には、整流格子(62)が設けら
れている。
【0065】前記風洞(30)の正面板(30a) には、その上
端部に前記ロールユニット(10)が固定され、該ロールユ
ニット(10)の排出口(11b) が風洞(30)の内部に開口して
いる。風洞(30)の背面板(30b) は、正面板(30a) よりも
薄くて高さ寸法が大きい板材により形成され、その下端
から正面板(30a) の上端よりもわずかに下方までの範囲
が正面板(30a) と平行で、それよりも上方の部分が正面
板(30a) から離れる方向へ傾斜している。
【0066】この風洞(30)には、ロールユニット(10)か
ら排出される多数の短繊維(3) を風洞(30)内で均一に分
散させるために、短繊維撹拌板(32)が設けられている。
この短繊維撹拌板(32)は、風洞(30)の左右の側面板(30
c,30d) の内寸に一致する幅寸法を有する部材であり、
両端が側面板(30c,30d) に固定されている。
【0067】また、短繊維撹拌板(32)は、基板部(33)
と、その下面側に固定された渦流形成板(第1の渦流形
成板)(34)とから、その断面が扁平した「T」字形に形
成されている。短繊維撹拌板(32)は、風洞(30)内で斜め
向きに配置され、基板部(33)の上側の端部(33b) と下側
の端部(33a) の中間部に渦流形成板(34)が位置してい
る。また、前記短繊維撹拌板(32)は、基板部(33)の下側
端部(33a) が風洞(30)の背面板(30b) に近接するととも
に、上側端部(33b) がロールユニット(10)の上方に位置
し、渦流形成板(34)の先端(34a) がロールユニット(10)
の上ケーシング(11c) に近接している。この配置におい
て、渦流形成板(34)の先端(34a) は、基板部(33)の下側
端部(33a) よりも上方に位置している。
【0068】そして、前記短繊維撹拌板(32)により、風
洞(30)内に背面板(30b) 側の主流路と正面板(30a) 側の
副流路とが区画されている。
【0069】<運転動作>次に、この疑似綿製造装置
(1) の運転動作について説明する。
【0070】まず、素材供給機構(50)では、PTFE繊
維、ETFE繊維、あるいはこれらの繊維とともにその
他の繊維を含む複数本の繊維素材(2) が、各ボビン(51)
からガイドロール(52,53) 及びニップロール(54,55) を
介してロールユニット(10)に供給される。繊維素材(2)
は、ケーシング(11)の供給口(11a) からケーシング(11)
内に押し込まれ、下ケーシング(11d) と針刃ロール(12)
との間を排出口(11b)に向かって流れていく。
【0071】前記PTFEやETFEの繊維素材(2) の
膜厚(約30μm)は、前記ケーシング(11)と針刃ロー
ル(12)の間の間隙C(50〜500μm)に対して十分
に小さく、隣り合う針刃(14)の間のスペースに対しても
十分に小さいが、針刃ロール(12)が高速回転しているた
め、針刃(14)により細分されて線径が約12μmで平均
長さが約16mmの短繊維(3) となる。その際、ニップ
ロール(54,55) が低速で回転し、針刃ロール(12)が高速
で回転していることなどから、繊維素材(2) が伸びなが
ら切断されるとともに上記間隙Cにおいて強く撹拌され
ることになり、切断後の短繊維(3) は少し縮れた状態と
なる。
【0072】この短繊維(3) は、風洞(30)内に吹き出さ
れる。風洞(30)の内部は、排気機構(60)での強制排気に
より下向きの空気流が発生しており、前記短繊維(3) は
この空気流に乗って風洞(30)内で分散しながら合紙(20)
の表面に集積する。
【0073】ここで、風洞(30)の上方から吸い込まれた
空気は、短繊維撹拌板(32)に対して背面板(30b) 側を主
流路、正面板(30a) 側(ロールユニット(10)側)を副流
路とすると、主流路と副流路の両方で絞りを通過するこ
とになる。また、空気が2カ所の絞りを必ず通過するた
め、その下流側の負圧が従来よりも大きくなり、絞りの
出口で比較的強い噴流が発生する。そして、2カ所で発
生する噴流の相互作用により、短繊維(3) が風洞(30)内
で均一に撹拌される。強い噴流が生じることは、渦流形
成板(34)が副流路の空気の流れに交差していて空気流れ
が屈曲することにより、渦流形成板(34)とロールユニッ
ト(10)の間の通風抵抗が大きくなることも関与してい
る。
【0074】また、副流路側の絞りの下流では、図8に
空気流れを示すように、高速回転する針刃ロール(12)に
より起風される吹き出し空気と、この絞りからの噴流と
の作用により、渦流が発生する。この渦流は、渦流形成
板(34)の下方から基板部(33)に沿って循環移動して、や
がて副流路からの空気流と合流する。したがって、渦流
形成板(34)や基板部(33)の下面側で空気が滞留しないた
め、短繊維(3) も滞留せず、付着などの問題も生じな
い。また、渦流による撹拌効果と主流路側の絞りの下流
の噴流による撹拌効果とにより、短繊維(3) は風洞(30)
内でより均一に分散する。
【0075】さらに、ロールユニット(10)の排出口(11
b) では上向きの吹き出し空気が発生するが、前記のよ
うに副流路の絞りから強い噴流が発生しているため、短
繊維(3) が上昇気流によって機外に吹き出されることも
ない。
【0076】このようにして風洞(30)内で分散した多数
の短繊維(3) は、空気の流れに乗って搬送され、合紙(2
0)の表面に達したときに排気機構(60)からの吸引力の作
用も受けながら互いに絡み合い、集積する。そして、合
紙(20)が合紙ロール(20)から巻き取りロール(70)まで流
れる際に、合紙(20)の表面上に集積した短繊維(3) がニ
ップロール(41)で圧着されて、疑似綿が形成される。な
お、ニップロール(41)での圧着時に加熱して短繊維同士
を溶着してもよい。また、製造された疑似綿は、使用時
には合紙を剥がして用いられる。
【0077】<実施形態1の効果>この実施形態1で
は、短繊維撹拌板(32)の基板部(33)の下側端部(33a) が
風洞(30)の背面板(30b) に近接し、渦流形成板(33)の先
端(34a) がロールユニット(10)に近接する配置にして、
空気が2つの絞りを通過するとともに副流路側で空気流
が屈曲することで風洞(30)内の負圧を高め、主流路と副
流路のそれぞれの絞りの出口で強い噴流を形成するよう
にしているので、2カ所の噴流の相互作用により短繊維
(3) を均一に撹拌することができる。したがって、風洞
(3) 内での短繊維(3) のばらつき(偏り)を抑えること
ができるため、目の揃った疑似綿を製造できる。
【0078】また、副流路側では、ロールユニット(10)
からの排出空気と前記噴流との作用で生じる渦流によ
り、短繊維(3) が壁面付近で滞留したり壁面に付着した
りするのを防止できる。さらに、ロールユニット(10)側
の噴流により風洞(30)内での上昇気流を抑えられるの
で、機外への短繊維(3) の飛散も生じない。
【0079】また、短繊維撹拌板(32)をロールユニット
(10)と反対側の端部(33a) が低くなるように傾けて配置
しているので、その傾きを変更すれば主流路側と副流路
側の風量を調整でき、それにより噴流の強さや渦流の強
さなども簡単に調整できる。
【0080】また、針刃ロール(12)に関し、針刃(14)を
ロール本体(13)の円周面に対して直角(径線方向沿い)
または回転方向後ろ向きに傾斜させるとケーシング(11)
内での繊維素材(2) に対する針刃(14)の切断作用が強く
なりやすく、繊維素材(2) から形成する短繊維(3) が短
くなって短繊維(3) 同士が絡み合いにくくなるおそれが
あるが、本実施形態では針刃(14)をロール本体(13)の径
線に対して先端が針刃ロール(12)の回転方向前方に位置
するように傾斜させたことにより、繊維素材(2) に対す
る針刃(14)の喰い付き時間が長くなり、短繊維(3) が短
くなる傾向が解消される。したがって、短繊維(3) を比
較的長い寸法に形成できるので、多数の短繊維(3) を集
積して疑似綿を製造する際に短繊維(3) 同士が十分に絡
み合う作用が生じることとなり、強度の点で優れた疑似
綿を製造することが可能となる。
【0081】<実施形態1の変形例> (変形例1)図9は、前記実施形態1の第1の変形例を
示している。この例では、風洞(30)の前後の向きを実施
形態1と逆にして、背面板(30b) にロールユニット(10)
を固定している。そして、背面板(30b) は実施形態1の
正面板(30a) と同一の部材を前後(図の左右)に反転し
て構成され、正面板(30a) は実施形態1の背面板(30b)
と同一の部材を前後に反転して構成されている。また、
短繊維撹拌板(32)も実施形態1とは対称の配置とされて
いるが、ロールユニット(10)の対向面(30a) 側の端部が
ロールユニット(10)側の端部及び渦流形成板(34)の先端
よりも低い配置になっていることは、前記の例と同じで
ある。
【0082】その他の構成、及び作用効果は実施形態1
と同様である。
【0083】(変形例2)図10は、前記実施形態1の
第2の変形例を示している。この例では、ロールユニッ
ト(10)のケーシング(11)に関し、排出口(11b) を上ケー
シング(11c) 側に広くした構成としている。そして、上
ケーシング(11c) における排出口(11b) 側の端部に、風
洞(30)の正面板(30a) とほぼ平行に第2の渦流形成板(1
1g) が固定されている。つまり、この第2の変形例で
は、風洞(30)の空気流入口(30e) 下方の、ロールユニッ
ト(10)の上部に第2の渦流形成板(11g) を設けた構成と
している。なお、第2の渦流形成板(11g) はロールユニ
ット(10)の上ケーシング(11c)に一体成形してもよい
し、別部材を該上ケーシング(11c) に密着接合してもよ
い。
【0084】このようにケーシング(11)の排出口(11b)
を広くすると、たとえ針刃(14)に短繊維(3) が絡んでい
ても、第1の渦流形成板(34)と第2の渦流形成板(11g)
との間を湾曲してロールユニット(10)側に向かう空気流
の掃気効果もあり、短繊維(3) が風洞(30)内に放出され
やすくなる。一方、単に排出口(11b) を広くすると排出
口(11b) の上部から放出された短繊維(3) が機外に流出
するおそれがあるが、上ケーシング(11c) に第2の渦流
形成板(11g) を設け、この渦流形成板(11g) が風洞(30)
の空気流入口(30e) 下方の、ロールユニット(10)の上部
に位置するようにしたことにより、短繊維(3) をこの第
2の渦流形成板(11g) の風洞(30)側で発生する渦流に巻
き込んだ後、さらに副流路の空気流に乗せて風洞(30)内
に戻すことができるため、短繊維(3) が機外に飛散する
のを防止できる。
【0085】
【発明の実施の形態2】本発明の実施形態2は、実施形
態1の疑似綿製造装置(1) において、風洞(30)の下部の
形状を変更したものである。
【0086】具体的には図11に示すように、風洞(30)
は、その中間部から集積面部材に向かって流路面積が拡
大するように、背面板(30b) の下部が傾斜している。そ
して、この傾斜の角度φは、15°≦φ≦60°の範囲
で設定されている。
【0087】この実施形態2では、風洞(30)の背面板(3
0b) または正面板(30a) の近傍における短繊維(3) のば
らつきが小さくなり、短繊維(3) の滞留や付着も生じに
くくなる。この点、比較例を参照して説明する。まず、
図12は第1の比較例における風洞(30)の下部を示し、
(b)図は(a)図の側面図である。また、図13は第
2の比較例における風洞(30)の下部を示している。
【0088】例えば図12に示すように風洞(3) が下方
に向かって断面積一定、もしくは図示していないが前記
傾斜角度φが15°よりも小さい角度で緩やかに拡大し
ていると、左右の側面板(30c,30d) の近傍に乱流境界層
が形成され、この境界層は、厚さが10〜20mmにも
達する。そして、この場合には壁面近傍の流速が低下す
ることにより短繊維(3) のばらつきが生じることにな
る。一方、図13に示すように、風洞(30)が下方に向か
って60°よりも大きい傾斜角度φで広がる急拡大流路
になっていると、その拡大部分に空気が滞留するために
短繊維(3) の滞留や付着が生じやすい。
【0089】これに対して本実施形態2では、図14に
流線f1,f2,f3で表しているように、背面板(30
b) の傾斜部下部を流れる空気が左右の側面板(30c,30d)
の方へ広がりながら流れるため、短繊維(3) は側面板
(30c,30d) に衝突して落下し、合紙(20)の上で集積され
る。本実施形態では、このような流れにより風洞(30)内
での短繊維(3) の偏りを抑え、その滞留や付着も抑える
ことが可能となる。
【0090】<実施形態2の変形例> (変形例1)風洞(30)は、背面板(30b) の下部を傾斜さ
せる代わりに、図15に示すように正面板(30a) の下部
を傾斜させて流路面積を下方ほど広くしてもよく、図1
6に示すように正面板(30a) と背面板(30b) の両方の下
部を傾斜させて流路面積を下方ほど広げてもよい。
【0091】この場合も、背面板(30b) 及び正面板(30
a) の少なくとも一方に与えられる傾斜角度φは、15
°≦φ≦60°の範囲で設定される。
【0092】(変形例2)図17及び図18は、それぞ
れ実施形態2の第2の変形例を示している。
【0093】これらの変形例は、実施形態2の風洞(30)
の下部に、合紙(20)上へ流れる空気を整流する整流手段
(35,36) を設けた例である。図17の例では背面板(30
b) の下部を正面板(30a) と平行にすることにより整流
手段(35)としており、図18の例では正面板(30a) の内
面の下部に緩やかな円弧状の突出物を設けて、これを整
流手段(36)としている。
【0094】このように構成して風洞(30)内の空気流を
図中の矢印で示すように整流すると、風洞(30)の左右側
面板(30c,30d) の近傍では空気が滞留し、短繊維(3) の
偏りが大きいが、それ以外の領域では短繊維(3) はより
均一に撹拌されることになり、短繊維(3) の偏りが小さ
くなるので、風洞(30)の幅を短繊維集積面の幅よりも大
きくすれば、短繊維(3) の目の揃った疑似綿を製造でき
る。
【0095】なお、この変形例では背面板(30b) の下部
のみを傾斜させたものに整流手段(35,36) を設ける構成
としているが、正面板(30a) の下部のみを傾斜させた図
15の構成や、正面板(30a) と背面板(30b) の両方の下
部を傾斜させた図16の構成においても整流手段(35,3
6) を設けるとよい。
【0096】
【発明の実施の形態3】本発明の実施形態3は、製造す
る疑似綿の幅を容易に調整できる構成にしたものであ
る。
【0097】具体的には図19に示すように、排気機構
(60)のダクト(61)における上端の開口とエンドレスメッ
シュベルト(42)との間に、装置(1) の左右方向にスライ
ド可能な2枚の仕切板(63)が、合紙(20)の走行方向と直
交する方向に風洞(30)の幅を調整する流路幅調整部材と
して設けられている。各仕切板(63)は平板状であり、整
流格子(62)の上面に沿ってスライドするように構成され
ている。
【0098】この実施形態3では、製造する疑似綿の幅
に応じて仕切板(63)の位置を調整し、流路幅を調整する
ことにより、短繊維(3) がその幅で合紙(20)の表面に集
積して疑似綿が製造される。
【0099】なお、この実施形態3では仕切板(63)を平
板状にしているので、例えば図20に示すように内側を
湾曲させてベルマウス状に形成した仕切板(64)と比較す
ると、製造される疑似綿の幅を正確にすることができ
る。つまり、ベルマウス状の仕切板(64)の場合は合紙(2
0)へ流れる短繊維(3) が慣性力によりその開口部の内側
に寄りやすくなるが、平板状の仕切板(63)ではそのよう
な問題が生じない。また、ベルマウス状では風洞(30)の
壁面とのクリアランス部において短繊維(3) が滞留し、
仕切板(64)に付着する可能性があるが、仕切板(63)を平
板状にしてエンドレスメッシュベルト(42)の下、従って
合紙(20)の下に配置しているので、短繊維(3) の付着の
おそれも少なくなる。さらに、仕切板(63)を平板状にし
た場合は仕切板(63)が吸気による負圧で整流格子(62)に
密着するので、ベルマウス状のものよりも短繊維(3) の
漏れを少なくすることも可能となる。
【0100】
【発明のその他の実施の形態】本発明は、前記実施形態
について、以下のような構成としてもよい。
【0101】例えば、前記各実施形態では、その表面上
で疑似綿を製造するための集積面部材として合紙(20)を
用いているが、必ずしも合紙(20)を用いなくてもよい。
例えば、エンドレスメッシュベルト(42)上で短繊維(3)
を直接集積させるようにすることにより、該エンドレス
メッシュベルト(42)を集積面部材として用いるようにし
てもよい。
【0102】また、前記各実施形態では、ロール部材(1
2)としてロール本体(13)に針刃(14)を植設した針刃ロー
ルを用いているが、ロール部材(12)は円周面から微細な
多数の刃が突出したものであれば具体的な構成は変更し
てもよい。
【0103】また、短繊維撹拌板(32)は、渦流形成板(3
4)を設けずに平板状の部材としてもよく、その場合、両
端が風洞(30)内でロールユニット(10)とその対向面に近
接する状態で傾けて配置するとよい。
【0104】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、短繊維撹拌板(32)を風洞(30)内でロール
ユニット(10)とその対向面(30b) とに2つの端部(34a,3
3a) が近接するように配置して、風洞(30)内の負圧を強
くし、2つの絞り流路の出口で強い噴流を形成するよう
にしているので、2カ所の噴流の相互作用により短繊維
(3) を均一に撹拌して短繊維(3) のばらつきが抑えるこ
とができる。したがって、目の揃った疑似綿を製造でき
る。
【0105】また、ロールユニット(10)からの排出空気
と前記噴流との作用で生じる渦流により、短繊維(3) が
壁面付近で滞留したり壁面に付着したりするのを防止で
きる。さらに、ロールユニット(10)側の噴流により風洞
(30)内での上昇気流を抑えられるので、機外への短繊維
(3) の飛散も生じない。
【0106】また、短繊維撹拌板(32)をロールユニット
(10)と反対側の端部(33a) が低くなるように傾けて配置
しているので、その傾きを変更すれば主流路側と副流路
側の風量を調整でき、それにより噴流の強さや渦流の強
さなども簡単に調整できる。
【0107】また、請求項2に記載の発明によれば、短
繊維撹拌板(32)の中間部に渦流形成板(34)を設け、その
先端(34a) をロールユニット(10)に近接させたことによ
り、ロールユニット(10)と短繊維撹拌板(32)との間の通
風抵抗により風洞(30)内の負圧がさらに大きくなる。し
たがって、噴流及び渦流の形成が確実になるため、請求
項1の効果をより高めることができる。
【0108】また、請求項3に記載の発明によれば、風
洞(30)の空気流入口(30e) の近傍に第2の渦流形成板(1
1g) を設けたことにより、仮に短繊維(3) がロールユニ
ット(10)から風洞(30)を上昇した場合でも、該短繊維
(3) を渦流に巻き込んだ後に下向きの気流に乗せて集積
面部材(20)まで搬送することが可能となるので、機外へ
の短繊維(3) の飛散を確実に防止できる。
【0109】また、請求項4に記載の発明によれば、風
洞(30)のロールユニット(10)側の面(30a) 及びその対向
側の面(30b) の少なくとも一方を、風洞(30)の中間部か
ら集積面部材(20)に向かって流路面積が拡大するよう
に、所定角度(好ましくは15°以上60°以下の範
囲)で傾斜させているので、短繊維(3) のばらつき(偏
り)を抑えるとともに、その滞留や付着も抑えることが
できる。
【0110】また、請求項5に記載の発明によれば、集
積面部材(20)へ流れる空気を整流手段(35,36) によって
整流するようにしているので、左右の壁面近傍の空気流
が滞留し、短繊維(3) のばらつき(偏り)は大きいが、
それ以外の領域では極めて小さいばらつき(偏り)とな
るので、風洞(30)の幅を集積面の幅より少し大きくして
おけば、短繊維(3) のばらつきのない疑似綿を製造でき
る。
【0111】また、請求項6に記載の発明によれば、集
積面部材(20)の走行方向と直交する方向に風洞(30)の幅
を調整する流路幅調整部材(63)を設けているので、製造
する疑似綿の幅を簡単に調整することができる。
【0112】また、請求項7に記載の発明によれば、ロ
ール部材(12)の針刃(14)の傾きを特定したことにより、
短繊維(3) に対する針刃(14)の喰い付きを良くして短繊
維(3) を比較的長く形成することができるので、短繊維
(3) 同士が十分に絡み合った強度の高い疑似綿を製造す
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る疑似綿製造装置の全
体構成を示す斜視図である。
【図2】ロールユニットの軸方向断面図である。
【図3】ロールユニットの軸直角断面図である。
【図4】針刃ロールの部分拡大断面図である。
【図5】針刃ロールの外観図である。
【図6】風洞とその周辺部分の拡大断面図である。
【図7】図6のVII−VII線断面図である。
【図8】風洞の上部における空気流れを示す図である。
【図9】実施形態1の第1の変形例における風洞とその
周辺部分の拡大図である。
【図10】実施形態1の第2の変形例における風洞上部
の空気流れを示す図である。
【図11】実施形態2に係る疑似綿製造装置の風洞とそ
の周辺部分を示す図である。
【図12】実施形態2の第1の比較例を示す図である。
【図13】実施形態2の第2の比較例を示す図である。
【図14】実施形態2の風洞における空気流れを示す図
である。
【図15】実施形態2の第1の変形例を示す図である。
【図16】図15の変形例を示す図である。
【図17】実施形態2の第2の変形例を示す図である。
【図18】図17の変形例を示す図である。
【図19】実施形態3の部分構造図である。
【図20】実施形態3の比較例を示す図である。
【図21】従来の疑似綿製造装置の概略構造図である。
【符号の説明】
(1) 疑似綿製造装置 (2) 繊維素材 (3) 短繊維 (10) ロールユニット (11) ケーシング (11a) 供給口 (11b) 排出口 (11g) 第2の渦流形成板 (12) 針刃ロール(ロール部材) (13) ロール本体 (14) 針刃 (20) 合紙(集積面部材) (30) 風洞 (32) 短繊維撹拌板 (33) 基板部 (33a) 下側端部 (33b) 上側端部 (34) 第1の渦流形成板 (34a) 先端 (35) 整流手段 (36) 整流手段 (40) 送り機構 (63) 仕切板(流路幅調整部材)
フロントページの続き (72)発明者 木下 歓治郎 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 Fターム(参考) 3B151 AA02 AB06 AB12 AC13 AC24 CA06 CB01 4L047 AA03 AA05 AA07 AA09 AA15 AA24 AB02 EA22

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状のケーシング(11)内に繊維長1〜
    200mmの短繊維(3) を形成するためのロール部材(1
    2)が収納されるとともに該ケーシング(11)に疑似綿を形
    成しうる素材(2) の供給口(11a) と前記短繊維(3) の排
    出口(11b) とが周方向に分離して形成されたロールユニ
    ット(10)と、該排出口(11b) から排出された前記短繊維
    (3) をロールユニット(10)の下方で集積させる集積面部
    材(20)と、ロールユニット(10)と集積面部材(20)とに連
    通するとともに集積面部材(20)の下方から吸気される風
    洞(30)と、前記集積面部材(20)をその面方向に走行させ
    る送り機構(40)とを備えた疑似綿製造装置であって、 前記風洞(30)には、該風洞(30)におけるロールユニット
    (10)の対向面(30b) に下側端部(33a) が近接し、それよ
    りも上方の端部(34a) がロールユニット(10)に近接して
    配置された短繊維撹拌板(32)が設けられていることを特
    徴とする疑似綿製造装置。
  2. 【請求項2】 短繊維撹拌板(32)は、上側端部(33b) が
    ロールユニット(10)の上方に配置されるとともに、上側
    端部(33b) と下側端部(33a) の中間部には先端(34a) が
    ロールユニット(10)に近接する第1の渦流形成板(34)を
    備えていることを特徴とする請求項1記載の疑似綿製造
    装置。
  3. 【請求項3】 風洞(30)の空気流入口(30e) 下方の、ロ
    ールユニット(10)の上部に第2の渦流形成板(11g) を備
    えていることを特徴とする請求項2記載の疑似綿製造装
    置。
  4. 【請求項4】 風洞(30)は、その中間部から集積面部材
    (20)に向かって流路面積が拡大するように、ロールユニ
    ット(10)側の面(30a) 及びその対向側の面(30b) の少な
    くとも一方が、所定角度で傾斜していることを特徴とす
    る請求項1,2または3記載の疑似綿製造装置。
  5. 【請求項5】 風洞(30)には、集積面部材(20)へ流れる
    空気を整流する整流手段(35,36) が設けられていること
    を特徴とする請求項4記載の疑似綿製造装置。
  6. 【請求項6】 集積面部材(20)の走行方向と直交する方
    向に風洞(30)の幅を調整する流路幅調整部材(63)を備え
    ていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1記
    載の疑似綿製造装置。
  7. 【請求項7】 短繊維(3) を形成するためのロール部材
    (12)が、ロール本体(13)とその周面に植設された多数の
    針刃(14)とを備え、 針刃(14)は、ロール本体(13)の径線に対して先端がロー
    ル本体(13)の回転方向前方に位置するように傾斜して配
    置されていることを特徴とする請求項1から6のいずれ
    か1記載の疑似綿製造装置。
  8. 【請求項8】 疑似綿を形成しうる素材(2) が、合成樹
    脂、ヤーン、スライバーから選択された少なくとも1種
    から構成されていることを特徴とする請求項1から7の
    いずれか1記載の疑似綿製造装置。
  9. 【請求項9】 疑似綿を形成しうる素材(2) が、合成樹
    脂であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1
    記載の疑似綿製造装置。
  10. 【請求項10】 合成樹脂がフッ素樹脂から構成されて
    いることを特徴とする請求項8または9記載の疑似綿製
    造装置。
  11. 【請求項11】 フッ素樹脂がポリテトラフルオロエチ
    レン及び/またはエチレン−テトラフルオロエチレン系
    共重合体から構成されていることを特徴とする請求項1
    0記載の疑似綿製造装置。
  12. 【請求項12】 ポリテトラフルオロエチレン及び/ま
    たはエチレン−テトラフルオロエチレン系共重合体が一
    軸延伸物から構成されていることを特徴とする請求項1
    1記載の疑似綿製造装置。
  13. 【請求項13】 ヤーンが、ガラス繊維または炭素繊維
    から構成されていることを特徴とする請求項8記載の疑
    似綿製造装置。
  14. 【請求項14】 スライバーが、アラミド、ポリイミ
    ド、羊毛、または天然の繊維から構成されていることを
    特徴とする請求項8記載の疑似綿製造装置。
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