JP2003278040A - コード糸とそのコード糸を用いたマット - Google Patents

コード糸とそのコード糸を用いたマット

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JP2003278040A
JP2003278040A JP2002074641A JP2002074641A JP2003278040A JP 2003278040 A JP2003278040 A JP 2003278040A JP 2002074641 A JP2002074641 A JP 2002074641A JP 2002074641 A JP2002074641 A JP 2002074641A JP 2003278040 A JP2003278040 A JP 2003278040A
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Shuichi Nonaka
修一 野中
Kakuji Murakami
確司 村上
Kazuya Matsumura
一也 松村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 嵩高性、除塵性、捕塵性、弾力性に富み、踏
み心地が良く、意匠性に優れたマットのパイル用コード
糸とそのコード糸をパイル糸として用いたマットを提供
する。 【解決手段】 少なくとも3糸条群からなる2000d
tex以上の撚り糸で、単糸同士が融着している部分を
持つ糸条Aを有しており、撚り糸内の糸条Aが占める割
合が繊度比25%以上であることを特徴とするコード
糸。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は事務所や店舗等の入
り口に敷かれる靴底等に付着した泥や塵芥を捕捉して室
内に持ち込まないようにするマットなどの構成パイル用
コード糸およびこれらのマットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、事務所や店舗等の入り口に敷かれ
た靴等に付着した泥や塵芥を捕捉して室内に持ち込まな
いようにするマット、いわゆるダストコントロールマッ
トは要求される性能、使用される場所等に応じて、様々
な素材が用いられている。
【0003】例えば、嵩高性、除塵性、捕塵性、弾力
性、イージーケア性等に優れた性能を有する合成繊維の
嵩高糸を撚糸したものをパイル糸として用いたタフティ
ングマットが汎用的に用いられている。このマットは前
記特徴に加え、さらに見栄えの良さあるいは踏み心地の
良さ等の特徴も有する。
【0004】ダストコントロールマットは、その用途
上、靴底で擦ったり、また汚れた場合には洗濯したりと
過酷な条件に耐えるものでなくてはならないが、前記の
ように合成繊維の嵩高糸を撚糸しただけのパイル糸はパ
イルのカット部から撚が解け、パイル先端が開き、美観
を損ねるものとなってしまう。
【0005】そこで、特開昭62−127017号公報
ではベースとなる合成繊維糸条にバインダー繊維糸条を
混撚し、撚糸後、バインダー繊維糸条の融着によって構
成糸条同士を接着させ、過酷な条件下でも解け難いパイ
ル糸を得る方法が提案されている。このようにパイル糸
内を融着させているものは解撚性を抑制し、耐久性を向
上させることを目的としている。しかし、バインダー繊
維糸条を多量に使用するとバインダー繊維糸条がパイル
糸を被覆してしまうため、嵩高性、捕塵性が低下してし
まう、またバインダー繊維糸条が高価であるということ
から、バインダー繊維糸条がパイル糸を占める割合は2
〜10%程度とされている。
【0006】一方、上記マットの除塵性あるいは弾力性
の向上を目的に特開平10−66674号公報には合成
繊維マルチフィラメントの嵩高糸にモノフィラメントを
混撚してなるパイル糸を用いたダストコントロール用マ
ットが開示されている。
【0007】また、特開2000−192338号公報
では嵩高性のマルチフィラメントに非嵩高マルチフィラ
メントを混撚し、非嵩高マルチフィラメントを繊維軸方
向に接着させ、上記モノフィラメントのようにパイル糸
の剛直性を増し、除塵性あるいは弾力性を向上させるこ
とが提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、コード糸
のベースとなる糸条の他に剛直性の高い他の糸条を混撚
することによって、目的とする弾力性に富み、除塵性に
優れるパイル糸が得られている。しかし、形態や曲げ応
力の異なる糸条を組み合わせて撚糸すると、撚糸後のコ
ード糸の撚のバランスが悪いためトルクが発生しやすく
なり撚糸後の取扱いが難しく、また撚糸時の張力変動に
よってコード糸の形態が変化しやすくなるという問題を
有する。
【0009】本発明は上記問題を解決し、嵩高性、除塵
性、捕塵性、弾力性、意匠性に富み、踏み心地の良いマ
ットのパイル用コード糸とそのコード糸を用いたマット
を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のコード糸とその
コード糸を用いたマットは、前記課題を解決するため、
以下の構成を有する。
【0011】すなわち、少なくとも3糸条群からなる2
000dtex以上の撚り糸で、単糸同士が融着してい
る部分を持つ糸条Aを有しており、撚り糸内の糸条Aが
占める割合が繊度比25%以上であることを特徴とする
コード糸である。
【0012】また、前記コード糸をパイル糸として用
い、パイル表面がカットされていることを特徴とするマ
ットである。
【0013】また、前記コード糸をパイル糸として用
い、パイル表面がループ状であることを特徴とするマッ
トである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明で用いる糸条は特に限定さ
れるものではないが、マットのパイル用コード糸として
は撚形態を長時間保持する必要があるため、熱セット性
の良い熱可塑性重合体からなるマルチフィラメント繊維
が好ましい。例えば、ポリアミド繊維、ポリエステル繊
維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニル繊維、
ポリビニリデン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリ乳酸維
などの熱可塑性の合成繊維を上げることができ、特に連
続嵩高性のポリアミド繊維、いわゆるナイロンBCFは
好適である。
【0015】本発明では少なくとも3糸条群から構成さ
れているため、これらの組み合わせにより様々な撚構造
をとることができる。例えば、糸条群それぞれが下撚を
持った状態で全ての糸条群を引き揃え、同一の上撚を持
つような撚構造にしたり、2糸条群からなる下撚および
上撚を持つ諸撚り糸と他の糸条群または諸撚り糸を引き
揃えさらに上撚をかけた撚構造にしたりできる。これに
より、撚り糸の側面および断面形状が繊維軸方向に常に
変化し、意匠性に富んだパイル糸が得られる。
【0016】また、本発明では撚り糸の一部の単糸同士
が融着している。ここで言う融着とは、バインダー繊維
などの糊剤により単糸同士が接着されている状態ではな
く、表面が融解した単糸同士が接着している状態であ
る。撚り糸の一部の単糸同士を融着させるためには、撚
り糸中に溶融温度の異なる少なくとも2種類の素材を存
在させ、溶融温度差範囲で熱セットすることにより熱セ
ット温度よりも低い溶融温度をもつ素材は融着し、熱セ
ット温度よりも高い溶融温度をもつ素材は融着していな
い撚り糸とすることができる。ここで言う溶融温度と
は、その糸条の融点ではなく、糸条の単糸の表面が融解
して糸条内の単糸同士が接着する温度である。
【0017】単糸同士が融着する糸条A、すなわち後に
行う熱セットの温度より低い溶融温度をもつ糸条の繊度
がコード糸総繊度の25%以上を占めることが必要であ
る。これにより、目的とする剛直性を得ることができ
る。コード糸の剛直性を増すには単糸同士が融着する糸
条の繊度比率を高めに、ふくらみやソフト感を増すには
単糸同士が融着する糸条の繊度比率を少なめに設定すれ
ば良い。また、より剛直性を高めるには、2種類の溶融
温度差範囲内でセット温度を高くし、単糸同士を強固
に、また数多く融着させても良い。
【0018】このような撚り糸であれば、単糸同士が融
着した糸条Aによる剛直性と、単糸同士が融着していな
い糸条によるふくらみや補塵性との両方を合わせ持つコ
ード糸を得ることができる。また、剛直性を重点的に向
上させたい場合には単糸同士が融着した糸条100%、
すなわち構成糸条の溶融温度より高い温度で熱セットし
ても良い。
【0019】また、単糸同士が融着する糸条Aはどの下
撚に混入されていても良く、例えば、全ての下撚に入っ
ていても1本の下撚糸に集中して入っていても良く、コ
ード糸の撚形態、剛直性、撚糸性などを考慮して適宜選
定すれば良い。
【0020】このように、撚り糸の一部の単糸同士が融
着することにより、高価な剛直性の高い糸条を混合する
ことなく、あたかもモノフィラメントを用いたような剛
直性の高いコード糸を得ることができる。
【0021】また、形態や曲げ応力の異なる糸条を組み
合わせることなく、剛直性の高いコード糸を得ることが
できるため、撚糸後の撚バランスも良く、取扱いの容易
なコード糸となり、またコード糸内の構成糸条に形態や
曲げ剛性が実質的に同じものを用いることによって、撚
糸時の張力の調整も容易で工程通過性が高くなる。
【0022】また、本発明のコード糸の繊度は2000
dtex以上であることが必要である。これにより、目
的である剛直性を得ることができる。
【0023】撚り糸の繊度は2000dtex以上であ
れば特に限定されないが、コード糸をマットのパイル糸
として用いた場合、総繊度が2000dtexより小さ
いと目付を保つためにパイル糸の本数が増し、高コスト
の原因となったり、目的とする剛直性が得られない。8
000dtex以上になると単位長さあたりの撚数が減
り、十分な撚数が確保できず、カットパイルカーペット
にしたとき、パイルの先端が開繊したり、撚構造が崩れ
やすくなるため、より好ましくは2000〜8000d
texの範囲である。
【0024】また、本発明に用いられる糸条の単糸繊度
は任意でよい。単糸繊度は出来上がったコード糸の堅さ
に大きく関与し、堅めのコード糸を得ようとするならば
太め、柔らかめのコード糸を得ようとするならば細め
と、適宜選定すれば良い。
【0025】本発明のコード糸は連続嵩高性マルチフィ
ラメントを有していることが好ましい。特に糸条A以外
の単糸同士が融着しない糸条、すなわち後に行う熱セッ
ト温度より高い溶融温度をもつ糸条が連続嵩高性マルチ
フィラメントであると、連続嵩高性マルチフィラメント
は単糸が捲縮を持っているため単繊維間に空隙が多く、
コード糸にふくらみ、ソフト感、捕塵性を与え、ダスト
コントロールマットのパイル糸として適したコード糸を
得ることができる。
【0026】連続嵩高性マルチフィラメントとしてはB
CF、仮撚糸、エア加工糸など様々なものが上げること
ができ、特にナイロンBCFは好適である。
【0027】本発明のコード糸において構成糸条に原着
糸を用いることが好ましい。
【0028】原着糸とは、例えば紡糸前のポリマーに着
色剤を練り混んだものなどで、白糸に後から染料を入れ
たものより耐光堅牢性が高い。本発明で用いることので
きる着色剤としては特に限定されず、カーボンブラッ
ク、アントラキノン系着色剤、ジオキサジン系着色剤、
フタロシアニン系着色剤、縮合アゾ系着色剤、ペリレン
系着色剤、チオインジゴ系着色剤、二酸化チタン、酸化
鉄系着色剤などが上げることができ、これらのなかでも
顔料のコストやマットフェースヤーンとして利用後に廃
棄処分せず再利用することを考慮するとカーボンブラッ
クが好ましい。原着糸は構成糸条の一部でもすべてに用
いてもよい。また、構成糸条すべてを同色にしても色目
の異なるものを混在させてもよい。本発明のパイル糸は
一部の単糸同士が融着しているため、融着している部分
としていない部分とで、原着糸と白糸、または原着糸同
士で色差をつけると、融着した部分と融着していない部
分が混ざり合い難く、つけた色差をはっきり浮かび上げ
ることができる。
【0029】本発明のコード糸は構成する糸条とは異な
る、撚り糸内の全糸条の溶融温度よりも低い融点をもつ
バインダー繊維糸条を有して、このバインダー繊維糸条
が撚り糸を構成する糸条群と接着していることが好まし
い。
【0030】バインダー繊維糸条としては、熱セット時
に融解するものが好ましく、低融点ナイロンフィラメン
トなどを用いることができる。このようなバインダー繊
維糸条を有する本発明のコード糸をバインダー繊維糸条
の融点より高い温度で熱セットすることによりバインダ
ー繊維糸条は融解し、諸撚り糸を構成する糸条群と接着
する。
【0031】バインダー繊維糸条が撚り糸を構成する糸
条群と接着した本発明のコード糸は、バインダー繊維糸
条を複合していない前記コード糸の利点も併せ持ちつ
つ、バインダー繊維糸条の接着効果により撚り糸を構成
する糸条郡同士および糸条郡を構成する糸条同士を接着
して、コード糸の撚構造を固定しており撚戻り性が抑制
されているため、コード糸をカットパイルカーペットの
パイル糸に用い、靴底で擦ったり、洗濯などパイル糸に
とって過酷な条件に曝した場合でも撚糸構造が崩れ難い
ものとなる。
【0032】上撚の撚係数は4000〜40000の範
囲であることが好ましい。ここで撚係数とはコード糸の
総繊度と上撚数との関係を下記の式で算出したものであ
る。 撚係数 = T×D-2 ここで T:コード糸に入れる撚数(T/m) D:コード糸の総繊度(dtex) 上撚の撚係数がこの範囲であると、撚構造が十分保持で
きるだけの撚数が入っており、また強撚によってコード
糸が細くなることもない。
【0033】本発明のコード糸は剛直性が高いため、基
布にタフトしてなるマットにカットパイル糸として用い
ると、除塵性、弾力性に優れたダストコントロールマッ
トに適したマットを得ることができる。また、単糸同士
が融着する糸条Aと融着しない糸条の繊度比率、すなわ
ち熱セット温度よりも低い溶融温度をもつ糸条と熱セッ
ト温度よりも高い溶融温度をもつ糸条の繊度比率を調整
することで除塵性、弾力性、捕塵性、ふくらみ、ソフト
感など、ダストコントロールマットに必要な性能を任意
に設定することができる。
【0034】また、従来コード糸のようにベースとなる
糸条の単糸同士が融着していないコード糸をパイル糸と
して使用したマットはパイル糸としての集束性に乏し
く、ふかついており、夏場には適さないのものであった
が、本発明のコード糸は適度な堅さとふくらみを合わせ
持ったものに仕上げることができるため、基布にタフト
してなるマットにループパイルとして用いると、適度な
堅さとふくらみを持った夏場にも適した清涼感のあるカ
ーペットを得ることができる。
【0035】また、マットに意匠性を高めるため、カッ
トパイルとループパイルを混在させたカット&ループパ
イルのマットとしても良い。
【0036】前記マットの製造方法は通常法を採用で
き、マットの目付は用途によって適宜設定すれば良く、
それに合わせて、ゲージ、ステッチ、パイル長などを設
定すれば良いが、マットの性能、コスト、風合い、見栄
えという点から目付は500〜5000g/m2の範囲
が好ましい。
【0037】以上のように、本発明のコード糸は剛直
性、弾力性とふくらみを併せ持つという特徴があるた
め、ダストコントロールマットや清涼感をもったマット
のパイル糸として用いることができるが、他にも事務所
などに敷かれるタイルカーペットや自動車の足下に敷か
れるオプションマットなどの外履き用マットや、剛直性
を活かし足の裏を刺激する健康マットなどパイル糸に適
用することができる。
【0038】本発明のコード糸の製造方法については、
溶融温度の異なる少なくとも2種類の素材の糸条を用い
た3糸条群を従来の撚糸技術で撚り合わせ、熱セットす
ればよく、撚糸技術としては、例えば下撚100%解撚
諸撚り糸を1工程で付与できるダイレクトケーブラー撚
糸機やリング撚糸機、アップツイスター、ダブルツイス
ターなどを用いたり、下撚工程後、連続的に中撚や上撚
を施す撚糸機などを用いたりして行うことができる。こ
のように撚り合わされた撚り糸を低い溶融温度をもつ糸
条の溶融温度と高い溶融温度をもつ糸条の溶融温度の範
囲で熱セットすることで、単糸同士が融着した糸条Aと
単糸同士が融着していない糸条が混在したパイル糸を得
ることができる。このとき、セット後のコード糸内に糸
条Aが25%以上となるよう糸条を組み合わせることが
重要である。
【0039】
【実施例】以下本発明を実施例により、さらに詳しく説
明する。
【0040】実施例1 高融点側の糸条として、カーボンブラック0.5wt%
を練り混んだ1450dtex−68フィラメントの連
続嵩高糸であるナイロン66BCF2本と低融点側の糸
条(後に単糸同士が融着している部分を持つ糸条Aとな
る糸条)として、カーボンブラック0.5wt%を練り
混んだ1450dtex−68フィラメントの連続嵩高
糸であるナイロン6BCF1本をリング撚糸機でそれぞ
れ250T/mのS撚を入れた下撚糸3本を引き揃え、
リング撚糸機で200T/mのZ撚を入れ、総繊度45
50dtexのコード糸を得た。次いで同コード糸を連
続高圧セッター(仏国、SUPERBA社製)に投入し
て、ナイロン6〜ナイロン66の溶融温度の範囲である
湿熱140℃で1分間セットを実施した。セット後のコ
ード糸の総繊度は6500dtex、下撚がS撚350
T/m、上撚がZ撚280T/m(撚係数:2257
4)であった。セット後のコード糸を観察してみるとナ
イロン6の単糸同士が融着して、ナイロン66の単糸同
士は融着しておらず、剛直性とふくらみを併せ持ったパ
イル糸であった。また、断面を観察すると、単糸同士が
融着した糸条Aであるナイロン6がコード糸全体の40
%を占めていた。このコード糸を下記条件でタフティン
グを行い、バッキングを施してカットパイルのマット
(目付:3000g/m2)とループパイルのマット
(目付:2320g/m2)を得た。
【0041】 <タフティング> ゲージ :1/10ゲージ(10本/インチ) ステッチ :14個/インチ カットパイルの高さ:10mm ループパイルの高さ:7mm このようにして得られたカットパイルのマットは、単糸
同士が融着した糸条Aであるナイロン6により除塵性、
弾力性に優れたダストコントロールマットに適したもの
であった。また、単糸同士が融着しいないナイロン66
により、捕塵性、ふくらみにも富んだものが得られた。
【0042】また、このコード糸はベースとなる一部の
糸条の単糸同士を融着させているため、剛直性の高い他
の糸条を使っておらず、撚糸時の撚バランスも良く、撚
糸後のコード糸は熱セットやタフティングなどの後工程
で扱いやすいものであった。
【0043】ループパイルのマットは、単糸同士が融着
した糸条Aであるナイロン6によりパイル糸断面方向に
完全に押しつぶられることがないため適度な堅さと、融
着していないナイロン66によりふくらみを有してお
り、清涼感とふくらみを併せ持ったものであった。
【0044】実施例2 実施例1で下撚を施した下撚糸を引き揃える際に、融点
が105℃である105dtex−10フィラメントの
低融点ナイロンフィラメント(バインダー繊維糸条)が3
本の下撚糸の中心に配列するように引き揃えた以外は実
施例1に示した条件で撚糸を行い、総繊度4660dt
exのコード糸とし、次いで実施例1と同条件で湿熱セ
ットした。セット後のコード糸の総繊度は6650dt
ex、下撚がS撚350T/m、上撚がZ撚280T/
m(撚係数:22833)であった。セット後のコード
糸を観察してみるとナイロン6の単糸同士が融着して、
ナイロン66の単糸同士は融着しておらず、剛直性とふ
くらみを併せ持ったコード糸であった。また、断面を観
察すると、単糸同士が融着した糸条Aであるナイロン6
がパイル糸全体の40%を占めていた。また、バインダ
ー繊維糸条が融解し、下撚糸同士を接着して撚構造が固
定されていた。このコード糸を実施例1と同条件でタフ
ティングを行い、バッキングを施してカットパイルのマ
ット(目付:3070g/m2)を得た。
【0045】このようにして得られたマットは、単糸同
士が融着した糸条Aであるナイロン6により除塵性、弾
力性に優れたダストコントロ−ルマットに適したもので
あった。また、単糸同士が融着されていないナイロン6
6により、補塵性、ふくらみにも富んだものが得られ
た。
【0046】また、マットのパイル糸はバインダー繊維
糸条による高い撚構造固定効果により耐久性に富むもの
であった。
【0047】また、このコード糸はベースとなる糸を繊
維軸方向に接着させるため、剛直性の高い他の糸条を使
っておらず、撚糸時の撚バランスも良く、撚糸後のコー
ド糸は熱セットやタフティングなどの後工程でより扱い
やすいものであった。
【0048】比較例1 実施例1の低融点側の糸条の代わりに高融点側の糸条と
して用いたカーボンブラック0.5wt%を練り混んだ
1450dtex−68フィラメントの連続嵩高糸であ
るナイロン66BCF1本を用いた以外は実施例1に示
した条件で撚糸を行い、総繊度4550dtexの複合
コード糸とし、次いで実施例1と同条件で湿熱セットし
た。セット後のコード糸の総繊度は6400dtex、
下撚がS撚340T/m、上撚がZ撚270T/m(撚
係数:21600)であった。セット後のコード糸を観
察してみると単糸同士は融着していなかった。このコー
ド糸を実施例1と同条件でタフティングを行い、バッキ
ングを施してカットパイルのマット(目付:2960g
/m2)を得た。
【0049】このようにして得られたマットは、単糸同
士が融着した糸条群がないため、除塵性が低く、ダスト
コントロールマットに要求される性能を満足させるもの
ではなかった。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、ダストコントロールマ
ットに訴求される嵩高性、除塵性、捕塵性、弾力性、意
匠性に優れるマットのパイル用コード糸を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B120 AA16 AA35 BA29 BA30 CA13 EA04 EB04 4L036 MA06 MA37 MA39 PA21 PA47 RA10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも3糸条群からなる2000dt
    ex以上の撚り糸で、単糸同士が融着している部分を持
    つ糸条Aを有しており、撚り糸内の糸条Aが占める割合
    が繊度比25%以上であることを特徴とするコード糸。
  2. 【請求項2】連続嵩高性マルチフィラメントを有するこ
    とを特徴とする請求項1に記載のコード糸。
  3. 【請求項3】原着糸を有することを特徴とする請求項1
    または2に記載のコード糸。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項に記載のコー
    ド糸が、該コード糸の全糸条の溶融温度よりも低い融点
    をもつバインダー繊維糸条と接着していることを特徴と
    するコード糸。
  5. 【請求項5】上撚の撚係数が4000〜40000の範
    囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項
    に記載のコード糸。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1項に記載のコー
    ド糸をパイル糸として用い、パイル表面がカットされて
    いることを特徴とするマット。
  7. 【請求項7】請求項1〜5のいずれか1項に記載のコー
    ド糸をパイル糸として用い、パイル表面がループ状であ
    ることを特徴とするマット。
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