JP2003277920A - 薄膜の製造方法及び製造装置 - Google Patents

薄膜の製造方法及び製造装置

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JP2003277920A
JP2003277920A JP2002086796A JP2002086796A JP2003277920A JP 2003277920 A JP2003277920 A JP 2003277920A JP 2002086796 A JP2002086796 A JP 2002086796A JP 2002086796 A JP2002086796 A JP 2002086796A JP 2003277920 A JP2003277920 A JP 2003277920A
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thin film
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film material
electron beam
evaporation
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JP2002086796A
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English (en)
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Yoshiyuki Okazaki
禎之 岡崎
Kazuyoshi Honda
和義 本田
より子 ▲高▼井
Yoriko Takai
Hitoshi Sakai
仁 酒井
Junichi Inaba
純一 稲葉
Shuji Ito
修二 伊藤
Hiroshi Higuchi
洋 樋口
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の蒸発源を用いて電子ビーム蒸着を行な
い薄膜を形成する場合において、面内における組成比率
のばらつきを減少させる。 【解決手段】 第1薄膜材料を保持する第1蒸発源40
aと第2薄膜材料を保持する第2蒸発源40bとを被蒸
着面と対向する面内で移動させながら、第1蒸発源40
a及び第2蒸発源40bの移動に追従するように電子ビ
ーム源50からの電子ビーム52を偏向させて、第1薄
膜材料及び第2薄膜材料を加熱する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薄膜の製造方法及び
製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】情報通信時代の進展に伴い、薄膜の利用
範囲がますます拡大している。これに伴い、薄膜を製造
するためのプロセスと、薄膜の組成とについても日々開
発がなされている。
【0003】代表的な薄膜の製造プロセスとして蒸着法
がある。その中でも、薄膜材料に電子ビームを照射し加
熱して蒸発させる電子ビーム蒸着法は、高純度の薄膜が
得られるために、電子部品の製造過程などで広く使用さ
れている。
【0004】そのとき、薄膜に様々な特性を付与するた
めに、異種材料を異なる蒸発源から同時に蒸発させて同
一の被蒸着領域に付着させることにより、複数の材料か
らなる混合薄膜を形成することが出来る。
【0005】例えば、被蒸着領域の下側に第1薄膜材料
を保持する第1蒸発源と第2薄膜材料を保持する第2蒸
発源とを近接して設置する。そして、第1薄膜材料を第
1電子ビーム源からの電子ビームで加熱し蒸発させ、同
様に第2薄膜材料を第2電子ビーム源からの電子ビーム
で加熱し蒸発させる。これにより、被蒸着領域に第1薄
膜材料と第2薄膜材料とからなる混合薄膜を形成するこ
とが可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法では、混合薄膜を構成する各材料の組成比率が薄膜
の面内においてばらつくという問題があった。この問題
は、混合薄膜の組成比率を厳密に管理する必要がある用
途では致命的であった。
【0007】例えば、リチウム2次電池を薄膜積層技術
を利用して製造する場合、基板上に正極活物質層として
LiCoO2の薄膜を形成する必要がある。この薄膜
は、従来、Li及びCoを別々の蒸発源として、それぞ
れを電子ビーム加熱法により同時に蒸発させて、酸素雰
囲気下で蒸着することで形成していた。ところが、Li
及びCoが別々の蒸発源から蒸発するため、被蒸着領域
の全面にわたってLiとCoの組成比率が均一な薄膜を
得ることが困難であった。LiとCoの組成比率が所望
する通りでない場合には、電池容量の低下などの製品欠
陥を生じる。
【0008】被蒸着領域を小さくすれば、所望する組成
比率の薄膜が得られるが、生産性が低下し、工業的生産
には適さない。
【0009】本発明は、上記の従来の問題を解決し、複
数の蒸発源を用いて電子ビーム蒸着を行ない薄膜を形成
する場合において、被蒸着領域の全面にわたって所望す
るとおりの組成比率を有する薄膜を得ることができる薄
膜の製造方法及び製造装置を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために以下の構成とする。
【0011】本発明の薄膜の製造方法は、少なくとも第
1薄膜材料と第2薄膜材料とを電子ビーム加熱法により
加熱し蒸発させて、被蒸着面上に、前記第1薄膜材料と
前記第2薄膜材料とを含む薄膜を真空蒸着により製造す
る方法であって、前記第1薄膜材料を保持する第1蒸発
源と前記第2薄膜材料を保持する第2蒸発源とを前記被
蒸着面と対向する面内で移動させながら、前記第1蒸発
源及び前記第2蒸発源の移動に追従するように電子ビー
ム源からの電子ビームを偏向させて、前記第1薄膜材料
及び前記第2薄膜材料に前記電子ビームを照射すること
を特徴とする。
【0012】また、本発明の薄膜の製造装置は、被蒸着
面に向けて配置され、第1薄膜材料を保持する第1蒸発
源と、前記被蒸着面に向けて配置され、第2薄膜材料を
保持する第2蒸発源と、前記第1薄膜材料及び前記第2
薄膜材料を電子ビーム加熱法により加熱し蒸発させるた
めの電子ビームを放出する電子ビーム源と、前記電子ビ
ームを偏向させる偏向装置と、前記第1蒸発源及び前記
第2蒸発源を前記被蒸着面と対向する面内で移動させる
駆動装置とを備え、前記偏向装置は、前記第1蒸発源及
び前記第2蒸発源の移動に追従させて、前記電子ビーム
を偏向させることを特徴とする。
【0013】以上の本発明の薄膜の製造方法及び製造装
置によれば、面内における組成比率のばらつきが少ない
混合薄膜を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)図1は本発明の
薄膜の製造装置の一実施の形態を示した概略構成図であ
る。
【0015】巻き出しロール12から巻き出された長尺
の帯状の支持体20が、巻き出し側ガイドロール14を
経て、矢印方向に回転する円筒状のキャンローラ10の
外周面に沿って搬送され、巻き取り側ガイドロール16
を経て巻き取りロール18に巻き取られる。支持体20
の搬送速度は自由に設定できるが、例えば0.6m/m
inである。
【0016】30は真空槽、32は真空槽30の内部を
仕切る隔壁、34はキャンローラ10の下部を露出させ
るために隔壁32に設けられた開口、36は真空槽30
内を所定の真空度に維持するための真空ポンプである。
また、38は蒸発原子流中に反応性ガスを導入するため
のガスノズルである。
【0017】開口34から露出したキャンローラ10上
の支持体20(被蒸着面)に対向するように、その下部
には、3種類の薄膜材料をそれぞれ保持する3つの蒸発
源(坩堝)40a,40b,40cが回転テーブル42
上に載置されている。回転テーブル42は駆動装置(モ
ータ)44により水平面内で回転する。蒸発源40a,
40b,40cの側部には電子ビーム源50が設置され
ている。電子ビーム源50の電子銃(図示せず)からの
電子ビーム52が蒸発源40a,40b,40cの回転
移動に追従して蒸発源40a,40b,40c内の薄膜
材料を順に照射して加熱し蒸発させる。
【0018】電子ビーム源50からの電子ビーム52が
蒸発源40a,40b,40cの回転に追従する様子を
図2、図3を用いて説明する。
【0019】図2は、回転テーブル42上の蒸発源40
a,40b,40c(順に、「A」、「B」、「C」と
する)の配置を示した概略平面図である。図2中、42
aは回転テーブル42の回転方向、41は蒸発源40
a,40b,40cの各中心(蒸発源に保持された薄膜
材料の位置)を含む円であり、円41の中心は回転テー
ブル42の回転中心と一致する。換言すれば、円41は
蒸発源40a,40b,40cの各中心の移動軌跡を示
す。
【0020】図3の(A),(B),(C)は、一定時
間間隔毎の蒸発源40a,40b,40cの位置とその
ときの電子ビーム52とを示した概略斜視図である。
【0021】図3に示したように、蒸発源40a,40
b,40cは、時間T=t1のときは図3(A)の位置
にあり、一定時間後の時間T=t2のときは図3(B)
の位置に移動し、更に一定時間後の時間T=t3のとき
は図3(C)の位置に移動し、更に一定時間後には図3
(A)の状態に戻る。蒸発源40a,40b,40cの
回転速度は例えば60rpmである。
【0022】このように蒸発源40a,40b,40c
の連続した回転移動に追従しながら、電子ビーム源50
から射出される電子ビーム52が蒸発源40a,40
b,40cを順に走査する。例えば、電子ビーム50
は、蒸発源40a内の薄膜材料を時間4msec照射し
た後、蒸発源40b内の薄膜材料を時間4msec照射
し、次いで、蒸発源40c内の薄膜材料を時間2mse
c照射する。その後、再度、蒸発源40a内の薄膜材料
から同様に順に走査を繰り返す。電子ビーム52は図2
の円41上にある点に着地するように設定されている。
【0023】このような電子ビーム52の走査は、偏向
コイルを備えた偏向装置(図示せず)を用い、これから
の偏向磁界を変化させることで行なう。また、電子ビー
ム52を蒸発源40a,40b,40cの回転移動に追
従させるには、何らかの方法で蒸発源40a,40b,
40cの各位置を検出し、これに応じて偏向磁界を変化
させればよい。例えば蒸発源40a,40b,40cを
回転させる駆動装置44をステッピングモータを用いて
構成し、これからの回転位相信号から各蒸発源40a,
40b,40cの位置を計算し、その結果に基づいて電
子ビーム52を偏向させる上記偏向磁界を変化させるこ
とで、電子ビーム52を移動する蒸発源40a,40
b,40cに追従させることができる。
【0024】以上のように、本実施の形態では、開口3
4内の被蒸着面に対向して配置された蒸発源40a,4
0b,40cを水平面内で回転させながら、電子ビーム
蒸着を行なうので、支持体20の幅方向(キャンローラ
10の回転軸方向と平行な方向)において組成比率が均
一な混合薄膜を形成することが可能である。
【0025】上記において、支持体20の搬送速度をV
(mm/sec)、図1に示した開口34の支持体20
の移動方向における開口幅をB(mm)、回転テーブル
42の回転速度をR(rpm)としたとき、V×R/B
が3〜10を満足することが好ましい。V×R/Bは5
〜7を満足することがより好ましく、6であることが最
も好ましい。この条件を満足するとき、支持体20の幅
方向において組成比率が均一な混合薄膜を安定的に形成
することができる。
【0026】また、電子ビーム52が蒸発源40a,4
0b,40cをそれぞれ照射する時間を変更することに
より、それらに保持されている薄膜材料に投入されるパ
ワーを変更することができる。これにより、薄膜材料の
蒸発量が変化し、形成される混合薄膜の組成比率を変更
することが可能である。
【0027】支持体20としては、金属箔や樹脂シート
が使用される。金属箔としては、ステンレス鋼、銅、ニ
ッケルなどからなる箔を使用することができる。樹脂シ
ートとしては、例えばポリエチレンテレフタレートから
なるシートを使用することができる。
【0028】また、薄膜の形成時に、ガスノズル38か
ら反応性ガスを薄膜形成領域に向けて導入することによ
り、反応蒸着を行なうことができる。反応性ガスとして
は特に限定されないが、酸素、窒素などを用いることが
できる。
【0029】蒸発源40a,40b,40cに保持され
る薄膜材料は特に限定されず、例えばLi、Co、M
n、P、Crなどを用いることができる。形成される薄
膜としては、例えば、LiCoO2、LiPON等を例
示できる。
【0030】(実施の形態2)本実施の形態は、実施の
形態1と蒸発源及び電子ビーム源の配置と蒸発源の移動
が異なり、その他の点は実施の形態1と同様である。従
って、実施の形態1と異なる点のみを説明し、実施の形
態1と共通する説明を省略する。
【0031】図4は、本実施の形態における蒸発源及び
電子ビーム源のある瞬間での配置を示した斜視図であ
る。図4において、矢印35はキャンローラ10の回転
軸と平行な方向を示している。
【0032】A,B,Cのそれぞれ6個の蒸発源40
が、矢印35の方向を長手方向とする長円上にA,B,
Cの順に繰り返して配置されている。これら合計18個
の蒸発源40は図示しない駆動装置により移動方向46
の向きに循環移動する。18個の蒸発源40の周囲に6
つの電子ビーム源50a,50b,50c,50d,5
0e,50fが配置されている。2点鎖線で囲まれた領
域60a,60b,60c,60d,60e,60f
は、それぞれ電子ビーム源50a,50b,50c,5
0d,50e,50fに対応する。電子ビーム源50
a,50b,50c,50d,50e,50fからの各
電子ビーム52は、それぞれ領域60a,60b,60
c,60d,60e,60f内にあるA,B,Cからな
る3つの蒸発源40を実施の形態1と同様に順に走査し
て、それらに保持された薄膜材料を加熱する。例えば、
電子ビーム源50aからの電子ビーム52は、領域60
a内にあるA,B,Cの3つの蒸発源40の移動に追従
しながら、これら3つの蒸発源40を順に走査する。
【0033】以上の蒸発源40及び電子ビーム源50
a,50b,50c,50d,50e,50fは、図1
に示した開口34の下部に、開口34内に露出した支持
体20と対向して配置される。
【0034】本実施の形態によれば、支持体20の幅
(矢印35と平行な方向の幅)が広い場合であっても、
幅方向において組成比率が均一な混合薄膜を形成するこ
とが可能である。
【0035】上記の実施の形態2において、蒸発源40
の個数は支持体20の幅に応じて変更することができ
る。また、蒸発源40の移動軌道は、上記のような長円
形である必要はなく、円形、楕円形、長方形などであっ
ても良い。
【0036】上記の実施の形態1,2では、蒸発源40
としてA,B,Cの3種類の蒸発源を使用する場合を例
に説明したが、本発明はこれに限定されず、形成する薄
膜の組成に応じて2種類又は4種類以上の蒸発源を使用
することもできる。
【0037】また、実施の形態1,2では、異なる種類
の蒸発源の個数が全て同一の場合を例に説明したが、蒸
発源の種類ごとに個数を変更しても良い。例えば、実施
の形態2において、蒸発源A,B,Cの個数比率を1:
2:3に設定することもできる。形成される薄膜の組成
に概略一致するように蒸発源の個数比率を設定し、電子
ビーム52の照射時間で薄膜の組成比率を微調整するこ
とができる。これにより、様々な組成比率の混合薄膜を
容易に製造できる。
【0038】また、薄膜を形成する支持体としては、上
記の実施の形態1,2のような帯状の支持体である必要
はなく、キャンローラ10自体を支持体として、キャン
ローラ10の外周面上に直接薄膜を形成しても良い。支
持体を連続的に移動させることにより効率よく薄膜を製
造できる。あるいは、支持体として円形又は矩形の平板
を用い、これを被蒸着領域に間欠送りしても良い。この
場合には、複数の蒸発源の移動軌道は平板の形状や大き
さに応じて決定することが好ましい。
【0039】本発明により得られる薄膜は、面内方向に
ほぼ均一な組成比率を有するので、薄膜の組成比率が厳
密に管理される用途に特に好適に使用される。例えば、
薄膜電池、光スイッチ、超音波センサー、高集積メモ
リ、赤外センサ、超音波センサ、薄膜高誘電率体等を構
成する薄膜の製造に応用できる。薄膜電池であれば、例
えばLiCoO2、LiMn24、LiPONなどの薄
膜、薄膜高誘電率体の絶縁膜であればPbTiO3、S
i−O−Tiなどのの薄膜の製造に使用できる。
【0040】
【実施例】(実施例1)本発明を薄膜電池に応用するた
めに、実施の形態1で説明した図1〜図3の装置を用い
てLiCoO2薄膜を形成した。
【0041】誘導加熱により外周面を300℃に保持キ
ャンローラ10の外周面上に、支持体20としてステン
レス鋼からなる厚さ10μm、幅300mmの金属箔を
走行させた。走行速度Vは10mm/minとした。開
口34の支持体20の走行方向における開口幅Bは10
0mmであった。
【0042】蒸発源40a,40b,40cとして、直
径34mmの坩堝を使用し、蒸着材料としてのLiを蒸
発源40aの坩堝内に、Coを蒸発源40bの坩堝内に
それぞれ投入した。蒸発源40cの坩堝は空のままとし
た。蒸発源40a,40b,40cの各中心を通る円4
1の直径は46mmであった。蒸発源40a,40b,
40cの回転速度Rは60rpmであった。蒸発源40
a,40b,40cの回転中心(円41の中心)の水平
面内での位置は、支持体20の幅方向における中心位置
と一致させた。蒸発源40a,40b,40cと支持体
20との間の鉛直方向距離は200mmであった。
【0043】電子ビーム源50を構成する電子銃として
日本電子(株)製のJEBG−303UAを用い、偏向
装置を用いて電子ビーム52を蒸発源の回転移動に追従
させながら、電子ビーム52を、蒸発源40a,40b
に交互に同時間ずつ照射した。
【0044】1000℃に加熱したガスノズル38を開
口34の中央部に向けて設置し、反応性ガスとして酸素
ガスを被蒸着領域内に導入した。真空槽30内の圧力は
6.5×10-2Paであった。
【0045】以上により、支持体20上に厚さ2μmの
LiCoO2薄膜を連続的に形成した。
【0046】(比較例1)上記の実施例1において、蒸
発源40a,40b,40cの回転を行なわない以外は
全く同様にして支持体20上に厚さ2μmのLiCoO
2薄膜を連続的に形成した。蒸発源40a,40bは、
支持体20の幅方向に配置した。
【0047】[評価]実施例1及び比較例1で得た支持
体20上のLiCoO2薄膜の幅方向のLi/Coの組
成比率をICP(inductively coupled plasma spectro
metry(誘導結合高周波プラズマ分光分析))を用いて
測定した。
【0048】結果を図5に示す。図5において、横軸は
支持体20の幅方向の位置(一方の端からの距離)を、
縦軸は各位置でのLi/Coの組成比率を示す。
【0049】図5から、Li/Co=1±0.1の範囲
は、実施例1では約250mmであるのに対して、比較
例1では約100mmであった。これより、本発明によ
り幅方向に組成が均一な薄膜が形成できることが分か
る。
【0050】なお、実施例1及び比較例1において、幅
方向の両端部でLi/Coの組成比率が上昇しているの
は、Li蒸気の拡散角がCo蒸気の拡散角より大きいた
めであると考えられる。支持体20の幅に応じて円41
の直径を変化させるか、実施の形態2(図4)で示した
ように蒸発源40を循環させることにより、支持体20
の全幅にわたってLi/Coの組成比率を略一定にする
ことは可能であると考えられる。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、面内における組成比率
のばらつきが少ない混合薄膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の薄膜の製造装置の一実施の形態を示
した概略構成図である。
【図2】 本発明の実施の形態1における蒸発源の配置
を示した概略平面図である。
【図3】 本発明の実施の形態1における蒸発源の移動
とこれに追従する電子ビームを示した概略斜視図であ
る。
【図4】 本発明の実施の形態2におけるある瞬間での
蒸発源及び電子ビーム源の配置を示した斜視図である。
【図5】 実施例1及び比較例1の薄膜について幅方向
のLi/Coの組成比率を測定した結果を示した図であ
る。
【符号の説明】
10 キャンローラ 12 巻き出しロール 14 巻き出し側ガイドロール 16 巻き取り側ガイドロール 18 巻き取りロール 20 支持体 30 真空槽 32 隔壁 34 開口 35 キャンローラの回転軸方向 36 真空ポンプ 38 ガスノズル 40,40a,40b,40c 蒸発源 41 蒸発源の中心の軌跡円 42 回転テーブル 44 駆動装置 46 移動方向 50,50a,50b,50c,50d,50e,50
f 電子ビーム源 52 電子ビーム 60a,60b,60c,60d,60e,60f 領
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲高▼井 より子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 酒井 仁 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 稲葉 純一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 伊藤 修二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 樋口 洋 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4K029 CA02 DB14 DB22 DB23 5H050 AA19 BA16 CA07 CB11 GA02 GA24 GA27 HA12 HA20

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも第1薄膜材料と第2薄膜材料
    とを電子ビーム加熱法により加熱し蒸発させて、被蒸着
    面上に、前記第1薄膜材料と前記第2薄膜材料とを含む
    薄膜を真空蒸着により製造する方法であって、 前記第1薄膜材料を保持する第1蒸発源と前記第2薄膜
    材料を保持する第2蒸発源とを前記被蒸着面と対向する
    面内で移動させながら、前記第1蒸発源及び前記第2蒸
    発源の移動に追従するように電子ビーム源からの電子ビ
    ームを偏向させて、前記第1薄膜材料及び前記第2薄膜
    材料に前記電子ビームを照射することを特徴とする薄膜
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記電子ビームは、前記第1薄膜材料及
    び前記第2薄膜材料を交互に走査することを特徴とする
    請求項1に記載の薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記電子ビームが前記第1薄膜材料及び
    前記第2薄膜材料をそれぞれ照射する時間を変えること
    により、前記薄膜中の前記第1薄膜材料と前記第2薄膜
    材料との組成比率を変更することを特徴とする請求項1
    に記載の薄膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記被蒸着面を連続的に移動させながら
    真空蒸着を行なうことを特徴とする請求項1に記載の薄
    膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第1蒸発源及び前記第2蒸発源が共
    通する円周上を移動することを特徴とする請求項1に記
    載の薄膜の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第1蒸発源及び前記第2蒸発源が共
    通する長円上を移動し、前記長円の長軸方向は、前記被
    蒸着面の移動方向と直交する方向と平行であることを特
    徴とする請求項4に記載の薄膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 被蒸着面に向けて配置され、第1薄膜材
    料を保持する第1蒸発源と、 前記被蒸着面に向けて配置され、第2薄膜材料を保持す
    る第2蒸発源と、 前記第1薄膜材料及び前記第2薄膜材料を電子ビーム加
    熱法により加熱し蒸発させるための電子ビームを放出す
    る電子ビーム源と、 前記電子ビームを偏向させる偏向装置と、 前記第1蒸発源及び前記第2蒸発源を前記被蒸着面と対
    向する面内で移動させる駆動装置とを備え、 前記偏向装置は、前記第1蒸発源及び前記第2蒸発源の
    移動に追従させて、前記電子ビームを偏向させることを
    特徴とする薄膜の製造装置。
  8. 【請求項8】 前記偏向装置は、前記電子ビームが前記
    第1薄膜材料及び前記第2薄膜材料を交互に照射するよ
    うに前記電子ビームを走査させることを特徴とする請求
    項7に記載の薄膜の製造装置。
  9. 【請求項9】 前記電子ビームが前記第1薄膜材料及び
    前記第2薄膜材料をそれぞれ照射する時間を任意に調整
    可能であることを特徴とする請求項7に記載の薄膜の製
    造装置。
  10. 【請求項10】 更に、前記被蒸着面に向けて配置さ
    れ、第3薄膜材料を保持する第3蒸発源を備え、 前記駆動装置は、前記第1蒸発源、前記第2蒸発源及び
    前記第3蒸発源を前記被蒸着面と対向する面内で移動さ
    せ、 前記偏向装置は、前記第1蒸発源、前記第2蒸発源及び
    前記第3蒸発源の移動に追従させて、前記電子ビームを
    偏向させることを特徴とする請求項7に記載の薄膜の製
    造装置。
  11. 【請求項11】 前記第1蒸発源及び前記第2蒸発源の
    うちの少なくとも一方を複数有することを特徴とする請
    求項7に記載の薄膜の製造装置。
  12. 【請求項12】 更に、前記被蒸着面を移動させる移動
    機構を備えることを特徴とする請求項7に記載の薄膜の
    製造装置。
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