JP2003277832A - 高強度冷延鋼板の製造方法 - Google Patents
高強度冷延鋼板の製造方法Info
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Abstract
ツキが少ない高強度冷延鋼板を安定して製造することの
できる方法を提供することにある。 【解決手段】焼入れ手段を有する連続焼鈍設備を用いて
高強度冷延鋼板を製造する方法において、予め鋼板の板
厚、炭素含有量、リン含有量、焼入れ開始温度、焼入れ
停止温度および焼入れ後の焼戻し温度と引張強度の関係
を求めておき、対象鋼板の板厚、炭素含有量、リン含有
量、焼入れ停止温度および焼入れ後の焼戻し温度を考慮
して、目標引張強度に応じて焼入れ開始温度を算出し、
求めた焼入れ開始温度で焼入れすることを特徴とする高
強度冷延鋼板の製造方法。
Description
る連続焼鈍設備を用いて高強度冷延鋼板を安定的に製造
する方法に関するものである。
(ハイテン)とは連続焼鈍設備を用いて製造される引張
強度約50〜150kgf/mm2クラスの冷延鋼板をいう。
サイトの体積率を高めることが有効である。すなわち、
鋼板をフェライト+オーステナイトの混合領域あるいは
オーステナイト単相域まで加熱し、次いでその温度から
焼入れることによりフェライト+マルテンサイトの混合
組織またはマルテンサイト単相組織を得ることにより高
強度化を行う。しかし、マルテンサイト組織を利用した
高強度冷延鋼板は、マルテンサイト相を適量にコントロ
ールすることが難しいためコイル内やコイル間の強度変
動が大きく、所望の強度を有する鋼板を安定して製造で
きないという問題がある。
る方法として、熱延鋼板の製造においてはフィードバッ
ク制御および下工程に対するフィードフォーワード制御
の概念が提案されている(西山記念講座第131・13
2回鉄鋼材料の材質予測・制御技術の現状と将来 日本
鉄鋼協会編)。冷延高強度鋼板の製造においても、特開
2000−192137号には、水焼入れ方式の連続焼
鈍法により高強度冷延鋼板を製造するに際し、強度[T
S](kgf/mm2)、板厚[t](mm)、炭素当量[Ce
q](mass%)、焼入れ開始温度[TQ](℃)の間に
成り立つ下記の関係式(3)において、実測の出鋼成分
から計算した炭素当量、実測の板厚および目標の強度を
(3)式に代入して求まる焼入れ開始温度〜(前記焼入
れ開始温度+50℃)の範囲内の温度から水焼入れする
強度変動の極めて小さい60kgf/mm2級高強度冷延鋼板
の製造方法が示されている。 [TS]=−3.5×[t]+343×[Ceq]+0.11×[TQ]−62 …(3)
近、顧客において車のシートフレームやセンターピラー
補強材等の複雑な形状にプレス成形して使用されること
が多く、強度にバラツキが生じているとスプリングバッ
ク等による戻り量が異なって、製品として使用できない
場合もあり、その強度レンジに対し顧客の要求が益々厳
しくなってきている。
えば60Kハイテン(引張強度が60kgf/mm2)におい
ては引張強度の変動を2K(2kgf/mm2)以下程度に管
理することが要望されている。
示された方法に従って60Kハイテンの操業条件を設定
し、水焼入れ方式の連続焼鈍法により高強度冷延鋼板を
製造したところ、上記(3)式に、実測の出鋼成分から
計算した炭素当量、実測の板厚、実測の焼入れ開始温度
を代入して予め求めておいた引張強度(kgf/mm2)を予
測TSとし、操業後に材料検査を実施して得た強度レベ
ルを材検TSとして両者の相関を調べた。その結果を図
3に示す。
(kgf/mm2)となり、特開2000−192137号に
示された方法では、例えば60Kハイテンの強度変動を
3σ(全体の分散の99.7%を示す値)で表すと3σ
=4.5(kgf/mm2)となり、引張強度の変動を2kgf/m
m2以下程度に管理できないことが判った。
の問題点を解決し、連続焼鈍によって強度のバラツキが
少ない高強度冷延鋼板を安定して製造することのできる
方法を提供することにある。
によりより強度のバラツキが少ない高強度冷延鋼板を安
定して製造することのできる方法を見出すべく検討を行
った。
御では単に、出鋼成分、板厚および目標強度から焼入れ
開始温度を決定していたが、それでは製品材質のバラツ
キ量が目標の管理範囲に対して十分ではなかった。そこ
でさらに、焼入れ停止温度、焼入れ後の焼戻し温度を考
慮して、焼入れ開始温度の制御を行うことにより引張強
度制御の安定性が極めて向上することを見出した。
て出鋼成分を用いて制御を行っていた(特開2000−
192137号)。通常、出鋼成分は取鍋またはタンデ
ィッシュからサンプリングした溶鋼をIPC発光分析法
などで測定される(例:ふぇらむVo.6(2001)No.7,52
3)。しかしながら、このように測定された化学成分は
必ずしも、製品コイルの化学成分を正確に反映しておら
ず、その結果、この値を用いて冷延鋼板製造においてフ
ィードフォーワード制御を実施したとしても、高精度な
制御が実現されなかった。成分分析が正確に行えない原
因として、分析方法が有する精度の問題と分析サンプル
が最終製品の成分を反映していないことが考えられた。
そこで、本発明では製品での実績成分を高精度で分析す
ることとし、その効果で飛躍的に材質制御性が向上する
ことを見出した。ここで分析片のサンプリングは製品の
化学成分を反映しておれば、鋼板製造工程のどの段階で
採取してもよい。また、分析精度は、Cは50PPM、
Pは50PPM以下が好ましい(ただし、ここでは室内
分析における標準偏差の2倍を分析精度とする)。この
レベルの分析精度が得られる分析方法として、Cでは燃
焼赤外線吸収法、PではIPC発光分析法などがある。
焼鈍設備を用いて高強度冷延鋼板を製造する方法におい
て、予め鋼板の板厚、50PPM以下の精度で実測した
炭素含有量、50PPM以下の精度で実測したリン含有
量、焼入れ開始温度、焼入れ停止温度および焼入れ後の
焼戻し温度と引張強度の関係を求めておき、対象鋼板の
板厚、50PPM以下の精度で実測した炭素含有量、5
0PPM以下の精度で実測したリン含有量、焼入れ停止
温度および焼入れ後の焼戻し温度を考慮して、目標引張
強度に応じて焼入れ開始温度を算出し、求めた焼入れ開
始温度で焼入れすることにより強度のバラツキの少ない
高強度冷延鋼板を製造できることを見出したということ
である。
以下程度に納めるために、下記(1)式を満足する焼入
れ開始温度で焼入れすれば高強度冷延鋼板を強度のバラ
ツキの少ない状態で安定して製造することが可能であ
る。
度[TS](kgf/mm2)と、焼入れ開始温度[TQ]
(℃)と、炭素含有量[C](mass%)およびリン含有
量[P](mass%)と、焼入れ停止温度[T](℃)
と、焼入れ後の焼戻し温度[OA](℃)と、鋼板の板
厚[t](mm)との間で成り立つ関係式である。 a×([TS]−α)+b×[C]+c×[P]+d×[T]+e×[t]+f ×[OA]+g≦[TQ]≦a×([TS]+α)+b×[C]+c×[P]+ d×[T]+e×[t]+f×[OA]+g …(1) ここで、a、b、c、d、e、f、g:強度レベルに依
存する定数、α:目標引張強度の変動許容値(kgf/m
m2) 本発明式(1)に炭素当量ではなく炭素含有量[C]
(mass%)およびリン含有量[P](mass%)のみを考
慮する理由は、連続焼鈍法による高強度冷延鋼板を製造
するに際し、Si、Mn、Sなどの添加元素の変動に起
因した引張強度の変動は小さく、製鋼段階で成分変動の
制御の難しいC、P含有量のみを関係式に用いた方が、
工業的には迅速に実施可能であるからである。ただし、
さらに引張強度の変動を抑制するためには、適宜C、P
以外の添加元素を考慮した焼入れ開始温度の決定を実施
してもよい。
ような知見に基づきなされたもので、以下のような特徴
を有する。
用いて高強度冷延鋼板を製造する方法において、予め鋼
板の板厚、炭素含有量、リン含有量、焼入れ開始温度、
焼入れ停止温度および焼入れ後の焼戻し温度と引張強度
の関係を求めておき、対象鋼板の板厚、炭素含有量、リ
ン含有量、焼入れ停止温度および焼入れ後の焼戻し温度
を考慮して、目標引張強度に応じて焼入れ開始温度を算
出し、求めた焼入れ開始温度で焼入れすることを特徴と
する高強度冷延鋼板の製造方法。
用いて高強度冷延鋼板を製造する方法において、予め鋼
板の板厚、50PPM以下の精度で実測した炭素含有
量、50PPM以下の精度で実測したリン含有量、焼入
れ開始温度、焼入れ停止温度および焼入れ後の焼戻し温
度と引張強度の関係を求めておき、対象鋼板の板厚、5
0PPM以下の精度で実測した炭素含有量、50PPM
以下の精度で実測したリン含有量、焼入れ停止温度およ
び焼入れ後の焼戻し温度を考慮して、目標引張強度に応
じて焼入れ開始温度を算出し、求めた焼入れ開始温度で
焼入れすることを特徴とする高強度冷延鋼板の製造方
法。
用いて高強度冷延鋼板を製造する方法において、鋼板の
目標引張強度の許容範囲に応じて焼入れ開始温度を算出
するに際し、対象鋼板の目標引張強度[TS](kgf/mm
2)、目標引張強度の変動許容値[α](kgf/mm2)、鋼
板の板厚[t](mm)、実測の炭素含有量[C](mass
%)、実測のリン含有量[P](mass%)、焼入れ停止
温度[T](℃)およびあらかじめ設定する焼入れ後の
焼戻し温度[OA](℃)の間に成り立つ下記の関係式
(1)を満足する焼入れ開始温度で焼入れすることを特
徴とする高強度冷延鋼板の製造方法。 a×([TS]−α)+b×[C]+c×[P]+d×[T]+e×[t]+f ×[OA]+g≦[TQ]≦a×([TS]+α)+b×[C]+c×[P]+ d×[T]+e×[t]+f×[OA]+g …(1) ここで、a、b、c、d、e、f、g:強度レベルに依
存する定数 (4)焼入れ手段を有する連続焼鈍設備を用いて高強度
冷延鋼板を製造する方法において、50〜70kgf/mm2
の強度レベルの鋼板を目標引張強度の許容範囲に応じて
下記(2)式を満足する焼入れ開始温度で焼入れするこ
とを特徴とする上記(3)に記載の高強度冷延鋼板の製
造方法。 ([TS]−2)−166.1×[C]−74.4×[P]+0.108×[T ]+2.02×[t]+0.039×[OA]−17.1)/0.0628≦[ TQ]≦([TS]+2)−166.1×[C]−74.4×[P]+0.10 8×[T]+2.02×[t]+0.039×[OA]−17.1)/0.06 28 …(2)
ンサイトの体積率を高めることが有効であり、これを達
成するには、焼入れ手段を含む連続焼鈍設備を利用する
ことが必要である。ただしここで、焼入れ手段とは冷却
速度毎秒50℃以上のことをいい、そのためには、水焼
入れ法が最も好ましく、その他にガスジェット冷却法、
ロール冷却法、気水冷却法等、またはこれらの組み合わ
せを用いる方法があり、本発明法は、これらのいずれの
方法も適用可能である。
備を用いて高強度冷延鋼板を製造する方法において、予
め鋼板の板厚、炭素含有量、リン含有量、焼入れ開始温
度、焼入れ停止温度および焼入れ後の焼戻し温度と引張
強度の関係を求めておき、対象鋼板の板厚、炭素含有
量、リン含有量、焼入れ停止温度および焼入れ後の焼戻
し温度を考慮して、目標引張強度に応じて焼入れ開始温
度を算出し、求めた焼入れ開始温度で焼入れする高強度
冷延鋼板の製造方法である。
は50PPM以下の精度で実測することが好ましい。
設備を用いて高強度冷延鋼板を製造する方法において、
鋼板の目標引張強度の許容範囲に応じて下記(1)式を
満足する焼入れ開始温度で焼入れする高強度冷延鋼板の
製造方法である。 a×([TS]−α)+b×[C]+c×[P]+d×[T]+e×[t]+f ×[OA]+g≦[TQ]≦a×([TS]+α)+b×[C]+c×[P]+ d×[T]+e×[t]+f×[OA]+g …(1) ここで、a、b、c、d、e、f、g:強度レベルに依
存する定数、[TS]:目標引張強度(kgf/mm2)、
[TQ]:焼入れ開始温度(℃)、[C]:炭素含有量
(mass%)、[P]:リン含有量(mass%)、[T]:
焼入れ停止温度(℃)、[OA]:焼入れ後の焼戻し温
度(℃)、[t]:鋼板の板厚(mm)、α:目標引張強
度の変動許容値(kgf/mm2) 次に、50〜70kgf/mm2の強度レベルでは、多くの試
験結果から重回帰分析を行って強度レベルに依存する定
数であるa、b、c、d、e、f、gを決定し、目標引
張強度の変動許容値α(kgf/mm2)をα=2kgf/mm2とし
て、式(1)を下式(2)で表し、下記(2)式を満足
する焼入れ開始温度[TQ](℃)で焼入れする高強度
冷延鋼板の製造方法である。 ([TS]−2)−166.1×[C]−74.4×[P]+0.108×[T ]+2.02×[t]+0.039×[OA]−17.1)/0.0628≦[ TQ]≦([TS]+2)−166.1×[C]−74.4×[P]+0.10 8×[T]+2.02×[t]+0.039×[OA]−17.1)/0.06 28 …(2) ここで、[TS]:目標引張強度(kgf/mm2)、[T
Q]:焼入れ開始温度(℃)、[C]:炭素含有量(ma
ss%)、[P]:リン含有量(mass%)、[T]:焼入
れ停止温度(℃)、[OA]:焼入れ後の焼戻し温度
(℃)、[t]:鋼板の板厚(mm) 上記(2)式では、鋼板の目標引張強度[TS](kgf/
mm2)の許容変動範囲を、例えば60±2kgf/mm2とし
た。
業条件を設定し、水焼入れ方式の連続焼鈍法により高強
度冷延鋼板を製造した。上記発明式(2)式に、実測の
炭素含有量[C](mass%)およびリン含有量[P]
(mass%)と、焼入れ停止温度[T](℃)と、実測の
焼入れ後の焼戻し温度[OA](℃)と、実測の鋼板の
板厚[t](mm)と、実測の焼入れ開始温度[TQ]
(℃)を代入して予め求めておいた引張強度(kgf/m
m2)を予測TSとし、操業後に材料検査を実施して得た
強度レベルを材検TSとして両者の相関を調べた。ただ
し、本実施に用いた水焼入れにおいては、焼入れ停止温
度は焼入れ媒体である水温と同一と考えて実測の焼入れ
媒体温度を用いた。その結果を図2に示す。
示した。図2によれば、本発明式(2)に基づいた標準
偏差σはσ=0.65(kgf/mm2)となり、強度変動を
3σ(全体の分散の99.7%を示す値)で表すと3σ
=2.0(kgf/mm2)となり、引張強度の変動を2kgf/m
m2以下程度とすることができた。
備の炉内全体図を示している。
直下帯、均熱帯の後段に焼入れ開始温度調整用ブロアー
4と焼入れ開始温度測定用板温度計5と水を入れた水槽
10が設置された水焼入れセクション(WQ)1と、鋼
板温度を所定の焼戻し温度まで短時間で上昇させる、例
えば誘導加熱装置8とラジアントチューブ6とクーラー
7が設置された焼戻しセクション(OA)2とを備えて
いる。
の水を入れた水槽10の中に鋼板を浸漬させることで鋼
板の焼入れを行うセクションであり、水焼入れされる直
前の鋼板の温度[TQ]は、焼入れ開始温度調整用ブロ
アー4のガスジェット風量を調節することにより制御さ
れる。このガスジェットによる冷却により、水焼入れ直
前の鋼板温度[TQ]を短時間で制御することができ
る。
セクション1を通過した鋼板を、所定の温度で焼戻しす
るものであり、誘導加熱装置8の通電量を変化させる、
ラジアントチューブ6のガス量を増減させる、クーラー
7の風量を調節する、の1つ以上を行うことにより焼入
れ後の焼戻し温度[OA]が調整されている。
例として、50〜70kgf/mm2の強度レベルでは上記
(2)式において目標引張強度[TS]の許容範囲を与
え、C量を燃焼赤外線吸収法、P量をIPC発光分析法
で算出し、焼入れ媒体の温度[T]は機側温度計より測
定して求め、板厚[t]は冷間圧延後の板厚を用い、焼
入れ後の焼戻し温度[OA]は機側温度計より測定して
求めて(2)式に代入して、これらより焼入れ開始温度
[TQ]の範囲を求めて、その範囲内で焼入れする。こ
こで、焼入れ開始温度[TQ]の許容範囲内で、焼入れ
開始温度測定用板温度計5により焼入れ開始温度調整用
ブロアー4のガスジェット風量を調節することにより鋼
板の焼入れを行う。
鋼板を用いて、任意の焼入れ開始温度から水焼入れして
冷延鋼板を製造した。その後材料検査をして引張強度の
測定を行った。そして、燃焼赤外線吸収法によりC量
を、IPC発光分析法によりP量を算出し、冷間圧延後
の板厚を実測して求め、機側温度計より焼入れ媒体の温
度と焼入れ後の焼戻し温度を測定して求め、焼入れ開始
温度も測定して上記(2)式に代入して引張強度(本発
明法)を計算し、上記の材料検査による引張強度と比較
した。その結果を表1に示す。
量[Ceq](mass%)、焼入れ開始温度[TQ]
(℃)から上記(3)式を用いて引張強度(従来法)を
計算し、上記の材料検査による引張強度と比較した結果
を併せて示す。
強度と材料検査による引張強度との差は約±5kgf/mm2
程度であるが、本発明法により得られた引張強度と材料
検査による引張強度との差は±2kgf/mm2以下程度とな
って、強度のバラツキのさらに少ない高強度冷延鋼板を
安定して製造することができる。
入れ手段および焼戻し手段を備えた連続焼鈍設備を用い
て高強度冷延鋼板を製造する方法において、連続焼鈍に
よる高強度冷延鋼板をバラツキの極少ない状態で安定し
て製造することができるようになる。
部を示す説明図
査による引張強度との関係を示すグラフの一例
張強度との関係を示すグラフの一例
Claims (4)
- 【請求項1】 焼入れ手段を有する連続焼鈍設備を用い
て高強度冷延鋼板を製造する方法において、予め鋼板の
板厚、炭素含有量、リン含有量、焼入れ開始温度、焼入
れ停止温度および焼入れ後の焼戻し温度と引張強度の関
係を求めておき、対象鋼板の板厚、炭素含有量、リン含
有量、焼入れ停止温度および焼入れ後の焼戻し温度を考
慮して、目標引張強度に応じて焼入れ開始温度を算出
し、求めた焼入れ開始温度で焼入れすることを特徴とす
る高強度冷延鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 焼入れ手段を有する連続焼鈍設備を用い
て高強度冷延鋼板を製造する方法において、予め鋼板の
板厚、50PPM以下の精度で実測した炭素含有量、5
0PPM以下の精度で実測したリン含有量、焼入れ開始
温度、焼入れ停止温度および焼入れ後の焼戻し温度と引
張強度の関係を求めておき、対象鋼板の板厚、50PP
M以下の精度で実測した炭素含有量、50PPM以下の
精度で実測したリン含有量、焼入れ停止温度および焼入
れ後の焼戻し温度を考慮して、目標引張強度に応じて焼
入れ開始温度を算出し、求めた焼入れ開始温度で焼入れ
することを特徴とする高強度冷延鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 焼入れ手段を有する連続焼鈍設備を用い
て高強度冷延鋼板を製造する方法において、鋼板の目標
引張強度の許容範囲に応じて焼入れ開始温度を算出する
に際し、対象鋼板の目標引張強度[TS](kgf/m
m2)、目標引張強度の変動許容値[α](kgf/mm2)、
鋼板の板厚[t](mm)、実測の炭素含有量[C](ma
ss%)、実測のリン含有量[P](mass%)、焼入れ停
止温度[T](℃)およびあらかじめ設定する焼入れ後
の焼戻し温度[OA](℃)の間に成り立つ下記の関係
式(1)を満足する焼入れ開始温度で焼入れすることを
特徴とする高強度冷延鋼板の製造方法。 a×([TS]−α)+b×[C]+c×[P]+d×[T]+e×[t]+f ×[OA]+g≦[TQ]≦a×([TS]+α)+b×[C]+c×[P]+ d×[T]+e×[t]+f×[OA]+g …(1) ここで、a、b、c、d、e、f、g:強度レベルに依
存する定数 - 【請求項4】 焼入れ手段を有する連続焼鈍設備を用い
て高強度冷延鋼板を製造する方法において、50〜70
kgf/mm2の強度レベルの鋼板を目標引張強度の許容範囲
に応じて下記(2)式を満足する焼入れ開始温度で焼入
れすることを特徴とする請求項3に記載の高強度冷延鋼
板の製造方法。 ([TS]−2)−166.1×[C]−74.4×[P]+0.108×[T ]+2.02×[t]+0.039×[OA]−17.1)/0.0628≦[ TQ]≦([TS]+2)−166.1×[C]−74.4×[P]+0.10 8×[T]+2.02×[t]+0.039×[OA]−17.1)/0.06 28 …(2)
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