JP2003277550A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性樹脂組成物

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JP2003277550A
JP2003277550A JP2002089276A JP2002089276A JP2003277550A JP 2003277550 A JP2003277550 A JP 2003277550A JP 2002089276 A JP2002089276 A JP 2002089276A JP 2002089276 A JP2002089276 A JP 2002089276A JP 2003277550 A JP2003277550 A JP 2003277550A
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flame
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resin composition
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polyolefin
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JP2002089276A
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Raita Omasa
雷太 大政
Takeshi Shimizu
武史 清水
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲンを含まない樹脂を使用して電線とし
ての機械的な特性を満たしながら、UL規格に基づく垂
直難燃試験法に合格する難燃性を有し、焼却処理時に腐
食性のハロゲンガスを発生せず、環境的にも好ましい樹
脂組成物を提供する。 【解決手段】 ポリオレフィン系重合体、好ましくはポ
リエチレン系樹脂20〜40重量%、ポリプロピレン系
樹脂10〜30重量%およびエチレン−ブチレンゴム3
0〜70重量%からなるポリオレフィン系重合体100
重量部に対して、酸化金属水和物100〜350重量
部、BET法により測定した比表面積が10〜300m
2/gの超微粒子酸化亜鉛0.5〜50重量部を含有す
る難燃性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲンを含まな
くとも、ポリ塩化ビニル(以下、PVCともいう)組成
物と同等の難燃性を有する難燃性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】PV
C組成物は電気絶縁性がよく、自消性の難燃性を有して
いることから、電線被覆、チューブ、テープ、包装材、
建材などに広く使用されている。ところが、PVC組成
物はハロゲンである塩素(Cl)を含んでいるため、燃
焼時に塩化水素(HCl)などの腐食性ガスを発生す
る。このため各種のPVC製品が廃棄物となった場合
に、これらの焼却処分が困難になるという問題がある。
【0003】近年、このような問題を解決しようとする
種々の試みがなされている。
【0004】電線被覆材料の場合、PVCにかわる樹脂
として、電気絶縁性のよいポリエチレン(PE)やポリ
プロピレン(PP)といったオレフィン系樹脂が注目さ
れ、その難燃化の検討が盛んに行なわれている。オレフ
ィン系樹脂材料の難燃化方法として最も効果的な難燃剤
である水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、水酸化
アルミニウム(Al(OH)3)などの酸化金属水和物
の添加が一般的である。
【0005】しかし、UL規格に基づく垂直難燃試験法
に合格する高度な難燃性を付与するためには、多量の添
加が必要であり、加工性、成形品物性を大きく損い、実
用性の点からは程遠いものとなる。
【0006】そのため、従来の難燃組成物にあっては、
特開平7−149965号公報で述べられているよう
に、酸化金属水和物を主体とし、赤燐、ポリ燐酸アンモ
ニウムなどの燐系化合物やメラミンシアノレートなどの
窒素系化合物や有機シリコーン系化合物あるいは硼酸亜
鉛、錫酸亜鉛などの無機化合物を併用する方法が主流と
なっている。
【0007】しかし、現在公知の技術はすべて不充分で
あり、UL規格に基づく垂直難燃試験法に合格する高度
な難燃性を有し、かつ、加工性および難燃性以外の物性
を満たすことができる材料は未だ得られていないという
のが実状である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記のごとき
従来技術の問題を改善するためになされたものであり、
ハロゲンを含まない樹脂を使用して電線としての機械的
な特性を満たしながら、UL規格に基づく垂直難燃試験
法に合格する難燃性を有し、焼却処理時に腐食性のガス
を発生せず、環境的にも好ましい樹脂組成物を提供する
ためになされたものである。
【0009】すなわち、本発明は、ポリオレフィン系重
合体100重量部(以下、部という)に対して、酸化金
属水和物100〜350部、BET法により測定した比
表面積が10〜300m2/gの超微粒子酸化亜鉛0.
5〜50部を含有する難燃性樹脂組成物(請求項1)、
前記超微粒子酸化亜鉛の一次粒子の平均粒子径が0.1
μm以下である請求項1記載の難燃性樹脂組成物(請求
項2)、前記酸化金属水和物が水酸化マグネシウムおよ
び(または)水酸化アルミニウムである請求項1または
2記載の難燃性樹脂組成物(請求項3)、電線被覆に用
いる請求項1、2または3記載の難燃性樹脂組成物(請
求項4)、およびポリエチレン系樹脂20〜40重量%
(以下、%という)、ポリプロピレン系樹脂10〜30
%およびエチレン−ブチレンゴム30〜70%からなる
ポリオレフィン系重合体100部に対して、水酸化マグ
ネシウム100〜350部およびBET法により測定し
た比表面積が10〜300m2/g、平均粒子径が0.
1μm以下の超微粒子酸化亜鉛0.5〜50部を添加し
てなる電線被覆に用いる難燃性樹脂組成物(請求項5)
に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の難燃性樹脂組成物は、電
気絶縁性が良好で、燃焼時にHClなどの腐食性ガスを
発生しないポリオレフィン系重合体をマトリックス樹脂
とし、該マトリックス樹脂に対して最も効果的な難燃剤
として知られている酸化金属水和物およびUL規格に基
づく垂直難燃試験法による評価に有効なBET法により
測定した比表面積が10〜300m2/gの超微粒子酸
化亜鉛を配合したものである。
【0011】前記ポリオレフィン系重合体としては、た
とえば電気絶縁性はJIS K 6723で定められる
体積抵抗値が30℃において1×1015Ωcmで、JI
SK 7113に定められる引張試験で23℃における
引張強度が10MPa以上、引張伸びが150%以上の
特性を有するものが、600V耐燃性ポリエチレン絶縁
ケーブルまたは耐燃性架橋ポリエチレン絶縁ケーブルと
して使用する点から好ましい。
【0012】前記ポリオレフィン系重合体というのは、
重合体中に占めるオレフィン単量体単位の割合が60%
以上、さらには65%以上であるのが、電気絶縁性、耐
熱性、難燃性に優れ、かつ引張強度を向上させる点から
好ましく、上限は100%である。
【0013】前記オレフィン単量体としては、炭素数2
〜8のオレフィン、具体的には、エチレン、プロピレ
ン、ブテン、イソブチレン、メチルペンテン、ヘキセ
ン、オクテン、環状オレフィンなどがあげられる。
【0014】前記ポリオレフィン系重合体に含有され得
るオレフィン単量体単位以外の単位としては、たとえば
酢酸ビニル、ビニルアルコール、エチルアクリレート、
メチルメタクリレート、アクリロニトリル、非共役ジエ
ンなどの単量体からの単位があげられる。これらの単位
を含有させることにより、好ましくは10%以上で40
%以下含有させることにより、ポリオレフィン系重合体
を、耐熱性、難燃性、表面性などの良好なものにするこ
とができる。
【0015】前記ポリオレフィン系重合体には、大別し
てポリオレフィン系樹脂およびポリオレフィン系ゴム
(ポリオレフィン系エラストマーを含む)が含まれる。
これらは1種で使用してもよく、2種以上を組み合わせ
て使用してもよい。これらのうちでは、ポリオレフィン
系樹脂およびポリオレフィン系ゴム(ポリオレフィン系
エラストマーを含む)の組合せが、JIS K6760
に定められた引張強度10MPa以上および引張伸び1
50%以上の物性をクリアーしやすい点から好ましい。
【0016】前記ポリオレフィン系樹脂の具体例として
は、たとえばポリエチレン、エチレン−プロピレン共重
合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体、
エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合
体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エ
チレン−エチルアクリレート共重合体などのエチレン単
位を60%以上含有するポリエチレン系樹脂;ポリプロ
ピレン、プロピレン−エチレンランダム共重合体などの
プロピレン単位を60%以上含有するポリプロピレン系
樹脂;ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリメチルペン
テン、環状オレフィンの(共)重合体などの一般的なポ
リオレフィン系樹脂があげられる。これらは1種で用い
てもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0017】前記ポリオレフィン系ゴムの具体例として
は、たとえばエチレン−ブチレンゴム(たとえばエチレ
ン−1−ブテンゴムなど)、エチレン−プロピレンゴム
などの一般的なポリオレフィン系ゴムがあげられる。こ
れらは1種で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用
いてもよい。
【0018】前記ポリオレフィン系樹脂およびポリオレ
フィン系ゴムのなかでは、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体が、引張り特性、耐
熱性、絶縁性の点から好ましく、エチレン−プロピレン
ゴム、エチレン−ブチレンゴムが、柔軟性、ベタツキ防
止の点から好ましい。
【0019】本発明の難燃性樹脂組成物を電線被覆材と
して使用する場合、ポリオレフィン系重合体としては、
銅線との接触による銅害防止の点からポリエチレン系樹
脂が有利であり、電線被覆材の耐熱性を高める点からポ
リプロピレン系樹脂が有利であり、実用的にはポリエチ
レン系樹脂とポリプロピレン系樹脂との併用系が好まし
い。また、ポリエチレ系樹脂とポリプロピレン系樹脂と
を組み合わせたものに、さらにエチレン−プロピレンゴ
ムおよび(または)エチレン−ブチレンゴムで代表され
るポリオレフィン系ゴムを組み合わせることにより、柔
軟性を付与することができ、かつ、酸化金属水和物およ
びBET法により測定した比表面積が10〜300m2
/gの超微粒子酸化亜鉛の分散性を向上させることがで
きる。
【0020】本発明に使用するポリオレフィン系重合体
としては、前記のごとき点から、ポリエチレン系樹脂2
0〜40%、ポリプロピレン系樹脂10〜30%ならび
にエチレン−プロピレンゴムおよび(または)エチレン
−ブチレンゴム、とくにエチレン−ブチレンゴム30〜
70%を含有するポリオレフィン系重合体を使用するの
が好ましい。
【0021】本発明で用いられる酸化金属水和物は、燃
焼時に酸化金属と水蒸気に分解されて難燃性を発現する
ものである。ポリオレフィン系重合体に酸化金属水和物
(たとえば水酸化マグネシウム(Mg(OH)2))を
添加すると、燃焼時に酸化金属水和物が酸化金属と水蒸
気に分解することによって温度を下げるとともに、発生
する水蒸気によって燃焼している部分への酸素の供給を
抑えることができる。また、燃焼している部分に酸化金
属が付着することによって、新たな重合体面に炎が広が
らないようにすることができる。
【0022】前記酸化金属水和物の大きさとしては、平
均粒子径で10μm以下、さらには5μm以下であるの
が、前記ポリオレフィン系重合体の引張強度を低下させ
ない点から好ましく、0.1μm以上、さらには0.5
μm以上であるのが、前記ポリオレフィン系重合体の難
燃性を高める点から好ましい。
【0023】前記酸化金属水和物の具体例としては、た
とえば水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸
化カルシウムなどがあげられる。これらは1種で使用し
てもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。こ
れらのうちでは水酸化マグネシウムおよび(または)水
酸化アルミニウムが、前記ポリオレフィン系重合体の難
燃性を高める点から好ましく、とくに水酸化マグネシウ
ムが好ましい。
【0024】前記酸化金属水和物の使用に際し、ポリオ
レフィン系重合体との親和性向上、得られる組成物の機
械特性の低下防止、耐水性、耐酸性の向上などのため
に、酸化金属水和物をシランカップリング剤、ステアリ
ン酸などの高級脂肪酸、シュウ酸アニオンなどで表面処
理したものを用いてもよい。
【0025】前記酸化金属水和物の添加量はポリオレフ
ィン系重合体100部に対して、通常100部以上、さ
らには150部以上、とくには160部以上で、350
部以下、さらには300部以下、とくには270部以下
であるのが好ましい。前記添加量が少なくなりすぎる
と、超微粒子酸化亜鉛と併用してもUL規格に基づく垂
直難燃試験法による評価に合格することが難しくなる。
一方、添加量は多いほど難燃性は高くなるが、多すぎる
と得られる組成物の機械的特性や加工性、絶縁特性など
が低下する。
【0026】本発明に使用される超微粒子酸化亜鉛は、
きわめて細かい一次粒子からなる白色の高分散性の粉末
酸化亜鉛で、BET法により測定されるた比表面積が1
0〜300m2/gのものである。前記超微粒子酸化亜
鉛は、燃焼過程の中で脱水素触媒として作用し、脱水素
触媒反応が起こることで、ポリマー鎖中の水素が劇的に
失なわれ、二重結合の形成が急速に促進されることによ
り、ポリマー鎖中で炭素のネットワーク構造が構築さ
れ、重合体の炭化が促進され、炭化が進むことにより熱
分解反応時の可燃性ガスの発生量が著しく減少し、結果
的に重合体の燃焼が抑制されるものと推察される。した
がって、超微粒子酸化亜鉛の比表面積が大きいほど触媒
反応が起こる確率が高く、効果的に難燃性を発現させる
ことができると考えられる。
【0027】前記超微粒子酸化亜鉛は、前述のごとく、
BET法により測定されるた比表面積が10〜300m
2/gのものであるが、さらに50m2/g以上であるこ
とが好ましく、100m2/g以下であることが好まし
い。前記比表面積が10m2/g未満の場合、所望の難
燃効果が得られ難く、また、300m2/gをこえるも
のは、粒子同士が凝集して分散不良を起すため、所望の
難燃効果が得られない。
【0028】前記超微粒子酸化亜鉛の平均粒子径は、所
望する難燃効果を得るうえで一次粒子の平均粒子径が
0.1μm以下、さらには0.05μm以下で、0.0
01μm以上のものが好ましい。
【0029】前記超微粒子酸化亜鉛の具体例としては、
たとえば堺化学(株)製のNANOFINE W−1
(比表面積75m2/g、平均粒子径0.01μm)、
NANOFINE P−2(比表面積50m2/g、平
均粒子径0.02μm)、FINE X−50(比表面
積50m2/g、平均粒子径0.02μm)、FINE
X−75(比表面積75m2/g、平均粒子径0.01
μm)などがあげられる。これらは1種で使用してもよ
く、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの
うちではNANOFINE W−1が、前記ポリオレフ
ィン系重合体の引張強度を低下させず、なおかつ難燃性
を高めることができる点から好ましい。
【0030】前記超微粒子酸化亜鉛は、原料として金属
亜鉛地金を用いて製造されるきわめて細かい一次粒子か
らなる白色の高分散性の粉末酸化亜鉛であるが、その製
法としては、金属亜鉛地金を溶解させ、蒸気化させたも
のを酸化し、冷却することにより亜鉛華・亜鉛粉を製造
する乾式法や、亜鉛華・亜鉛粉を酸に溶解させたあとで
沈殿物を得、これを乾燥することで微粉末酸化亜鉛を製
造する湿式法などがあげられるが、BET法によって測
定された比表面積の大きさが10〜300m2/gの超
微粒子が得られる限り、その製法には限定はない。
【0031】前記超微粒子酸化亜鉛の添加量としては、
ポリオレフィン系重合体100部に対して0.5部以
上、さらには10部以上であるのが、所望の難燃効果が
得られやすい点から好ましく、50部以下、さらには4
5部以下であるのが、添加量に対する難燃効果の増加率
が高く、電線被覆成形時の加工性や機械的特性の低下が
起こりにくい点から好ましい。
【0032】本発明の難燃性樹脂組成物には、さらに難
燃効果を高めるために、前記酸化金属水和物および超微
粒子酸化亜鉛に加えて、他の難燃剤を加えてもよい。ま
た、一般に難燃性樹脂組成物に添加される添加剤を一般
に使用される量添加してもよい。これらは、難燃性樹脂
組成物の用途に応じて、随時選択使用すればよい。
【0033】前記酸化金属水和物および超微粒子酸化亜
鉛以外の難燃剤としては、たとえば赤燐、安定化処理さ
れた安定化赤燐、ポリ燐酸アンモニウム、燐酸エステル
化合物、ホスファイト系化合物、ホスフィン系化合物、
ホスフィンオキシド系化合物、ホスファゼン系化合物、
リン酸塩、ポリ燐酸アンモニウムなどの燐系化合物;メ
ラミン系化合物(メラミン、メチロールメラミン、メラ
ミンシアヌレート、硫酸メラミンなど)、グアニジン化
合物、炭酸アンモニウムなどのアンモニウム化合物など
の窒素系化合物;有機シリコーン系化合物;硼酸亜鉛、
錫酸亜鉛などの無機化合物などがあげられる。これらは
1種で使用してもよく2種以上使用してもよい。これら
の難燃剤を使用する場合、前記酸化金属水和物および超
微粒子酸化亜鉛の合計量100部に対して、2〜10部
であるのが、前記ポリオレフィン系重合体の引張強度を
低下させず、なおかつ難燃性を高めることができる点か
ら好ましい。
【0034】また、前記その他の添加剤としては、たと
えば抗酸化剤;キレーターなどの安定化剤;ステアリン
酸バリウム、ステアリン酸マグネシウムなどの高級脂肪
酸の金属塩やポリエチレンワックスなどの滑剤;パラフ
ィン系、ナフテン系の各種鉱物油、ひまし油、綿実油、
あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花
生油、木ロウ、パインオイル、オリーブ油などの植物
油、シリコーン、ポリブタジエン、ポリブテンなどの合
成油であるプロセスオイルなどの軟化剤;フェノール系
やアミン系などの老化防止剤;物性をより高めるための
多官能モノマーやラジカル発生剤などの化学架橋剤;紫
外線吸収剤;銅害防止剤;顔料、染料その他の着色剤な
どがあげられる。
【0035】本発明の難燃性樹脂組成物は、高い難燃性
が達成され、燃焼時に腐食性の有毒ガスを発生しないた
め、火災の際の安全性向上や廃棄した際の焼却処分を容
易にするという特性を有するものであり、たとえば燃焼
時の発生ガスの酸性度はJCS379Aに定められたp
H3.5以上に対し、pH5.5以上という優れた特性
を有するものであり、たとえば電線、ケーブルまたはそ
の類似品の被覆材料として有利に用いることができる。
とくに、被覆厚さが1mm以下、電線外径が3mm以下
の機器内配線には、とくに高いレベルの難燃性が必要で
あるが、本発明の難燃性樹脂組成物を用いることによ
り、電気用品取締法、UL規格にそれぞれ制定されてい
る垂直燃焼試験法による評価に合格することができ、か
つ、JISK6760に定められた引張強度10MPa
以上および引張伸び150%以上の物性をクリアーする
ことができる。
【0036】なお、本発明におけるBET法による比表
面積の測定および一次粒子の平均粒子径の測定は、つぎ
の方法で測定する。
【0037】BET法:DIN66131に基づく、窒
素ガス吸着量により算出一次粒子平均粒子径:走査型電
子顕微鏡20000倍の写真から測定
【0038】
【実施例】つぎに、本発明の難燃性樹脂組成物を実施例
および比較例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発
明はこれらに限定されるものではない。
【0039】[使用材料] (ポリオレフィン系重合体) アフィニティPL1880:ダウ・ケミカル(株)、L
LDPE PB222A:サンアロマー(株)製、ポリプロピレン EBM2021P:JSR(株)、エチレンーブチレン
共重合ゴム
【0040】(酸化金属水和物) キスマ5PH:協和化学(株)製、水酸化マグネシウ
ム、平均粒子径0.8μm
【0041】(超微粒子酸化亜鉛) 表1に記載の超微粒子酸化亜鉛:堺化学(株)製
【0042】(その他) メラミンシアヌレート640:窒素系化合物、日産化学
(株)製 PW−380:軟化剤、出光興産(株)製、パラフィン
系プロセスオイル EBS:ライオン(株)製、エチレンビス脂肪酸アマイ
ド AO−412S:旭電化工業(株)製、チオエーテル系
酸化防止剤 ZS−90:旭電化工業(株)製、重金属不活性化剤 CDA−1:旭電化工業(株)製、重金属不活性化剤
【0043】[評価方法] (垂直難燃試験)UL規格VW−1に制定される垂直燃
焼試験に基づく。
【0044】(引張強度、引張伸び)JIS K676
0に記載されている方法に基づく。
【0045】(燃焼時の発生ガスの酸性度)JCS第3
97号Aに記載されている方法に基づく。
【0046】実施例1〜6および比較例1〜3 (難燃性樹脂組成物ペレットの作成)アフィニティPL
1880(LLDPE)30部、PB222A(ポリプ
ロピレン)20部およびEBM2021P(エチレンー
ブチレン共重合ゴム)50部よりなるポリオレフィン系
重合体100部に対して、表1記載の酸化金属水和物お
よび超微粒子酸化亜鉛を表1記載の量、メラミンシアヌ
レート640(窒素系化合物)10部、PW−380
(パラフィン系プロセスオイル)10部、EBS(エチ
レンビス脂肪酸アマイド)2部、AO−412S(チオ
エーテル系酸化防止剤)0.5部、ZS−90(重金属
不活性化剤)1部およびCDA−1(重金属不活性化
剤)0.5部をトータル重量が10kgになるように配
合し、10Lタンブラーで5分間室温下で混合し、10
L加圧ニーダーで混練し、210℃で取り出し、造粒機
でペレット化した。
【0047】前記ペレット作成時の混練機およびその運
転条件、造粒装置およびその運転条件は、以下のとおり
であった。
【0048】混練機:10LMS加圧ニーダー DS1
0−20MWH−H((株)森山製作所製) 混練条件:ジャケット温度180℃、ローター回転数6
0rpm 造粒装置:FR−65フィーダールーダー((株)森山
製作所製) 造粒条件:シリンダー1 180℃、シリンダー2 1
90℃、アダプター 200℃、ダイス 210℃、ス
クリュウ回転数 40rpm
【0049】(電線の製造)得られたペレットを使用
し、東洋精機(株)製のラボプラストミル20mmφ押
出機によりクロスヘッドダイスを用い、直径0.7mm
の単線の銅線上に難燃性樹脂組成物を厚さ0.4mmに
なるように被覆して電線を製造した。
【0050】電線製造時の成形加工条件は、以下のとお
りであった。
【0051】シリンダー温度:C1 220℃、C2
240℃、C3 200℃、C4 230℃ スクリュー形状:フルフライト圧縮比2.4のミキシン
グタイプ スクリュー回転数:10〜40rpm 引き取り速度:5〜20m/min
【0052】得られた電線の評価を行なった。結果を表
1に示す。また、得られた電線の燃焼時の発生ガスの酸
性度を評価したところ、pH5.5〜6.0の範囲内で
あった。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】本発明の難燃性樹脂組成物を使用する
と、ハロゲンを含まない重合体を使用しているにもかか
わらず、電線としての機械的な特性を満たしながら、U
L規格に基づく垂直難燃試験法に合格する難燃性を有
し、焼却処理時に腐食性のハロゲンガスを発生せず、環
境的にも好ましい電線を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01B 3/44 H01B 3/44 J M P // H01B 7/295 7/34 B Fターム(参考) 4J002 BB02W BB05Y BB11X BB17Y DE076 DE107 DE146 FD029 FD039 FD059 FD079 FD099 FD136 FD149 FD179 GQ00 5G303 AA06 AA08 AB20 BA12 CA09 CA11 5G305 AA02 AA11 AB15 AB25 AB35 BA12 BA13 BA15 BA26 CA01 CA04 CA05 CA07 CA08 CA51 CC02 CC03 CD13 5G315 CA03 CB02 CB06 CC08 CD02 CD03 CD04 CD14 CD17

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系重合体100重量部に
    対して、酸化金属水和物100〜350重量部、BET
    法により測定した比表面積が10〜300m 2/gの超
    微粒子酸化亜鉛0.5〜50重量部を含有する難燃性樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記超微粒子酸化亜鉛の一次粒子の平均
    粒子径が0.1μm以下である請求項1記載の難燃性樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記酸化金属水和物が水酸化マグネシウ
    ムおよび(または)水酸化アルミニウムである請求項1
    または2記載の難燃性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 電線被覆に用いる請求項1、2または3
    記載の難燃性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 ポリエチレン系樹脂20〜40重量%、
    ポリプロピレン系樹脂10〜30重量%およびエチレン
    −ブチレンゴム30〜70重量%からなるポリオレフィ
    ン系重合体100重量部に対して、水酸化マグネシウム
    100〜350重量部およびBET法により測定した比
    表面積が10〜300m2/g、平均粒子径が0.1μ
    m以下の超微粒子酸化亜鉛0.5〜50重量部を添加し
    てなる電線被覆に用いる難燃性樹脂組成物。
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