JP2003276975A - 乗客コンベアのハンドレール用粘着シート - Google Patents

乗客コンベアのハンドレール用粘着シート

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JP2003276975A
JP2003276975A JP2002078305A JP2002078305A JP2003276975A JP 2003276975 A JP2003276975 A JP 2003276975A JP 2002078305 A JP2002078305 A JP 2002078305A JP 2002078305 A JP2002078305 A JP 2002078305A JP 2003276975 A JP2003276975 A JP 2003276975A
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handrail
pressure
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sensitive adhesive
synthetic resin
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JP2002078305A
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Atsushi Nakamura
厚 中村
Yuichi Kogo
勇一 向後
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 広告や案内等の表示や装飾、抗菌処理等の表
面加工を必要に応じて簡単に交換することが出来る乗客
コンベアのハンドレール用粘着シート、その貼付方法及
び該粘着シートが貼付された乗客コンベア用ハンドレー
ルを提供する。 【解決手段】 合成樹脂フィルム6と粘着剤層7が積層
された粘着シート4であって、該合成樹脂フィルム6の
応力0歪みが4%以下であり、2%モジュラスが7MPa以下で
あって、さらに該合成樹脂フィルム6が降伏点を有しな
いことを特徴とする乗客コンベアのハンドレール用粘着
シート。 【効果】 しわや割れの発生がなく、耐磨耗性を有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エスカレータや動
く歩道等の乗客コンベアにおいて、移動手すりとして使
用されるハンドレールに対し、広告や案内の表示等の情
報提供、又は意匠、抗菌等の目的に用いられる粘着シー
ト、該粘着シートの貼付方法及び該粘着シートが貼付さ
れた乗客コンベア用ハンドレールに関する。
【0002】
【従来の技術】エスカレータや動く歩道等の乗客コンベ
アは、その目的から多くの人に利用される場所に設置さ
れており、特に、乗客と同速度で移動するハンドレール
の表面に表示された情報は乗客への伝達効果が高く、そ
の方法に関してこれまでにも種々の提案がなされてき
た。例えば、実開昭51-61689号公報や、特許第2567969
号公報では、ウレタン樹脂の塗布により表面加工された
ハンドレールが開示されている。また、実開昭61-59274
号公報、あるいは、実用新案第3044426号公報では、粘
着手段により表面加工されたハンドレール、またはシー
トカバーが開示されている。さらに、特開平10-305487
号公報では、有機溶剤で表面処理したポリウレタンを固
着する模様付きハンドレールが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実開昭
51-61689号公報や、特許第2567969号公報のハンドレー
ルは、既設のハンドレールに表面加工することは困難で
あり、表示内容を変更する場合はハンドレール全体を交
換しなければならず、表示内容を適宜変更する必要があ
る広告等の用途にはコストの問題からも実用上不可能で
あるとの問題があった。また、特開平10-305487号公報
に関しても、模様付きポリウレタンフィルムをハンドレ
ールに固着する方法として、金型を使用した高温高圧処
理を必要とすることから、前記と同様の問題があった。
【0004】一方、実開昭61-59274号公報、あるいは、
実用新案第3044426号公報では、粘着手段による表面加
工が提案されていることから、施工の容易さが期待され
る。しかし、両公報には表示材料に関する具体的な説明
が無いために、例えば、表示材料として一般的に用いら
れているマーキングフィルム(塩化ビニル樹脂系粘着シ
ート)をハンドレールに貼付したところ、その屈曲によ
りしわや割れが発生してしまうため実際上使用不可能で
あるなど、これらの開示内容のみからは実用的なハンド
レールが製作できないという問題があった。
【0005】本発明は、このような従来の問題点に鑑
み、広告や案内等の表示や装飾、抗菌処理等の表面加工
を必要に応じて簡単に交換することが出来る乗客コンベ
アのハンドレール用粘着シート、その貼付方法及び該粘
着シートが貼付された乗客コンベア用ハンドレールを提
供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】乗客コンベアのハンドレ
ールは、寸法安定性を高めるために金属ワイヤーや金属
プレートの芯材が挿入された、クロロスルフォン化ゴム
等のゴム材料からなり、エンドレスに接続されたベルト
状となっている。乗客コンベアが走行する際にはハンド
レールも同一速度で走行するため、案内レール等に沿っ
て曲げ伸ばしされながら回転を続ける。このとき、芯材
から数ミリメートル乃至数センチメートルの厚みをもっ
て被覆されたゴム材料の表面は、芯材からの距離と曲げ
伸ばしされたときの曲率に応じた伸縮が常に生じてい
る。
【0007】このため、該表面に粘着シートを貼付する
場合、この伸縮に十分追従出来る合成樹脂フィルムを使
用しないと、しわや割れ、剥がれ等の問題が生じること
を見いだした。
【0008】上記知見に基づき、発明者らは鋭意検討の
結果、特定の合成樹脂フィルムと粘着剤層が積層された
粘着シートを用いることにより上記問題を解決できるこ
とを見いだし、本発明に至った。
【0009】すなわち本発明は、合成樹脂フィルムと粘
着剤層が積層された粘着シートであって、該合成樹脂フ
ィルムの応力0歪みが4%以下であり、2%モジュラスが7M
Pa以下であって、さらに該合成樹脂フィルムが降伏点を
有しないことを特徴とする乗客コンベアのハンドレール
用粘着シートを提供する。
【0010】(応力0歪み)本発明において、応力0歪
みとは、23℃雰囲気下における横方向長さが25mm、縦方
向のつかみ間隔が100mmの試料を縦方向に300mm/分の速
度で10%伸長させ、直ちに同速度で元のつかみ間隔まで
反転させたときに得られる応力および歪みを軸とするヒ
ステリシス曲線から、反転時に応力が0となった時点の
歪み値と定義する。
【0011】(2%モジュラス)また、2%モジュラスと
は、伸び2%の時点の引っ張り強度を上記ヒステリシス曲
線の引っ張り時のカーブから読みとり、合成樹脂フィル
ム層の総断面積で除した値と定義する。
【0012】(降伏点定義)さらに、降伏点とは、上記
ヒステリシス曲線の引っ張り時のカーブにおいて、伸び
方向に応力が上昇する部分から応力が上昇しなくなる
か、低下に転じる変曲点と定義する。
【0013】(合成樹脂フィルムの降伏点)本発明に用
いる合成樹脂フィルムは降伏点を有しない。降伏点を有
するシートでは、ハンドレールが凸に曲げられた部分
で、降伏点伸び以上に伸ばされてしまうと復元力が著し
く低下してしまうために、ハンドレールが平坦部や反り
(凹)方向に曲げられた部分ではシートが余長となるた
め、しわ等の不具合が生じる。
【0014】
【発明の実施の形態】(合成樹脂フィルムの応力0歪
み)本発明に用いる合成樹脂フィルムの応力0歪みは好
ましくは3%以下、さらに好ましくは2%以下である。応力
0歪みが4%を超えるシートは、ハンドレール走行時の屈
曲により繰り返し発生するシートの伸縮に追従しきれ
ず、しわや割れの発生等の不具合が生じる。
【0015】(合成樹脂フィルムの2%モジュラス)さら
に、本発明に用いる合成樹脂フィルムの2%モジュラス
は、好ましくは4MPa以下、さらに好ましくは2MPaであ
る。2%モジュラスが7MPaを超えるシートでは、ハンドレ
ール走行時の屈曲により発生するハンドレール表面の伸
縮に対し、粘着シートの反発力が強すぎるために、粘着
剤のはみ出しやメクレ等の不具合を生じる。
【0016】(合成樹脂)また、本発明の合成樹脂フィ
ルムに用いる樹脂としては、合成樹脂フィルムが上記特
性値を満足するものであればその種類は特に限定されな
いが、天然ゴム、合成イソプレンゴム、スチレンゴム、
ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、ウ
レタンゴム、フッ素ゴム等のゴム類、又は、スチレン
系、オレフィン系、ウレタン系、エステル系、アミド
系、ポリブタジエン系、ポリイソプレン系、アイオノマ
ー等の熱可塑性エラストマー等から適宜選択して使用す
ることができる。
【0017】上記樹脂のうち、ウレタンゴム、ウレタン
系熱可塑性エラストマー等のポリウレタン樹脂は、硬さ
や弾性率を自由に調整できるうえ、軟質なものでも耐摩
耗性に優れることから本発明の合成樹脂フィルムのう
ち、少なくとも一つがポリウレタン樹脂フィルムである
ことが好ましく、最表面に使用される合成樹脂フィルム
としてポリウレタン樹脂が特に好適に選択使用される。
【0018】(最表面を形成する合成樹脂)本発明の粘
着シートの最表面を形成する合成樹脂フィルムは、摩耗
指数1以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.5
以下である。摩耗指数が1を超えるような合成樹脂フィ
ルムでは、機械構造的な接触部分による摩擦等により表
面状態の変化がおきやすく、外観上好ましくない。ま
た、摩耗しやすい粘着シートでは耐久性が低いため、回
転体に使用するには安全上の問題も懸念されることから
も好ましくない。
【0019】(摩耗指数)本発明において摩耗指数と
は、JIS K5400の耐摩耗性に記載の方法により、摩耗輪C
S10、荷重4.90N、回転速度60rpmで5000回転試験後の摩
耗減量を、規定回転数1000回あたりの摩耗減量(mg)に換
算して求めた指数と定義する。
【0020】(フィルムの製造方法)上記基材フィルム
を製造する方法は特に限定されないが、公知慣用の方法
として、インフレーション法やTダイ法などの押し出し
成形、カレンダー成形、あるいは、フィルム基材用樹脂
の溶液やエマルジョン、ディスパージョン、プラスチゾ
ルなどの塗工剤をナイフコーターなどによるコーティン
グ後に加熱乾燥させる流延製膜法などから適宜選択して
使用することができる。また、基材フィルムの構成も特
に限定されることはなく、共押し出し法や複数回のコー
ティングによる多層フィルムであってもよい。
【0021】(添加剤)また、上記基材フィルムには、
生産性や物性を損なわない範囲であれば、一般に使用さ
れる添加剤を添加してもよい。このような添加剤として
は、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、顔料、充填
剤、アンチブロッキング剤、滑剤、帯電防止剤、難燃化
剤、抗菌剤等が挙げられる。
【0022】(印刷)ハンドレールに案内表示や広告等
を施し、乗客に情報を伝達することが、本発明の目的の
ひとつである。このためには、合成樹脂フィルムの少な
くとも一つが、少なくとも一方の面に印刷が施された粘
着シートであることが好ましい。本発明においては、印
刷層の形成方法や使用されるインキには特に限定はな
く、スクリーン印刷、グラビア印刷、平版印刷、シール
印刷等の印刷方法や、電子写真方式、熱転写方式、イン
クジェット方式等、各種のプリンターを使用して画像を
描画することもでき、使用されるインキも各描画方式に
適したインキから適宜選択して使用すればよい。いずれ
の場合も、インキの密着性を高める目的で、合成樹脂フ
ィルム層の印刷層を設ける面を、あらかじめコロナ放電
処理やアンカー剤をコート処理するか、あるいは該面に
インキ受理層を設けることが好ましい。
【0023】(積層)本発明の粘着シートは、2枚以上
の合成樹脂フィルムが積層されていることが好ましい。
特に上記の如く印刷層を設けた場合、ハンドレールの表
面は乗客コンベアの構造上摩擦を受ける可能性が高いた
めに、透明な第1の合成樹脂フィルムが最表面を形成す
るように、2枚以上の合成樹脂フィルムが積層された粘
着シートであって、第1の合成樹脂フィルム層より下の
層に印刷層が形成されていることが好ましい態様であ
る。
【0024】(積層方法)また、本発明の粘着シート
は、その積層方法や手順にも特に限定はなく、下地とな
る粘着シートの合成樹脂フィルム表面に印刷を施した
後、透明な粘着シートをラミネートすることにより図5
(A)の如き粘着シートを作成する積層方法や、透明な合
成樹脂フィルムの片面に印刷を施し、印刷面上に粘着剤
層を転写させる方法、または、透明な合成樹脂フィルム
の片面に印刷を施し、該印刷フィルムの印刷面と下地と
なる粘着シートの合成樹脂フィルム表面とを接着剤や粘
着剤を使用して接着することにより図5(B)の如き粘着シ
ートを作成する積層方法などが好ましい態様である。
【0025】(着色)濃色に着色されたハンドレール上
に鮮明に表示等を設けるには、前記印刷を施された合成
樹脂フィルムは着色されていることが好ましく、白色の
着色がさらに好ましい。合成樹脂フィルムを着色する方
法としては、酸化チタンなどの顔料を含有させる方法が
一般的に知られている。
【0026】(隠蔽率)さらに、この方法によって、JI
S K 5400に準拠した隠蔽率試験紙に粘着シートを貼付し
たときの、「黒地上の粘着シートの視感反射率/白地上
の粘着シートの視感反射率」で算出される隠蔽率を80%
以上とするのが好ましく、より好ましくは隠蔽率が90%
以上である。隠蔽率が80%未満の場合は、貼付した下地
の色が表面に透けて見えるために好ましくない。
【0027】さらに、白色に着色された合成樹脂フィル
ム層と粘着剤層との間の層に、カーボンブラック等の隠
蔽性の高い顔料や、アルミニウム粉末等の金属粉を含有
する層を設ければ、より隠蔽率を高めることができる。
粘着剤層にも酸化チタン、沈降性バリウム、カーボンブ
ラック、アルミニウム粉末等の顔料を含有させることに
より、さらに一層隠蔽率を高くすることも可能である。
【0028】(合成樹脂フィルムの総厚)本発明に使用
される合成樹脂フィルムの総厚は、0.03〜1mmの範囲が
好ましく、より好ましくは0.05〜0.8mm、さらに好まし
くは0.08〜0.5mmである。0.03mmよりフィルム層が薄い
と機械的強度が低く、生産時や貼付時の取り扱いが困難
となり、1mmを超えるようなフィルムでは、貼付部分と
未貼付部分または重ね貼り部分の段差が大きく、不用意
に剥離する危険性が高くなるなど好ましくない。
【0029】(粘着剤)本発明に用いる粘着剤は特に限
定されるものではなく、従来から使用されているアクリ
ル系、ウレタン系、シリコーン系、ゴム系等の粘着剤を
使用することができ、下記の接着力と再剥離性を制御・
設計しやすいアクリル系粘着剤が好ましく使用すること
が出来る。
【0030】(粘着剤層の厚さ)粘着剤層の厚さは10〜
100μmが好ましく、さらに好ましくは20〜50μmであ
る。
【0031】(粘着剤層の形成法)粘着剤層は、公知慣
用の方法で形成すればよい。粘着剤層用塗布液を基材フ
ィルムに直接塗布・乾燥させるか、あらかじめセパレー
タ上に粘着剤層を形成した後、該粘着剤層上に基材フィ
ルムを積層する。
【0032】(粘着剤層の接着力)粘着剤層の接着力
は、JIS Z0237「粘着テープ・粘着シート試験方法」に
従って測定した接着力が1〜30N/25mmであることが好ま
しい。さらに好ましいのは、5〜20N/25mmである。接着
力が30N/25mmを超えるものは貼り替え時に剥離しづら
く、1N/25mmより低いものではハンドレールの屈曲によ
り生じるシートの変形によりメクレが発生するおそれが
あることから好ましくない。
【0033】(粘着シートをハンドレールに貼着する方
法)本発明の粘着シートをハンドレールに貼着する方法
は、本発明では特に限定されないが、粘着剤層を保護す
る剥離紙を剥がしながら既設のハンドレールにゴムロー
ラーやスキージ等で圧着すればよく、ハンドレール全体
の交換や取り外し、金型を使用した高温高圧処理などは
特に必要としない。また、ハンドレールの走行を利用
し、この動力をプーリー等で伝達し、剥離紙を自動的に
巻き取るような簡単な機構の貼付治具を作成、使用すれ
ばハンドレールの表面加工が更に容易となる。
【0034】(長手方向に伸ばして貼付する方法)さら
に、表面加工シートを長手方向に5〜15%、好ましくは5
〜10%伸ばされた状態でハンドレール全周にわたり貼付
すれば、ハンドレールの屈曲によるシートへの圧縮応力
があらかじめ付与された引っ張り応力により相殺され、
しわの発生やメクレ等の不具合が軽減できるために好ま
しい。なお、均等に一定の伸びを与えながら貼付する方
法としては、粘着シートを予め巻き取った巻き取りの繰
り出し機構にハンドレール走行速度に対して10%程度遅
く繰り出す変速ブレーキ等を設置した貼付用治具を作
成、使用すればよい。このとき、粘着シートの長手方向の
末端は、もう一方の末端と一部重ね貼りされることとな
るが、好ましくは重ね貼り部分に接着剤等を併用して強
固に接着することにより、ハンドレール本体を汚染した
り、粘着シートの貼り換えを阻害したりすることなく、
乗客に剥がされたり残留応力や機械的摩擦によるメクレ
を効果的に防止することができる。
【0035】本発明によれば、エスカレータや動く歩道
等の乗客コンベア用ハンドレールに対し貼付したとき
に、しわや割れが生じない粘着シートを提供することが
できる。
【0036】
【実施例】以下に実施例により具体的に説明する。特に
断らない限り、「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質
量%」を表す。
【0037】〔実施例1〕応力0歪みが0.5%、2%モジュ
ラスが0.9MPaであり、降伏点を有しない厚み0.1mmの無
着色透明な熱可塑性ポリウレタン樹脂フィルム(日本マ
タイ社製「エスマーURS」)の片面に、あらかじめ乾燥後の
厚さが30μmとなるようにアクリル系粘着剤(大日本イン
キ化学工業社製:「クイックマスター SPS-1068」に、大
日本インキ化学工業社製:イソシアネート系架橋剤「バ
ーノックNC-40」を2部添加)を塗布、乾燥したセパレータ
を貼り合わせ、粘着シートを得た。
【0038】〔実施例2〕応力0歪みが0.5%、2%モジュ
ラスが1.5MPaであり、降伏点を有しない厚み0.1mmの白
色ポリオレフィン系樹脂フィルム(オカモト社製「エマソ
フト3C梨地C白」)に、予め両面にコロナ放電処理を施し
たものを基材フィルムとして使用した以外は、実施例1
と同様にして表面加工シートを得た。
【0039】〔実施例3〕応力0歪みが0.8%、2%モジュ
ラスが2.6MPaであり、降伏点を有しない厚み0.1mmの無
着色透明ポリオレフィン系樹脂フィルム(出光ユニテッ
ク社製:「ピュアソフティPNH-2110」)に、予め両面にコ
ロナ放電処理を施したものを基材フィルムとして使用し
た以外は、実施例1と同様にして表面加工シートを得
た。
【0040】〔比較例1〕応力0歪みが5.2%、2%モジュ
ラスが18.0MPaであり、伸び10%までに降伏点を示した、
厚み0.05mmの無着色透明塩化ビニル系樹脂フィルムに乾
燥膜厚30μmのアクリル系粘着剤が塗布されたマーキン
グフィルム(大日本インキ化学工業社製:「ダイタックML
-6000A」)を表面加工シートとし、実施例と同様の評価を
行った。
【0041】〔実施例4〕実施例2の表面加工シートの
樹脂フィルム表面に実施例1の表面加工シートの粘着剤
層が接するようにラミネートし、積層粘着シートを得
た。
【0042】実施例1〜4、比較例1で作成した粘着シー
トについて、以下に示す方法により試験し、評価結果を
表1に示した。
【0043】(1)基材フィルムの引張試験 フィルムの製膜方向を長手方向として、つかみ間長さ10
0mm、幅25mmのサンプルを作成し、測定雰囲気下に1時間
以上放置した。次に、テンシロン引っ張り試験機を用
い、23℃で引っ張り速度300mm/minの条件にて10%(10mm)
引き伸ばし、直ちに同速度で元のつかみ間隔まで反転さ
せたときに得られる応力および歪みを軸とするヒステリ
シス曲線を作成した。
【0044】応力0歪み :反転時に応力が0となった
時点の歪み値を上記ヒステリシス曲線より読みとった。 2%モジュラス:伸び2%の時点の引っ張り強度を上記ヒス
テリシス曲線から読みとり、サンプルの断面積で除した
値を使用した。 降伏点 :上記ヒステリシス曲線の引っ張り時のカ
ーブにおいて、伸び方向に応力が上昇する部分から応力
が上昇しなくなるか、低下に転じる変曲点の有無を読み
とった。 ○:降伏点なし。 ×:降伏点あり。
【0045】(2)曲げ伸ばし性試験 フィルムの製膜方向を長手方向として、長さ100mm、幅1
0mmのサンプルを作成し、23℃雰囲気下中にて長さ80cm
の表面を平坦な状態としたエスカレータ用ハンドレール
の表面中央部分に、サンプルの長手方向がハンドレール
の長さ方向となるようにゴムローラーを用いて貼付し
た。次に、ハンドレールの表面側が凸となるように両端
の距離が80cmから40cmとなるまで曲げ、約5秒静止後に
元の平坦な状態に戻した。この操作を10回繰り返し後の
粘着シートの外観を観察した。
【0046】(曲げ伸ばし性) ○:しわ、メクレ等の発生が無く、外観良好。 ×:粘着シートにしわやハンドレールからの浮き上がり
が発生。
【0047】(3)曲げ圧縮性試験 曲げ伸ばし試験と同様にして、粘着シートをハンドレー
ルに貼付し、ハンドレールの表面側が凹となるように両
端の距離が80cmから77.5cmとなるまで曲げ、粘着シート
の外観を観察した。さらに、75cmとなるまで曲げ、粘着
シートの外観を観察した。
【0048】(曲げ圧縮性試験) ○:75cmまで、しわ、メクレの発生が無く、外観良好。 △:77.5cm〜75cmで、しわ、メクレが発生。 ×:77.5cmまでに、しわ、メクレが発生。
【0049】(4)10%延伸シートの曲げ圧縮性試験 (2)と同様に、長さ100mmのサンプルをハンドレールの表
面中央部分に貼付する際、予めサンプルの両端を長さ11
0mmに引き伸ばした状態(長手方向に10%伸ばした状態)で
保持し、サンプルの長手方向がハンドレールの長さ方向
となるようにゴムローラーを用いて貼付した。このハン
ドレールの表面側が凹となるように徐々に曲げていき、
粘着シートにしわやハンドレールからの浮き上がりが発
生し始めたときのハンドレール両端の距離を測定した。
【0050】(10%延伸シートの曲げ圧縮性試験) ○:75cmまで、しわ、メクレの発生が無く、外観良好。 △:77.5cm〜75cmで、しわ、メクレが発生。 ×:77.5cmまでに、しわ、メクレが発生。
【0051】
【表1】
【0052】表1に記載した結果から明らかなように、
実施例1〜4の粘着シートは、(a)曲げ伸ばし性試験、(b)
曲げ圧縮性試験、(c)10%延伸シートの曲げ圧縮性試験の
すべてに優れているのに対して、比較例1の粘着シート
では、上記(a)〜(c)をすべて満足するものは得られなか
った。また、ポリウレタン樹脂を最表面とする実施例1
及び4の粘着シートは、摩耗指数が他の合成樹脂フィル
ムよりも低く、特に耐摩耗性に優れたものであった。
【0053】
【発明の効果】本発明の粘着シートは、乗客コンベア用
ハンドレール走行時の屈曲に対して優れた追従性を有
し、ポリ塩化ビニルフィルム基材のマーキングフィルム
等ではなし得なかった、しわや割れの発生がないという
特徴を有する。また、表面加工シートの最表面にポリウ
レタン樹脂フィルムを使用した場合には優れた耐摩耗性
を有し、さらに、印刷層により表示や案内、広告等を提供
した場合、これを長期間鮮明に維持できるという特徴を
有する。
【0054】
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒステリシス曲線の概略図である。
【図2】エスカレータの主にハンドレールの走行経路を
示した全体的な概略側面図である。
【図3】エスカレータ用ハンドレールの断面の概略図で
ある。
【図4】本発明の粘着シートの断面図である。
【図5】印刷層を有する本発明の粘着シートの断面図で
ある。
【符号の説明】
1:エスカレータ 2:ハンドレール 3:ハンドレールの緊張装置 4:粘着シート 5:ハンドレールの芯材である金属ワイヤー 6:合成樹脂フィルム 7:粘着剤層 8:剥離紙 9:印刷層 10:接着剤層 a:応力0歪み b:2%伸び応力 c:降伏点

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂フィルムと粘着剤層が積層され
    た粘着シートであって、該合成樹脂フィルムの応力0歪
    みが4%以下であり、2%モジュラスが7MPa以下であって、
    さらに該合成樹脂フィルムが降伏点を有しないことを特
    徴とする乗客コンベアのハンドレール用粘着シート。
  2. 【請求項2】 2枚以上の合成樹脂フィルムが積層され
    た請求項1記載の粘着シート。
  3. 【請求項3】 粘着シートの最表面をが合成樹脂フィル
    ムであり、該合成樹脂フィルムの摩耗指数が1以下であ
    る請求項1又は2記載の粘着シート。
  4. 【請求項4】 前記合成樹脂フィルムの少なくとも一つ
    がポリウレタン樹脂フィルムである請求項1〜3のいずれ
    かに記載の粘着シート。
  5. 【請求項5】 前記合成樹脂フィルムの少なくとも一つ
    が、少なくとも一方の面に印刷が施された請求項1〜4記
    載のいずれかに記載の粘着シート。
  6. 【請求項6】 印刷を施された合成樹脂フィルムが着色
    された請求項5記載の粘着シート。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の粘着シー
    トを長手方向に5〜15%伸ばした状態で、ハンドレールの
    長手方向に貼付することを特徴とする乗客コンベアのハ
    ンドレール用粘着シートの貼付方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかに記載の粘着シー
    トが貼付されたことを特徴とする乗客コンベア用ハンド
    レール。
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