JP4644615B2 - インキ汚れ防止シート - Google Patents
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Description
図6(a)に示す枚葉紙輪転印刷機100は、第1の印刷装置101と第2の印刷装置102と、前記第1と第2の印刷装置の間に配設される反転装置103とを備える。
第1の印刷装置101は、対抗圧胴10を備えており、この対抗圧胴10は、ゴムブランケット胴11とともに対抗圧胴10に搬送される枚葉紙50の上面を印刷するための印刷ギャップ12を形成している。そして対抗圧胴10に設けられたグリッパ10Aによって枚葉紙50の前縁を把持し、当該対抗圧胴10に保持した枚葉紙50印刷ギャップ12を通過させることによって、枚葉紙50の上面を印刷する。
また前記第1の印刷装置101と第2の印刷装置102の間に設けられた反転装置103は、反転ドラム13と、該ドラムの周から突出可能なグリッパ13Aとを備える。
そして枚葉紙輪転印刷機における枚葉紙の反転は、図6(b)に示すように、反転ドラム13の周から突出可能なグリッパ13Aが、対抗圧胴10によって搬送されている枚葉紙50の後縁を把持し、これによって枚葉紙を対抗圧胴10から持ち上げ、反転させ、後縁を前にして第2の印刷装置102に枚葉紙を供給する。
そして、印刷胴表面に櫛型セグメント16が形成されている印刷胴(反転ドラム13など)にインキ汚れ防止シートを取り付ける場合、従来はセグメント歯幅にあわせて細長に形成した短冊状のインキ汚れ防止シート110を、セグメント歯15個々の表面にそれぞれ取り付けていた。(図7(b)を参照)
例えば図8(a)に示すように、印刷胴表面に櫛型セグメントが形成されていない一般的な印刷胴では、印刷胴表面全体をカバーするようにして一枚のインキ汚れ防止シートを取り付ける。そして当該印刷胴に搬送される枚葉紙は、前記インキ汚れ防止シートの中央部分に配置されるため、印刷胴表面が枚葉紙の印刷面(インキ)によってインキ汚れする虞はない。
一方、図8(b)に示すように、印刷胴表面に櫛型セグメントが形成されている印刷胴(反転ドラムなど)では、セグメント歯個々の表面に、セグメント歯幅のインキ汚れ防止シートを取り付ける。そしてセグメント歯幅のインキ汚れ防止シートを取り付けた場合、セグメント歯表面はインキ汚れ防止シートでカバーされてインキ汚れを防止できるが、溝部との境界面であるセグメント歯端部はインキ汚れ防止シートでカバーされずインキ汚れを防止できないといった問題点があった。またセグメント歯表面に取り付けたインキ汚れ防止シートの端面(以後、シート縁という)にもインキ汚れが付着するといった問題点があった。さらに、当該印刷胴に搬送される枚葉紙は、複数のセグメント歯端部にまたがって配置されるため、セグメント歯端部(シート縁を含む)にインキ等の異物が付着していると、次に搬送されてくる枚葉紙(印刷物)にインキ汚れや傷がついたりする二次汚染の虞があった。
またこの発明では、幅方向の曲げ加工を施したことによって、セグメント歯に取り付けたインキ汚れ防止シートが貼付部境界で屈曲するが、シート基材の両端にスリットを設けて貼付部の両側に複数の小片部を形成するように構成したことによって、印刷胴の周面(円周)に沿ってセグメント歯表面に貼付部を貼り合わせた際、貼付部境界での屈曲形状が維持され、貼付部両側の小片部を溝部に落ち込むようにして設けることができる。
この実施例では、セグメント歯幅にあわせて形成した貼付部2の内側にスリットの先端(スリット頂部4a)が入らないよう、シート両側にV字型のスリット4を複数設け、セグメント歯幅の貼付部2の両側に、略台形の小片部3を複数連続して形成した。
この実施例のインキ汚れ防止シート1では、シート幅断面が円弧をなすようにして幅方向に曲げ加工が施されており、シート幅中央から左右両端が下方に向くようにして湾曲している。なお、セグメント歯幅の接着層5をシート裏面中央に設けることによって、セグメント歯幅の貼付部2を形成した。
そしてこの実施例では、シート裏面に設けた接着層5によって貼付部2をセグメント歯表面に貼り合わせ、貼付部2と小片部3とからなるインキ汚れ防止シート1をセグメント歯15に取り付ける。すると、シートに施してある幅方向の曲げ加工によって貼付部境界2Aでシートが屈曲し、貼付部2の左右両側に形成されている小片部3が溝部14に落ち込むようにして取り付けられる。つまりセグメント歯幅の貼付部2によってセグメント歯表面がカバーされるだけでなく、貼付部2の両側に複数連続して形成されている小片部3によってセグメント歯端部もカバーされる。
図1(c)に示すように、印刷胴の周面に沿ってセグメント歯15に取り付けた短冊状のインキ汚れ防止シート1は、シートに施した幅方向の曲げ加工によって、セグメント歯表面に貼り合わせた貼付部2の境界、つまり貼付部境界2Aでシートが屈曲し、セグメント歯表面と溝部との境界面であるセグメント歯端部をカバーするようにして、貼付部2の両側にある複数の小片部3が設けられている。つまり、セグメント歯幅よりも幅広のインキ汚れ防止シート1が貼付部境界2Aで屈曲し、貼付部両側の小片部3が溝部14に落ち込むように設けられることによって、セグメント歯端部がカバーされる。
また、セグメント歯幅よりも幅広のシート基材の両端にスリットを設けて貼付部2の両側に複数の小片部3を形成しておくことによって、印刷胴の周面(円周)に沿ってセグメント歯表面に貼付部を貼り合わせた際、幅方向の曲げ加工による貼付部境界2Aでの屈曲形状が維持され、貼付部両側の小片部を溝部に落ち込むようにして設けることができる。
図2(a)に示すように、まずセグメント歯幅よりも幅広である長方形(細長)のシート基材6を用意し、当該シート基材6のシート裏面の中央に、セグメント歯幅と同等の長方形(細長)の接着層5を設けることによって、セグメント歯幅にあわせて長方形の貼付部2を形成する。なお前記シート基材6のシート表面には、インキ汚れを防止するための加工が施してある。
次に図2(b)に示すように、シート基材6の両側に複数のスリット4を設けることによって、貼付部2の両側に連続する複数の小片部3を形成する。このときスリットの先端(スリット頂部4a)が、セグメント歯幅の貼付部2の内側に入らないようにする。
この実施例では、シート両側にV字型のスリット4を複数設けることによって、貼付部2の両側に略台形の小片部3を複数連続して形成した。
例えば図2(c)に示すように、シート全体をカーブ(円弧状に湾曲)させるように幅方向の曲げ加工を施し、短冊状のインキ汚れ防止シート1を形成する。
また例えば図2(d)に示すように、貼付部境界2Aを下方(裏面側)に折り曲げるように幅方向の曲げ加工を施し、短冊状のインキ汚れ防止シート1´を形成する。
図2(c)(d)に示すように幅方向に曲げ加工を施したインキ汚れ防止シート1,1´をセグメント歯15に取り付けた場合、シート裏面に設けた接着層5によってセグメント歯表面に貼付部2が貼り合わされるとともに、貼付部境界2A(小片部3の付け根)でシートが屈曲し、前記貼付部2の両側に形成された複数の小片部3が溝部14に落ち込むようにして設けられる。(図1(b)を参照)
なお可撓性シートとしては、紙、プラスチックフィルム、好ましくはポリエステルフィルム、繊維織物等が好適に使用できるが、これらの材料以外にも表面平滑性があり可撓性を有するものであれば使用可能である。このうち上述のポリエステルフィルムは、機械的、電気的、化学的、熱的等のあらゆる点において優れた性質を有し、かつ、品質安定性及び平滑性に優れているので、可撓性シートとして最も好ましい。また、繊維織物の場合にはポリエステル平織り等が好ましい。
図3(a)は、従来技術のインキ汚れ防止シートの平面図であり、図3(b)は、図3(a)のインキ汚れ防止シートをセグメント歯に取り付けた印刷胴で枚葉紙を搬送した状態を説明する断面図であり、図3(c)は、図3(a)のインキ汚れ防止シートを取り付けたセグメント歯を説明する断面図である。
図3(a)に示すように、従来技術のインキ汚れ防止シート110は、セグメント歯幅にあわせて形成される。つまりセグメント歯表面に貼り合わされる長方形の貼付部111と、当該シート裏面に設けた接着層112のみからなる。
例えば図3(b)に示すように、溝部14とセグメント歯15とからなる櫛形セグメント16が形成された印刷胴(例えば反転ドラム13)によって搬送される枚葉紙50は、搬送時におこる枚葉紙の撓み、枚葉紙の自重等によって、枚葉紙50が溝部14に落ち込むようにして若干撓むが、従来技術のインキ汚れ防止シート110を取り付けたセグメント歯15では、セグメント歯幅のインキ汚れ防止シート(貼付部111)によってセグメント歯表面はカバーされるが、セグメント歯端部はカバーされない。
そのため、溝部14に落ち込んだ枚葉紙の印刷面(インキ)がセグメント歯端部に接触し、図3(c)に示すように、セグメント歯端部(シート縁を含む)がインキ汚れする虞がある。また前記セグメント歯端部(シート縁を含む)にインキ等の異物が付着すると、次に搬送されてくる枚葉紙(印刷物)にインキ汚れや傷がついたりする二次汚染の虞がある。
図4(a)は、この発明のインキ汚れ防止シートの平面図であり、図4(b)は、図4(a)のインキ汚れ防止シートをセグメント歯に取り付けた印刷胴で枚葉紙を搬送した状態を説明する断面図であり、図4(c)は、図4(a)のインキ汚れ防止シートを取り付けたセグメント歯を説明する断面図である。
図4(a)に示すように、この発明によるインキ汚れ防止シート1は、セグメント歯幅よりも幅広のシート基材6の両端に複数のスリット4を設けるとともに、幅方向に曲げ加工を施して形成され、セグメント歯15に取り付けられたインキ汚れ防止シート1は貼付部境界2Aにおいて屈曲し、セグメント歯幅にあわせて形成される貼付部2と、溝部14に落ち込むようにして設けられる複数の小片部3とからなる。
例えば図4(b)に示すように、溝部14とセグメント歯15とからなる櫛形セグメント16が形成された印刷胴(例えば反転ドラム13)によって搬送される枚葉紙50は、搬送時におこる枚葉紙の撓み、枚葉紙の自重等によって、枚葉紙50が溝部14に落ち込むようにして若干撓むが、この発明のインキ汚れ防止シート1を取り付けたセグメント歯15では、セグメント歯幅の貼付部2によってセグメント歯表面がカバーされるとともに、前記貼付部2の両側に形成されている小片部3によってセグメント歯端部もカバーされる。また、溝部14に落ち込むようにして設けられている複数の小片部3によって、溝部14で撓む枚葉紙50が支持され、前記枚葉紙50の溝部14への落ち込み(撓み)が抑制される。
そのため、溝部14に落ち込んだ枚葉紙の印刷面(インキ)がセグメント歯表面やセグメント歯端部に接触する虞がなく、図4(c)に示すように、セグメント歯表面だけでなくセグメント歯端部もインキ汚れする虞がない。
図5(a)に示す実施例は、セグメント歯幅よりも幅広のシート基材6の両側にスリットを設け、セグメント歯幅の貼付部2の両側に複数の小片部を形成するにあたって、半円形の小片部3´が形成されるようスリット4´を形成したものである。
図5(b)に示す実施例は、セグメント歯幅よりも幅広のシート基材6の両側にスリットを設け、セグメント歯幅の貼付部2の両側に複数の小片部を形成するにあたって、ライン状のスリット4´´複数を設けることによって複数の小片部3´´を形成したものである。
何れの実施例でも、セグメント歯幅よりも幅広のシート基材6に対して、セグメント歯幅にあわせて形成される長方形の貼付部2の内側にスリットの先端(スリット頂部4a)が入らないようスリット4´,4´´を形成し、セグメント歯幅の貼付部2の両側に複数の小片部3´,3´´を形成するとともに、当該シートに幅方向の曲げ加工を施してインキ汚れ防止シートを形成する。
シートに施した幅方向の曲げ加工によって、セグメント歯表面に貼付部2を貼り合わせると、貼付部境界2Aでシートが屈曲するが、シート基材6の両側にスリットを設けて貼付部2の両側に複数の小片部3を形成しておくことによって、シート幅方向に曲げ加工を施したインキ汚れ防止シート1を印刷胴の周面(円周面)に沿ってセグメント歯15に取り付けた際、前記曲げ加工によるシートの屈曲形状(貼付部境界での屈曲)を維持することができ、小片部を溝部に落ち込ませるようにして短冊状のインキ汚れ防止シートを取り付けることができる。
2 貼付部
2A 貼付部境界
3 小片部
4 スリット
4a スリット頂部
5 接着層
6 シート基材
14 溝部
15 セグメント歯
16 櫛型セグメント
50 枚葉紙
Claims (3)
- 印刷胴の周面に沿って溝部(14)が形成された櫛型セグメント(16)のセグメント歯(15)に取り付けられる短冊状のインキ汚れ防止シートにおいて、セグメント歯幅よりも幅広のシート1基材(6)の両側に複数のスリット(4)を設けるとともに、幅方向に曲げ加工を施して形成したインキ汚れ防止シート(1)であって、
セグメント歯幅にあわせて形成される長方形の貼付部(2)と、前記貼付部の両側に連続して形成される複数の小片部(3)とからなり、
セグメント歯表面に貼付部(2)を貼り合わせたとき、貼付部境界(2A)においてシートが屈曲し、小片部(3)が溝部(14)に落ち込むようにして取り付けられることを特徴とするインキ汚れ防止シート。 - V字型のスリット(4)を設けたことを特徴とする請求項1に記載のインキ汚れ防止シート。
- 貼付部(2)の裏面のみに接着層(5)が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のインキ汚れ防止シート。
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