JP2014085640A - フロアマーキング用シート、及び、フレキシブル電飾フロアマット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 可撓性を有する樹脂からなる導光シートを備え、その内部を光が導光する導光層、及び、情報が描画されたデザイン層を備えたこと特徴とするフロアマーキング用シート。
【選択図】 図1
Description
また、特許文献2に記載された面発光用導光板は、アクリル板を使用しているため、その形状を変形させることができず、例えば、床面が、若干の曲面や凹凸を有しているだけで、設置時にガタツキが発生することとなり、更には、局部的に応力がかかりやすくなることで、使用時にアクリル板が割れてしまうとの問題があった。
ここで、上記ポリウレタンとしては、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール及びポリカーボネートポリオールから選択される少なくとも1種のポリオール成分、脂肪族ポリイソシアネート成分及び硬化剤を非アミン系触媒の存在下で熱硬化させてなる熱硬化性ポリウレタンが好ましい。
また、上記フロアマーキング用シートは、最外層に透明な表面保護層を備えることが好ましい。
本発明のフロアマーキング用シートは、可撓性を有する樹脂からなる導光シートを備え、その内部を光が導光する導光層、及び、情報が描画されたデザイン層を備えたこと特徴とし、本発明のフレキシブル電飾フロアマットは、本発明のフロアマーキング用シートと、このフロアマーキング用シートが備える導光層に光を導入するための光源とを備えたことを特徴とする。
図1(a)は、本発明のフロアマーキング用シートを備えたフレキシブル電飾フロアマットの一例を模式的に示す斜視図であり、(b)は、(a)のA−A線断面図である。
なお、本明細書においては、各部材の説明において、床面側を裏面、その反対側をおもて面と称する。
ここで、ゴムシート13は、フレキシブル電飾フロアマット101を床面に安定的に設置するための役割を果たしており、床面の形状に追従することができるとともに、使用時にフレキシブル電飾フロアマット101が移動してしまうことを防止することができる。
デザイン層12には所定の情報が描画されており、このような情報を表示する役割を有する。
粘着剤層15a〜15cは、ゴムシート13、導光層11、デザイン層12及び表面保護層14のそれぞれを所定の位置に固定する役割を有する。ここで、粘着剤層15b、15cは光が透過することとなるため透明である必要があり、一方、粘着剤層15aは透明であってもよいし、非透明であってもよい。
枠部材102は、フロアマーキング用シート100の外縁を保護する役割を有するともに、光源103を所定の位置に設置する役割を有している。
また、枠部材102は、その外周方向に向かって傾斜した斜面を有しており、このような形状とすることで、使用時にフレキシブル電飾フロアマットに引っかかったり、躓いたりすることを防止している。
また、このようなフレキシブル電飾フロアマット101は、全体が可撓性を有するように構成されているため、床面に対する追従性に優れ、さらに、折り曲げたり、ロール状にしたりして取り扱うことでできるためハンドリング性に優れる。
以下、本発明のフロアマーキング用シートの他の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の他の実施形態の説明では、各フロアマーキング用シートの相違点(特に、フロアマーキング用シート100との相違点)を中心に説明し、同一の構成を有する箇所については詳細な説明を省略する。
図2〜11は、それぞれ本発明のフロアマーキング用シートの他の実施形態の一例を模式的に示す断面図である。なお、図2〜11において、図1に示したフロアマーキング用シートの構成部材と同様の構成部材には同一の符号を付している。
図2に示すように、フロアマーキング用シート110では、デザイン層12がインク受容層12cと、このインク受容層12cのおもて面に形成された印刷層12aとからなる。
また、インク受容層12cは、導光層11のおもて面側に粘着剤層を介さずに直接積層されている。
このような構成のフロアマーキング用シートでは、導光層に直接デザイン層を形成されているため、製造作業の効率化を図ることができる。一方、導光シートの再利用には不利である。
図3に示すように、フロアマーキング用シート120では、デザイン層12が印刷層12aのみで構成されている。即ち、フロアマーキング用シート120では、導光層11のおもて面に直接印刷層12aが形成されている。
このような構成のフロアマーキング用シートでは、導光層上にデザイン層として印刷層のみが形成されているため、より製造作業の効率化を図ることができる。一方、導光シートの再利用には不利である。
図4に示すように、フロアマーキング用シート130では、表面保護層14が粘着剤層を介すことなく、デザイン層12のおもて面側に直接形成されている。
このような表面保護層14は、例えば、コーティング用透明樹脂組成物を塗布し、乾燥及び/又は硬化させることにより形成することができる。
このような構成のフロアマーキング用シートでは、ラミネーター機を用いて樹脂フィルムを積層することで表面保護層を形成する場合に比べて、手作業等により容易に、かつ、薄層化された表面保護層を形成することができる。
なお、図2、3に示した実施形態のフロアマーキング用シート120、130においても、表面保護層は粘着剤層を介すことなく、デザイン層のおもて面側に直接形成されていてもよい。
図5に示すように、フロアマーキング用シート140では、フロアマーキング用シート140の最外層側に表面保護層14が形成されていない。
本発明に係るフロアマーキング用シートにおいては、表面保護層は必ずしも形成されている必要はなく、その設置箇所の環境等によっては、デザイン層12が最外層(おもて面側)に露出していてもよい。
このような構成のフロアマーキング用シートでは、フロアマーキング用シートを厚さが薄く、かつ、軽量なものとすることができ、そのためハンドリング性(取り扱い性)がより良好となるとともに、製造コストを低減することができる。
図6に示すように、フロアマーキング用シート150では、床面(図示せず)側から順に、ゴムシート13、反射シート16、印刷用フィルム12bとその裏面側に形成された印刷層12aとからなるデザイン層12、導光シート11aのみで構成された導光層11、半反射層17、及び、表面保護層14がこの順で積層されている。
そして、ゴムシート13と反射シート16、反射シート16とデザイン層12、デザイン層12と導光層11とは、それぞれ粘着剤層15a〜15cを介して積層されている。
また、フロアマーキング用シート150において、導光シート11aのおもて面側に積層されている半反射層17は、導光層11側から到達した光のうち、一部を反射し、一部を透過する機能を有しており、これによりデザイン層12に描画された情報が鮮明に視認されることとなる。
このような構成のフロアマーキング用シートでは、導光層11の裏面側にデザイン層12が配置されているため、フロアマーキング用シート100とはデザイン層の見え方の異なるフロアマーキング用シートを提供することができる。
図7に示すフロアマーキング用シート160は、最外層側に表面保護層14が形成されていない点で、フロアマーキング用シート150と相違する。
このように、本発明に係るフロアマーキング用シートにおいては、表面保護層は必ずしも形成されている必要はなく、その設置箇所の環境等によっては、半反射層17が最外層(おもて面側)に露出していてもよい。
図8に示すフロアマーキング用シート170は、表面保護層14及び半反射層17が最外層側に形成されていない点でフロアマーキング用シート150と相違する。
このように、本発明に係るフロアマーキング用シートにおいては、表面保護層及び半反射層は必ずしも形成されている必要はなく、その設置箇所の環境等によっては、導光層が最外層(おもて面側)に露出していてもよい。
このような構成のフロアマーキング用シートでは、導光シートが表面保護層としての役割も合わせて果たすことができるため、フロアマーキング用シートの軽量化を図ることができ、フロアマーキング用シート自体の柔軟性やハンドリング性をより良好なものとすることができる。
図9に示すフロアマーキング用シート180は、デザイン層12の構成において、印刷層12aが印刷用フィルム12bのおもて面側に形成されている点で、フロアマーキング用シート150と相違する。
また、図10に示すフロアマーキング用シート190は、デザイン層12の構成において、印刷層12aが印刷用フィルム12bのおもて面側及び裏面側の両方に形成されている点でフロアマーキング用シート150と相違する。
フロアマーキング用シートにおいて、デザイン層12の構成をこのような構成とすることにより、描画された情報にフロアマーキング用シート150とは異なる奥行き感や立体感を付与することができる。
図11に示すように、フロアマーキング用シート200では、最下層(床面と接する層)にゴムシートが設けられていない。
このように、本発明に係るフロアマーキング用シートにおいては、ゴムシートは必ずしも設ける必要はない。
特に、フロアマーキング用シート200のように最下層が導光層で構成されている場合には、導光層が可撓性を有しているため、ゴムシートを備えていなくても、床面に対する追従性を充分に確保することができる。
また、フロアマーキング用シート200の場合、導光シート11aに形成される反射層11bは、後述する反射層のうち、V溝カッターやレーザ微細加工装置、ウォータージェット装置を用いて形成された凹凸形状からなる反射層や、切削加工・電鋳加工により凹凸面を形成した金型を用いて形成された凹凸形状からなる反射層であることが好ましい。導光シートが可撓性を有する樹脂からなるため、床面追従性を確保するのに適しているからである。
更に、本発明のフロアマーキング用シートの実施形態では、フロアマーキング用シート200において、更に反射層11b、拡散層11cを形成しなくてもよい。
具体的には、例えば、フロアマーキング用シート110〜190において、ゴムシート13が形成されていなかったり、フロアマーキング用シート100において、フロアマーキング用シート190や200のようなデザイン層12を備えていたり、フロアマーキング用シート150において、フロアマーキング用シート110や120のようなデザイン層12を備えていたり、フロアマーキング用シート100〜140において、導体層12に拡散層11c及び/又は反射層11bが形成されていなかったりしても良い。
本発明のフレキシブル電飾フロアマットの実施形態は、図1に示した実施形態に限定されず、例えば、図12に示したような実施形態であってもよい。
図12は、本発明のフロアマーキング用シートを備えたフレキシブル電飾フロアマットの別の一例を模式的に示す断面図である。
図12に示す通り、フレキシブル電飾フロアマット201を構成する枠部材202は、フロアマーキング用シート200の外周のみならず、底部も覆う形状を備えた枠部材である。
即ち、枠部材202は、フロアマーキング用シート200を収納するための有底孔形状の凹部を備えたものであり、この凹部にフロアマーキング用シートを収納することにより、フレキシブル電飾フロアマットとすることができる。
なお、枠部材202をまた、その内部に、導光層11に光を導入できるように配設された光源203を備えている。
なお、図12に示した形状の枠部材を備えたフレキシブル電飾フロアマットに収納するフロアマーキング用シートは、その最下層にゴムシートを備えている必要はない。枠部材の底面が床面と接することとなるからである。
上記導光層は、可撓性を有する透明樹脂からなる導光シートを備え、必要に応じて、その表面に拡散層や反射層が形成されている。
上記導光シートの材質は、可撓性を有する透明樹脂であれば特に限定されず、例えば、熱硬化性又は熱可塑性のポリウレタン、シリコーンゴム等が挙げられる。
これらのなかではポリウレタンが好ましく、熱硬化性ポリウレタンがより好ましい。熱可塑性ポリウレタンからなる場合に比べて、歪みが小さく透明性に優れるからである。
ここで、可撓性を有するとは、後述するJIS A硬さが99°以下であることをいう。
初期から長期間に渡って光源色再現性に優れるとともに、効率良く均一に発光させることができることとなるからである。
即ち、ポリオール成分がポリエーテルポリオールである場合には、熱硬化性ポリウレタンが、耐水性(耐加水分解性)、柔軟性及び耐微生物分解性に優れるとともに、永久歪みが小さくなるとの効果を奏する。
また、ポリオール成分がポリカプロラクトンポリオールである場合には、熱硬化性ポリウレタンが、高強度で引裂強度、耐磨耗性に優れるとともに縮合エステル系ポリオールに比して耐加水分解性に優れるとの効果を奏する。
また、ポリオール成分がポリカーボネートポリオールである場合には、熱硬化性ポリウレタンが、耐水性(耐加水分解性)、耐侯性及び耐熱性に優れるとの効果を奏する。
従って、本発明においては、導光層に要求される特性に応じて、ポリオール成分をポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール及びポリカーボネートポリオールを1種又は2種以上選択すれば良い。
なお、ウレタンの材料成分であるポリオール成分としては、縮合エステル性系のポリエステルポリオールも知られているが、上記縮合エステル性系のポリエステルポリオールをポリオール成分とした場合は、熱硬化性ポリウレタンが触媒残査の影響等により着色しやすく、また耐水性に劣るため長期に渡って安定した性能を維持することが困難になる場合がある。
その理由は、数平均分子量が200未満では反応が速すぎて成形が困難になったり、成形物が柔軟性を失うとともに脆くなったりすることがある。一方、10000を超える場合には粘度が高くなりすぎて成形が困難になったり、成形物が結晶化して白濁したりするなどの不具合を生じることがある。
イソシアネート成分が脂肪族ポリイソシアネートであることにより、初期状態から光源色再現性を優れたものとすることができるからである。
また、イソシアネート成分が脂肪族ポリイソシアネートであると、光源が発する光や熱、及び、太陽光線等の外部から光や熱により、熱硬化性ポリウレタンが変色し、光源色再現性が低下や、出光面の輝度が低下したりする等の不具合が生じることがなく、長期間に渡って優れた光源色再現性を維持することができる。
一方、イソシアネート成分が脂肪族ポリイソシアネート以外のイソシアネート成分である場合には、上述した不具合が発生する場合がある。
これらは単独で用いても良いし、2種以上併用してもよい。
上記非アミン系触媒としては、例えば、ジラウリル酸ジ−n−ブチル錫、ジラウリル酸ジメチル錫、ジブチル錫オキシド、オクタン錫等の有機錫化合物、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、カルボン酸錫塩、カルボン酸ビスマス塩等が挙げられる。
そして、上記非アミン系触媒を使用することにより、上記導光シートは、初期状態(製造直後)から光源色再現性に優れるともに、長期間に渡ってこの優れた再現性を維持することができ、さらに長期間に渡って変色することもない。
一方、触媒としてアミン系触媒を使用して得た熱硬化性ポリウレタンでは、白色光を入射した際に出射光が黄色くなる傾向にあり、また、経時的に外観が着色していくとともに、入射光に対する再現性も低下するとの不具合が生じる。
0.0005重量%未満では、十分に反応速度を高めることができないため、効率よく成形体(導光シート)を得ることができない場合があり、一方、3重量%を超えると、反応速度が速すぎるため、均一な厚みの成形体を得ることができなくなったり、成形体の耐熱性や耐候性が低下したり、さらには光透過率が低下したり、成形体が着色したりするなどの不具合を生じる場合がある。
上記プレポリマー法では、ポリオールと化学量論的に過剰量のポリイソシアネートとを反応させて末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを予め調製しておき、ここに所定量の硬化剤を混合して、プレポリマーを硬化させることにより熱硬化性ポリウレタンの成形体を作製すればよい。
また、上記擬プレポリマー法では、ポリオールの一部を予め硬化剤に混合しておき、残りのポリオールとポリイソシアネートによりプレポリマーの調製を行い、ここに上記ポリオールと硬化剤との混合物を混合して硬化させることにより熱硬化性ポリウレタンの成形体を作製すればよい。
なお、具体的な熱硬化性ポリウレタンの成形方法については後述する。
従って、上記熱硬化性ポリウレタンは、例えば、アクリル変性ポリウレタンを除く熱硬化性ポリウレタンが好ましい。
アクリル骨格を有する熱硬化性ポリウレタンでは、ポリウレタンの柔軟性が損なわれるとともに耐摩耗性や引裂強度などの力学的強度が低下することがあり、更には、アクリル骨格又はアクリル骨格を導入するために使用した触媒の残査により、導光シートから出射する光が着色(例えば、黄色)する場合があるからである。
上記粒子としては、光を拡散させることができるもの(熱硬化性ポリウレタン等の導光シートを構成する樹脂と屈折率が異なるもの)であれば特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート等の透明な樹脂からなる粒子、透明なガラスからなるガラス粒子等の透明粒子や、アルミナ、シリカ、炭酸カルシウム、酸化チタン、チタン酸バリウム等からなる不透明の無機粒子、マイカ、金属酸化物等が挙げられる。これらは単独で用いてよいし、2種以上併用してもよい。
ここで、上記粒子は、導光シート内に均一に分散していてもよいし、例えば、発光面側(おもて面側)に偏在していてもよい。
これにより、導光シート全体として高い光透過性を確保することができる。
一方、上記光透過率が85%未満では、光の取出し効率が低くなり、フレキシブル電飾フロアマットとして場合に発光面の輝度が低下する場合がある。
このような特性を満足する場合もまた、発光面の輝度を高輝度とするとともに、光源色の再現性に優れるからである。
なお、本発明において、導光シートの光透過率とは、表面が鏡面状で、厚さが3mmの測定試料の光透過率をいう。
一方、上記JIS−A硬さの好ましい下限は、30°である。上記JIS−A硬さが30°未満では、局部的に圧力が掛かることで凹みが生じやすくなり、導光シートがゴムシートやデザイン層等から部分的に剥離したり、破れたりしやすくなる
また、上記導光シートの厚み精度は、0.1mm以下が好ましく、0.05mm以下がより好ましい。
ここで、上記導光シートの表面を鏡面状とするためには、例えば、後述する第1〜第3の製造方法により導光シートを製造すればよい。
第1の導光シートの製造方法(以下、単に第1の製造方法ともいう)は、回転可能な円筒形状の金型の内側にシリコーンゴム層を形成した後、上記金型内に、少なくともポリオール成分及びイソシアネート成分(又は、これらからなるウレタンプレポリマー)、硬化剤、並びに、非アミン系触媒を含有する材料組成物を流し込み、上記金型を加熱しつつ回転させて上記材料組成物を熱硬化させる方法である。
図14は、第1の製造方法により遠心成形を行っている場合の金型の一部(図13におけるC部に該当)を模式的に示した断面図である。
また、第1の製造方法では、有機溶媒が添加されていない無溶媒の2成分液状シリコーンゴムを用いるので、作業者の健康を害することなく、作業環境の衛生を良好に保つことができる。
具体的には、既に説明した、ポリオール成分及びイソシアネート成分(又は、これらからなるウレタンプレポリマー)、硬化剤、並びに、非アミン系触媒を含有する材料組成物を流し込み、硬化させれば良い。
また、第1の製造方法では、成形金型の振れ精度が良好になるように、金型を精密に加工しなくても、無溶媒2成分液状シリコーンゴムを金型に流し込むと、上記2成分液状シリコーンゴムは、金型421の振れを吸収したかたちで硬化し、内側の空気側面428aが鏡面状で、しかも高い振れ精度を有するシリコーンゴム層428が形成される。そのため、第1の製造方法では、導光シートの厚み精度を少なくとも0.1mm以下と極めて高精度にすることができる。
なお、金型から取り出した後は、後硬化を行ってもよい。
切断面を極めて平滑にすることができ、この切断面を光の入射面としても、入射時のロスを小さく抑えることができるからである。また、研磨処理も不要となる。
第2の導光シートの製造方法(単に、第2の製造方法ともいう)は、少なくともポリオール成分及びイソシアネート成分(又は、これらからなるウレタンプレポリマー)、硬化剤、並びに、非アミン系触媒を含有する材料組成物を注型機を介して、離間して配置された一対のロールにより連続的に送り出される間隔維持部材の間隙に流し込み、その間隙に上記材料組成物を保持した上記間隙維持部材を加熱装置に導入し、上記材料組成物を上記間隙維持部材で保持した状態で熱硬化させる方法である。
図15に示すように、第2の製造方法では、材料組成物430aを注型機431を介して、離間して配置された一対の加熱ロール433a、433bに引き込まれ、連続的に送り出されるポリエチレンテレフタレートシート(PETシート)432a、432bの間隙に流し込み、その間隙に材料組成物430aを保持したPETシート432a、432bを加熱装置436内に導入し、材料組成物430aをPETシート432a、432bで保持した状態で熱硬化させ、熱硬化性ポリウレタンのシート状物430を成形する。
また、PETシート432a、432bは間隙維持部材としての機能を有し、その間隙を一定の厚さに維持することができる。これにより、PETシート432a、432bに挟まれて保持される材料組成物430aは一定の厚さを維持した状態で硬化することとなるため、厚み精度に優れた熱硬化性ポリウレタンのシート状物を製造することができ、その厚み精度を0.1mm以下にすることができる。
また、ヘッド部431aの先端部と、加熱ロールの表面との距離(加熱ロールの表面の最も近い部分との距離)は、3cm以下であることが好ましい。
このような位置に、ヘッド部431aを配設することにより、熱硬化性ポリウレタンのシート状物の厚み精度がより向上するとともに、気泡が混入しにくく、かつ混入した気泡が抜けやすくなるからである。
この場合、材料組成物430aは、PETシート432a、432bの間隙に保持された直後から硬化し始めることとなるため、加熱装置436内に導入されるまで厚さがより均一に維持されることとなり、より厚み精度に優れる熱硬化性ポリウレタンのシート状物を製造することができるからである。
ここで、加熱ロール433a、433bの搬送面温度は、10〜60℃に設定することが好ましい。
10℃未満では、材料組成物の粘度が高くなって泡が抜けにくくなるとともに、硬化反応が遅くなって成形物の厚み精度が低下する場合があり、一方、60℃を超えると、加熱ロール上で材料組成物が硬化してしまったり、成形物に気泡が入ったりする場合がある。
また、加熱装置436内での加熱条件(硬化条件)は特に限定されず、材料組成物の組成に応じて適宜設定すれば良く、例えば、温度:40℃〜160℃、時間:10〜180分の
条件で行えば良い。
但し、上記間隙維持部材は、その材料組成物430aと接する部分に、離型処理等の表面処理が施されていないことが好ましく、そのため、成形した熱硬化性ポリウレタンのシート状物の剥離性に優れることから、PETシートが好ましい。
なお、離型処理等が施されていないことが望ましい理由は、作製した熱硬化性ポリウレタンからなる導光シートの表面に離型剤が付着し、光学特性が低下することを回避するためであり、処理剤が導光シートに付着するおそれがないような表面処理であれば施されていてもよい。
また、上記間隙維持部材は、連続的に繰り返し使用可能な無端ベルト状であってもよい。
なお、上記間隙維持部材の材質は、上記硬化条件に応じて選択する必要があり、例えば、160℃付近の高温条件で硬化させる場合は、上記間隙維持部材としては、スチールベルト等の金属製の間隙維持部材を選択することが好ましい。
なお、間隙維持部材から剥離した後は、後硬化を行ってもよい。
第3の導光シートの製造方法(単に、第3の製造方法ともいう)は、少なくともポリオール成分及びイソシアネート成分(又は、これらからなるウレタンプレポリマー)、硬化剤、並びに、非アミン系触媒を含有する材料組成物を、外周面の全周に渡って彫り込まれた溝部を備え、加熱されながら回転している成形ドラムの上記溝部に吐出し、上記溝部と上記溝部を覆って上記成形ドラムに従動して回走するエンドレスベルトとにより構成される空間部に上記材料組成物を充填した状態で熱硬化させる方法である。
このとき、成形ドラム450は、回転軸453を中心に所定の速度で反時計方向に回転しており、成形ドラム450の周速と成形用溝451の深さ及び幅に対応する必要量の材料組成物がヘッド部441aを介して連続的に注入される。
また、予熱ロール456は、成形ドラム450に対し接近・離間可能に構成され、成形ドラム450の外周面とエンドレスベルト454の接触開始点、つまり材料組成物の加熱開始位置を調整できるように構成されている。そのため、原料組成物の反応性のばらつきに対応して、成形ドラム450の周速を変化させずにa点〜b点間の加熱時間を微調整することができる。
また、予熱ロール456は、100〜150℃に加熱されていることが好ましい。
その後、熱硬化性ポリウレタン440を所定のサイズに裁断することで導光シートとすることができる。なお、熱硬化性ポリウレタン440を裁断する前後において、必要に応じて、後硬化を行ってもよい。
裁断する方法としては特に限定されず、第1の製造方法と同様の方法を用いることができる。
なお、第3の製造方法で使用する製造装置の例としては、例えば、特開平9−141761号公報に開示された製造装置と同様の構成を備えた装置等を使用することができる。
このような第1〜第3のいずれかの製造方法を用いることで、導光シートを好適に製造することができる。
上記反射層は、例えば、上記導光シートの裏面に直接形成されていれば良い。
上記反射層は、上述した通り、導光シート内を導光する光を散乱させたり、導光シートとの界面で、導光シートから漏れる光を反射させたりする機能を有する。
この反射層は、上記機能を有するものであればその形状等は特に限定されず、例えば、導光シートの裏面に散点的に(ドット状に)形成されていてもよく、格子状に形成されていてもよい。
このとき、上記反射パターンは、導光シートの側面側(光源に近接する側)から中央側(側面から遠い箇所)にかけて傾斜的にその形成密度が高くなるよう形成されていることが好ましい。発光面から出射する光が面全体で均一になりやすいからである。
具体的には、例えば、酸化チタンや沈降性硫酸バリウム等を含有する白色塗料をドットパターン状にスクリーン印刷して形成することが可能である。また、その他、グラビア印刷による方法、インクジェットやディスペンサーを用いた描画法によりパターニングする方法によって形成することもできる。
更には、V溝カッターやレーザ微細加工装置やウォータージェット装置を用いて導光シート3の裏面に凹凸形状からなる反射層を形成する方法や、切削加工・電鋳加工により凹凸面を形成した金型を用いて凹凸形状からなる反射層を形成する方法も採用することができる。また、光造形により導光シートの裏面に硬化樹脂(熱硬化性ポリウレタン)からなる反射層を積層形成することも可能である。
上記反射シートは、可撓性を有する薄板状のシートであり、導光シートの裏面側から出射してきた光を導光シート側に反射させる光学的機能を奏するシートである。
上記光反射シートとしては、例えば、白色ポリプロピレン(PP)、発砲ポリエチレンテレフタレート(PET)や発泡ポリカーボネート(PC)等を形成したシートや、銀等の金属を蒸着したフィルムや薄板の金属板等からなるもの等を用いることができる。
上記拡散層は、例えば、別途作製した拡散シートを導光シートに貼り付けることで形成すれば良い。このとき、拡散シートは、必要に応じて粘着剤を使用して貼り付ければ良い。また、上記拡散シートは、導光シートに対して密着させてもよいし、隙間(空気層)を介して貼り付けてもよい。
上記拡散シートは、可撓性を有する薄板状のシートであり、導光シートの発光面(おもて面)から出射した光を、透過する際に拡散する光学的機能を有する。
上記光拡散シートとしては従来公知の光拡散シートを用いることができ、十分な可撓性及び光拡散性を有するものであれば材質等は特に限定されず、従来公知の光拡散シートを用いることができ、例えば、光拡散剤が均一かつ密にコートされた樹脂製の光拡散シートが好適に用いられる。
上記光拡散シートの厚さは特に限定されないが、通常、0.020〜0.265mm程度である。
本発明のフロアマーキング用シートは、情報が描画されたデザイン層を備えている。
上記デザイン層は、印刷用フィルム、印刷層及びインク受容層等が適宜組み合わせて構成された層である。
具体的には、例えば、塩化ビニル系樹脂と可塑剤とを含有する塩化ビニル樹脂組成物からフィルムや、ポリエステルフィルム、ポリウレタンフィルム等が挙げられる。
上記共重合可能な他の単量体としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル、エチレン、プロピレン、スチレン等のオレフイン、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸エステル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジエチル等のマレイン酸ジエステル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジエチル等のフマル酸ジエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、本発明において、塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、JIS K−6721「塩化ビニル樹脂試験方法」に準拠して測定した平均重合度を意味する。
上記可塑剤の含有量は、20〜30重量部がより好ましい。
特に、安定剤や紫外線吸収材を含有することが好ましい。耐候性等の性能を向上させることができるからである。
また、上記安定剤としては、エポキシ系安定剤、バリウム系安定剤、カルシウム系安定剤、スズ系安定剤、亜鉛系安定剤;カルシウム−亜鉛系(Ca−Zn系)、バリウム−亜鉛系(Ba−Zn系)等の複合安定剤も使用することができる。
上記安定剤のなかでも、Ba−Zn系複合安定剤を使用することが好ましい。
また、上記紫外線吸収材を含有する場合、その含有量は、上記塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、0.3〜2.0重量部が好ましい。0.3重量部未満では、あまり効果がなく、一方、2.0重量部を超えると、印刷用フィルムの表面にブリードするおそれがあるからである。
40μm未満では、インクの吸収力が不充分となり、印刷時の発色性(描画した情報の鮮明性)が低下する場合があり、かつ、印刷用フィルムが柔軟になり過ぎて取り扱い性に劣ることがある。更には、耐候性にも劣ることとなる。一方、130μmを超えると、印刷用フィルムの柔軟性が低下することがある。
この場合、上記印刷用フィルムの具体例としては、例えば、ポリプロピレン等からなる合成紙等が挙げられる。
上記顔料としては、カーボンブラック(ブラック)、銅フタロシアニン(シアン)、ジメチルキナクリドン(マゼンタ)、ピグメント・イエロー(イエロー)、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、ニッケル化合物等が挙げられるが、既に、種々の顔料が知られており、上記に限定されるものではない。
このような溶剤系インクの具体例としては、例えば、SS21インク、ES3インク(共にMimaki社製)、Eco Sol MAX(Roland社製)等が挙げられる。
また、上記水性インクとしては、例えば、従来公知の水性インクを使用することができる。
上記インク受容層の具体例としては、例えば、ポリエチレンオキサイドをポリオール成分とするウレタン樹脂等の吸水性樹脂100重量部に、多孔質炭酸カルシウム、ウィスカー状炭酸カルシウム、水膨潤性雲母、タルク、及びゼオライトの群より選ばれた少なくとも1種の吸水剤が50〜500重量部配合された組成物を用いて形成されたインク受容層や、ポリエチレンオキサイドをポリオール成分とするウレタン樹脂等の吸水性樹脂100重量部に、架橋構造のポリ−N−ビニルアセトアミドが30〜500重量部配合された組成物を用いて形成されたインク受容層、ポリカーボネートポリオールと脂肪族イソシアネート化合物とを反応させてなるポリウレタン樹脂エマルジョンと、アセトアセチル化ビニルアルコールと、炭酸カルシウム及びシリカの一種以上とが配合されたポリウレタン樹脂組成物を用いて形成されたインク受容層等が挙げられる。
上記インク受容層の厚さは特に限定されないが、0.005〜0.1mmが好ましい。
0.005mm未満では、インク吸収性能に劣ることがあり、0.1mmを超えると、インクの吸収性に向上が見られない一方、インク受容層が破損しやすくなる。
本発明のフロアマーキング用シートは、上述した通りゴムシートを備えていてもよく、このゴムシートは、フレキシブル電飾フロアマットを床面に安定的に設置するための役割を果たしており、床面の形状に追従することができるとともに、使用時にフレキシブル電飾フロアマットが移動してしまうことを防止することができる。
一般に加硫ゴムシートは可塑剤やオイルを多量に含有しているため、これらが滲出し塗装床やプラスチックタイル(Pタイル)の床面に付着し、これらを変質させたり、汚染したりする場合がある。塗装床には、通常ウレタン系塗料やアクリル系塗料が使用されており、また、Pタイルの材質としては塩化ビニル樹脂が一般的である。即ち、これらの塗装床やPタイルの床材の材質は高極性の有機高分子材料である。
従って、加硫ゴムシート中に高極性の可塑剤などの液体成分が存在すると、滲出したこれらの液体成分が移行することによって膨潤が発生し、汚れや強度低下、剥離、ひび割れなどのトラブルを誘発する原因となる。
これらの点からも、上記ゴムシートは、エチレン−プロピレンゴム組成物からなる加硫ゴムシートであることが好ましい。
また、専門の業者でなくとも施工することができるため、使用中の一時的な撤去や施工場所の修正を容易に行うことができる。
上記充填剤としては、通常のゴムの配合に使用されるものを用いることができ、具体例としては、例えば、種々のカーボンブラック、重質炭酸カルシウム、タルク等が挙げられる。
これらの充填剤は、ゴムシートとしての比重の実現性、充填剤の添加量を高めても加硫ゴムシートのしなやかさが損なわれない点、コストパフォーマンスの観点から好適である。
上記可塑剤としては、EPDMの可塑剤として通常使用されるものを使用することができ、特にパラフィンオイルが好ましい。
また、上記充填剤及び上記可塑剤ともに複数種類を組み合わせて使用しても良い。
上記可塑剤の配合量は、エチレン−プロピレンゴム100重量部に対して、20〜50重量部であることが好ましい。可塑剤の配合量が20重量部未満では、上記加硫ゴムシートが硬くなり、床面追従性に劣り、床面に密着しにくくなることがあり、一方、50重量部を超えると、可塑剤の種類によっては温度の急激な変化で上記加硫ゴムシートから可塑剤がブリード(滲出)するおそれがある。
加えて、凹凸を設けることによって見かけの体積(厚さ×面積)あたりの重量を削減することができるので軽量化を図ることができ、施工時の作業者の負担を軽減することもできる。
即ち、エチレン−プロピレンゴム(EPDM)100重量部に対して、充填剤50〜100重量部と可塑剤20〜50重量部とを配合し、比重が1.2〜1.4になるように調整したEPDM組成物の生地を、ロータリープレスにて連続加硫してシート状に成形することで作製することができる。
また、上記エチレン−プロピレンゴム組成物からなる加硫ゴムシートとしては、市販品も使用することができ、その具体例としては、例えば、バンドーシートCDE(バンドー化学社製)等が挙げられる。なお、このバンドーシートCDEは、その片面にクロロプレンゴム(CR)組成物を含有する接着剤が塗布して形成された接着剤層が設けられている。
0.5mm未満では、ゴムシートとしての役割を充分に果たすことができず、使用時にフロアマーキング用シートのずれや、捲れ等が発生しやすくなる。一方、5mmを超えると、床面追従性が低下することがあり、更に、ロール状態としにくく、重量も増加するためハンドリング性が低下することがある。
本発明のフロアマーキング用シートは、上述した通り透明な表面保護層を備えていてもよい。上記表面保護層を設けることにより、フロアマーキング用シート(フレキシブル電飾フロアマット)の表面を保護し、上記デザイン層や導光層等を汚れや傷から守るとともに、これらの層の耐久性を向上させることができる。
ここで、表面保護層は、粘着剤層を介して積層した樹脂フィルムであってもよいし、材料組成物を直接塗布したコーティング層であってもよい。
上記コーティング層としては、例えば、従来公知のウレタン樹脂系又はアクリル樹脂系のコーティング材料を使用することができる。その具体例としては、例えば、ラックスコートWS−2272M(セイコー化成社製、ポリカーボネート系ポリウレタンのコーティング材)等が挙げられる。
また、上記表面保護層のおもて面には、デザイン層の視認性を阻害しない範囲で凹凸を設けてもよく、このような凹凸を設けることにより、水に濡れたときの摩擦係数の低下を抑え、通行人のスリップによる転倒事故を防止することができる。
0.003mm未満では、短時間で削られてしまい、その下(裏面側)の層が露出することがあり、一方、0.100mmを超えると、フロアマーキング用シート自体の柔軟性が損なわれ、その追従性が低下することがある。
本発明のフロアマーキング用シートは、上述した通り、反射シートを備えていてもよい。特に、導体層の裏面側(床面側)にデザイン層が配設されたフロアマーキング用シートでは、上記反射シートをデザイン層の裏面側に配設することで、デザイン層に描画された情報をより鮮明に表示することができる。
上記反射シートとしては、導体層を構成しうる反射シートであって、別途作製して導光シートに貼付する反射シートと同様のもの等を使用することができ、具体例としては、例えば、白色ポリプロピレン(PP)、発砲ポリエチレンテレフタレート(PET)や発泡ポリカーボネート(PC)等を形成したシートや、銀等の金属を蒸着したフィルムや薄板の金属板等からなるもの等が挙げられる。
0.010mm未満では、使用時に反射シートが破損してしまうことがあり、一方、0.300mmを超えると、フロアマーキング用シート自体の柔軟性が損なわれ、その追従性が低下することがある。
本発明のフロアマーキング用シートは、上述した通り、半反射層を備えていてもよい。特に、導体層の裏面側(床面側)にデザイン層が配設されたフロアマーキング用シートでは、上記反射シートを導体層のおもて面側に配設することで、デザイン層に描画された情報をより鮮明に表示することができる。
上記半反射層としては、導光層側から到達した光のうち、一部を反射し、一部を透過することができるものであれば特に限定されず、その具体例としては、例えば、導光層(導光シート)に、酸化チタンや沈降性硫酸バリウム等を含有する白色塗料をドットパターン状にスクリーン印刷して形成された反射層や、グラビア印刷による方法や、インクジェット、ディスペンサーを用いた描画法によりパターニングする方法によって形成された反射層、V溝カッターやレーザ微細加工装置、ウォータージェット装置を用いて形成された凹凸形状からなる反射層、切削加工・電鋳加工により凹凸面を形成した金型を用いて形成された凹凸形状からなる反射層等が挙げられる。
本発明のフロアマーキング用シートは、上述した導体層、デザイン層、ゴムシート、表面保護層等が、必要に応じて粘着剤層を介して積層されている。
上記粘着剤層は、その形成位置によって2種類の粘着剤層に分類される。即ち、光源からの光を透過させる必要のある粘着剤層と、光源からの光を透過させる必要がない粘着剤層である。
上記アクリル酸エステル系重合体としては、例えば、官能基を有さない(メタ)アクリル系モノマー、官能基を有する(メタ)アクリル系モノマー、及び、必要に応じてこれらのモノマーと共重合可能な他のモノマーを共重合することより得られるポリマー等が挙げられる。
上述したモノマーは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)測定によるポリスチレン換算の測定値である。なお、測定条件は以下の通りである。
装置名:HLC−8120(東ソー社製)
カラム:G7000HXL 7.8mmID×30cm 1本 GMHXL 7.8mmID×30cm 2本 G2500HXL 7.8mmID×30cm 1本(東ソー社製)
サンプル濃度:1.5mg/mlになるようにテトラヒドロフランで希釈
移動相溶媒:テトラヒドロフラン
流量:1.0ml/min
カラム温度:40℃
上記無機フィラーとしては、例えば、酸化チタン、カオリン、ベントナイト、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、ベントナイト、カーボンブラック、酸化鉄、酸化チタン・酸化アンチモン・酸化ニッケル固溶体、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
ここで、無機フィラーの平均粒子径とは、メジアン粒子径(50%体積粒子径)である。
これらの硬化剤は、上記官能基を有する(メタ)アクリル系モノマー中の官能基と化学反応又は相互作用をして架橋させる化合物である。
上記イソシアネート系硬化剤はイソシアネート基を有する化合物であり、その具体例としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、クロルフェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添されたジフェニルメタンジイソシアネート等の分子中に2個のイソシアネート基を有する化合物;それらをトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールと付加反応させた化合物、イソシアネート化合物やイソシアヌレート化合物、ビュレット型化合物、更には公知のポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等と付加反応させたウレタンプレポリマー型の分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物等が挙げられる。
なかでも、分子中に2個のイソシアネート基を有する化合物を多価アルコールと付加反応させた化合物が好ましく、トリレンジイソシアネート又はジフェニルメタンジイソシアネートを多価アルコールと付加反応させた化合物がより好ましい。
なお、本発明において、イソシアネート系硬化剤とエポキシ系硬化剤の両方が使用される場合、上記配合量はこれらの合計量である。
具体的には、例えば、光源からの光を透過させる必要がない粘着剤層に代えて、クロロプレン(CR)を含有する組成物からなる接着剤層を形成してもよい。
なお、粘着剤層を形成した場合は、粘着剤層を介して積層した部材を積層し直すことができ、使用後の部材の回収が容易である。また、接着剤層を形成した場合は、確実にかつ長期間に渡って各部材を固定することができる。
更に、本発明のフロアマーキング用シートでは、粘着剤層や接着剤層を設ける場合、これらと被着対象(ゴムシートや導光層、デザイン層、表面保護)との間にプライマー層を設けてもよい。
10μm未満では、充分な粘着性を得ることができない場合があり、一方、60μmを超えると、粘着性がさほど向上しないからである。
より好ましい厚さは、20〜40μmである。
本発明のフレキシブル電飾フロアマットは、光源を備えている。
上記光源としては、フロアマーキング用シートの導光層に光を入射させることができるものであれば特に限定されず、例えば、LED、半導体レーザ、電球、エレクトロルミネセンスパネル(ELP)、冷陰極管(CCFL)、熱陰極 蛍光灯(HCFL)等を使用することもできる。
これらのなかではLEDが好ましい。小型で消費電力が少なく,耐久性に優れるからである。
また、上記LEDとしては、単一波長光のみを発光するLED、発光色を変更可能な多色LED、白色LED、UV−LED等、公知のLEDをいずれも使用することができる。
また、上記フロアマーキング用シートの平面形状が矩形状である場合、上記光源の配設位置は特に限定されず、フロアマーキング用シートの外周の一辺のみに配設されていてもよいし、対向する2辺に配設されていてもよいし、全ての外周辺に配設されていてもよい。
本発明のフレキシブル電飾フロアマットでは、既に説明した通り、フロアマーキング用シートが枠部材(コイルマット)に収納させていることが好ましい。
上記枠部材の材質としては、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ウレタン樹脂等が挙げられる。
(実施例1)
(1)導光シートの作製
(1−1)平均分子量530のポリカプロラクトングリコール(ダイセル化学工業社製、プラクセル205)とヘキサメチレンジイソシアネート(HDI、三井化学社製、タケネート900)とを、窒素雰囲気下80℃で4時間反応させて調製したNCO%が9.7%の末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、硬化剤として、得られるポリウレタン全体に対して0.04重量%となるように予め有機ジルコニウム系触媒(マツモトファインケミカル社製、ZC−700)を溶解しておいた平均分子量850のポリカプロラクトントリオール(ダイセル化学工業社製、プラクセル308)とを、NCO INDEXが1.05となるように混合し、材料組成物を調製した。
その後、得られたポリウレタンシートを超音波カッターで400×600mmに裁断し、厚さ3mmのフレキシブル導光シートを完成した。
(2−1)エチレン−プロピレンゴム組成物からなる加硫ゴムシートであって、そのおもて面にクロロプレンゴム組成物からなる接着剤層を備えた600mm×40mm×3mmのゴムシート(バンドーシートCDE、バンドー化学社製)上に、上記(1)で作製した導光シートを積層した。
導光シートとして、ポリメチルメタクリレートからなる板状(600mm×400×3mm)の導光板を用いた以外は、実施例1と同様にしてフロアマーキング用シートを作製した。
(1)設置時の床面追従性の評価
図17(a)、(b)に示すような、断面円弧状の凸部を備えた床面(凸部の幅:600mm、凸部の中心高さ20mm)510上に、実施例及び比較例で作製したフロアマーキング用シート501を載置した後、このフロアマーキング用シートの両端のそれぞれに50kgの荷重を交互に負荷し、表面追従性を下記の基準で評価した。結果を表1に示した。
〇:加重を負荷した際にガタツキが発生しない。
×:加重を負荷した際にガタツキが発生する。
なお、図17(a)は、本評価における床面の形状を模式的に示す斜視図であり、(b)はそのD−D線断面図である。
実施例及び比較例で作製したフロアマーキング用シートを、図18に示すような100mm×100mm×深さ20mmの凹部を備えた床面520上に、フロアマーキング用シート501の中心部が、凹部521の上に位置するように設置し、その後、凹部が形成された部分に5kgの鋼球を1mの高さから落下させ、その後のフロアマーキング用シートの状態(導光シートの割れの有無、及び、導光シートのゴムシートからの剥離の有無)を評価した。結果を表1に示した。
なお、図18は、本評価における床面の形状を模式的に示す斜視図である。
11a 導光シート
11b 反射層
11c 拡散層
12 デザイン層
12a 印刷層
12b 印刷用フィルム
12c インク受容層
13 ゴムシート
14 表面保護層
15a〜15c 粘着剤層
16 反射シート
17 半反射層
100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200 フロアマーキング用シート
101、201 フレキシブル電飾フロアマット
102、202 枠部材(コイルマット)
103、203 光源(LED)
427、430、440 熱硬化性ポリウレタン
428 シリコーンゴム層
432a、432b PETシート
433a、433b 加熱ロール
436 加熱装置
450 成形ドラム
451 成形用溝
454 エンドレスベルト
461 冷却用コンベヤ
Claims (7)
- 可撓性を有する樹脂からなる導光シートを備え、その内部を光が導光する導光層、及び、
情報が描画されたデザイン層を備えたこと特徴とするフロアマーキング用シート。 - 前記可撓性を有する樹脂は、熱硬化性ポリウレタンである請求項1に記載のフロアマーキング用シート。
- 前記ポリウレタンは、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール及びポリカーボネートポリオールから選択される少なくとも1種のポリオール成分、脂肪族ポリイソシアネート成分及び硬化剤を非アミン系触媒の存在下で熱硬化させてなる熱硬化性ポリウレタンである請求項2に記載のフロアマーキング用シート。
- フロアと接する面にゴムシートを備え、前記ゴムシートがエチレン−プロピレンゴム組成物からなる加硫ゴムシートである請求項1〜3のいずれかに記載のフロアマーキング用シート。
- 最外層に、透明な表面保護層を備える請求項1〜4のいずれかに記載のフロアマーキング用シート。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のフロアマーキング用シートと、前記フロアマーキング用シートが備える導光層に光を導入するための光源とを備えたことを特徴とするフレキシブル電飾フロアマット。
- 前記フロアマーキング用シートの外周を覆う枠部材を備え、前記枠部材内に前記光源が収納された請求項6に記載のフレキシブル電飾フロアマット。
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