JP2003276773A - 注出口付き袋 - Google Patents

注出口付き袋

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JP2003276773A
JP2003276773A JP2002082463A JP2002082463A JP2003276773A JP 2003276773 A JP2003276773 A JP 2003276773A JP 2002082463 A JP2002082463 A JP 2002082463A JP 2002082463 A JP2002082463 A JP 2002082463A JP 2003276773 A JP2003276773 A JP 2003276773A
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bag
spout
layer
vapor deposition
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JP2002082463A
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Koichi Mikami
浩一 三上
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア
性に優れていると共に、光遮断性に優れている注出口付
き袋を提供することである。 【解決手段】 注出口本体と、該注出口本体に固着する
袋状容器本体とからなり、更に、上記の袋状容器本体
が、少なくとも、基材フィルムの一方の面に無機酸化物
の蒸着膜とガスバリア性塗布膜とを設けたバリア性基材
と、光遮断性層と、ヒ−トシ−ル性樹脂層との3層、あ
るいは、少なくとも、基材フィルムの一方の面に無機酸
化物の蒸着膜とガスバリア性塗布膜とを設けたバリア性
基材と、光遮断性層と、中間基材と、ヒ−トシ−ル性樹
脂との4層、または、少なくとも、表面基材フィルム
と、光遮断性層と、基材フィルムの一方の面に無機酸化
物の蒸着膜とガスバリア性塗布膜とを設けたバリア性基
材と、ヒ−トシ−ル性樹脂層との4層を順次に積層した
積層材から構成されることを特徴とする注出口付き袋に
関するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、注出口付き袋に関
し、更に詳しくは、強度に優れ、かつ、耐侯性、耐熱
性、耐圧性、耐水性、ヒ−トシ−ル性、耐ピンホ−ル
性、耐突き刺し性等の諸物性に優れ、特に、酸素ガス、
水蒸気等の透過を阻止するバリア性に優れていると共に
光遮断性に優れ、更に、レトルト処理あるいはボイル処
理等の加工に伴う熱処理等にも耐え、例えば、ジュ−ス
類、果汁類、ゼリ−状飲料、栄養ドリンク剤、飲料水、
お茶、コ−ヒ−飲料、牛乳、調味料、油、その他等の飲
食品を充填包装するに有用な包装用容器であり、その内
容物の充填包装適性、保存適性等に優れている注出口付
き袋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自立性袋、カゼット型袋、その他
等の種々の形態からなるプラスチック性軟包装用袋が開
発され、例えば、ジュ−ス類、果汁類、ゼリ−状飲料、
栄養ドリンク剤、飲料水、お茶、コ−ヒ飲料、牛乳、調
味料、油、その他等の種々の飲食品を充填包装した包装
製品が販売されている。特に、近年、上記の自立性袋、
カゼット型袋、その他等の種々の形態からなるプラスチ
ック性軟包装用袋においては、その開封を容易にし、か
つ、内容物の飲料を容易にし、あるいは、内容物を注ぎ
易くしてその取り出しを容易にするために、その袋体の
一辺の開口部に注出口を取り付けてなる包装製品等も提
案されている。これらの包装製品は、取り扱いが簡単で
あり、また、再密閉性等を有し、近年、若年層を中心に
して、その需要が高まっているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の袋体
の一辺の開口部に注出口を取り付けてなる注出口付きプ
ラスチック製軟包装用袋においては、その需要等は高ま
っているとはいえ、充填包装する内容物は、主に、ジュ
−ス類等の酸性飲料を主体としたものが中心であり、例
えば、中性飲料等を主体とする内容物を充填包装した包
装製品は少なく、その結果、包装用容器として、優れた
利便性、機能性等を有しながらも、その需要が季節等に
よって左右されるという問題点がある。そのため、上記
の袋体の一辺の開口部に注出口を取り付けてなる注出口
付きプラスチック製軟包装用袋においては、プラスチッ
ク製軟包装袋を構成する素材、積層構造、その他等を改
良し、また、注出口等の形状、構造等も改良し、それに
充填包装し得る内容物を拡張し、それに伴って、多くの
包装製品が提案され、その需要が開拓されている。例え
ば、上記の袋体の一辺の開口部に注出口を取り付けてな
る注出口付きプラスチック製軟包装用袋において、プラ
スチック製軟包装袋を構成する容器本体を酸化アルミニ
ウムまたは酸化珪素の蒸着層を有するポリエステルフィ
ルムとナイロンフィルムとポリエチレンフィルムのフレ
キシブルフィルムで形成したことを特徴とする液体食品
用容器が提案されている(実開平7−19170号公報
参照)。しかしなから、本発明者らは、上記で提案され
ている液体食品用容器について種々検討し、追試したと
ころ、充分に満足し得る包装製品を製造することが困難
であったものである。特に、上記で提案されている液体
食品用容器においては、製袋時における折り目の刻設、
特に、ヒ−トシ−ルする際に、加熱ロ−ルあるいは加熱
板等を用いてヒ−トシ−ルすると、酸化アルミニウムま
たは酸化珪素等の無機酸化物の蒸着層に擦り傷、クラッ
ク等が発生し、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するに
十分なバリア性を有する軟包装用袋を製造することが極
めて困難なものであり、十分に満足し得る包装製品を製
造することができないというのが実状である。
【0004】また、上記の酸化アルミニウムまたは酸化
珪素等の無機酸化物の蒸着層を有するポリエステルフィ
ルム等を使用して容器本体を構成する場合、これが透明
性を有することから、例えば、太陽あるいは蛍光灯等に
よる太陽光あるいは蛍光等を透過し、この透過した光が
内容物に影響し、例えば、内容物を分解ないし変質し、
あるいは、褪色、その他等の光劣化を引き起こすという
問題点がある。このため、例えば、上記の酸化アルミニ
ウムまたは酸化珪素等の無機酸化物の蒸着層を有するポ
リエステルフィルムに着色層を組み合わせて光の透過を
遮断し、光劣化を防止する方法もあるが、この場合に
は、上記の酸化アルミニウム、酸化珪素等の無機酸化物
の蒸着層が、無機質のものであり、かつ、ガラス質から
なるものであって、極めて不活性であることから、単
に、酸化アルミニウム、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着
層の面に、着色層を設けても、その両者は、親和性等に
欠け、その密接着性に劣り、例えば、その層間において
層間剥離(デラミ)等の現象を生じ、上記の酸化アルミ
ニウムまたは酸化珪素等の無機酸化物の蒸着層を有する
ポリエステルフィルムと着色層とを含む積層材は、もは
や、包装用容器等を構成する包装用材料等として機能し
得ず、その用をなさないものである。そこで本発明は、
袋体の一辺の開口部に注出口を取り付けてなる注出口付
きプラスチック製軟包装用袋であって、強度に優れ、か
つ、耐侯性、耐熱性、耐圧性、耐水性、ヒ−トシ−ル
性、耐ピンホ−ル性、耐突き刺し性等の諸物性に優れ、
特に、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア性に
優れていると共に光遮断性に優れ、更に、レトルト処理
あるいはボイル処理等の加工に伴う熱処理等にも耐え、
例えば、ジュ−ス類、果汁類、ゼリ−状飲料、栄養ドリ
ンク剤、飲料水、お茶、コ−ヒ−飲料、牛乳、調味料、
油、その他等の飲食品を充填包装するに有用な包装用容
器であり、その内容物の充填包装適性、保存適性等に優
れている注出口付き袋を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のよう
な課題を解決すべく種々研究した結果、まず、筒状口部
と該筒状口部の下方に連接する舟形状接着基部とからな
る注出口本体を製造し、他方、樹脂フィルム等からなる
基材フィルムの一方の面に、酸化アルミニウム、酸化珪
素等の無機酸化物の蒸着膜も設け、次に、該酸化アルミ
ニウム、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜の面に、例え
ば、コロナ放電処理、プラズマ処理等の前処理を施して
前処理層を設けた後、該前処理層の面に、少なくとも、
ポリビニルアルコ−ル系樹脂と、金属アルコレ−ト、該
金属アルコレ−トの加水分解物、該金属アルコレ−トの
縮合物、該金属アルコレ−トのキレ−ト化合物、該キレ
−ト化合物の加水分解物および金属アシレ−トの群から
選ばれた少なくとも1種とを含有するガスバリア性組成
物によるガスバリア性塗布膜を形成してバリア性基材を
製造し、次いで、該バリア性基材を構成するガスバリア
性塗布膜の上に、所望の印刷模様層を設け、しかる後、
該印刷模様層を含む全面に、白色インキ組成物による白
色印刷被膜層と黒色インキ組成物による黒色印刷被膜層
との2層の印刷被膜層からなる光遮断性層を設け、更
に、上記の光遮断性層を構成する白色印刷被膜層を、上
記の印刷模様層の下地層を兼ねさせ、次に、上記の黒色
印刷被膜層の上に、ヒ−トシ−ル性樹脂層を積層して、
包装用材料としての積層材を製造し、次いで、該積層材
を使用し、これを製袋して自立性袋あるいはカゼット型
袋等のプラスチック製軟包装用袋等からなる袋状容器本
体を製造し、次に、上記の袋状容器本体の一辺の開口部
に、上記の注出口本体を構成する舟形状接着基部を当接
させて、その両者を、その当接部分においてヒ−トシ−
ル等により固着して、上記の注出口本体と上記の袋状容
器本体とからなる注出口付き袋を製造し、しかる後、該
注出口付き袋内に内容物を充填し、更に、上記の注出口
付き袋を構成する注出口本体の筒状口部に、ネジ部等を
介して、開口部を密閉するキャップ等を螺着して包装製
品を製造したところ、強度に優れ、かつ、耐侯性、耐熱
性、耐圧性、耐水性、ヒ−トシ−ル性、耐ピンホ−ル
性、耐突き刺し性等の諸物性に優れ、上記の注出口付き
袋の製造時等において、酸化アルミニウムまたは酸化珪
素等の無機酸化物の蒸着膜に擦り傷、クラック等の発生
は認められず、特に、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止
するバリア性に優れていると共に光遮断性に優れ、更
に、レトルト処理あるいはボイル処理等の加工に伴う熱
処理等にも耐え、例えば、ジュ−ス類、果汁類、ゼリ−
状飲料、栄養ドリンク剤、飲料水、お茶、コ−ヒ−飲
料、牛乳、調味料、油、その他等の飲食品を充填包装す
るに有用な包装用容器であり、その内容物の充填包装適
性、保存適性等に優れている注出口付き袋を製造し得る
ことを見出して本発明を完成したものである。
【0006】すなわち、本発明は、筒状口部と該筒状口
部の下方に連接する舟形状接着基部とからなる注出口本
体と、該注出口本体を構成する舟形状接着基部に固着す
る袋状容器本体とからなり、更に、上記の袋状容器本体
が、少なくとも、基材フィルムの一方の面に無機酸化物
の蒸着膜とガスバリア性塗布膜とを設けたバリア性基材
と、光遮断性層と、ヒ−トシ−ル性樹脂層との3層、あ
るいは、少なくとも、基材フィルムの一方の面に無機酸
化物の蒸着膜とガスバリア性塗布膜とを設けたバリア性
基材と、光遮断性層と、中間基材と、ヒ−トシ−ル性樹
脂との4層、または、少なくとも、表面基材フィルム
と、光遮断性層と、基材フィルムの一方の面に無機酸化
物の蒸着膜とガスバリア性塗布膜とを設けたバリア性基
材と、ヒ−トシ−ル性樹脂層との4層を順次に積層した
積層材から構成されることを特徴とする注出口付き袋に
関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】上記の本発明ににかかる注出口付
き袋について以下に図面等を用いて更に詳しく説明す
る。図1は、本発明にかかる注出口付き袋を構成する注
出口本体についてその一例を示す概略的斜視図であり、
図2は、本発明にかかる注出口付き袋を構成する袋状容
器本体についてその一例を示す概略的斜視図であり、図
3は、本発明にかかる注出口付き袋についてその一例を
示す概略的斜視図であり、図4および図5は、本発明に
かかる注出口付き袋を構成する注出口本体の筒状口部に
取り付けるキャップについてその一二例を示す概略的斜
視図であり、図6および図7は、本発明にかかる注出口
付き袋を構成する注出口本体について別の形態からなる
注出口本体の一例を示す概略的斜視図であり、図8、図
9、図10、図11、および、図12は、本発明にかか
る注出口付きレトルト用袋を構成する袋状容器本体を形
成する積層材についてその二三例を示す概略的断面図で
ある。
【0008】まず、本発明において、本発明にかかる注
出口付き袋Aは、図3に示すように、筒状口部と該筒状
口部の下方に連接する舟形状接着基部とからなる注出口
本体B(図1)と、該注出口本体を構成する舟形状接着
基部に固着する袋状容器本体C(図2)とからなること
を基本構成とするものである。
【0009】而して、上記の本発明にかかる注出口付き
袋Aを構成する注出口本体Bについて説明すると、かか
る注出口本体Bとしては、図1に示すように、筒状口部
1と該筒状口部1の下方に連接する舟形状接着基部2と
からなることを基本構造とするものである。更に、上記
の該注出口本体Bの構成を詳述すると、図1に示すよう
に、筒状口部1には、後述するキャップと螺着する螺条
3を設け、更に、上記の筒状口部1と舟形状接着基部2
との間には、中間のリング部4、更に、注出口本体Bと
袋状容器本体Cとを固着する際に、該注出口本体Bを搬
送したり、あるいは、その両者を固着するときに、該注
出口本体Bを把持するために必要な大口径の筒状部5、
あるいは、フランジ部6等を設けた構造からなるもので
ある。
【0010】次にまた、上記の本発明にかかる注出口付
き袋Aを構成する袋状容器本体Cについて説明すると、
かかる袋状容器本体Cとしては、種々の形態からなるプ
ラスチック製軟包装用袋を使用することができ、その一
例を例示すると、図2に示すように、所定の大きさの前
板11と後板12とを用意し、その左右の両端間に、内
側にV字形Pを折り込んだ左右両側板13、14を挿入
し、次いで、該前板11と後板12と左側板13と右側
板14とが重なり合う左右両端部、下端部(両端の斜め
部と底部等)、および上端部の左右両端部等をヒ−トシ
−ルしてシ−ル部15、15・・・等を形成し、かつ、
その上端部に開口部16を形成したガゼット形袋C1
使用することができる。本発明においては、図示しない
が、勿論、上記のガゼット形袋においては、一枚のシ−
トから前板と後板と内側にV字形を折り込んだ左右両側
板とを構成し、その前板もしくは後板と側板との端部の
重合部、下端部(両端の斜め部と底部等)、および、上
端部の左右両端部等をシ−トシ−ルして各々シ−ル部を
形成してガゼット形袋を構成することができるものであ
る。更に、本発明においては、上記の袋状容器本体を構
成する袋の形態としては、種々の形態のものを取り得る
ことができ、上記のようなガゼット型袋の他に、図示し
ないが、例えば、自立性袋、三方シ−ル形袋、四方シ−
ル形袋、その他等のものを使用することができるもので
ある。
【0011】本発明において、上記の図1〜3に示す注
出口本体B、および、袋状容器本体Cからなる本発明に
かかる注出口付き袋Aとしては、図1〜3に示すよう
に、まず、図1に示す筒状口部1と該筒状口部1の下方
に連接する舟形状接着基部2とからなる注出口本体Bを
製造し、他方、自立性袋あるいはガゼット型袋等のプラ
スチック製軟包装袋等からなる袋状容器本体Cを製造
し、次に、上記の袋状容器本体Cの上端部の開口部16
に、上記の注出口本体Bを構成する舟形状接着基部2を
当接させて、その両者を、その当接部分においてヒ−ト
シ−ル等により固着して密接着させ、上記の注出口本体
Bと上記の袋状容器本体Cとからなる注出口付き袋Aを
製造し、しかる後、該注出口付き袋A内に、その注出口
本体Bの開口部から内容物等(図示せず)を充填し、次
いで、注出口付き袋Aを構成する注出口本体Bの筒状口
部1に設けた螺条3等を介してキャップD(後述する図
4に示す)等を螺着して、密閉することによって、本発
明にかかる注出口付き袋Aからなる包装製品を製造する
ことができるものである。
【0012】而して、上記のキャップDについてその一
例を例示すると、図4に示すように、天面21、該天面
21に連接し、垂下する、その周面に摘まみ易いように
条溝22を設けた周側壁23、更に、該周側壁23の下
端部に連接するリング部24とからなるキャップD1
挙げることができる。更にまた、本発明において、上記
のキャップDについて別の一例を例示すると、図5に示
すように、上記の例示と同様に、天面21、該天面21
に連接し、垂下する、その周面に摘まみ易いように条溝
22を設けた周側壁23、該周側壁23の下端部に連接
するリング部24とからなり、更に、該リング24の下
端部に、複数個の連結部25、25・・を介してピルフ
ァ−プル−フ性機能を有する環状体26を設けたキャッ
プD2 を挙げることができる。
【0013】なお、上記において、上記のキャップが、
ピルファ−プル−フ性機能を発揮させる機構としては、
公知のそれを適用することができ、図示しないが、例え
ば、前述の注出口本体Bの筒状口部1の螺条3の下端部
であって、その中間のリング部4の上の部分に、連続状
ないし不連続状にあご部を設け、他方、上記のキャップ
2 のピルファ−プル−フ性機能を有する環状体26の
内面にも、上記のあご部と嵌合する連続状ないし不連続
状に突起部を設け、次いで、該注出口本体Bの筒状口部
1に、上記の図5に示すキャップD2 を螺着し、螺着の
最終段階において、キャップD2 のピルファ−プル−フ
性機能を有する環状体26の内面に設けた突起部を、上
記の注出口本体Bに設けたあご部に嵌合させ、而して、
使用者によって、キャップD2 を最初に開封される際
に、キャップD2 を螺条3に沿って回転させると、キャ
ップD2 においては、その連結部25が破壊され、ピル
ファ−プル−フ性機能を有する環状体26が、分離し、
而して、キャップD2 を注出口本体Bから取り外して
も、ピルファ−プル−フ性機能を有する環状体26は注
出口本体Bに残留することによりピルファ−プル−フ性
機能が発揮されるものである。本発明において、例え
ば、小売り当の店頭等で、悪戯等によりキャップが開封
されれば、その状態は容易に視認することができ、故意
による、あるいは、単なる悪戯等による使用前の開栓を
確認することができるという利点を有するものである。
【0014】なお、本発明において、上記のキャップと
しては、図示しないが、キャップを構成する内側天面
に、その内面側壁に設けた嵌合突起部等によって、パッ
キング材を嵌合、係止して設けた構成からなるキャップ
も使用することができる。而して、本発明において、キ
ャップに、上記のようなパッキング材を設けることによ
り、本発明にかかる注出口付き袋を構成する注出口本体
の筒状口部にキャップを取り付けて密閉するときに、そ
のキャップの密閉性を向上させることができ、更に、本
発明にかかる注出口付き袋において、内容物を取り出し
て使用し、更に、再使用するために、上記の筒状口部の
開口部を再封鎖するときに、極めて良好に再封鎖性を可
能とすることができるものである。
【0015】また、本発明においては、図示しないが、
上記のように本発明にかかる注出口付き袋内に、その注
出口本体の開口部から内容物等を充填し、次いで、注出
口付き袋を構成する注出口本体の筒状口部の開口部に、
該開口部を密閉する蓋材等をシ−ルして固着し、密接着
させて包装体を製造し、しかる後、該包装体を、レトル
ト処理あるいはボイル処理し、次に、上記と同様に、注
出口付き袋を構成する注出口本体の筒状口部に設けた螺
条等を介してキャップ等を螺着して、密閉することによ
って、本発明にかかる注出口付き袋からなる包装製品を
製造することもできるものである。而して、本発明にか
かる注出口付き袋は、上記のように耐侯性、耐熱性、耐
圧性、耐水性、バリア性、ヒ−トシ−ル性、耐ピンホ−
ル性等に優れ、レトルト処理あるいはボイル処理等の加
工に伴う熱処理に耐え、破袋ないし内容物の漏れ等も認
められず、食品容器としての機能、例えば、内容物の充
填包装適性、保存適性等に優れている包装製品を製造し
得ることができるものである。
【0016】次に、本発明において、本発明にかかる注
出口付き袋Aを構成する注出口本体Bについて別の形態
からなる注出口本体についてその一例を示すと、かかる
注出口本体B1 としては、図6に示すように、注出口本
体B1 を構成する舟形状接着基部2の下方に、4本の連
結部31、31、31、31、更に、その連結部31、
31、31、31間に4個の開孔部32、32、32、
32をを設け、而して、上記の4本の連結部31、3
1、31、31の下部から、袋状容器本体Cの閉塞を防
止する、例えば、十字型等の形状からなる閉塞防止部材
33を連接した構成からなる注出口本体B1 を使用する
ことができる。更に、本発明において、本発明にかかる
注出口付き袋Aを構成する注出口本体Bについて更に別
の形態からなる注出口本体について例示すると、かかる
注出口本体B2 としては、図7に示すように、注出口本
体B2 を構成する舟形状接着基部2の下方に、2本の連
結部31、31、更に、その連結部31、31間に2個
の開孔部32、32を設け、而して、上記の2本の連結
部31、31の下部から、袋状容器本体Cの閉塞を防止
する、例えば、十字型等の形状からなる閉塞防止部材3
3を連接した構成からなる注出口本体B2 を挙げること
ができる。而して、本発明において、上記のような、例
えば、十字型等の形状からなる閉塞防止部材を設けるこ
とにより、例えば、本発明にかかる注出口付き袋を構成
する注出口本体から内容物等を充填するときに、注出口
付き袋を構成する袋体が閉塞するのを防止し、更にま
た、本発明にかかる注出口付き袋を構成する注出口本体
から内容物を吸引する際に、注出口付き袋を構成する袋
体が閉塞するのを防止し、良好に内容物を取り出すこと
ができるものである。
【0017】次に、本発明において、本発明にかかる注
出口付き袋を構成する材料、製造法等について説明する
と、まず、本発明にかかる注出口付き袋を構成する注出
口本体、キャップ等は、具体的には、例えば、ポリエチ
レン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹
脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポ
リアミド系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体
(AS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエ
ン共重合体(ABS樹脂)、ポリアセタ−ル系樹脂、そ
の他等の耐熱性等に富む樹脂を使用し、射出成形法等を
利用して製造することができる。上記において、前述の
ピルファ−プル−プ性機能を有する環状体を設けたキャ
ップ等も、上記と同様に、上記のような樹脂を使用し、
その形状に合致した成形金型等を使用し、射出成形法等
を利用して製造することができる。また、上記におい
て、キャップとしては、透明体ないし不透明体等のいず
れのものでもよい。
【0018】次に、本発明において、本発明にかかる注
出口付き袋を構成する袋状容器本体Cについて説明する
と、かかる袋状容器本体Cは、種々の形態からなるプラ
スチック製軟包装用袋を使用することができるものであ
る。而して、本発明においては、図8、図9、および、
図10に示すように、上記の袋状容器本体Cとしては、
少なくとも、基材フィルム41の一方の面に無機酸化物
の蒸着膜42とガスバリア性塗布膜43とを設けたバリ
ア性基材44と、光遮断性層45と、ヒ−トシ−ル性樹
脂層46との3層(図8)、あるいは、少なくとも、基
材フィルム41の一方の面に無機酸化物の蒸着膜42と
ガスバリア性塗布膜43とを設けたバリア性基材44
と、光遮断性層45と、中間基材47と、ヒ−トシ−ル
性樹脂46との4層(図9)、または、少なくとも、表
面基材フィルム48と、光遮断性層45と、基材フィル
ム41の一方の面に無機酸化物の蒸着膜42とガスバリ
ア性塗布膜43とを設けたバリア性基材44と、ヒ−ト
シ−ル性樹脂層46との4層(図10)を順次に積層し
て積層材Eを製造し、次いで、該積層材Eを使用し、そ
のヒ−トシ−ル性樹脂層46、46の面を対向して重ね
合わせ、その周辺端部にシ−ル部を設けて製袋して、種
々の形態からなる袋状容器本体C(図2)を製造するこ
とができるものである。
【0019】本発明においては、上記のように袋状容器
本体Cを構成する積層材Eについて具体例を例示する
と、図11、図12、および、図13等に示すように、
少なくとも、基材フィルム41の一方の面に、無機酸化
物の蒸着膜42を設け、更に、その無機酸化物の蒸着膜
42の面に、例えば、コロナ放電処理あるいはプラズマ
処理等の前処理を施して前処理層49を設けた後、該前
処理層49の面にガスバリア性塗布膜43を設けてバリ
ア性基材44を構成し、次いで、該バリア性基材44を
構成するガスバリア性塗布膜43の面に、所望の印刷模
様層50と、光遮断性層45と、ヒ−トシ−ル性樹脂層
46とを順次に積層した構成からなる積層材E1(図1
1) 、あるいは、少なくとも、基材フィルム41の一
方の面に、無機酸化物の蒸着膜42を設け、更に、その
無機酸化物の蒸着膜42の面に、例えば、コロナ放電処
理あるいはプラズマ処理等の前処理を施して前処理層4
9を設けた後、該前処理層49の面にガスバリア性塗布
膜43を設けてバリア性基材44を構成し、次いで、該
バリア性基材44を構成するガスバリア性塗布膜43の
上に、印刷模様層50と、光遮断性層45と、中間基材
51と、ヒ−トシ−ル性樹脂層46とを順次に積層した
構成からなる積層材E2(図12)、または、少なくと
も、表面基材フィルム48と、印刷模様層50と、光遮
断性層45と、基材フィルム41の一方の面に、無機酸
化物の蒸着膜42を設け、更に、その無機酸化物の蒸着
膜42の面に、例えば、コロナ放電処理あるいはプラズ
マ処理等の前処理を施して前処理層49を設けた後、該
前処理層49の面にガスバリア性塗布膜43を設けたバ
リア性基材44と、ヒ−トシ−ル性樹脂層45とを順次
に積層した構成からなる積層材E3 (図13)等を例示
することができる。
【0020】上記に例示した積層材は、本発明にかかる
注出口付き袋を構成する袋状容器本体を形成する積層材
についてその二三例を例示したものであり、本発明は、
これに限定されるものではないものである。なお、本発
明において、上記の図8〜13に示す積層材において、
光遮断性層45としては、図14に示すように、インキ
組成物による印刷被膜層45aからなる光遮断性層4
5、具体的には、白色インキ組成物による白色印刷被膜
層45bと黒色インキ組成物による黒色印刷被膜層45
cとの2層からなる印刷被膜層45aであり、更に、上
記の印刷被膜層45aを構成する白色印刷被膜層45b
が、印刷模様層50の面に対向して位置し、その印刷模
様層50の下地層の機能を兼ねる構成からなる光遮断性
層45からなることが望ましいものである。而して、本
発明において、上記のようなインキ組成物による印刷被
膜層、具体的には、白色インキ組成物による白色印刷被
膜層と黒色インキ組成物による黒色印刷被膜層との2層
の印刷被膜層から光遮断性層を構成することにより、印
刷模様層を構成する所望の文字、記号、絵柄、図形、そ
の他等の印刷模様を鮮明にすると共に光遮断性に優れ、
例えば、太陽あるいは蛍光灯等による太陽光あるいは蛍
光等の透過を阻止し、内容物が、分解ないし変質し、あ
るいは、褪色、その他等の光劣化を引き起こすというこ
とを防止し得るものであり、更に、本発明にかかる軟包
装袋を包装用容器として使用後においては、焼却廃棄処
理する際に有害物質等を発生することなく、廃棄処理適
性、環境適性等に極めて優れているものである。
【0021】また、本発明においては、上記の図8〜1
3に示す積層材について、図示しないが、更に、その使
用目的、用途等によって、他の基材を任意に積層して、
種々の形態からなる積層材を設計して製造することがで
きるものである。更に、図示しないが、本発明において
は、例えば、上記の図8〜13に示す積層材について、
無機酸化物の蒸着膜としては、無機酸化物の蒸着膜の一
層からなる単層膜のみならず無機酸化物の蒸着膜の2層
以上からなる多層膜等から構成することもできるもので
ある。更に、本発明において、図10、図13等に示す
積層材において、図示しないが、基材フィルムの一方の
面に無機酸化物の蒸着膜とガスバリア性塗布膜とを設け
たバリア性基材を積層する際には、そのバリア性基材を
構成する無機酸化物の蒸着膜とガスバリア性塗布膜の面
を外側、あるいは、内側のいずれの方向に向けて積層し
てもよいものである。
【0022】次に、本発明において、上記の積層材につ
いて、該積層材を構成する基材フィルムとしては、これ
らが袋状容器本体を形成する基本素材となること、更
に、無機酸化物の蒸着膜、ガスバリア性塗布膜等を保持
する基材であること等から、まず、製袋時における加
熱、作業性、その他等に対する耐熱性、滑り性、耐ピン
ホ−ル性、その他等の諸物性に優れ、更に、無機酸化物
の蒸着膜、ガスバリア性塗布膜等の形成条件に耐え、か
つ、その特性を損なうことなくそれらを良好に保持し得
ることができること、その他等の条件を充足し得る樹脂
のフィルムないしシ−トを使用することができる。本発
明において、上記の樹脂のフィルムないしシ−トとして
は、具体的には、例えば、ポリエチレン系樹脂あるいは
ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、環状
ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロ
ニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニ
トリルル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹
脂)、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカ−ボネ−ト
系樹脂、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナ
フタレ−ト等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等
のポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタ−ル
系樹脂、セルロ−ス系樹脂、その他等の各種の樹脂のフ
ィルムないしシ−トを使用することができる。本発明に
おいては、上記の樹脂のフィルムないしシ−トの中で
も、特に、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹
脂、または、ポリアミド系樹脂のフィルムないしシ−ト
を使用することが好ましいものである。
【0023】本発明において、上記の各種の樹脂のフィ
ルムないしシ−トとしては、例えば、上記の各種の樹脂
の1種ないしそれ以上を使用し、押し出し法、キャスト
成形法、Tダイ法、切削法、インフレ−ション法、その
他等の製膜化法を用いて、上記の各種の樹脂を単独で製
膜化する方法、あるいは、2種以上の各種の樹脂を使用
して多層共押し出し製膜化する方法、更には、2種以上
の樹脂を使用し、製膜化する前に混合して製膜化する方
法等により、各種の樹脂のフィルムないしシ−トを製造
し、更に、要すれば、例えば、テンタ−方式、あるい
は、チュ−ブラ−方式等を利用して1軸ないし2軸方向
に延伸してなる各種の樹脂のフィルムないしシ−トを使
用することができる。本発明において、各種の樹脂のフ
ィルムないしシ−トの膜厚としては、6〜200μm
位、より好ましくは、9〜100μm位が望ましい。
【0024】なお、上記の各種の樹脂の1種ないしそれ
以上を使用し、その製膜化に際して、例えば、フィルム
の加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、
抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的
特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、種々の
プラスチック配合剤や添加剤等を添加することができ、
その添加量としては、極く微量から数十%まで、その目
的に応じて、任意に添加することができる。上記におい
て、一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強
剤、帯電防止剤、顔料、その他等を使用することがで
き、更には、改質用樹脂等も使用することがてきる。
【0025】また、本発明において、各種の樹脂のフィ
ルムないしシ−トの表面は、無機酸化物の蒸着膜等との
密接着性等を向上させるために、必要に応じて、予め、
所望の表面処理層を設けることができるものである。本
発明において、上記の表面処理層としては、例えば、コ
ロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス
等を用いた低温プラズマ処理、グロ−放電処理、化学薬
品等を用いて処理する酸化処理、その他等の前処理を任
意に施し、例えば、コロナ処理層、オゾン処理層、プラ
ズマ処理層、酸化処理層、その他等を形成して設けるこ
とができる。上記の表面前処理は、各種の樹脂のフィル
ムないしシ−トと無機酸化物の蒸着膜との密接着性等を
改善するための方法として実施するものであるが、上記
の密接着性を改善する方法として、その他、例えば、各
種の樹脂のフィルムないしシ−トの表面に、予め、プラ
イマ−コ−ト剤層、アンダ−コ−ト剤層、アンカ−コ−
ト剤層、接着剤層、あるいは、蒸着アンカ−コ−ト剤層
等を任意に形成して、表面処理層とすることもできる。
上記の前処理のコ−ト剤層としては、例えば、ポリエス
テル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、
エポキシ系樹脂、フェノ−ル系樹脂、(メタ)アクリル
系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンアルイハ
ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂あるいはその
共重合体ないし変性樹脂、セルロ−ス系樹脂、その他等
をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を使用することが
できる。
【0026】次に、本発明において、上記の積層材を構
成する無機酸化物の蒸着膜について説明すると、まず、
上記の無機酸化物の蒸着膜としては、例えば、真空蒸着
法、スパッタリング法、イオンプレ−ティング法、イオ
ンクラスタ−ビ−ム法等の物理気相成長法(Physi
cal Vapor Deposition法、PVD
法)を用いて形成することができる。本発明において、
具体的には、金属の酸化物を原料とし、これを加熱して
基材フィルムの上に蒸着する真空蒸着法、または、原料
として金属または金属の酸化物を使用し、酸素を導入し
て酸化させて基材フィルムの上に蒸着する酸化反応蒸着
法、更に酸化反応をプラズマで助成するプラズマ助成式
の酸化反応蒸着法等を用いて無機酸化物の非結晶の薄膜
を形成することができる。上記において、蒸着材料の加
熱方式としては、例えば、抵抗加熱方式、高周波誘導加
熱方式、エレクトロンビ−ム加熱方式(EB)等にて行
うことができる。
【0027】而して、本発明において、無機酸化物の蒸
着膜としては、基本的には、金属の酸化物を蒸着した薄
膜であれば使用可能であり、例えば、ケイ素(Si)、
アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシ
ウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリ
ウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(P
b)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の
金属の酸化物の蒸着膜を使用することができる。而し
て、好ましいものとしては、ケイ素(Si)、アルミニ
ウム(Al)等の金属の酸化物の蒸着膜を挙げることが
できる。而して、上記の金属の酸化物の蒸着膜は、ケイ
素酸化物、アルミニウム酸化物、マグネシウム酸化物等
のように金属酸化物として呼ぶことができ、その表記
は、例えば、SiOX 、AlOX 、MgOX 等のように
MOX (ただし、式中、Mは、金属元素を表し、Xの値
は、金属元素によってそれぞれ範囲が異なる。)で表さ
れる。また、上記のXの値の範囲としては、ケイ素(S
i)は、0〜2、アルミニウム(Al)は、0〜1.
5、マグネシウム(Mg)は、0〜1、カルシウム(C
a)は、0〜1、カリウム(K)は、0〜0.5、スズ
(Sn)は、0〜2、ナトリウム(Na)は、0〜0.
5、ホウ素(B)は、0〜1、5、チタン(Ti)は、
0〜2、鉛(Pb)は、0〜1、ジルコニウム(Zr)
は0〜2、イットリウム(Y)は、0〜1.5の範囲の
値をとることができる。上記において、X=0の場合、
完全な金属であり、透明ではなく全く使用することがで
きない、また、Xの範囲の上限は、完全に酸化した値で
ある。本発明において、一般的に、ケイ素(Si)、ア
ルミニウム(Al)以外は、使用される例に乏しく、ケ
イ素(Si)は、1.0〜2.0、アルミニウム(A
l)は、0.5〜1.5の範囲の値のものを使用するこ
とができる。本発明において、上記のような無機酸化物
の蒸着膜の膜厚としては、使用する金属、または、金属
の酸化物の種類等によって異なるが、例えば、50〜4
000Å位、好ましくは、100〜1000Å位の範囲
内で任意に選択して形成することが望ましい。また、本
発明においては、無機酸化物の蒸着膜としては、使用す
る金属、または、金属の酸化物としては、1種または2
種以上の混合物で使用し、異種の材質で混合した無機酸
化物の蒸着膜を構成することもできる。
【0028】次に、本発明において、上記の無機酸化物
の蒸着膜を形成する方法についてその具体例を挙げる
と、図15は、巻き取り式真空蒸着装置の一例を示す概
略的構成図である。図15に示すように、巻き取り式真
空蒸着装置51の真空チャンバ−52の中で、巻き出し
ロ−ル53から繰り出す基材フィルム54は、ガイドロ
−ル55、56を介して、冷却したコ−ティングドラム
57に案内される。而して、上記の冷却したコ−ティン
グドラム57上に案内された基材フィルム54の上に、
るつぼ58で熱せられた蒸着源59、例えば、金属アル
ミニウム、あるいは、酸化アルミニウム等を蒸発させ、
更に、必要ならば、酸素ガス吹出口60より酸素ガス等
を噴出し、これを供給しながら、マスク61、61を介
して、例えば、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着
膜を成膜化するものである。次いで、本発明において
は、上記において、例えば、酸化アルミニウム等の無機
酸化物の蒸着膜を形成した基材フィルム54をガイドロ
−ル62、63等を介して巻き取りロ−ル64等に巻き
取って、本発明にかかる無機酸化物の蒸着膜を有する基
材フィルム54を製造することができる。上記の例示
は、その一例を例示するものであり、これによって本発
明は限定されるものではないことは言うまでもないこと
である。なお、本発明においては、上記のような巻き取
り式真空蒸着装置を用いて、まず、第1層の無機酸化物
の蒸着膜を形成し、次いで、同様にして、該無機酸化物
の蒸着膜の上に、更に、無機酸化物の蒸着膜を形成する
か、あるいは、上記のような巻き取り式真空蒸着装置を
用いて、これを2連に連接し、連続的に、無機酸化物の
蒸着膜を形成することにより、2層以上の多層膜からな
る無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
【0029】次にまた、本発明において、上記の積層材
を構成する無機酸化物の蒸着膜としては、例えば、化学
気相成長法等により形成することができ、具体的には、
プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気
相成長法等の化学気相成長法(Chemical Va
por Deposition法、CVD法)等を用い
て形成することができる。更に具体的には、基材フィル
ムの一方の面に、有機珪素化合物等の蒸着用モノマ−ガ
スを原料とし、キャリヤ−ガスとして、アルゴンガス、
ヘリウムガス等の不活性ガスを使用し、更に、酸素供給
ガスとして、酸素ガス等を使用し、低温プラズマ発生装
置等を利用する低温プラズマ化学気相成長法を用いて酸
化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成することができ
る。上記において、低温プラズマ発生装置としては、例
えば、高周波プラズマ、パルス波プラズマ、マイクロ波
プラズマ等の発生装置を使用することがてき、而して、
本発明においては、高活性の安定したプラズマを得るた
めには、高周波プラズマ方式による発生装置を使用する
ことが望ましい。
【0030】具体的に、上記の低温プラズマ化学気相成
長法による無機酸化物の蒸着膜の形成法についてその一
例を例示して説明すると、図16は、上記のプラズマ化
学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜の形成法につい
てその概要を示す低温プラズマ化学気相成長装置の概略
的構成図である。上記の図16に示すように、本発明に
おいては、プラズマ化学気相成長装置71の真空チャン
バ−72内に配置された巻き出しロ−ル73から基材フ
ィルム74を繰り出し、更に、該基材フィルム74を、
補助ロ−ル75を介して所定の速度で冷却・電極ドラム
76周面上に搬送する。而して、本発明においては、ガ
ス供給装置77、78および、原料揮発供給装置79等
から酸素ガス、不活性ガス、有機珪素化合物等の蒸着用
モノマ−ガス、その他等を供給し、それらからなる蒸着
用混合ガス組成物を調整しなから原料供給ノズル80を
通して真空チャンバ−72内に該蒸着用混合ガス組成物
を導入し、そして、上記の冷却・電極ドラム76周面上
に搬送された基材フィルム74の上に、グロ−放電プラ
ズマ81によってプラズマを発生させ、これを照射し
て、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成し、製膜化
する。本発明においては、その際に、冷却・電極ドラム
76は、チャンバ−外に配置されている電源82から所
定の電力が印加されており、また、冷却・電極ドラム7
6の近傍には、マグネット83を配置してプラズマの発
生が促進されており、次いで、上記で酸化珪素等の無機
酸化物の蒸着膜を形成した基材フィルム74ををガイド
ロ−ル84等を介して巻き取りロ−ル85等に巻き取っ
て、本発明にかかる無機酸化物の蒸着膜を有する基材フ
ィルム74を製造することができる。なお、図中、86
は、真空ポンプを表す。上記の例示は、その一例を例示
するものであり、これによって本発明は限定されるもの
ではないことは言うまでもないことである。図示しない
が、本発明においては、無機酸化物の蒸着膜としては、
無機酸化物の蒸着膜の1層だけではなく、2層あるいは
それ以上を積層した多層膜の状態でもよく、また、使用
する材料も1種または2種以上の混合物で使用し、ま
た、異種の材質で混合した無機酸化物の蒸着膜を構成す
ることもできる。
【0031】上記において、真空チャンバ−内を真空ポ
ンプにより減圧し、真空度1×10 -1〜1×10-8To
rr位、好ましくは、真空度1×10-3〜1×10-7
orr位に調製することが望ましいものである。また、
原料揮発供給装置においては、原料である有機珪素化合
物を揮発させ、ガス供給装置から供給される酸素ガス、
不活性ガス等と混合させ、この混合ガスを原料供給ノズ
ルを介して真空チャンバ−内に導入されるものである。
この場合、混合ガス中の有機珪素化合物の含有量は、1
〜40%位、酸素ガスの含有量は、10〜70%位、不
活性ガスの含有量は、10〜60%位の範囲とすること
ができ、例えば、有機珪素化合物と酸素ガスと不活性ガ
スとの混合比を1:6:5〜1:17:14程度とする
ことができる。一方、冷却・電極ドラムには、電源から
所定の電圧が印加されているため、真空チャンバ−内の
原料供給ノズルの開口部と冷却・電極ドラムとの近傍で
グロ−放電プラズマが生成され、このグロ−放電プラズ
マは、混合ガスなかの1つ以上のガス成分から導出され
るものであり、この状態において、基材フィルムを一定
速度で搬送させ、グロ−放電プラブマによって、冷却・
電極ドラム周面上の基材フィルムの上に、酸化珪素等の
無機酸化物の蒸着膜を形成することができるものであ
る。なお、このときの真空チャンバ−内の真空度は、1
×10-1〜1×10-4Torr位、好ましくは、真空度
1×10-1〜1×10-2Torr位に調製することが望
ましく、また、基材フィルムの搬送速度は、10〜30
0m/分位、好ましくは、50〜150m/分位に調製
することが望ましいものである。
【0032】また、上記のプラズマ化学気相成長装置に
おいて、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜の形成は、基
材フィルムの上に、プラズマ化した原料ガスを酸素ガス
で酸化しながらSiOX の形で薄膜状に形成されるの
で、当該形成される酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜
は、緻密で、隙間の少ない、可撓性に富む連続層となる
ものであり、従って、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜
のバリア性は、従来の真空蒸着法等によって形成される
酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜と比較してはるかに高
いものとなり、薄い膜厚で十分なバリア性を得ることが
できるものである。また、本発明においては、SiOX
プラズマにより基材フィルムの表面が、清浄化され、基
材フィルムの表面に、極性基やフリ−ラジカル等が発生
するので、形成される酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜
と基材フィルムとの密接着性が高いものとなるという利
点を有するものである。更に、上記のように酸化珪素等
の無機酸化物の連続膜の形成時の真空度は、1×10-1
〜1×10-4Torr位、好ましくは、1×10-1〜1
×10-2Torr位に調製することから、従来の真空蒸
着法により酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成する
時の真空度、1×10-4〜1×10-5Torr位に比較
して低真空度であることから、基材フィルムを原反交換
時の真空状態設定時間を短くすることができ、真空度を
安定しやすく、製膜プロセスが安定するものである。
【0033】本発明において、有機珪素化合物等の蒸着
モノマ−ガスを使用して形成される酸化珪素の蒸着膜
は、有機珪素化合物等の蒸着モノマ−ガスと酸素ガス等
とが化学反応し、その反応生成物が、基材フィルムの一
方の面に密接着し、緻密な、柔軟性等に富む薄膜を形成
するものであり、通常、一般式SiOX (ただし、X
は、0〜2の数を表す)で表される酸化珪素を主体とす
る連続状の薄膜である。而して、上記の酸化珪素の蒸着
膜としては、透明性、バリア性等の点から、一般式Si
X (ただし、Xは、1.3〜1.9の数を表す。)で
表される酸化珪素の蒸着膜を主体とする薄膜であること
が好ましいものである。上記において、Xの値は、蒸着
モノマ−ガスと酸素ガスのモル比、プラズマのエネルギ
−等により変化するが、一般的に、Xの値が小さくなれ
ばガス透過度は小さくなるが、膜自身が黄色性を帯び、
透明性が悪くなる。
【0034】また、上記の酸化珪素の蒸着膜は、酸化珪
素を主体とし、これに、更に、炭素、水素、珪素または
酸素の1種類、または、その2種類以上の元素からなる
化合物を少なくとも1種類を化学結合等により含有する
蒸着膜からなることを特徴とするものである。例えば、
C−H結合を有する化合物、Si−H結合を有する化合
物、または、炭素単位がグラファイト状、ダイヤモンド
状、フラ−レン状等になっている場合、更に、原料の有
機珪素化合物やそれらの誘導体を化学結合等によって含
有する場合があるものである。具体例を挙げると、CH
3 部位を持つハイドロカ−ボン、SiH3 シリル、Si
2 シリレン等のハイドロシリカ、SiH2 OHシラノ
−ル等の水酸基誘導体等を挙げることができる。上記以
外でも、蒸着過程の条件等を変化させることにより、酸
化珪素の蒸着膜中に含有される化合物の種類、量等を変
化させることができる。而して、上記の化合物が、酸化
珪素の蒸着膜中に含有する含有量としては、0.1〜5
0%位、好ましくは、5〜20%位が望ましいものであ
る。上記において、含有率が、0.1%未満であると、
酸化珪素の蒸着膜の耐衝撃性、延展性、柔軟性等が不十
分となり、曲げなとにより、擦り傷、クラック等が発生
し易く、高いバリア性を安定して維持することが困難に
なり、また、50%を越えると、バリア性が低下して好
ましくないものである。更に、本発明においては、酸化
珪素の蒸着膜において、上記の化合物の含有量が、酸化
珪素の蒸着膜の表面から深さ方向に向かって減少させる
ことが好ましく、これにより、酸化珪素の蒸着膜の表面
においては、上記の化合物等により耐衝撃性等を高めら
れ、他方、基材フィルムとの界面においては、上記の化
合物の含有量が少ないために、基材フィルムと酸化珪素
の蒸着膜との密接着性が強固なものとなるという利点を
有するものである。
【0035】而して、本発明において、上記の酸化珪素
の蒸着膜について、例えば、X線光電子分光装置(Xr
ay Photoelectron Spectros
copy、XPS)、二次イオン質量分析装置(Sec
ondary Ion Mass Spectrosc
opy、SIMS)等の表面分析装置を用い、深さ方向
にイオンエッチングする等して分析する方法を利用し
て、酸化珪素の蒸着膜の元素分析を行うことより、上記
のような物性を確認することができる。また、本発明に
おいて、上記の酸化珪素の蒸着膜の膜厚としては、膜厚
50Å〜4000Å位であることが望ましく、具体的に
は、その膜厚としては、100〜1000Å位が望まし
く、而して、上記において、1000Å、更には、40
00Åより厚くなると、その膜にクラック等が発生し易
くなるので好ましくなく、また、100Å、更には、5
0Å未満であると、バリア性の効果を奏することが困難
になることから好ましくないものである。上記のおい
て、その膜厚は、例えば、株式会社理学製の蛍光X線分
析装置(機種名、RIX2000型)を用いて、ファン
ダメンタルパラメ−タ−法で測定することができる。ま
た、上記において、上記の酸化珪素の蒸着膜の膜厚を変
更する手段としては、蒸着膜の体積速度を大きくするこ
と、すなわち、モノマ−ガスと酸素ガス量を多くする方
法や蒸着する速度を遅くする方法等によって行うことが
できる。
【0036】次に、上記において、酸化珪素等の無機酸
化物の蒸着膜を形成する有機珪素化合物等の蒸着用モノ
マ−ガスとしては、例えば、1.1.3.3−テトラメ
チルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ビニル
トリメチルシラン、メチルトリメチルシラン、ヘキサメ
チルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメ
チルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニ
ルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメト
キシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキ
シシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、その
他等を使用することができる。本発明において、上記の
ような有機珪素化合物の中でも、1.1.3.3−テト
ラメチルジシロキサン、または、ヘキサメチルジシロキ
サンを原料として使用することが、その取り扱い性、形
成された連続膜の特性等から、特に、好ましい原料であ
る。また、上記において、不活性ガスとしては、例え
ば、アルゴンガス、ヘリウムガス等を使用することがで
きる。
【0037】次に、上記の積層材において、上記のよう
なバリア性基材を構成する無機酸化物の蒸着膜の面に設
ける前処理層について説明すると、かかる前処理層とし
ては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス
若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロ−
放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理、その
他等の前処理を任意に施し、例えば、無機酸化物の蒸着
膜の面に、コロナ処理層、オゾン処理層、プラズマ処理
層、酸化処理層、その他等を形成して設けることができ
る。上記の前処理層は、無機酸化物の蒸着膜の面を活性
化させ、例えば、後述するガスバリア性塗布膜、印刷模
様層、光遮断性層、その他等との密接着性等を改善する
するものである。
【0038】次にまた、本発明において、上記の積層材
について、その積層材を構成するバリア性基材を形成す
る無機酸化物の蒸着膜の面に設けるガスバリア性塗布膜
について説明すると、かかるガスバリア性塗布膜として
は、少なくとも、ポリビニルアルコ−ル系樹脂〔以下
(A)成分という。〕と、一般式R1 m M(OR2 n
・・・・(1)(式中、Mは、金属原子を表し、R
1 は、同一または異なり、炭素数1〜8の有機基を表
し、R2 は、同一または異なり、炭素数1〜5のアルキ
ル基または炭素数1〜6のアシル基もしくはフェニル基
を表し、mおよびnは、それぞれ0以上の整数を表し、
m+nは、Mの原子価を表す。)で表される金属アルコ
レ−ト、該金属アルコレ−トの加水分解物、該金属アル
コレ−トの縮合物、該金属アルコレ−トのキレ−ト化合
物、該キレ−ト化合物の加水分解物および金属アシレ−
トの群から選ばれた少なくとも1種〔以下(B)成分と
いう。〕とを含有するガスバリア性組成物によるガスバ
リア性塗布膜を使用することができる。上記において、
ガスバリア性組成物中には、含窒素有機溶剤を含有する
ことが好ましく、また、無機微粒子〔以下(C)成分と
いう。〕を含有することも好ましいものである。また、
上記において、(B)成分としては、(B)成分を水ま
たは水と親水性有機溶媒を含む混合溶媒中で加水分解し
た後、(A)成分と混合してガスバリア性組成物を調製
することができるものである。
【0039】上記のガスバリア性組成物において、
(A)成分を構成するポリビニルアルコ−ル系樹脂とし
ては、ポリビニルアルコールおよびエチレン・ビニルア
ルコール系共重合体の群から選ばれた少なくとも1種を
使用することができる。上記(A)成分のうち、ポリビ
ニルアルコールは、一般に、ポリ酢酸ビニルをケン化し
て得られるものである。このポリビニルアルコールとし
ては、酢酸基が数十%残存している部分ケン化ポリビニ
ルアルコールでも、もしくは、酢酸基が残存しない完全
ケン化ポリビニルアルコールでも、あるいは、OH基が
変性された変性ポリビニルアルコールでもよく、特に限
定されるものではない。上記ポリビニルアルコールの具
体例としては、株式会社クラレ製のRSポリマーである
RS−110(ケン化度=99%、重合度=1,00
0)、同社製のクラレポバールLM−20SO(ケン化
度=40%、重合度=2,000)、日本合成化学工業
株式会社製のゴーセノールNM−14(ケン化度=99
%、重合度=1,400)等を使用することができる。
また、(A)成分のうち、エチレン・ビニルアルコール
共重合体は、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体のケン
化物、すなわち、エチレン−酢酸ビニルランダム共重合
体をケン化して得られるものであり、酢酸基が数十モル
%残存している部分ケン化物から、酢酸基が数モル%し
か残存していないかまたは酢酸基が残存しない完全ケン
化物まで含み、特に限定されるものではないが、ガスバ
リア性の観点から好ましいケン化度は80モル%以上、
より好ましくは、90モル%以上、さらに好ましくは9
5モル%以上である。エチレン・ビニルアルコール共重
合体中のエチレンに由来する繰り返し単位の含量(以下
「エチレン含量」ともいう)は、通常、0〜50モル
%、好ましくは20〜45モル%である。上記エチレン
・ビニルアルコール共重合体の具体例としては、株式会
社クラレ製、エバールEP−F101(エチレン含量;
32モル%)、日本合成化学工業株式会社製、ソアノー
ルD2908(エチレン含量;29モル%)等を使用す
ることができる。
【0040】以上の(A)成分を構成するポリビニルア
ルコール系樹脂のメルトフローインデックスは、210
℃、荷重21.168N条件下で、1〜20g/10
分、好ましくは1〜18g/10分である。これらの
(A)を構成するポリビニルアルコール系樹脂は、1種
単独で使用することも、あるいは、2種以上を混合して
用いることもできる。また、(A)成分を構成するポリ
ビニルアルコール系樹脂は、それ自体、ガスバリア性、
耐候性、耐有機溶剤性、透明性、熱処理後のガスバリア
性などに優れる。加えて、(A)成分を構成するポリビ
ニルアルコール系樹脂は、本発明のガスバリア性組成物
から得られる塗膜を硬化させる際に、ポリビニルアルコ
ールに由来する繰り返し単位中に存在する水酸基が、後
記(B)成分および/また(C)成分と共縮合すること
により、優れた塗膜性能をもたらすことができる。本発
明のガスバリア性組成物における(A)成分の割合は、
後記(B)成分100重量部に対し、10〜10,00
0重量部、好ましくは、20〜5,000重量部、さら
に好ましくは、100〜1,000重量部である。10
重量部未満では、得られる塗膜にクラックが入りやす
く、ガスバリア性が低下し、一方、10,000重量部
を超えると、得られる塗膜が高湿度下ではガスバリア性
が低下して好ましくないものである。
【0041】次に、本発明に用いられる(B)成分とし
ては、上記の一般式(1)で表される、金属アルコレー
ト、該金属アルコレートの加水分解物、該金属アルコレ
ートの縮合物、該金属アルコレートのキレート化合物、
該キレート化合物の加水分解物および金属アシレートの
群から選ばれた少なくとも1種を使用することができ、
而して、(B)成分としては、その1種だけでもよい
し、任意の2種以上の混合物であってもよい。なお、上
記の金属アルコレートの加水分解物としては、金属アル
コレートに含まれるOR2 がすべて加水分解されている
必要はなく、例えば、その1個だけが加水分解されてい
るもの、2個以上が加水分解されているもの、あるい
は、これらの混合物であってもよい。また、上記の金属
アルコレートの縮合物は、金属アルコレートの加水分解
物のM−OH基が縮合してM−O−M結合を形成したも
のであるが、本発明では、M−OH基がすべて縮合して
いる必要はなく、僅かな一部のM−OH基が縮合したも
の、縮合の程度が異なっているものの混合物などをも包
含した概念である。さらに、上記の金属アルコレートの
キレート化合物は、金属アルコレートと、β−ジケトン
類、β−ケトエステル類、ヒドロキシカルボン酸、ヒド
ロキシカルボン酸塩、ヒドロキシカルボン酸エステル、
ケトアルコールおよびアミノアルコールから選ばれる少
なくとも1種の化合物との反応で得られる。これらの化
合物の中でも、β−ジケトン類またはβ−ケトエステル
類を用いることが好ましく、これらの具体例としては、
アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチ
ル、アセト酢酸−n−プロピル、アセト酢酸−i−プロ
ピル、アセト酢酸−n−ブチル、アセト酢酸−sec−
ブチル、アセト酢酸−t−ブチル、2,4−ヘキサン−
ジオン、2,4−ヘプタン−ジオン、3,5−ヘプタン
−ジオン、2,4−オクタン−ジオン、2,4−ノナン
−ジオン、5−メチル−ヘキサン−ジオンなどを挙げる
ことができる。また、上記のキレート化合物の加水分解
物は、上記の金属アルコレートの加水分解物と同様に、
キレート化合物に含まれるOR2 基がすべて加水分解さ
れている必要はなく、例えば、その1個だけが加水分解
されているもの、2個以上が加水分解されているもの、
あるいは、これらの混合物であってもよい。本発明にお
いて、(B)成分は、(A)成分との共縮合体を形成す
る作用をなすものと考えられる。
【0042】上記の一般式(1)における、Mで表され
る金属原子としては、ジルコニウム、チタンおよびアル
ミニウムを好ましいものとして挙げることができ、特に
好ましくはチタンである。R1 の炭素数1〜8の1価の
有機基は、一般式(1)で表される化合物が金属アルコ
レートである場合と金属アシレートである場合とで異な
る。金属アルコレートである場合には、例えば、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−
ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチ
ル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル
基、2−エチルヘキシル基などのアルキル基;アセチル
基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、ベンゾ
イル基、トリオイル基などのアシル基;ビニル基、アリ
ル基、シクロヘキシル基、フェニル基、グリシジル基、
(メタ)アクリルオキシ基、ウレイド基、アミド基、フ
ルオロアセトアミド基、イソシアナート基などのほか、
これらの基の置換誘導体などを挙げることができる。R
1 の置換誘導体における置換基としては、例えば、ハロ
ゲン原子、置換もしくは非置換のアミノ基、水酸基、メ
ルカプト基、イソシアナート基、グリシドキシ基、3,
4−エポキシシクロヘキシル基、(メタ)アクリルオキ
シ基、ウレイド基、アンモニウム塩基などを挙げること
ができる。ただし、これらの置換誘導体からなるR1
炭素数は、置換基中の炭素原子を含めて8以下である。
また、金属アシレートである場合には、R1 の炭素数1
〜8の1価の有機基としては、アセトキシル基、プロピ
オニロキシル基、ブチリロキシル基、バレリロキシル
基、ベンゾイルオキシル基、トリオイルオキシル基など
のアシルオキシル基を挙げることができる。一般式
(1)中に、R1 が2個存在するときは、相互に同一で
も異なってもよい。
【0043】また、R2 の炭素数1〜5のアルキル基と
しては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、t−ブチル基、n−ペンチル基などを挙げることが
でき、炭素数1〜6のアシル基としては、例えば、アセ
チル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、カ
プロイル基などを挙げることができる。一般式(1)中
に複数個存在するR2 は、相互に同一でも異なってもよ
い。
【0044】これらの(B)成分のうち、金属アルコレ
ートおよび金属アルコレートのキレート化合物の具体例
としては、(イ).テトラ−n−ブトキシジルコニウ
ム、トリ−n−ブトキシ・エチルアセトアセテートジル
コニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセ
テート)ジルコニウム、n−ブトキシ・トリス(エチル
アセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(n−プ
ロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス
(アセチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキ
ス(エチルアセトアセテート)ジルコニウムなどのジル
コニウム化合物;
【0045】(ロ).テトラ−i−プロポキシチタニウ
ム、テトラ−n−ブトキシチタニウム、テトラ−t−ブ
トキシチタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチル
アセトアセテート)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・
ビス(アセチルアセテート)チタニウム、ジ−i−プロ
ポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジ
−n−ブトキシ・ビス(トリエタノールアミナート)チ
タニウム、ジヒドロキシ・ビスラクテタートチタニウ
ム、ジヒドロキシチタンラクテート、テトラキス(2−
エチルヘキシルオキシ)チタニウムなどのチタン化合
物;
【0046】(ハ).トリ−i−プロポキシアルミニウ
ム、ジ−i−プロポキシ・エチルアセトアセテートアル
ミニウム、ジ−i−プロポキシ・アセチルアセトナート
アルミニウム、i−プロポキシ・ビス(エチルアセトア
セテート)アルミニウム、i−プロポキシ・ビス(アセ
チルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセ
トアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセト
ナート)アルミニウム、モノアセチルアセトナート・ビ
ス(エチルアセトアセテート)アルミニウムなどのアル
ミニウム化合物;などを挙げることができる。これらの
金属アルコレートおよび金属アルコレートのキレート化
合物のうち好ましいものとしては、トリ−n−ブトキシ
・エチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−i−プロ
ポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジ
−n−ブトキシ・ビス(トリエタノールアミナート)チ
タニウム、ジヒドロキシ・ビスラクテタートチタニウ
ム、ジ−i−プロポキシ・エチルアセトアセテートアル
ミニウムおよびトリス(エチルアセトアセテート)アル
ミニウムを挙げることができ、特に好ましい化合物はジ
−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタ
ニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(トリエタノールアミ
ナート)チタニウム、ジヒドロキシ・ビスラクテタート
チタニウムなどのチタン化合物である。
【0047】また、金属アシレートの具体例としては、
ジヒドロキシ・チタンジブチレート、ジ−i−プロポキ
シ・チタンジアセテート、ジ−i−プロポキシ・チタン
ジプロピオネート、ジ−i−プロポキシ・チタンジマロ
ニエート、ジ−i−プロポキシ・チタンジベンゾイレー
ト、ジ−n−ブトキシ・ジルコニウムジアセテート、ジ
−i−プロピルアルミニウムモノマロニエートなどを挙
げることができ、特に好ましい化合物はジヒドロキシ・
チタンジブチレート、ジ−i−プロポキシ・チタンジア
セテートなどのチタン化合物である。これらの(B)成
分は、1種単独あるいは2種以上混合して用いられる。
【0048】(B)成分としては、コーティング液の粘
度経時変化がなく、扱いやすくなるため、後述の親水性
溶媒中に記載されている水または水と親水性有機溶媒を
含む混合溶媒中で加水分解したものを用いることが好ま
しい。この場合、水の使用量は、一般式R1 m M(OR
2 n (1)で表される化合物1モルに対し、0.1〜
1000モル、好ましくは、0.5〜500モルであ
る。また、混合溶媒の場合、水と親水性有機溶媒の配合
割合は、水/親水性有機溶媒=10〜90/90〜10
(重量比)、好ましくは、30〜70/70〜30、更
に、好ましくは、40〜60/60〜40である。
【0049】次に、本発明のガスバリア組成物として
は、(C)成分である無機微粒子を含有することが好ま
しい。上記の無機微粒子は、平均粒子径が0.2μm以
下の実質的に炭素原子を含まない粒子状無機物質であ
り、金属またはケイ素酸化物、金属またはケイ素窒化
物、金属ホウ化物が挙げられる。無機微粒子の製造方法
は、例えば、酸化ケイ素を得るには四塩化ケイ素を酸素
と水素の炎中での加水分解により得る気相法、ケイ酸ソ
ーダのイオン交換により得る液相法、シリカゲルのミル
などによる粉砕より得る固相法などの製造方法が挙げら
れるが、これらの方法に限定されるものではない。
【0050】具体的な化合物例としては、SiO2 、A
23、TiO2、WO3、Fe23、ZnO、NiO、
RuO2、CdO、SnO2、Bi23、3Al23・2
SiO2、Sn−In23、Sb−In23、CoFe
Oxなどの酸化物、Si34、Fe4N、AlN、Ti
N、ZrN、TaNなどの窒化物、Ti2B、ZrB2
TaB2、W2Bなどのホウ化物が挙げられる。また、無
機微粒子の形態は、粉体、水または有機溶剤に分散した
コロイドもしくはゾルが挙げられるが、これらは限定さ
れるものではない。これらの中で、(A)成分および/
または(B)成分と共縮合することで優れた塗膜性能を
得るために、好ましくは、コロイダルシリカ、コロイダ
ルアルミナ、アルミナゾル、スズゾル、ジルコニウムゾ
ル、五酸化アンチモンゾル、酸化セリウムゾル、酸化亜
鉛ゾル、酸化チタンゾルなどの粒子表面に水酸基が存在
するコロイド状酸化物が用いられる。無機微粒子の平均
粒子径は、0.2μm以下、好ましくは、0.1μm以
下であり、平均粒径が0.2μmを超えると、膜の緻密
性の観点からガスバリア性が劣る場合がある。
【0051】(C)成分の本発明の組成物中の割合は、
(A)成分および(B)成分の合計量100重量部に対
し、好ましくは、10〜900重量部、特に好ましく
は、20〜400重量部である。上記において、900
重量部を超えると、得られる塗膜のガスバリア性が低下
する場合がある。
【0052】次に、本発明においては、本発明のガスバ
リア性組成物によるガスバリア性塗布膜をより速く硬化
させる目的と、(A)成分と(B)成分との共縮合体を
形成させ易くする目的で(D)硬化促進剤を使用しても
よく、比較的低い温度での硬化と、より緻密な塗膜を得
るために、この(D)硬化促進剤を併用する方が効果的
である。
【0053】上記の(D)硬化促進剤としては、塩酸な
どの無機酸;ナフテン酸、オクチル酸、亜硝酸、亜硫
酸、アルミン酸、炭酸などのアルカリ金属塩;水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性化合物;ア
ルキルチタン酸、リン酸、メタンスルホン酸、p−トル
エンスルホン酸、フタル酸などの酸性化合物;エチレン
ジアミン、ヘキサンジアミン、ジエチレントリアミン、
トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、
ピペリジン、ピペラジン、メタフェニレンジアミン、エ
タノールアミン、トリエチルアミン、エポキシ樹脂の硬
化剤として用いられる各種変性アミン、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−
アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノ
エチル)−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−アニリノプロピルトリメトキシシランなどのアミン系
化合物、(C492Sn(OCOC11232(C
492Sn(OCOCH=CHCOOCH32、(C4
9 2Sn(OCOCH=CHCOOC492、(C
8172Sn(OCOC11232、(C8172Sn
(OCOCH=CHCOOCH32、(C8172Sn
(OCOCH=CHCOOC492、(C8172
n(OCOCH=CHCOOC8172、Sn(OCO
CC8172などのカルボン酸型有機スズ化合物;(C
492Sn(SCH2COOC8172、(C492
Sn(SCH2COOC8172、(C8172Sn
(SCH2COOC8 172、(C8172Sn(SC
2CH2COOC8172、(C8172Sn(SCH
2COOC8172、(C8172Sn(SCH2COO
12252などのメルカプチド型有機スズ化合物; などのスルフィド型有機スズ化合物;
【0054】(C492SnO、(C8172Sn
O、または(C492SnO、(C8172SnOな
どの有機スズオキサイドとエチルシリケート、マレイン
酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フタル酸ジオクチル
などのエステル化合物との反応生成物などの有機スズ化
合物などが使用される。これらの(D)硬化促進剤のガ
スバリア性組成物中における割合は、本発明のガスバリ
ア性組成物の固形分100重量部に対して、通常、0.
5〜50重量部、好ましくは0.5〜30重量部用いら
れる。
【0055】さらに、本発明のガスバリア性組成物に
は、安定性向上剤として、先に挙げたβ−ジケトン類お
よび/またはβ−ケトエステル類を添加することができ
る。すなわち、上記の(B)成分としてガスバリア性組
成物中に存在する上記の金属アルコレート中の金属原子
に配位することにより、(A)成分と(B)成分との縮
合反応をコントロールする作用をし、得られるガスバリ
ア性組成物の保存安定性を向上させる作用をなすものと
考えられる。β−ジケトン類および/またはβ−ケトエ
ステル類の使用量は、上記(B)成分における金属原子
1モルに対し、好ましくは2モル以上、さらに好ましく
は、3〜20モルである。
【0056】本発明のガスバリア性組成物は、通常、上
記(A)〜(D)成分および場合により上記任意成分
を、水および/または親水性有機溶媒中で溶解、分散す
ることによって得られる。ここで、親水性有機溶媒の具
体例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノ
ール、i−プロパノール、n−ブチルアルコール、se
c−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、
ジアセトンアルコール、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコールなどの炭素数1
〜8の飽和脂肪族の1価アルコールまたは2価アルコー
ル;エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチ
レングリコールモノエチルエーテルなどの炭素数1〜8
の飽和脂肪族のエーテル化合物;エチレングリコールモ
ノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ
エチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブ
チルエーテルアセテートなどの炭素数1〜8の飽和脂肪
族の2価アルコールのエステル化合物;N,N−ジメチ
ルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−
ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、ピリジンなど
の含窒素化合物(含窒素有機溶媒);ジメチルスルホキ
シドなどの含硫黄化合物;乳酸、乳酸メチル、乳酸エチ
ル、サリチル酸、サリチル酸メチルなどのヒドロキシカ
ルボン酸またはヒドロキシカルボン酸エステルなどを挙
げることができる。これらのうち、好ましいものとして
は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−
プロパノール、n−ブチルアルコール、sec−ブチル
アルコール、tert−ブチルアルコールなどの炭素数
1〜8の飽和脂肪族の1価アルコール;N,N−ジメチ
ルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−
ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、ピリジンなど
の含窒素化合物(含窒素有機溶媒)を挙げることができ
る。
【0057】これらの水および/または親水性有機溶媒
は、水と親水性有機溶媒とを混合して用いられることが
より好ましい。好ましい溶媒の組成としては、水/炭素
数1〜8の飽和脂肪族の1価アルコール、水/含窒素化
合物(含窒素有機溶媒)である。さらに好ましくは、水
/炭素数1〜8の飽和脂肪族の1価アルコール/含窒素
化合物(含窒素有機溶媒)である。含窒素有機溶媒を混
合することで、薄膜でのコーティングにおいて外観が透
明で良好な塗膜が得られる。
【0058】水および/または親水性有機溶媒の使用量
は、ガスバリア性組成物の全固形分濃度が好ましくは6
0重量%以下となるように用いられる。例えば、薄膜形
成を目的に用いられる場合には、通常、5〜40重量
%、好ましくは、10〜30重量%であり、また厚膜形
成を目的に使用する場合には、通常、20〜50重量
%、好ましくは、30〜45重量%である。ガスバリア
性組成物の全固形分濃度が60重量%を超えると、組成
物の保存安定性が低下する傾向にある。また、上記含窒
素有機溶媒の割合は、溶媒全量中に、通常、1〜70重
量%、好ましくは5〜50重量%である。
【0059】なお、有機溶媒としては、上記の水および
/または親水性有機溶媒が好ましいが、親水性有機溶媒
以外に、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳
香族炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど
のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケ
トン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類など
も使用できる。
【0060】このように、本発明のガスバリア性組成物
は、上記(A)〜(B)成分および場合により上記任意
成分を、水および/または親水性有機溶媒中で混合する
ことによって得られ、好ましくは上記(A)成分と
(B)成分、必要に応じて(C)成分を、水および/ま
たは親水性有機溶媒中で、加水分解および/または縮合
することによって得られる。この際、反応条件は、温度
は20〜100℃、好ましくは30〜80℃、時間は
0.1〜20時間、好ましくは1〜10時間である。得
られるガスバリア性組成物の重量平均分子量は、一般的
なGPC法によるポリメチルメタクリレート換算値で、
通常、500〜100万、好ましくは1,000〜30
万である。
【0061】なお、本発明のガスバリア性組成物には、
得られる塗膜の着色、厚膜化、下地への紫外線透過防
止、防蝕性の付与、耐熱性などの諸特性を発現させるた
めに、別途、充填材を添加・分散させることも可能であ
る。ただし、充填材は、上記(C)成分を除く。充填材
としては、例えば、有機顔料、無機顔料などの非水溶性
の顔料または顔料以外の、粒子状、繊維状もしくは鱗片
状の金属および合金ならびにこれらの酸化物、水酸化
物、炭化物、窒化物、硫化物などが挙げられる。この充
填材の具体例としては、粒子状、繊維状もしくは鱗片状
の、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、銀、亜鉛、フェ
ライト、カーボンブラック、ステンレス鋼、二酸化ケイ
素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化
マンガン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化コバルト、
合成ムライト、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、炭化ケ
イ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、クレー、ケイソウ土、
消石灰、石膏、タルク、炭酸バリウム、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、
雲母、亜鉛緑、クロム緑、コバルト緑、ビリジアン、ギ
ネー緑、コバルトクロム緑、シェーレ緑、緑土、マンガ
ン緑、ピグメントグリーン、群青、紺青、ピグメントグ
リーン、岩群青、コバルト青、セルリアンブルー、ホウ
酸銅、モリブデン青、硫化銅、コバルト紫、マルス紫、
マンガン紫、ピグメントバイオレット、亜酸化鉛、鉛酸
カルシウム、ジンクエロー、硫化鉛、クロム黄、黄土、
カドミウム黄、ストロンチウム黄、チタン黄、リサー
ジ、ピグメントイエロー、亜酸化銅、カドミウム赤、セ
レン赤、クロムバーミリオン、ベンガラ、亜鉛白、アン
チモン白、塩基性硫酸鉛、チタン白、リトポン、ケイ酸
鉛、酸化ジルコン、タングステン白、鉛亜鉛華、バンチ
ソン白、フタル酸鉛、マンガン白、硫酸鉛、黒鉛、ボー
ン黒、ダイヤモンドブラック、サーマトミック黒、植物
性黒、チタン酸カリウムウィスカー、二硫化モリブデン
などが挙げられる。
【0062】これらの充填材の平均粒径または平均長さ
は、通常、50〜50,000nm、好ましくは100
〜5,000nmである。充填材の組成物中の割合は、
充填材以外の成分の全固形分100重量部に対し、好ま
しくは、0.1〜300重量部、さらに好ましくは、1
〜200重量部である。
【0063】なお、本発明のガスバリア性組成物には、
そのほか、オルトギ酸メチル、オルト酢酸メチル、テト
ラエトキシシランなどの公知の脱水剤、各種の界面活性
剤、上記以外の、シランカップリング剤、チタンカップ
リング剤、染料、分散剤、増粘剤、レベリング剤などの
添加剤を配合することもできる。
【0064】本発明のガスバリア性組成物を調製するに
際しては、上記(A)〜(B)成分、好ましくは(A)
〜(C)成分を含有する組成物を調製すればよいが、好
ましくは、上記(B)成分を水または水と親水性有機溶
媒を含む混合溶媒中で加水分解したのち、(A)成分を
混合する。このようにすると、ガスバリア性組成物の経
時的な粘度変化がなく、取り扱い性に優れたガスバリア
性組成物が得られる。(C)成分を用いる場合の本発明
のガスバリア性組成物の調製方法の具体例としては、例
えば、下記の方法が挙げられる。これらの調製方法にお
いて用いられる(B)成分は、水または水と親水性有機
溶媒を含む混合溶媒中であらかじめ加水分解したものを
用いてもよい。水および/または親水性有機溶剤に溶解
させた(A)成分に(C)成分を添加したのち、(B)
成分を添加する方法。水および/または親水性有機溶剤
に溶解させた(A)成分に(C)成分を添加したのち、
(B)成分を添加し、加水分解および/または縮合する
方法。水および/または親水性有機溶剤に溶解させた
(B)成分に、(C)成分を添加し、加水分解および/
または縮合を行ない、そののちに(A)成分を添加する
方法。水および/または親水性有機溶剤に(A)〜
(C)成分を一括添加し、溶解・分散する方法。また
は、そののちに加水分解および/または縮合を行う方
法。
【0065】而して、本発明においては、上記で調製し
たガスバリア性組成物を使用し、これを、前述の無機酸
化物の蒸着膜の上に塗布することにより、ガスバリア性
塗布膜を形成することができる。本発明においては、無
機酸化物の蒸着膜とガスバリア性塗布膜とが、例えば、
加水分解・共縮合反応による化学結合、水素結合、ある
いは、配位結合などを形成し、無機酸化物の蒸着膜とガ
スバリア性塗布膜との密着性が向上し、その2層の相乗
効果により、より良好なガスバリア性の効果を発揮し得
るものである。上記の本発明のガスバリア性組成物を塗
布する方法としては、例えば、グラビアコーターなどの
ロールコート、スプレーコート、スピンコート、ディッ
ピング、刷毛、バーコード、アプリケータなどの塗装手
段により、1回あるいは複数回の塗装で、乾燥膜厚が
0.01〜30μm、好ましくは、0.1〜10μmの
本発明のガスバリア性塗布膜を形成することができ、通
常の環境下、50〜300℃、好ましくは70〜200
℃の温度で、0.005〜60分間、好ましくは、0.
01〜10分間、加熱・乾燥することにより、縮合が行
われ、本発明のガスバリア性塗布膜を形成することがで
きる。また、必要ならば、本発明のガスバリア性組成物
を塗布する際に、予め、無機酸化物の蒸着膜の上に、プ
ライマ−剤等を塗布することもできるものである。
【0066】次にまた、本発明において、上記の積層材
を構成する印刷模様層について説明すると、かかる印刷
模様層としては、例えば、上記のバリア性基材の上に設
けたガスバリア性塗布膜の上、あるいは、後述する表面
基材フィルムの上に、例えば、文字、図形、記号、絵
柄、その他等からなる所望の印刷模様を印刷して、印刷
模様層を形成することができるものである。而して、上
記の印刷模様層としては、具体的には、まず、樹脂等の
1種ないし2種以上からなるインキ用ビヒクルの主成分
とし、これに、必要ならば、可塑剤、安定剤、酸化防止
剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、
帯電防止剤、充填剤、その他等の添加剤の1種ないし2
種以上を任意に添加し、更に、染料・顔料等の着色剤を
添加し、溶媒、希釈剤等で充分に混練してインキ組成物
を調整し、次いで、該インキ組成物を使用し、例えば、
グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、スクリ−ン
印刷、転写印刷、フレキソ印刷、その他等の印刷方式を
使用し、上記のバリア性基材の上に設けたプライマ−剤
層の上、あるいは、後述する表面基材フィルムの上に、
文字、図形、記号、絵柄、その他等からなる所望の印刷
模様を印刷して、本発明にかかる印刷模様層を形成する
ことができるものである。
【0067】上記において、インキ用ビヒクルとして
は、公知のもの、例えば、あまに油、きり油、大豆油、
炭化水素油、ロジン、ロジンエステル、ロジン変性樹
脂、シェラック、アルキッド樹脂、フェノ−ル系樹脂、
マレイン酸樹脂、天然樹脂、炭化水素樹脂、ポリ塩化ビ
ニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹
脂、ポリビニルブチラ−ル樹脂、アクリルまたはメタク
リル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、
ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、尿素樹脂、メラ
ミン樹脂、アミノアルキッド系樹脂、フェノ−ル系樹
脂、ニトロセルロ−ス、エチルセルロ−ス、塩化ゴム、
環化ゴム、その他等の1種ないし2種以上を使用するこ
とができる。
【0068】次にまた、本発明において、上記の積層材
を構成する光遮断性層について説明すると、かかる光遮
断性層としては、まず、樹脂の1種ないし2種以上から
なるインキ用ビヒクルを主成分とし、これに、必要なら
ば、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸
収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤、そ
の他等の添加剤の1種ないし2種以上を任意に添加し、
更に、染料・顔料等の着色剤を添加し、溶媒、希釈剤等
で充分に混練してインキ組成物を調整し、次いで、該イ
ンキ組成物を使用し、例えば、グラビア印刷、オフセッ
ト印刷、凸版印刷、スクリ−ン印刷、転写印刷、フレキ
ソ印刷、その他等の印刷方式を使用し、上記のバリア性
基材の上に設けた印刷模様層の上、あるいは、後述する
表面基材フィルムの上に設けた印刷模様層の上に、ベタ
層からなる印刷被膜層を印刷して、本発明にかかる光遮
断性層を形成することができるものである。
【0069】而して、本発明においては、上記の光遮断
性層は、太陽あるいは蛍光灯等からなる太陽光あるいは
蛍光等の透過を遮断し、軟包装袋内に充填包装した内容
物の分解ないし変質、あるいは、褪色、その他等の光劣
化を防止するものである。このため、本発明において、
上記の光遮断性層を構成する印刷被膜層としては、太陽
光等を吸収ないし反射あるいは拡散する性質を有する着
色剤を含有するインキ組成物による印刷被膜層が望まし
いものである。而して、上記の太陽光等を吸収ないし反
射あるいは拡散する性質を有する着色剤としては、具体
的には、例えば、白色、あるいは、黒色の各種の無機系
ないし有機系の染料、顔料等の着色剤の1種ないし2種
以上の混合物を使用することが望ましいものである。本
発明においては、上記の白色、あるいは、黒色の各種の
無機系ないし有機系の染料、顔料等の着色剤としては、
例えば、塩基性炭酸鉛、塩基性硫酸鉛、塩基性けい酸
鉛、亜鉛華、硫化亜鉛、リトポン、三酸化アンチモン、
アナタス形酸化チタン、ルチル形酸化チタン、その他等
の白色顔料、あるいは、カ−ボンブラック(チャンネル
またはファ−ネス)、その他等の黒色顔料の1種ないし
2種以上を使用することができる。その使用量として
は、インキ用ビヒクルを構成する樹脂に対し、0.1重
量%〜30重量%位、好ましくは、0.5重量%〜10
重量%位添加して使用することが望ましいものである。
【0070】更に、本発明において、上記の光遮断性層
としては、上記の白色、あるいは、黒色の各種の無機系
ないし有機系の染料、顔料の1種ないし2種以上からな
る着色剤を含む白色インキ組成物による白色印刷被膜層
と黒色インキ組成物による黒色印刷被膜層との2層の印
刷被膜層からなる光遮断性層を構成することが望ましい
ものである。而して、本発明において、上記のうよな白
色印刷被膜層と黒色印刷被膜層との2層の印刷被膜層か
らなる光遮断性層により、その一方の層で太陽光等を吸
収すると共にその他方の層で太陽光等を反射あるいは拡
散し、その2層の印刷被膜層による2重の作用効果によ
り、太陽あるいは蛍光灯等からなる太陽光あるいは蛍光
等の透過を完全に遮断し、軟包装袋内に充填包装した内
容物の分解ないし変質、あるいは、褪色、その他等の光
劣化をより一層防止するという作用効果を大ならしめる
ものであり、更に、上記の白色印刷被膜層が、前述の印
刷模様層の下地層の機能を兼備することになり、印刷模
様層を構成する文字、図形、記号、絵柄、その他等の印
刷画像をより一層鮮明にし、美麗な印刷模様を再現ない
し顕現することができるという2重の利点を有するもの
である。
【0071】上記において、光遮断性層を構成する白色
インキ組成物あるいは黒色インキ組成物を形成する樹脂
等からなるインキ用ビヒクルとしては、前述と同様に、
公知のもの、例えば、あまに油、きり油、大豆油、炭化
水素油、ロジン、ロジンエステル、ロジン変性樹脂、シ
ェラック、アルキッド樹脂、フェノ−ル系樹脂、マレイ
ン酸樹脂、天然樹脂、炭化水素樹脂、ポリ塩化ビニル系
樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポ
リビニルブチラ−ル樹脂、アクリルまたはメタクリル系
樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウ
レタン系樹脂、エポキシ系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹
脂、アミノアルキッド系樹脂、フェノ−ル系樹脂、ニト
ロセルロ−ス、エチルセルロ−ス、塩化ゴム、環化ゴ
ム、その他等の1種ないし2種以上を使用することがで
きる。
【0072】次に、本発明において、上記の積層材を構
成するヒ−トシ−ル性樹脂層としては、熱によって溶融
し相互に融着し得るものであればよく、例えば、低密度
ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピ
レ、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹
脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−
アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合
体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポ
リマ−、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフ
ィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン
酸、フマ−ル酸、その他等の不飽和カルボン酸で変性し
た酸変性ポリオレフィン系樹脂、その他等の樹脂の一種
ないしそれ以上からなる樹脂のフィルムないしシ−トを
使用することができる。上記の樹脂のフィルムないしシ
−トは、単層ないし多層で使用することができ、また、
上記の樹脂のフィルムないしシ−トの厚さとしては、5
μm〜300μm位、好ましくは、10μm〜110μ
m位が望ましい。更に、本発明において、上記の樹脂の
フィルムないしシ−トの厚さとしては、袋状容器本体の
製袋時、あるいは、注出口付き袋の製造時等において、
無機酸化物の蒸着膜を有する樹脂フィルムを構成する無
機酸化物の蒸着膜に、擦り傷、あるいは、クラック等を
発生するすることを防止するために、比較的に、その膜
厚を厚くすることが好ましく、具体的には、70μm〜
110μm位、望ましくは、80μm〜100μm位で
あることが好ましいものである。
【0073】ところで、本発明においては、上記のよう
な樹脂のフィルムないしシ−トの中でも、特に、線状低
密度ポリエチレンを使用することが好ましいものであ
る。すなわち、上記の線状低密度ポリエチレンは、粘着
性を有することから破断の伝搬が少なく耐衝撃性を向上
させるという利点があるものであり、また、内層は常時
内容物に接触していることから、耐環境ストレスクラッ
キング性の劣化を防止するためにも有効なものである。
また、本発明においては、線状低密度ポリエチレンに、
他の樹脂をブレンドすることもでき、例えば、エチレン
−ブテン共重合体等をブレンドすることにより、若干、
耐熱性に劣り高温環境下ではシ−ル安定性が劣化する傾
向があるものの、引き裂き性が向上し、易開封性に寄与
するという利点がある。
【0074】更に、本発明において、上記のようなヒ−
トシ−ル性を有する樹脂のフィルムないしシ−トとして
の線状低密度ポリエチレンとしては、具体的には、メタ
ロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン
共重合体のフィルムないしシ−トを同様に使用すること
ができる。上記のメタロセン触媒を用いて重合したエチ
レン−α・オレフィン共重合体のフィルムないしシ−ト
としては、例えば、二塩化ジルコノセンとメチルアルモ
キサンの組み合わせによる触媒等のメタロセン錯体とア
ルモキサンとの組み合わせによる触媒、すなわち、メタ
ロセン触媒を使用して重合してなるエチレン−α・オレ
フィン共重合体のフィルムないしシ−トを使用すること
ができる。メタロセン触媒は、現行の触媒が、活性点が
不均一でマルチサイト触媒と呼ばれているのに対し、活
性点が均一であることからシングルサイト触媒とも呼ば
れているものである。具体的には、三菱化学株式会社製
の商品名「カ−ネル」、三井石油化学工業株式会社製の
商品名「エボリュ−」、米国、エクソン・ケミカル(E
XXON CHEMICAL)社製の商品名「エクザク
ト(EXACT)」、米国、ダウ・ケミカル(DOW
CHEMICAL)社製の商品名「アフィニティ−(A
FFINITY)、商品名「エンゲ−ジ(ENGAG
E)」等のメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−
α・オレフィン共重合体のフィルムを使用することがで
きる。そのフィルムないしシ−トとしては、単層ないし
多層で使用することができ、その厚さとしては、5μm
ないし300μm位、好ましくは、10μmないし10
0μm位が望ましい。本発明において、上記のようなヒ
−トシ−ル性を有する樹脂のフィルムとして、メタロセ
ン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重
合体のフィルムないしシ−トを使用する場合には、袋体
を製造するときに、低温ヒ−トシ−ル性が可能であると
いう利点を有するものである。
【0075】更にまた、上記の積層材を構成する中間基
材について説明すると、かかる中間基材としては、これ
が前述の基材フィルムと同様に、本発明にかかる注出口
付き袋を構成する袋状容器本体を形成する基本ないし補
助素材となることから、機械的、物理的、化学的、その
他等において優れた性質を有し、その強度に優れ、更
に、耐熱性、防湿性、耐ピンホ−ル性、耐突き刺し性、
透明性、その他等に優れた樹脂のフィルムないしシ−ト
を使用することができる。具体的には、例えば、ポリエ
ステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹
脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、
ポリアセタ−ル系樹脂、フッ素系樹脂、その他等の強靱
な樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができ
る。而して、上記の樹脂のフィルムないしシ−トとして
は、未延伸フィルム、あるいは一軸方向または二軸方向
に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用する
ことができる。また、本発明において、その樹脂のフィ
ルムないしシ−トの厚さとしては、強度、耐突き刺し
性、剛性、その他等について必要最低限に保持され得る
厚さであればよく、厚すぎると、コストを上昇するとい
欠点もあり、逆に、薄すぎると、強度、耐突き刺し性、
剛性、その他等が低下して好ましくないものである。本
発明においては、上記のような理由から、約10μmな
いし100μm位、好ましくは、約12μmないし50
μm位が最も望ましい。而して、本発明においては、上
記のような樹脂のフィルムないしシ−トの中でも、特
に、厚さ15μm〜30μm位の二軸延伸ポリアミド系
樹脂フィルムを使用することが好ましいものである。
【0076】次にまた、本発明において、上記の積層材
を構成する表面基材フィルムについて説明すると、かか
る表面基材フィルムとしては、これも前述の基材フィル
ムあるいは中間基材と同様に、本発明にかかる注出口付
き袋を構成する袋状容器本体を形成する基本ないし補助
素材となることから、機械的、物理的、化学的、その他
等において優れた性質を有し、その強度に優れ、更に、
耐熱性、防湿性、耐ピンホ−ル性、耐突き刺し性、透明
性、その他等に優れた樹脂のフィルムないしシ−トを使
用することができる。具体的には、例えば、ポリエステ
ル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポ
リプロピレン系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリア
セタ−ル系樹脂、フッ素系樹脂、その他等の強靱な樹脂
のフィルムないしシ−トを使用することができる。而し
て、上記の樹脂のフィルムないしシ−トとしては、未延
伸フィルム、あるいは一軸方向または二軸方向に延伸し
た延伸フィルム等のいずれのものでも使用することがで
きる。また、本発明において、その樹脂のフィルムない
しシ−トの厚さとしては、強度、耐突き刺し性、剛性、
その他等について必要最低限に保持され得る厚さであれ
ばよく、厚すぎると、コストを上昇するとい欠点もあ
り、逆に、薄すぎると、強度、耐突き刺し性、剛性、そ
の他等が低下して好ましくないものである。本発明にお
いては、上記のような理由から、約10μmないし10
0μm位、好ましくは、約12μmないし50μm位が
最も望ましい。而して、本発明においては、上記のよう
な樹脂のフィルムないしシ−トの中でも、特に、厚さ1
5μm〜30μm位の二軸延伸ポリアミド系樹脂フィル
ムを使用することが好ましいものである。
【0077】ところで、通常、包装用袋は、物理的にも
化学的にも過酷な条件におかれることから、包装用袋を
構成する積層材には、厳しい包装適性が要求され、変形
防止強度、落下衝撃強度、耐ピンホ−ル性、耐熱性、密
封性、品質保全性、作業性、衛生性、その他等の種々の
条件が要求され、このために、本発明においては、上記
のような材料の他に、上記のような諸条件を充足するそ
の他の材料を任意に使用することができ、具体的には、
例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高
密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アク
リル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸またはメ
タクリル酸共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリブ
テン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系
樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビ
ニリデン共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ
アクリルニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリ
ロニトリル−スチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリ
ロニトリル−ブタジェン−スチレン共重合体(ABS系
樹脂)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ
カ−ボネ−ト系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、フッ素系樹
脂、ジエン系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、ポリウレタ
ン系樹脂、ニトロセルロ−ス、その他等の公知の樹脂の
フィルムないしシ−トを任意に選択して使用することが
できる。その他、例えば、合成紙等も使用することがで
きる。本発明において、上記のフィルムないしシ−ト
は、未延伸、一軸ないし二軸方向に延伸されたもの等の
いずれのものでも使用することができる。また、その厚
さは、任意であるが、数μmから300μm位の範囲か
ら選択して使用することができる。更に、本発明におい
ては、フィルムないしシ−トとしては、押し出し成膜、
インフレ−ション成膜、コ−ティング膜等のいずれの性
状の膜でもよい。
【0078】特に、本発明において、その他の基材とし
ては、例えば、水蒸気、水等の透過を阻止するバリア性
を有する低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高
密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等の樹脂のフ
ィルムないしシ−ト、その他等を使用することができ
る。これらの材料は、一種ないしそれ以上を組み合わせ
て使用することができる。また、上記のフィルムないし
シ−トの厚さとしては、任意であるが、通常、5μmな
いし300μm位、更には、10μmないし100μm
位が望ましい。
【0079】次に、上記の本発明において、上記のよう
な材料を使用して積層材を製造する方法について説明す
ると、かかる方法としては、通常の包装材料を製造する
ときに使用する積層法、例えば、ウエットラミネ−ショ
ン法、ドライラミネ−ション法、無溶剤ラミネ−ション
法、押し出しラミネ−ション法、共押し出しラミネ−シ
ョン法、インフレ−ション法、その他の方法等で行うこ
とができる。而して、本発明においては、上記の積層を
行う際に、必要ならば、例えば、基材フィルム等の表面
に、コロナ処理、オゾン処理、フレ−ム処理等の前処理
を任意に施すことができる。また、上記において、押し
出しラミネ−トするときには、例えば、低密度ポリエチ
レン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖
状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレ、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン
−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共
重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−
プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリエ
チレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をア
クリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマ−ル
酸、その他等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリ
オレフィン系樹脂等を押し出しラミネ−ト用樹脂として
使用することができる。また、本発明においては、押し
出しラミネ−ト、あるいは、ドライラミネ−トするとき
には、例えば、ビニル系、アクリル系、ポリウレタン
系、ポリアミド系、ポリエステル系、エポキシ系、その
他等をビヒクルの主成分とする溶剤型、水性型、エマル
ジョン型、その他等のラミネ−ト用接着剤、あるいは、
イソシアネ−ト系、ポリエチレンイミン系、その他等の
アンカ−コ−ト剤等を任意に使用することができる。
【0080】次に、本発明において、上記の積層材を使
用して製造する袋状容器本体について説明すると、かか
る袋状容器本体は、上記のような積層材を使用し、その
ヒ−トシ−ル性樹脂層の面を対向して重ね合わせ、しか
る後、その周辺端部をヒ−トシ−ルしてシ−ル部を形成
して、本発明にかかる注出口付き袋を構成する袋状容器
本体を製造することができる。而して、その製袋方法と
しては、上記のような積層材を、折り曲げるかあるいは
重ね合わせて、その内層の面を対向させ、更にその周辺
端部を、例えば、側面シ−ル型、二方シ−ル型、三方シ
−ル型、四方シ−ル型、封筒貼りシ−ル型、合掌貼りシ
−ル型(ピロ−シ−ル型)、ひだ付シ−ル型、平底シ−
ル型、角底シ−ル型、ガゼット型、その他等のヒ−トシ
−ル形態によりヒ−トシ−ルして、本発明にかかる種々
の形態からなる軟包装用袋を製造することができる。そ
の他、例えば、自立性包装用袋(スタンディングパウ
チ)等も可能である。上記において、ヒ−トシ−ルの方
法としては、例えば、バ−シ−ル、回転ロ−ルシ−ル、
ベルトシ−ル、インパルスシ−ル、高周波シ−ル、超音
波シ−ル等の公知の方法で行うことができる。
【0081】次に、本発明において、本発明にかかる注
出口付き袋について、その注出口本体の開口部から内容
物を充填し、次いで、注出口付き袋を構成する注出口本
体の筒状口部に設けた螺条等を介してキャップ等を螺着
して、密閉することによって、本発明にかかる注出口付
き袋からなる包装製品を製造することができるものであ
る。あるいは、本発明においては、本発明にかかる注出
口付き袋について、その注出口本体の開口部から内容物
を充填し、更に、その開口部に、該開口部を密閉するシ
−ル材を固着して包装体を製造し、しかる後、該包装体
を、レトルト処理あるいはボイル処理し、次に、上記と
同様に、注出口付き袋を構成する注出口本体の筒状口部
に設けた螺条等を介してキャップ等を螺着して、密閉す
ることによって、本発明にかかる注出口付き袋からなる
包装製品を製造することもできるものである。上記にお
いて、レトルト処理あるいはボイル処理する方法として
は、例えば、通常のレトルト釜を使用し、温度、110
〜130℃位、好ましくは、120℃前後位、圧力、1
〜3Kgf/cm2 ・G、好ましくは、2.1Kgf/
cm2・G前後位、時間、20〜60分間位、好ましく
は、30分間前後で加熱加圧処理する方法、あるいは、
温度、90〜100℃、好ましくは、90℃前後位、時
間、5〜20分間位、好ましくは、10分間前後位でボ
イル処理する方法等により行うことができる。而して、
本発明においては、上記のようなレトルト処理あるいは
ボイル処理により、内容物を加熱殺菌、あるいは、加熱
殺菌調理等を行うことができるものである。
【0082】次に、本発明において、本発明にかかる注
出口付き袋に充填包装する内容物としては、例えば、お
粥等の流動食品、ゼリ−状食品、液体ス−プ、調味料、
カレ−、シチュ−、ミ−トソ−ス、その他等の液状食品
等を挙げることができる。而して、本発明にかかる注出
口付き袋は、強度に優れ、かつ、耐侯性、耐熱性、耐圧
性、耐水性、ヒ−トシ−ル性、耐ピンホ−ル性、耐突き
刺し性等の諸物性に優れ、上記の注出口付き袋の製造時
等において、酸化アルミニウムまたは酸化珪素等の無機
酸化物の蒸着膜に擦り傷、クラック等の発生は認められ
ず、特に、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア
性に優れていると共に光遮断性に優れ、更に、レトルト
処理あるいはボイル処理等の加工に伴う熱処理等にも耐
え、例えば、ジュ−ス類、果汁類、ゼリ−状飲料、栄養
ドリンク剤、飲料水、お茶、コ−ヒ−飲料、牛乳、調味
料、油、その他等の飲食品を充填包装するに有用な包装
用容器であり、その内容物の充填包装適性、保存適性等
に優れているものである。
【0083】
【実施例】次に、上記の本発明について実施例を挙げた
更に具体的に本発明を説明する。 実施例1 (1).ポリプロピレン樹脂を使用し、該ポリプロピレ
ン樹脂を200℃位で溶融させて、射出成形法を用いて
射出成形して、筒状口部が、内径、8.5mm、外径、
11mm、高さ、20mmからなり、また、舟形状接着
基部が、横巾、20mm、高さ、10mmからなる注出
口本体を製造した(図1参照)。 (2).上記の(1)と同様にして、ポリプロピレン樹
脂を使用し、上記の注出口本体の筒状口部に螺着し得る
キャップを射出成形して製造した。なお、上記のキャッ
プの内側天面には、ポリエチレンシ−トからなる厚さ1
mmのパッキング材を嵌合、係止させた(図4参照)。 (3).他方、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテ
レフタレ−トフィルムを使用し、これをプラズマ化学気
相成長装置の送り出しロ−ルに装着し、次いで、下記に
示す条件で、上記の二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−
トフィルムのコロナ処理面に、厚さ200Åの酸化珪素
の蒸着膜を形成した。 (蒸着条件) 蒸着面;コロナ処理面 導入ガス量;ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘ
リウム=1.0:3.0:3.0(単位:slm) 真空チャンバ−内の真空度;2〜6×10-6mBar 蒸着チャンバ−内の真空度;2〜5×10-3mBar 冷却・電極ドラム供給電力;10kW ライン速度;100m/min 次に、上記で膜厚200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成し
た直後に、その酸化珪素の蒸着膜面に、グロ−放電プラ
ズマ発生装置を使用し、パワ−9kw、酸素ガス
(O2 ):アルゴンガス(Ar)=7.0:2.5(単
位:slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6
×10-5Torrで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処
理を行って、酸化珪素の蒸着膜面の表面張力を54dy
ne/cm以上向上させてたプラズマ処理面を形成し
た。 (4).他方、還流冷却器、攪拌機を備えた反応器に、
テトラ−i−プロポキシチタン100部、アセチルアセ
トン70部を加え、60℃で30分間攪拌し、チタンキ
レート化合物を得た。この反応生成物の純度は75%で
あった。次に、(A)成分として、エチレン・ビニルア
ルコール共重合体〔日本合成化学株式会社製、商品名、
ソアノールD2935、ケン化度;98%以上、エチレ
ン含量;29モル%、メルトフローインデックス;35
g/10分〕、および、ポリビニルピロリドン〔和光純
薬株式会社製、Mw=25,000〕を、それぞれ、5
%含む水/n−プロピルアルコール溶液(水/n−プロ
ピルアルコール重量比=40/60)100部と、なら
びに、上記で調製したチタンキレート化合物2部とn−
プロピルアルコール16.8部、および、水11.2部
を混合して、55℃で4時間加水分解した(B)成分
と、更に、N,N−ジメチルホルムアミド12.1部と
を、40℃で混合して2時間攪拌し、本発明のガスバリ
ア性組成物を得た。次に、上記の(3)で形成したプラ
ズマ処理面に、上記で製造したガスバリア性組成物を使
用し、これをグラビアロールコート法によりコーティン
グして、次いで、120℃で1分間、加熱処理して、厚
さ1.0g/m2 (乾燥状態)のガスバリア性塗布膜を
形成して、バリア性基材を形成した。 (5).次に、上記の(4)で製造したバリア性基材の
ガスバリア性塗布膜の面に、通常のグラビアインキ組成
物を使用し、グラビア印刷方式で所望の印刷模様を形成
した後、その印刷模様を含む全面に、下記の白色インキ
組成物と黒色インキ組成物とを使用し、グラビアロ−ル
コ−ト法を用いて印刷し、各々厚さ2g/m2 (乾燥状
態)にコ−ティングして、白色印刷被膜と黒色印刷被膜
との2層からなる光遮断性層を形成した。次に、上記で
形成した光遮断性層の面に、2液硬化型のポリウレタン
系ラミネ−ト用接着剤をグラビアロ−ルコ−ト法を用い
て厚さ4.0g/m2 (乾燥状態)にコ−ティングして
ラミネ−ト用接着剤層を形成し、次いで、該ラミネ−ト
用接着剤層面に、厚さ15μmの二軸延伸ナイロン6フ
ィルムを、そのコロナ処理面を対向させて重ね合わせ、
しかる後、その両者をドライラミネ−トして積層した。
更に、上記で積層した二軸延伸ナイロン6フィルムの面
に、コロナ放電処理を施した後、そのコロナ処理面に、
上記と同様にして、ラミネ−ト用接着剤層を形成し、し
かる後、上記のラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ120
μmの低密度ポリエチレンフィルムをドライラミネ−ト
して積層して、積層材を製造した。 (白色インキ組成物) ポリウレタン樹脂 20重量部 酸化チタン 14重量部 溶剤(酢酸エチル、トルエン、イソプロピ−ル アルコ−ルからなる混合溶剤) 66重量部 計 100重量部 (黒色インキ組成物) ポリウレタン樹脂 22重量部 カ−ボンブラック 12重量部 溶剤(酢酸エチル、トルエン、イソプロピ−ル アルコ−ルからなる混合溶剤) 66重量部 計 100重量部 (6).次に、上記で製造した積層材を使用し、縦、1
70mm、横、85mmからなる前板、および、後板を
作成し、同時に、縦、170mm、横、60mmからな
る左側板、および、右側板を作成し、かつ、該左側板、
および、右側板は、内側にV字型に折り込みを刻設し、
しかる後、該前板と後板との左右両側に、左側板および
右側板を挿入し、その前板と後板と左側板および右側板
とが重なり合う外周の左右両端部、下端部(斜めシ−ル
部と底シ−ル部)、および、上端部の左右両端部をヒ−
トシ−ルしてシ−ル部を形成して、上端部に開口部を有
するガゼット型軟包装用袋を製造した(図2参照)。 (7).次に、まず、上記(6)で製造したガゼット型
軟包装用袋の開口部に、前述の(1)で製造した注出口
本体の舟形状接着基部を当接し、その当接部分をヒ−ト
シ−ルして密接着させて、該ガゼット型軟包装用袋と該
注出口本体とからなる注出口付き包装容器を製造した。
次いで、上記の注出口付き包装容器の注出口の開口部か
ら、清涼飲料水を充填包装し、更に、その開口部に、前
述の(2)で製造したキャップを、その筒状口部に螺着
させて、本発明にかかる包装製品を製造した。上記の包
装製品は、その包装用袋が、強度に優れ、かつ、耐侯
性、耐熱性、耐圧性、耐水性、ヒ−トシ−ル性、耐ピン
ホ−ル性、耐突き刺し性等の諸物性に優れ、上記の注出
口付き袋の製造時等において、酸化珪素の蒸着膜に擦り
傷、クラック等の発生は認められず、特に、酸素ガス、
水蒸気等の透過を阻止するバリア性に優れていると共に
光遮断性に優れ、また、破袋ないし内容物の漏れ等も認
められず、食品容器としての機能、例えば、内容物の充
填包装適性、流通適正、保存適性等に優れていた。
【0084】実施例2 (1).上記の実施例1と全く同様にして、同様のポリ
プロピレン樹脂製の注出口本体とキャップを製造した。 (2).他方、基材フィルムとして、厚さ12μmの二
軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用し、
上記の実施例1と全く同様にして、上記の二軸延伸ポリ
エチレンテレフタレ−トフィルムのコロナ処理面に、厚
さ200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成し、更に、その膜
厚200Åの酸化珪素の蒸着膜の面に、プラズマ処理を
行って、酸化珪素の蒸着膜面の表面張力を54dyne
/cm以上に向上させてたプラズマ処理面を形成した。 (3).他方、還流冷却器、攪拌機を備えた反応器に、
テトラ−i−プロポキシチタン100部、アセチルアセ
トン70部を加え、60℃で30分間攪拌し、チタンキ
レート化合物を得た。この反応生成物の純度は75%で
あった。次に、(A)成分として、エチレン・ビニルア
ルコール共重合体〔日本合成化学株式会社製、商品名、
ソアノールD2935、ケン化度;98%以上、エチレ
ン含量;29モル%、メルトフローインデックス;35
g/10分〕の5%水/n−プロピルアルコール溶液
(水/n−プロピルアルコール重量比=40/60)1
00部と、上記で調製したチタンキレート化合物2部と
n−プロピルアルコール16.8部および水11.2部
を混合して、55℃で4時間加水分解した(B)成分と
を、40℃で混合して2時間攪拌し、本発明のガスバリ
ア性組成物を得た。次に、上記の(2)で形成したプラ
ズマ処理面に、上記で製造したガスバリア性組成物を使
用し、これをグラビアロールコート法によりコーティン
グして、次いで、120℃で2分間加熱処理して、厚さ
1.0g/m2 (乾燥状態)のガスバリア性塗布膜を形
成して、バリア性基材を形成した。 (4).次に、表面基材フィルムとして、厚さ15μm
の二軸延伸ナイロン6フィルムを使用し、そのコロナ処
理面の面に、通常のグラビアインキ組成物を使用し、グ
ラビア印刷方式で所望の印刷模様を形成した後、その印
刷模様を含む全面に、上記の実施例1で使用した白色イ
ンキ組成物と黒色インキ組成物と全く同じ白色インキ組
成物と黒色インキ組成物とを使用し、上記の実施例1と
全く同様にして、グラビアロ−ルコ−ト法を用いて印刷
し、各々厚さ2g/m2 (乾燥状態)にコ−ティングし
て、白色印刷被膜と黒色印刷被膜との2層の印刷被膜層
からなる光遮断性層を形成した。次に、上記で形成した
光遮断性層の面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネ
−ト用接着剤をグラビアロ−ルコ−ト法を用いて厚さ
4.0g/m2 (乾燥状態)にコ−ティングしてラミネ
−ト用接着剤層を形成し、次いで、該ラミネ−ト用接着
剤層面に、上記の(3)で製造したバリア性基材のガス
バリア性塗布膜の面を対向させて、その両者をドライラ
ミネ−トした。更に、上記でドライラミネ−トしたバリ
ア性基材を構成する厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレ
ンテレフタレ−トフィルムの面に、コロナ放電処理を施
した後、そのコロナ処理面に、上記と同様にして、ラミ
ネ−ト用接着剤層を形成し、しかる後、上記のラミネ−
ト用接着剤層面に、厚さ120μmの未延伸ポリプロピ
レンフィルムをドライラミネ−トして積層して、積層材
を製造した。 (5).次に、上記で製造した積層材を使用し、その一
枚の積層材を使用し、縦、170mm、横、85mmか
らなる前板、および、後板、同時に、縦、170mm、
横、60mmからなる左側板、および、右側板を形成
し、かつ、該左側板、および、右側板は、内側にV字型
に折り込みを刻設し、しかる後、該前板の端部と側板の
端部とが重なり合う外周の端部、下端部(斜めシ−ルと
底シ−ル)、および、上端部の左右両端部をヒ−トシ−
ルしてシ−ル部を形成して、上端部に開口部を有するガ
ゼット型軟包装用袋を製造した。 (6).次に、上記の(4)と同様にして、ドライラミ
ネ−ト積層方式を用いて、厚さ12μmの2軸延伸ポリ
エチレンテレフタレ−トフィルム/ラミネ−ト用接着剤
層/厚さ20μmのアルミニウム箔/ラミネ−ト用接着
剤層/厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ
−トフィルム/ラミネ−ト用接着剤層/厚さ40μmの
未延伸ポリプロピレンフィルムからなる積層材を製造
し、これを使用して、縦、16mm、横、16mmから
なるシ−ル材を製造した。 (7).そこで、まず、上記(5)で製造したガゼット
型軟包装用袋の開口部に、前述の(1)で製造した注出
口本体の舟形状接着基部を当接し、その当接部分をヒ−
トシ−ルして密接着させて、該ガゼット型軟包装用袋と
該注出口本体とからなる注出口付き包装容器を製造し
た。次に、上記の注出口付き包装容器の注出口の開口部
から、お粥を充填包装し、更に、その開口部に前述の
(6)で製造したシ−ト材を、その未延伸ポリプロピレ
ンフィルムの面を対向させて重ね合わせて、しかる後、
完全にヒ−トシ−ルして密接着させて、その両者を引き
剥がし不可能に固着させて包装体を製造した。上記の包
装体をレトルト釜に入れて、温度、120℃、圧力、
2.1Kgf/cm2 ・G、時間、30分間からなるレ
トルト処理条件でレトルト処理を行ってレトルト処理
(加熱殺菌処理)を行い、次いで、該レトルト処理済の
包装体のシ−ル材部の上から、注出口本体の筒状口部の
開口部に、前述の(1)で製造したキャップを、その筒
状口部に螺着させて、本発明にかかるレトルト包装製品
を製造した。上記のレトルト包装製品は、その包装用袋
が、強度に優れ、かつ、耐侯性、耐熱性、耐圧性、耐水
性、ヒ−トシ−ル性、耐ピンホ−ル性、耐突き刺し性等
の諸物性に優れ、上記の注出口付き袋の製造時等におい
て、酸化珪素の蒸着膜に擦り傷、クラック等の発生は認
められず、特に、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止する
バリア性に優れていると共に光遮断性に優れ、また、破
袋ないし内容物の漏れ等も認められず、食品容器として
の機能、例えば、内容物の充填包装適性、流通適正、保
存適性等に優れていた。特に、上記のレトルト包装製品
は、レトルト処理あるいはボイル処理等の加工に伴う熱
処理に耐え、破袋ないし内容物の漏れ等も認められなか
った。また、キャップを取り外し、シ−ル材を引き剥が
して、内容物を飲食したところ、美味であった。
【0085】実施例3 (1).上記の実施例1と全く同様にして、同様のポリ
プロピレン樹脂製の注出口本体とキャップを製造した。 (2).基材フィルムとして、厚さ15μmの二軸延伸
ナイロン6フィルムを使用し、これをプラズマ化学気相
成長装置の送り出しロールに装着し、下記の条件で厚さ
150Åの酸化珪素の蒸着膜を上記二軸延伸ナイロン6
フィルムの一方のコロナ処理面に形成した。 (蒸着条件) 反応ガス混合比:ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガ
ス:ヘリウム=1:11:10(単位:slm) 真空チャンバー内の真空度:5.2×10-6 mbar 蒸着チャンバー内の真空度:5.1×10-2 mbar 冷却・電極ドラム供給電力:18kW フィルムの搬送速度:70m/分 蒸着面:コロナ処理面 次に、上記で酸化珪素の蒸着膜を形成した二軸延伸ナイ
ロン6フィルムの酸化珪素の蒸着膜面に、上記の実施例
1と全く同様にプラズマ処理を行って、プラズマ処理面
を形成した。 (3).他方、還流冷却器、攪拌機を備えた反応器に、
テトラ−i−プロポキシチタン100部、アセチルアセ
トン70部を加え、60℃で30分間攪拌し、チタンキ
レート化合物を得た。この反応生成物の純度は75%で
あった。次に、(A)成分として、エチレン・ビニルア
ルコール共重合体〔日本合成化学株式会社製、商品名、
ソアノールD2935、ケン化度;98%以上、エチレ
ン含量;29モル%、メルトフローインデックス;35
g/10分〕の5%水/n−プロピルアルコール溶液
(水/n−プロピルアルコール重量比=40/60)1
00部と、上記で調製したチタンキレート化合物2部と
n−プロピルアルコール16.8部、および水11.2
部を混合して、55℃で4時間加水分解した(B)成分
とを、40℃で混合して2時間攪拌し、本発明のガスバ
リア性組成物を得た。次に、上記の(2)で形成したプ
ラズマ処理面に、上記で製造したガスバリア性組成物を
使用し、これをグラビアロールコート法によりコーティ
ングして、次いで、120℃で2分間、加熱処理して、
厚さ1.0g/m2 (乾燥状態)のガスバリア性塗布膜
を形成して、バリア性基材を形成した。 (4).更に、上記で製造したバリア性基材を構成する
ガスバリア性塗布膜の面に、通常のグラビアインキ組成
物を使用し、グラビア印刷方式で所望の印刷模様を形成
した後、その印刷模様を含む全面に、上記の実施例1で
使用した白色インキ組成物と黒色インキ組成物と全く同
じ白色インキ組成物と黒色インキ組成物とを使用し、上
記の実施例1と全く同様にして、グラビアロ−ルコ−ト
法を用いて印刷し、各々厚さ2g/m2 (乾燥状態)に
コ−ティングして、白色印刷被膜と黒色印刷被膜との2
層の印刷被膜層からなる光遮断性層を形成した。次に、
上記で形成した光遮断性層の面に、2液硬化型のポリウ
レタン系ラミネ−ト用接着剤をグラビアロ−ルコ−ト法
を用いて厚さ4.0g/m2 (乾燥状態)にコ−ティン
グしてラミネ−ト用接着剤層を形成し、次いで、該ラミ
ネ−ト用接着剤層面に、厚さ12μmの二軸延伸ポリエ
チレンテレフタレ−トフィルムを使用し、そのコロナ処
理面の面を対向させて重ね合わせて、その両者をドライ
ラミネ−トして積層した。更に、上記でドライラミネ−
トした厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ
−トフィルムの面に、コロナ放電処理を施した後、その
コロナ処理面に、上記と同様にして、ラミネ−ト用接着
剤層を形成し、しかる後、上記のラミネ−ト用接着剤層
面に、厚さ120μmの低密度ポリエチレンフィルムを
ドライラミネ−トして積層して、積層材を製造した。 (5).次に、上記で製造した積層材を使用し、縦、1
70mm、横、85mmからなる前板、および、後板を
作成し、同時に、縦、170mm、横、60mmからな
る左側板、および、右側板を作成し、かつ、該左側板、
および、右側板は、内側にV字型に折り込みを刻設し、
しかる後、該前板と後板との左右両側に、左側板および
右側板を挿入し、その前板と後板と左側板および右側板
とが重なり合う外周の左右両端部、下端部(斜めシ−ル
部と底シ−ル部)、および、上端部の左右両端部をヒ−
トシ−ルしてシ−ル部を形成して、上端部に開口部を有
するガゼット型軟包装用袋を製造した(図2参照)。 (6).次に、まず、上記(4)で製造したガゼット型
軟包装用袋の開口部に、前述の(1)で製造した注出口
本体の舟形状接着基部を当接し、その当接部分をヒ−ト
シ−ルして密接着させて、該ガゼット型軟包装用袋と該
注出口本体とからなる注出口付き包装容器を製造した。
次いで、上記の注出口付き包装容器の注出口の開口部か
ら、ジュ−スを充填包装し、更に、その開口部に、前述
の(1)で製造したキャップを、その筒状口部に螺着さ
せて、本発明にかかる包装製品を製造した。上記で製造
した包装製品は、その包装用袋が、強度に優れ、かつ、
耐侯性、耐熱性、耐圧性、耐水性、ヒ−トシ−ル性、耐
ピンホ−ル性、耐突き刺し性等の諸物性に優れ、上記の
注出口付き袋の製造時等において、酸化珪素の蒸着膜に
擦り傷、クラック等の発生は認められず、特に、酸素ガ
ス、水蒸気等の透過を阻止するバリア性に優れていると
共に光遮断性に優れ、また、破袋ないし内容物の漏れ等
も認められず、食品容器としての機能、例えば、内容物
の充填包装適性、流通適正、保存適性等に優れていた。
【0086】実施例4 (1).上記の実施例1と全く同様に、ポリプロピレン
樹脂製の注出口本体とキャップを製造した。 (2).基材フィルムとして、厚さ15μmの二軸延伸
ナイロン6フィルムを使用し、上記の実施例3と全く同
様にして、厚さ150Åの酸化珪素の蒸着膜を上記の二
軸延伸ナイロン6フィルムの一方のコロナ処理面に形成
し、更に、その酸化珪素の蒸着膜の面に、プラズマ処理
を行って、プラズマ処理面を形成した。 (3).他方、還流冷却器、攪拌機を備えた反応器に、
テトラ−n−ブトキシジルコニウム(純度100%)1
00部、アセト酢酸エチル68部を加え、60℃で30
分間攪拌し、ジルコニウムキレート化合物を得た。この
反応生成物の純度は77%であった。次に、(A)成分
として、エチレン・ビニルアルコール共重合体〔日本合
成化学株式会社製、商品名、ソアノールD2935、ケ
ン化度;98%以上、エチレン含量;29モル%、メル
トフローインデックス;35g/10分〕の5%水/n
−プロピルアルコール溶液(水/n−プロピルアルコー
ル重量比=40/60)100部と、上記で調製したジ
ルコニウムキレート化合物2部とn−プロピルアルコー
ル16.8部および水11.2部を混合して、55℃で
4時間加水分解した(B)成分とを、40℃で混合して
2時間攪拌し、本発明のガスバリア性組成物を得た。次
に、上記の(2)で形成したプラズマ処理面に、上記で
製造したガスバリア性組成物を使用し、これをグラビア
ロールコート法によりコーティングして、次いで、12
0℃で2分間加熱処理して、厚さ1.0g/m2 (乾燥
状態)のガスバリア性塗布膜を形成して、バリア性基材
を形成した。 (4).次に、表面基材フィルムとして、厚さ12μm
の二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用
し、そのコロナ処理面の面に、通常のグラビアインキ組
成物を使用し、グラビア印刷方式で所望の印刷模様を形
成した後、その印刷模様を含む全面に、上記の実施例1
で使用した白色インキ組成物と黒色インキ組成物と全く
同じ白色インキ組成物と黒色インキ組成物とを使用し、
上記の実施例1と全く同様にして、グラビアロ−ルコ−
ト法を用いて印刷し、各々厚さ2g/m2 (乾燥状態)
にコ−ティングして、白色印刷被膜と黒色印刷被膜との
2層の印刷被膜層からなる光遮断性層を形成した。次
に、上記で形成した光遮断性層の面に、2液硬化型のポ
リウレタン系ラミネ−ト用接着剤をグラビアロ−ルコ−
ト法を用いて厚さ4.0g/m2 (乾燥状態)にコ−テ
ィングしてラミネ−ト用接着剤層を形成し、次いで、該
ラミネ−ト用接着剤層面に、上記の(3)で製造したバ
リア性基材のガスバリア性塗布膜の面を対向させて、そ
の両者をドライラミネ−トした。更に、上記でドライラ
ミネ−トしたバリア性基材を構成する厚さ15μmの二
軸延伸ナイヤン6フィルムの面に、コロナ放電処理を施
した後、そのコロナ処理面に、上記と同様にして、ラミ
ネ−ト用接着剤層を形成し、しかる後、上記のラミネ−
ト用接着剤層面に、厚さ120μmの未延伸ポリプロピ
レンフィルムをドライラミネ−トして積層して、積層材
を製造した。 (5).次に、上記で製造した積層材を使用し、その一
枚の積層材を使用し、縦、170mm、横、85mmか
らなる前板、および、後板、同時に、縦、170mm、
横、60mmからなる左側板、および、右側板を形成
し、かつ、該左側板、および、右側板は、内側にV字型
に折り込みを刻設し、しかる後、該前板の端部と側板の
端部とが重なり合う外周の端部、下端部(斜めシ−ルと
底シ−ル)、および、上端部の左右両端部をヒ−トシ−
ルしてシ−ル部を形成して、上端部に開口部を有するガ
ゼット型軟包装用袋を製造した。 (6).次に、上記の(4)と同様にして、ドライラミ
ネ−ト積層方式を用いて、厚さ12μmの2軸延伸ポリ
エチレンテレフタレ−トフィルム/ラミネ−ト用接着剤
層/厚さ20μmのアルミニウム箔/ラミネ−ト用接着
剤層/厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ
−トフィルム/ラミネ−ト用接着剤層/厚さ40μmの
未延伸ポリプロピレンフィルムからなる積層材を製造
し、これを使用して、縦、16mm、横、16mmから
なるシ−ル材を製造した。 (7).そこで、まず、上記(5)で製造したガゼット
型軟包装用袋の開口部に、前述の(1)で製造した注出
口本体の舟形状接着基部を当接し、その当接部分をヒ−
トシ−ルして密接着させて、該ガゼット型軟包装用袋と
該注出口本体とからなる注出口付き包装容器を製造し
た。次に、上記の注出口付き包装容器の注出口の開口部
から、お粥を充填包装し、更に、その開口部に前述の
(6)で製造したシ−ト材を、その未延伸ポリプロピレ
ンフィルムの面を対向させて重ね合わせて、しかる後、
完全にヒ−トシ−ルして密接着させて、その両者を引き
剥がし不可能に固着させて包装体を製造した。上記の包
装体をレトルト釜に入れて、温度、120℃、圧力、
2.1Kgf/cm2 ・G、時間、30分間からなるレ
トルト処理条件でレトルト処理を行ってレトルト処理
(加熱殺菌処理)を行い、次いで、該レトルト処理済の
包装体のシ−ル材部の上から、注出口本体の筒状口部の
開口部に、前述の(1)で製造したキャップを、その筒
状口部に螺着させて、本発明にかかるレトルト包装製品
を製造した。上記のレトルト包装製品は、その包装用袋
が、強度に優れ、かつ、耐侯性、耐熱性、耐圧性、耐水
性、ヒ−トシ−ル性、耐ピンホ−ル性、耐突き刺し性等
の諸物性に優れ、上記の注出口付き袋の製造時等におい
て、酸化珪素の蒸着膜に擦り傷、クラック等の発生は認
められず、特に、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止する
バリア性に優れていると共に光遮断性に優れ、また、破
袋ないし内容物の漏れ等も認められず、食品容器として
の機能、例えば、内容物の充填包装適性、流通適正、保
存適性等に優れていた。特に、上記のレトルト包装製品
は、レトルト処理あるいはボイル処理等の加工に伴う熱
処理に耐え、破袋ないし内容物の漏れ等も認められなか
った。また、キャップを取り外し、シ−ル材を引き剥が
して、内容物を飲食したところ、美味であった。
【0087】実施例5 (1).上記の実施例1と全く同様にして、ポリプロピ
レン樹脂製の注出口本体とキャップを製造した。 (2).基材フィルムとして、厚さ15μmの二軸延伸
ナイロン6フィルムを使用し、上記の実施例3と全く同
様にして、厚さ150Åの酸化珪素の蒸着膜を上記の二
軸延伸ナイロン6フィルムの一方のコロナ処理面に形成
し、更に、その酸化珪素の蒸着膜の面に、プラズマ処理
を行って、プラズマ処理面を形成した。 (3).他方、還流冷却器、攪拌機を備えた反応器に、
テトラ−i−プロポキシチタン100部、アセチルアセ
トン70部を加え、60℃で30分間攪拌し、チタンキ
レート化合物を得た。この反応生成物の純度は75%で
あった。次に、(A)成分として、エチレン・ビニルア
ルコール共重合体〔日本合成化学株式会社製、商品名、
ソアノールD2935、ケン化度;98%以上、エチレ
ン含量;29モル%、メルトフローインデックス;35
g/10分〕、および、ポリビニルピロリドン〔和光純
薬株式会社製、Mw=25,000〕を、それぞれ、5
%含む水/n−プロピルアルコール溶液(水/n−プロ
ピルアルコール重量比=40/60)100部と、なら
びに、上記で調製したチタンキレート化合物2部とn−
プロピルアルコール16.8部、および水11.2部を
混合して、55℃で4時間加水分解した(B)成分と、
更に、N,N−ジメチルホルムアミド12.1部とを、
40℃で混合して2時間攪拌し、本発明のガスバリア性
組成物を得た。次に、上記の(2)で形成したプラズマ
処理面に、上記で製造したガスバリア性組成物を使用
し、これをグラビアロールコート法によりコーティング
して、次いで、120℃で1分間、加熱処理して、厚さ
1.0g/m2 (乾燥状態)のガスバリア性塗布膜を形
成して、バリア性基材を形成した。 (4).次に、上記で製造したバリア性基材を構成する
プライマ−剤層の面に、通常のグラビアインキ組成物を
使用し、グラビア印刷方式で所望の印刷模様を形成した
後、その印刷模様を含む全面に、上記の実施例1で使用
した白色インキ組成物と黒色インキ組成物と全く同じ白
色インキ組成物と黒色インキ組成物とを使用し、上記の
実施例1と全く同様にして、グラビアロ−ルコ−ト法を
用いて印刷し、各々厚さ2g/m2 (乾燥状態)にコ−
ティングして、白色印刷被膜と黒色印刷被膜との2層の
印刷被膜層からなる光遮断性層を形成した。次に、上記
で形成した光遮断性層の面に、2液硬化型のポリウレタ
ン系ラミネ−ト用接着剤をグラビアロ−ルコ−ト法を用
いて厚さ4.0g/m2 (乾燥状態)にコ−ティングし
てラミネ−ト用接着剤層を形成し、次いで、該ラミネ−
ト用接着剤層面に、厚さ120μmの低密度ポリエチレ
ンフィルムをドライラミネ−トして積層して、積層材を
製造した。 (5).次に、上記で製造した積層材を使用し、縦、1
70mm、横、85mmからなる前板、および、後板を
作成し、同時に、縦、170mm、横、60mmからな
る左側板、および、右側板を作成し、かつ、該左側板、
および、右側板は、内側にV字型に折り込みを刻設し、
しかる後、該前板と後板との左右両側に、左側板および
右側板を挿入し、その前板と後板と左側板および右側板
とが重なり合う外周の左右両端部、下端部(斜めシ−ル
部と底シ−ル部)、および、上端部の左右両端部をヒ−
トシ−ルしてシ−ル部を形成して、上端部に開口部を有
するガゼット型軟包装用袋を製造した(図2参照)。 (6).次に、まず、上記(5)で製造したガゼット型
軟包装用袋の開口部に、前述の(1)で製造した注出口
本体の舟形状接着基部を当接し、その当接部分をヒ−ト
シ−ルして密接着させて、該ガゼット型軟包装用袋と該
注出口本体とからなる注出口付き包装容器を製造した。
次いで、上記の注出口付き包装容器の注出口の開口部か
ら、清涼飲料水を充填包装し、更に、その開口部に、前
述の(1)で製造したキャップを、その筒状口部に螺着
させて、本発明にかかる包装製品を製造した。上記の包
装製品は、その包装用袋が、強度に優れ、かつ、耐侯
性、耐熱性、耐圧性、耐水性、ヒ−トシ−ル性、耐ピン
ホ−ル性、耐突き刺し性等の諸物性に優れ、上記の注出
口付き袋の製造時等において、酸化珪素の蒸着膜に擦り
傷、クラック等の発生は認められず、特に、酸素ガス、
水蒸気等の透過を阻止するバリア性に優れていると共に
光遮断性に優れ、また、破袋ないし内容物の漏れ等も認
められず、食品容器としての機能、例えば、内容物の充
填包装適性、流通適正、保存適性等に優れていた。
【0088】実施例6 (1).上記の実施例1と全く同様にして、ポリプロピ
レン樹脂製の注出口本体とキャップを製造した。 (2).基材フィルムとして、厚さ12μmの2軸延伸
ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用し、まず、
上記の2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを
巻き取り式の真空蒸着装置の送り出しロ−ルにに装着
し、次いで、これを繰り出し、その2軸延伸ポリエチレ
ンテレフタレ−トフィルムのコロナ処理面に、アルミニ
ウムを蒸着源に用いて、酸素ガスを供給しながら、エレ
クトロンビ−ム(EB)加熱方式による真空蒸着法によ
り、下記の蒸着条件により、膜厚200Åの酸化アルミ
ニウムの蒸着膜を形成した。 (蒸着条件) 蒸着チャンバ−内の真空度:2×10-4mbar 巻き取りチャンバ−内の真空度:2×10-2mbar 電子ビ−ム電力:25kW フィルムの搬送速度:420m/分 蒸着面:コロナ処理面 次に、上記で厚さ200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜
を形成した直後に、その酸化アルミニウムの蒸着膜面
に、上記の実施例1と全く同様にして、プラズマ処理を
行って、プラズマ処理面を形成した。 (3).他方、還流冷却器、攪拌機を備えた反応器に、
テトラ−i−プロポキシチタン100部、アセチルアセ
トン70部を加え、60℃で30分間攪拌し、チタンキ
レート化合物を得た。この反応生成物の純度は75%で
あった。次に、(A)成分として、エチレン・ビニルア
ルコール共重合体〔日本合成化学株式会社製、商品名、
ソアノールD2935、ケン化度;98%以上、エチレ
ン含量;29モル%、メルトフローインデックス;35
g/10分〕、および、ポリビニルピロリドン〔和光純
薬株式会社製、Mw=25,000〕を、それぞれ、5
%含む水/n−プロピルアルコール溶液(水/n−プロ
ピルアルコール重量比=40/60)100部と、なら
びに、上記で調製したチタンキレート化合物2部とn−
プロピルアルコール16.8部、および、水11.2部
を混合して、55℃で4時間加水分解した(B)成分
と、更に、N,N−ジメチルホルムアミド12.1部と
を、40℃で混合して2時間攪拌し、本発明のガスバリ
ア性組成物を得た。次に、上記の(2)で形成したプラ
ズマ処理面に、上記で製造したガスバリア性組成物を使
用し、これをグラビアロールコート法によりコーティン
グして、次いで、120℃で1分間、加熱処理して、厚
さ1.0g/m2 (乾燥状態)のガスバリア性塗布膜を
形成して、バリア性基材を形成した。 (4).次に、上記の(3)で製造したバリア性基材の
ガスバリア性塗布膜の面に、通常のグラビアインキ組成
物を使用し、グラビア印刷方式で所望の印刷模様を形成
した後、その印刷模様を含む全面に、上記の実施例1で
使用した白色インキ組成物と黒色インキ組成物と全く同
じ白色インキ組成物と黒色インキ組成物とを使用し、上
記の実施例1と全く同様にして、グラビアロ−ルコ−ト
法を用いて印刷し、各々厚さ2g/m2 (乾燥状態)に
コ−ティングして、白色印刷被膜と黒色印刷被膜との2
層の印刷被膜層からなる光遮断性層を形成した。次に、
上記で形成した光遮断性層の面に、2液硬化型のポリウ
レタン系ラミネ−ト用接着剤をグラビアロ−ルコ−ト法
を用いて厚さ4.0g/m2 (乾燥状態)にコ−ティン
グしてラミネ−ト用接着剤層を形成し、次いで、該ラミ
ネ−ト用接着剤層面に、厚さ15μmの二軸延伸ナイロ
ン6フィルムを、そのコロナ処理面を対向させて重ね合
わせ、しかる後、その両者をドライラミネ−トして積層
した。更に、上記で積層した二軸延伸ナイロン6フィル
ムの面に、コロナ放電処理を施した後、そのコロナ処理
面に、上記と同様にして、ラミネ−ト用接着剤層を形成
し、しかる後、上記のラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ
120μmの低密度ポリエチレンフィルムをドライラミ
ネ−トして積層して、積層材を製造した。 (5).次に、上記で製造した積層材を使用し、縦、1
70mm、横、85mmからなる前板、および、後板を
作成し、同時に、縦、170mm、横、60mmからな
る左側板、および、右側板を作成し、かつ、該左側板、
および、右側板は、内側にV字型に折り込みを刻設し、
しかる後、該前板と後板との左右両側に、左側板および
右側板を挿入し、その前板と後板と左側板および右側板
とが重なり合う外周の左右両端部、下端部(斜めシ−ル
部と底シ−ル部)、および、上端部の左右両端部をヒ−
トシ−ルしてシ−ル部を形成して、上端部に開口部を有
するガゼット型軟包装用袋を製造した(図2参照)。 (6).次に、まず、上記(5)で製造したガゼット型
軟包装用袋の開口部に、前述の(1)で製造した注出口
本体の舟形状接着基部を当接し、その当接部分をヒ−ト
シ−ルして密接着させて、該ガゼット型軟包装用袋と該
注出口本体とからなる注出口付き包装容器を製造した。
次いで、上記の注出口付き包装容器の注出口の開口部か
ら、清涼飲料水を充填包装し、更に、その開口部に、前
述の(1)で製造したキャップを、その筒状口部に螺着
させて、本発明にかかる包装製品を製造した。上記の包
装製品は、その包装用袋が、強度に優れ、かつ、耐侯
性、耐熱性、耐圧性、耐水性、ヒ−トシ−ル性、耐ピン
ホ−ル性、耐突き刺し性等の諸物性に優れ、上記の注出
口付き袋の製造時等において、酸化珪素の蒸着膜に擦り
傷、クラック等の発生は認められず、特に、酸素ガス、
水蒸気等の透過を阻止するバリア性に優れていると共に
光遮断性に優れ、また、破袋ないし内容物の漏れ等も認
められず、食品容器としての機能、例えば、内容物の充
填包装適性、流通適正、保存適性等に優れていた。
【0089】実施例7 (1).上記の実施例1と全く同様にして、同様のポリ
プロピレン樹脂製の注出口本体とキャップを製造した。 (2).基材フィルムとして、厚さ12μmの2軸延伸
ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用し、上記の
実施例6と全く同様にして、上記の2軸延伸ポリエチレ
ンテレフタレ−トフィルムのコロナ処理面に、膜厚20
0Åの酸化アルミニウムの蒸着膜を形成し、更に、その
厚さ200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜の面に、プラ
ズマ処理面を形成した。 (3).他方、還流冷却器、攪拌機を備えた反応器に、
テトラ−i−プロポキシチタン100部、アセチルアセ
トン70部を加え、60℃で30分間攪拌し、チタンキ
レート化合物を得た。この反応生成物の純度は75%で
あった。次に、(A)成分として、エチレン・ビニルア
ルコール共重合体〔日本合成化学株式会社製、商品名、
ソアノールD2935、ケン化度;98%以上、エチレ
ン含量;29モル%、メルトフローインデックス;35
g/10分〕の5%水/n−プロピルアルコール溶液
(水/n−プロピルアルコール重量比=40/60)1
00部と、上記で調製したチタンキレート化合物2部と
n−プロピルアルコール16.8部および水11.2部
を混合して、55℃で4時間加水分解した(B)成分と
を、40℃で混合して2時間攪拌し、本発明のガスバリ
ア性組成物を得た。次に、上記の(2)で形成したプラ
ズマ処理面に、上記で製造したガスバリア性組成物を使
用し、これをグラビアロールコート法によりコーティン
グして、次いで、120℃で2分間加熱処理して、厚さ
1.0g/m2 (乾燥状態)のガスバリア性塗布膜を形
成して、バリア性基材を形成した。 (4).次に、表面基材フィルムとして、厚さ15μm
の二軸延伸ナイロン6フィルムを使用し、そのコロナ処
理面の面に、通常のグラビアインキ組成物を使用し、グ
ラビア印刷方式で所望の印刷模様を形成した後、その印
刷模様を含む全面に、上記の実施例1で使用した白色イ
ンキ組成物と黒色インキ組成物と全く同じ白色インキ組
成物と黒色インキ組成物とを使用し、上記の実施例1と
全く同様にして、グラビアロ−ルコ−ト法を用いて印刷
し、各々厚さ2g/m2 (乾燥状態)にコ−ティングし
て、白色印刷被膜と黒色印刷被膜との2層の印刷被膜層
からなる光遮断性層を形成した。次に、上記で形成した
光遮断性層の面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネ
−ト用接着剤をグラビアロ−ルコ−ト法を用いて厚さ
4.0g/m2 (乾燥状態)にコ−ティングしてラミネ
−ト用接着剤層を形成し、次いで、該ラミネ−ト用接着
剤層面に、上記の(3)で製造したバリア性基材のガス
バリア性塗布膜の面を対向させて、その両者をドライラ
ミネ−トした。更に、上記でドライラミネ−トしたバリ
ア性基材を構成する厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレ
ンテレフタレ−トフィルムの面に、コロナ放電処理を施
した後、そのコロナ処理面に、上記と同様にして、ラミ
ネ−ト用接着剤層を形成し、しかる後、上記のラミネ−
ト用接着剤層面に、厚さ120μmの低密度ポリエチレ
ンフィルムをドライラミネ−トして積層して、積層材を
製造した。 (5).次に、上記で製造した積層材を使用し、縦、1
70mm、横、85mmからなる前板、および、後板を
作成し、同時に、縦、170mm、横、60mmからな
る左側板、および、右側板を作成し、かつ、該左側板、
および、右側板は、内側にV字型に折り込みを刻設し、
しかる後、該前板と後板との左右両側に、左側板および
右側板を挿入し、その前板と後板と左側板および右側板
とが重なり合う外周の左右両端部、下端部(斜めシ−ル
部と底シ−ル部)、および、上端部の左右両端部をヒ−
トシ−ルしてシ−ル部を形成して、上端部に開口部を有
するガゼット型軟包装用袋を製造した(図2参照)。 (6).次に、まず、上記(5)で製造したガゼット型
軟包装用袋の開口部に、前述の(1)で製造した注出口
本体の舟形状接着基部を当接し、その当接部分をヒ−ト
シ−ルして密接着させて、該ガゼット型軟包装用袋と該
注出口本体とからなる注出口付き包装容器を製造した。
次いで、上記の注出口付き包装容器の注出口の開口部か
ら、清涼飲料水を充填包装し、更に、その開口部に、前
述の(1)で製造したキャップを、その筒状口部に螺着
させて、本発明にかかる包装製品を製造した。上記の包
装製品は、その包装用袋が、強度に優れ、かつ、耐侯
性、耐熱性、耐圧性、耐水性、ヒ−トシ−ル性、耐ピン
ホ−ル性、耐突き刺し性等の諸物性に優れ、上記の注出
口付き袋の製造時等において、酸化珪素の蒸着膜に擦り
傷、クラック等の発生は認められず、特に、酸素ガス、
水蒸気等の透過を阻止するバリア性に優れていると共に
光遮断性に優れ、また、破袋ないし内容物の漏れ等も認
められず、食品容器としての機能、例えば、内容物の充
填包装適性、流通適正、保存適性等に優れていた。
【0090】比較例1 (1).厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタ
レ−トフィルムのコロナ処理面に、通常のグラビアイン
キ組成物を使用し、グラビア印刷方式で所望の印刷模様
を形成した後、その印刷模様を含む全面に、2液硬化型
のポリウレタン系ラミネ−ト用接着剤をグラビアロ−ル
コ−ト法を用いて厚さ4.0g/m2 (乾燥状態)にコ
−ティングしてラミネ−ト用接着剤層を形成し、次い
で、該ラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ15μmの二軸
延伸ナイロン6フィルムをドライラミネ−トして積層し
た。次に、上記で積層した厚さ15μmの二軸延伸ナイ
ロン6フィルムの面に、コロナ放電処理を施した後、そ
のコロナ処理面に、上記と同様にして、ラミネ−ト用接
着剤層を形成し、しかる後、上記のラミネ−ト用接着剤
層面に、厚さ7μmのアルミニウム箔をドライラミネ−
トして積層し、更に、上記で積層したアルミニウム箔の
面に、上記と同様にして、ラミネ−ト用接着剤層を形成
し、しかる後、上記のラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ
120μmの低密度ポリエチレンフィルムをドライラミ
ネ−トして積層して、積層材を製造した。 (2).次いで、上記で製造した積層材を使用し、それ
以外は、上記の実施例1と全く同様にして、注出口付き
包装容器を製造し、更に、それに内容物を充填包装した
包装製品を製造した。
【0091】比較例2 (1).厚さ15μmの二軸延伸ナイロン6フィルムの
コロナ処理面に、通常のグラビアインキ組成物を使用
し、グラビア印刷方式で所望の印刷模様を形成した後、
その印刷模様を含む全面に、2液硬化型のポリウレタン
系ラミネ−ト用接着剤をグラビアロ−ルコ−ト法を用い
て厚さ4.0g/m2 (乾燥状態)にコ−ティングして
ラミネ−ト用接着剤層を形成し、次いで、該ラミネ−ト
用接着剤層面に、厚さ7μmのアルミニウム箔をドライ
ラミネ−トして積層し、更に、上記で積層したアルミニ
ウム箔の面に、上記と同様にして、ラミネ−ト用接着剤
層を形成し、しかる後、上記のラミネ−ト用接着剤層面
に、厚さ120μmの低密度ポリエチレンフィルムをド
ライラミネ−トして積層して、積層材を製造した。 (2).次いで、上記で製造した積層材を使用し、それ
以外は、上記の実施例1と全く同様にして、注出口付き
包装容器を製造し、更に、それに内容物を充填包装した
包装製品を製造した。
【0092】比較例3 (1).厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタ
レ−トフィルムのコロナ処理面に、通常のグラビアイン
キ組成物を使用し、グラビア印刷方式で所望の印刷模様
を形成した後、その印刷模様を含む全面に、2液硬化型
のポリウレタン系ラミネ−ト用接着剤をグラビアロ−ル
コ−ト法を用いて厚さ4.0g/m2 (乾燥状態)にコ
−ティングしてラミネ−ト用接着剤層を形成し、次い
で、該ラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ15μmの二軸
延伸ナイロン6フィルムをドライラミネ−トして積層し
た。次に、上記で積層した厚さ15μmの二軸延伸ナイ
ロン6フィルムの面に、コロナ放電処理を施した後、そ
のコロナ処理面に、上記と同様にして、ラミネ−ト用接
着剤層を形成し、しかる後、上記のラミネ−ト用接着剤
層の面に、厚さ120μmの低密度ポリエチレンフィル
ムをドライラミネ−トして積層して、積層材を製造し
た。 (2).次いで、上記で製造した積層材を使用し、それ
以外は、上記の実施例1と全く同様にして、注出口付き
包装容器を製造し、更に、それに内容物を充填包装した
包装製品を製造した。
【0093】比較例4 (1).厚さ15μmの二軸延伸ナイロン6フィルムの
コロナ処理面に、通常のグラビアインキ組成物を使用
し、グラビア印刷方式で所望の印刷模様を形成した後、
その印刷模様を含む全面に、2液硬化型のポリウレタン
系ラミネ−ト用接着剤をグラビアロ−ルコ−ト法を用い
て厚さ4.0g/m2 (乾燥状態)にコ−ティングして
ラミネ−ト用接着剤層を形成し、次いで、該ラミネ−ト
用接着剤層の面に、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレ
ンテレフタレ−トフィルムを、そのコロナ処理面を対向
させて重ね合わせ、次いでその両者をドライラミネ−ト
して積層し、更に、上記で積層した厚さ12μmの二軸
延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの面に、コロ
ナ放電処理を施した後、そのコロナ処理面に、上記と同
様にして、ラミネ−ト用接着剤層を形成し、しかる後、
上記のラミネ−ト用接着剤層の面に、厚さ120μmの
低密度ポリエチレンフィルムをドライラミネ−トして積
層して、積層材を製造した。 (2).次いで、上記で製造した積層材を使用し、それ
以外は、上記の実施例1と全く同様にして、注出口付き
包装容器を製造し、更に、それに内容物を充填包装した
包装製品を製造した。
【0094】比較例5 (1).厚さ15μmの二軸延伸ナイロン6フィルムを
使用し、そのコロナ処理面の面に、通常のグラビアイン
キ組成物を使用し、グラビア印刷方式で所望の印刷模様
を形成した後、その印刷模様を含む全面に、2液硬化型
のポリウレタン系ラミネ−ト用接着剤をグラビアロ−ル
コ−ト法を用いて厚さ4.0g/m2 (乾燥状態)にコ
−ティングしてラミネ−ト用接着剤層を形成し、次い
で、該ラミネ−ト用接着剤層面に、上記の実施例1で製
造したバリア性基材を使用し、そのガスバリア性塗布膜
の面を対向させて、その両者をドライラミネ−トした。
更に、上記でドライラミネ−トしたバリア性基材を構成
する厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−
トフィルムの面に、コロナ放電処理を施した後、そのコ
ロナ処理面に、上記と同様にして、ラミネ−ト用接着剤
層を形成し、しかる後、上記のラミネ−ト用接着剤層面
に、厚さ120μmの低密度ポリエチレンフィルムをド
ライラミネ−トして積層して、積層材を製造した。 (2).次いで、上記で製造した積層材を使用し、それ
以外は、上記の実施例1と全く同様にして、注出口付き
包装容器を製造し、更に、それに内容物を充填包装した
包装製品を製造した。
【0095】比較例6 (1).厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタ
レ−トフィルムを使用し、そのコロナ処理面の面に、通
常のグラビアインキ組成物を使用し、グラビア印刷方式
で所望の印刷模様を形成した後、その印刷模様を含む全
面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト用接着剤
をグラビアロ−ルコ−ト法を用いて厚さ4.0g/m2
(乾燥状態)にコ−ティングしてラミネ−ト用接着剤層
を形成し、次いで、該ラミネ−ト用接着剤層面に、上記
の実施例3で製造したバリア性基材を使用し、そのガス
バリア性塗布膜の面を対向させて、その両者をドライラ
ミネ−トした。更に、上記でドライラミネ−トしたバリ
ア性基材を構成する厚さ15μmの二軸延伸ナイロン6
フィルムの面に、コロナ放電処理を施した後、そのコロ
ナ処理面に、上記と同様にして、ラミネ−ト用接着剤層
を形成し、しかる後、上記のラミネ−ト用接着剤層面
に、厚さ120μmの低密度ポリエチレンフィルムをド
ライラミネ−トして積層して、積層材を製造した。 (2).次いで、上記で製造した積層材を使用し、それ
以外は、上記の実施例1と全く同様にして、注出口付き
包装容器を製造し、更に、それに内容物を充填包装した
包装製品を製造した。
【0096】比較例7 (1).上記の実施例3で製造したバリア性基材を使用
し、そのバリア性基材を構成するガスバリア性塗布膜の
面に、通常のグラビアインキ組成物を使用し、グラビア
印刷方式で所望の印刷模様を形成した後、その印刷模様
を含む全面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト
用接着剤をグラビアロ−ルコ−ト法を用いて厚さ4.0
g/m2 (乾燥状態)にコ−ティングしてラミネ−ト用
接着剤層を形成し、次いで、該ラミネ−ト用接着剤層面
に、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−
トフィルムを使用し、そのコロナ処理面の面を対向させ
て重ね合わせて、その両者をドライラミネ−トした。更
に、上記でドライラミネ−トした厚さ12μmの二軸延
伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの面に、コロナ
放電処理を施した後、そのコロナ処理面に、上記と同様
にして、ラミネ−ト用接着剤層を形成し、しかる後、上
記のラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ120μmの低密
度ポリエチレンフィルムをドライラミネ−トして積層し
て、積層材を製造した。 (2).次いで、上記で製造した積層材を使用し、それ
以外は、上記の実施例1と全く同様にして、注出口付き
包装容器を製造し、更に、それに内容物を充填包装した
包装製品を製造した。
【0097】比較例8 (1).上記の実施例1で製造したバリア性基材を使用
し、そのバリア性基材を構成するガスバリア性塗布膜の
面に、通常のグラビアインキ組成物を使用し、グラビア
印刷方式で所望の印刷模様を形成した後、その印刷模様
を含む全面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト
用接着剤をグラビアロ−ルコ−ト法を用いて厚さ4.0
g/m2 (乾燥状態)にコ−ティングしてラミネ−ト用
接着剤層を形成し、次いで、該ラミネ−ト用接着剤層面
に、厚さ15μmの二軸延伸ナイロン6フィルムを、そ
のコロナ処理面を対向させて重ね合わせ、しかる後、そ
の両者をドライラミネ−トして積層した。更に、上記で
積層した二軸延伸ナイロン6フィルムの面に、コロナ放
電処理を施した後、そのコロナ処理面に、上記と同様に
して、ラミネ−ト用接着剤層を形成し、しかる後、上記
のラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ120μmの低密度
ポリエチレンフィルムをドライラミネ−トして積層し
て、積層材を製造した。 (2).次いで、上記で製造した積層材を使用し、それ
以外は、上記の実施例1と全く同様にして、注出口付き
包装容器を製造し、更に、それに内容物を充填包装した
包装製品を製造した。
【0098】比較例9 (1).上記の実施例3で製造したバリア性基材を使用
し、そのバリア性基材を構成するガスバリア性塗布膜の
面に、通常のグラビアインキ組成物を使用し、グラビア
印刷方式で所望の印刷模様を形成した後、その印刷模様
を含む全面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト
用接着剤をグラビアロ−ルコ−ト法を用いて厚さ4.0
g/m2 (乾燥状態)にコ−ティングしてラミネ−ト用
接着剤層を形成し、次いで、該ラミネ−ト用接着剤層面
に、厚さ120μmの低密度ポリエチレンフィルムをド
ライラミネ−トして積層して、積層材を製造した。 (2).次いで、上記で製造した積層材を使用し、それ
以外は、上記の実施例1と全く同様にして、注出口付き
包装容器を製造し、更に、それに内容物を充填包装した
包装製品を製造した。
【0099】実験例 上記の実施例1〜7、および、比較例1〜9において製
造した積層材およびそれを使用して製造した注出口付き
包装容器について、下記に示す評価項目を測定した。 (1).遮光性の測定 これは、上記の実施例1〜7、および、比較例1〜9に
おいて製造した積層材について、スガ試験機株式会社
製、機種名、SMカラ−コンピュ−タ−にて全光線透過
率を測定して評価した。 (2).酸素透過度の測定 これは、上記の実施例1〜7、および、比較例1〜9に
おいて製造した積層材について、温度23℃、湿度90
%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測
定機〔機種名、オクストラン(OXTRAN)〕にて測
定した。 (3).水蒸気透過度の測定 これは、上記の実施例1〜7、および、比較例1〜9に
おいて製造した積層材について、温度40℃、湿度90
%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測
定機〔機種名、パ−マトラン(PERMATRAN)〕
にて測定した。 (4).ピンホ−ルの測定 これは、上記の実施例1〜7、および、比較例1〜9で
製造した注出口付き包装容器について、ゲルボ試験機を
用いて、3度、2000回実施して、その注出口付き包
装容器を構成する積層材について、ピンホ−ルの数を数
えて測定した。 (5).保香性の測定 これは、上記の実施例1〜7、および、比較例1〜9で
製造した注出口付き包装容器にドレッシングを充填包装
し、それを40℃のオ−ブンに1日間保存し、次いで 、
包装容器を開封し、5 人の試験者に臭いの有無を確認
して測定し、○は、臭わない、△は、少し臭う、×は、
臭うを表す。上記の測定結果について、下記の表1に示
す。
【0100】 上記の表1において、酸素透過度の単位は、〔cc/m
2 /day 23℃・90%RH〕であり、水蒸気透過
度の単位は、〔g/m2 /day・40℃・90%R
H〕であり、ピンホ−ル数は、個/A4サイズである。
【0101】上記の表1に示す測定結果から明らかなよ
うに、実施例1〜7にかかるものは、光遮断性、酸素透
過度および水蒸気透過度において十分に実用性を有する
ものであることが確認され、また、耐ピンホ−ル性、保
香性等においても優れているものであった。これに対
し、比較例1、2にかかるものは、光遮断性、酸素透過
度、水蒸気透過度、保香性等において優れているが、耐
ピンホ−ル性に若干欠けるものであり、また、比較例
3、4にかかるものは、耐ピンホ−ル性等において優れ
ているが、光遮断性、酸素透過度、水蒸気透過度、およ
び、保香性等において劣るものであり、更に、比較例
5、6、7、8、9にかかるものは、酸素透過度、水蒸
気透過度、耐ピンホ−ル性、および、保香性等において
優れているものあるが、光遮断性等において十分に満足
し得るものではなかった。
【0102】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明
は、まず、筒状口部と該筒状口部の下方に連接する舟形
状接着基部とからなる注出口本体を製造し、他方、樹脂
フィルム等からなる基材フィルムの一方の面に、酸化ア
ルミニウム、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜も設け、
次に、該酸化アルミニウム、酸化珪素等の無機酸化物の
蒸着膜の面に、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理
等の前処理を施して前処理層を設けた後、該前処理層の
面に、少なくとも、ポリビニルアルコ−ル系樹脂と、金
属アルコレ−ト、該金属アルコレ−トの加水分解物、該
金属アルコレ−トの縮合物、該金属アルコレ−トのキレ
−ト化合物、該キレ−ト化合物の加水分解物および金属
アシレ−トの群から選ばれた少なくとも1種とを含有す
るガスバリア性組成物によるガスバリア性塗布膜を形成
してバリア性基材を製造し、次いで、該バリア性基材を
構成するガスバリア性塗布膜の上に、所望の印刷模様層
を設け、しかる後、該印刷模様層を含む全面に、白色イ
ンキ組成物による白色印刷被膜層と黒色インキ組成物に
よる黒色印刷被膜層との2層の印刷被膜層からなる光遮
断性層を設け、更に、上記の光遮断性層を構成する白色
印刷被膜層を、上記の印刷模様層の下地層を兼ねさせ、
次に、上記の黒色印刷被膜層の上に、ヒ−トシ−ル性樹
脂層を積層して、包装用材料としての積層材を製造し、
次いで、該積層材を使用し、これを製袋して自立性袋あ
るいはカゼット型袋等のプラスチック製軟包装用袋等か
らなる袋状容器本体を製造し、次に、上記の袋状容器本
体の一辺の開口部に、上記の注出口本体を構成する舟形
状接着基部を当接させて、その両者を、その当接部分に
おいてヒ−トシ−ル等により固着して、上記の注出口本
体と上記の袋状容器本体とからなる注出口付き袋を製造
し、しかる後、該注出口付き袋内に内容物を充填し、更
に、上記の注出口付き袋を構成する注出口本体の筒状口
部に、ネジ部等を介して、開口部を密閉するキャップ等
を螺着して包装製品を製造して、強度に優れ、かつ、耐
侯性、耐熱性、耐圧性、耐水性、ヒ−トシ−ル性、耐ピ
ンホ−ル性、耐突き刺し性等の諸物性に優れ、上記の注
出口付き袋の製造時等において、酸化アルミニウムまた
は酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜に擦り傷、クラック
等の発生は認められず、特に、酸素ガス、水蒸気等の透
過を阻止するバリア性に優れていると共に光遮断性に優
れ、更に、レトルト処理あるいはボイル処理等の加工に
伴う熱処理等にも耐え、例えば、ジュ−ス類、果汁類、
ゼリ−状飲料、栄養ドリンク剤、飲料水、お茶、コ−ヒ
−飲料、牛乳、調味料、油、その他等の飲食品を充填包
装するに有用な包装用容器であり、その内容物の充填包
装適性、保存適性等に優れている注出口付き袋を製造し
得ることができるというものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる注出口付き袋を構成する注出口
本体についてその一例を示す概略的斜視図である。
【図2】本発明にかかる注出口付き袋を構成する袋状容
器本体についてその一例を示す概略的斜視図である。
【図3】本発明にかかる注出口付き袋についてその一例
を示す概略的斜視図である。
【図4】本発明にかかる注出口付き袋を構成する注出口
本体の筒状口部に取り付けるキャップについてその一例
を示す概略的斜視図である。
【図5】本発明にかかる注出口付き袋を構成する注出口
本体の筒状口部に取り付けるキャップについてその一例
を示す概略的斜視図である。
【図6】本発明にかかる注出口付き袋を構成する注出口
本体について別の形態からなる注出口本体の一例を示す
概略的斜視図である。
【図7】本発明にかかる注出口付き袋を構成する注出口
本体について別の形態からなる注出口本体の一例を示す
概略的斜視図である。
【図8】本発明にかかる注出口付き袋を構成する袋状容
器本体を形成する積層材についてその一例を示す概略的
断面図である。
【図9】本発明にかかる注出口付き袋を構成する袋状容
器本体を形成する積層材についてその一例を示す概略的
断面図である。
【図10】本発明にかかる注出口付き袋を構成する袋状
容器本体を形成する積層材についてその一例を示す概略
的断面図である。
【図11】本発明にかかる注出口付き袋を構成する袋状
容器本体を形成する積層材についてその一例を示す概略
的断面図である。
【図12】本発明にかかる注出口付き袋を構成する袋状
容器本体を形成する積層材についてその一例を示す概略
的断面図である。
【図13】本発明にかかる注出口付き袋を構成する袋状
容器本体を形成する積層材についてその一例を示す概略
的断面図である。
【図14】本発明にかかる注出口付き袋を構成する袋状
容器本体を形成する積層材についてその一例を示す概略
的断面図である。
【図15】巻き取り式真空蒸着装置についてその一例の
概要を示す概略的構成図である。
【図16】プラズマ化学気相成長装置についてその一例
の概要を示す概略的構成図である。
【符号の説明】
A 注出口付き袋 B 注出口本体 C 袋状容器本体 D キャップ E〜E3 積層材 1 筒状口部 2 舟形状接着基部 3 螺条 4 中間のリング部 5 大口径の筒状部 6 フランジ部 11 前板 12 後板 13、14 側板 15 シ−ル部 16 開口部 41 基材フィルム 42 無機酸化物の蒸着膜 43 ガスバリア性塗布膜 44 バリア性基材 45 光遮断性層 45a、45b、45c 印刷被膜層 46 ヒ−トシ−ル性樹脂層 47 中間基材 48 表面基材フィルム 49 前処理層 50 印刷模様層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B65D 65/40 B65D 65/40 D 81/30 81/30 C Fターム(参考) 3E064 AA01 AA13 AB23 BA24 BA37 BA54 BA60 BB03 BC01 BC02 BC08 BC18 BC20 EA18 FA04 FA05 HN65 HQ02 3E067 AB26 AB28 BA12A BB14A BB25A BB26A BB30A CA04 CA11 CA17 CA24 EA23 EE02 EE59 GC02 3E086 AA23 AB02 AC07 AC33 AD01 AD30 BA04 BA24 BA33 BA35 BA40 BB02 BB05 BB21 BB41 BB51 BB62 BB71 BB75 BB85 BB87 CA01 CA11 DA01 4F100 AA17B AA19B AA20B AK01A AK01E AK03E AK07 AK21C AK42 AK46E AR00D BA10A BA10C BA10E CC00C CC00D EH46C EH66B EJ38A EJ38E GB15 GB16 HB00 HB31D JD02C JL10D JL12E JM02B JN02D

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状口部と該筒状口部の下方に連接する
    舟形状接着基部とからなる注出口本体と、該注出口本体
    を構成する舟形状接着基部に固着する袋状容器本体とか
    らなり、更に、上記の袋状容器本体が、少なくとも、基
    材フィルムの一方の面に無機酸化物の蒸着膜とガスバリ
    ア性塗布膜とを設けたバリア性基材と、光遮断性層と、
    ヒ−トシ−ル性樹脂層との3層、あるいは、少なくと
    も、基材フィルムの一方の面に無機酸化物の蒸着膜とガ
    スバリア性塗布膜とを設けたバリア性基材と、光遮断性
    層と、中間基材と、ヒ−トシ−ル性樹脂との4層、また
    は、少なくとも、表面基材フィルムと、光遮断性層と、
    基材フィルムの一方の面に無機酸化物の蒸着膜とガスバ
    リア性塗布膜とを設けたバリア性基材と、ヒ−トシ−ル
    性樹脂層との4層を順次に積層した積層材から構成され
    ることを特徴とする注出口付き袋。
  2. 【請求項2】 注出口本体を構成する舟形状接着基部の
    下方に、袋状容器本体の閉塞を防止する閉塞防止部材を
    連接することを特徴とする上記の請求項1に記載する注
    出口付き袋。
  3. 【請求項3】 注出口本体を構成する筒状口部にキャッ
    プを取り付けたことを特徴とする上記の請求項1〜2の
    いずれか1項に記載する注出口付き袋。
  4. 【請求項4】 袋状容器本体が、自立性袋、または、ガ
    ゼット型袋であることを特徴とする上記の請求項1〜3
    のいずれか1項に記載する注出口付き袋。
  5. 【請求項5】 バリア性基材を構成する無機酸化物の蒸
    着膜が、前処理層、または、前処理層とプライマ−剤
    層、更には、印刷模様層を有することを特徴とする上記
    の請求項1〜4のいずれか1項に記載する注出口付き
    袋。
  6. 【請求項6】 表面基材フィルムが、印刷模様層を有す
    ることを特徴とする上記の請求項1〜5のいずれか1項
    に記載する注出口付き袋。
  7. 【請求項7】 基材フィルムが、二軸延伸加工した樹脂
    のフィルムないしシ−トからなることを特徴とする上記
    の請求項1〜6のいずれか1項に記載する注出口付き
    袋。
  8. 【請求項8】 無機酸化物の蒸着膜が、物理気相成長法
    または化学気相成長による無機酸化物の蒸着膜からなる
    ことを特徴とする上記の請求項1〜7のいずれか1項に
    記載する注出口付き袋。
  9. 【請求項9】 無機酸化物の蒸着膜が、物理気相成長法
    による酸化アルミニウムの蒸着膜からなることを特徴と
    する上記の請求項1〜8のいずれか1項に記載する注出
    口付き袋。
  10. 【請求項10】 無機酸化物の蒸着膜が、化学気相成長
    による酸化珪素の蒸着膜からなることを特徴とする上記
    の請求項1〜9のいずれか1項に記載する注出口付き
    袋。
  11. 【請求項11】 ガスバリア性塗布膜が、少なくとも、
    ポリビニルアルコ−ル系樹脂と、一般式R1 m M(OR
    2 n (式中、Mは、金属原子を表し、R1は、同一ま
    たは異なり、炭素数1〜8の有機基を表し、R2 は、同
    一または異なり、炭素数1〜5のアルキル基または炭素
    数1〜6のアシル基もしくはフェニル基を表し、mおよ
    びnは、それぞれ0以上の整数を表し、m+nは、Mの
    原子価を表す。)で表される金属アルコレ−ト、該金属
    アルコレ−トの加水分解物、該金属アルコレ−トの縮合
    物、該金属アルコレ−トのキレ−ト化合物、該キレ−ト
    化合物の加水分解物および金属アシレ−トの群から選ば
    れた少なくとも1種とを含有するガスバリア性組成物に
    よるガスバリア性塗布膜からなることを特徴とする上記
    の請求項1〜10のいずれか1項に記載するレトルト処
    理包装製品。
  12. 【請求項12】 光遮断性層が、インキ組成物による印
    刷被膜層からなることを特徴とする上記の請求項1〜1
    1のいずれか1項に記載する注出口付き袋。
  13. 【請求項13】 光遮断性層が、白色インキ組成物によ
    る白色印刷被膜層と黒色インキ組成物による黒色印刷被
    膜層との2層の印刷被膜層からなり、更に、上記の白色
    印刷被膜層が、印刷模様層の下地層を兼ねることを特徴
    とする上記の請求項1〜12のいずれか1項に記載する
    注出口付き袋。
  14. 【請求項14】 ヒ−トシ−ル性樹脂層が、ポリオレフ
    ィン系樹脂層からなることを特徴とする上記の請求項1
    〜13のいずれか1項に記載する注出口付きき袋。
  15. 【請求項15】 中間基材が、二軸延伸ポリアミド系樹
    脂フィルムからなることを特徴とする上記の請求項1〜
    14のいずれか1項に記載する注出口付き袋。
  16. 【請求項16】 表面基材フィルムが、二軸延伸加工し
    た樹脂のフィルムないしシ−トからなることを特徴とす
    る上記の請求項1〜15のいずれか1項に記載する注出
    口付き袋。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005178804A (ja) * 2003-12-17 2005-07-07 Dainippon Printing Co Ltd レトルト用パウチ
JP2007022601A (ja) * 2005-07-19 2007-02-01 Dainippon Printing Co Ltd 注出具付き包装用袋
JP2015066721A (ja) * 2013-09-27 2015-04-13 大日本印刷株式会社 包装用積層レトルト材及びそれを用いた包装用レトルト体並びに包装用レトルトレーザー印字体
CN108910262A (zh) * 2017-04-01 2018-11-30 南京光谷数据处理有限公司 用于氧化干燥型油墨的环保回收包装物

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