JP2003276689A - 高揚力舵 - Google Patents
高揚力舵Info
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Abstract
ことなく、むしろ舵面積を減少させることにより推進性
能の向上を図るとともに、操縦性能の向上を図ることの
できる舵形状および構造を有する高揚力舵を提供する。 【解決手段】 舵本体3の後端部にフラットバー4をそ
の舵本体3の後端部に対して幅方向に僅かに突出するよ
うに接続し、かつ舵本体3の水平断面形状を、前半部が
舵外方へ向かう凸曲線の流線型で、後半部がその凸曲線
から凹曲線に反転したフォロー形状に形成する。
Description
数軸船舶の船尾に装着される高揚力舵に関するものであ
る。
いった操縦性能を満足させるために、船舶の船尾には舵
が装備される。この舵は、プロペラの後方部において船
体に取り付けられた舵軸に取着される。
その後端部の水平断面形状が示されているように、舵本
体50の水平断面形状を流線型にし、この舵本体50の
後端部をラウンドバー51にスムーズに接続(溶接接
合)するようにした構造のものが知られている。しか
し、このような一般的形状の舵では、船型によっては舵
の必要面積が大きくなって配置が困難になる場合があ
り、また推進性能の向上のために小面積の舵が要求され
る場合があるため、それらの要求に十分に応えられない
という問題点がある。
を損なわずに舵面積を小さくするための種々の工夫がな
されている。例えば図9(a)(b)に示されるよう
に、舵本体(主舵板)60の後縁にヒンジ機構61にて
可動部(いわゆるフラップ)62を枢着し、このフラップ
62を舵本体60の舵角の約2倍の角度で矢印Bにて示
されるように揺動させるようにしたものが提案されてい
る。また、図10(a)(b)に示されるように、舵本
体70の断面形状を前部は流線型71にして中央部に凹
み72をもたせ、後部は楔状73にして、全体として魚
の尾ひれの形にするとともに、この舵本体70上下に水
平板74を設けたものも提案されている。これらいずれ
の従来例のものも、一般形状の舵に比べて揚力を大きく
することができ、これによって旋回性能および保針性能
を向上させることができる。
示される形状の舵では、可動部としてのフラップ62が
あるために、構造が複雑になる上、この可動部を支持す
るヒンジ機構61を水中に設ける必要があって、メンテ
ナンス面および装備コスト面で高価なものになってしま
うという問題点がある。また、舵上部のヒンジ機構61
が抵抗となり船舶の推進性能を劣化させるという問題点
もある。
ては、工作に手間がかかるため舵の製作費用が高くなる
という問題点があるほか、上下の水平板74に係わる面
積の増加とその形状によって船舶の推進性能の劣化を招
く場合があるという問題点がある。
めになされたもので、簡易な構成で直進時の推進性能を
劣化させることなく、むしろ舵面積を減少させることに
より推進性能の向上を図るとともに、操縦性能の向上を
図ることのできる舵形状および構造を有する高揚力舵を
提供することを目的とするものである。
的を達成するために、第1発明による高揚力舵は、船舶
の船尾に装着される高揚力舵であって、舵本体の後端部
にフラットバーをその舵本体の後端部に対して幅方向に
僅かに突出するように接続し、かつ前記舵本体の水平断
面形状を、舵外方へ向かう凸曲線の流線型に形成するこ
とを特徴とするものである。
尾流とプロペラ後流によって揚力が発生し、この揚力の
船体重心に対するモーメントによって「旋回装置」ある
いは「保針装置」として働く。
の前方からの流れは、舵の後部では一部剥離を伴った乱
流域となるので、舵本体の後端部に幅方向に僅かに突出
するように接続されているフラットバーのために抵抗が
増加することはなく、船舶の推進性能に悪影響を及ぼす
ことはない。一方、舵を取って船舶を旋回させたとき、
舵には迎角をもった流れが流入する。このとき、舵の後
端部にフラットバーが僅かに突出していることにより、
このフラットバーが流れをとらまえることになり、図1
に示されているように、一般の舵形状(破線にて示
す。)の迎角αに比べて大きな迎角α'になり、これに
よって揚力が大きく(L→L')なるので、一般の舵形
状に比べて、舵を流れの方向に向けさせるより強い回転
力が舵に生じることになる。こうして、船舶の直進時に
は舵が抵抗として働かず、旋回のために舵を取った時に
は、同面積の一般の舵に比べ強い旋回力を発揮する。
るように、直進時に外乱の影響で船尾が、例えば右舷側
に振られた時には、舵に右舷側の迎角をもった流れVが
流入するので、舵には左舷方向に力が生じ、もとに復元
する力が生じることにより保針されることになるが、本
発明による舵は、前述したのと同様の原理で、この復元
力L'も一般の舵の復元力Lに比べて大きくなる。
ットバーは特別な工作の必要が無い簡単な形状となって
いるため、製作に際しても簡単に加工でき工費も嵩むこ
とがなく、実用化が容易なもので費用対効果に優れてい
る。
船尾に装着される高揚力舵であって、舵本体の後端部に
フラットバーをその舵本体の後端部に対して幅方向に僅
かに突出するように接続し、かつ前記舵本体の水平断面
形状を、前半部が舵外方へ向かう凸曲線の流線型で、後
半部がその凸曲線から凹曲線に反転したフォロー形状に
形成することを特徴とするものである。
ットバーが接続された構成に加えて、舵本体の後半部が
フォロー形状に形成されているので、フラットバーによ
る効果との相乗効果によって、フラットバーのみを設け
た第1発明のものよりも更に揚力を大きくすることがで
き、操舵性能および保針性能をより向上させることがで
きる。また、本発明においても、第1発明と同様、製作
が簡単で実用化が容易であるという効果を奏する。
体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明す
る。
力舵の要部概略構成図(斜視図(a)および(a)にお
けるA−A断面図(b))が示されている。
2の後流側において船尾船殻から下方に突出するように
装着され、舵本体3とその舵本体3の後端部に接合され
るフラットバー4とにより構成されている。
半部を舵外方へ向かう凸曲線の流線型とし、後半部をそ
の凸曲線から凹曲線に反転したフォロー形状に形成して
なる形状とされている。そして、この舵本体3の後端部
には、図4に示されるように、フラットバー4が前記舵
本体3の後端部に対して僅かに幅方向に突出する形で接
合されている。ここで、前記フラットバー4は、推進抵
抗の悪化を避けるために、その幅W1を最大翼厚tの1
5.0%以下程度、突出量W2を最大翼厚tの5.0%以
下に抑えるのが好ましい。
と称す。)を、一般の流線型から本実施形態のように、
後部をフォロー形状にすることで翼断面に迎角をもった
流れが流入したときに、迎角に直角方向により強い直圧
力が働くことは良く知られている。また、翼(舵本体)
の後端部に端板を付加すると、翼面の正圧側から背面の
負圧側に回り込む流れが抑制されて、直圧力を増す効果
がある。本実施形態においては、これら翼断面のフォロ
ー形状と翼後端の端板効果を組み合わせることにより、
より強い直圧力を生み出すように構成したものである。
図5によって説明する。舵本体3に翼断面の舵軸心線C
に対して迎角αをもった流れFが当たると、この流れF
に直角方向に揚力(直圧力)Lが生じる。この揚力Lを
舵の全側面積にわたって積分した合計揚力が船を旋回さ
せる力となり、この力が直進時には外乱に対して船の針
路を保針する力となる。
ては、舵後部がフォロー形状に形成されるとともに、後
端部に幅方向に僅かに突出するようにフラットバー4が
接合されているので、これらフォロー断面とフラットバ
ー4とが流れをとらまえるように機能する。この結果、
一般舵の流線型翼断面に比べ、迎角αが大きくなり、こ
れによって揚力Lが大きくなるので、舵を流れの方向に
むけさせるより強い回転力を舵に生じさせることにな
る。言い換えれば、同じ旋回力を生じさせるのに従来の
舵に比べて小面積の舵で効果を発揮することになる。
ために、本発明者らは、本実施形態の主旨に沿い模型船
による操縦試験を行った。これらの試験は、模型船に一
般舵を装備した場合と、一般舵より舵面積を小さくし本
実施形態で述べた形状および構造を有する舵を装備した
場合とを比較して行った。図6に、本実施形態の舵(実
線で示す。)と一般舵(破線で示す。)のそれぞれの舵
側面形状(a)および水平断面形状(b)が比較して示
されている。
積を約10%小さくしても一般舵と同様の操縦性能(旋
回性能および保針性能)を得ることが可能であることが
確認された。
揚力舵の後端部における水平断面図が示されている。
を、前半部が舵外方へ向かう凸曲線の流線型で、後半部
がその凸曲線から凹曲線に反転したフォロー形状に形成
したものとしたが、本実施形態では、舵本体3'の水平
断面形状を一般の流線型にしてその流線型の舵本体3'
の後端部に前記実施形態と同様のフラットバー4を接合
したものである。なお、この場合にも、前記フラットバ
ー4の幅W1は最大翼厚tの15.0%以下程度、突出
量W2は最大翼厚tの5.0%以下に抑えるのが好まし
い。
形態の高揚力舵1に比べてその効果は劣るものの、後端
部において僅かに突出したフラットバー4が前記実施形
態の舵と同様の効果を発揮し、一般の同面積の舵に比べ
て揚力が大きくなる。また、このフラットバー4に特別
の加工が必要なく、既存船への取付けも容易に行うこと
ができるという効果もある。
る舵板の上下に水平板(図10に示される水平板74と
同様形状のもの)を設けるようにすれば、これら水平板
によって舵の一側面から他側面へ回り込む流れが抑制さ
れるので、揚力をより大きくすることができる。
説明する図である。
説明する図である。
要部概略構成図(斜視図(a)および(a)におけるA
−A断面図(b))である。
る水平断面を示す図である。
する図である。
形状比較を示す図である。
の後端部における水平断面を示す図である。
示す図である。
示す図である。
の例を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 船舶の船尾に装着される高揚力舵であっ
て、 舵本体の後端部にフラットバーをその舵本体の後端部に
対して幅方向に僅かに突出するように接続し、かつ前記
舵本体の水平断面形状を、舵外方へ向かう凸曲線の流線
型に形成することを特徴とする高揚力舵。 - 【請求項2】 船舶の船尾に装着される高揚力舵であっ
て、 舵本体の後端部にフラットバーをその舵本体の後端部に
対して幅方向に僅かに突出するように接続し、かつ前記
舵本体の水平断面形状を、前半部が舵外方へ向かう凸曲
線の流線型で、後半部がその凸曲線から凹曲線に反転し
たフォロー形状に形成することを特徴とする高揚力舵。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002088215A JP4008731B2 (ja) | 2002-03-27 | 2002-03-27 | 高揚力舵 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002088215A JP4008731B2 (ja) | 2002-03-27 | 2002-03-27 | 高揚力舵 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2003276689A true JP2003276689A (ja) | 2003-10-02 |
JP4008731B2 JP4008731B2 (ja) | 2007-11-14 |
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
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JP (1) | JP4008731B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101324965B1 (ko) | 2011-10-06 | 2013-11-05 | 삼성중공업 주식회사 | 러더 및 이를 갖춘 선박 |
JP2017178161A (ja) * | 2016-03-31 | 2017-10-05 | 三井造船株式会社 | 船舶用舵及び船舶 |
-
2002
- 2002-03-27 JP JP2002088215A patent/JP4008731B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2017170359A1 (ja) * | 2016-03-31 | 2017-10-05 | 三井造船株式会社 | 船舶用舵及び船舶 |
KR20180130488A (ko) | 2016-03-31 | 2018-12-07 | 미쯔이 이앤에스 쉽빌딩 씨오., 엘티디. | 선박용 키 및 선박 |
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---|---|
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