JP2003276232A - 熱転写プリンタ - Google Patents

熱転写プリンタ

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JP2003276232A
JP2003276232A JP2002087943A JP2002087943A JP2003276232A JP 2003276232 A JP2003276232 A JP 2003276232A JP 2002087943 A JP2002087943 A JP 2002087943A JP 2002087943 A JP2002087943 A JP 2002087943A JP 2003276232 A JP2003276232 A JP 2003276232A
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temperature
ink
thermal head
heating element
cpu
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JP2002087943A
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Junichi Yasui
淳一 安井
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Brother Industries Ltd
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Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サーマルヘッドの発熱体の実際の温度に適し
た通電時間によってサーマルヘッドの発熱体を通電す
る。 【解決手段】 CPU41は、次に熱転写が行われる領
域に保持されたインクを用紙に熱転写する際の各ドット
の階調数を利用して、全ドットの階調数の平均値(平均
階調数)を算出する。そして、CPU41は、温度セン
サ77の検出結果(サーマルヘッド11が取り付けられ
た放熱板の温度)及び平均階調数などを利用して、サー
マルヘッド11の発熱体の温度を想定する。さらに、C
PU41は、想定したサーマルヘッド11の発熱体の温
度を利用して、予め定められている基本通電時間を補正
して、サーマルヘッド11の発熱体を実際に通電する実
通電時間を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サーマルヘッドの
複数の発熱体を通電する通電時間を補正して、印刷媒体
に多階調の画像を形成する熱転写プリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】印刷媒体に文字やイラスト等の所定の画
像を印刷(形成)するプリンタが各種開発されており、
その1つに熱転写プリンタ(溶融型熱転写プリンタ、昇
華型熱転写プリンタ)がある。この熱転写プリンタは、
周期的に複数の色のインクを順次保持するインクリボン
(インクシート)をサーマルヘッドで印刷媒体に圧接
し、その印刷媒体に形成されることになる画像のデータ
に基づいて、通電する発熱体を選択するとともに選択し
た発熱体への通電時間を階調に基づいて制御する。これ
によってインクリボンの各インクを印刷媒体に熱転写し
て多階調の画像を印刷媒体に形成するものである。
【0003】そして、上記発熱体への通電時間は、印刷
媒体に同じ階調の画像を形成する場合であってもサーマ
ルヘッドの発熱体の温度によって異なる。このため、サ
ーマルヘッドが取り付けられた放熱板の温度TEMをサ
ーミスタなどの温度検出素子を用いて検出し、この検出
結果を利用して階調に応じて予め定められている通電時
間(基本通電時間)Tfを下記式(1)により補正し
て、実際に発熱体を通電する通電時間(実通電時間)T
を決定していた。
【0004】
【数式1】
【0005】但し、αは通電時間を補正するための予め
決められている係数である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、サーマルヘ
ッドの発熱体の温度は、サーミスタなどの温度検出素子
により温度が測定される放熱板の温度より高くなってい
る。このため、温度検出素子による検出結果(放熱板の
温度)を利用して上記式(1)を演算して基本通電時間
fを補正したとしても、補正後の実通電時間Tはサー
マルヘッドの発熱体の実際の温度におけるその階調に適
した通電時間より長いものとなっていた。この結果、印
刷媒体に印刷した画像が濃くなりすぎることがあった。
【0007】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもの
であり、サーマルヘッドの発熱体の実際の温度に適した
通電時間によってサーマルヘッドの発熱体への通電が行
われる熱転写プリンタを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の熱転写
プリンタは、周期的に複数の色のインクを順次保持する
インクシートをサーマルヘッドで印刷媒体に圧接すると
ともに、前記サーマルヘッドの複数の発熱体への通電時
間を制御することによって前記インクシートに保持され
た各前記インクを前記印刷媒体に転写して多階調の画像
を前記印刷媒体に形成する熱転写プリンタであって、前
記サーマルヘッドまたはその周辺の温度を検出するため
の温度検出手段と、前記複数の色のインクのうちあるイ
ンクを転写する際に、前記あるインクの前記印刷媒体へ
の転写開始直前に前記温度検出手段により検出された温
度と、前記あるインクの各ドットの階調数とを利用し
て、前記転写開始直前の前記サーマルヘッドの前記発熱
体の温度を想定するための温度想定手段と、階調レベル
に応じて予め定められている前記サーマルヘッドの前記
発熱体への通電時間を前記温度想定手段による想定温度
に基づいて補正するための通電時間補正手段とを備えた
ことを特徴とする。
【0009】請求項1によると、サーマルヘッドの発熱
体の温度を想定し、その温度を利用して発熱体への通電
時間を制御するため、発熱体への通電時間が必要以上に
長くなることを防止することができ、つまり、発熱体の
通電時間がサーマルヘッドの発熱体の実際の温度に適し
た通電時間にすることができ、この結果、印刷媒体に印
刷した画像が濃くなり過ぎることを防ぐことができる。
【0010】請求項2に記載の熱転写プリンタは、前記
温度想定手段は、前記あるインクの前記印刷媒体への前
記転写開始直前に前記温度検出手段により検出された温
度と、前記あるインクの各ドットの階調数とを利用し
て、前記転写開始直前の前記サーマルヘッドの前記発熱
体の温度を想定することを特徴とする。請求項2による
と、サーマルヘッドの発熱体の温度の想定を容易なもの
とすることができる。
【0011】請求項3に記載の熱転写プリンタは、各々
のインクに関してインクの転写開始前に前記温度検出手
段により検出された温度に対し、そのインクの転写を全
てのドットを最大階調にして行い、次のインクの前記印
刷媒体への転写開始直前における前記温度検出手段によ
り検出された温度の上昇値を前記インクに関連付けて予
め格納するための格納手段をさらに備えており、前記温
度想定手段は、前記あるインクの転写の際に、前記格納
手段に格納されている前記あるインクに関連付けられた
前記上昇値と前記あるインクが前記印刷媒体に転写され
る際の各ドットの階調数の平均値とを乗算して得られた
値を各ドットの最大階調数で除算して得られた値と、前
記あるインクの前記印刷媒体への転写開始直前に前記温
度検出手段により検出された温度とを加算して、前記サ
ーマルヘッドの前記発熱体の温度を想定することを特徴
とする。請求項3によると、サーマルヘッドの発熱体の
温度の想定値を発熱体の実際の温度により近いものにす
ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
熱転写プリンタについて図1〜図3を参照しつつ説明す
る。図1は、本発明の実施の形態に係る熱転写プリンタ
の外観を示す概略図である。また、図2は、図1に示し
た熱転写プリンタの印刷/駆動系を説明するための模式
図である。図3は、図1に示した熱転写プリンタの印刷
/駆動系及び制御系を説明するためのブロック図であ
る。
【0013】図1に示した熱転写プリンタ1は、プリン
タ本体2と用紙格納カセット3とを備えている。用紙格
納カセット3は、用紙(印刷媒体)8を格納するための
ものであって、プリンタ本体2の一の側面に着脱可能に
取り付けられている。そして、後述するように熱転写プ
リンタ1による印刷時には用紙8が双方向に交互に搬送
されることになるため、用紙8が搬送される際に用紙8
がプリンタ本体2の側面にあたって搬送が邪魔されない
ように、用紙格納カセット3が取り付けられる一の側面
の反対側のプリンタ本体2の側面には、用紙8が出入り
可能な寸法の開口部2aが設けられている。
【0014】プリンタ本体2には、印刷/駆動系(図
2、図3参照)、及び印刷/駆動系等を制御するための
制御系(図3参照)等が内蔵されているとともに、イン
クリボン(インクシート)7を収容するリボン収容カセ
ット6が、ユーザ等が自ら交換することができるよう
に、プリンタ2の内部に着脱可能に取り付けられてい
る。このリボン収容カセット6は、インクリボン7が巻
装されたリボン供給スプール6aと、インクリボン7を
巻き取るためのリボン巻き取りスプール6bとからなる
(図2参照)。リボン供給スプール6aが後述するリボ
ン供給ローラ13と嵌合し、リボン巻き取りスプール6
bが後述するリボン巻き取りローラ14と嵌合すること
によって、リボン収容カセット6がプリンタ本体2の内
部の所定位置に配置される。
【0015】ここで、リボン収容カセット6に収容され
るインクリボン7について図4を参照しつつ説明する。
図4は、インクリボンを説明するための説明図である。
【0016】インクリボン7には、図4に示すように、
周期的に、シアンのインクが保持されたシアン領域C、
マゼンタのインクが保持されたマゼンタ領域M、イエロ
のインクが保持されたイエロ領域Y、及びアクリル系樹
脂やビニル系樹脂等の樹脂がコーティングされたオーバ
コート領域OCが形成されている。つまり、インクリボ
ン7は、シアン領域C、マゼンタ領域M、イエロ領域
Y、及びオーバコート領域OCが順に形成されてなるパ
ターンPを複数有している。
【0017】また、インクリボン7には、夫々のパター
ンPに含まれるシアン領域Cの前にそのパターンPの開
始位置を示す位置マークPM(後述するリボン位置セン
サ74が検出するマーク)が形成されている。但し、2
つ目以降のパターンPの開始位置を示す位置マークPM
は、そのパターンPに含まれるシアン領域Cとその一つ
前のパターンPに含まれるオーバコート領域OCとの間
に形成される。
【0018】図2及び図3の説明に戻って、プリンタ本
体2には、上述したように、印刷/駆動系が内蔵されて
いる。この印刷/駆動系は、インクリボンの幅方向(主
走査方向)にほぼ直線状に配列された複数の発熱体を有
するサーマルヘッド11と、プラテンローラ12と、リ
ボン供給ローラ13と、リボン巻き取りローラ14と、
ニップローラ15a、15bと、搬送ローラ16a、1
6bと、ピックアップローラ17と、剥離板18とを備
えている。また、印刷/駆動系は、ヘッド駆動回路51
と、ヘッド/剥離板駆動回路52と、巻き取りモータ駆
動回路53と、搬送モータ駆動回路54と、ピックアッ
プモータ駆動回路55と、ファンモータ駆動回路56
と、ヘッド/剥離板駆動モータ62と、リボン巻き取り
モータ63と、用紙搬送モータ64と、ピックアップモ
ータ65と、冷却ファンモータ66とを備えている。さ
らに、印刷/駆動系は、用紙先端センサ71と、用紙終
端センサ72と、リボン位置センサ74と、リボン回転
センサ75と、ヘッド/剥離板位置センサ76と、温度
センサ77とを備えている。この温度センサ77はサー
マルヘッド11上もしくはサーマルヘッド11に連結さ
れた放熱板(不図示)上に設けられる。
【0019】サーマルヘッド11に備えられた発熱体と
プラテンローラ12とが互いに対向し、且つ、ヘッドリ
リース時には一定距離隔てられるように、サーマルヘッ
ド11とプラテンローラ12とが配設されている。そし
て、印刷時には、ヘッド/剥離板駆動回路52を介して
制御系4のCPU41(図3参照)に駆動が制御された
ヘッド/剥離板駆動モータ62によって、サーマルヘッ
ド11とプラテンローラ12とが近づけられて、サーマ
ルヘッド11の発熱体がインクリボン7及び用紙8を介
してプラテンローラ12に圧接されることになる。尚、
インクリボン7がサーマルヘッド11の発熱体側に位置
し、用紙8がプラテンローラ12側に位置する。また、
サーマルヘッド11に備え付けられた発熱体への通電の
制御は、ヘッド駆動回路51を介して制御系4のCPU
41(図3参照)によって行われる。
【0020】リボン供給ローラ13は、サーマルヘッド
11に対して用紙格納カセット3と反対側に位置するよ
うに配設されている。また、リボン巻き取りローラ14
はサーマルヘッド11に対して用紙格納カセット3と同
じ側に位置するように配設されている。つまり、用紙格
納カセット3の側から順に、リボン巻き取りローラ1
4、サーマルヘッド11、及びリボン供給ローラ13が
配設されている。上述したように、リボン収容カセット
6のリボン供給スプール6a及びリボン巻き取りスプー
ル6bを夫々リボン供給ローラ13及びリボン巻き取り
ローラ14に嵌合させることによって、リボン収容カセ
ット6がプリンタ本体2の内部に着脱自在に取り付けら
れる。
【0021】リボン巻き取りローラ14は、巻き取りモ
ータ駆動回路53を介して制御系4のCPU41(図3
参照)に駆動を制御されたリボン巻き取りモータ63に
よって、インクリボン7がリボン巻き取りスプール6b
に巻き取られる方向に回転させられる。そして、リボン
巻き取りスプール6bがリボン巻き取りローラ14に連
動してインクリボン7を巻き取る方向に回転し、インク
リボン7がリボン巻き取りスプール6bに巻き取られ
る。
【0022】ピックアップローラ17は、用紙格納カセ
ット3と対向した位置に配設されている。印刷の際、ピ
ックアップローラ17は、ピックアップモータ駆動回路
55を介して制御系4のCPU41(図3参照)に駆動
が制御されたピックアップモータ65によって回転させ
られて、用紙格納カセット3に格納された用紙の中から
最も上に置かれた1枚の用紙8をピックアップしてプリ
ンタ本体2内に送り込む。
【0023】ニップローラ15aと搬送ローラ16aと
は互いに対向し且つ用紙8の搬送時に用紙8を介して互
いに接触するような位置関係にあるとともに、サーマル
ヘッド11とピックアップローラ17との間に配設され
ている。また、ニップローラ15bと搬送ローラ16b
とは互いに対向し且つ用紙8の搬送時に用紙8を介して
互いに接触するような位置関係にあるとともに、サーマ
ルヘッド11に対して搬送ローラ16aの反対側に配設
されている。
【0024】搬送ローラ16a、16bは、搬送モータ
駆動回路54を介して制御系4のCPU41(図3参
照)に駆動が制御された用紙搬送モータ64によって回
転させられ、用紙8(用紙8はニップローラ15aと搬
送ローラ16a、及びニップローラ15bと搬送ローラ
16bの少なくとも一方に挟まれた状態になっている)
を搬送する。尚、用紙搬送ローラ16aからサーマルヘ
ッド11への方向を用紙給紙方向a呼び、サーマルヘッ
ド11から用紙搬送ローラ16aへの方向を用紙排紙方
向bと呼ぶ。
【0025】剥離板18は、ヘッド/剥離板駆動回路5
2を介して制御系4のCPU41(図3参照)に駆動が
制御されたヘッド/剥離板駆動モータ62によって、サ
ーマルヘッド11と連動して、移動させられるものであ
る。そして、インクリボン7のオーバコート領域OCに
保持されたインクを用紙8に熱転写する際、図5(b)
に示すように、剥離板18の一部がサーマルヘッド11
とリボン巻き取りローラ14との間でインクリボン7に
接触するような位置に移動させられる。この場合、イン
クリボン7のオーバコート領域OCに保持されたインク
が剥離板18によってインクリボン7から剥離される
(冷時剥離)。一方、インクリボン7のシアン領域C、
マゼンタ領域M及びイエロ領域Yの夫々に保持されたイ
ンクを用紙8に熱転写する際、図5(a)に示すよう
に、剥離板18がインクリボン7に接触しないような位
置に移動させられる。この場合、インクリボン7のシア
ン領域C、マゼンタ領域M及びイエロ領域Yに夫々保持
されたインクはサーマルヘッド11によってインクリボ
ン7から剥離される(熱時剥離)。
【0026】冷却ファンモータ66は、ファンモータ駆
動回路56を介して制御系4のCPU41(図3参照)
によって駆動が制御され、プリンタ本体2内の温度を低
下させるべく、不図示の冷却ファンを稼動させる。
【0027】用紙先端センサ71は、ピックアップロー
ラ17と搬送ローラ16aとの間に配設されており、用
紙8の先端8aを検出するものである。例えば、用紙先
端センサ71は、発光部と受光部とを有する透過型セン
サで構成され、発光部が発光した光の受光部による受光
状態を制御系4のCPU41(図3参照)へ出力する。
CPU41は、透過型センサによる受光状態の変化に基
づいて、用紙8の先端8aが透過型センサの発光部と受
光部との間(用紙先端センサ71の検出位置)にあるか
否かを判定する。尚、用紙先端センサ71として透過型
センサの他、反射型センサなど用紙8の先端を検出する
ことができるものであればよい。
【0028】用紙終端センサ72は、サーマルヘッド1
1に対して用紙格納カセット3と反対側に配設されてお
り、用紙8の終端8bを検出するものである。例えば、
用紙終端センサ72は、発光部と受光部とを有する透過
型センサで構成されており、発光部が発光した光の受光
部による受光状態を制御系4のCPU41(図3参照)
へ出力する。CPU41は、透過型センサによる受光状
態の変化に基づいて、用紙8の終端8bが透過型センサ
の発光部と受光部との間(用紙終端センサ72の検出位
置)にあるか否かを判定する。尚、用紙終端センサ72
として透過型センサの他、反射型センサなど用紙8の終
端を検出することができるものであればよい。
【0029】リボン位置センサ74は、図3には図示し
ていないが、例えば、サーマルヘッド11とリボン供給
ローラ13との間に配設される。このリボン位置センサ
74は、反射型センサで構成されており、受光量を制御
系4のCPU41へ出力する。CPU41は、リボン位
置センサ74の検出結果に基づいてインクリボン7の位
置マークPMがリボン位置センサ74の検出位置にある
か否かを判定する。尚、リボン位置センサ74として反
射型センサの他、インクリボン7に記された位置マーク
PMを検出することができるものであればよい。
【0030】リボン回転センサ75は、リボン巻き取り
モータ63のパルスを検出し、検出結果を制御系4のC
PU41(図3参照)へ出力する。CPU41は、リボ
ン回転センサ75の検出結果に基づいて、インクリボン
7がリボン巻き取りスプール6bに巻き取られた長さを
算出する。
【0031】ヘッド/剥離板位置センサ76は、サーマ
ルヘッド11の位置、及び剥離板18の位置を検出し、
検出結果を制御系4のCPU41(図3参照)へ出力す
る。
【0032】温度センサ77は、温度検出手段であり、
サーマルヘッド11を取り付けた図示していない放熱板
に取り付けられている。この温度センサ77は、例えば
サーミスタで構成されており、放熱板の温度を検出し
て、検出結果(放熱板の温度)を制御系4のCPU41
(図3参照)へ出力する。
【0033】以下、プリンタ本体2内に搭載されている
制御系4について説明する。制御系4は、図3に示すよ
うに、CPU41と、ROM42と、RAM43と、C
G−ROM44と、入力インターフェース45と、出力
インターフェース46と、パーソナルコンピュータ(P
C)48と熱転写プリンタ1とを接続するためのインタ
ーフェース47とを備えている。入力インターフェース
45には、用紙先端センサ71と、用紙終端センサ72
と、リボン位置センサ74と、リボン回転センサ75
と、ヘッド/剥離板位置センサ76と、温度センサ77
と、各種キーを備えたキーボード79とが接続されてい
る。また、出力インターフェース46には、ヘッド駆動
回路51と、ヘッド/剥離板駆動回路52と、巻き取り
モータ駆動回路53と、搬送モータ駆動回路54と、ピ
ックアップモータ駆動回路55と、ファンモータ駆動回
路56とが接続されている。
【0034】ROM42には、サーマルヘッド1の発熱
体を通電する通電時間の設定に関するプログラム(図8
参照)や印刷動作の制御に関するプログラム(図9参
照)などの熱転写プリンタ1の動作を制御する各種プロ
グラム、後述する下記式(2)、(3)、(4)、
(5)を演算する際に利用される階調に応じて予め定め
られているサーマルヘッド11の発熱体をオン状態にす
る通電時間(基本通電時間)Tf、通電時間を補正する
ための予め決められている係数α及び温度上昇幅Δ
C、ΔTM、ΔTY(図6参照して後述)などが格納さ
れている。つまり、ROM42は格納手段としての役割
を果たしている。RAM43には、キーボード79から
入力された文字データやパーソナルコンピュータ48か
らインターフェース47を介して入力された画像データ
などの印刷データを記憶する領域、各ドット毎にサーマ
ルヘッド11の発熱体を実際に通電する通電時間(実通
電時間)TC、TM、TY、TOC(後述する式(2)、
(3)、(4)、(5)で算出される値)を記憶する領
域、CPU41が各種作業を行うワークエリアなどがあ
る。CG−ROM44は、印刷又は表示の対象となる多
数のキャラクタのドットパターンデータがそのキャラク
タのキャラクタコードに対応付けて格納されている。
【0035】ここで、上記温度上昇幅ΔTC、ΔTM、Δ
Y、ΔTOCについて図6を参照しつつ説明する。図6
は温度上昇幅を説明するための説明図である。
【0036】図6中の区間A1は、シアン領域Cのイン
クを用紙8に熱転写する区間であり、区間B1は、用紙
8の印画開始位置(インクの転写が開始される位置)を
サーマルヘッド11とプラテンローラ12とが圧接する
位置にあわせるなどの処理を行う区間である。図6中の
区間A2は、マゼンタ領域Mのインクを用紙8に熱転写
する区間であり、区間B2は、用紙8の印画開始位置を
サーマルヘッド11とプラテンローラ12とが圧接する
位置にあわせるなどの処理を行う区間である。図6中の
区間A3は、イエロ領域Yのインクを用紙8に熱転写す
る区間であり、区間B3は、用紙8の印画開始位置をサ
ーマルヘッド11とプラテンローラ12とが圧接する位
置にあわせるなどの処理を行う区間である。図6中の区
間A4は、オーバコート領域OCのインクを用紙8に熱
転写する区間であり、区間B4は用紙を排出する区間で
ある。
【0037】区間A1、A2、A3、A4では、インク
を用紙8に熱転写するためにサーマルヘッド11の発熱
体が通電され、サーマルヘッド11が取り付けられた放
熱板の温度が上昇する。一方、区間B1、B2、B3、
B4では、サーマルヘッド11の発熱体が通電されない
ため、放熱板の温度が下がる。
【0038】図6は全ドットを最大階調数として印刷し
た場合のサーマルヘッド11が取り付けられた放熱板の
温度の変化の様子を示したものである。温度上昇幅ΔT
Cは、印刷開始直前のサーマルヘッド11の放熱板の温
度TEMINIに対する、シアン領域Cのインクを用紙8
に熱転写する場合に全ドットが最大階調数として印刷し
たときのマゼンタ領域Mのインクを熱転写する開始直前
のサーマルヘッド11の放熱板の温度TEMCMAXの上昇
幅である(ΔTC=TEMCMAX−TEMINI)。また、温
度上昇幅ΔTMは、上記温度TEMCMAXに対する、マゼ
ンタ領域Mのインクを用紙8に熱転写する場合に全ドッ
トが最大階調数として印刷したときのイエロ領域Yのイ
ンクを熱転写する開始直前のサーマルヘッド11の放熱
板の温度TEMMMAXの上昇幅である(ΔTM=TEM
MMAX−TEMCMAX)。さらに、温度上昇幅ΔTYは、上
記温度TEMMMAXに対する、イエロ領域Yのインクを用
紙8に熱転写する場合に全ドットが最大階調数として印
刷したときのオーバコート領域OCのインクを熱転写す
る開始直前のサーマルヘッド11の放熱板の温度TEM
YMAXの上昇幅である(ΔTY=TEMYMAX−TE
CMAX)。温度上昇幅ΔTOCは、上記温度TEMYMAX
対する、オーバコート領域OCのインクを用紙8に熱転
写する場合に全ドットが最大階調数として印刷したとき
の印刷終了直後のサーマルヘッド11の放熱板の温度T
EMOCMAXの上昇幅である(ΔTOC=TEMOCM AX−TE
YMAX)。この温度上昇幅ΔTC、ΔTM、ΔTY、ΔT
OCを予め実験などで取得しておき、取得した温度上昇幅
ΔTC、ΔTM、ΔTY、ΔTOCをROM42に格納して
おく。
【0039】CPU41は、用紙8にインクリボン7の
シアン領域Cに保持されたシアンのインクを熱転写する
場合には、以下のようにして、1印画(1ライン)毎
に、実際にサーマルヘッド11の発熱体を通電する通電
時間(実通電時間)TCを決定する。尚、以下において、
図7に示すように、ライン方向(主走査方向:インクリ
ボンの幅方向と同じ)のドット数がIであり、ライン方
向と直交する搬送方向(副走査方向)のドット数がJで
あるとする。また、ライン方向がi番目で、搬送方向が
j番目のドットを示す場合(i,j)で記すとともに、
適宜jラインのiドットと記載する。
【0040】CPU41は、まず、温度センサ77の検
出結果に基づいて、インクリボン7のシアン領域Cに保
持されたインクを用紙8に熱転写する開始直前のサーマ
ルヘッド11が取り付けられた放熱板の温度TEMC
特定する。続いて、CPU41は、画像データに基づい
て、1印画(1ライン)毎に基本通電時間TfをROM
42から取り出す。さらに、CPU41は、上記温度上
昇幅ΔTC(図6参照)をROM42から取り出す。さ
らに、CPU41は、インクリボン7のシアン領域Cに
保持されたシアンのインクを熱転写する際の全ドットの
階調数の平均値(平均階調数)GAVECを求める(図8参
照)。続いて、CPU41は、1印画(1ライン)毎
に、上記特定した温度TEMC、上記取り出した温度上
昇幅ΔTC、平均階調数GAVEC、及び最大階調数GMAX
利用して、サーマルヘッド11の発熱体の温度を想定す
る(TEMC+ΔTC×GAVEC/GMAX)。さらに、CP
U41は、想定したサーマルヘッド11の発熱体の温度
を利用して、上記取り出した基本通電時間Tfを下記式
(2)により補正して、実通電時間TCを求め、RAM
43に格納する。
【0041】
【数式2】
【0042】但し、階調数総和GTOTCは、シアン領域C
に保持されたインクを用紙8に熱転写する際の全ドット
の階調数の総和(オフドットの場合の階調数を0として
いる)である。また、最大階調数総和GTOTMAXは、全ド
ットが最大階調数であるとしたときの階調数の総和であ
る。階調数GC(i,j)は、シアン領域Cに保持され
たインクを熱転写する場合の(i,j)ドットの階調数
である(図7参照)。最大階調数GMAX(i,j)は
(i,j)ドットの最大階調数であり、本実施の形態で
は(i,j)の値にかかわらず一定値GMAX(例えば、
255)としている。
【0043】CPU41は、用紙8にインクリボン7の
マゼンタ領域Mに保持されたマゼンタのインクを熱転写
する場合には、以下のようにして、1印画(1ライン)
毎に、実際にサーマルヘッド11の発熱体を通電する通
電時間(実通電時間)TMを決定する。
【0044】CPU41は、まず、温度センサ77の検
出結果に基づいて、インクリボン7のマゼンタ領域Mに
保持されたインクを用紙8に熱転写する開始直前のサー
マルヘッド11が取り付けられた放熱板の温度TEMM
を特定する。続いて、CPU41は、画像データに基づ
いて、1印画(1ライン)毎に基本通電時間TfをRO
M42から取り出す。さらに、CPU41は、上記温度
上昇幅ΔTM(図6参照)をROM42から取り出す。
さらに、CPU41は、インクリボン7のマゼンタ領域
Mに保持されたマゼンタのインクを熱転写する際の全ド
ットの階調数の平均値(平均階調数)GAVEMを求める
(図8参照)。続いて、CPU41は、1印画(1ライ
ン)毎に、上記特定した温度TEMM、上記取り出した
温度上昇幅ΔTM、平均階調数GAVEM、及び最大階調数
MAXを利用して、サーマルヘッド11の発熱体の温度
を想定する(TEMM+ΔTM×GAVEM/GMAX)。さら
に、CPU41は、想定したサーマルヘッド11の発熱
体の温度を利用して、上記取り出した基本通電時間Tf
を下記式(3)により補正して、実通電時間TMを求
め、RAM43に格納する。
【0045】
【数式3】
【0046】但し、階調数総和GTOTMは、マゼンタ領域
Mに保持されたインクを用紙8に熱転写する際の全ドッ
トの階調数の総和である。階調数GM(i,j)は、マ
ゼンタ領域Mに保持されたインクを熱転写する場合の
(i,j)ドットの階調数である(図7参照)。
【0047】CPU41は、用紙8にインクリボン7の
イエロ領域Yに保持されたイエロのインクを熱転写する
場合には、以下のようにして、1印画(1ライン)毎
に、実際にサーマルヘッド11の発熱体を通電する通電
時間(実通電時間)TYを決定する。
【0048】CPU41は、まず、温度センサ77の検
出結果に基づいて、インクリボン7のイエロ領域Yに保
持されたインクを用紙8に熱転写する開始直前のサーマ
ルヘッド11が取り付けられた放熱板の温度TEMY
特定する。続いて、CPU41は、画像データに基づい
て、1印画(1ライン)毎に基本通電時間TfをROM
42から取り出す。さらに、CPU41は、上記温度上
昇幅ΔTY(図6参照)をROM42から取り出す。さ
らに、CPU41は、インクリボン7のイエロ領域Yに
保持されたイエロのインクを熱転写する際の全ドットの
階調数の平均値(平均階調数)GAVEYを求める(図8参
照)。続いて、CPU41は、1印画(1ライン)毎
に、上記特定した温度TEMY、上記取り出した温度上
昇幅ΔTY、平均階調数GAVEY、及び最大階調数GMAX
利用して、サーマルヘッド11の発熱体の温度を想定す
る(TEMY+ΔTY×GAVEY/GMAX)。さらに、CP
U41は、想定したサーマルヘッド11の発熱体の温度
を利用して、上記取り出した基本通電時間Tfを下記式
(4)により補正して、実通電時間TYを求め、RAM
43に格納する。
【0049】
【数式4】
【0050】但し、階調数総和GTOTYは、イエロ領域Y
に保持されたインクを用紙8に熱転写する際の全ドット
の階調数の総和である。階調数GY(i,j)は、イエ
ロ領域Yに保持されたインクを熱転写する場合の(i,
j)ドットの階調数である(図7参照)。
【0051】CPU41は、用紙8にインクリボン7の
オーバコート領域OCに保持されたインクを熱転写する
場合には、以下のようにして、1印画(1ライン)毎
に、実際にサーマルヘッド11の発熱体を通電する通電
時間(実通電時間)TOCを決定する。
【0052】CPU41は、まず、温度センサ77の検
出結果に基づいて、インクリボン7のオーバコート領域
OCに保持されたインクを用紙8に熱転写する開始直前
のサーマルヘッド11が取り付けられた放熱板の温度T
EMOCを特定する。続いて、CPU41は、1印画(1
ライン)毎に基本通電時間TfをROM42から取り出
す。さらに、CPU41は、上記温度上昇幅ΔTOC(図
6参照)をROM42から取り出す。さらに、CPU4
1は、インクリボン7のオーバコート領域OCに保持さ
れたオーバコートのインクを熱転写する際の全ドットの
階調数の平均値(平均階調数)GAVEOCを求める(図8
参照)。続いて、CPU41は、1印画(1ライン)毎
に、上記特定した温度TEMOC、上記取り出した温度上
昇幅ΔT OC、平均階調数GAVEOC、及び最大階調数GMAX
を利用して、サーマルヘッド11の発熱体の温度を想定
する(TEMOC+ΔTOC×GAVEOC/GMAX)。さらに、
CPU41は、想定したサーマルヘッド11の発熱体の
温度を利用して、上記取り出した基本通電時間Tfを下
記式(5)により補正して、実通電時間TOCを求め、R
AM43に格納する。
【0053】
【数式5】
【0054】但し、階調数総和GTOTOCは、オーバコー
ト領域OCに保持されたインクを用紙8に熱転写する際
の全ドットの階調数の総和である。階調数GOC(i,
j)は、オーバコート領域OCに保持されたインクを熱
転写する場合の(i,j)ドットの階調数である(図7
参照)。
【0055】上述したことから分かるように、CPU4
1は、サーマルヘッド11の発熱体の温度を想定するた
めの温度想定手段と、サーマルヘッド11の発熱体の想
定された想定温度に基づいて基本通電時間を補正するた
めの通電時間補正手段との役割を果たすものである。
【0056】CPU41は、まず、シアンのインクを用
紙8に熱転写するべく、インクリボン7のシアン領域C
と用紙8とを対向させ、画像データに基づいてサーマル
ヘッド11の発熱体の中から通電する発熱体を選択する
とともに、発熱体の実通電時間TCを上記式(2)を利
用して算出し、1印画(1ライン)毎に、その選択した
発熱体を算出した実通電時間TCの間通電し、シアンの
インクを用紙8に熱転写する。続いて、CPU41は、
マゼンタのインクを用紙8に熱転写するべく、インクリ
ボン7のマゼンタ領域Mと用紙8とを対向させ、画像デ
ータに基づいてサーマルヘッド11の発熱体の中から通
電する発熱体を選択するとともに、発熱体の実通電時間
Mを上記式(3)を利用して算出し、1印画(1ライ
ン)毎に、その選択した発熱体を算出した実通電時間T
Mの間通電し、マゼンタのインクを用紙8に熱転写す
る。さらに、CPU41は、イエロのインクを用紙8に
熱転写するべく、インクリボン7のイエロ領域Yと用紙
8とを対向させ、画像データに基づいてサーマルヘッド
11の発熱体の中から通電する発熱体を選択するととも
に、発熱体の実通電時間TYを上記式(4)を利用して
算出し、1印画(1ライン)毎に、その選択した発熱体
を算出した実通電時間TYの間通電し、イエロのインク
を用紙8に熱転写する。これによって、多階調の画像が
用紙8に印刷される。最後に、CPU41は、オーバコ
ート処理をすべく、インクリボン7のオーバコート領域
OCと用紙8とを対向させ、発熱体の実通電時間TOC
上記式(5)を利用して算出し、1印画(1ライン)毎
に、算出した実通電時間TOCの間発熱体を通電し、オー
バコート処理を行う。
【0057】以下、CPU41が行う平均階調数
AVEC、GAVEM、GAVEY、GAVEOCを算出する手順につ
いて図8を参照しつつ説明する。図8は、CPU41が
行う平均階調数を算出する手順を示すフローチャートで
ある。尚、平均階調数GAVEC、GAVEM、GAVEY、G
AVEOCの算出過程は実質的に同様であるため、まとめて
説明する。
【0058】ステップS101において、CPU41
は、変数“j”を1に設定する(j←1)。続いて、ス
テップS102において、CPU41は、変数“i”を
1に設定する(i←1)とともに、ライン方向総和G
TOTLINE(0,j)を0に設定する。尚、ライン方向総
和GTOTLINE(i,j)は、jラインの1ドットからi
ドットまでのドットの階調数の総和である。
【0059】ステップS103において、CPU41
は、jラインにおける1ドットから(i−1)ドットま
での階調数のライン方向総和GTOTLINE(i−1,
j)、つまり前回のステップS103で算出された階調
数のライン方向総和(初めてステップS103の処理が
行われる場合には0)に、jラインのiドットの階調数
G(i,j)を加算して、jラインの1ドットからiド
ットまでの階調数のライン方向総和GTOTLINE(i,
j)を算出する(GTOTLINE(i、j)←GTOTLINE(i
−1、j)+G(i,j))。
【0060】ステップS104において、CPU41
は、変数iがIに等しいか否かを判定する。つまり、C
PU41は、現在階調数のライン方向総和を求めている
jラインについて、1ドットからIドットまでの階調数
のライン方向総和を求めたか否かを判定する。変数iが
Iに等しくないと判定された場合(S104:NO)、
現在ライン方向総和を求めているjラインに含まれるド
ット全てについてステップS103の処理を行っていな
いため、ステップS105の処理へ移行する。一方、変
数iがIに等しいと判定された場合(S104:YE
S)、現在ライン方向総和を求めているjラインについ
てそのラインに含まれるドットの階調数の総和を求め終
わっているため、ステップS106の処理へ移行する。
【0061】ステップS105において、CPU41
は、変数iの値を1インクリメントし(i←i+1)、
ステップS103の処理へ戻る。
【0062】上記ステップS102からステップS10
5の一連の処理により、jラインのドットの階調数のラ
イン方向総和GTOTLINE(I,j)(=G(1,j)+
G(2,j)+…+G(I,j))が算出される。
【0063】ステップS106において、CPU41
は、ステップS103で算出されたjラインのドットの
階調数のライン方向総和GTOTLINE(I,j)を、ライ
ン方向のドット数Iで除算して、jラインのドットのラ
イン方向平均階調数GAVELINE(j)を算出する(G
AVELINE(j)←GTOTLINE(I,j)/I)。
【0064】ステップS107において、CPU41
は、変数jがJに等しいか否かを判定する。つまり、1
ラインからJラインの全てのラインについて、ライン方
向平均階調数GAVELINEを算出したか否かを判定する。
変数jがJに等しくないと判定された場合(S107:
NO)、まだライン方向平均階調数GAVELINEが算出さ
れていないラインがあるので、ステップS108の処理
へ移行する。一方、変数jがJに等しいと判定された場
合(S107:YES)、全ラインの夫々についてライ
ン方向平均階調数の算出が終わっているため、ステップ
S109の処理へ移行する。
【0065】ステップS108において、CPU41
は、変数jの値を1インクリメントし(j←j+1)、
ステップS102の処理に戻る。
【0066】上記ステップS101からステップS10
8の一連の処理により、1ラインからJラインの夫々の
ライン方向平均階調数(GAVELINE(1)、G
AVELINE(2)、…、GAVELINE(J))が算出される。
【0067】ステップS109において、CPU41
は、変数jを1に設定する(j←1)とともに、平均階
調数総和GTOTAVE(0)を0に設定する。尚、jが1以
上の場合、平均階調数総和GTOTAVE(j)は1ラインか
らjラインまでのライン方向平均階調数GAVELINEの総
和である。
【0068】ステップS110において、CPU41
は、1ラインから(j−1)ラインまでの平均階調数総
和GTOTAVE(j−1)、つまり前回のステップS110
で算出された平均階調数総和(初めてステップS110
の処理が行われる場合には0)に、jラインのライン方
向平均階調数GAVELINE(j)を加算して、1ラインか
らjラインまでの平均階調数総和GTOTAVE(j)を算出
する(GTOTAVE(j)←GTOTAVE(j−1)+G
AVELINE(j))。
【0069】ステップS111において、CPU41
は、変数jがJに等しいか否かを判定する。つまり、C
PU41は、1ラインからJラインまでのライン方向平
均階調数GAVELINEの総和を求めたか否かを判定する。
変数jがJに等しくないと判定された場合(S111:
NO)、ライン全てについてステップS110の処理を
行っていないため、ステップS112の処理へ移行す
る。一方、変数jがJに等しい場合(S111:YE
S)、ライン全てにステップS110の処理が終わって
いるため、ステップS113の処理へ移行する。
【0070】ステップS112において、CPU41
は、変数jの値を1インクリメントし(j←j+1)、
ステップS110の処理へ戻る。
【0071】上記ステップS110からステップS11
2の一連の処理により、1ラインからJラインまでの平
均階調数総和GTOTAVE(J)(=GAVELINE(1)+G
AVELI NE(2)+…+GAVELINE(J))が算出される。
【0072】ステップS113において、CPU41
は、ステップS110で算出された平均階調数総和G
TOTAVE(J)をライン方向と垂直方向(搬送方向)のド
ット数Jで除算して、全ドットの階調数の平均値である
平均階調数GAVEを算出する(GA VE←GTOTAVE(J)/
J)。
【0073】上記ステップS101からステップS11
3までの一連の処理によって、各ドットの階調数G
(i,j)から全ドットの階調数の平均値(平均階調数
AVE)が算出される。
【0074】尚、インクリボン7のシアン領域Cのイン
クを熱転写する場合の平均階調数G AVECを算出する場合
には、上記フローチャートの手順において、ドットの階
調数G(i,j)をシアンの場合の各ドットの階調数G
C(i,j)に置き換え、平均階調数GAVEをGAVECに置
き換えたものになる。また、インクリボン7のマゼンタ
領域Mのインクを熱転写する場合の平均階調数GAVEM
算出する場合には、上記フローチャートの手順におい
て、ドットの階調数G(i,j)をマゼンタの場合の各
ドットの階調数GM(i,j)に置き換え、平均階調数
AVEをGAVEMに置き換えたものになる。さらに、イン
クリボン7のイエロ領域Yのインクを熱転写する場合の
平均階調数GAVEYを算出する場合には、上記フローチャ
ートの手順において、ドットの階調数G(i,j)をイ
エロの場合の各ドットの階調数GY(i,j)に置き換
え、平均階調数GAVEをGAVEYに置き換えたものにな
る。同様に、インクリボン7のオーバコート領域OCの
インクを熱転写する場合の平均階調数GAVEOCを算出す
る場合には、上記フローチャートの手順において、ドッ
トの階調数G(i,j)をオーバコートの場合の各ドッ
トの階調数GOC(i,j)に置き換え、平均階調数G
AVEをGAVEOCに置き換えたものになる。
【0075】CPU41は、上記フローチャートの手順
に従って算出した平均階調数GAVEC、GAVEM、GAVEY
AVEOCを利用して、上記式(2)、(3)、(4)、
(5)を演算することにより、上記実通電時間TC
M、TY、TOCを算出する。
【0076】以下、上述した構成を有する熱転写プリン
タの印刷動作について図9を参照しつつ説明する。図9
は熱転写プリンタの印刷動作の手順を示すフローチャー
トである。
【0077】ステップS201において、CPU41
は、ピックアップモータ駆動回路55を介してピックア
ップモータ65の駆動を制御し、これによってピックア
ップローラ17が用紙格納カセット3に格納された用紙
の中で最も上に置かれた用紙8をプリンタ本体2内に送
り込む。続いて、CPU41は、搬送モータ駆動回路5
4を介して用紙8を用紙給紙方向aへ搬送するように用
紙搬送モータ64の駆動を制御し、用紙搬送ローラ16
aが回転させられて、用紙8が用紙給紙方向aへ搬送さ
れる。
【0078】ステップS202において、CPU41
は、リボン位置センサ74の検出結果に基づいてインク
リボン7に予め形成された位置マークPMがリボン位置
センサ74の検出位置に達したと判定してから、リボン
回転センサ75の検出結果に基づいてインクリボン7が
リボン巻き取りスプール6bに所定量(位置マークPM
を検出した位置からサーマルヘッド11の発熱体までの
インクリボン7の送り量と、位置マークPMが形成され
た箇所からシアン領域Cの先頭(シアン領域Cのリボン
巻き取りスプール6bに近い位置)までの距離とを加算
した値)巻き取られたか否かを判定する。つまり、CP
U41は、インクリボン7のシアン領域Cの先頭がサー
マルヘッド11の発熱体とプラテンローラ12とが圧接
する位置にあるか否かを判定する。シアン領域Cの先頭
が上記圧接する位置にないと判定された場合(S20
2:NO)、ステップS203の処理へ移行する。一
方、シアン領域Cの先頭が上記圧接する位置にあると判
定された場合(S202:YES)、ステップS204
の処理へ移行する。
【0079】ステップS203において、CPU41
は、巻き取りモータ駆動回路53を介してインクリボン
7がリボン巻き取りスプール6bに巻き取られるように
リボン巻き取りモータ63の駆動を制御する。そして、
巻き取りモータ63がリボン巻き取りローラ14を回転
させ、これに連動してリボン巻き取りスプール6bが回
転する。これによって、インクリボン7がリボン巻き取
りスプール6bに巻き取られる。
【0080】ステップS204において、CPU41
は、ヘッド/剥離板位置センサ76の検出結果を参照し
ながら、図5(a)に示すように、ヘッド/剥離板駆動
回路52を介してヘッド/剥離板駆動モータ62を制御
し、サーマルヘッド11とプラテンローラ12とが圧接
する状態にするとともに、剥離板18をインクリボン7
に接触しない位置に移動させる(熱時剥離)。
【0081】ステップS205において、CPU41
は、用紙終端センサ72の検出結果に基づいて用紙8の
終端8bが用紙終端センサ72の検出位置に達したと判
定してから、用紙8が用紙排紙方向bへ所定量(用紙終
端センサ72の検出位置からサーマルヘッド11とプラ
テンローラ12とが圧接する位置までの用紙8の搬送量
と用紙8の終端8bからのマージン量とを加算した値)
搬送されたか否かを判定する。つまり、CPU41は、
用紙8の印画開始位置がサーマルヘッド11とプラテン
ローラ12とが圧接する位置にあるか否かを判定する。
上記印画開始位置が上記圧接する位置にないと判定され
た場合(S205:NO)、ステップS206の処理へ
移行する。一方、上記印画開始位置が上記圧接する位置
にあると判定された場合(S205:YES)、ステッ
プS207の処理へ移行する。
【0082】ステップS206において、CPU41
は、搬送モータ駆動回路54を介して用紙8が用紙排紙
方向bへ搬送されるように用紙搬送モータ64の駆動を
制御し、これによって、用紙8が用紙排紙方向bへ搬送
される。
【0083】ステップS207において、CPU41
は、温度センサ77の検出結果に基づいて、インクリボ
ン7のシアン領域Cに保持されたインクを用紙8に熱転
写する開始直前のサーマルヘッド11が取り付けられた
放熱板の温度TEMCを特定する。続いて、CPU41
は、画像データに基づいて、1印画(1ライン)毎に基
本通電時間TfをROM42から取り出す。さらに、C
PU41は、上記温度上昇幅ΔTC(図6参照)をRO
M42から取り出す。さらに、CPU41は、インクリ
ボン7のシアン領域Cに保持されたシアンのインクを熱
転写する際の全ドットの階調数の平均値(平均階調数)
AVECを図8のフローチャートの手順に従って求める。
続いて、CPU41は、ドット毎に、上記特定した温度
TEMC、上記取り出した温度上昇幅ΔTC、平均階調数
AVEC、及び最大階調数GMAXを利用して、サーマルヘ
ッド11の発熱体の温度を想定する(TEMC+ΔTC×
AV EC/GMAX)。さらに、CPU41は、想定したサ
ーマルヘッド11の発熱体の温度を利用して、上記取り
出した基本通電時間Tfを上記式(2)により補正し
て、実通電時間TCを求め、RAM43に格納する。続
いて、CPU41は、画像のデータに基づいて、サーマ
ルヘッド11の発熱体の中から通電する発熱体を選択す
るとともに、RAM43に格納された実通電時間TC
間発熱体を通電し、インクリボン7のシアン領域Cに保
持されたインクを用紙8に熱転写する。但し、インクリ
ボン7が1印画(1ライン)分巻き取られ、用紙8が用
紙排紙方向bへ1印画(1ライン)分搬送される毎に、
1印画(1ライン)分の画像データに対応して用紙8に
シアンのインクが熱転写される。
【0084】ステップS208において、CPU41
は、ヘッド/剥離板位置センサ76の検出結果を参照し
ながら、ヘッド/剥離板駆動回路52を介してヘッド/
剥離板駆動モータ62を制御し、サーマルヘッド11と
プラテンローラ12とが圧接しない状態にするととも
に、剥離板18をインクリボン7に接触しない位置に移
動させる(熱時剥離解除)。
【0085】ステップS209において、CPU41
は、リボン位置センサ74の検出結果に基づいてインク
リボン7に予め形成された位置マークPMがリボン位置
センサ74の検出位置に達したと判定してから、リボン
回転センサ75の検出結果に基づいてインクリボン7が
リボン巻き取りスプール6bに所定量(位置マークPM
を検出した位置からサーマルヘッド11の発熱体までの
インクリボン7の送り量と、位置マークPMが形成され
た箇所からマゼンタ領域Mの先頭(マゼンタ領域Mのリ
ボン巻き取りスプール6bに近い位置)までの距離とを
加算した値)巻き取られたか否かを判定する。つまり、
CPU41は、インクリボン7のマゼンタ領域Mの先頭
がサーマルヘッド11の発熱体とプラテンローラ12と
が圧接する位置にあるか否かを判定する。マゼンタ領域
Mの先頭が上記圧接する位置にないと判定された場合
(S209:NO)、ステップS210の処理へ移行す
る。一方、マゼンタ領域Mの先頭が上記圧接する位置に
あると判定された場合(S209:YES)、ステップ
S211の処理へ移行する。
【0086】ステップS210において、CPU41は
ステップS203と実質的に同様の処理を行い、これに
よって、インクリボン7がリボン巻き取りスプール6b
に巻き取られる。
【0087】ステップS211において、CPU41
は、ヘッド/剥離板位置センサ76の検出結果を参照し
ながら、図5(a)に示すように、ヘッド/剥離板駆動
回路52を介してヘッド/剥離板駆動モータ62を制御
し、サーマルヘッド11とプラテンローラ12とが圧接
する状態にするとともに、剥離板18をインクリボン7
に接触しない位置に移動させる(熱時剥離)。
【0088】ステップS212において、CPU41
は、搬送モータ駆動回路54を介して用紙8が用紙給紙
方向aへ搬送されるように用紙搬送モータ64の駆動を
制御し、用紙8を少なくともその先端8aが用紙終端セ
ンサ72の検出位置に達するまで用紙給紙方向aへ搬送
する。
【0089】ステップS213において、CPU41
は、ステップS205と実質的に同様の処理を行い、用
紙8の印画開始位置がサーマルヘッド11の発熱体とプ
ラテンローラ12とが圧接する位置にあるか否かを判定
する。用紙8の印画開始位置が上記圧接する位置にない
と判定された場合(S213:NO)、ステップS21
4の処理へ移行する。一方、用紙8の印画開始位置が上
記圧接する位置にあると判定された場合(S213:Y
ES)、ステップS215の処理へ移行する。
【0090】ステップS214において、CPU41は
ステップS206と実質的に同様の制御を行い、これに
よって、用紙8が用紙排紙方向bへ搬送される。
【0091】ステップS215において、CPU41
は、温度センサ77の検出結果に基づいて、インクリボ
ン7のマゼンタ領域Mに保持されたインクを用紙8に熱
転写する開始直前のサーマルヘッド11が取り付けられ
た放熱板の温度TEMMを特定する。続いて、CPU4
1は、画像データに基づいて、1印画毎に基本通電時間
fをROM42から取り出す。さらに、CPU41
は、上記温度上昇幅ΔTM(図6参照)をROM42か
ら取り出す。さらに、CPU41は、インクリボン7の
マゼンタ領域Mに保持されたマゼンタのインクを熱転写
する際の全ドットの階調数の平均値(平均階調数)G
AVEMを図8のフローチャートの手順に従って求める。続
いて、CPU41は、1印画毎に、上記特定した温度T
EMM、上記取り出した温度上昇幅ΔTM、平均階調数G
AVEM、及び最大階調数GMAXを利用して、サーマルヘッ
ド11の発熱体の温度を想定する(TEMM+ΔTM×G
AVEM/GMA X)。さらに、CPU41は、想定したサー
マルヘッド11の発熱体の温度を利用して、上記取り出
した基本通電時間Tfを上記式(3)により補正して、
実通電時間TMを求め、RAM43に格納する。続い
て、CPU41は、画像のデータに基づいて、サーマル
ヘッド11の発熱体の中から通電する発熱体を選択する
とともに、RAM43に格納された実通電時間TMの間
発熱体を通電し、インクリボン7のマゼンタ領域Mに保
持されたインクを用紙8に熱転写する。但し、インクリ
ボン7が1印画分巻き取られ、用紙8が用紙排紙方向b
へ1印画分搬送される毎に、1印画分の画像データに対
応して用紙8にマゼンタのインクが熱転写される。
【0092】ステップS216において、CPU41
は、ヘッド/剥離板位置センサ76の検出結果を参照し
ながら、ヘッド/剥離板駆動回路52を介してヘッド/
剥離板駆動モータ62を制御し、サーマルヘッド11と
プラテンローラ12とが圧接しない状態にするととも
に、剥離板18をインクリボン7に接触しない位置に移
動させる(熱時剥離解除)。
【0093】ステップS217において、CPU41
は、リボン位置センサ74の検出結果に基づいてインク
リボン7に予め形成された位置マークPMがリボン位置
センサ74の検出位置に達したと判定してから、リボン
回転センサ75の検出結果に基づいてインクリボン7が
リボン巻き取りスプール6bに所定量(位置マークPM
を検出した位置からサーマルヘッド11の発熱体までの
インクリボン7の送り量と、位置マークPMが形成され
た箇所からイエロ領域Yの先頭(イエロ領域Yのリボン
巻き取りスプール6bに近い位置)までの距離とを加算
した値)巻き取られたか否かを判定する。つまり、CP
U41は、インクリボン7のイエロ領域Yの先頭がサー
マルヘッド11の発熱体とプラテンローラ12とが圧接
する位置にあるか否かを判定する。イエロ領域Yの先頭
が上記圧接する位置にないと判定された場合(S21
7:NO)、ステップS218の処理へ移行する。一
方、イエロ領域Yの先頭が上記圧接する位置にあると判
定された場合(S217:YES)、ステップS219
の処理へ移行する。
【0094】ステップS218において、CPU41は
ステップS203と実質的に同様の処理を行い、これに
よって、インクリボン7がリボン巻き取りスプール6b
に巻き取られる。
【0095】ステップS219において、CPU41
は、ヘッド/剥離板位置センサ76の検出結果を参照し
ながら、図5(a)に示すように、ヘッド/剥離板駆動
回路52を介してヘッド/剥離板駆動モータ62を制御
し、サーマルヘッド11とプラテンローラ12とが圧接
する状態にするとともに、剥離板18をインクリボン7
に接触しない位置に移動させる(熱時剥離)。
【0096】ステップS220において、CPU41は
ステップS210と実質的に同様の処理を行い、これに
よって、用紙8は少なくともその先端8aが用紙終端セ
ンサ72の検出位置に達するまで用紙給紙方向aへ搬送
される。
【0097】ステップS221において、CPU41は
ステップS205と実質的に同様の処理を行い、用紙8
の印画開始位置がサーマルヘッド11の発熱体とプラテ
ンローラ12とが圧接する位置にあるか否かを判定す
る。用紙8の印画開始位置が上記圧接する位置にないと
判定された場合(S221:NO)、ステップS222
の処理へ移行する。一方、用紙8の印画開始位置が上記
圧接する位置にあると判定された場合(S221:YE
S)、ステップS223の処理へ移行する。
【0098】ステップS222において、CPU41は
ステップS206と実質的に同様の制御を行い、これに
よって、用紙8が用紙排紙方向bへ搬送される。
【0099】ステップS223において、CPU41
は、温度センサ77の検出結果に基づいて、インクリボ
ン7のイエロ領域Yに保持されたインクを用紙8に熱転
写する開始直前のサーマルヘッド11が取り付けられた
放熱板の温度TEMYを特定する。続いて、CPU41
は、画像データに基づいて、1印画毎に基本通電時間T
fをROM42から取り出す。さらに、CPU41は、
上記温度上昇幅ΔTY(図6参照)をROM42から取
り出す。さらに、CPU41は、インクリボン7のイエ
ロ領域Yに保持されたイエロのインクを熱転写する際の
全ドットの階調数の平均値(平均階調数)GAVEYを図8
のフローチャートに従って求める。続いて、CPU41
は、1印画毎に、上記特定した温度TEMY、上記取り
出した温度上昇幅ΔTY、平均階調数GAVEY、及び最大
階調数GMAXを利用して、サーマルヘッド11の発熱体
の温度を想定する(TEMY+ΔTY×GAVEY
MAX)。さらに、CPU41は、想定したサーマルヘ
ッド11の発熱体の温度を利用して、上記取り出した基
本通電時間Tfを上記式(4)により補正して、実通電
時間TYを求め、RAM43に格納する。続いて、CP
U41は、画像のデータに基づいて、サーマルヘッド1
1の発熱体の中から通電する発熱体を選択するととも
に、RAM43に格納された実通電時間TYの間発熱体
を通電し、インクリボン7のイエロ領域Yに保持された
インクを用紙8に熱転写する。但し、インクリボン7が
1印画分巻き取られ、用紙8が用紙排紙方向bへ1印画
分搬送される毎に、1印画分の画像データに対応して用
紙8にイエロのインクが熱転写される。
【0100】ステップS224において、CPU41
は、ヘッド/剥離板位置センサ76の検出結果を参照し
ながら、ヘッド/剥離板駆動回路52を介してヘッド/
剥離板駆動モータ62を制御し、サーマルヘッド11と
プラテンローラ12とが圧接しない状態にするととも
に、剥離板18をインクリボン7に接触しない位置に移
動させる(熱時剥離解除)。
【0101】ステップS225において、CPU41
は、リボン位置センサ74の検出結果に基づいてインク
リボン7に予め形成された位置マークPMがリボン位置
センサ74の検出位置に達したと判定してから、リボン
回転センサ75の検出結果に基づいてインクリボン7が
リボン巻き取りスプール6bに所定量(位置マークPM
を検出した位置からサーマルヘッド11の発熱体までの
インクリボン7の送り量と、位置マークPMが形成され
た箇所からオーバコート領域OCの先頭(オーバコート
領域OCのリボン巻き取りスプール6bに近い位置)ま
での距離とを加算した値)巻き取られたか否かを判定す
る。つまり、CPU41は、インクリボン7のオーバコ
ート領域OCの先頭がサーマルヘッド11の発熱体とプ
ラテンローラ12とが圧接する位置にあるか否かを判定
する。オーバコート領域OCの先頭が上記圧接する位置
にないと判定された場合(S225:NO)、ステップ
S226の処理へ移行する。一方、オーバコート領域O
Cの先頭が上記圧接する位置にあると判定された場合
(S225:YES)、ステップS227の処理へ移行
する。
【0102】ステップS226において、CPU41は
ステップS203と実質的に同様の処理を行い、これに
よって、インクリボン7がリボン巻き取りスプール6b
に巻き取られる。
【0103】ステップS227において、CPU41
は、ヘッド/剥離板位置センサ76の検出結果を参照し
ながら、ヘッド/剥離板駆動回路52を介してヘッド/
剥離板駆動モータ62を制御し、図5(b)に示すよう
に、サーマルヘッド11とプラテンローラ12とが圧接
する状態にするとともに、剥離板18の一部をインクリ
ボン7に接触する位置に移動させる(冷時剥離)。
【0104】ステップS228において、CPU41は
ステップS210と実質的に同様の処理を行い、これに
よって、用紙8は少なくともその先端8aが用紙終端セ
ンサ72の検出位置に達するまで用紙給紙方向aへ搬送
される。
【0105】ステップS229において、CPU41は
ステップS205と実質的に同様の処理を行い、用紙8
の印画開始位置がサーマルヘッド11の発熱体とプラテ
ンローラ12とが圧接する位置にあるか否かを判定す
る。用紙8の印画開始位置が上記圧接する位置にないと
判定された場合(S229:NO)、ステップS230
の処理へ移行する。一方、用紙8の印画開始位置が上記
圧接する位置にあると判定された場合(S229:YE
S)、ステップS231の処理へ移行する。
【0106】ステップS230において、CPU41は
ステップS206と実質的に同様の制御を行い、これに
よって、用紙8が用紙排紙方向bへ搬送される。
【0107】ステップS231において、CPU41
は、温度センサ77の検出結果に基づいて、インクリボ
ン7のオーバコート領域OCに保持されたインクを用紙
8に熱転写する開始直前のサーマルヘッド11が取り付
けられた放熱板の温度TEMOCを特定する。続いて、C
PU41は、1印画毎に基本通電時間TfをROM42
から取り出す。さらに、CPU41は、上記温度上昇幅
ΔTOC(図6参照)をROM42から取り出す。さら
に、CPU41は、インクリボン7のオーバコート領域
OCに保持されたオーバコートのインクを熱転写する際
の全ドットの階調数の平均値(平均階調数)GAVEOC
図8のフローチャートの手順に従って求める。続いて、
CPU41は、1印画毎に、上記特定した温度TE
OC、上記取り出した温度上昇幅ΔTOC、平均階調数G
AVEOC、及び最大階調数GMAXを利用して、サーマルヘッ
ド11の発熱体の温度を想定する(TEMOC+ΔTOC×
AVEOC/GMAX)。さらに、CPU41は、想定したサ
ーマルヘッド11の発熱体の温度を利用して、上記取り
出した基本通電時間Tfを上記式(5)により補正し
て、実通電時間TOCを求め、RAM43に格納する。続
いて、CPU41は、RAM43に格納された実通電時
間TOCの間発熱体を通電し、インクリボン7のオーバコ
ート領域OCに保持されたインクを用紙8に熱転写する
(オーバコート処理)。但し、インクリボン7が1印画
分巻き取られ、用紙8が用紙排紙方向bへ1印画分搬送
される毎に、用紙8にオーバコート領域OCのインクが
熱転写される。
【0108】ステップS232において、CPU41に
よって用紙8が用紙排紙方向bへ搬送される。
【0109】ステップS233において、CPU41
は、ヘッド/剥離板位置センサ76の検出結果を参照し
ながら、ヘッド/剥離板駆動回路52を介してヘッド/
剥離板駆動モータ62を制御し、サーマルヘッド11と
プラテンローラ12とが圧接しない状態にするととも
に、剥離板18をインクリボン7に接触しない位置に移
動させる(冷時剥離解除)。
【0110】上述したように、インクリボン7のシアン
領域C以降に保持されたインクを用紙8に熱転写する場
合、サーマルヘッド11が取り付けられた放熱板の温度
を利用して通電時間を補正する代りに、放熱板の温度と
次のインクのドットの階調数を考慮してサーマルヘッド
11の発熱体の温度を想定して、その温度を利用して通
電時間を補正しているため、サーマルヘッド11の発熱
体の通電時間が必要以上に長くなることを防止すること
ができ、つまり、発熱体の通電時間がサーマルヘッド1
1の発熱体の実際の温度に適した通電時間にすることが
でき、この結果、用紙8に印刷した画像が濃くなりすぎ
ることを防ぐことができる。
【0111】また、インクリボン7のシアン領域C以降
に保持されたインクを用紙8に熱転写する場合、サーマ
ルヘッド11が取り付けられた放熱板の温度とその次に
転写が想定されるインクが用紙8に転写される際の各ド
ットの階調数とを利用して、サーマルヘッド11の発熱
体の温度を想定しているため、サーマルヘッドの放熱板
の温度の想定を容易なものとなっている。
【0112】さらに、上記平均階調数及び上記温度上昇
幅を利用してサーマルヘッド11の発熱体の温度を想定
しているため、サーマルヘッドの発熱体の温度の想定値
を発熱体の実際の温度により近いものにすることができ
る。
【0113】以上、本発明の好適な実施の形態について
説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるもの
ではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々
な設計変更が可能なものである。例えば、本実施の形態
では平均階調数GAVECを求めて実通電時間TCを求めて
いる場合であるが、次のようにして実通電時間TCを求
めるようにしてもよい。階調数総和GTOTCを求め(フロ
ーチャートでI,Jで割るステップを除く)、その階調
数総和GTOTCを最大階調数総和GTOTMAXで除算し(G
TOTC/GTOTMAX)、温度TEMC及び除算結果を利用し
てサーマルヘッドの発熱体の温度を想定し、この想定し
た温度を利用して上記式(2)中の左辺第1式を演算し
て実通電時間TCを求めるようにしてもよい。尚、実通
電時間TM、T Y、TOCにおいても同様である。
【0114】さらに、本実施の形態ではサーマルヘッド
11が取り付けられた放熱板の温度を検出して、検出さ
れた放熱板の温度を利用してサーマルヘッド11の発熱
体の温度を想定している(実通電時間を補正している)
場合であるが、サーマルヘッド11の発熱体の温度を想
定することが可能な場所であればサーマルヘッドやその
周辺など放熱板以外の温度を利用するようにしてもよ
い。
【0115】さらに、本実施の形態ではインクリボン7
にオーバコート領域OCを形成している場合であるが、
光沢や耐光性などを考慮しない場合にはインクリボン7
にオーバコート領域OCを形成しないようにして、オー
バコート処理を省くようにしてもよい。
【0116】さらに、本実施の形態では最大階調数と全
てのドットを最大階調数として熱転写した場合の温度上
昇幅とを利用してサーマルヘッド11が取り付けられた
放熱板の温度を想定している場合であるが、これに限ら
れず、ある階調数(例えば、最大階調数の半分の階調
数)と全てのドットをそのある階調数として熱転写した
場合の温度上昇幅とを利用してサーマルヘッド11が取
り付けられた放熱板の温度を想定するようにしてもよ
い。
【0117】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1による
と、サーマルヘッドの発熱体の温度を想定し、その温度
を利用して発熱体への通電時間を制御するため、発熱体
への通電時間が必要以上に長くなることを防止すること
ができ、つまり、発熱体の通電時間がサーマルヘッドの
発熱体の実際の温度に適した通電時間にすることがで
き、この結果、印刷媒体に印刷した画像が濃くなり過ぎ
ることを防ぐことができる。
【0118】請求項2によると、サーマルヘッドの発熱
体の温度の想定を容易なものとすることができる。
【0119】請求項3によると、サーマルヘッドの発熱
体の温度の想定値を発熱体の実際の温度により近いもの
にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る熱転写プリンタの
外観を示す概略図である。
【図2】 図1に示した熱転写プリンタの印刷/駆動系
を説明するための模式図である。
【図3】 図1に示した熱転写プリンタの印刷/駆動系
及び制御系を説明するためのブロック図である。
【図4】 図1に示した熱転写プリンタに使用されるイ
ンクリボンを説明するための図である。
【図5】 冷時剥離及び熱時剥離時におけるサーマルヘ
ッド及び剥離板の状態を説明するための模式図である。
【図6】 温度上昇幅の設定方法を説明するための説明
図である。
【図7】 ドットを説明するための説明図ある。
【図8】 図1に示した熱転写プリンタの平均階調数の
算出手順を示すフローチャートである。
【図9】 図1に示した熱転写プリンタの印刷動作の手
順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 熱転写プリンタ 2 プリンタ本体 3 用紙格納カセット 4 制御系 6 リボン収容カセット 7 インクリボン 8 用紙 41 CPU 42 ROM

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周期的に複数の色のインクを順次保持す
    るインクシートをサーマルヘッドで印刷媒体に圧接する
    とともに、前記サーマルヘッドの複数の発熱体への通電
    時間を制御することによって前記インクシートに保持さ
    れた各前記インクを前記印刷媒体に転写して多階調の画
    像を前記印刷媒体に形成する熱転写プリンタであって、 前記サーマルヘッドまたはその周辺の温度を検出するた
    めの温度検出手段と、 前記複数の色のインクのうちあるインクを転写する際
    に、前記あるインクの前記印刷媒体への転写開始直前に
    前記温度検出手段により検出された温度と、前記あるイ
    ンクの各ドットの階調数とを利用して、前記転写開始直
    前の前記サーマルヘッドの前記発熱体の温度を想定する
    ための温度想定手段と、 階調レベルに応じて予め定められている前記サーマルヘ
    ッドの前記発熱体への通電時間を前記温度想定手段によ
    る想定温度に基づいて補正するための通電時間補正手段
    とを備えたことを特徴とする熱転写プリンタ。
  2. 【請求項2】 前記温度想定手段は、前記あるインクの
    前記印刷媒体への前記転写開始直前に前記温度検出手段
    により検出された温度と、前記あるインクの各ドットの
    階調数とを利用して、前記転写開始直前の前記サーマル
    ヘッドの前記発熱体の温度を想定することを特徴とする
    請求項1に記載の熱転写プリンタ。
  3. 【請求項3】 各々のインクに関してインクの転写開始
    前に前記温度検出手段により検出された温度に対し、そ
    のインクの転写を全てのドットを最大階調にして行い、
    次のインクの前記印刷媒体への転写開始直前における前
    記温度検出手段により検出された温度の上昇値を前記イ
    ンクに関連付けて予め格納するための格納手段をさらに
    備えており、 前記温度想定手段は、前記あるインクの転写の際に、前
    記格納手段に格納されている前記あるインクに関連付け
    られた前記上昇値と前記あるインクが前記印刷媒体に転
    写される際の各ドットの階調数の平均値とを乗算して得
    られた値を各ドットの最大階調数で除算して得られた値
    と、前記あるインクの前記印刷媒体への転写開始直前に
    前記温度検出手段により検出された温度とを加算して、
    前記サーマルヘッドの前記発熱体の温度を想定すること
    を特徴とする請求項2に記載の熱転写プリンタ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008114451A (ja) * 2006-11-02 2008-05-22 Shinko Electric Co Ltd プリンタ
CN100436144C (zh) * 2005-10-26 2008-11-26 诚研科技股份有限公司 应用于一热转印打印机的热累积处理方法
JP2012179775A (ja) * 2011-03-01 2012-09-20 Mitsubishi Electric Corp 印刷装置

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