JP2003276219A - チューブポンプ、吐出特性維持装置およびインクジェット式記録装置 - Google Patents

チューブポンプ、吐出特性維持装置およびインクジェット式記録装置

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JP2003276219A
JP2003276219A JP2002082372A JP2002082372A JP2003276219A JP 2003276219 A JP2003276219 A JP 2003276219A JP 2002082372 A JP2002082372 A JP 2002082372A JP 2002082372 A JP2002082372 A JP 2002082372A JP 2003276219 A JP2003276219 A JP 2003276219A
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pump
flexible tube
tube
ink
frame
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JP2002082372A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Ito
寛之 井藤
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チューブポンプを大型化せずに吸引すべきイ
ンク量を増加させることが可能な、吸引力に優れたチュ
ーブポンプ、および該チューブポンプを備えたインクジ
ェット式記録装置を提供すること。 【解決手段】 ポンプフレームの内周面に沿って円弧状
に配設された可撓性チューブと、ポンプフレームに、動
力機構からの駆動力によって回転可能に装着されたポン
プホイルと、ポンプホイルに設けられたガイド溝に支持
され、ポンプホイルの回転に伴いポンプフレーム内を回
転移動する押圧ローラと、を備え、押圧ローラの移動に
より、可撓性チューブをポンプフレームとの間で順次押
しつぶすように変形させて負圧を発生させるチューブポ
ンプであって、前記可撓性チューブの内径aを、2.8
mm以下とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録ヘッドのノズ
ル開口に負圧を作用させ、該ノズル開口からインクを強
制的に吸引排出させて目詰まりや混入気泡を除去する吸
引装置としてのチューブポンプ、およびこのチューブポ
ンプを備えたインクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット式記録装置は、主走査方
向に往復移動するキャリッジに搭載された記録ヘッド
と、印刷用紙等の記録媒体を副走査方向に間欠的に設定
量ずつ送る記録媒体送り手段を備え、記録ヘッドを主走
査方向に移動させつつ該記録ヘッドからインク滴を前記
記録媒体に吐出して記録を行うように構成されている。
【0003】モノカラーのインクジェット式記録装置で
は、記録ヘッドは通常1つ搭載されている。フルカラー
のインクジェット式記録装置では、ブラックインクを吐
出するブラックインク用記録ヘッドと、イエロー、シア
ン、マゼンタ等の各色のインクを吐出するカラー用記録
ヘッドが搭載されている。
【0004】インクジェット式記録装置は、前記記録ヘ
ッドからインクを吐出する原理が、以下のように構成さ
れている。すなわち公知のように圧力発生室でインクを
所定圧で加圧し、その圧力に基づいてインクをノズル形
成面にあるノズル開口から前記記録媒体に向けてコント
ロールされた大きさのインク滴として吐出する。従っ
て、記録ヘッドのノズル開口からのインク吐出特性は、
一定に維持される必要があり、該インク吐出特性が変動
すると記録品質の低下に繋がる。
【0005】記録ヘッドのインク吐出特性は、ノズル形
成面におけるインクの固化、塵、埃などの付着によるノ
ズルの目詰まり、ノズルからの気泡の進入等が原因とな
って変動する。そのため、インクジェット式記録装置に
は、記録ヘッドのインク吐出特性を一定に維持するため
に、前記したインク吐出特性の各変動原因を排除し、も
って記録ヘッドの吐出特性を維持する吐出特性維持装置
が設けられている。
【0006】この吐出特性維持装置は、通常、第1にキ
ャッピング装置を備えている。非記録時には、このキャ
ッピング装置でノズル形成面を封止して前記ノズル開口
を外部と隔離しておくことにより、インクの乾燥を抑制
し、インク粘度の上昇を押さえている。
【0007】また、前記キャッピング装置でノズル形成
面を封止していてもノズル開口の目詰まりや、インク流
路内への気泡の混入等を完全には防止できない。そこ
で、該吐出特性維持装置は、第2に前記ノズル開口の目
詰まりや混入した気泡を除去するためにインクをノズル
開口から強制的に吸引排出することのできる吸引装置を
備えている。この吸引装置は、前記キャッピング装置で
前記ノズル形成面を封止した状態で、該ノズル開口に負
圧を作用させ、該ノズル開口からインクを強制的に吸引
排出させて前記目詰まりや混入気泡を除去する。この吸
引装置によるインクの強制的な吸引排出処理は、クリー
ニングと呼ばれ、通常、記録装置の長時間の休止後に記
録動作を再開する場合や、ユーザーが記録画像の品質が
低下したことを認識して操作パネルにある専用スイッチ
を操作した場合に実行されるようになっている。
【0008】上記のように吸引装置によるインクの強制
的な吸引排出処理を行うと、記録ヘッドのノズル形成面
にインクが飛び散って付着することがあると共に、各ノ
ズル開口におけるインクのメニスカスが乱れる。また、
記録ヘッドのノズル形成面には経時的に異物が付着しや
すい。そこで、該吐出特性維持装置は、第3に必要に応
じてノズル形成面を払拭するワイピング装置を備えてい
る。このワイピング装置は、ゴム等の弾性材料からなる
ワイピング部材を有し、該ワイピング部材の基端側をホ
ルダで挟圧支持して成る。そして、ワイピング部材の先
端側の縁部分またはその周辺を前記ノズル形成面に弾性
的に押し付けつつ相対的に移動させて該ノズル形成面を
清掃するようになっている。ワイピング部材による前記
清掃動作は、「ワイピング動作」と言われている。この
「ワイピング動作」は、ノズル形成面に付着したインク
や塵などの払拭とともに、各ノズル開口におけるインク
のメニスカスを一様に整える、即ち安定させるという役
割を担っている。
【0009】前記した吸引装置としては、後記図5およ
び図6に例示するような構造のチューブポンプが使用さ
れている。チューブポンプは、円弧状に配置された可撓
性のチューブをローラによって順次押しつぶすことによ
り負圧を発生させる機構であり、図示しない紙送りモー
タ等の駆動力を利用する。
【0010】ところで、最近では印刷速度を速めるため
に、記録ヘッドの大型化が進んでいる。このため、記録
ヘッド内に滞留するインクの量が増え、クリーニング動
作時に吸引装置で吸引すべきインクの量も必然的に増え
ている。前記チューブポンプの場合、装置全体を大型化
せずに1回の吸引動作で吸引できるインク量を増やすた
めには、可撓性チューブの内径(後記図6参照)を大き
くすることが必要である。しかし、内径を大きくし過ぎ
ると可撓性チューブはつぶれ易くなる反面、元の状態に
回復しにくくなる。内部に負圧が作用している状態で可
撓性チューブがつぶれたままになると吸引量が低下して
しまう。
【0011】また、可撓性チューブの肉厚(後記図6参
照)についても、肉厚が薄すぎると反力(つぶれた可撓
性チューブが元の状態に回復する力)が弱いため吸引量
が低下してしまい、肉厚が厚すぎると可撓性チューブを
つぶすために大きな力が必要になって、前記紙送りモー
タ等の動力機構を大型化することが必要になってしま
う。
【0012】さらに、可撓性チューブの硬度について
も、肉厚の場合と同様に、硬度が小さすぎると反力が弱
いため吸引量が低下してしまい、硬度が大きすぎると可
撓性チューブをつぶすために大きな力が必要になり、動
力機構の大型化が必要になってしまう。
【0013】しかも、可撓性チューブの内径、肉厚およ
び硬度は、吸引性能に関して相互に影響し合うものであ
る。したがって、1回の吸引動作で吸引すべきインク量
が増加していく傾向の中で、装置全体を大型化すること
なく可撓性チューブの内径、肉厚および硬度を選定する
ことは困難になりつつある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、チューブポ
ンプを大型化せずに吸引すべきインク量を増加させるこ
とが可能な、吸引力に優れたチューブポンプ、および該
チューブポンプを備えたインクジェット式記録装置を提
供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に記載のチューブポンプの発明は、ポンプ
フレームの内周面に沿って円弧状に配設された可撓性チ
ューブと、前記ポンプフレームに回転可能に装着された
ポンプホイルと、前記ポンプホイルに設けられたガイド
溝に支持され、前記ポンプホイルの回転に伴い前記ポン
プフレーム内を回転移動する押圧ローラと、を備え、前
記押圧ローラの移動により、前記可撓性チューブを前記
ポンプフレームとの間で順次押しつぶすように変形させ
て負圧を発生させるチューブポンプであって、前記可撓
性チューブの内径を2.8mm以下にしたことを特徴と
する。この特徴によれば、可撓性チューブの内径を2.
8mm以下に設定することによって、十分な反力が得ら
れる。つまり、可撓性チューブの内径が2.8mmまで
であれば負圧状態でも断面積が大幅に変化し難いため、
内径を2.8mmまで拡大することによって吸引インク
量の増加にも対応できる。
【0016】また、請求項2に記載のチューブポンプの
発明は、請求項1において、ポンプフレームの内周面に
沿って円弧状に配設された可撓性チューブと、前記ポン
プフレームに回転可能に装着されたポンプホイルと、前
記ポンプホイルに設けられたガイド溝に支持され、前記
ポンプホイルの回転に伴い前記ポンプフレーム内を回転
移動する押圧ローラと、を備え、前記押圧ローラの移動
により、前記可撓性チューブを前記ポンプフレームとの
間で順次押しつぶすように変形させて負圧を発生させる
チューブポンプであって、前記可撓性チューブの内径を
a、肉厚をb、硬度をhとしたとき、 a=2mm〜2.8mm、かつ b=0.6mm〜1.0mm、かつ h=38°〜60°(RHD) の関係を満たすことを特徴とする。この特徴によれば、
可撓性チューブの内径a、肉厚b、硬度h上記範囲とす
ることによって、可撓性チューブの特性が最適化され、
十分な吸引力が得られる。また、上記範囲であれば、可
撓性チューブに十分な反力が得られ、負圧状態でも断面
積が大幅に変化することがない。したがって、吸引イン
ク量の増加にも対応できる。
【0017】請求項3に記載のインクジェット式記録装
置の吐出特性維持装置の発明は、請求項1または請求項
2に記載のチューブポンプを備えたことを特徴とする。
この特徴によれば、インクジェット式記録装置の吐出特
性維持装置において、請求項1または請求項2に記載の
作用効果が得られる。なお、本発明における「吐出特性
維持装置」は、吸引装置としての前記チューブポンプ
と、ノズル形成面を封止するキャッピング装置と、ワイ
ピング部材によりノズル形成面を払拭するワイピング装
置とを備えた装置を意味する。
【0018】請求項4に記載のインクジェット式記録装
置の発明は、請求項3に記載の吐出特性維持装置を備え
たことを特徴とする。この特徴によれば、インクジェッ
ト式記録装置において、請求項3と同様の作用効果が得
られる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施
の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る
インクジェットプリンタ50の概要を示す図面である。
ここでは、内部構造を明らかにするため本体カバーをは
ずした状態を示している。キャリッジ53は、駆動モー
タ56に接続されたタイミングベルト57により、キャ
リッジガイド軸55に沿って主走査方向に往復移動しな
がら、記録ヘッド51より記録媒体Pへインクを吐出し
て記録を行う。キャリッジ53には、ブラック、シア
ン、マゼンタ、イエローなど複数の異なる色のインクカ
ートリッジ54を装着できるようになっている。
【0020】キャリッジ53のホームポジションに対応
する位置には、記録ヘッド51の吐出特性を維持するた
めの吐出特性維持装置40が配設されている。この吐出
特性維持装置40は、ワイピング装置10、キャッピン
グ装置20および吸引装置30から構成されている。そ
して、キャリッジ53がホームポジションに位置してい
る状態のときに、この吐出特性維持装置40によって、
記録ヘッド51のクリーニングや吐出特性を維持するた
めのキャッピング動作、吸引動作およびワイピング動作
が行われるようになっている。
【0021】次に図2は、ユニット化された吐出特性維
持装置40の斜視図、図3は、同平面図である。この吐
出特性維持装置40は、ワイピング装置10、キャピン
グ装置20、および吸引装置30としてのチューブポン
プ31がユニット化されている。このチューブポンプ3
1は、円弧状に配置された可撓性チューブ81をローラ
によって順次押しつぶすことにより負圧を発生させる機
構であり、図示しない紙送りモータ等の駆動力を利用し
ている。
【0022】キャッピング装置20は、ホルダ22と、
ホルダ22の開口周縁にゴム、エラストマー等の弾性材
料により形成されたキャップ部材21を備えている。ホ
ルダ22とキャップ部材21とは、例えば二色成形など
の方法で一体的に形成されている。また、ホルダ22の
底部にはインク排出孔23が形成されており、このイン
ク排出孔23にはチューブポンプ31の吸引側の可撓性
チューブ81(図4〜図6参照)が接続されている。
【0023】ホルダ22は、スライダ24上に搭載され
ており、このスライダ24は4本のガイド部材25を有
している。また、スライダ24を保持するユニットフレ
ーム41には傾斜したガイド孔42が4つ設けられてお
り、前記した各ガイド部材25が各ガイド孔42に係合
している。
【0024】スライダ24は一体成形された突起部26
を有している。この突起部26は起立した状態でキャリ
ッジ53の移動経路上に進出しており、キャリッジ53
がホームポシションに移動した時に、キャリッジ53の
端部と当接するようになっている。従って、キャリッジ
53がホームポシション側へ移動すると、突起部26が
キャリッジ53の端部と当接し、さらにキャリッジ53
の移動方向に押される。このキャリッジ53による押圧
力により、スライダ24の各ガイド部材25は、ユニッ
トフレーム41の傾斜したガイド孔42内を摺動し、傾
斜を上っていく。この動作に伴い、ホルダ22と一体に
形成されたキャップ部材21は、キャリッジ53に搭載
された記録ヘッド51のノズル形成面に近づいていき、
ノズル形成面を封止する。また、キャリッジ53が印刷
領域側に移動した場合には、図示しないばね等の付勢力
でスライダ24が印刷領域側に移動し、これに伴いキャ
ップ部材21による記録ヘッド51のノズル形成面の封
止が解除される。
【0025】クリーニング動作は、キャップ部材21が
記録ヘッド51のノズル形成面を封止した状態でチュー
ブポンプ31を駆動することで、記録ヘッド51のノズ
ル形成面に負圧を与え、記録ヘッド51内のインクを吸
引して強制的に排出させることにより行われる。吸引後
は、キャリッジ53を印刷領域側に移動させることで、
キャップ部材21によるノズル形成面の封止が解かれ
る。この状態でチューブポンプ31を駆動すると、キャ
ップ部材21内の廃インクはインク排出孔23から排出
され、チューブポンプ31を介して廃液タンク59(図
1参照)に送られる。
【0026】チューブポンプ31は、比較的構造が簡単
で小形化が図りやすく、しかもインクの汚染を生じさせ
難い構造であるため、インクジェット式記録装置50の
吸引装置30として汎用されている。チューブポンプ3
1の構造の一例を図4および図5に示す。図4はポンプ
を正転駆動させて吸引動作を実行させている状態を示
し、また図5はポンプを逆転駆動させている非吸引動作
状態を示している。
【0027】このチューブポンプ31は、可撓性チュー
ブ81を円弧状に巻いた状態で内周面(チューブ支持面
82)に沿って収納するポンプフレーム74と、紙送り
モータ等によって回動するポンプホイル72と、このポ
ンプホイル72に形成された一対のガイド溝72a,7
2bに沿って移動する押圧ローラ73a,73bとを備
えている。
【0028】吸引動作時には、図4に示すように、チュ
ーブポンプ31のポンプホイル72を正方向(矢印A方
向)に回転させる。ポンプホイル72の回転によって、
押圧ローラ73a,73bがガイド溝72a,72bに
沿ってポンプホイル72の外周部側に移動し、回転しな
がら可撓性チューブ81を順次矢印A方向に圧迫して押
し潰していく。この圧迫により、可撓性チューブ81内
に圧力変化を生じさせ、キャッピング装置20に負圧を
与える。この負圧により、記録ヘッド51のノズルから
強制的にインクを吸引してキャップ部材21内へ排出さ
せ、さらにキャップ部材21内に排出されたインクを吸
引して廃インクタンク59に送り出す。
【0029】また、図5に示すように、ポンプホイル7
2を逆方向(矢印B方向)に回転させると、各押圧ロー
ラ73a,73bがガイド溝72a,72bをポンプホ
イル71の内周部側へ移動する。この押圧ローラ73
a,73bの移動によって、非吸引動作時には、押圧ロ
ーラ73a,73bによる可撓性チューブ81への圧迫
が解除される。
【0030】以上の構成において、本発明では、前記可
撓性チューブ81の内径a(図6)を2.8mm以下に
することによって、十分な反力を確保し、負圧状態でも
可撓性チューブ81の断面積を大幅に変化させずにす
む。したがって、チューブポンプ31のインク吸引性能
を十分に発揮させることができるようになり、吸引イン
ク量の増加にも対応できるようになる。
【0031】また、さらに好ましくは、可撓性チューブ
81の内径a、肉厚b(図6)、硬度hが a=2mm〜2.8mm、かつ b=0.6mm〜1.0mm、かつ h=38°〜60°(RHD)[国際ゴム硬さ(Intern
ational Rubber Hardness Degree)] の関係を満たす範囲内であれば、可撓性チューブ81の
特性が最適化され、良好なインク吸引性能が確保でき
る。
【0032】すなわち、可撓性チューブ81の内径a、
肉厚b、硬度hは相互に影響し合う関係にあるため、こ
れらの要素を個々に設定しても必ずしも優れたポンプ特
性は得られないが、上記範囲であれば、良好な吸引性能
が得られる。
【0033】したがって、例えば、肉厚bおよび硬度h
を上記範囲に固定した場合、内径aを2mmよりも小さ
くすると、1回の吸引動作で吸引できるインク量が少な
くなって、チューブポンプ31全体を大きくしない限
り、十分なインク量を確保することができない。逆に、
内径aを2.8mmよりも大きくすると、可撓性チュー
ブ81はつぶれ易くなるが、回復力が得られずつぶれた
ままになってインク吸引量が低下してしまう。
【0034】また、内径aおよび硬度hを上記範囲に固
定した場合、肉厚bが0.6mmよりも小さいと反力が
弱いため吸引量が低下してしまい、肉厚bが1.0mm
よりも大きい場合は可撓性チューブ81をつぶすために
大きな力が必要になって、紙送りモータ等の動力機構を
大型化することが必要になってしまう。
【0035】さらに、内径aおよび肉厚bを上記範囲に
固定した場合、可撓性チューブ81の硬度hが38RH
Dよりも小さいと反力が弱いため吸引量が低下してしま
い、硬度hが60RHDよりも大きいと可撓性チューブ
81をつぶすために大きな力が必要になり、動力機構を
大型化しない限り十分な吸引が出来なくなってしまう。
【0036】これに対して、内径a、肉厚bおよび硬度
hを上記範囲にすることによって、可撓性チューブ81
の特性が最適化され、例えば内径を大きめに設定しても
十分な反力が得られ、負圧状態でも断面積が大幅に変化
することがない。
【0037】図7〜図10は、外径4.0mmの可撓性
チューブ81の内径を、2.0mm、2.4mm、2.
8mm、3.2mmに設定した場合に、各可撓性チュー
ブ81内にそれぞれ0.111atm、0.169at
m、0.223atm、0.257atm、0.281
atm、0.334atmの負圧を作用させたときの断
面積[各図(A)]および常圧時の断面積に対する断面
積比[各図(B)]を測定した結果を示すものである。
図7では硬度40RHD、図8では硬度50RHD、図
9では硬度60RHD、図10では硬度70RHDの材
質の可撓性チューブ81を使用した。
【0038】図7〜図10から、可撓性チューブ81の
内径が2.8mmを超えると、どの圧力条件、どの硬度
においても、急激に断面積が減少することが読み取れ
る。この結果から、可撓性チューブ81の内径2.8m
mが、チューブポンプの吸引特性における臨界点である
ことが判る。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、チューブポンプにおけ
る可撓性チューブの内径を2.8mm以下に設定するこ
とによって、十分な反力が得られる。つまり、可撓性チ
ューブの内径が2.8mmまでであれば負圧状態でも断
面積が大幅に変化し難いため、内径を2.8mmまで拡
大することによって吸引インク量の増加にも対応でき
る。
【0040】また、特に可撓性チューブの内径をa、肉
厚をb、硬度をhとしたとき、 a=2mm〜2.8mm、かつ b=0.6mm〜1.0mm、かつ h=38°〜60°(RHD) の関係を満たすようにすることで、可撓性チューブの特
性が最適化され、十分な吸引力が得られる。また、上記
範囲であれば、可撓性チューブに十分な反力が得られ、
負圧状態でも断面積が大幅に変化することがない。した
がって、吸引インク量の増加にも対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット式記録装置の概要を示す斜視
図。
【図2】図1のインクジェット式記録装置における要部
斜視図であり、ユニット化された吐出特性維持装置の説
明に供する図面。
【図3】図2のユニット化された吐出特性維持装置の説
明に供する平面図。
【図4】チューブポンプの説明に供する図面であり、ポ
ンプホイルが正転して押圧ローラが可撓性チューブを圧
迫している状態を示す。
【図5】チューブポンプの説明に供する図面であり、ポ
ンプホイルが逆転して押圧ローラによる可撓性チューブ
の圧迫が解除された状態を示す。
【図6】可撓性チューブの説明に供する斜視図。
【図7】硬度40RHDの可撓性チューブに負圧を作用
させたときの断面積[(A)]および常圧時の断面積に
対する断面積比[(B)]を測定した結果を示すグラフ
図面。
【図8】硬度50RHDの可撓性チューブに負圧を作用
させたときの断面積[(A)]および常圧時の断面積に
対する断面積比[(B)]を測定した結果を示すグラフ
図面。
【図9】硬度60RHDの可撓性チューブに負圧を作用
させたときの断面積[(A)]および常圧時の断面積に
対する断面積比[(B)]を測定した結果を示すグラフ
図面。
【図10】硬度70RHDの可撓性チューブに負圧を作
用させたときの断面積[(A)]および常圧時の断面積
に対する断面積比[(B)]を測定した結果を示すグラ
フ図面。
【符号の説明】
10 ワイピング装置 11 ワイピング部材 20 キャッピング装置 21 キャップ部材 22 ホルダ 23 排出孔 24 スライダ 25 ガイド部材 26 突起部 30 吸引装置 31 チューブポンプ 40 吐出特性維持装置 41 ユニットフレーム 42 ガイド孔 50 インクジェット式記録装置 51 記録ヘッド 52 ノズル形成面 53 キャリッジ 54 インクカートリッジ 55 キャリッジガイド軸 56 駆動モータ 57 タイミングベルト 58 プラテン 59 廃インクタンク 72 ポンプホイル 72a,72b ガイド溝 73a,73b 押圧ローラ 74 ポンプフレーム 81 可撓性チューブ 82 チューブ支持面

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポンプフレームの内周面に沿って円弧状
    に配設された可撓性チューブと、 前記ポンプフレームに回転可能に装着されたポンプホイ
    ルと、 前記ポンプホイルに設けられたガイド溝に支持され、前
    記ポンプホイルの回転に伴い前記ポンプフレーム内を回
    転移動する押圧ローラと、を備え、 前記押圧ローラの移動により、前記可撓性チューブを前
    記ポンプフレームとの間で順次押しつぶすように変形さ
    せて負圧を発生させるチューブポンプであって、 前記可撓性チューブの内径を2.8mm以下にしたこと
    を特徴とする、チューブポンプ。
  2. 【請求項2】 ポンプフレームの内周面に沿って円弧状
    に配設された可撓性チューブと、 前記ポンプフレームに回転可能に装着されたポンプホイ
    ルと、 前記ポンプホイルに設けられたガイド溝に支持され、前
    記ポンプホイルの回転に伴い前記ポンプフレーム内を回
    転移動する押圧ローラと、を備え、 前記押圧ローラの移動により、前記可撓性チューブを前
    記ポンプフレームとの間で順次押しつぶすように変形さ
    せて負圧を発生させるチューブポンプであって、 前記可撓性チューブの内径をa、肉厚をb、硬度をhと
    したとき、 a=2mm〜2.8mm、かつ b=0.6mm〜1.0mm、かつ h=38°〜60°(RHD) の関係を満たすことを特徴とする、チューブポンプ。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のチュー
    ブポンプを備えたことを特徴とする、インクジェット式
    記録装置の吐出特性維持装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の吐出特性維持装置を備
    えたことを特徴とする、インクジェット式記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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