JP2003275746A - 排水中のアンモニア性窒素の利用法 - Google Patents
排水中のアンモニア性窒素の利用法Info
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- JP2003275746A JP2003275746A JP2002085478A JP2002085478A JP2003275746A JP 2003275746 A JP2003275746 A JP 2003275746A JP 2002085478 A JP2002085478 A JP 2002085478A JP 2002085478 A JP2002085478 A JP 2002085478A JP 2003275746 A JP2003275746 A JP 2003275746A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 排水又は処理済み排水に含まれるアンモニア
性窒素を、取扱い容易な形態でアンモニア利用施設まで
移送し、排ガスの脱硝に利用することができる方法を提
供すること。 【解決手段】 排水又は処理済み排水に含まれるアンモ
ニア性窒素を、アンモニアストリッピングによりNH3ガ
スとして放出させ、これを低級カルボン酸水溶液で捕集
して低級カルボン酸アンモニウム水溶液とした後、これ
をアンモニア利用施設に移送し、窒素酸化物を含有する
排ガスの脱硝に利用する方法。 【効果】 アンモニア性窒素を、移送容易な低級カルボ
ン酸アンモニウム水溶液の状態で回収するため、従来不
可能であった遠隔のアンモニア利用施設での利用が可能
となる。
性窒素を、取扱い容易な形態でアンモニア利用施設まで
移送し、排ガスの脱硝に利用することができる方法を提
供すること。 【解決手段】 排水又は処理済み排水に含まれるアンモ
ニア性窒素を、アンモニアストリッピングによりNH3ガ
スとして放出させ、これを低級カルボン酸水溶液で捕集
して低級カルボン酸アンモニウム水溶液とした後、これ
をアンモニア利用施設に移送し、窒素酸化物を含有する
排ガスの脱硝に利用する方法。 【効果】 アンモニア性窒素を、移送容易な低級カルボ
ン酸アンモニウム水溶液の状態で回収するため、従来不
可能であった遠隔のアンモニア利用施設での利用が可能
となる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排水又は処理済み
排水に含まれるアンモニア性窒素を、溶液の状態でセメ
ント工場や火力発電所に移送し、アンモニアを排ガスの
脱硝等に利用する方法に関する。
排水に含まれるアンモニア性窒素を、溶液の状態でセメ
ント工場や火力発電所に移送し、アンモニアを排ガスの
脱硝等に利用する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】生活排水、都市下水等の排水や、これら
を活性汚泥、消化汚泥等で処理した処理済み排水中に含
まれるアンモニア性窒素は、BOD成分として規制の対象
となっているが、これをアンモニアストリッピングによ
り除去する方法はよく知られている。しかし、この方法
では、アンモニアを排水等から気相に放散させるに止ま
り、無害化させることはできないため、NH3ガスを燃焼
酸化して窒素ガスとする必要があり、設備、費用、操作
の上で負担が大きい。
を活性汚泥、消化汚泥等で処理した処理済み排水中に含
まれるアンモニア性窒素は、BOD成分として規制の対象
となっているが、これをアンモニアストリッピングによ
り除去する方法はよく知られている。しかし、この方法
では、アンモニアを排水等から気相に放散させるに止ま
り、無害化させることはできないため、NH3ガスを燃焼
酸化して窒素ガスとする必要があり、設備、費用、操作
の上で負担が大きい。
【0003】そこで、アンモニアストリッピングにより
回収されたNH3ガスを、排ガスの脱硝に利用する提案も
いくつかなされている。例えば、特開平6-343994号公報
には、消化汚泥の脱水濾液中のアンモニア性窒素をアン
モニアストリッピングにより気相に拡散し、このアンモ
ニアを消化ガスの燃焼排ガスに接触させて窒素酸化物の
還元分解に利用する方法が記載されている。特開平3-25
8388号公報には、NH3含有廃水を、アルカリ性でかつ加
温下で排ガスと気液接触させてNH3をストリップした後
に燃焼酸化し、この燃焼排ガスを前記排ガスとして用い
ることにより、NH3を効率良く安定して除去する方法が
記載されている。特開平9-150031号公報には、硫黄酸化
物及び/又は窒素酸化物を含有する排ガスにアンモニア
含有汚水から分離したアンモニアを添加して電子ビーム
を照射する排ガス処理方法が記載されている。また、特
開平9-75915号公報には、火力発電所で発生する廃水か
らアンモニアストリッピングにより得られたアンモニア
を脱硝工程に利用する方法が記載されている。
回収されたNH3ガスを、排ガスの脱硝に利用する提案も
いくつかなされている。例えば、特開平6-343994号公報
には、消化汚泥の脱水濾液中のアンモニア性窒素をアン
モニアストリッピングにより気相に拡散し、このアンモ
ニアを消化ガスの燃焼排ガスに接触させて窒素酸化物の
還元分解に利用する方法が記載されている。特開平3-25
8388号公報には、NH3含有廃水を、アルカリ性でかつ加
温下で排ガスと気液接触させてNH3をストリップした後
に燃焼酸化し、この燃焼排ガスを前記排ガスとして用い
ることにより、NH3を効率良く安定して除去する方法が
記載されている。特開平9-150031号公報には、硫黄酸化
物及び/又は窒素酸化物を含有する排ガスにアンモニア
含有汚水から分離したアンモニアを添加して電子ビーム
を照射する排ガス処理方法が記載されている。また、特
開平9-75915号公報には、火力発電所で発生する廃水か
らアンモニアストリッピングにより得られたアンモニア
を脱硝工程に利用する方法が記載されている。
【0004】しかしながら、これらの方法では、アンモ
ニアストリッピングにより得られたNH3ガスを直接又は
燃焼酸化した上で排ガス等に接触させる必要があるた
め、アンモニア性窒素を含有する排水等の発生現場又は
処理施設と、これを利用すべき窒素酸化物を含有する排
ガスの発生現場が離れている場合には、ガスの状態では
輸送が極めて非効率的であることから、事実上実施不可
能であった。
ニアストリッピングにより得られたNH3ガスを直接又は
燃焼酸化した上で排ガス等に接触させる必要があるた
め、アンモニア性窒素を含有する排水等の発生現場又は
処理施設と、これを利用すべき窒素酸化物を含有する排
ガスの発生現場が離れている場合には、ガスの状態では
輸送が極めて非効率的であることから、事実上実施不可
能であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、排
水又は処理済み排水に含まれるアンモニア性窒素を、取
扱い容易な形態でアンモニア利用施設まで移送し、排ガ
スの脱硝に利用することができる方法を提供することを
目的とする。
水又は処理済み排水に含まれるアンモニア性窒素を、取
扱い容易な形態でアンモニア利用施設まで移送し、排ガ
スの脱硝に利用することができる方法を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは鋭意検討を重ねた結果、NH3ガスを低級カル
ボン酸水溶液で捕集すれば低級カルボン酸アンモニウム
水溶液となり、移送容易な溶液の状態でアンモニアを回
収でき、従来不可能であった遠隔のアンモニア利用施設
での利用が可能となることに想到し、本発明を完成し
た。
発明者らは鋭意検討を重ねた結果、NH3ガスを低級カル
ボン酸水溶液で捕集すれば低級カルボン酸アンモニウム
水溶液となり、移送容易な溶液の状態でアンモニアを回
収でき、従来不可能であった遠隔のアンモニア利用施設
での利用が可能となることに想到し、本発明を完成し
た。
【0007】すなわち本発明は、排水又は処理済み排水
に含まれるアンモニア性窒素を、アンモニアストリッピ
ングによりNH3ガスとして放出させ、これを低級カルボ
ン酸水溶液で捕集して低級カルボン酸アンモニウム水溶
液とした後、これをアンモニア利用施設に移送し、窒素
酸化物を含有する排ガスの脱硝に利用する方法を提供す
るものである。
に含まれるアンモニア性窒素を、アンモニアストリッピ
ングによりNH3ガスとして放出させ、これを低級カルボ
ン酸水溶液で捕集して低級カルボン酸アンモニウム水溶
液とした後、これをアンモニア利用施設に移送し、窒素
酸化物を含有する排ガスの脱硝に利用する方法を提供す
るものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明においてアンモニアストリ
ッピングの対象となる排水又は処理済み排水としては、
アンモニア性窒素を含有するものであれば特に限定され
ず、例えば火力発電処理プラント、化学プラント、例え
ばアミン製造プラント、食品製造工場、セメント工場等
から排出される工業排水や、生活排水、し尿、都市下水
等の排水、活性汚泥処理水、消化汚泥処理水等の処理済
み排水が挙げられる。
ッピングの対象となる排水又は処理済み排水としては、
アンモニア性窒素を含有するものであれば特に限定され
ず、例えば火力発電処理プラント、化学プラント、例え
ばアミン製造プラント、食品製造工場、セメント工場等
から排出される工業排水や、生活排水、し尿、都市下水
等の排水、活性汚泥処理水、消化汚泥処理水等の処理済
み排水が挙げられる。
【0009】アンモニアストリッピングは常法に従って
行うことができ、その態様は特に限定されないが、例え
ば排水等にアルカリを添加してpHを上昇させ空気を接触
させる方法、排水等を加温しスチームを吹き込み水蒸気
蒸留する方法が挙げられる。
行うことができ、その態様は特に限定されないが、例え
ば排水等にアルカリを添加してpHを上昇させ空気を接触
させる方法、排水等を加温しスチームを吹き込み水蒸気
蒸留する方法が挙げられる。
【0010】ここで使用されるアルカリとしては特に限
定されず、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、水酸化カルシウム(消石灰)
等いずれであってもよい。また、それらの使用形態も水
溶液、スラリー等いずれであってもよい。これらアルカ
リの添加により排水等のpHは、10以上、特に11.5以上に
調整されるのが好ましい。
定されず、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、水酸化カルシウム(消石灰)
等いずれであってもよい。また、それらの使用形態も水
溶液、スラリー等いずれであってもよい。これらアルカ
リの添加により排水等のpHは、10以上、特に11.5以上に
調整されるのが好ましい。
【0011】次に、排水等を必要に応じて予熱し、空気
又はスチームを吹き込むことにより、アンモニア性窒素
はNH3ガスとして気相に放散される。ストリッピング
は、気泡塔、充填塔、棚段塔等を用いた通常の気液接触
方法により行うことができる。
又はスチームを吹き込むことにより、アンモニア性窒素
はNH3ガスとして気相に放散される。ストリッピング
は、気泡塔、充填塔、棚段塔等を用いた通常の気液接触
方法により行うことができる。
【0012】本発明では、このNH3ガスを低級カルボン
酸水溶液により捕集し、低級カルボン酸アンモニウム水
溶液とする。低級カルボン酸としては、炭素数2〜6の
ものが好ましく、例えばクエン酸、酢酸、酒石酸、乳
酸、酪酸、リンゴ酸、イタコン酸、コハク酸、グルコン
酸、プロピオン酸等が挙げられ、特にクエン酸が好まし
い。低級カルボン酸水溶液によるNH3ガスの捕集は、気
泡塔、充填塔、棚段塔等を用いた通常の気液接触方法に
より行うことができ、その態様は特に限定されない。低
級カルボン酸水溶液へのNH3捕集量が多くなるにつれて
捕集液のpHが上昇し、NH3ガスの捕集効率が低下するの
で、適宜低級カルボン酸を補給してpHを酸性に維持する
のが好ましい。
酸水溶液により捕集し、低級カルボン酸アンモニウム水
溶液とする。低級カルボン酸としては、炭素数2〜6の
ものが好ましく、例えばクエン酸、酢酸、酒石酸、乳
酸、酪酸、リンゴ酸、イタコン酸、コハク酸、グルコン
酸、プロピオン酸等が挙げられ、特にクエン酸が好まし
い。低級カルボン酸水溶液によるNH3ガスの捕集は、気
泡塔、充填塔、棚段塔等を用いた通常の気液接触方法に
より行うことができ、その態様は特に限定されない。低
級カルボン酸水溶液へのNH3捕集量が多くなるにつれて
捕集液のpHが上昇し、NH3ガスの捕集効率が低下するの
で、適宜低級カルボン酸を補給してpHを酸性に維持する
のが好ましい。
【0013】NH3ガスを捕集して得られる低級カルボン
酸アンモニウム水溶液の濃度は、種々の濃度に設定する
ことができるが、低級カルボン酸アンモニウム水溶液の
アンモニア利用施設までの輸送効率の点からは、飽和濃
度近くの濃度に設定することが望ましい。すなわち、低
級カルボン酸としてクエン酸を用いる場合には、クエン
酸アンモニウムの20℃での飽和濃度は50重量%であるの
で、20〜55重量%、特に35〜50重量%に設定することが
好ましい。また低級カルボン酸として酢酸を用いる場合
には、酢酸アンモニウムの20℃での飽和濃度は27重量%
であるので、15〜30重量%、特に20〜27重量%に設定す
ることが好ましい。
酸アンモニウム水溶液の濃度は、種々の濃度に設定する
ことができるが、低級カルボン酸アンモニウム水溶液の
アンモニア利用施設までの輸送効率の点からは、飽和濃
度近くの濃度に設定することが望ましい。すなわち、低
級カルボン酸としてクエン酸を用いる場合には、クエン
酸アンモニウムの20℃での飽和濃度は50重量%であるの
で、20〜55重量%、特に35〜50重量%に設定することが
好ましい。また低級カルボン酸として酢酸を用いる場合
には、酢酸アンモニウムの20℃での飽和濃度は27重量%
であるので、15〜30重量%、特に20〜27重量%に設定す
ることが好ましい。
【0014】一方、アルカリの添加によりアルカリ性と
なった排水等は、硫酸、炭酸等で中和して放流可能なpH
とされる。
なった排水等は、硫酸、炭酸等で中和して放流可能なpH
とされる。
【0015】以上のようにして低級カルボン酸アンモニ
ウム水溶液として回収されたアンモニアを利用すべき施
設としては、窒素酸化物を含有する排ガスの発生する場
所であれば特に限定されないが、特に好ましい施設とし
て、セメント工場及び火力発電所が挙げられる。
ウム水溶液として回収されたアンモニアを利用すべき施
設としては、窒素酸化物を含有する排ガスの発生する場
所であれば特に限定されないが、特に好ましい施設とし
て、セメント工場及び火力発電所が挙げられる。
【0016】アンモニア利用施設に移送された低級カル
ボン酸アンモニウム水溶液は、そのまま排ガス処理設備
に導入し、脱硝に利用することができる。
ボン酸アンモニウム水溶液は、そのまま排ガス処理設備
に導入し、脱硝に利用することができる。
【0017】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0018】実施例1
アンモニア濃度が750mg/lの下水消化汚泥の脱水濾液を
アンモニアストリッピング槽に送り、消石灰を注入しpH
11.5の強アルカリ条件下で空気をバブリングし、脱水濾
液中のアンモニアを気相に放散させた。アンモニアスト
リッピング槽から放散させたアンモニアを含む空気は、
循環ブロワーで昇圧させた後、クエン酸酸性溶液を入れ
たアンモニア捕集槽に送り込み、アンモニアを50重量%
クエン酸アンモニウム水溶液として回収した。アンモニ
ア捕集槽から引抜いたクエン酸アンモニウム水溶液は貯
蔵タンクに貯留した。貯蔵タンク中の50重量%クエン酸
アンモニウム水溶液は、ローリー車で下水処理場からセ
メント工場に運搬し、工場内に設置した貯蔵タンクに貯
留した。このクエン酸アンモニウム水溶液を、セメント
焼成炉の温度1000℃の位置から吹き込んだ。セメント焼
成排ガス中の窒素酸化物(NOx)に対する吹き込みアン
モニア(NH3)のモル比(NOx/NH3)が0.6の場合の脱硝
率は27%、同モル比が1.0の場合の脱硝率は45%であっ
た。
アンモニアストリッピング槽に送り、消石灰を注入しpH
11.5の強アルカリ条件下で空気をバブリングし、脱水濾
液中のアンモニアを気相に放散させた。アンモニアスト
リッピング槽から放散させたアンモニアを含む空気は、
循環ブロワーで昇圧させた後、クエン酸酸性溶液を入れ
たアンモニア捕集槽に送り込み、アンモニアを50重量%
クエン酸アンモニウム水溶液として回収した。アンモニ
ア捕集槽から引抜いたクエン酸アンモニウム水溶液は貯
蔵タンクに貯留した。貯蔵タンク中の50重量%クエン酸
アンモニウム水溶液は、ローリー車で下水処理場からセ
メント工場に運搬し、工場内に設置した貯蔵タンクに貯
留した。このクエン酸アンモニウム水溶液を、セメント
焼成炉の温度1000℃の位置から吹き込んだ。セメント焼
成排ガス中の窒素酸化物(NOx)に対する吹き込みアン
モニア(NH3)のモル比(NOx/NH3)が0.6の場合の脱硝
率は27%、同モル比が1.0の場合の脱硝率は45%であっ
た。
【0019】なお、下水消化汚泥のアンモニア濃度が50
0〜1000mg/l、pHが11〜12、クエン酸アンモニウム水溶
液が35〜50重量%の範囲で変動した場合にも、同様の結
果が得られた。
0〜1000mg/l、pHが11〜12、クエン酸アンモニウム水溶
液が35〜50重量%の範囲で変動した場合にも、同様の結
果が得られた。
【0020】実施例2
アンモニア濃度が750mg/lの下水消化汚泥の脱水濾液を
アンモニアストリッピング槽に送り、70℃以上の加温条
件下で空気をバブリングし、脱水濾液中のアンモニアを
気相に放散させた。アンモニアストリッピング槽から放
散させたアンモニアを含む空気は、循環ブロワーで昇圧
させた後、酢酸酸性溶液を入れたアンモニア捕集槽に送
り込み、アンモニアを27重量%酢酸アンモニウム水溶液
として回収した。アンモニア捕集槽から引抜いた酢酸ア
ンモニウム水溶液は貯蔵タンクに貯留した。貯蔵タンク
中の27重量%酢酸アンモニウム水溶液は、ローリー車で
下水処理場からセメント工場に運搬し、工場内に設置し
た貯蔵タンクに貯留した。この酢酸アンモニウム水溶液
を、セメント焼成炉の温度1000℃の位置から吹き込ん
だ。セメント焼成排ガス中の窒素酸化物(NOx)に対す
る吹き込みアンモニア(NH3)のモル比(NOx/NH3)が
0.6の場合の脱硝率は25%、同モル比が1.0の場合の脱硝
率は40%であった。
アンモニアストリッピング槽に送り、70℃以上の加温条
件下で空気をバブリングし、脱水濾液中のアンモニアを
気相に放散させた。アンモニアストリッピング槽から放
散させたアンモニアを含む空気は、循環ブロワーで昇圧
させた後、酢酸酸性溶液を入れたアンモニア捕集槽に送
り込み、アンモニアを27重量%酢酸アンモニウム水溶液
として回収した。アンモニア捕集槽から引抜いた酢酸ア
ンモニウム水溶液は貯蔵タンクに貯留した。貯蔵タンク
中の27重量%酢酸アンモニウム水溶液は、ローリー車で
下水処理場からセメント工場に運搬し、工場内に設置し
た貯蔵タンクに貯留した。この酢酸アンモニウム水溶液
を、セメント焼成炉の温度1000℃の位置から吹き込ん
だ。セメント焼成排ガス中の窒素酸化物(NOx)に対す
る吹き込みアンモニア(NH3)のモル比(NOx/NH3)が
0.6の場合の脱硝率は25%、同モル比が1.0の場合の脱硝
率は40%であった。
【0021】なお、下水消化汚泥のアンモニア濃度が50
0〜1000mg/l、pHが11〜12、酢酸アンモニウム水溶液が2
0〜27重量%の範囲で変動した場合にも、同様の結果が
得られた。
0〜1000mg/l、pHが11〜12、酢酸アンモニウム水溶液が2
0〜27重量%の範囲で変動した場合にも、同様の結果が
得られた。
【0022】
【発明の効果】本発明では、排水等に含まれるアンモニ
ア性窒素を低級カルボン酸アンモニウム水溶液として回
収するため、移送容易な溶液の状態でアンモニアを回収
でき、従来不可能であった遠隔のアンモニア利用施設で
の利用が可能となる。
ア性窒素を低級カルボン酸アンモニウム水溶液として回
収するため、移送容易な溶液の状態でアンモニアを回収
でき、従来不可能であった遠隔のアンモニア利用施設で
の利用が可能となる。
フロントページの続き
(72)発明者 廣瀬 哲
東京都千代田区西神田三丁目8番1号 太
平洋セメント株式会社内
(72)発明者 山口 修
千葉県佐倉市大作二丁目4番2号 太平洋
セメント株式会社中央研究所内
Fターム(参考) 4D002 AA12 AC05 AC10 BA06 CA01
DA07 DA19 DA66
4D011 AA15 AB10 AD03
4D020 AA10 BA19 BB03 CB02 CB08
CB18
4D037 AA11 AB12 BA23 BB05
Claims (2)
- 【請求項1】 排水又は処理済み排水に含まれるアンモ
ニア性窒素を、アンモニアストリッピングによりNH3ガ
スとして放出させ、これを低級カルボン酸水溶液で捕集
して低級カルボン酸アンモニウム水溶液とした後、これ
をアンモニア利用施設に移送し、窒素酸化物を含有する
排ガスの脱硝に利用する方法。 - 【請求項2】 低級カルボン酸が、クエン酸、酢酸、酒
石酸、乳酸、酪酸、リンゴ酸、イタコン酸、コハク酸、
グルコン酸及びプロピオン酸から選択されるものである
請求項1記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002085478A JP2003275746A (ja) | 2002-03-26 | 2002-03-26 | 排水中のアンモニア性窒素の利用法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002085478A JP2003275746A (ja) | 2002-03-26 | 2002-03-26 | 排水中のアンモニア性窒素の利用法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003275746A true JP2003275746A (ja) | 2003-09-30 |
Family
ID=29207152
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002085478A Pending JP2003275746A (ja) | 2002-03-26 | 2002-03-26 | 排水中のアンモニア性窒素の利用法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003275746A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013202606A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-10-07 | Kurita Water Ind Ltd | チオ尿素含有水の処理方法および装置 |
-
2002
- 2002-03-26 JP JP2002085478A patent/JP2003275746A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013202606A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-10-07 | Kurita Water Ind Ltd | チオ尿素含有水の処理方法および装置 |
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