JP2013202606A - チオ尿素含有水の処理方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属を含むチオ尿素含有水に対してアルカリ金属またはアルカリ土類金属の硫化物を添加し、チオ尿素含有水に含まれている金属を金属硫化物として析出させて沈殿させ、沈殿した金属硫化物をチオ尿素含有水から分離して除去し、金属硫化物が除去された後のチオ尿素含有水を蒸発によって濃縮し、チオ尿素を回収する。あるいは、金属を含むチオ尿素含有水に対してアルカリ金属またはアルカリ土類金属の硫化物を添加し、チオ尿素含有水に含まれている金属を金属硫化物として析出させて沈殿させ、沈殿した金属硫化物をチオ尿素含有水から分離して除去し、金属硫化物が除去された後のチオ尿素含有水を逆浸透膜によって濃縮し、チオ尿素を回収する。
【選択図】図1
Description
Zn2++S2−=ZnS(1.51×10−24 25℃のとき)
括弧内に示すように、金属硫化物の溶解度積は極めて小さいため、硫化ナトリウム溶液を添加するだけで金属硫化物を容易に沈殿させ、除去することができる。
Cu2++S2−=CuS(7.94×10−36 25℃のとき)
括弧内に示すように、金属硫化物の溶解度積は極めて小さいため、硫化ナトリウム溶液を添加するだけで金属硫化物を容易に沈殿させ、除去することができる。
本発明のチオ尿素含有水の処理方法によって処理されるチオ尿素含有水として、特許文献1(特開2005−319423号公報)の段落〔0044〕に記載された酸化チタン光触媒の製造排水を模擬して用いた。模擬排水のpHを約8に設定した。模擬排水に含まれている含有物質と濃度との関係を表1に示す。
チオ尿素含有水としての上記模擬排水1Lを2Lガラスビーカーに入れ、粒状硫化ナトリウムを純水に溶かした溶液を添加した。詳細には、模擬排水に含まれている金属濃度と、硫化ナトリウム溶液の濃度とが、約0.0253(mol/L)になるように、硫化ナトリウム溶液を添加した。次いで、硫化ナトリウム溶液が添加されたチオ尿素含有水を4時間攪拌し、12時間静置した。次いで、析出した金属硫化物粒子が混入しないように、静置後のチオ尿素含有水の上澄み液800mLを採取し、1Lナスフラスコに入れた。採取された上澄み液のpHは11.0であった。次いで、ロータリーエバポレーターN−1100V−W型(東京理化器械株式会社製)を用い、1Lナスフラスコに入れられたチオ尿素含有水の上澄み液を10倍程度(約80mL)に濃縮した。実施例1では、エバポレーターのナスフラスコの内側表面に金属硫化物が析出・付着しなかった。また、実施例1では、水酸化ナトリウム溶液を添加してpHを調整する必要がないため、比較例1に比べてpH調整用の水酸化ナトリウム溶液の使用量を削減できた。
チオ尿素含有水としての上記模擬排水1Lを2Lガラスビーカーに入れ、水酸化ナトリウム溶液を添加し、pHを11.0に調整した。次いで、チオ尿素含有水を1Lナスフラスコに入れ、ロータリーエバポレーターN−1100V−W型(東京理化器械株式会社製)を用い、1Lナスフラスコに入れられたチオ尿素含有水を10倍程度(約100mL)に濃縮した。比較例1では、析出した金属硫化物がエバポレーターのナスフラスコの内側表面に付着し、ナスフラスコの内側表面が白くなった。
チオ尿素含有水としての上記模擬排水1Lを2Lガラスビーカーに入れ、粒状硫化ナトリウムを純水に溶かした溶液を添加した。次いで、硫化ナトリウム溶液が添加されたチオ尿素含有水を4時間攪拌し、12時間静置した。次いで、静置後のチオ尿素含有水の上澄み液全量を採取し、ADVANTEC製、0.1μm、90mmのメンブレンフィルターを使用して吸引ろ過(懸濁物質除去処理)を実行し、静置後のチオ尿素含有水の上澄み液に残留している金属硫化物粒子を除去した。金属硫化物粒子除去後のチオ尿素含有水の上澄み液のpHは11.0であった。次いで、金属硫化物粒子除去後のチオ尿素含有水の上澄み液を直径38mm平膜型逆浸透膜(日東電工株式会社製 ES−20)に48時間通水し、その時の透過流速を確認した。図2は実施例2および比較例2の実験結果を示したグラフである。実施例2では、通水開始から約10時間経過した後に逆浸透膜の透過流速が安定した。また、実施例2では、水酸化ナトリウム溶液を添加してpHを調整する必要がないため、比較例2に比べてpH調整用の水酸化ナトリウム溶液の使用量を削減できた。
チオ尿素含有水としての上記模擬排水1Lを採取し、ADVANTEC製、0.1μm、90mmのメンブレンフィルターを使用して吸引ろ過(懸濁物質除去処理)を実行し、チオ尿素含有水に含まれているSSを除去した。次いで、水酸化ナトリウム溶液を添加し、pHを11.0に調整した。次いで、チオ尿素含有水を直径38mm平膜型逆浸透膜(日東電工株式会社製 ES−20)に48時間通水し、その時の透過流速を確認した。比較例2では、通水開始後、逆浸透膜のフラックスの低下傾向が止まらず、膜面が閉塞していることが容易に推測された。
2 沈殿槽
3 分離除去装置
4 エバポレーター
5 懸濁物質除去装置
6 逆浸透膜
7 ストリッピング装置
Claims (6)
- 金属を含むチオ尿素含有水に対してアルカリ金属またはアルカリ土類金属の硫化物を添加し、
チオ尿素含有水に含まれている金属を金属硫化物として析出させて沈殿させ、
沈殿した金属硫化物をチオ尿素含有水から分離して除去し、
金属硫化物が除去された後のチオ尿素含有水を蒸発によって濃縮し、チオ尿素を回収することを特徴とするチオ尿素含有水の処理方法。 - 金属を含むチオ尿素含有水に対してアルカリ金属またはアルカリ土類金属の硫化物を添加し、
チオ尿素含有水に含まれている金属を金属硫化物として析出させて沈殿させ、
沈殿した金属硫化物をチオ尿素含有水から分離して除去し、
金属硫化物が除去された後のチオ尿素含有水を逆浸透膜によって濃縮し、チオ尿素を回収することを特徴とするチオ尿素含有水の処理方法。 - チオ尿素含有水を逆浸透膜によって濃縮する前に、
析出した金属硫化物のうち、金属硫化物沈殿処理水の上澄み液に残留している金属硫化物粒子を懸濁物質除去処理によって除去することを特徴とする請求項2に記載のチオ尿素含有水の処理方法。 - 逆浸透膜によってチオ尿素を濃縮し、透過水に含まれているアンモニアをアンモニアストリッピング処理によって回収することを特徴とする請求項2又は3に記載のチオ尿素含有水の処理方法。
- 金属を含むチオ尿素含有水に対してアルカリ金属またはアルカリ土類金属の硫化物を添加する添加手段と、
チオ尿素含有水に含まれている金属を金属硫化物として析出させて沈殿させる析出沈殿手段と、
沈殿した金属硫化物をチオ尿素含有水から分離して除去する分離除去手段と、
金属硫化物が除去された後のチオ尿素含有水を濃縮し、チオ尿素を回収する蒸発手段とを具備することを特徴とするチオ尿素含有水の処理装置。 - 金属を含むチオ尿素含有水に対してアルカリ金属またはアルカリ土類金属の硫化物を添加する添加手段と、
チオ尿素含有水に含まれている金属を金属硫化物として析出させて沈殿させる析出沈殿手段と、
沈殿した金属硫化物をチオ尿素含有水から分離して除去する分離除去手段と、
金属硫化物が除去された後のチオ尿素含有水を濃縮し、チオ尿素を回収する逆浸透膜とを具備することを特徴とするチオ尿素含有水の処理装置。
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