JP2003275425A - 遊技機 - Google Patents

遊技機

Info

Publication number
JP2003275425A
JP2003275425A JP2002370157A JP2002370157A JP2003275425A JP 2003275425 A JP2003275425 A JP 2003275425A JP 2002370157 A JP2002370157 A JP 2002370157A JP 2002370157 A JP2002370157 A JP 2002370157A JP 2003275425 A JP2003275425 A JP 2003275425A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
payout
speed
ball
remaining amount
valuable object
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002370157A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuya Kato
哲也 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Bussan Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Bussan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Bussan Co Ltd filed Critical Sanyo Bussan Co Ltd
Priority to JP2002370157A priority Critical patent/JP2003275425A/ja
Publication of JP2003275425A publication Critical patent/JP2003275425A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pinball Game Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 貯留部から有価物体がなくなって払い出しを
行うことができなくなるといった事態が頻発することを
抑制する。 【解決手段】 有価物体を貯留する貯留部と、払出条件
の成立に基づいて前記貯留部に貯留された有価物体を払
い出す払出装置とを備えた遊技機であって、前記貯留部
に貯留された有価物体の残量が予め定められた量よりも
少ないことを検出する残量不足検出装置と、該残量不足
検出装置の検出結果に基づいて前記払出装置による有価
物体の払い出し速度を遅くする払出速度変更手段とを備
えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パチンコ機、スロ
ットマシン等に代表される遊技機に関し、詳しくは、有
価物体を貯留する貯留部と、払出条件の成立に基づいて
前記貯留部に貯留された有価物体を払い出す払出装置と
を備えた遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】パチンコ機では、遊技領域に打ち込まれ
た球が入賞口に入賞すると、入賞に応じた数の球が払い
出される。また、パチンコ機の中には、球貸し機を備え
たものもあり、このようなパチンコ機では、球貸し機に
カードを入れて球貸しボタンを押す等、遊技者が球の貸
し出しを要求する操作をすると、要求された数の球が払
い出される。一方、スロットマシンでは、コインを投入
して複数のドラムを回転させ、回転する複数のドラム
を、各ドラムに描かれた図柄がライン上に揃う等の特定
の表示態様となるように停止させると、その特定の表示
態様に応じた数のコインが払い出される。このように、
パチンコ機やスロットマシンに代表される遊技機では、
「入賞口に球が入賞する、図柄が特定の表示態様となる
ドラムが停止する等、遊技者が有価物体を獲得できる遊
技結果となる」、「遊技者が有価物体の貸し出しを要求
する」等の払出条件が成立すると、この払出条件の成立
に基づいて、球やコイン等の有価物体が払い出される。
そして、従来の遊技機では、有価物体を貯留する貯留部
が個々に設けられており、有価物体は、この貯留部から
払い出されていた。また、貯留部への有価物体の補給
は、補給装置により機械的に行われたり、手作業により
手動的に行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】有価物体の補給が補給
装置によって行われる遊技機では、補給装置による有価
物体の補給速度よりも速い速度で有価物体を払い出す
と、払い出す量に補給量が追いつかず、貯留部に貯留さ
れた有価物体が減少する。そして、貯留部から有価物体
なくなると、有価物体の払い出しを行うことができなっ
てしまう。一方、有価物体の補給が手作業により行われ
る遊技機では、有価物体の残量を頻繁に確認して適時、
有価物体の補給を行わないと、払い出しによって貯留部
から有価物体がなくなり、有価物体の払い出しを行うこ
とができなくなってしまう。
【0004】本発明は、上記実状を鑑みてなされたもの
であり、貯留部から有価物体がなくなって払い出しを行
うことができなくなるといった事態が頻発するのを抑制
することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の有効な手段を以下に示す。なお、必要に応じて、その
作用等についても説明する。
【0006】手段1:有価物体を貯留する貯留部と、払
出条件の成立に基づいて前記貯留部に貯留された有価物
体を払い出す払出装置とを備えた遊技機であって、前記
貯留部に貯留された有価物体の残量が予め定められた量
よりも少ないことを検出する残量不足検出装置と、該残
量不足検出装置の検出結果に基づいて前記払出装置によ
る有価物体の払い出し速度を遅くする払出速度変更手段
とを備えたことを特徴とする遊技機。
【0007】ここで、「残量不足検出装置」としては、
具体的な構成を何ら限定するものではないが、「貯留部
の適宜部位に配設されて配設部位における有価物体の有
無を検出し、有価物体の検出がないと、有価物体の残量
が配設部位に達しない量であるとして、有価物体の残量
が少ないことを検出するもの」、「貯留部に貯留された
有価物体の総重量や総嵩量を計測し、この計測結果によ
って有価物体の残量が少ないことを検出するもの」を例
示することができる。
【0008】また、「払出速度変更手段」としては、具
体的な構成を何ら限定するものではないが、「払出装置
が、モータやソレノイド等の駆動装置によって電気的に
駆動されるものである態様では、電気的な制御によっ
て、駆動装置の駆動速度を遅くしたり、適宜のインター
バルを設けて駆動装置を断続的に駆動させる等して、有
価物体の払い出し速度を遅くするもの」、「払出装置
が、例えば入賞口に入賞した有価物体の自重により各種
のリンク機構を作動させ、これにより有価物体の払い出
しを行うものである態様では、リンク機構に作動抵抗を
付与して作動速度を遅させ、これにより有価物体の払い
出し速度を遅くするもの」を例示することができる。
【0009】さらに、「有価物体の払い出し速度を遅く
する態様」としては、有価物体の残量が少なくなるに従
って、1段階或いは2段階以上の多段階に段階的に払い
出し速度を遅くするようにしてもよく、有価物体の残量
が少なくなるに従って比例的に払い出し速度を遅くする
等、無段階的に払い出し速度を遅くするようにしてもよ
い。
【0010】手段1では、有価物体の払い出し速度が一
定ではなく、有価物体の残量が少なくなると遅くなる。
よって、有価物体の補給が補給装置により自動的に行わ
れる遊技機では、払い出し速度が遅くなった状態で有価
物体が補給されることになるため、通常の速度にて払い
出しを行う場合に比して、貯留部における有価物体の減
少速度が遅くなり、貯留部から有価物体がなくなって払
い出しを行うことができなくなるといった事態は、生じ
難くなる。特に、有価物体の残量が少なくなった場合の
払い出し速度を、補給速度よりも遅くすれば、補給が追
いつかずに貯留部から有価物体がなくなるといったこと
は生じない。
【0011】また、有価物体の補給が手作業によって行
われる遊技機では、貯留部における有価物体の残量が少
なくなると払い出し速度が遅くなるため、貯留部から有
価物体がなくなるまでの時間が長くなる。よって、有価
物体の補給を行う機会が増え、有価物体の補給を的確に
行うことが可能となり、有価物体の補給を的確に行うこ
とにより、貯留部から有価物体がなくなって払い出しを
行うことができなくなるといった事態は、生じ難くな
る。しかも、遊技場の従業員等は、有価物体の払い出し
速度が遅くなったことにより、有価物体の残量が少なく
なったことを認識することができるため、有価物体の貯
留量を頻繁に確認しなくても、適時、有価物体の補給を
行うことが可能である。
【0012】遊技者は、貯留部から有価物体がなくなる
ことにより払い出しが停止されると、遊技機が故障した
のではないかと不安になり、払い出しが再起されるまで
遊技を中断してしまう。このため、多量の有価物体の払
い出しが繰り返し行われる等して払い出し停止状態が頻
繁に発生すると、遊技を中断する時間が長くなり、遊技
機の稼働率が低下してしまう。よって、払い出し停止状
態の頻発を抑制することは切実に要望されるのである
が、手段1によれば、上述の通り、貯留部から有価物体
がなくなって払い出しを行うことができなくなるといっ
た事態が生じ難いため、この要望に十分に応えることが
できる。
【0013】また、多量の有価物体の払い出しがある場
合、遊技者の多くは、全ての有価物体の払い出しが終了
するまで遊技を中断するのが通常である。よって、有価
物体の払い出し速度が遅いと、遊技を中断する時間も長
くなり、遊技機の稼働率が低下してしまう。このため、
有価物体の払い出しについては、極力、高速で行うこと
が要望される。これに対して、手段1によれば、貯留部
から有価物体がなくなって払い出しを行うことができな
くなるといった不具合が生じ難いため、通常の払い出し
速度を極力速くして、有価物体の高速払い出しを実現す
ることが容易であり、上記要望にも十分に応えることが
できる。
【0014】手段2:手段1の遊技機において、補給装
置から貯留部に有価物体が補給される遊技機であって、
払出速度変更手段は、有価物体の払い出し速度を、前記
補給装置による補給速度よりも速い速度から補給装置に
よる補給速度よりも遅い速度に変更することを特徴とす
る遊技機。
【0015】ここで、補給装置による有価物体の補給に
ついては、遊技機を、貯留部に貯留された有価物体の残
量が予め定められた量よりも少ないことを検出する最低
貯留量検出装置を備えるものとし、この最低貯留量検出
装置の検出結果に基づいてなされるようにしてもよく、
また、有価物体が常時送られてくる排出口を貯留部内に
配設し、この排出口が設けらた部位よりも有価物体の貯
留量が少なくなると自然に排出口から有価物体が補充さ
れるようにしてもよい。
【0016】なお、遊技機に最低貯留量検出装置を設け
る場合、この「最低貯留量検出装置」としては、具体的
な構成を何ら限定するものではなく、上述した「残量不
足検出装置」と同様なものを例示することができる。
【0017】また、最低貯留量検出装置を、前述した残
量不足検出装置によって構成してもよい。最低貯留量検
出装置と残量不足検出装置とを兼用させることにより、
一方の検出装置を別途に設けることを省略することがで
き、構造の簡略化、及び、コストの削減を図ることがで
きる。
【0018】さらに、最低貯留量検出装置を、残量不足
検出装置とは別途に設けてもよく、この場合には、最低
貯留量検出装置を残量不足検出装置よりも上流側に設け
るのがよい。最低貯留量検出装置を残量不足検出装置よ
りも上流側に設けると、有価物体の残量が少なくなって
残量不足検出装置による検出が行われる前に、最低貯留
量検出装置による検出が行われて有価物体の補給が始ま
るため、残量不足検出装置による検出が行われるまで
は、有価物体の補給を受けつつ通常の高速で払い出しを
行うことができる。よって、補給速度よりも払い出し速
度が速いことから有価物体の残量が徐々に減少し、やが
て、残量不足検出装置による検出が行われて払い出し速
度が遅くなるのであるが、補給を受けつつ払い出しを行
う分だけ、払い出し速度が低速に変更されるタイミング
を遅延させることができ、長い時間に渡って有価物体の
高速払い出しを行うことができる。
【0019】手段2は、有価物体が補給装置より自動的
に補給される遊技機に特定したものであり、この手段2
によれば、有価物体が十分に貯留されている時には、補
給速度よりも速い速度で有価物体が払い出されるため、
多量の払い出しを行う場合に、補給速度よりも遅い速度
で払い出しを行うものに比して、短時間で払い出しを完
了することができる。また、有価物体の残量が少なくな
ると、補給速度よりも遅い速度で払い出しが行われるた
め、有価物体の残量がさらに減少することはなく、多量
の有価物体の払い出しが行われても、貯留部から有価物
体がなくなることはない。
【0020】手段3:手段1または手段2のいずれかの
遊技機において、払出速度変更手段は、残量不足検出装
置により有価物体の残量が予め定められた量よりも少な
いことが所定の時間継続して検出されると、有価物体の
払出し速度を遅くすることを特徴とする遊技機。
【0021】残量不足検出装置による検出後に、直ちに
払い出し速度が遅くなるようにすると、有価物体の残量
が十分にある状態であっても、何らかの原因による誤作
動や補給が行われる際のタイムラグ等によって残量不足
検出装置の検出が行われた場合に、有価物体の払い出し
速度を遅くしてしまい、不要な低速払い出し状態を発生
させてしまう。これに対して手段3では、有価物体の残
量が少ないことが所定時間継続して確認されるため、有
価物体の残量が少なくなったことを正確に検出した上
で、有価物体の払出し速度を遅くする。よって、誤作動
や補給に際してのタイムラグ等による不要な低速払い出
し状態の発生を抑制することができる。
【0022】手段4:手段1から手段3までのいずれか
の遊技機において、貯留部に貯留された有価物体の残量
が予め定められた量よりも多いことを検出する残量充足
検出装置と、該残量充足検出装置の検出結果に基づいて
有価物体の払い出し速度を通常速度に復帰させる払出速
度復帰手段を備えたことを特徴とする遊技機。
【0023】ここで、「残量充足検出装置」としては、
具体的な構成を何ら限定するものではなく、上述した残
量不足検出装置と同様なものを例示することができる
が、残量充足検出装置では、有価物体の残量が予め定め
られた量よりも多いことを検出するため、「貯留部の適
宜部位に配設されて配設部位における有価物体の有無を
検出し、有価物体の検出があると、有価物体の残量が配
設部位に達する量であるとして、有価物体の残量が多い
ことを検出するもの」、「貯留部に貯留された有価物体
の総重量や総嵩量を計測し、この計測結果によって有価
物体の残量が多いことを検出するもの」となる。
【0024】払い出し速度を遅くした後に、有価物体の
残量が十分に補給されれば、通常の高速の払い出し速度
に戻して有価物体を払い出すことが当然、要求される。
ここで、低速の払い出し状態から通常の高速の払い出し
状態に復帰させる場合には、手動操作により行うことが
考えられるが、このような手動操作によると、作業が煩
雑となる。これに対して手段4では、貯留部に有価物体
が十分な残量に補給されれば、残量充足検出装置の検出
結果に基づいて、払出速度復帰手段によって払い出し速
度が自動的に通常の高速に復帰される。よって、払い出
し速度を復帰させるに際して、煩雑な作業を必要としな
い。
【0025】なお、残量不足検出装置を残量充足検出装
置として兼用してもよく、この場合には、残量不足検出
装置により有価物体の残量が少ないことが検出されない
状態を、有価物体の残量が多い状態とすればよい。この
ようにすることで、一方の検出装置を省略することがで
き、構造の簡略化、及び、コストの削減を図ることがで
きる。残量不足検出装置を残量充足検出装置として兼用
する場合には、低速の払い出しが行われている間に十分
な補給が得られるように、有価物体の残量が多いことを
所定の時間継続して検出した後に、払い出し速度を通常
の速度に復帰させるようにするのがよい。
【0026】また、残量充足検出装置を残量不足検出装
置とは別途に設けてもよく、この場合には、残量充足検
出装置を残量不足検出装置よりも上流側に設ければよ
い。
【0027】さらに、最低貯留量検出装置を備える態様
では、この最低貯留量検出装置を残量充足検出装置とし
て兼用してもよい。この場合には、最低貯留量検出装置
により有価物体の残量が少ないことが検出されない状態
を、有価物体の残量が多い状態として検出すればよい。
一方、残量充足検出装置を最低貯留量検出装置とは別途
に設けてもよい。この場合には、残量充足検出装置を最
低貯留量検出装置よりも上流側に設けると、低速の払い
出し状態で十分な補給を受けた上で、通常速度である高
速の払い出し状態に復帰させることができる。また、残
量充足検出装置を最低貯留量検出装置よりも下流側に設
けると、有価物体の残量が最低貯留量に満たない場合で
も、ある程度の有価物体の貯留が確保された状態で通常
の高速の払い出しに復帰させることができ、低速の払い
出しを行う時間を短縮することができる。
【0028】手段5:手段1から手段4までのいずれか
の遊技機において、払い出し速度が遅い状態である情報
を、遊技機に具備された機器の変動によって具現化する
情報具現化手段を備えたことを特徴とする遊技機。
【0029】ここで、「情報具現化手段手段」として
は、遊技機に具備された機器を変動させることによっ
て、より具体的には、ランプやスピーカ等の遊技機に具
備された機器を変動させることによって、遊技者や遊技
場の従業員等に情報を具現化して案内することができる
ものであれば、具体的な構成を限定するものではなく、
「ランプを点灯または点滅させるもの」、「スピーカー
から音や音声を出力するもの」を例示することができ
る。
【0030】手段5では、低速の払い出しが行われてい
る状態であるといった情報が、情報具現化手段によって
具現化されるため、払い出し速度が高速から低速に変更
されても、これは遊技機の故障ではなく、このように設
計されているものだと、遊技者に理解させることができ
る。よって、遊技者は、この具現化された情報を受け
て、安心して遊技を続行することができる。また、特
に、有価物体の補給が手作業により行われる遊技機で
は、遊技場の従業員等は、有価物体の払い出し速度が遅
くなったことにより有価物体の残量が少なくなったこと
を認識できるばかりでなく、具現化された情報によって
認識することができるため、有価物体の速やかな補給を
行うことができる。
【0031】なお、低速払い出し状態である情報を具現
化する手段としてランプ(以下「低速用ランプ」とい
う)を採用する態様では、有価物体の払い出し停止状態
の情報を具現化するランプ(以下「停止用ランプ」とい
う)が別途設けられている場合に、この停止用ランプの
近傍に低速用ランプを設けて、この低速用ランプを点灯
または点滅させたり、或いは、停止用ランプと低速用ラ
ンプとを兼用させ、点灯状態では払い出し停止状態の情
報を具現化し、点滅状態では低速払い出し状態の情報を
具現化する等させると、払い出しに関する情報を具現化
する機器を集約して配置することができ、好適である。
また、ランプを採用する態様では、ランプに「低速払い
出し中」といった表示を設ける等して、情報内容を具体
的に表示したり、音声により案内する態様では、「ただ
今、低速で払い出し中です」といった案内音声を出力す
る等して、情報内容を具体的に表現すると、遊技者にと
ってより理解し易く情報を具現化することができ、好適
である。
【0032】手段6:手段1から手段4までのいずれか
の遊技機において、払い出し速度が遅い状態である情報
を、遊技機に具備された機器を変動させずに遊技機外の
機器に連絡する外部連絡手段を備えたことを特徴とする
遊技機。
【0033】ここで、「外部連絡手段」としては、遊技
機に具備されたランプやスピーカー等の機器は何ら変動
させずに、遊技機外の機器に連絡することができるもの
であれば、具体的な構成を限定するものではなく、「複
数の遊技機を集中して管理する集中管理装置に連絡信号
を出力するもの」、「遊技機外の他の機器において、表
示装置の表示内容を変更させたり、ランプを点灯或いは
点滅させたりする等、遊技機とは別途の機器を変動させ
るもの」を例示することができる。
【0034】遊技機では、ランプやスピーカー等の遊技
機に具備された機器を変動させることで、多種多様な情
報を外部に出力するのであるが、遊技者にとって全ての
情報は理解し難く、多種多様な情報を無用に出力する
と、遊技機が故障したのではないかと誤解を招く虞があ
る。これに対して手段6では、払い出し速度が遅い状態
である情報が、遊技機に具備された機器を変動させるこ
となく遊技機外の機器へと連絡されるだけであるため、
遊技者とっては、この情報を認識し難く、或いは、全く
認識することができない。よって、遊技者に無用な誤解
が招かれることなく、情報を遊技場の従業員等に連絡す
ることができる。また、外部連絡手段からの連絡を受け
た遊技機外の機器では、この連絡を処理して、管理する
こともできる。
【0035】手段7:手段1から手段6までのいずれか
の遊技機において、払出速度変更手段によって遅くされ
た払い出し速度は、遊技に消費される有価物体の消費速
度よりも速い速度であることを特徴とする遊技機。
【0036】遊技機では、遊技者が有価物体を順次投入
して繰り返し遊技を行うものであり、例えば、パチンコ
機では略100個/分の速度で有価物体である球が消費
され、スロットマシンでは略60個/分の速度で有価物
体であるコインが消費される。ここで、遊技者は、次回
の遊技に必要な有価物体を手持ち分として確保していな
い場合、払い出された有価物体を次回の遊技に直ちに使
用するのであるが、遊技に消費される有価物体の消費速
度よりも有価物体の払い出し速度が遅いと、次回の遊技
で使用するための有価物体が払い出されるのを待たなけ
ればならない。そして、この有価物体の払い出しを待つ
状態では、当然、遊技が中断されるため、遊技機の稼働
率が低下する。これに対して手段7では、払出速度変更
手段によって有価物体の払い出し速度が低速に変更され
ても、この払い出し速度は、遊技に消費される有価物体
の消費速度よりも速いため、次回の遊技に際しては、こ
の遊技に使用される有価物体の払い出しが既に完了して
いることになる。よって、遊技者は、次回の遊技で使用
するための有価物体が払い出されるのを待つことなく、
遊技を継続して行うことができる。
【0037】手段8:手段1から手段7までのいずれか
の遊技機において、通常の払い出し速度、または、払出
速度変更手段によって遅くされた払い出し速度の少なく
とも一方の速度は、調節可能であることを特徴とする遊
技機。
【0038】補給装置によって有価物体の補給が行われ
る態様では、補給装置のメーカーや機種によって、補給
速度が区々である。また、手作業によって有価物体の補
給が行われる態様でも、1回の補給量の設定や補給を行
う従業員の熟練度の差等によって、補給速度が区々であ
る。手段8では、払い出し速度を調節することが可能な
ため、補給速度に適応した速度によって有価物体の払い
出しを行うことができる。なお、手段8では、通常の払
い出し速度のみを調節可能としてもよく、また、払出速
度変更手段によって遅くされた払い出し速度のみを調節
可能としてもよく、さらには、通常の払い出し速度、及
び、払出速度変更手段によって遅くされた払い出し速度
の双方を調節可能としてもよい。
【0039】
【発明の実施の形態】本発明に係る遊技機の実施形態の
一例を、図面に基づいて説明する。なお、以下では、遊
技機としてのパチンコ機を例示して説明するが、本発明
に係る遊技機は、パチンコ機に限らず、スロットマシ
ン、アレンジボール、スマートボール等の他の遊技機で
あってもよい。
【0040】図1に示すように、パチンコ機10は、遊
技盤11を備えており、この遊技盤11の表面には、遊
技者が有価物体としての球を発射装置12から打ち出し
て遊技を行う遊技領域が形成されている。この遊技領域
には、複数の普通入賞口13、図柄表示装置14、始動
口15、特別入賞口16等が設けられている。普通入賞
口13は、球の入賞により所定数(本例では10個)の
賞球を払い出すものである。図柄表示装置14は、数
字、文字、図形、キャラクター等の種々の図柄を表示す
るものであり、液晶ディスプレイ、CRT、発光ダイオ
ード、エレクトロルミネセンス、ドットマトリックス、
蛍光表示管等を用いて構成されている。始動口15は、
球の入賞により所定数(本例では5個)の賞球を払い出
すと共に、図柄表示装置14に表示された図柄を変動さ
せるものである。なお、この始動口15を、球が単に通
過するだけで入賞しないものとし、賞球の払い出しは行
わず、図柄表示装置14の図柄を単に変動させるものと
してもよい。
【0041】特別入賞口16は、図柄表示装置14に表
示された図柄が特定の表示態様である場合に、多量の球
が入賞し易くなるように開放され、球の入賞により所定
数(本例では15個)の賞球を払い出すものである。こ
の特別入賞口16の開放状態が、遊技者にとって有利な
状況を形成する特別遊技状態、いわゆる「大当たり状
態」である。ここで、図柄表示装置14に表示される図
柄の特定の表示態様としては、「多様な図柄が複数の図
柄列毎に表示される態様において、各図柄列に表示され
た図柄が全て同一である態様」、「多様な図柄の内の1
つが選択的に表示される態様において、1種または2種
以上の特定の図柄が表示される態様」等を例示すること
ができる。
【0042】特別入賞口16の開放は、例えば、所定時
間(本例では30秒)経過するか、或いは、所定数(本
例では10個)の球が入賞するといった所定の条件が満
たされると終了し、特別入賞口16は、初期の球が入賞
しない状態或いは入賞し難い状態となるように閉鎖され
る。また、特別入賞口16には、Vゾーン17が設けら
れており、特別入賞口16の開放中に球がVゾーン17
を通過すると、継続権が成立して、特別入賞口16の閉
鎖後、再度、特別入賞口16が開放される。この特別入
賞口16の開閉は、所定回数(本例では初回の開放を含
めて16回)を上限として繰り返される。
【0043】図2に示すように、遊技盤11の裏面に
は、球を貯留する貯留部20と、貯留部20に貯留され
た球を払い出す払出装置30とが設けられている。ここ
で、本例のパチンコ機10は、球貸し機(図示省略)を
備えるものとして構成されており、払出装置30とし
て、貸し球を払い出す貸し球用払出装置30aと、賞球
を払い出す賞球用払出装置30bとの2つの払出装置3
0が設けられている。貸し球用払出装置30aは、遊技
者が球貸し機にカードを挿入し、貸し球ボタンを押す等
して球の貸し出しを要求するといった払出条件の成立に
基づいて、貸し球として、貯留部20に貯留された球を
払い出すものである。そして、賞球用払出装置30b
は、普通入賞口13、始動口15または特別入賞口16
への球の入賞といった払出条件の成立に基づいて、賞球
として、貯留部20に貯留された球を払い出すものであ
る。これらの貸し球用払出装置30a及び賞球用払出装
置30bからの球の払い出しに関しては、通常では、後
述する補給装置からの球の補給速度よりも高速で払い出
しが行われ、貯留部20に貯留された球の残量が少なく
なると、補給速度よりも低速で払い出しが行われる。
【0044】貯留部20は、タンク部21と、レール部
22と、待機部23とを備えるものとして構成されてい
る。タンク部21は、底部の一部が開口を有する略方形
容器状に形成されると共にパチンコ機10の上部に設け
られ、補給装置(図示省略)からの球の補給を受けて多
量の球を蓄えるものである。ここで、本例では、タンク
部21の底部の開口部分付近に、球の貯留量が予め定め
られた最低の貯留量よりも少なくなったことを検出する
最低貯留量検出装置46が設けられており、この最低貯
留量検出装置46の検出結果に基づいて、補給装置から
の球の補給が行われる。そして、補給装置からの球の補
給量は、1回の補給によってタンク部21を満たす程度
の量に、予め設定されている。
【0045】なお、補給装置からタンク部21へと、常
時、球を送り、常に補給が行われるようにしてもよい。
この場合には、常にタンク部21に球が満たされた状態
となるが、補給装置での球詰まり等により球の補給が途
絶え、タンク部21内にて球の残量が減少することもあ
る。よって、上記最低貯留量検出装置46を、このよう
な事態が生じた際に、検出結果に基づき、パチンコ機1
0に別途設けられたランプを点灯させる等して、タンク
部21内での球の残量が減少したことを知らせるように
してもよい。
【0046】レール部22は、略樋状に形成されると共
にタンク部21の下側に設けられ、タンク部21から待
機部23へと球を整列させながら導くものである。この
レール部22の下流側端部には、球の貯留量が予め定め
られた高速払い出し可能な貯留量よりも少なくなったこ
とを検出する残量不足検出装置48が設けられており、
この残量不足検出装置48の検出結果に基づいて、貸し
球用払出装置30a及び賞球用払出装置30bからの球
の払い出し速度が、補給装置による球の補給速度よりも
低速に変更される。
【0047】待機部23は、内部に球の流下経路を有す
る形状に略箱型に形成され、レール部22の端部に接続
されると共にパチンコ機10の側方に設けられ、レール
部22から供給された球を、一列状態に整列させ、払出
装置30からの払い出しに備えて待機させるものであ
る。この待機部23の上流側端部には、貯留部20での
球の貯留量が待機部23に残された分だけとなり、残り
僅かとなったことを検出する払出停止量検出装置47が
設けられており、この払出停止量検出装置47の検出結
果に基づいて、貸し球用払出装置30a及び賞球用払出
装置30bからの球の払い出しが強制的に停止される。
【0048】図3に示すように、タンク部21の底面の
開口部分近傍には、スイッチ片24が上下方向に回動自
在に取着されている。このスイッチ片24は、その自重
によって上方に回動するように付勢されている。タンク
部21においてスイッチ片24の上側まで球が貯留され
ている状態では、貯留された球の重さによって下方に回
動して、最低貯留量検出装置46の補給スイッチ(図示
省略)をOFFさせるのであるが、貯留された球がスイ
ッチ片24よりも少なくなると、自重により上方に回動
して補給スイッチをONさせるものである。そして、補
給スイッチがONされると、タンク部21の球の貯留量
がなくなったとして、パチンコ機10の上方に別途設け
られた補給装置から球の補給が行われる。
【0049】レール部22は、図示手前側より、第1レ
ール22a、第2レール22b及び第3レール22cの
3つのレールを備えている。そして、図示は省略する
が、第1レール22a、第2レール22b及び第3レー
ル22cの各レールには、夫々個別に作動し、残量不足
検出装置48の残量不足スイッチをON・OFFさせる
スイッチ片が設けられている。これらのスイッチ片とし
ては、上述したタンク部21のスイッチ片24と同様に
作動し、その上側に球が存在する状態では残量不足スイ
ッチをOFFさせ、球が存在しなくなると残量不足スイ
ッチをONさせるものが用いられている。そして、各ス
イッチ片は単一の残量不足スイッチをON・OFFさせ
るものであり、上側に球の存在がなくなることによりそ
の1つでも作動すると、球の貯留量が少なくなったとし
て、残量不足スイッチをONさせ、これにより、貸し球
用払出装置30a及び賞球用払出装置30bからの球の
払い出し速度を低速に変更する。
【0050】待機部23は、第1レール22aに接続さ
れた第1待機路23a、第2レール22bに接続された
第2待機路23b及び第3レール22cに接続された第
3待機路23cの3つの流下経路を備えている。そし
て、図4に示すように、待機部23の上流部分には、ス
イッチ片25が左右方向に回動自在に取着されている。
ここで、スイッチ片25は、第1待機路23a、第2待
機路23b及び第3待機路23cに対応して、第1スイ
ッチ片25a、第2スイッチ片25b及び第3スイッチ
片25cの3つのスイッチ片を備えてなり、各スイッチ
片25a,b,cは、自重により左方に回動するように
付勢されている。そして、各スイッチ片25a,b,c
は、各待機路23a,b,cにおいて各スイッチ片25
a,b,cまで球が貯留されている状態では、球の存在
により右方に回動するのであるが、各待機路23a,
b,cに貯留された球が各スイッチ片25a,b,cよ
りも少なくなると、自重により左方に回動する。そし
て、各スイッチ片25a,b,cの内、1つでも左方に
回動すると、OFF状態である払出停止量検出装置47
の払出停止スイッチ(図示省略)をONさせ、各スイッ
チ片25a,b,cの上流に球がなくなり、球の残量が
残り僅かとなって球の払い出しができない状態となった
として、貸し球用払出装置30a及び賞球払出装置30
bを強制的に停止させる。そして、このように球の払い
出しが強制的に停止された状態は、パチンコ機10の表
側に設けられたランプ(図示省略)を点灯させる等して
報知される。
【0051】また、各スイッチ片25a,b,cの下流
には、各待機路23a,b,cと、待機部23内に各待
機路23a,b,cとは別途に設けられた球抜き路23
dとの間を開閉する開閉片26が上下方向に回動自在に
取着されている。この開閉片26は、その自重により上
方に付勢されており、通常状態では上方に回動して各待
機路23a,b,cと球抜き路23dとを遮断し、貯留
部20に貯留された球を貸し球用払出装置30aまたは
賞球用払出装置30bへと円滑に流通させる。ここで、
この通常状態では、開閉片26に設けられた係止部27
が、開閉片26とは別途に設けられた係止部材28に係
止されて、開閉片26が不用意に開かれないよう、保持
されている。上記係止部材28は、球抜き操作部29の
操作によって開閉片26の係止を解除するように構成さ
れており、パチンコ機10の移動や交換等に際して、貯
留部20に貯留された球を抜き取りたい場合には、球抜
き操作部29を操作することにより、係止部材28によ
る開閉片26の係止部27の係止が解除される。する
と、球の重さによって開閉片26が下方に回動して各待
機路23a,b,cと球抜き路23dとが連通し、開閉
片26よりも上流側に貯留された球が、球抜き路23d
を通じてパチンコ機10の下方に排出される。
【0052】第1待機路23aの下端には、貸し球用払
出装置30aが接続され、第2待機部23b及び第3待
機部23cの下端には、賞球用払出装置30bが接続さ
れている。第1待機路23aにて待機する球は、球貸し
機からの球貸しの要求に基づいて、貸し球用払出装置3
0aによって貸し球として払い出される。また、第2待
機路23b及び第3待機路23cにて待機する球は、普
通入賞口13等への球の入賞に基づいて、賞球用払出装
置30bによって賞球として払い出される。
【0053】貸し球用払出装置30a及び賞球用払出装
置30bは、パルスモータ等からなる払出用モータを備
えており、この払出用モータの回転により、各待機路2
3a,b,cに待機する球が、所定の数だけ払い出され
る。具体的には、図5に示す構造となっている。なお、
図5では、第2待機路23b及び第3待機路23cで待
機する球を払い出す賞球用払出装置30bを示すが、貸
し球用払出装置30aでは、第1待機路23bで待機す
る球を払い出すものとして同様に構成されている。
【0054】賞球用払出装置30bは払出用モータ31
bを備えており、この払出用モータ31bは、その回転
軸に取着された回転体32を回転させるものである。回
転体32には、回転軸周りに適宜ピッチで複数の搬送部
33が設けられており、各搬送部33は、上方に位置す
る状態で、各待機路23b、23bにて待機する球を一
個づつ受け入れて収容する。そして、回転体32の回転
によって搬送部33が下方に変位すると、搬送部33に
収容された球は、搬送部33から釈放されて賞球用払出
装置30bの下方へと排出される。
【0055】貸し球用払出装置30aでは、第1待機路
23aの1つの待機路から球の払い出しが行われるので
あるが、賞球用払出装置30bでは、第2待機路23b
及び第3待機路23bの2つの待機路から球の払い出し
が行われる。よって、賞球用払出装置30bでは、球の
入賞に基づく所定数の球の払い出しを迅速に完了するこ
とができる。また、賞球用払出装置30bでは、第2待
機路路23b及び第3待機路23cの夫々に対応して回
転体32が2列状態で配設されているのであるが、各回
転体32の搬送部33は、夫々互いに異なる配置角度で
入れ違いに設けられている。これにより、第2待機路2
3b及び第3待機路23cの夫々に待機する球を交互に
搬送して払い出すことができ、第2待機路23b及び第
3待機路23cにて待機する球を、2個同時に払い出す
ことなく、1個単位で払い出すことができる。
【0056】ところで、貸し球用払出装置30a及び賞
球用払出装置30bの払出用モータ31a,bとして、
ステップモータ等の回転数及び回転角度を的確に制御す
ることができるものを採用し、払出用モータ31a,b
の回転数及び回転角度を制御することによって、所望の
球数の払い出しが行われるようにしてもよい。しかしな
がら、本例では、図5に示すように、賞球用払出装置3
0bに、払い出された球を検出する払出球カウントスイ
ッチ45bが設けられており、この払出球カウントスイ
ッチ45bによって、賞球用払出装置30bから実際に
払い出された球の数を検出して、正確な球数の払い出し
が行われるように構成されている。また、図示は省略す
るが、貸し球用払出装置30aにおいても、同様に、払
い出された球を検出する払出球カウントスイッチ45a
が設けられている。
【0057】次に、図6に示すブロック図に基づいて、
本例のパチンコ機10の電気的構成を説明する。パチン
コ機10は、遊技内容の制御を行う主制御基板50と、
賞球や貸し球の払い出しの制御を行う払出制御基板60
と、パチンコ機10の各部への駆動電圧を供給するため
の電源基板70とを備えている。
【0058】主制御基板50は、演算装置であるMPU
51と、このMPU51により実行される各種の制御プ
ログラムや固定値データ等を記憶したROM52と、ワ
ークメモリ等として使用されるRAM53とを備えてい
る。そして、RAM53には、賞球バッファ53aと、
賞球ポインタ53bと、残賞球数カウンタ53cと、バ
ックアップエリア53dとが設けられている。
【0059】賞球バッファ53aは、普通入賞口13や
始動口15等の入賞口に球が入賞した場合に払い出され
る賞球数を記憶するバッファである。この賞球バッファ
53aに記憶された賞球数のデータは、賞球コマンドと
して払出制御基板60に送信されると、賞球バッファ5
3aから消去される。ここで、賞球コマンドは、払い出
される賞球数を払出制御基板60に指示するためのコマ
ンドである。
【0060】賞球ポインタ53bは、賞球バッファ53
aの位置を示すポインタであり、払い出される賞球数
は、賞球ポインタ53bの値番目の賞球バッファ53a
に記憶される。この賞球ポインタ53bの値は、賞球バ
ッファ53aに賞球数を書き込むことにより「1」加算
され、逆に、0番目の賞球バッファ53aの値が払出制
御基板60に送信されることにより「1」減算される。
【0061】残賞球数カウンタ53cは、未払いの賞球
数を記憶するカウンタであり、払出制御基板60によっ
て払い出される賞球数を主制御基板50で管理するため
のカウンタである。残賞球数カウンタ53cの値は、主
制御基板50が払出制御基板60に賞球の払い出しを指
示する毎に、その指示した賞球が加算される。また、払
出制御基板60の制御によって賞球用払出装置30bに
よる賞球の払い出しが行われると、その払い出された賞
球を賞球用払出装置30bの払出球カウントスイッチ4
5bが検出する毎に「1」ずつ減算される。
【0062】バックアップエリア53dは、停電等によ
って電源が切断された場合の電源再入時に、パチンコ機
10の状態を電源切断前の状態に復帰させるために、電
源切断時のスタックポインタ、各レジスタ、I/O等の
値を記憶しておくためのものである。このバックアップ
エリア53dへの書き込みは、NMI割込処理によって
電源切断時に実行される。また、バックアップエリア5
3dに書き込まれた各値の復帰は、停電の解消等による
電源再入時の復帰処理において実行される。
【0063】主制御基板50のMPU51、ROM52
及びRAM53は、相互に接続されており、また、入出
力ポート54に接続されている。そして、入出力ポート
54には、複数の普通入賞口スイッチ40、始動口スイ
ッチ41、Vゾーンスイッチ42、特別入賞口スイッチ
43、賞球用払出装置30bの払出球カウントスイッチ
45b、補給スイッチ46s、払出停止スイッチ47
s、残量不足スイッチ48s及び他の入出力装置90が
接続されている。
【0064】普通入賞口スイッチ40は、複数の普通入
賞口13への球の入賞を検出するためのものであり、各
普通入賞口13の入口近傍に設けられている。この普通
入賞口スイッチ40によって球が検出されると、賞球ポ
インタ63bの値番目の賞球バッファ63aに「10」
の値が書き込まれ、払出制御基板60の制御によって、
10個の賞球の払い出しが行われる。
【0065】始動口スイッチ41は、始動口15への球
の入賞を検出するためのものであり、始動口15の入口
近傍に設けられている。この始動口スイッチ15によっ
て球が検出されると、賞球ポインタ63bの値番目の賞
球バッファ63aに「5」の値が書き込まれ、払出制御
基板60の制御によって、5個の賞球の払い出しが行わ
れる。また、主制御基板50の制御により図柄表示装置
の図柄が変動される。
【0066】Vゾーンスイッチ42は、特別入賞口16
のVゾーン17における球の通過を検出するためのもの
であり、Vゾーン17に設けられている。パチンコ機1
0の特別遊技状態である「大当たり状態」中にVゾーン
スイッチ42によって球が検出されると、特別入賞口1
6の次回の開放を行う権利が取得され、主制御基板50
のRAM53では、これに対応するフラグがONされ
る。
【0067】特別入賞口スイッチ43は、特別入賞口1
6に入賞した球の入賞を検出するためのものであり、こ
の特別入賞口スイッチ43によって球が検出されると、
賞球ポインタ63bの値番目の賞球バッファ63aに
「15」の値が書き込まれ、払出制御基板60の制御に
よって、15個の賞球の払い出しが行われる。また、主
制御基板50のRAM53では、特別入賞口16の1回
の開放中においての入賞個数をカウントするカウンタに
「1」が加算され、このカウンタが「10」の値になる
と、主制御基板50の制御によって特別入賞口16が閉
ざされる。なお、特別入賞口16内のVゾーン17を球
の入賞口とし、Vゾーンスイッチ42によって球が検出
されると、15個の賞球が払い出されるようにしてもよ
い。
【0068】払出球カウントスイッチ45bは、賞球用
払出装置30bから払い出された球を検出するスイッチ
であり、払出用モータ31bと共に賞球用払出装置30
bに搭載されている。主制御基板50では、払出球カウ
ントスイッチ45bにより球が検出されると、RAM5
3の残賞球数カウンタ53cの値を「1」減算する。
【0069】補給スイッチ46sは、貯留部20のタン
ク部21に設けられたものであり、タンク部21におけ
る球の貯留がなくなったことを検出するものである。こ
の補給スイッチ46sは「最低貯留量検出装置46」の
スイッチを構成するものであり、補給スイッチ46sが
ONされると、主制御基板50から補給装置に補給コマ
ンドが送信され、この補給コマンドを受けた補給装置
は、タンク部21へと球を排出して球の補給を行う。
【0070】払出停止スイッチ47sは、貯留部20の
待機部23の上流部に設けられたものであり、貯留部2
0に貯留された球の残量が、待機部23内に残すのみと
なり、残り僅かとなったことを検出するものである。こ
の払出停止スイッチ47sは「払出停止量検出装置4
7」のスイッチを構成するものであり、払出停止スイッ
チ47sがONされると、主制御基板50から払出制御
基板60へと払出停止コマンドが送信され、この払出停
止コマンドを受けた払出制御基板60は、貸し球用払出
装置30a及び賞球用払出装置30bの駆動の強制的な
停止を行う。
【0071】残量不足スイッチ48sは、貯留部20の
レール部22に設けられたものであり、貯留部20に貯
留された球の残量が、補給装置による補給速度を超えた
高速で球の払い出しを続行することができない量となっ
たことを検出するものである。この残量不足スイッチ4
8sは「残量不足検出装置48」のスイッチを構成する
ものであり、残量不足スイッチ48sがONされると、
主制御基板50から払出制御基板60へと払出速度変更
コマンドが送信される。そして、これを受けた払出制御
基板60は、貸し球用払出装置30a及び賞球用払出装
置30bの各払出用モータ31a,bの駆動速度を、通
常の高速から低速に変更し、貸し球及び賞球の払い出し
速度が遅くなるように制御する。なお、遅くされた払い
出し速度は、遊技により消費される球の消費速度よりも
速い速度に設定されている。また、貸し球用払出装置3
0a及び賞球用払出装置30bの各払出用モータ31
a,bの駆動速度は、調節可能とされており、各払出用
モータ31a,bの駆動速度を調節することより、補給
装置からの球の補給速度等に対応させて、通常の払い出
し速度及び低速の払い出し速度の双方を、個別に適宜設
定することができる。ここで、通常の払い出し速度及び
低速の払い出し速度の調節は、各払出用モータ31a,
b、払出制御基板60、主制御基板50或いは他の基板
等に設けられた外部から操作可能な調節スイッチによっ
て行われるようにしてあり、パチンコ機10の出荷の際
ばかりでなく、遊技場に設置後においても、従業員等に
より的確な速度に調節することができるようにしてあ
る。
【0072】ところで、主制御基板50は、払出速度変
更コマンドを払出制御基板60に、残量不足スイッチ4
8sがONされて直ちに送信するのではなく、残量不足
スイッチ48sがONされた状態が所定時間継続された
後に送信する。これにより、貯留部20の球の残量が少
なくなったことを正確に検出することができ、無用な低
速払い出しの発生を防止することができる。
【0073】また、本例では、低速払い出し状態で上述
した補給スイッチ46sがOFFされると、球の貯留が
十分な量に補給されたとして、主制御基板50から払出
速度復帰コマンドが払出制御基板60に送信される。払
出制御基板60では、これを受けて、貸し球用払出装置
30a及び賞球用払出装置30bの各払出用モータ31
a,bの駆動速度を、低速から通常の高速に変更し、貸
し球及び賞球の払い出しが通常の高速で行われるように
制御する。このように、本例では、最低貯留量検出装置
46のスイッチと、残量充足検出装置のスイッチとを、
補給スイッチ46sにより兼用している。なお、主制御
基板50から払出制御基板60に送信される払出速度復
帰コマンドは、補給スイッチ46sがOFFとなると直
ちに送信されるのではなく、補給スイッチ46sがOF
Fされた状態が所定時間継続された後に送信されるよう
にしてあり、貯留部20に十分な量の球が確実に貯留さ
れた後に、通常の払い出し速度に復帰するように構成さ
れている。
【0074】主制御基板50では、残量不足スイッチ4
8sのONにより払出速度変更コマンドを払出制御基板
60に送信すると、低速の払い出しが行われる状態であ
るといった情報を具現化する「情報具現化手段」とし
て、ランプを点灯または点滅させたり、スピーカーから
音や音声を出力させる。また、補給スイッチ46sのO
FFにより払出速度復帰コマンドを払出制御基板60に
送信すると、上記「情報具現化手段」による情報の具現
化を解除する。さらに、払出停止スイッチ47sのON
により払出停止コマンドを払出制御基板60に送信する
と、払い出しが停止された状態であることを、対応する
ランプを点灯させて、この情報を具現化する。なお、低
速の払い出しが行われる状態であるといった情報は、
「情報具現化手段」によって具現化させず、パチンコ機
10外の機器に連絡信号を出力する等の「外部連絡手
段」によって、遊技場の従業員等に連絡するようにして
もよい。
【0075】払出制御基板60も、主制御基板50と同
様に、演算装置であるMPU61と、このMPU61に
より実行される各種の制御プログラムや固定値データ等
を記憶したROM62と、ワークメモリ等として使用さ
れるRAM63とを備えている。そして、RAM63に
は、残賞球数カウンタ63aと、残貸し球数カウンタ6
3bと、払出停止フラグ63cと、残量不足フラグ63
dと、バックアップエリア63fとが設けられている。
【0076】残賞球数カウンタ63aは、前述した主制
御基板50の残賞球数カウンタ53cと同様に、未払い
の賞球数を記憶するカウンタであり、払い出される賞球
数を払出制御基板60で管理するためのカウンタであ
る。残賞球数カウンタ63aの値は、賞球コマンドによ
って主制御基板50から払出制御基板60に賞球の払い
出しが指示される毎に、その指示された賞球数が加算さ
れる。また、払出制御基板60の制御によって賞球用払
出装置30bにより賞球の払い出しが行われると、その
払い出された賞球を賞球用払出装置30bの払出球カウ
ントスイッチ45bが検出する毎に「1」ずつ減算され
る。
【0077】残貸し球数カウンタ63bは、未払いの貸
し球数を記憶するカウンタであり、払い出される貸し球
数を払出制御基板60で管理するためのカウンタであ
る。残貸し球数カウンタ63bの値は、球貸し機80か
ら送信された貸し球コマンドによって貸し球の払い出し
が指示される毎に、その指示された貸し球数が加算され
る。また、貸し球用払出装置30aによって貸し球の払
い出しが行われると、その払い出された貸し球を貸し球
用払出装置30aの払出球カウントスイッチ45aが検
出する毎に「1」ずつ減算される。
【0078】払出制御基板60は、これらの残賞球数カ
ウンタ63aや残貸し球数カウンタ63bの値が「0」
になるまで、賞球用払出装置30bや貸し球用払出装置
30aを作動させて賞球や貸し球の払い出しを行うが、
RAM63が電源基板70によってバックアップされて
おり、残賞球数カウンタ63aや残貸し球数カウンタ6
3bの値が保持されているので、賞球や貸し球の払い出
し途中で電源が切断された場合でも、電源再入により、
未払い分の賞球や貸し球を正確に払い出すことができ
る。
【0079】払出停止フラグ63cは、賞球や貸し球の
払い出しを行う賞球用払出装置30bや貸し球用払出装
置30aの駆動停止を指示するためのフラグであり、主
制御基板50から払出停止コマンドを受信した場合にO
Nされる。
【0080】残量不足フラグ63dは、賞球や貸し球の
払い出しを行う賞球用払出装置30bや貸し球用払出装
置30aの駆動を、通常の払い出しを行う高速状態から
低速状態に変更することを指示するためのフラグであ
り、主制御基板50から払出速度変更コマンドを受信し
た場合にONされる。また、主制御基板50から払出速
度復帰コマンドを受信した場合にOFFされる。
【0081】バックアップエリア63fは、主制御基板
50のバックアップエリア53dと同様に、停電等によ
り電源が切断された場合の電源再入時に、パチンコ機1
0の状態を電源切断前の状態に復帰させるために、電源
切断時のスタックポインタ、各レジスタ、I/O等の値
を記憶しておくためのものである。このバックアップエ
リア63fへの書き込みは、NMI割込処理によって電
源切断時に実行される。また、バックアップエリア63
fに書き込まれた各値の復帰は、停電の解消等による電
源再入時の復帰処理において実行される。
【0082】払出制御基板60のMPU61、ROM6
2及びRAM63は、相互に接続されており、また、入
出力ポート64に接続されている。そして、入出力ポー
ト64には、貸し球用払出装置30aの払出用モータ3
1a、貸し球用払出装置30aの払出球カウントスイッ
チ45a、賞球用払出装置30bの払出用モータ31
b、賞球用払出装置30bの払出球カウントスイッチ4
5b、球貸し機80及び他の入出力装置91が接続され
ている。また、払出制御基板60の入出力ポート64
は、払出制御基板50の入出力ポート54に双方向通信
可能に接続されている。
【0083】払出球カウントスイッチ45a及び払出球
カウントスイッチ45bは、夫々、貸し球払出装置30
a及び賞球用払出装置30bから払い出された球を検出
するためのものであり、払出用モータ31a,bと共に
貸し球払出装置30a及び賞球用払出装置30bに搭載
されている。払出制御基板60では、払出球カウントス
イッチ45a,bにより球が検出されると、夫々対応す
るRAM63の残貸し球数カウンタ63b及び残賞球球
数カウンタ63aの値を「1」減算する。
【0084】賞球の払い出しについては、主制御基板5
0の残賞球数カウンタ53cと、払出制御基板60の残
賞球数カウンタ63aとの双方で監視されており、主制
御基板50と払出制御基板60とは、双方向通信可能に
接続されている。停電等によって、遊技中に電源が切断
された場合であっても、復電時に、払出制御基板60の
残賞球数カウンタ63aを主制御基板50の残賞球数カ
ウンタ53cの値に一致させる、或いは、主制御基板5
0の残賞球数カウンタ53cを払出制御基板60の残賞
球数カウンタ63aの値と一致させる等することによ
り、復電後の処理を円滑に行うことができる。
【0085】また、払出制御基板60では、払出停止フ
ラグがONされた状態であると、貸し球用払出装置30
a及び賞球用払出装置30bの各払出用モータ31a,
bを停止するように制御する。また、残量不足フラグが
OFFされた状態であれば、貸し球用払出装置30a及
び賞球用払出装置30bの各払出用モータ31a,bを
通常の高速で駆動するように制御するのであるが、残量
不足フラグがONされた状態では、各払出用モータ31
a,bを低速で駆動するように制御する。
【0086】電源基板70は、5ボルトの駆動電圧を出
力して主制御基板50及び払出制御基板60を駆動する
ものである。また、この電源基板70は、電源監視回路
72と、リセットスイッチ71とを備えており、停電信
号、リセット信号等を出力するものでもある。さらに、
この電源基板70からは、主制御基板50及び払出制御
基板60にバックアップ電圧が供給されており、停電等
により電源が切断されても、主制御基板50及び払出制
御基板60の各RAM53,63に記憶された各値は、
一定時間、保持される。
【0087】電源監視回路72は、電源基板70から出
力される最も大きい電圧である直流安定24ボルトの電
圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に
停電の発生と判断して、主制御基板50及び払出制御基
板60に停電信号を送信する。そして、この停電信号を
受けて、主制御基板50及び払出制御基板基板60は、
停電の発生を認識し、停電処理を実行する。なお、電源
基板70は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未
満になった後においても、停電時処理の実行に十分な時
間の間(停電時処理に好適な実行タイミングの待ち時間
を含む)、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正
常に維持するように構成されているので、主制御基板5
0及び払出制御基板60は、停電時処理を正常に実行す
ることができる。
【0088】クリアスイッチ71は、主制御基板50及
び払出制御基板60の各入出力ポート54,64に接続
されており、主制御基板50及び払出制御基板60の各
RAM53,63にバックアップされているデータをク
リアするためのものである。このクリアスイッチ71
は、押しボタンタイプのスイッチで構成されており、ク
リアスイッチ71を押下した状態で電源が投入される
と、主制御基板50及び払出制御基板60の各RAM5
3,63にバックアップされているデータがクリアされ
る。
【0089】次に、主制御基板50及び払出制御基板6
0で行われる各処理について説明する。
【0090】図7及び図8は、主制御基板50で実行さ
れる賞球処理のフローチャートである。賞球処理は、普
通入賞口13、始動口15或いは特別入賞口16に入賞
した球を検出する入賞検出処理S10と、賞球コマンド
を払出制御基板60に送信する賞球コマンド送信処理S
20と、払出制御基板60によって払い出された賞球を
検出する賞球検出処理S30との3つの処理によって構
成されている。
【0091】入賞検出処理S10では、まず、普通入賞
口スイッチ40によって球が検出されたか否かを確認す
る(S11)。ここで、普通入賞口スイッチ40によっ
て球が検出された場合には、10個の賞球を払い出すた
めに、賞球ポインタ53bの値番目の賞球バッファ53
aに「10」を書き込み(S12)、賞球ポインタ53
bの値を「1」加算する(S13)。一方、普通入賞口
スイッチ40によって球が検出されない場合には、S1
2及びS13の処理をスキップして、S14の処理に移
行する。
【0092】S14の処理では、始動口スイッチ41に
よって球が検出されたか否かを確認する。ここで、始動
口スイッチ41によって球が検出された場合には、5個
の賞球を払い出すために、賞球ポインタ53bの値番目
の賞球バッファ53aに「5」を書き込み(S15)、
賞球ポインタ53bの値を「1」加算する(S16)。
一方、始動口スイッチ41によって球が検出されない場
合には、S15及びS16の処理をスキップして、S1
7の処理に移行する。
【0093】S17の処理では、特別入賞口スイッチ4
3によって球が検出されたか否かを確認する。ここで、
特別入賞口スイッチ43によって球が検出された場合に
は、15個の賞球を払い出すために、賞球ポインタ53
bの値番目の賞球バッファ53aに「15」を書き込み
(S18)、賞球ポインタ53bの値を「1」加算する
(S19)。一方、特別入賞口スイッチ43によって球
が検出されない場合には、S18及びS19の処理をス
キップし、次の賞球コマンド送信処理S20に移行す
る。
【0094】賞球コマンド送信処理S20では、まず、
賞球ポインタ53bの値が「0」であるか否かを確認す
る(S21)。賞球ポインタ53bの値が「0」でなけ
れば、払い出すべき賞球数のデータが賞球バッファ53
aに記憶されていることになるので、0番目の賞球バッ
ファ53aの値を賞球コマンドのデータとしてセット
し、その賞球コマンドを払出制御基板に送信する(S2
2)。賞球コマンドの送信後は、その賞球コマンドによ
って送信した賞球数のデータである「0番目の賞球バッ
ファ53aの値」を残賞球数カウンタ53cに加算する
(S23)。そして、送信した0番目の賞球バッファ5
3aの値を消去し、1番目以降の賞球バッファ53aの
値を小さいアドレス側へと順にシフトして賞球バッファ
の値を更新し(S24)、賞球ポインタの値を「1」減
算する(S25)。一方、賞球ポインタ53bの値が
「0」であれば、払い出すべき賞球数のデータが賞球バ
ッファ53aに記憶されていないことになるため、S2
2〜S25の各処理をスキップして、次の賞球検出処理
S30に移行する。
【0095】賞球検出処理S30では、賞球用払出装置
30aの払出球カウントスイッチ45aによって球が検
出されたか否かを確認する(S31)。払出球カウンタ
スイッチ45aによって球が検出されていれば、賞球が
1個払い出されたことになるので、残賞球数カウンタ5
3cの値を確認し(S32)、その値が「0」でなけれ
ば、払い出された賞球に対応して、残賞球数カウンタ5
3cの値を「1」減算する(S33)。一方、払出球カ
ウンタスイッチ45aによって球が検出されなければ、
賞球が払い出されていないことになるので、S32及び
S33の処理をスキップする。また、払出球カウンタス
イッチ45aによって球が検出されていても、残賞球数
カウンタ53cの値が「0」であれば、未払いの賞球は
ないことになるので、S33の処理をスキップする。そ
して、賞球処理を終了する。
【0096】図9は、払出制御基板の各処理の中で実行
される賞球払出処理のフローチャートである。この賞球
払出処理では、まず、払出停止フラグ63cがONされ
ているか否かを確認する(S41)。払出停止フラグ6
3cがONされていなければ、残賞球数カウンタ63a
の値を確認し(S42)、その値が「0」でなければ、
未払いの賞球があることになるので、賞球の払い出しが
可能であるか否かを確認し(S43)、賞球の払い出し
が可能な状態であれば、賞球用払出装置30bの払出用
モータ31bを駆動して賞球の払い出しを行う処理に移
行する。ここで、賞球の払い出しが不可能な状態は、例
えば、パチンコ機10の下皿が満杯となり、これ以上の
球の払い出しが行われても、球を収容できない状態や、
払出用モータ31a,bやその他の機器が故障した状態
等であり、払出制御基板60では、これらの状態を検出
した場合に、払い出しが不可能な状態として処理する。
なお、上記のような払い出しが不可能な状態が検出され
た場合も、払出停止フラグ63cがONされるようにし
てもよい。
【0097】賞球の払い出しを行う処理では、残量不足
フラグ63dがONされているか否かを確認する(S4
4)。ここで、残量不足フラグ63dがONされていな
ければ、払い出しに十分な量の球が貯留部20に貯留さ
れていることになるので、賞球用払出装置30bの払出
用モータ31bを、通常の高速で駆動して高速払い出し
を行う(S47)。一方、残量不足フラグ63dがON
されていると、貯留部20に貯留された球の残量が、高
速払い出しを行うのに十分な量に満たないことになるの
で、賞球用払出装置30bの払出用モータ31bを、低
速で駆動して低速払い出しを行う(S46)。
【0098】また、S41にて払出停止フラグがONさ
れている場合、S42にて残賞球数カウンタ63aの値
が「0」である場合、及び、S43にて賞球の払い出し
が不可能な状態である場合には、賞球用払出装置30b
の払出用モータ31bの駆動を停止させ、賞球の払い出
しを行わない(S45)。
【0099】次の処理では、賞球用払出装置30aの払
出球カウントスイッチ45aによって球が検出されたか
否かを確認する(S48)。払出球カウンタスイッチ4
5aによって球が検出されていれば、賞球が1個払い出
されたことになるので、残賞球数カウンタ63aの値を
確認し(S49)、その値が「0」でなければ、払い出
された賞球に対応して、残賞球数カウンタ63aの値を
「1」減算する(S50)。一方、払出球カウンタスイ
ッチ45aによって球が検出されなければ、賞球が払い
出されていないことになるので、S49及びS50の処
理をスキップする。また、払出球カウンタスイッチ45
aによって球が検出されていても、残賞球数カウンタ6
3aの値が「0」であれば、未払いの賞球はないことに
なるので、S50の処理をスキップする。そして、賞球
払出処理を終了する。
【0100】払出制御基板60では、賞球払出処理の他
に、貸し球払出処理も行うのであるが、この貸し球払出
処理は、上述した賞球払出処理における賞球用払出装置
30bの制御に変えて、貸し球用払出装置30aの制御
を行うものであり、図9に示したフローチャートにおい
て、「賞球」を「貸し球」とし、「賞球用払出装置の払
出用モータ」を「貸し球用払出装置の払出モータ」と
し、「残賞球数カウンタ」を「残貸し球数カウンタ」と
して、同様な処理が行われる。
【0101】以上説明した本例のパチンコ機10では、
主制御基板50における残量不足スイッチ48sのON
による払出速度変更コマンドの送信、この払出速度変更
コマンドを受けた払出制御基板60における残量不足フ
ラグ63dのON、残量不足フラグ63dのONに応じ
た各払出用モータ31a,bの駆動といった一連の制御
によって「払出速度変更手段」が構成されている。ま
た、主制御基板50における補給スイッチ46sのOF
Fによる払出速度復帰コマンドの送信、この払出速度復
帰コマンドを受けた払出制御基板60における残量不足
フラグ63dのOFF、残量不足フラグ63dのOFF
に応じた各払出用モータ31a,bの駆動といった一連
の制御によって「払出速度復帰手段」が構成されてい
る。
【0102】なお、本発明に係る遊技機の具体的な構成
については、例えば次のように、様々な変更が可能であ
る。
【0103】変更例1:残量不足検出装置を、最低貯留
量検出装置を兼ねるものとする。この場合には、残量不
足検出装置によって貯留部に貯留された有価物体の残量
が少ないことが検出されると、払出速度変更手段によっ
て払い出し速度が遅くされると共に、補給装置からの有
価物体の補給が行われる。
【0104】変形例2:残量不足検出装置を、払出停止
量検出装置を兼ねるものとする。この場合には、貯留部
に貯留された有価物体が残り僅かとなった状態で、払出
速度変更手段によって払い出し速度が遅くされる。この
態様では、有価物体が残り僅かとなった状態を正確に検
出するように所定時間(例えば0.3秒)経過後に、払
出速度変更手段によって払い出し速度を遅くし、払い出
し速度が遅い状態が所定時間(例えば3秒)継続した
後、払い出しを強制的に停止させればよい。なお、払い
出し速度が遅い状態を継続させる時間としては、残り僅
かな有価物体が低速の払い出しにより完全になくなるま
での時間より短く設定するとよい。これにより、「貯留
部に有価物体が全くない状態において、払い出しについ
ての一連の作動が行われる」といった不具合が生じるこ
とを防止することができる。
【0105】変形例3:残量不足検出装置を、残量充足
検出装置を兼ねるものとする。この場合には、残量不足
検出装置によって貯留部に貯留された有価物体の残量が
少ないことが検出されると、払出速度変更手段によって
払い出し速度が遅くされる。そして、残量不足検出装置
によって貯留部に貯留された有価物体の残量が少ないこ
とが検出されなくなれば、有価物体の残量が多くなった
ことを検出したことになり、有価物体が十分に補給され
たとして、払出速度復帰手段によって払い出し速度が通
常の高速に復帰される。なお、残量不足検出装置によっ
て貯留部に貯留された有価物体の残量が少ないことが検
出されない状態、すなわち、有価物体の残量が多くなっ
た状態を所定時間(例えば5秒)継続して検出した後
に、払出速度復帰手段によって払い出し速度が通常の速
度に復帰されるようにすると、貯留部における有価物体
の十分な残量を確保した上で、高速の払い出しに復帰さ
せることができる。また、この態様において、残量不足
検出装置を、さらに、最低貯留量検出装置または払出停
止量検出装置の一方、或いは、最低貯留量検出装置及び
払出停止量検出装置の双方を兼ねるものとしてもよい。
【0106】変形例4:残量不足検出装置を、貯留部に
おける最低貯留量検出装置の上流側に設けられたものと
する。この場合には、貯留部における有価物体の貯留量
が少なくなると、まず、この状態を残量不足検出装置が
検出して払い出し速度が遅くされる。そして、低速の払
い出しが継続して行われた後に、さらに有価物体が少な
くなり、有価物体の補給が必要な状態となると、この状
態を最低貯留量検出装置が検出して、補給装置からの有
価物体の補給が行われる。
【0107】変形例5:残量不足検出装置、残量充足検
出装置、最低貯留量検出装置及び払出停止量検出装置に
よる検出結果の少なくとも一つ或いは全部の処理、具体
的には、残量不足スイッチ、補給スイッチ及び払出停止
スイッチによる検出結果の少なくとも一つ或いは全部の
処理を、主制御基板にて行うこととしてあるが、この処
理を、払出制御基板或いは他の基板にて行うこととす
る。この場合には、主制御基板から払い出しに関する処
理の一部或いは全部を省略することができるため、主制
御基板での処理を軽減することができる。また、上記処
理を、主制御基板、払出制御基板または他の基板の内、
少なくとも二つによって行うこととしてもよい。この場
合には、少なくとも二つの基板にて払い出しに関する処
理を監視することができるため、払い出しに関する誤作
動を抑制することができる。
【0108】
【発明の効果】本発明によれば、有価物体の払い出し速
度が一定ではなく、有価物体の残量が少なくなると遅く
なるため、貯留部から有価物体がなくなり難く、貯留部
から有価物体がなくなって払い出しを行うことができな
くなるといった事態が頻発することを抑制することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る遊技機の一例としてのパチンコ機
を示す正面図である。
【図2】パチンコ機の背面図である。
【図3】パチンコ機の貯留部を示す斜視図である。
【図4】パチンコ機の待機部を示す斜視図である。
【図5】パチンコ機の払出装置を示す斜視図である。
【図6】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図であ
る。
【図7】賞球処理を示すフローチャートである。
【図8】賞球処理を示すフローチャートである。
【図9】賞球払出処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
20 貯留部 30 払出装置 48 残量不足検出装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有価物体を貯留する貯留部と、払出条件
    の成立に基づいて前記貯留部に貯留された有価物体を払
    い出す払出装置とを備えた遊技機であって、 前記貯留部に貯留された有価物体の残量が予め定められ
    た量よりも少ないことを検出する残量不足検出装置と、 該残量不足検出装置の検出結果に基づいて前記払出装置
    による有価物体の払い出し速度を遅くする払出速度変更
    手段とを備えたことを特徴とする遊技機。
  2. 【請求項2】 請求項1の遊技機において、補給装置か
    ら貯留部に有価物体が補給される遊技機であって、払出
    速度変更手段は、有価物体の払い出し速度を、前記補給
    装置による補給速度よりも速い速度から補給装置による
    補給速度よりも遅い速度に変更することを特徴とする遊
    技機。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2の遊技機におい
    て、払出速度変更手段によって遅くされた払い出し速度
    は、遊技に消費される有価物体の消費速度よりも速い速
    度であることを特徴とする遊技機。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3までのいずれか一
    つの遊技機において、貯留部に貯留された有価物体の残
    量が予め定められた量よりも多いことを検出する残量充
    足検出装置と、該残量充足検出装置の検出結果に基づい
    て有価物体の払い出し速度を通常速度に復帰させる払出
    速度復帰手段を備えたことを特徴とする遊技機。
JP2002370157A 2002-12-20 2002-12-20 遊技機 Withdrawn JP2003275425A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002370157A JP2003275425A (ja) 2002-12-20 2002-12-20 遊技機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002370157A JP2003275425A (ja) 2002-12-20 2002-12-20 遊技機

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002077684A Division JP2003265796A (ja) 2002-03-20 2002-03-20 遊技機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003275425A true JP2003275425A (ja) 2003-09-30

Family

ID=29208289

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002370157A Withdrawn JP2003275425A (ja) 2002-12-20 2002-12-20 遊技機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003275425A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009072512A (ja) * 2007-09-25 2009-04-09 Sanyo Product Co Ltd 遊技機
JP2009226147A (ja) * 2008-03-25 2009-10-08 Fujishoji Co Ltd 遊技機
JP2013056275A (ja) * 2012-12-28 2013-03-28 Sanyo Product Co Ltd 遊技機
JP2014166374A (ja) * 2014-03-18 2014-09-11 Sanyo Product Co Ltd 遊技機
JP2015037637A (ja) * 2014-11-19 2015-02-26 株式会社三洋物産 遊技機

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009072512A (ja) * 2007-09-25 2009-04-09 Sanyo Product Co Ltd 遊技機
JP2009226147A (ja) * 2008-03-25 2009-10-08 Fujishoji Co Ltd 遊技機
JP4742111B2 (ja) * 2008-03-25 2011-08-10 株式会社藤商事 遊技機
JP2013056275A (ja) * 2012-12-28 2013-03-28 Sanyo Product Co Ltd 遊技機
JP2014166374A (ja) * 2014-03-18 2014-09-11 Sanyo Product Co Ltd 遊技機
JP2015037637A (ja) * 2014-11-19 2015-02-26 株式会社三洋物産 遊技機

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5500707B2 (ja) 遊技機
JP2008093104A (ja) パチンコ機
JP5368391B2 (ja) 回胴式遊技機
JP2008017921A (ja) パチンコ機
JP2003275425A (ja) 遊技機
JP2017064136A (ja) 遊技機
JP6348688B2 (ja) スロットマシン
JP2007090091A (ja) 遊技機用遊技媒体払出装置
JP6482753B2 (ja) スロットマシン
JP2003305168A (ja) 遊技機
JP2003305167A (ja) 遊技機
JP2009131390A (ja) 遊技機
JP2008125647A (ja) 遊技機
JP2003265796A (ja) 遊技機
JP6540864B2 (ja) 遊技機
JP6680449B2 (ja) スロットマシン
JP6442103B2 (ja) スロットマシン
JP6503039B2 (ja) 遊技機
JP6532501B2 (ja) 遊技機
JP6431955B2 (ja) スロットマシン
JP6561739B2 (ja) 遊技機
JP2004105280A (ja) パチンコ機
JP4650464B2 (ja) 遊技機
JP5362806B2 (ja) パチンコ機
JP2019177240A (ja) 遊技機

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070612

A761 Written withdrawal of application

Effective date: 20070726

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761